説明

触媒インク塗布装置

【課題】触媒層の厚みのバラツキを低減することのできる触媒インク塗布装置を提供することを課題とする。
【解決手段】触媒インクを被塗布物に対して塗布する触媒インク塗布装置1であって、触媒インクを転写シート4に対して吐出するノズル孔251が形成されたノズル板25と、ノズル板25を冷却してノズル孔251における触媒インクの固着を防止する冷媒ジャケット26と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒インクを被塗布物に対して塗布する触媒インク塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体高分子形燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層が形成されており、各触媒層上にガス拡散層が積層された膜電極接合体(MEA)を主構成とする燃料電池である。この電解質膜に触媒層を形成する方法としては、例えば電解質膜に触媒インクを塗布して乾燥させる方法や、ガス拡散層に触媒インクを塗布して形成された電極を電解質膜に接合する方法や、触媒インクが塗布されたPTFEなどの転写シートから電解質膜に触媒層を転写する方法などがある。これら触媒インクを電解質膜やガス拡散層、転写シートに塗布する方法としては、例えば特許文献1に示すように、触媒インクをスプレー式やインクジェット式の塗布装置によって電解質膜やガス拡散層、転写シートに塗布する方法がある。
【特許文献1】特開2005−203308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記スプレー式やインクジェット式などの塗布装置によって触媒インクを被塗布物に塗布すると、触媒インクの塗布を行う毎に触媒層の厚みのバラツキが大きくなるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、触媒層の厚みのバラツキを低減することのできる触媒インク塗布装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本件発明者らは、触媒層の厚みのバラツキがどのような原因で起こるのかを鋭意研究した結果、触媒インクが乾燥して吐出口に固着していることが原因であることが判明した。そこで、本発明に係る触媒インク塗布装置は、上記課題を解決するために、触媒担持カーボン粒子、イオン伝導性高分子電解質、及び溶剤を含有する触媒インクを被塗布物に対して塗布する触媒インク塗布装置であって、触媒インクを被塗布物に対して吐出する吐出口が形成された吐出部と、前記吐出口における触媒インクの固着を防止する固着防止手段と、を備えている。
【0006】
この構成によれば、吐出口に設置された固着防止手段によって触媒インクが吐出口に固着することを防止することができ、その結果、吐出口から吐出される触媒インクの吐出量が安定し、触媒層の厚みのバラツキを低減することができる。
【0007】
上記触媒インク塗布装置は種々の構成をとることができるが、例えば、上記固着防止手段を、吐出部を冷却する冷却手段とすることができる。このように吐出部を冷却することで、吐出口における触媒インクの乾燥を防止でき、ひいては触媒インクの固着を防止することができる。この冷却手段は、吐出部に形成されるとともに内部に冷媒が流れる冷媒ジャケットとすることができる。
【0008】
また、上記固着防止手段は、吐出口内の触媒インクに対して超音波を発振する超音波発振手段とすることもできる。このように超音波発振手段によって触媒インクに対し超音波を発振することで、吐出口に固着した触媒インクに超音波が作用して、固着した触媒インクを除去することができる。
【0009】
また、上記固着防止手段は、触媒インクの溶剤中の主溶剤と同一成分の溶剤蒸気を吐出口に供給する溶剤蒸気供給手段とすることができる。このように吐出口に溶剤蒸気を供給することで、触媒インクが乾燥して固着することを防ぐことができる。
【0010】
また、上記固着防止手段は、触媒インクに対して非相溶性である液体が含浸されており吐出口を覆う多孔質体とすることができる。このように液体が含浸された多孔質体で吐出口を覆うことによって、触媒インクが外気に触れることを防止して、触媒インクの乾燥、固着を防止することができる。
【0011】
また、上記固着防止手段は、吐出口を覆う粘着シートとすることができる。この構成によっても、触媒インクが外気に触れることを防止して、触媒インクの乾燥、固着を防止することができる。
【0012】
また、上記固着防止手段は、吐出口にシリコンオイルを塗布して前記吐出口を覆うシリコンオイル膜を形成するシリコンオイル塗布機構とすることができる。この構成では、シリコンオイル膜によって触媒インクが外気に触れることを防止して、触媒インクの乾燥、固着を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、触媒層の厚みのバラツキを低減することのできる触媒インク塗布装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る触媒インク塗布装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、触媒インク塗布装置1の概略図である。
【0015】
図1に示すように、触媒インク塗布装置1は、触媒インクを転写シート4(被塗布物)に対して吐出するヘッド2と、触媒インクを貯留しているインクタンク3と、インクタンク3内の触媒インクをヘッド2に送るインク供給路4とを備えている。ヘッド2はインク室21が内部に形成されており、インク室21内にはインクタンク3から供給された触媒インクが充填されている。また、ヘッド2はインク室21の上面を画定するように設置された振動板22を有しており、さらにその振動板22の上面に隣接して設置された圧電素子23を有している。この圧電素子23にはパルス電源24が接続されている。
【0016】
また、ヘッド2の底面はノズル板25によって画定されている。ノズル板25にはノズル孔251が形成されており、このノズル孔251からインク室21内の触媒インクを転写シート4に対して吐出する。ノズル板25の下部には、冷媒ジャケット26が形成されており、この冷媒ジャケット26内にはノズル板25を冷却するために冷媒が循環している。この冷媒は種々の方法によって冷却することができるが、例えば外部に設置したヒートポンプ261によって公知の方法で冷却することができる。なお、本実施形態のノズル板25が本発明の吐出部に相当し、ノズル孔251が本発明の吐出口に相当する。
【0017】
インクタンク3及びインク室21内に充填された触媒インクは、触媒担持カーボン粒子、イオン伝導性高分子電解質、及び溶剤を含有している。触媒担持カーボン粒子中の触媒粒子は公知のものを使用することができ、燃料電池の燃料極又は空気極における燃料電池反応を起こさせるものであれば特に限定されない。例えば白金、白金合金、白金化合物等が挙げられる。白金合金としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄、コバルト等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と白金との合金等が挙げられる。一般的に、カソード触媒層として用いられる場合の触媒粒子は白金、アノード触媒層として用いられる場合の触媒粒子は上述した合金である。触媒担持カーボン粒子の平均粒子径は、通常10〜100nm程度、好ましくは20〜80nm程度、最も好ましくは40〜50nm程度である。触媒担持カーボン粒子を構成するカーボン粒子は特に制限されず、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラックなどのカーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボン繊維、カーボンナノチューブ等からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0018】
イオン導電性高分子は公知のものを使用することができる。例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂等が挙げられる。また、電気陰性度の高いフッ素原子を導入することにより、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の乖離度が高く、良好な水素イオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、例えば、デュポン社製の「Nafion」、旭硝子(株)製の「Flemion」、旭化成(株)製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。
【0019】
使用される溶剤としては公知のものを使用することができる。例えば、各種アルコール、各種エーテル、各種ジアルキルスルホキシド、水又はこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール等からなる群から選択された少なくとも1種を使用することが好ましい。最も好ましくは、2−プロパノールである。そして、主溶剤は、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール等からなる群から選択される1種であることが好ましく、より好ましくは2−プロパノールである。なお、主溶剤とは、触媒インク2に含まれる全溶剤のうち、最も多く含まれている溶剤であり、好ましくは全溶剤中において25重量%以上、より好ましくは50重量%以上含まれる溶剤をいう。
【0020】
また、触媒インク中に含まれる触媒担持カーボン粒子、イオン伝導性高分子及び溶剤の割合は限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択できる。例えば、触媒粒子1重量部に対して、水素イオン伝導性高分子が0.1〜5重量部(好ましくは0.15〜3重量部)、溶剤が5〜50重量部程度(好ましくは10〜25重量部)含まれていればよく、残りが水等である。
【0021】
触媒インクは、上記触媒粒子、イオン伝導性高分子及び溶剤を混合することにより製造される。上記触媒粒子、イオン伝導性高分子及び溶剤の混合順序は、特に制限されない。例えば、上記触媒粒子、イオン伝導性高分子及び溶剤を順次又は同時に混合し、触媒担持カーボン粒子を分散させることにより、触媒インクを調製できる。なお、触媒インクには、分散剤やその他の公知の添加剤等を含有していてもよい。
【0022】
次に転写シート4の材質について説明する。転写シート4は特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン等の高分子フィルムを挙げることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。更に、転写シート4は、高分子フィルム以外に、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の塗工紙、ノート用紙、コピー用紙等の非塗工紙等の紙であってもよい。これらの中でも、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。転写シート4の厚さは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常6μm〜100μm程度、好ましくは10μm〜60μm程度とするのがよい。また、転写シート4には、必要に応じて離型層が積層されていてもよい。離型層としては、例えば、公知のワックスから構成されたもの、公知のフッ素系樹脂でコーティングされたプラスチックフィルムが挙げられる。
【0023】
次に上述したように構成された触媒インク塗布装置1による触媒インク塗布方法を説明する。
【0024】
まず、被塗布物である触媒シート4を載置台5上に配置する。そして、パルス電源24からの電気信号を受けて圧電素子23が変形し、振動板22を介してインク室21内の内圧を高める。これにより、インク室21内の触媒インクがノズル孔251から転写シート4に対して吐出され、転写シート4に触媒インクが塗布される。そして、触媒インクの塗布が終了すると、冷媒ジャケット26内に冷媒を循環させることにより、ノズル板25を冷却する。なお、冷媒は、触媒インクの塗布中に冷媒ジャケット26内を循環していてもよい。
【0025】
なお、転写シート4上に塗布された触媒インクは、乾燥オーブンを用いて70℃で30分保持することによって乾燥し触媒層が完成する。
【0026】
以上、本実施形態によれば、冷媒ジャケット26内を流れる冷媒によってノズル板25が冷却されてノズル孔251も冷却されるため、ノズル板25のノズル孔251に付着した触媒インクが乾燥して固着することを防止することができる。この結果、ノズル孔251からの触媒インクの吐出量を安定させて、厚みのバラツキが少ない触媒層を形成することができる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ピエゾ方式のインクジェットとして説明したが、サーマル方式のインクジェットであってもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、ノズル板25の下面に冷媒ジャケット26を設置し、冷媒ジャケット26内に冷媒を循環させることでノズル板25を冷却していたが、ノズル板25を冷却してノズル孔251における触媒インクの固着を防止できれば特に限定されるものではなく、種々の冷却手段を採用することができる。例えば、冷媒ジャケット26の代わりにノズル板25内部を延びる冷媒管を設置して冷媒管内に冷媒を流したり、図2に示すように、冷媒ジャケット26の代わりにペルチェ素子30を設置してペルチェ素子30に電流を流すことによってノズル板25を冷却することができる。さらには、図3に示すように、触媒インク塗布装置1をハウジング10内に密閉し、エバポレーター11及びコンプレッサー12などを用いてハウジング10内を冷却することでノズル板25を冷却することもできる。
【0029】
また、上記実施形態では、冷媒ジャケット26をノズル板25の下面に形成しているが、ノズル孔251が冷却されれば冷媒ジャケット26の場所は特に限定されるものではなく、ノズル板25の内側に形成したり、側面も覆うように形成することができる。
【0030】
また、上記実施形態では、固着防止手段としてノズル板25を冷却する冷媒ジャケット26を例に挙げて説明したが、固着防止手段は特にこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、超音波発振手段である超音波発振子6をノズル板25に設置する構成とすることもできる。この構成による触媒インク塗布方法は、触媒インクの塗布前に、超音波発振子6によってノズル板25を介してノズル孔251に付着した触媒インクに対して超音波を発振する。これにより、ノズル孔251に触媒インクが固着していた場合、この固着している触媒インクが超音波によって除去される。そして、固着していた触媒インクを除去した後に、触媒インクを転写シート4に塗布する。
【0031】
また、固着防止手段として、触媒インクの主溶剤と同一成分の溶剤蒸気をノズル孔251に供給する溶剤蒸気供給手段とすることもできる。この溶剤蒸気供給手段としては、例えば、溶剤蒸気をノズル孔251に吹き付ける溶剤蒸気噴霧装置であってもよいし、図5に示すように、内部に溶剤蒸気が充填されノズル孔251を外気から遮断するように構成された溶剤蒸気供給部材7であってもよい。この溶剤蒸気供給部材7は、触媒インクを転写シート4に塗布する間は待機場所へと移動しており(図5(b))、触媒インクの塗布が終了するとノズル孔251を外気から遮断してノズル孔251に溶剤蒸気を供給するよう、ノズル孔251の下方に移動する(図5(a))。なお、待機場所で待機している際は、溶剤蒸気供給部材7は上面が塞がれて溶剤蒸気を内部に密閉しており、ノズル孔251の下方に移動してから上面を解放しノズル孔251に溶剤蒸気を供給するように構成している。
【0032】
また、その他の固着防止手段として、触媒インクと非相溶性の液体を含浸させた多孔質体を挙げることができる。この多孔質体は、触媒インクを塗布している間は待機場所にて待機しており、触媒インクの塗布が終了すると、触媒インクが外気と接触しないようにノズル孔251の下方に設置される。なお、多孔質体として、例えば各種スポンジ、不織布、フェルト、布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどのフォーム類や発泡ゴム類等を用いることができる。
【0033】
また、その他にも、ノズル孔251を封止するようノズル板25の下面に貼り付けられた粘着シートを固着防止手段とすることができる。このように粘着シートをノズル板25の下面に貼り付けてノズル孔251を塞ぐことにより、ノズル孔251における触媒インクが外気と接触するのを防ぎ、触媒インクの乾燥、固着を防止することができる。なお、触媒インク塗布中には、この粘着シートは剥がされており、触媒インクの塗布が終了するとノズル板251の下面に貼り付けられる。
【0034】
また、その他の固着防止手段として、図6に示すような、ノズル孔251にシリコンオイルを塗布するシリコンオイル塗布装置8を挙げることができる。このシリコンオイル塗布装置8は、ガイドレール80に取り付けられた基部81を有しており、基部81から上方に延びるように、ワイパーブレード82及び塗布部83が設置されている。塗布部83はシリコンオイルが含浸されており、塗布部83にシリコンオイルを供給するシリコンオイル供給部(図示省略)が基部81に設置されている。このように構成されたシリコンオイル塗布装置8は、触媒インク塗布中は待機場所に待機しており(図6(a))、触媒インクの塗布が終了すると、基部81がガイドレール80に沿って左側に移動する(図6(b))。基部81が左側に移動すると、左側に位置するワイパーブレード82がノズル板25の下面に押圧されて撓み、これによりワイパーブレード82はノズル板25の下面に付着した触媒インクを掻き取る。そして、ノズル板25の左端まで移動してノズル板25下面をクリーニングした後、基部83は右側に移動する(図6(c))。基部81が右側に移動すると、右側に位置する塗布部材83がノズル板25の下面に押圧されて撓み、塗布部材83に含浸されたシリコンオイルがノズル板25の下面に塗布され、ノズル孔251を覆うようなシリコンオイル膜が形成される。このようにノズル孔251がシリコンオイル膜によって覆われることで、触媒インクは外気と遮断されて乾燥、固着が防止される。なお、塗布部83は、シリコンオイルを含浸保持する部材であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェルト材などを用いることができる。
【0035】
また、上記実施形態では、触媒インク塗布装置として、インクジェット式の塗布装置を例に挙げて説明したが、本発明が適用されるのはインクジェット式の塗布装置に限られず、例えば、スプレー式の塗布装置(ディスペンサー塗布装置など)や、ダイ、スクリーン印刷機、ナイフコーティング装置、など、吐出部の吐出口に触媒ペーストが乾燥して固着する可能性があるものに適用することができる。
【0036】
また、上記実施形態では、被塗布物として転写シートを例に挙げて説明したが、電解質膜やガス拡散層を被塗布物とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る触媒インク塗布装置の実施形態を示す概略正面断面図である。
【図2】本発明に係る触媒インク塗布装置の他の実施形態を示す概略正面断面図である。
【図3】本発明に係る触媒インク塗布装置の他の実施形態を示す概略正面断面図である。
【図4】本発明に係る触媒インク塗布装置の他の実施形態を示す概略正面断面図である。
【図5】本発明に係る触媒インク塗布装置の他の実施形態を示す概略正面断面図である。
【図6】本発明に係る触媒インク塗布装置の他の実施形態を示す概略正面断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 触媒インク塗布装置
25 ノズル板(吐出部)
251 ノズル孔(吐出口)
26 冷媒ジャケット(固着防止手段)
6 超音波発振子
7 溶剤蒸気供給手段
8 シリコンオイル塗布装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒担持カーボン粒子、イオン伝導性高分子電解質、及び溶剤を含有する触媒インクを被塗布物に対して塗布する触媒インク塗布装置であって、
触媒インクを被塗布物に対して吐出する吐出口が形成された吐出部と、
前記吐出口における触媒インクの固着を防止する固着防止手段と、
を備えた、触媒インク塗布装置。
【請求項2】
前記固着防止手段は、前記吐出部を冷却する冷却手段である、請求項1に記載の触媒インク塗布装置。
【請求項3】
前記冷却手段は、吐出部に形成されるとともに内部に冷媒が流れる冷媒ジャケットである、請求項2に記載の触媒インク塗布装置。
【請求項4】
前記固着防止手段は、触媒インクの溶剤中の主溶剤と同一成分の溶剤蒸気を前記吐出口に供給する溶剤蒸気供給手段である、請求項1に記載の触媒インク塗布装置。
【請求項5】
前記固着防止手段は、前記吐出口内の触媒インクに対して超音波を発振する超音波発振手段である、請求項1に記載の触媒インク塗布装置
【請求項6】
前記固着防止手段は、触媒インクに対して非相溶性である液体が含浸されており前記吐出口を覆う多孔質体である、請求項1に記載の触媒インク塗布装置。
【請求項7】
前記固着防止手段は、前記吐出口を覆う粘着シートである、請求項1に記載の触媒インク塗布装置。
【請求項8】
前記固着防止手段は、前記吐出口にシリコンオイルを塗布して前記吐出口を覆うシリコンオイル膜を形成するシリコンオイル塗布機構である、請求項1に記載の触媒インク塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−80175(P2010−80175A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245630(P2008−245630)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】