説明

触媒およびカルボニル化合物を水素化する方法

少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法であって、有機化合物を水素の存在で、(i)酸化銅、酸化アルミニウムおよびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含む酸化物材料を準備し、(ii)この酸化物材料に粉末状の金属の銅、銅小板、粉末状のセメント、黒鉛またはこれらの混合物を添加し、(iii)(ii)から生じる混合物を成形体に変形するような1つの方法により製造しうる成形体と接触させることを特徴とする、少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、なかんずく触媒が酸化銅、酸化アルミニウムおよびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つからなり、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の添加によって高い選択性および同時に高い安定性を有する触媒が生成されることを示すような触媒を使用しながら少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法に関する。前記触媒を製造する場合には、付加的に銅粉末、銅小板またはセメントを添加することができる。同様に、本発明は、触媒それ自体ならびに一般に高い選択性および同時に高い安定性を有する触媒の製造の際の酸化ランタンの使用に関する。
【0002】
カルボニル化合物、例えばカルボン酸またはカルボン酸エステルの接触水素添加は、化学原料工業の生産要素において1つの重要な立場を占めている。
【0003】
カルボニル化合物、例えばカルボン酸エステルの接触水素添加は、工業的方法において、殆んど専ら固定床反応器中で実施される。固定床反応としては、ラニー型の触媒と共になかんずく担持触媒、例えば銅触媒、ニッケル触媒または貴金属触媒が使用される。
【0004】
米国特許第3923694号明細書には、例えば酸化銅/酸化亜鉛/酸化アルミニウムの型の触媒が記載されている。この触媒の欠点は、この触媒が反応中に機械的に十分には安定性でなく、したがって比較的に急速に崩壊することにある。このことから、崩壊する触媒成形体によって反応器上で活性の損失および差圧の構成が生じる。今後、この装置は、早期に改善されなければならない。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願第19809418.3号には、触媒の存在でカルボニル化合物を接触水素化する方法が記載されており、この場合この触媒は、主に二酸化チタンを含有する担体および活性成分として銅または銅と亜鉛、アルミニウム、セリウム、貴金属および第VIII副族の金属の群から選択された少なくとも1つの金属との混合物を含み、この場合銅の表面積は、最大10m/gである。好ましい担体材料は、二酸化チタンと酸化アルミニウムもしくは酸化ジルコニウムまたは酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムとからなる混合物である。
【0006】
1つの好ましい実施態様において、触媒材料は、金属の銅粉末または銅小板を添加しながら変形される。
【0007】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19505347号明細書には、一般に高い機械的強度を有するペレット状触媒の製造方法が記載されており、この場合には、ペレット状化すべき材料に金属粉末または金属合金の粉末が添加される。なかんずく、金属粉末としては、アルミニウム粉末もしくは銅粉末または銅小板が添加される。しかし、アルミニウム粉末を添加した場合には、酸化銅/酸化亜鉛/酸化アルミニウム触媒で、アルミニウム粉末の添加なしに製造された成形体よりも劣悪な側面圧力強度を有する成形体が得られ、この発明による成形体は、触媒としての使用の場合にアルミニウム粉末の添加剤なしに製造された触媒よりも劣悪な交換活性を示した。同様に、このドイツ連邦共和国特許出願公開明細書には、NiO、ZrO、MoOおよびCuOからなる水素化触媒が開示されており、この水素化触媒には、製造の際になかんずくCu粉末が混入された。しかし、このドイツ連邦共和国特許出願公開明細書には、選択性および活性については何も記載されていない。
【0008】
ドイツ連邦共和国特許第256515号明細書には、合成ガスからアルコールを製造する方法が記載されており、この場合には、Cu/Al/Znをベースとする触媒が使用され、この触媒は、金属の銅粉末または銅小板と一緒に粉砕しかつペレット化することによって取得される。主な注目点は、記載された方法の場合にC〜C−アルコールからなる混合物の製造にあり、この場合には、反応器が層の上側の三分の一で銅粉末または銅小板の高い含量を有する触媒を含み、下側の三分の一には、銅粉末または銅小板の低い含量を有する触媒を含む。
【0009】
本発明の課題は、公知技術水準の欠点を有しない1つの方法および触媒を提供し、カルボニル化合物を接触水素化する方法および触媒を提供することであり、この場合この触媒は、高い機械的安定性ならびに高い水素化活性および選択性を有する。
【0010】
銅化合物、アルミニウム化合物と少なくとも1つのランタン化合物、タングステン化合物、モリブデン化合物、チタン化合物またはジルコニウム化合物の同時の沈殿、引続く乾燥、か焼、ペレット化ならびに金属の銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末または黒鉛、または混合物の添加によって、1つの触媒を得ることができ、この触媒は、少なくとも1つのランタン化合物、タングステン化合物、モリブデン化合物、チタン化合物またはジルコニウム化合物の添加により、高い活性および選択性ならびに触媒として使用される成形体の高い安定性を生じることが見出された。
【0011】
それに応じて、本発明は、少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法に関し、この場合この有機化合物は、水素の存在で、
(i)酸化銅、酸化アルミニウムおよびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含む酸化物材料を準備し、
(ii)この酸化物材料に粉末状の金属の銅、銅小板、粉末状のセメントもしくは黒鉛またはこれらの混合物を添加することができ、
(iii)(ii)から生じる混合物を成形体に変形するような1つの方法により製造しうる成形体と接触される。
【0012】
好ましい実施態様において、本発明による成形体は、中実触媒、含浸触媒、外殻触媒および沈殿触媒として使用される。
【0013】
本発明による方法に使用される触媒は、活性成分の銅、成分のアルミニウムおよび成分のランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つが有利にソーダ溶液で同時にかまたは順次に沈殿され、引続き乾燥され、か焼され、ペレット化され、再びか焼されることを示す。
【0014】
殊に、次の沈殿法がこれに該当する:
A)銅塩溶液、アルミニウム塩溶液およびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの少なくとも1つの塩の溶液または銅塩、アルミニウム塩およびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの塩を含有する溶液は、同時にかまたは順次にソーダ溶液で沈殿される。引続き、沈殿された材料は、乾燥され、場合によってはか焼される。
B)銅塩溶液およびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの少なくとも1つの塩の溶液または銅塩およびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの少なくとも1つの塩を含有する溶液は、予め完成された酸化アルミニウム担体上に沈殿される。これは、特に好ましい実施態様において、粉末として水性懸濁液中に存在する。しかし、担体材料は、球体、ストランド、砕石状物またはペレットとして存在することもできる。
B1)1つの実施態様(I)において、銅塩溶液およびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの少なくとも1つの塩の溶液または銅塩およびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの少なくとも1つの塩を含有する溶液は、有利にソーダ溶液で沈殿される。装入物として、担体材料の酸化アルミニウムの水性懸濁液が使用される。
【0015】
A)またはB)から生じる沈殿された沈殿物は、例えばドイツ連邦共和国特許出願第19809418.3号の記載と同様に、通常、濾過され、有利にアルカリが無くなるまで洗浄される。
【0016】
A)からの最終製品ならびにB)からの最終製品は、50〜150℃の温度、有利に120℃で乾燥され、引続き場合によっては一般に200〜600℃、殊に300〜500℃で特に2時間か焼される。
【0017】
A)および/またはB)のための出発物質としては、原理的に塗布の際に使用される溶剤中で可溶性の全てのCu(I)塩および/またはCu(II)塩、例えば硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩またはアンモニウム複合体、類似のアルミニウム塩およびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの塩を使用することができる。A)およびB)に記載の方法にとって特に有利には、硝酸銅が使用される。
【0018】
本発明による方法において、上記の乾燥されかつ場合によってはか焼された粉末は、有利にペレット、リング状物、リング状ペレット、押出物、ハニカム体または同様の成形体に加工される。このために、公知技術水準から適した全ての方法を考えることができる。
【0019】
酸化物材料の組成は、一般にそれぞれ酸化物成分の総和の全質量に対して、酸化銅の含量が40〜90質量%の範囲内にあり、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の含量が0〜50質量%の範囲内にあり、酸化アルミニウムの含量が50質量%までの範囲内にあるように調整され、この場合これらの3つの酸化物は、一緒になってか焼後の酸化物材料の少なくとも80質量%であり、この場合セメントは、上記範囲内の酸化物材料には加算されない。
【0020】
従って、1つの好ましい実施態様において、本発明は、
酸化物材料が、それぞれか焼後の酸化物材料の全質量に対して、
(a)xが50質量%以上、80質量%以下、特にxが55質量%以上、75質量%以下である範囲の含量を有する酸化銅、
(b)yが15質量%以上、35質量%以下、特にyが20質量%以上、30質量%以下である範囲の含量を有する酸化アルミニウムおよび
(c)zが2質量%以上、20質量%以下、特にzが3質量%以上、15質量%以下である範囲の含量を有する、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含み、この場合x+y+zは、80質量%以上、100質量%以下、殊にx+y+zは、95質量%以上、100質量%以下であることによって特徴付けられる、上記したような方法に関する。
【0021】
本発明による方法および本発明による触媒は、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの添加によって沈殿の際に、触媒として使用される成形体の高い安定性を生じることを示す。
【0022】
一般に、酸化物材料には、それぞれ酸化物材料の全質量に対して1〜40質量%の範囲内、有利に2〜20質量%の範囲内、特に有利に3〜10質量%の範囲内の粉末状の銅、銅小板もしくは粉末状のセメントもしくは黒鉛またはこれらの混合物が含有される。
【0023】
セメントとしては、酸化アルミニウムセメントが使用される。特に有利には、酸化アルミニウムセメントは、本質的に酸化アルミニウムおよび酸化カルシウムからなり、特に好ましくは、この酸化アルミニウムセメントは、酸化アルミニウム約75〜85質量%と酸化カルシウム15〜25質量%からなる。更に、酸化マグネシウム/酸化アルミニウム、酸化カルシウム/酸化形素および酸化カルシウム/酸化アルミニウム/酸化鉄をベースとするセメントを使用することができる。
【0024】
殊に、酸化物材料は、酸化物材料の全質量に対して最大10質量%、有利に最大5質量%の含量で、元素Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、PdおよびPtからなる群から選択される少なくとも1つの他の成分を有することができる。
【0025】
更に、本発明による方法の好ましい実施態様において、酸化物材料には、成形体への変形前に銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末またはこれらの混合物以外に黒鉛が添加される。有利には、成形体への変形が良好に実施されうる程度に黒鉛が添加される。1つの好ましい実施態様において、酸化物材料の全質量に対して0.5〜5質量%の黒鉛が添加される。この場合、黒鉛が銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末またはこれらの混合物の前もしくは後または銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末またはこれらの混合物と同時に酸化物材料に添加されるかどうかは、どうでもよいことである。
【0026】
それに応じて、本発明は、酸化物材料または(ii)から生じる混合物に黒鉛を、酸化物材料の全質量に対して0.5〜5質量%の範囲内の含量で添加することを特徴とする、上記の記載と同様の方法にも関する。
【0027】
従って、本発明は、1つの好ましい実施態様において、
それぞれか焼後の酸化物材料の全質量に対して、
(a)xが50質量%以上、80質量%以下、特にxが55質量%以上、75質量%以下である範囲の含量を有する酸化銅、
(b)yが15質量%以上、35質量%以下、特にyが20質量%以上、30質量%以下である範囲の含量を有する酸化アルミニウムおよび
(c)zが2質量%以上、20質量%以下、特にzが3質量%以上、15質量%以下である範囲の含量を有する、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含む酸化物材料、この場合x+y+zは、80質量%以上、100質量%以下、殊にx+y+zは、95質量%以上、100質量%以下であり、
酸化物材料の全質量に対して1〜40質量%の範囲内の含量を有する、金属の銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末またはこれらの混合物および
酸化物材料の全質量に対して0.5〜5質量%の含量を有する黒鉛を含み、
この場合酸化物材料、金属の銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末またはこれらの混合物および黒鉛からの含量の総和は、成形体に対して少なくとも95質量%であるような成形体にも関する。
【0028】
銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末またはこれらの混合物および場合によっては黒鉛を酸化物材料に添加した後、変形後に得られた成形体は、少なくとも1回、一般に0.5〜10時間、有利に0.5〜2時間に亘ってか焼される。この少なくとも1回のか焼工程時の温度は、一般に200〜600℃の範囲内、有利に250〜500℃の範囲内、特に有利に270〜400℃の範囲内にある。
【0029】
セメント粉末を用いての成形の場合には、か焼前に得られた成形体を水で湿らせ、引続き乾燥させるのが好ましい。
【0030】
成形体は、酸化物の形で触媒として使用する場合には、水素化溶液での被覆前に還元性ガス、例えば水素、有利に水素−不活性ガス混合物、殊に水素/窒素混合物で100〜500℃の範囲内、有利に150〜350℃の範囲内、殊に180〜200℃の範囲内での温度で前還元される。この場合には、有利に1〜100体積%の範囲内、特に有利に1〜50体積%の範囲内の水素含量を有する混合物が使用される。
【0031】
1つの好ましい実施態様において、本発明による成形体は、触媒としての使用前に自体公知の方法で還元性媒体での処理によって活性化される。活性化は、予め還元炉中で行なわれるかまたは反応器中への取付け後に行なわれる。前記触媒が予め還元炉中で活性化されている場合には、前記触媒は、反応器中に取り付けられ、直接に水素圧力下で水素化溶液で被覆される。
【0032】
本発明による方法により製造される成形体の好ましい使用分野は、固定床中でのカルボニル基を有する有機化合物の水素化である。しかし、別の実施態様、例えば上下への渦動運動で存在する触媒材料の渦動反応も、同様に可能である。この水素化は、気相中または液相中で実施されることができる。特に、水素化は、液相中で、例えば細流運転形式(Rieselfahrweise)または塔底運転形式で実施される。
【0033】
細流運転形式で作業する場合には、水素化すべきカルボニル化合物を含有する液状のエダクトは、水素圧力下にある反応器中で、この反応器中に配置された触媒床上を少しずつ流れ、その際に触媒上には、薄手の液体皮膜が形成される。これとは異なり、塔底運転形式で作業する場合には、水素ガスは液状反応混合物が押し寄せる反応器中に導入され、その際に水素は、上昇するパール状ガス中で触媒床を通過する。
【0034】
1つの実施態様において、水素化すべき溶液は、直立の通路内で触媒積重ね物を介してポンプ輸送される。本発明による方法の別の実施態様において、生成物の一部分は、反応器の通過後に生成物流として連続的に取り出され、場合によっては上記に定義されたような第2の反応器に導通される。生成物の別の部分は、カルボニル化合物を含有する新しいエダクトと一緒に反応器に再び返送される。この方法は、以下、循環路運転形式と呼ばれる。
【0035】
本発明による方法の実施態様として細流運転形式を選択した場合には、循環路運転形式が好ましい。更に、有利には、循環路運転形式においては、主要反応器および後方反応器を使用しながら作業される。
【0036】
本発明による方法は、カルボニル化合物、例えばアルデヒドおよびケトン、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸無水物を相応するアルコールに水素化するために適しており、この場合には、脂肪族飽和カルボニル化合物および脂肪族不飽和カルボニル化合物ならびに脂環式飽和カルボニル化合物および脂環式不飽和カルボニル化合物が好ましい。芳香族カルボニル化合物の場合には、芳香族核の水素化による望ましくない副生成物が形成しうる。カルボニル化合物は、他の官能基、例えばヒドロキシ基またはアミノ基を有することができる。不飽和カルボニル化合物は、一般に相応する飽和アルコールに水素化される。本発明の範囲内で使用されているような”カルボニル化合物”の概念は、カルボン酸およびその誘導体を含めてC=O−基を有する全ての化合物を含む。勿論、2つまたはそれ以上のカルボニル化合物からなる混合物が共通に水素化されてもよい。更に、水素化すべき個々のカルボニル化合物は、1個以上のカルボニル基を有していてもよい。
【0037】
好ましくは、本発明による方法は、脂肪族アルデヒド、ヒドロキシアルデヒド、ケトン、酸、エステル、無水物、ラクトンおよび糖の水素化に使用される。
【0038】
好ましい脂肪族アルデヒドは、分枝鎖状および非分枝鎖状の飽和および/または不飽和の脂肪族C〜C30−アルデヒドであり、例えばこのアルデヒドは、内部二重結合または末端二重結合を有する直鎖状または分枝鎖状のオレフィンからオキソ合成によって得ることができる。更に、30個を上廻るカルボニル基を有するオリゴマー化合物が水素化されてもよい。
【0039】
脂肪族アルデヒドの例としては、次のものを挙げることができる:
ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、3−メチルブチルアルデヒド(イソブチルアルデヒド)、2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド(ピバリンアルデヒド)、カプロンアルデヒド、2−メチルバレルアルデヒド、3−メチルバレルアルデヒド、4−メチルバレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、2,2−ジメチルブチルアルデヒド、3,3−ジメチルブチルアルデヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド、グルタルジアルデヒド。
【0040】
記載された短鎖状のアルデヒドと共に、殊に例えば直鎖状α−オレフィンからのオキソ合成によって得ることができるような長鎖状脂肪族アルデヒドも適当である。
【0041】
特に好ましいのは、エナール化生成物(Enalisierungsprodukte)、例えば2−エチルヘキセナール、2−メチルペンテナール、2,4−ジエチルオクテナールまたは2,4−ジメチルヘプテナールである。
【0042】
好ましいヒドロキシアルデヒドは、例えば脂肪族アルデヒドおよび脂環式アルデヒドおよびケトンそれ自体またはホルムアルデヒドからのアルドール反応によって得ることができるようなC〜C12−ヒドロキシアルデヒドである。例は、3−ヒドロキシプロパナール、ジメチルロールエタナール、トリメチロールエタナール(ペンタエリトリタール)、3−ヒドロキシブタナール(アセトアルドール)、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキサナール(ブチルアルドール)、3−ヒドロキシ−2−メチルペンタナール(プロピエンアルドール)、2−メチロールプロパナール、2,2−ジメチロールプロパナール、3−ヒドロキシ−2−メチルブタナール、3−ヒドロキシペンタナール、2−メチロールブタナール、2,2−ジメチロールブタナール、ヒドロキシピバリンアルデヒドである。特に好ましいのは、ヒドロキシピバリンアルデヒド(HPA)およびジメチロールブタナール(DMB)である。
【0043】
好ましいケトンは、アセトン、ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、シクロヘキサノン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、メシチルオキシド、アセトフェノン、プロピオンフェノン、ベンゾフェノン、ベンザールアセトン、ジベンザールアセトン、ベンザールアセトフェノン、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ヘキサンジオンおよびメチルビニルケトンである。
【0044】
更に、カルボン酸およびその誘導体、特に1〜20個のC原子を有するカルボン酸およびその誘導体は、反応させることができる。殊に、次のものを挙げることができる:
カルボン酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、トリメチル酢酸(”ピバリン酸”)、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、p−アミノ安息香酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸;
カルボン酸エステル、例えば上記カルボン酸のC〜C10−アルキルエステル、殊にメチルホルミエート、酢酸エステル、酪酸ブチルエステル、フタル酸ジアルキルエステル、イソフタル酸ジアルキルエステル、テレフタル酸ジアルキルエステル、アジピン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、例えば前記酸のジメチルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエステル、ブチロラクトン、カプロラクトンおよびポリカルボン酸エステル、例えばポリアクリル酸エステルおよびポリメタクリル酸エステルならびにこれらのコポリマーおよびポリエステル、例えばポリメチルメタクリレート、テレフタル酸エステルおよび別の工業用プラスチック、この場合には、殊に水素化分解、即ち相応する酸およびアルコールへのエステルの反応が実施され;
脂肪;
カルボン酸無水物、例えば上記カルボン酸の無水物、殊に無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸および無水マレイン酸;
カルボン酸アミド、例えばホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、ステアラミド、テレフタル酸アミド。
【0045】
更に、ヒドロキシカルボン酸、例えば乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、またはアミノ酸、例えばグリシン、アラニン、プロリンおよびアルギニンならびにペプチドが反応されてもよい。
【0046】
特に好ましい有機化合物として、飽和または不飽和カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物もしくはラクトンまたはこれらの2つまたはそれ以上からなる混合物が水素化される。
【0047】
それに応じて、本発明は、有機化合物がカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物またはラクトンであることを特徴とする、上記したような方法にも関する。
【0048】
前記化合物の例は、なかんずくマレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−シクロドデシルプロピオン酸、前記酸のエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルまたはブチルエステルである。更に、例は、γ−ブチロラクトンおよびカプロラクトンである。
【0049】
特に好ましい実施態様において、本発明は、有機化合物がアジピン酸またはアジピン酸エステルであることを特徴とする、上記したような方法にも関する。
【0050】
水素化することができるカルボニル化合物は、水素化反応器に単独でかまたは水素化反応の生成物との混合物として供給されることができ、この場合には、これは、希釈されていない形でかまたは付加的な溶剤を使用しながら行なうことができる。付加的な溶剤としては、殊に水、アルコール、例えばメタノール、エタノールおよび反応条件下で生成されるアルコールが適当である。好ましい溶剤は、水、THFおよびNMPであり、特に好ましいのは、水である。
【0051】
塔底運転形式ならびに細流運転形式での水素化、この場合には、それぞれ有利に循環路運転形式で作業される、は、一般に50〜350℃の範囲内、有利に70〜300℃の範囲内、特に有利に100〜270℃の範囲内での温度および3〜350バールの範囲内、有利に5〜330バールの範囲内、特に有利に10〜300バールの範囲内での圧力で実施される。
【0052】
特に好ましい実施態様において、本発明による触媒は、ヘキサンジオールおよび/またはカプロラクトンを製造するための方法において使用され、例えばこの方法は、ドイツ連邦共和国特許第19607954号明細書、ドイツ連邦共和国特許第19607955号明細書、ドイツ連邦共和国特許第19647348号明細書およびドイツ連邦共和国特許第19647349号明細書に記載されている。
【0053】
本発明による触媒を使用しながら本発明による方法を用いた場合には、高い変換率および選択性が達成される。同時に、本発明による触媒は、高い化学的安定性および機械的安定性を有する。
【0054】
従って、本発明は、一般に触媒を製造する場合にランタン酸化物、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、チタン酸化物および/またはジルコニウム酸化物を添加することによって、触媒の機械的安定性ならびに活性および選択性を上昇させるためのCu−Al触媒の使用に関する。
【0055】
1つの好ましい実施態様において、本発明は、触媒が活性成分として銅を含むことを特徴とする、前記したような使用に関する。
【0056】
固体触媒の機械的安定性および特に本発明による触媒は、種々の状態(酸化還元、還元および水を使用しながらの懸濁)での側面圧力強度のパラメーターによって記載される。
【0057】
側面圧力強度は、本発明の範囲内でZwick社(Ulm在)の型式”Z 2.5/T 919”の機器を用いて測定された。還元された触媒ならびに使用された触媒の場合には、測定は、触媒の再酸化を阻止するために、窒素雰囲気下で実施された。
【0058】
次の実施例において、本発明は、詳細に記載される。
【0059】
実施例
例1:触媒1の製造
触媒の製造
19.34%の硝酸銅溶液12.41kgと8.12%の硝酸アルミニウム溶液14.78kgと37.58%の硝酸ランタン溶液×6HO1.06kgとからなる混合物を水1.5l中に溶解した(溶液1)。溶液2は、20%の無水NaCO60kgを含む。溶液1と溶液2を別個の導管を介して、攪拌機を装備しかつ60℃に加熱された水10lを含有する沈殿容器中に導入する。この場合には、溶液1と溶液2の供給速度を相応して調節することによって、pH値を6.2にもたらした。
【0060】
pH値を6.2に維持しかつ温度を60℃に維持しながら、全溶液1を炭酸ナトリウムと反応させた。引続き、形成された懸濁液を1時間さらに攪拌し、この場合には、希釈された硝酸または炭酸ナトリウム溶液2を時々添加することによって、pH値を7.2に調節する。この懸濁液を濾過し、蒸留水で洗浄水の硝酸塩含量が10ppm未満になるまで洗浄する。
【0061】
フィルターケーキを120℃で16時間、乾燥させ、引続き300℃で2時間か焼した。こうして得られた触媒粉末を黒鉛1質量%と一緒に前圧縮する。得られた圧縮物をCu小板Unicoat5質量%と混合し、引続き黒鉛2質量%と混合し、直径3mmおよび高さ3mmのタブレットに加圧成形する。最終的に、このペレットを350℃で2時間か焼した。
【0062】
こうして製造された触媒は、CuO57%/Al28.5%/La9.5%/Cu5%の化学組成を有する。酸化状態および還元状態での側面圧力強度は、第1表中に記載されている。
【0063】
例2:触媒1でのアジピン酸ジメチルエステルの水素化
アジピン酸ジメチルエステルを連続的に細流運転形式で返送しながら(供給流/返送流の比=10/1)0.3kg/(l*h)の負荷量、200バールの圧力および220℃または240℃の反応温度で、触媒1 200mlが充填された垂直の管状反応器中で水素化した。試験時間は、全部で7日間であった。GC分析により、反応器の搬出物中で220℃または240℃で98〜99%または99%のエステル変換率、57%または62%のヘキサンジオール含量を検出した。解体後、触媒は、なお完全に保持されたままであり、高い機械的安定性を有していた。側面圧力強度は、第1表中に記載されている。試験結果は、再度第2表中に記載されている。
【0064】
例3:比較触媒の製造
比較触媒を触媒2と同様に製造したが、しかし、硝酸ランタン溶液の添加なしに製造した。これは、次のことを意味する:19.34%の硝酸銅溶液14.5kgおよび8.12%の硝酸アルミニウム溶液14.5kg(溶液1)は、炭酸ナトリウム溶液で触媒1と同様に沈殿する。
【0065】
こうして製造された触媒は、CuO66.5%/Al28.5%/Cu5%の化学組成を有する。酸化状態および還元状態での側面圧力強度は、第1表中に記載されている。
【0066】
例4:比較触媒でのアジピン酸ジメチルエステルの水素化
アジピン酸ジメチルエステルを連続的に細流運転形式で返送しながら(供給流/返送流の比=10/1)0.3kg/(l*h)の負荷量、200バールの圧力および220℃または240℃の反応温度で、触媒2 200mlが充填された垂直の管状反応器中で水素化した。試験時間は、全部で7日間であった。GC分析により、反応器の搬出物中で220℃または240℃でそれぞれ98%のエステル変換率、55%のヘキサンジオール含量を検出した。解体後、触媒は、なお完全に保持されたままであり、高い機械的安定性を有していた。側面圧力強度は、第1表中に記載されている。試験結果は、再度第2表中に記載されている。
【0067】
【表1】

【0068】
第1表中のデータは、本発明による触媒1が還元された状態で解体後に比較触媒よりも明らかに高い機械的安定性を有することを示す。
【0069】
次の第2表中のデータは、本発明による触媒が比較触媒よりも著しく高い水素化活性、即ち220℃または240℃でアジピン酸ジメチルエステルの高い変換率を有し、ならびに傾向的に価値の高い生成物の高い選択性、即ち搬出物中での目的生成物のヘキサンジオールの含量を有することを示す。
【0070】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法において、有機化合物を水素の存在で、
(i)酸化銅、酸化アルミニウムおよびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含む酸化物材料を準備し、
(ii)この酸化物材料に粉末状の金属の銅、銅小板、粉末状のセメント、黒鉛またはこれらの混合物を添加し、
(iii)(ii)から生じる混合物を成形体に変形するような1つの方法により製造しうる成形体と接触させることを特徴とする、少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法。
【請求項2】
酸化物材料は、それぞれか焼後の酸化物材料の全質量に対して、
(a)xが50質量%以上、80質量%以下、特にxが55質量%以上、75質量%以下である範囲の含量を有する酸化銅、
(b)yが15質量%以上、35質量%以下、特にyが20質量%以上、30質量%以下である範囲の含量を有する酸化アルミニウムおよび
(c)zが2質量%以上、20質量%以下、特にzが3質量%以上、15質量%以下である範囲の含量を有する、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含み、この場合x+y+zは、80質量%以上、100質量%以下、殊にx+y+zは、95質量%以上、100質量%以下であり、この場合セメントは、上記範囲内で酸化物材料に含まれない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
添加によって、粉末状の金属の銅、銅小板、粉末状のセメント、黒鉛またはこれらの混合物を、酸化物材料の全質量に対して1〜40質量%の範囲内の含量で添加する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
酸化物材料または(ii)から生じる混合物に黒鉛を、酸化物材料の全質量に対して0.5〜5質量%の範囲内の含量で添加する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
有機化合物がカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物またはラクトンである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
有機化合物がアジピン酸またはアジピン酸エステルである、請求項6記載の方法。
【請求項7】
それぞれか焼後の酸化物材料の全質量に対して、
(a)xが50質量%以上、80質量%以下、特にxが55質量%以上、75質量%以下である範囲の含量を有する酸化銅、
(b)yが15質量%以上、35質量%以下、特にyが20質量%以上、30質量%以下である範囲の含量を有する酸化アルミニウムおよび
(c)zが2質量%以上、20質量%以下、特にzが3質量%以上、15質量%以下である範囲の含量を有する、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含む酸化物材料、この場合x+y+zは、80質量%以上、100質量%以下、殊にx+y+zは、95質量%以上、100質量%以下であり、
酸化物材料の全質量に対して1〜40質量%の範囲内の含量を有する、金属の銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末または黒鉛、またはこれらの混合物および
酸化物材料の全質量に対して0.5〜5質量%の含量を有する黒鉛を含み、
この場合酸化物材料、金属の銅粉末もしくはセメント粉末またはこれらの混合物および黒鉛からの含量の総和は、成形体に対して少なくとも95質量%であるような成形体。
【請求項8】
触媒の機械的安定性ならびに活性および選択性を上昇させるための、触媒を製造する場合の添加剤としての、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つの使用。
【請求項9】
触媒が活性成分として銅を含む、請求項9記載の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法において、有機化合物を水素の存在で、
(i)酸化銅、酸化アルミニウムおよびランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含む酸化物材料を準備し、
(ii)この酸化物材料に粉末状の金属の銅、銅小板、粉末状のセメント、黒鉛またはこれらの混合物を添加し、
(iii)(ii)から生じる混合物を成形体に変形するような1つの方法により製造しうる成形体と接触させることを特徴とする、少なくとも1個のカルボニル基を有する有機化合物を水素化する方法。
【請求項2】
酸化物材料は、それぞれか焼後の酸化物材料の全質量に対して、
(a)xが50質量%以上、80質量%以下、特にxが55質量%以上、75質量%以下である範囲の含量を有する酸化銅、
(b)yが15質量%以上、35質量%以下、特にyが20質量%以上、30質量%以下である範囲の含量を有する酸化アルミニウムおよび
(c)zが2質量%以上、20質量%以下、特にzが3質量%以上、15質量%以下である範囲の含量を有する、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含み、この場合x+y+zは、80質量%以上、100質量%以下、殊にx+y+zは、95質量%以上、100質量%以下であり、この場合セメントは、上記範囲内で酸化物材料に含まれない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
添加によって、粉末状の金属の銅、銅小板、粉末状のセメント、黒鉛またはこれらの混合物を、酸化物材料の全質量に対して1〜40質量%の範囲内の含量で添加する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
酸化物材料または(ii)から生じる混合物に黒鉛を、酸化物材料の全質量に対して0.5〜5質量%の範囲内の含量で添加する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
有機化合物がカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物またはラクトンである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
有機化合物がアジピン酸またはアジピン酸エステルである、請求項6記載の方法。
【請求項7】
それぞれか焼後の酸化物材料の全質量に対して、
(a)xが50質量%以上、80質量%以下、特にxが55質量%以上、75質量%以下である範囲の含量を有する酸化銅、
(b)yが15質量%以上、35質量%以下、特にyが20質量%以上、30質量%以下である範囲の含量を有する酸化アルミニウムおよび
(c)zが2質量%以上、20質量%以下、特にzが3質量%以上、15質量%以下である範囲の含量を有する、ランタン、タングステン、モリブデン、チタンまたはジルコニウムの酸化物の少なくとも1つを含む酸化物材料、この場合x+y+zは、80質量%以上、100質量%以下、殊にx+y+zは、95質量%以上、100質量%以下であり、
酸化物材料の全質量に対して1〜40質量%の範囲内の含量を有する、金属の銅粉末、銅小板もしくはセメント粉末または黒鉛、またはこれらの混合物および
酸化物材料の全質量に対して0.5〜5質量%の含量を有する黒鉛を含み、
この場合酸化物材料、金属の銅粉末もしくはセメント粉末またはこれらの混合物および黒鉛からの含量の総和は、成形体に対して少なくとも95質量%であるような成形体。

【公表番号】特表2006−523186(P2006−523186A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504763(P2006−504763)
【出願日】平成16年3月20日(2004.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002929
【国際公開番号】WO2004/085356
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】