計量塗布栓
【課題】簡単な操作のもとで計量し、計量にかかる内容物を塗布できる使い勝手のよい塗布栓を提案する。
【解決手段】塗布ヘッド４を、塗布面への接触によって開放するスリットＳを有し、後端部を開放端４ｃとしてその内側に内容物の計量空間Ｍを形成する筒状体４ｂからなるものとし、キャップベース１の底壁部１ａに、塗布ヘッド４の筒状体４ｂの内側に位置し、容器内の内容物を塗布ヘッド４の計量空間Ｍ内に流通させる少なくとも一つの開孔５ｃを有する凸状の隔壁部５を設けるとともに、該凸状の隔壁部５の周壁５ａとキャップベース１の外筒体３との相互間に、塗布ヘッド４の筒状体４ｂを摺動可能に挿通させ、該塗布ヘッド４の、キャップベース１の底壁部１ａに向かうスライドにて該開孔５ｃを閉塞させる一方、オーバーキャップ７の取り外しに伴うキャップベース１の底壁部１ａから離れる向きへのスライドにて該開孔５ｃを開放する環状溝５ａを設ける。
【解決手段】塗布ヘッド４を、塗布面への接触によって開放するスリットＳを有し、後端部を開放端４ｃとしてその内側に内容物の計量空間Ｍを形成する筒状体４ｂからなるものとし、キャップベース１の底壁部１ａに、塗布ヘッド４の筒状体４ｂの内側に位置し、容器内の内容物を塗布ヘッド４の計量空間Ｍ内に流通させる少なくとも一つの開孔５ｃを有する凸状の隔壁部５を設けるとともに、該凸状の隔壁部５の周壁５ａとキャップベース１の外筒体３との相互間に、塗布ヘッド４の筒状体４ｂを摺動可能に挿通させ、該塗布ヘッド４の、キャップベース１の底壁部１ａに向かうスライドにて該開孔５ｃを閉塞させる一方、オーバーキャップ７の取り外しに伴うキャップベース１の底壁部１ａから離れる向きへのスライドにて該開孔５ｃを開放する環状溝５ａを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、容器内の内容物を規定量だけ取り出して塗布するのに好適な計量塗布栓に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
育毛剤の如き薬液等、一回の使用量が定められたものは、容器内の内容物を取り出すに際しては計量する必要があり、従来は、中栓に配置された円筒部を適宜上下動させて第一弁及び第二弁を交互に開閉することで容器内の内容物を計量筒部に流し込んで計量し、該計量筒部内の内容物を注出口を通して外部へ排出して使用するようにしていた（例えば、特許文献1参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−３３７９１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、従来のこの種の定量注出器は、計量にかかわる内容物を注出している最中に体に不用意な力が作用すると該弁体が簡単にスライドしてしまい、容器と計量筒部とを隔絶する弁が開放されることもあって、この場合、計量筒部内に必要以上の内容物が流れ込んでしまい定量注出ができない不具合があり、しかも、定量注出にかかる内容物を塗布する場合には、別途に用意した塗布具を使用して塗布するのが普通であり、使い勝手がよいとはいえず、未だ改善の余地が残されていた。
【０００５】
本発明の課題は、簡単な構造のもとで内容物の正確な計量が行え、なおかつ、計量にかかる内容物を直接塗布できる使い勝手のよい計量塗布栓を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、容器の口部において起立する外筒体を有し、該口部に固定保持されるキャップベースと、このキャップベースの外筒体に抜け止め保持され、その先端部位を直接塗布面に接触させて容器内の内容物を塗布する塗布ヘッドと、この塗布ヘッドを覆い隠すオーバーキャップとを備え、
前記塗布ヘッドが、塗布面への接触によって開放するスリットを有し、後端部を開放端としてその内側に内容物の計量空間を形成する筒状体からなり、
前記キャップベースの底壁部に、塗布ヘッドの筒状体の内側に位置し、容器内の内容物を塗布ヘッドの計量空間内に流通させる少なくとも一つの開孔を有する凸状の隔壁部を設け、
該凸状の隔壁部の周壁とキャップベースの外筒体との相互間に、塗布ヘッドの筒状体を摺動可能に挿通させ、該塗布ヘッドの、キャップベースの底壁部に向かうスライドにて該開孔を閉塞させる一方、オーバーキャップの取り外しに伴うキャップベースの底壁部から離れる向きへのスライドにて該開孔を開放する環状溝を設けたことを特徴とする計量塗布栓であり、塗布ヘッドとしては、筒状体の上端外側壁に環状の膨出部を有するものがとくに望ましい。
【発明の効果】
【０００７】
オーバーキャップの取り外しに際して塗布ヘッドを引き上げることにより隔壁部に設けられた開孔が開放されるため、容器を反転することにより塗布ヘッドの内側に形成された計量空間内に内容物が流れ込み、その動作のみで計量を完了させることができる。
【０００８】
また、計量を終えたのちにおいて塗布ヘッドを直接塗布面に接触、押し付けると、塗布ヘッドは、キャップベースの底壁部へ向けてスライドし開孔が閉塞される一方、塗布ヘッドの天面壁が弾性変形して該天面壁部に設けられたスリットが開放されて計量にかかわる内容物が塗布面に向けて流れ出でていくとになり、そのまま塗布が行える。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明にしたがう塗布栓の実施の形態を示した図である。
【図２】図１に示した塗布栓においてオーバーキャップを取り外した状態を示した図である。
【図３】図１に示した塗布栓の使用状況を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図１は本発明にしたがう計量注出栓の実施の形態を、容器の口部に取り付けた状態で示した図であり、図２は、オーバーキャップを取り外した状態の要部拡大図である。
【００１１】
図における１は、キャップベースである。このキャップベース１は、その底壁部を形成する基部１ａが容器の口部２の突端部においてアンダーカットの如き係合手段（ねじによる係合でもよい。）にて固定保持されている。３は、キャップベース１と一体連結し容器の口部２の上方において起立する外筒体、４は軟質材等からなり、キャップベース１に一体連結する外筒体３に抜け止め保持された塗布ヘッドである。この塗布ヘッド４は、その先端部位を直接塗布面に接触させて容器内の内容物を塗布するものであって、押し付けによって弾性変形させることが可能な天面壁部４ａには、その中央の凹所に塗布面への接触、押圧によって開放される一の字状又は十字状のスリットＳが形成されている。また、天面壁部４ａにつながる筒状体４ｂの後端部には開放端４ｃが設けられ、該筒状体４ｂの上端部には環状の膨出部４ｄが設けられている。
【００１２】
塗布ヘッド４の筒状体４ｂは、小径部と大径部とによって構成されており、その内側に計量空間Ｍが形成されていて、小径部と大径部の境界に形成される段部ｔがキャップベース１の外筒体３の先端開口に設けられた環状爪部３ａに当接することで塗布ヘッド４が外筒体３において抜け止めされる。
【００１３】
５は、キャップベース１の底壁部を形成する基部１ａに一体的に設けられた凸状をなす隔壁部である。この隔壁部５は、塗布ヘッド４の筒状体４ｂの内側に位置するものであって、環状周壁５ａと、この環状周壁５ａの上端につながる天井壁５ｂからなり、環状周壁５ａの上部の複数箇所には、その周りに沿い間隔をおいて形成された複数の開孔５ｃが設けられている。
【００１４】
さらに、６は、隔壁部５の環状周壁５ａと、キャップベース１の外筒体３との相互間に形成された環状溝である。この環状溝６は、塗布ヘッド４の筒状体４ｂを適度な摩擦抵抗をもって摺動可能に挿通させており、塗布ヘッド４の、キャップベース１の基部１ａ（底壁部）に向かうスライドにてその内周壁で該開孔５ｃを閉塞させる一方（図１参照）、キャップベース１の基部１ａから離反する向きへのスライドにて該開孔５ｃを開放するようになっている。ここに、適度な摩擦抵抗とは、比較的小さな押圧力あるいは引張力でスライドさせることができるが、該押圧力あるいは引張力を取り除いた状態では、その部位において塗布ヘッド４を停止させることができるような摩擦抵抗をいうものとする。
【００１５】
７は塗布栓をその内側に収め、容器の頚部において例えばねじ止め（あるいはアンダーカットによる係合でもよい。）されるオーバーキャップである。このオーバーキャップ７は、塗布栓を取り囲む周壁７ａと、この周壁７ａの上端に一体連結してその内側に収納空間を形成する天面壁７ｂから構成され、該天面壁７ｂの下面には、塗布ヘッド４の膨出部４ｄに弾性的に嵌合する垂下筒７ｃが設けられている。この垂下筒７ｃは、オーバーキャップ７を取り外す際に、塗布ヘッド４を上方に引き上げて隔壁部５に形成された開孔５ｃを開放することができる程度の嵌合強度を有している。
【００１６】
オーバーキャップ７が取り付けられた、図１に示すような状態では、塗布ヘッド４は、その開放端４ｃが環状溝６の下端に当接するように位置しており、隔壁部５の開孔５ｃは、塗布ヘッド４の筒状体４ｂの内周壁によって取り囲まれた状態（閉塞状態）にあり、容器を反転しても容器内の内容物が計量空間Ｍに流れ出すことはない。
【００１７】
オーバーキャップ7を取り外すと、塗布ヘッド４は環状溝６において摺動して図２に示すように引き上げられ、これによって開孔５ｃが開放される。この状態では、適度な摩擦抵抗により塗布ヘッド４はそのままの位置に留まる。
【００１８】
この状態で容器を反転すると、容器内の内容物は、計量空間Ｍへと流入し、該計量空間Ｍが内容物で満たされた状態で計量が完了する。
【００１９】
計量が完了した状態で頭皮などの塗布すべき面に塗布ヘッド４を押し当てると、図３に示すように、塗布ヘッド４は、キャップベース１の基部１ａに向けてスライドして隔壁部５の開孔５ｃが遮断（閉塞）されるとともに、計量空間Ｍ内の内容物がスリットＳを経て塗布面へと流れ出すこととなり、ここに該塗布ヘッド４の適度な塗布動作を誘導することにより内容物の均一な塗布が可能となる。
【００２０】
本発明にしたがう塗布栓は、オーバーキャップ７を取り外して容器を反転したのち、塗布ノズルを塗布すべき面に押し当てるだけで適量の内容物を排出、塗布できるものであって、計量のためのめんどうな操作が不要であり、使い勝手がきわめてよい。
【００２１】
また、塗布栓は、塗布ヘッドと、これを抜け止め保持するキャップベースの二部材で構成されているので、構造の簡素化が可能であり、効率的な製造が行える。
【００２２】
塗布栓を構成する構成部材は全て合成樹脂にて構成することができるが、塗布ヘッド４はゴムやエラストマーの如き材質のものを適用することも可能であり、この点についてはとくに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
簡単な操作のもとで計量し、計量にかかる内容物を塗布することを可能とした、構造の簡素化された塗布栓が提供できる。
【符号の説明】
【００２４】
１ キャップベース
２ 容器の口部
３ 外筒体
４ 塗布ヘッド
４ａ 天面壁部
４ｂ 筒状体
４ｃ 開放端
４ｄ 膨出部
５ 凸状をなす隔壁部
５ａ 環状周壁
５ｂ 天井壁
５ｃ 開孔
６ 環状溝
７ オーバーキャップ
７ａ 周壁
７ｂ 天面壁
７ｃ 垂下筒
Ｍ 計量空間
Ｓ スリット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、容器内の内容物を規定量だけ取り出して塗布するのに好適な計量塗布栓に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
育毛剤の如き薬液等、一回の使用量が定められたものは、容器内の内容物を取り出すに際しては計量する必要があり、従来は、中栓に配置された円筒部を適宜上下動させて第一弁及び第二弁を交互に開閉することで容器内の内容物を計量筒部に流し込んで計量し、該計量筒部内の内容物を注出口を通して外部へ排出して使用するようにしていた（例えば、特許文献1参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−３３７９１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、従来のこの種の定量注出器は、計量にかかわる内容物を注出している最中に体に不用意な力が作用すると該弁体が簡単にスライドしてしまい、容器と計量筒部とを隔絶する弁が開放されることもあって、この場合、計量筒部内に必要以上の内容物が流れ込んでしまい定量注出ができない不具合があり、しかも、定量注出にかかる内容物を塗布する場合には、別途に用意した塗布具を使用して塗布するのが普通であり、使い勝手がよいとはいえず、未だ改善の余地が残されていた。
【０００５】
本発明の課題は、簡単な構造のもとで内容物の正確な計量が行え、なおかつ、計量にかかる内容物を直接塗布できる使い勝手のよい計量塗布栓を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、容器の口部において起立する外筒体を有し、該口部に固定保持されるキャップベースと、このキャップベースの外筒体に抜け止め保持され、その先端部位を直接塗布面に接触させて容器内の内容物を塗布する塗布ヘッドと、この塗布ヘッドを覆い隠すオーバーキャップとを備え、
前記塗布ヘッドが、塗布面への接触によって開放するスリットを有し、後端部を開放端としてその内側に内容物の計量空間を形成する筒状体からなり、
前記キャップベースの底壁部に、塗布ヘッドの筒状体の内側に位置し、容器内の内容物を塗布ヘッドの計量空間内に流通させる少なくとも一つの開孔を有する凸状の隔壁部を設け、
該凸状の隔壁部の周壁とキャップベースの外筒体との相互間に、塗布ヘッドの筒状体を摺動可能に挿通させ、該塗布ヘッドの、キャップベースの底壁部に向かうスライドにて該開孔を閉塞させる一方、オーバーキャップの取り外しに伴うキャップベースの底壁部から離れる向きへのスライドにて該開孔を開放する環状溝を設けたことを特徴とする計量塗布栓であり、塗布ヘッドとしては、筒状体の上端外側壁に環状の膨出部を有するものがとくに望ましい。
【発明の効果】
【０００７】
オーバーキャップの取り外しに際して塗布ヘッドを引き上げることにより隔壁部に設けられた開孔が開放されるため、容器を反転することにより塗布ヘッドの内側に形成された計量空間内に内容物が流れ込み、その動作のみで計量を完了させることができる。
【０００８】
また、計量を終えたのちにおいて塗布ヘッドを直接塗布面に接触、押し付けると、塗布ヘッドは、キャップベースの底壁部へ向けてスライドし開孔が閉塞される一方、塗布ヘッドの天面壁が弾性変形して該天面壁部に設けられたスリットが開放されて計量にかかわる内容物が塗布面に向けて流れ出でていくとになり、そのまま塗布が行える。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明にしたがう塗布栓の実施の形態を示した図である。
【図２】図１に示した塗布栓においてオーバーキャップを取り外した状態を示した図である。
【図３】図１に示した塗布栓の使用状況を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図１は本発明にしたがう計量注出栓の実施の形態を、容器の口部に取り付けた状態で示した図であり、図２は、オーバーキャップを取り外した状態の要部拡大図である。
【００１１】
図における１は、キャップベースである。このキャップベース１は、その底壁部を形成する基部１ａが容器の口部２の突端部においてアンダーカットの如き係合手段（ねじによる係合でもよい。）にて固定保持されている。３は、キャップベース１と一体連結し容器の口部２の上方において起立する外筒体、４は軟質材等からなり、キャップベース１に一体連結する外筒体３に抜け止め保持された塗布ヘッドである。この塗布ヘッド４は、その先端部位を直接塗布面に接触させて容器内の内容物を塗布するものであって、押し付けによって弾性変形させることが可能な天面壁部４ａには、その中央の凹所に塗布面への接触、押圧によって開放される一の字状又は十字状のスリットＳが形成されている。また、天面壁部４ａにつながる筒状体４ｂの後端部には開放端４ｃが設けられ、該筒状体４ｂの上端部には環状の膨出部４ｄが設けられている。
【００１２】
塗布ヘッド４の筒状体４ｂは、小径部と大径部とによって構成されており、その内側に計量空間Ｍが形成されていて、小径部と大径部の境界に形成される段部ｔがキャップベース１の外筒体３の先端開口に設けられた環状爪部３ａに当接することで塗布ヘッド４が外筒体３において抜け止めされる。
【００１３】
５は、キャップベース１の底壁部を形成する基部１ａに一体的に設けられた凸状をなす隔壁部である。この隔壁部５は、塗布ヘッド４の筒状体４ｂの内側に位置するものであって、環状周壁５ａと、この環状周壁５ａの上端につながる天井壁５ｂからなり、環状周壁５ａの上部の複数箇所には、その周りに沿い間隔をおいて形成された複数の開孔５ｃが設けられている。
【００１４】
さらに、６は、隔壁部５の環状周壁５ａと、キャップベース１の外筒体３との相互間に形成された環状溝である。この環状溝６は、塗布ヘッド４の筒状体４ｂを適度な摩擦抵抗をもって摺動可能に挿通させており、塗布ヘッド４の、キャップベース１の基部１ａ（底壁部）に向かうスライドにてその内周壁で該開孔５ｃを閉塞させる一方（図１参照）、キャップベース１の基部１ａから離反する向きへのスライドにて該開孔５ｃを開放するようになっている。ここに、適度な摩擦抵抗とは、比較的小さな押圧力あるいは引張力でスライドさせることができるが、該押圧力あるいは引張力を取り除いた状態では、その部位において塗布ヘッド４を停止させることができるような摩擦抵抗をいうものとする。
【００１５】
７は塗布栓をその内側に収め、容器の頚部において例えばねじ止め（あるいはアンダーカットによる係合でもよい。）されるオーバーキャップである。このオーバーキャップ７は、塗布栓を取り囲む周壁７ａと、この周壁７ａの上端に一体連結してその内側に収納空間を形成する天面壁７ｂから構成され、該天面壁７ｂの下面には、塗布ヘッド４の膨出部４ｄに弾性的に嵌合する垂下筒７ｃが設けられている。この垂下筒７ｃは、オーバーキャップ７を取り外す際に、塗布ヘッド４を上方に引き上げて隔壁部５に形成された開孔５ｃを開放することができる程度の嵌合強度を有している。
【００１６】
オーバーキャップ７が取り付けられた、図１に示すような状態では、塗布ヘッド４は、その開放端４ｃが環状溝６の下端に当接するように位置しており、隔壁部５の開孔５ｃは、塗布ヘッド４の筒状体４ｂの内周壁によって取り囲まれた状態（閉塞状態）にあり、容器を反転しても容器内の内容物が計量空間Ｍに流れ出すことはない。
【００１７】
オーバーキャップ7を取り外すと、塗布ヘッド４は環状溝６において摺動して図２に示すように引き上げられ、これによって開孔５ｃが開放される。この状態では、適度な摩擦抵抗により塗布ヘッド４はそのままの位置に留まる。
【００１８】
この状態で容器を反転すると、容器内の内容物は、計量空間Ｍへと流入し、該計量空間Ｍが内容物で満たされた状態で計量が完了する。
【００１９】
計量が完了した状態で頭皮などの塗布すべき面に塗布ヘッド４を押し当てると、図３に示すように、塗布ヘッド４は、キャップベース１の基部１ａに向けてスライドして隔壁部５の開孔５ｃが遮断（閉塞）されるとともに、計量空間Ｍ内の内容物がスリットＳを経て塗布面へと流れ出すこととなり、ここに該塗布ヘッド４の適度な塗布動作を誘導することにより内容物の均一な塗布が可能となる。
【００２０】
本発明にしたがう塗布栓は、オーバーキャップ７を取り外して容器を反転したのち、塗布ノズルを塗布すべき面に押し当てるだけで適量の内容物を排出、塗布できるものであって、計量のためのめんどうな操作が不要であり、使い勝手がきわめてよい。
【００２１】
また、塗布栓は、塗布ヘッドと、これを抜け止め保持するキャップベースの二部材で構成されているので、構造の簡素化が可能であり、効率的な製造が行える。
【００２２】
塗布栓を構成する構成部材は全て合成樹脂にて構成することができるが、塗布ヘッド４はゴムやエラストマーの如き材質のものを適用することも可能であり、この点についてはとくに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
簡単な操作のもとで計量し、計量にかかる内容物を塗布することを可能とした、構造の簡素化された塗布栓が提供できる。
【符号の説明】
【００２４】
１ キャップベース
２ 容器の口部
３ 外筒体
４ 塗布ヘッド
４ａ 天面壁部
４ｂ 筒状体
４ｃ 開放端
４ｄ 膨出部
５ 凸状をなす隔壁部
５ａ 環状周壁
５ｂ 天井壁
５ｃ 開孔
６ 環状溝
７ オーバーキャップ
７ａ 周壁
７ｂ 天面壁
７ｃ 垂下筒
Ｍ 計量空間
Ｓ スリット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
容器の口部において起立する外筒体を有し、該口部に固定保持されるキャップベースと、このキャップベースの外筒体に抜け止め保持され、その先端部位を直接塗布面に接触させて容器内の内容物を塗布する塗布ヘッドと、この塗布ヘッドを覆い隠すオーバーキャップとを備え、
前記塗布ヘッドが、塗布面への接触によって開放するスリットを有し、後端部を開放端としてその内側に内容物の計量空間を形成する筒状体からなり、
前記キャップベースの底壁部に、塗布ヘッドの筒状体の内側に位置し、容器内の内容物を塗布ヘッドの計量空間内に流通させる少なくとも一つの開孔を有する凸状の隔壁部を設け、
該凸状の隔壁部の周壁とキャップベースの外筒体との相互間に、塗布ヘッドの筒状体を摺動可能に挿通させ、該塗布ヘッドの、キャップベースの底壁部に向かうスライドにて該開孔を閉塞させる一方、オーバーキャップの取り外しに伴うキャップベースの底壁部から離れる向きのスライドにて該開孔を開放する環状溝を設けたことを特徴とする計量塗布栓。
【請求項２】
前記塗布ヘッドは、筒状体の上端外側壁に環状の膨出部を有する、請求項１記載の計量塗布栓。
【請求項１】
容器の口部において起立する外筒体を有し、該口部に固定保持されるキャップベースと、このキャップベースの外筒体に抜け止め保持され、その先端部位を直接塗布面に接触させて容器内の内容物を塗布する塗布ヘッドと、この塗布ヘッドを覆い隠すオーバーキャップとを備え、
前記塗布ヘッドが、塗布面への接触によって開放するスリットを有し、後端部を開放端としてその内側に内容物の計量空間を形成する筒状体からなり、
前記キャップベースの底壁部に、塗布ヘッドの筒状体の内側に位置し、容器内の内容物を塗布ヘッドの計量空間内に流通させる少なくとも一つの開孔を有する凸状の隔壁部を設け、
該凸状の隔壁部の周壁とキャップベースの外筒体との相互間に、塗布ヘッドの筒状体を摺動可能に挿通させ、該塗布ヘッドの、キャップベースの底壁部に向かうスライドにて該開孔を閉塞させる一方、オーバーキャップの取り外しに伴うキャップベースの底壁部から離れる向きのスライドにて該開孔を開放する環状溝を設けたことを特徴とする計量塗布栓。
【請求項２】
前記塗布ヘッドは、筒状体の上端外側壁に環状の膨出部を有する、請求項１記載の計量塗布栓。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１０−２６０５８１（Ｐ２０１０−２６０５８１Ａ）
【公開日】平成２２年１１月１８日（２０１０．１１．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１１１３２７（Ｐ２００９−１１１３２７）
【出願日】平成２１年４月３０日（２００９．４．３０）
【出願人】（０００００６９０９）株式会社吉野工業所 (2,913)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１１月１８日（２０１０．１１．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年４月３０日（２００９．４．３０）
【出願人】（０００００６９０９）株式会社吉野工業所 (2,913)
【Ｆターム（参考）】
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