説明

計測装置用治具、計測装置及び計測方法

【課題】本発明は、短時間でフレームを計測することができる技術の提供を課題とする。
【解決手段】自動二輪車のフレーム11を支持する、計測装置用治具12であって、ヘッドパイプ20を上下から把持するヘッドパイプ把持部材16を備え、ヘッドパイプ20の端面59に当接する受け座61を有する抑え部材62と、受け座61の当接面81から水平に延ばした延長線82が抑え部材62の車幅方向の側面84と交わる部位に設けられ、フレーム11の側方から見ることができるターゲット64とを備えていることを特徴とする。
【効果】ターゲット64はヘッドパイプ20の端面59に対して同じ高さに配置され、このターゲット64をフレーム11の側方から見ることができる。フレーム11の車幅方向側面からの計測のみで、ヘッドパイプ20の歪みまで計測でき、計測を短時間で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車のフレームを計測する計測技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車は、フレームにエンジンや燃料タンク等の部品を組付けることにより製造される。このとき、フレームに大きな歪みがあると、組付けることのできない部品が生じる。このため、フレームに部品を組付ける作業に先立って、フレームを計測することがある。
【0003】
このような計測に、計測用カメラを用いることが知られている(例えば、特許文献1図1参照。)。
【0004】
特許文献1に係る計測用カメラをフレームの計測に用いた場合について説明する。
図8に示すように、まず計測用カメラ101で、フレーム102の側方からフレーム102を撮影し、撮影された画像を計測用カメラ101に繋がれるパソコン103に送付する。パソコン103は、このフレーム102がどの程度歪んでいるかを計測する。
次に、計測用カメラ101B(Bは、場所の違いを示す添え字であり、計測用カメラ101自体は同一品である。)をヘッドパイプ104の上方に移動させ、ヘッドパイプ104の上方からヘッドパイプ104を撮影する。撮影された画像はパソコン103に送付され、フレーム102がどの程度歪んでいるかを計測する。
【0005】
このように、フレーム102の歪みを計測するためには、車幅方向からフレーム102を撮影した後、ヘッドパイプ104の上方に計測用カメラ101を移動させる必要がある。加えて、次に他のフレームを計測する場合は、車幅方向側面に計測用カメラを戻す必要がある。このように計測用カメラの移動に時間がかかるため、フレームの計測を行うには、時間がかかる。
【0006】
短時間でフレームを計測することができる技術の提供が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−283267公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、短時間でフレームを計測することができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、自動二輪車のフレームを計測する際に、前記フレームを支持するために用いられる計測装置用治具であって、
この治具は、前記フレームのヘッドパイプを上下から把持するヘッドパイプ把持部材を備え、
このヘッドパイプ把持部材は、前記ヘッドパイプの上端面と下端面の少なくとも一方に当接する受け座を有する抑え部材と、前記受け座の当接面から水平に延ばした延長線が前記抑え部材の車幅方向の側面と交わる部位に設けられ、前記フレームの側方から見ることができるターゲットとを備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の計測装置用治具であって、
この計測装置用治具は、ヘッドパイプ把持部材とは別に、フレームを揺動可能に支持するためフレームの側面方向に向かって延ばされる支持軸を有し、
ヘッドパイプ把持部材は、把持部材支持部によってフレームの前後方向に揺動可能に支持され且つフレームの側面方向に揺動可能に支持され、
把持部材支持部は、ヘッドパイプ把持部材をフレームの前後方向に移動させ且つヘッドパイプ把持部材をフレームの側面方向に移動させるための移動機構上に配置されることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、支持軸は、スイングアームピボットを支持することを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、自動二輪車のフレームを計測する計測装置であって、
この計測装置は、前記フレームを支持するための治具と、前記フレームの側面側に配置され前記フレームを計測する計測器とを備え、
前記治具は、前記フレームのヘッドパイプを上下から把持するヘッドパイプ把持部材を備え、
このヘッドパイプ把持部材は、前記ヘッドパイプの上端面と下端面の少なくとも一方に当接する受け座を有する抑え部材と、前記受け座の当接面から水平に延ばした延長線が前記抑え部材の車幅方向の側面と交わる部位に設けられ、前記フレームの側方から見ることができるターゲットとを備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、自動二輪車のフレームを計測する計測方法であって、
前記フレームのヘッドパイプを、前記計測の際に前記ヘッドパイプの形状を検出するためのターゲット部材が側面に設けられた計測装置用治具によって支持させるヘッドパイプ支持工程と、
支持された前記フレームに対して側面側から前記フレームを計測する計測工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、ターゲットはヘッドパイプの端面に当接する当接面から水平に延ばした延長線上に設けられている。即ち、ターゲットはヘッドパイプの端面に対して同じ高さに配置される。加えて、このターゲットをフレームの側方から見ることができる。これにより、フレームの車幅方向側面からの計測のみで、ヘッドパイプの歪みを判断することができる。車幅方向側面以外からの計測を行う必要がないため、フレームの計測を短時間で行うことができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、把持部材支持部は、前後方向及びフレームの側面方向に移動させるための移動機構上に、揺動可能に配置される。フレームの種類に応じて把持部材支持部を移動させることができる。即ち、様々な種類のフレームを1台の計測装置で計測することができるようになり、有益である。
【0016】
請求項3に係る発明では、支持軸は、スイングアームピボットを支持する。スイングアームピボットは、フレームの重心付近に位置する。重心付近に位置することから、フレームを支持軸に取り付ける作業が簡単に行うことができる。このことにより、更に計測時間の短縮化を図ることができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、ターゲットはヘッドパイプの端面に当接する当接面から水平に延ばした延長線上に設けられている。即ち、ターゲットはヘッドパイプの端面に対して同じ高さに配置される。加えて、このターゲットをフレームの側方から見ることができる。これにより、フレームの車幅方向側面からの計測のみで、ヘッドパイプの歪みを判断することができる。車幅方向側面以外からの計測を行う必要がないため、フレームの計測を短時間で行うことができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、フレームのヘッドパイプを、計測の際にヘッドパイプの形状を検出するためのターゲット部材が側面に設けられた計測装置用治具によって支持させる。これにより側面から計測することで、ヘッドパイプの計測まで行うことができる。即ちヘッドパイプを含むフレームの測定を、側面からの1工程で行うことができ、工程数を減少させることができる。工程数を減少させることにより、計測時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る計測装置の側面図である。
【図2】図1の2部拡大図である。
【図3】図2の3矢視図である。
【図4】図1の4矢視図である。
【図5】本発明に係るヘッドパイプ把持部材の正面図である。
【図6】フレームを変える際の作用説明図である。
【図7】本発明に係る計測方法を説明するフロー図である。
【図8】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0021】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、計測装置10は、自動二輪車のフレーム11を支持する計測装置用治具12と、この計測装置用治具12に支持されたフレーム11を計測するための計測器13とからなる。
【0022】
フレーム11は、ヘッドパイプ把持部材16に把持されるヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20から垂下されフロントエンジンハンガー21が配置されるダウンチューブ22と、このダウンチューブ22の下端から後方へ延ばされるロアーパイプ23と、このロアーパイプ23から立上げられスイングアームピボット24が配置されるセンターフレーム26と、このセンターフレーム26上端に接続され後端にリヤエンド27が配置されるリヤフレーム28と、このリヤフレーム28に向かって延ばされ立下げられた部位にリヤエンジンハンガー29が配置されるメインフレーム32とからなる。
【0023】
計測の際は、フロントエンジンハンガー21、スイングアームピボット24、リヤエンド27、リヤエンジンハンガー29、ターゲット(詳細は後述)の位置を計測することにより、フレーム11の歪みを計測する。
【0024】
計測器13は、フレーム11を図面表裏方向に向かって撮影する計測用カメラ34と、この計測用カメラ34に繋がれ計測用カメラ34が撮影したフレーム11を計測するコンピュータ35とからなる。
【0025】
計測器13は、計測用カメラ34を用いるものを例に説明したが、このようなものの他、レーザ照射器を用いるものであってもよい。即ち、フレームを計測するために用いるものであれば、これらの手段は限定されない。
【0026】
計測装置用治具12は、基台37と、この基台37に支持されヘッドパイプ把持部材16をフレーム11の前後方向(図面左右方向)に移動させるための前後レール38と、この前後レール38上に配置されハンドル39を回すことによりヘッドパイプ把持部材16の高さを調節する高さ調節機構41と、この高さ調節機構41の台座42に配置されヘッドパイプ把持部材16をフレーム11の側面方向(図面表裏方向)に移動させるための側方レール44と、この側方レール44上に配置されヘッドパイプ把持部材16をフレーム11の前後方向及び側面方向に揺動可能に支持する把持部材支持部45と、この把持部材支持部45に支持されるヘッドパイプ把持部材16と、基台37に配置されスイングアームピボット24を揺動可能に支持するための支持軸46とからなる。
【0027】
ここで、前後レール38と、側方レール44とから移動機構48は構成される。即ち、把持部材支持部45は、ヘッドパイプ把持部材16をフレーム11の前後方向に移動させ且つヘッドパイプ把持部材16をフレーム11の側面方向に移動させるための移動機構48上に配置される。
次図で把持部材支持部について説明する。
【0028】
図2に示すように、把持部材支持部45は側方レール44上面を摺接する摺接部51と、この摺接部51上面に配置される第1ヒンジ52と、この第1ヒンジ52のピン53によってフレーム11側面方向に揺動可能に支持される基体55と、この基体55に挿通されヘッドパイプ把持部材16下面に設けられた第2ヒンジ56に通されるピン57とから構成される。
【0029】
ピン57を第2ヒンジ56に通すことにより、ヘッドパイプ把持部材16は、フレーム11の前後方向に揺動可能に支持されている。
即ち、ヘッドパイプ把持部材16は、把持部材支持部45によってフレーム11の前後方向に揺動可能に支持されている。
次図で把持部材支持部とヘッドパイプ把持部材について説明する。
【0030】
図3に示すように、ピン53を基体55に通すことにより、ヘッドパイプ把持部材16は、フレームの側面方向に揺動可能に支持されている。
即ち、ヘッドパイプ把持部材16は、把持部材支持部45によってフレーム11の側面方向に揺動可能に支持されている。
【0031】
ヘッドパイプ把持部材16は、ヘッドパイプ20の上端面59に当接する上部受け座61が中央に配置される上部抑え部材62と、上部抑え部材62の右側面に配置され計測の際に検出される第1ターゲット64と、この第1ターゲット64とは逆側の側面に配置される第2ターゲット65と、ヘッドパイプ20の下端面67に当接する下部受け座68が中央に配置される下部抑え部材69と、下部抑え部材69の右側面に配置され計測の際に検出される第3ターゲット72と、この第3ターゲット72とは逆側の側面に配置される第4ターゲット73と、下部抑え部材69へ上部抑え部材62を接続しヘッドパイプ20を把持するために伸縮されるシリンダ74、74とから構成される。
【0032】
本実施例では、上端面59及び下端面67のそれぞれに抑え部材62、69を配置し、これらの抑え部材62、69の両端にそれぞれターゲット64、65、72、73を配置したが、ヘッドパイプ20の上端面59と下端面67の少なくとも一方に抑え部材62、69を配置し、抑え部材62、69の少なくとも一方の側面にターゲット64、65、72、73を配置すれば本発明の効果を得ることができる。
【0033】
ただし、上端面59及び下端面67に抑え部材62、69を用い、これらの抑え部材62、69の両端にそれぞれターゲット64、65、72、73を配置した場合は、ターゲット64、65、72、73の数が多いため、より詳細な計測を行うことができる。
【0034】
シリンダ74、74の端部に対して段差75を設けて受け座61、68を配置する。段差75がない場合に比べ、シリンダ74、74を小さくすることができ、計測装置用治具12のコンパクトにすることができる。
次図で支持軸について説明する。
【0035】
図4(a)に示すように、支持軸46、46は、基台37の上面に配置される支持台76に固定され、この支持台76からフレームの側面方向に向かってそれぞれ延ばされる雌部77、77と、この雌部77、77にスイングアームピボット24、24を挟んで先端が挿入される雄部78、78とからなる。
【0036】
即ち、計測装置用治具12は、ヘッドパイプ把持部材(図1符号16)とは別にフレーム11を揺動可能に支持するためフレーム11の側面方向に向かって延ばされる支持軸46を有する。
【0037】
フレーム11を外す場合は、(b)に示すように雄部78、78を引張ることで雄部78、78が抜け、フレーム11を支持軸46から外すことができる。
【0038】
支持軸46は、スイングアームピボット24を支持する。スイングアームピボット24は、フレーム11の重心付近に位置する。重心付近に位置することにより、フレーム11を支持軸46に取り付ける作業が簡単に行うことができる。このことにより、更に計測時間の短縮化を図ることができる。
【0039】
また、雌部77に雄部78を挿入する簡易な構成とすることにより、アクチュエータで支持軸を出入れする構成とした場合等に比べ安価に計測装置用治具12を製造することができる。
次図でヘッドパイプ把持部材の詳細を説明する。
【0040】
図5(a)に示すように、計測装置用治具12は、受け座61、68の当接面79、81から水平に延ばした延長線L1、L2が抑え部材62、69の車幅方向の側面84、85、86、87と交わる部位に設けられ、フレーム11の側方から見ることができるターゲット64、65、72、73備えている。
なお、把持部材16は、ヘッドパイプ20を軸とした水平方向への回転はできない。
【0041】
ターゲット64、65、72、73はヘッドパイプ20の端面59、67に対して同じ高さに配置される。加えて、ターゲット64、65、72、73をフレーム11の側方から見ることができる。これにより、フレーム11の車幅方向側面からの計測のみで、ヘッドパイプ20の歪みを判断することができる。車幅方向側面以外からの計測を行う必要がないため、フレームの計測を短時間で行うことができる。
【0042】
図2に戻り、フレーム11の車幅方向側面から見た場合、ヘッドパイプ20の軸線L3上にターゲット64、72が配置されている。これによりヘッドパイプ20の正確な位置を検出することができる。
【0043】
図5(b)に示すように、ヘッドパイプ把持部材16からヘッドパイプ20を外す場合は、シリンダ74を作動させて上部抑え部材62を上昇させる。これによりヘッドパイプ20を動かすことができるようになり、上部抑え部材62を上昇させた状態のままヘッドパイプ20を外す。
【0044】
図6(a)に示すように、本発明に係る計測装置用治具12によれば、異なる種類のフレーム89であっても、計測を行うことができる。
把持部材支持部45は、フレーム89の前後方向及びフレーム89の側面方向に移動させるための移動機構48(前後レール38、側方レール44)上に、移動可能に配置される。フレームの種類に応じて把持部材支持部45を移動させることができる。即ち、様々な種類のフレームを1台の計測装置で計測することができるようになり、有益である。
【0045】
(b)に示すように、本発明に係る計測装置用治具によれば、高さ調節機構41を備える。このことにより、さらに異なる種類のフレーム91についても計測できるようになる。
次図で本発明に係る計測方法について説明する。
【0046】
図7に示すように、フレームの歪みを測定する場合は、ステップ(以下「ST」と記す。)01で図1矢印(1)に示すように高さ調節機構41を前後レール38に沿って所定の位置まで移動させる。所定の位置とは、フレーム11の種類に応じて決められた位置をいう。高さ調節機構41を移動させることにより、これに支持されるヘッドパイプ把持部材16の前後方向の位置決めが行われる。
【0047】
次に、図1矢印(2)で示すようにハンドルを回し所定の高さに台座42を移動させ、把持部材支持部45の高さを調節する(ST02)。高さを調節したら、図3矢印(3)に示すように把持部材支持部45を側方レール44に沿って移動させ、側面方向の位置を調節する(ST03)。これにより、位置決め工程が終了する。
【0048】
位置決めが終わったら、次にフレームを準備する準備工程を行い(ST04)、図4に示すようにスイングアームピボット24を支持軸46で揺動可能に支持するフレーム支持工程を行う(ST05)。
【0049】
次に、図5に示すようにヘッドパイプ20をヘッドパイプ把持部材16によって把持し、ヘッドパイプ20を支持する、ヘッドパイプ支持工程を行う(ST06)。
このようにしてフレームを支持したら、計測工程を行う。即ち、図1に示すように計測用カメラ34が車幅方向側面からフレーム11の撮影を行い、この撮影されたデータを基に、コンピュータ35がフレーム11の歪みについて計測をする(ST07)。
【0050】
コンピュータ35は、フレームの歪みについて測定を行い、歪みが所定の範囲内であれば合格とし、歪みが所定の範囲を得る場合は、不合格とする(ST08)。
【0051】
フレームのヘッドパイプを、計測の際にヘッドパイプの形状を検出するためのターゲット部材が側面に設けられた計測装置用治具によって支持させる。これにより側面から計測することで、ヘッドパイプの計測まで行うことができる。即ちヘッドパイプを含むフレームの測定を、側面からの1工程で行うことができ、工程数を減少させることができる。工程数を減少させることにより、計測時間が短縮される。
【0052】
尚、説明の便宜上片側の側面から計測を行うことを例に説明したが、計測器を2台用いて両側面から計測を行ったとしても、本発明の効果を得ることができる。
計測器を2台用いた場合は、計測の信頼性を更に高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の計測装置用治具は、二輪車の歪みの計測に好適である。
【符号の説明】
【0054】
10…計測装置、11、89、91…フレーム、12…計測装置用治具、16…ヘッドパイプ把持部材、20…ヘッドパイプ、24…スイングアームピボット、45…把持部材支持部、46…支持軸、48…移動機構、59…上端面、61…上部受け座、62…上部抑え部材、64…第1ターゲット、65…第2ターゲット、67…下端面、68…下部受け座、69…下部抑え部材、72…第3ターゲット、73…第4ターゲット、79、81…当接面、84、85、86、87…側面、L1、L2…延長線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車のフレームを計測する際に、前記フレームを支持するために用いられる計測装置用治具であって、
この治具は、前記フレームのヘッドパイプを上下から把持するヘッドパイプ把持部材を備え、
このヘッドパイプ把持部材は、前記ヘッドパイプの上端面と下端面の少なくとも一方に当接する受け座を有する抑え部材と、前記受け座の当接面から水平に延ばした延長線が前記抑え部材の車幅方向の側面と交わる部位に設けられ、前記フレームの側方から見ることができるターゲットとを備えていることを特徴とする計測装置用治具。
【請求項2】
請求項1記載の計測装置用治具であって、
この計測装置用治具は、前記ヘッドパイプ把持部材とは別に、前記フレームを揺動可能に支持するため前記フレームの側面方向に向かって延ばされる支持軸を有し、
前記ヘッドパイプ把持部材は、把持部材支持部によって前記フレームの前後方向に揺動可能に支持され且つ前記フレームの側面方向に揺動可能に支持され、
前記把持部材支持部は、前記ヘッドパイプ把持部材を前記フレームの前後方向に移動させ且つ前記ヘッドパイプ把持部材を前記フレームの側面方向に移動させるための移動機構上に配置されることを特徴とする計測装置用治具。
【請求項3】
前記支持軸は、スイングアームピボットを支持することを特徴とする請求項2記載の計測装置用治具。
【請求項4】
自動二輪車のフレームを計測する計測装置であって、
この計測装置は、前記フレームを支持するための治具と、前記フレームの側面側に配置され前記フレームを計測する計測器とを備え、
前記治具は、前記フレームのヘッドパイプを上下から把持するヘッドパイプ把持部材を備え、
このヘッドパイプ把持部材は、前記ヘッドパイプの上端面と下端面の少なくとも一方に当接する受け座を有する抑え部材と、前記受け座の当接面から水平に延ばした延長線が前記抑え部材の車幅方向の側面と交わる部位に設けられ、前記フレームの側方から見ることができるターゲットとを備えていることを特徴とする計測装置。
【請求項5】
自動二輪車のフレームを計測する計測方法であって、
前記フレームのヘッドパイプを、前記計測の際に前記ヘッドパイプの形状を検出するためのターゲット部材が側面に設けられた計測装置用治具によって支持させるヘッドパイプ支持工程と、
支持された前記フレームに対して側面側から前記フレームを計測する計測工程とを有することを特徴とする計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−204040(P2010−204040A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52483(P2009−52483)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】