説明

計量機、計量包装システム、および重量選別機

【課題】 設置場所によらず良好に使用できる計量機、ならびに、この計量機を有する計量包装システムおよび重量選別機を提供する。
【解決手段】 抽出部284は、位置検出部282により検出された位置情報に基づいて、設置場所に対応する地域パラメータを地域パラメータ格納部271から抽出する。表示部294は、地域パラメータとして抽出された言語情報につき、該言語情報よって指定される言語で計量対象物に関する情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量機、およびこの計量機を有する計量包装システム、重量選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のGPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号に基づいて装置の設置場所を特定するとともに、この設置場所に応じて重力加速度を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1〜4)。また、GPSなどの位置情報発生装置によって位置情報を検出し、この位置情報に基づいて重力加速度や使用地区データ等の使用地区関連情報を表示する技術も、従来より知られている(例えば、特許文献5)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−059769号公報
【特許文献2】特開2002−214032号公報
【特許文献3】特開2002−250654号公報
【特許文献4】特開2003−254818号公報
【特許文献5】特開2004−045165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、計量機が我が国以外で使用される場合、計量機の表示部には、計量機が使用される国に応じた情報が表示される。例えば、「言語A」が使用される国において、計量機の表示部に表示される種々のメッセージは、日本語でなく「言語A」で表示される。一方、我が国で計量機が製造される場合において、計量機の調整作業をする作業者は通常日本語を使用するため、計量機の表示部には日本語が表示される。
【0005】
したがって、我が国で製造された計量機が我が国以外で使用される場合、出荷直前の時点や購入者に計量機が引き渡される前の時点において、表示言語を切り替えることが必要となる。また計量機が使用される国と我が国とで、重量単位(例えば、グラムやオンス等)が異なる場合、表示言語と同様に重量単位を切り替えることが必要となる。このように、設置場所によっては、設置場所に応じて表示言語や重量単位に切り替える作業が必要となる場合があり、作業負担が増大するという問題が生ずる。
【0006】
さらに、計量機が設置された後、さらに計量機の設置場所が変更される場合にも、同様な問題が生ずる場合がある。
【0007】
そこで、本発明では、設置場所によらず良好に使用できる計量機、ならびに、この計量機を有する計量包装システムおよび重量選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、(a)重量センサから出力された荷重信号に基づいて、計量対象物の重量を検出する重量検出部と、(b)設置場所の位置情報を検出する位置検出部と、(c)設置場所によって定まる地域パラメータと、位置情報とを関連付けて格納する地域パラメータ格納部、を記憶可能な記憶部と、(d)前記位置検出部によって検出された位置情報に基づいて、設置場所に対応する地域パラメータを前記地域パラメータ格納部から抽出する抽出部と、(e)前記抽出部によって決定された地域パラメータに基づき、重量検出部により重量検出された前記計量対象物に関する情報を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の計量機において、前記地域パラメータ格納部は、前記地域パラメータとして重量単位情報を有しており、前記出力部は、前記地域パラメータとして抽出された重量単位情報につき、該重量単位情報により指定される重量単位で、前記計量対象物の重量を出力することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の計量機において、前記重量検出部は、前記地域パラメータとして抽出された重量単位情報につき、該重量単位情報により指定される重量単位の重量を、前記荷重信号から演算することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の計量機において、前記地域パラメータ格納部は、前記地域パラメータとして言語情報を有しており、前記出力部は、前記地域パラメータとして抽出された言語情報につき、該該言語情報によって指定される言語で前記計量対象物に関する情報を出力することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の計量機において、(f)前記計量機の傾きを検出する第1傾き検出部と、(g)前記第1傾き検出部によって検出された傾き情報に基づいて、前記計量機の姿勢を判定する姿勢判定部とをさらに備え、前記出力部は、前記姿勢判定部の判定結果を出力可能とされていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、計量包装システムであって、請求項5に記載の計量機と、前記計量機の下方に前記計量機と積み重ねて配置されており、製袋された袋に前記計量機で計量された計量対象物を袋詰めする製袋包装機とを備え、前記製袋包装機は、前記製袋包装機の傾きを検出する第2傾き検出部、を有しており、前記計量機の前記姿勢判定部は、前記第1および第2傾き検出部のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、前記計量機の姿勢を判定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の計量包装システムにおいて、前記計量機は、一定量の計量対象物を計り取る組合せ計量機であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項5に記載の計量機と、取込コンベアによって、前記計量対象物を前記計量機側に搬送する取込装置と、前記計量機から受け渡され、搬送コンベアによって搬送される前記計量対象物を、前記計量機の計量結果に基づいて選別する振分装置とを備え、前記計量機は、計量コンベアによって搬送される前記計量対象物の重量を計量し、前記第1傾き検出部は、前記計量コンベアの傾きを検出することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の重量選別機において、前記取込装置は、前記取込コンベアの傾きを検出する第2傾き検出部、を有しており、前記姿勢判定部は、前記第1および第2傾き検出部のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、前記取込コンベアと前記計量コンベアとの傾き関係を判定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載の重量選別機において、前記振分装置は、前記搬送コンベアの傾きを検出する第3傾き検出部、を有しており、前記姿勢判定部は、前記第1および第3傾き検出部のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、前記計量コンベアと前記搬送コンベアとの傾き関係を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし請求項10に記載の発明によれば、計量機の設置場所に応じた地域パラメータを地域パラメータ格納部から抽出するとともに、この抽出された地域パラメータに応じて計量対象物に関する情報を出力部に出力することができる。すなわち、使用者は、設置場所に応じて地域パラメータに切り替える必要がない。そのため、使用者の作業負担を軽減しつつ、各設置場所に応じた計量機を提供することができる。
【0019】
特に、請求項2に記載の発明によれば、計量対象物の重量を設置場所に応じた重量単位で出力することができる。そのため、使用者は、設置場所によらず、重量単位を切り替える必要がなく、使用者の作業負担を軽減することができる。
【0020】
特に、請求項3に記載の発明によれば、重量単位情報により指定される重量単位の重量を、荷重信号から直接演算することができる。すなわち、計量対象物の重量を設置場所とは異なる別の重量単位で演算した後に、設置場所に応じた重量単位に変換する必要がなく、演算による丸め誤差が生じない。そのため、演算によって重量検出精度が低下することを抑制できる。
【0021】
特に、請求項4に記載の発明によれば、計量対象物に関する情報は、設置場所に応じた言語(すなわち、設置場所の使用者に応じた言語)で出力される。そのため、設置場所によらず、言語に起因した作業効率の低下を防止することができる。
【0022】
特に、請求項5に記載の発明によれば、傾き情報に基づいて計量機の姿勢(傾き状況)を判定することができ、その判定結果を出力部に出力することができる。これにより、使用者は、計量機の姿勢を容易に把握することができる。そのため、計量機を良好に設置することができ、計量対象物の計量精度を向上させることができる。
【0023】
特に、請求項6に記載の発明によれば、第1傾き検出部によって検出された計量機の傾き情報と、第2傾き検出部によって検出された製袋包装機の傾き情報と、に基づいて、計量機の姿勢を判定するとともに、判定結果を出力部に出力することができる。これにより、製袋包装機の上方に積み重ねられた計量機の姿勢を正確に把握することができる。そのため、製袋包装機の上方に計量機を良好に設置することができ、計量機による計量対象物の計量精度を向上させることができる。
【0024】
特に、請求項7に記載の発明によれば、製袋包装機の上方に積み重ねられた組合せ計量機について、計量対象物の計量精度を向上させることができる。
【0025】
特に、請求項8に記載の発明によれば、傾き情報に基づいて計量コンベアの姿勢(傾き状況)を判定することができ、その判定結果を出力部に出力することができる。これにより、使用者は、計量コンベアの姿勢を容易に把握することができる。そのため、計量機を良好に設置することができ、計量コンベアによる計量対象物の計量精度および搬送性能を向上させることができる。
【0026】
特に、請求項9に記載の発明によれば、取込装置の取込コンベアと計量機の計量コンベアとの傾き関係を判定し、その判定結果を出力部に出力することができる。これにより、使用者は、取込コンベアと計量コンベアとの傾き関係を容易に把握し、両コンベアの傾き関係を調整することができる。そのため、取込コンベアから計量コンベアに受け渡される計量対象物を良好に受け渡すことが可能となるとともに、受け渡された計量対象物を計量機によって良好に計量することができる。
【0027】
特に、請求項10に記載の発明によれば、計量機の計量コンベアと振分装置の搬送コンベアとの傾き関係を判定し、その判定結果を出力部に出力することができる。これにより、使用者は、計量コンベアと搬送コンベアとの傾き関係を容易に把握し、両コンベアの傾き関係を調整することができる。そのため、計量コンベアから搬送コンベアに受け渡される計量対象物を良好に受け渡すことが可能となるとともに、振分装置によって良好に計量対象物を選別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.計量包装システムのハードウェア構成>
図1は、本発明の実施の形態における計量包装システム1の全体構成の一例を示す斜視図である。図2は、組合せ計量機2および縦型製袋包装機3の構成の一例を示す正面図である。ここで、計量包装システム1は、被包装物(例えばポテトチップスのような食品等:計量対象物)を一定量計り取り、この一定量の被包装物を包装するとともに、包装後の被包装物の重量に基づいて良品の被包装物と不良品の被包装物とを選別する。
【0030】
図1に示すように、計量包装システム1は、主として、組合せ計量機2と、縦型製袋包装機3と、シールチェッカー4と、重量選別機5と、を備えている。なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にすべく必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が付されている。
【0031】
<1.1.1.組合せ計量機のハードウェア構成>
組合せ計量機2は、一定量の被包装物X(図2参照)を計り取る計量機である。組合せ計量機2によって計量された計量された被包装物Xは、縦型製袋包装機3に供給される。図2に示すように、組合せ計量機2は、主として、分散フィーダ21と、トラフ22と、プールホッパ23と、計量ホッパ24と、集合シュート25と、重量センサ291と、GPSセンサ292と、ジャイロセンサ293と、を備える。
【0032】
組合せ計量機2に計量対象となる被包装物Xが供給されると、この供給された被包装物Xは、分散フィーダ21の中央部付近に落下させられる。図2に示すように、分散フィーダ21の周縁には複数のトラフ22が設けられている。また、分散フィーダ21およびトラフ22には、加振装置(図示省略)からの振動が付与されている。これにより、分散フィーダ21に供給された被包装物Xは、各トラフ22を経由して落下し、対応するプールホッパ23に貯留される。
【0033】
複数のプールホッパ23のそれぞれは、対応する計量ホッパ24の上方に配設されており、計量ホッパ24に供給する被包装物Xを一時的に貯留する。また、複数の計量ホッパ24のそれぞれは、対応するプールホッパ23からの被包装物Xの重量に応じた荷重信号を出力する重量センサ291(例えばロードセル:図示省略)を有している。
【0034】
ここで、組合せ計量機2による被包装物Xの計量は次の手順によって実行される。まず、各計量ホッパ24に貯留される被包装物Xの重量値が検出される。次に、各重量値の組合せによって得られる総和のうち所望値に最も近い組合せが演算される。続いて、この組合せに対応する計量ホッパ24から集合シュート25に向けて被包装物Xが排出され、その結果、集合シュート25に排出された一定量の被包装物Xは、縦型製袋包装機3に供給される。そして、被包装物Xが排出されて空となった計量ホッパ24に被包装物Xが補充されることにより、再度一定量の被包装物Xを計り取る処理が行われる。
【0035】
GPSセンサ292は、複数のGPS衛星から送信される電波(GPS信号)を受信する受信機である。ジャイロセンサ293(第1傾き検出部)は、いわゆる角度センサであり、組合せ計量機2の傾きの検出(傾斜角計測)に使用される。図1に示すように、GPSセンサ292およびジャイロセンサ293は、組合せ計量機2の筐体の平坦部に取り付けられている。
【0036】
計量機コントロールユニット20(制御部)は、プログラムやデータ等を記憶可能なメモリ20a(記憶部)と、メモリ20aに格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU20bと、を有している(図4参照)。したがって、CPU20bは、メモリ20aに格納されるプログラムに従い、重量センサ291に基づいて被包装物Xの重量を検出する機能、GPSセンサ292に基づいて組合せ計量機2の設置場所(位置)を検出する機能、およびジャイロセンサ293に基づいて組合せ計量機2の姿勢(傾き情報)を検出する機能等を、所定のタイミングで実行することができる。
【0037】
<1.1.2.縦型製袋包装機のハードウェア構成>
縦型製袋包装機3は、図1および図2に示すように、組合せ計量機2の下方に組合せ計量機2と積み重ねて配置されている。ここで、縦型製袋包装機3は、組合せ計量機2で計量された被包装物Xを製袋された袋BGに袋詰めする。すなわち、組合せ計量機2から排出されて落下する被包装物Xは、包材TF(例えば、プラスチックで形成されたフィルム)によって袋詰される。図2に示すように、縦型製袋包装機3は、主として、チューブ31と、フォーマ32と、プルダウンベルト33と、縦シール装置34と、横シール装置35と、を有する。
【0038】
チューブ31とフォーマ32とは、長尺物としての包材TFを筒状に成形する成形機構である。チューブ31は、略円筒形状の部材であり、その上下端は開口している。フォーマ32は、チューブ31を取り囲むように配設されている。チューブ31とフォーマ32との間に包材TFが繰り入れられると、この繰り入れられた包材TFはチューブ31に巻き付けられて略筒状に成形される。なお、チューブ31の上端開口部からチューブ31内には、組合せ計量機2からの被包装物Xが投入される。
【0039】
図2に示すように、プルダウンベルト33および縦シール装置34は、チューブ31およびフォーマ32の下方に配設される。プルダウンベルト33は、チューブ31に巻き付けられた包材TFを矢印AR1方向(包材TFの流れ方向:Z軸と略平行な方向)に搬送する。また、縦シール装置34は、チューブ31に巻き付けられた包材TFの重なり部分を流れ方向AR1に沿って熱圧着し、縦シールする。
【0040】
一対の横シール装置35は、一方の横シール装置35のシールジョー35aと他方の横シール装置35のシールジョー35aとの間に包材TFを挟み込んで熱圧着する。これにより、包材TFは、Y軸と略並行な矢印AR2方向(包材TFの幅方向)に溶着されて横シールされるとともに、包材TFは、その溶着部から切断される。
【0041】
GPSセンサ392は、GPSセンサ292と同様に、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信する受信機である。ジャイロセンサ393(第2傾き検出部)は、ジャイロセンサ293と同様に、いわゆる角度センサであり、組合せ計量機2の傾きの検出(傾斜角計測)に使用される。図1に示すように、GPSセンサ392およびジャイロセンサ393は、縦型製袋包装機3の筐体の平坦部に取り付けられている。
【0042】
包装機コントロールユニット30(制御部)は、計量機コントロールユニット20と同様に、プログラムやデータ等を記憶可能なメモリ30a(記憶部)と、メモリ30aに格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU30bと、を有している(図4参照)。したがって、CPU30bは、メモリ30aに格納されるプログラムに従い、GPSセンサ392に基づいて縦型製袋包装機3の設置場所を検出する機能、およびジャイロセンサ393に基づいて縦型製袋包装機3の姿勢(傾き情報)を検出する機能等を、所定のタイミングで実行することができる。
【0043】
<1.1.3.重量選別機のハードウェア構成>
図3は、重量選別機5の構成の一例を示す正面図である。縦型製袋包装機3において被包装物Xが充填された袋BGは、シールチェッカー4に搬送されてシール状況のチェックが行われた後、重量選別機5に搬送される。
【0044】
重量選別機5は、例えば、袋詰め工程等の前工程から搬入された商品(計量対象物55)について、該商品の重量を計量するとともに、この計量結果に基づいて商品を振り分ける。図3に示すように、重量選別機5は、主として、取込装置51と、計量装置52(計量機)と、振分装置56と、を備えている。
【0045】
取込装置51は、図3に示すように、主として、取込コンベア511と、ジャイロセンサ593a(第2傾き検出部)と、を有している。取込装置51は、計量対象物55の搬送方向AR3から見て下流の計量装置52側に計量対象物55を搬送する。
【0046】
取込コンベア511は、搬送方向AR3から見てシールチェッカー4の下流に配置される搬送部である。また、ジャイロセンサ593a(第2傾き検出部)は、ジャイロセンサ293およびジャイロセンサ393と同様に、いわゆる角度センサであり、取込コンベア511の傾きを検出する。図1に示すように、ジャイロセンサ593aは、取込コンベア511の下方に配設されている。
【0047】
計量装置52は、図3に示すように、主として、計量コンベア521と、重量センサ591と、GPSセンサ592と、ジャイロセンサ593bと、を有しており、計量コンベア521によって搬送される計量対象物55の重量を計量する。
【0048】
計量コンベア521は、取込コンベア511と搬送コンベア561との間に配置される搬送部である。計量コンベア521は、取込装置51から受け渡された各選別対象物55を振分装置56に搬送する。また、図3に示すように、計量コンベア521は、取付部材525を介してロードセルユニット591(重量センサ)の起歪体531に支持されている。
【0049】
したがって、起歪体531は、計量コンベア521、および計量コンベア521上を搬送される計量対象物55の荷重を受け、重量センサ591からは計量コンベア521および計量対象物55の重量に応じた荷重信号が出力される。
【0050】
GPSセンサ592は、GPSセンサ292およびGPSセンサ392と同様に、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信する受信機である。また、ジャイロセンサ593b(第1傾き検出部)は、ジャイロセンサ593aと同様に、いわゆる角度センサであり、計量コンベア521の傾きを検出する。図1に示すように、GPSセンサ592およびジャイロセンサ593bは、計量コンベア521の下方に配設されている。
【0051】
振分装置56は、図3に示すように、主として、搬送コンベア561と、レバー562と、ジャイロセンサ593c(第3傾き検出部)と、を有している。振分装置56は、計量装置52から受け渡され、搬送コンベア561によって搬送される計量対象物55を、計量装置52の計量結果に基づいて選別する。
【0052】
搬送コンベア561は、計量装置52から受け渡された計量後の計量対象物55を搬送方向AR3に沿って搬送する搬送部である。レバー562は、搬送方向AR3と略垂直な回動軸562aを中心に回動可能とされており、搬送コンベア561によって搬送される計量対象物55を振り分ける。
【0053】
ジャイロセンサ593c(第3傾き検出部)は、ジャイロセンサ593a、593bと同様に、いわゆる角度センサであり、搬送コンベア561の傾きを検出する。図1に示すように、ジャイロセンサ593cは、搬送コンベア561の下方に配設されている。
【0054】
例えば、計量装置52による計量結果が良品範囲内となる場合、レバー562は、その長さ方向が搬送方向AR2と略平行となり、かつ、搬送コンベア561の側方に位置するように回動させられる。これにより、計量対象物55は、搬送方向AR3の延長上に配置された良品ライン(図示省略)に受け渡される。
【0055】
一方、計量装置52による計量結果が良品範囲外となる場合、レバー562は、選別対象物55の搬送を遮るように回動させられる。これにより、レバー562まで到達した選別対象物55は、レバー562に沿って移動し、搬送コンベア561の側方に設けられた不良品ライン(図示省略)に受け渡される。
【0056】
重量選別機コントロールユニット50(制御部)は、計量機コントロールユニット20および包装機コントロールユニット30と同様に、プログラムやデータ等を記憶可能な50a(記憶部)と、メモリ50aに格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU50bと、を有している(図6参照)。したがって、CPU50bは、メモリ50aに格納されるプログラムに従い、GPSセンサ592に基づいて重量選別機5の設置場所を検出する機能、およびジャイロセンサ593bに基づいて計量コンベア521の姿勢を検出する機能等を、所定のタイミングで実行することができる。
【0057】
<1.2.計量包装システムの機能構成>
図4は、組合せ計量機2および縦型製袋包装機3の機能構成の一例を示すブロック図である。図5は、地域パラメータ格納部271のデータ構造の一例を示す図である。図6は、重量選別機5の機能構成の一例を示すブロック図である。以下では、計量機コントロールユニット20、包装機コントロールユニット30、および重量選別機コントロールユニット50の順に、各コントロールユニット20、30、50の機能構成を説明する。
【0058】
<1.2.1.組合せ計量機の機能構成>
図4に示すように、CPU20bは、主として、重量検出機能と、位置検出機能と、姿勢判定機能と、地域パラメータの抽出機能と、を実現させる。また、メモリ20a上には、地域パラメータ格納部271用の格納領域が確保されている。
【0059】
ここで、地域パラメータ格納部271は、組合せ計量機2の設置場所によって定まる地域パラメータと、位置情報と、を関連付けて格納するテーブル(2次元の表)である。図5に示すように、地域パラメータ格納部271は、主として、「識別ID」と、位置情報として使用される「緯度上限」、「緯度下限」、「経度上限」、および「経度下限」と、地域パラメータとして使用される「重量単位情報」および「言語情報」と、の各フィールド(列)を有している。
【0060】
「識別ID」フィールドには、地域パラメータ格納部271に含まれる各レコード(各行)を一意に識別するための値が格納されている。「緯度上限」、「緯度下限」、「経度上限」、および「経度下限」の各フィールドには、地域パラメータの抽出処理に使用される緯度値および経度値が格納されている。
【0061】
「重量単位情報」フィールドには、使用される重量単位に関する情報が格納されている。例えば、「識別ID」=「10020」で指定される地域では、重量単位として「グラム」が使用される。また、「言語情報」フィールドには、使用される言語に関する情報が格納されている。例えば、「識別ID」=「10021」で指定される地域では、言語(公用語)として「英語」が使用される。
【0062】
重量検出部281は、重量センサ291から出力された荷重信号に基づいて計量対象物の重量を検出する。本実施の形態において、重量検出部281は、地域パラメータとして抽出された重量単位情報につき、該重量単位情報により指定される重量単位の重量を、荷重信号から直接演算する。すなわち、重量検出部281は、計量対象物の重量を設置場所とは異なる別の重量単位で演算した後に、設置場所に応じた重量単位に変換するという演算手法を採用しておらず、演算による丸め誤差が生じない。そのため、重量検出部281は、演算によって重量検出精度が低下することを抑制できる。
【0063】
位置検出部282は、GPSセンサ292によって受信された複数のGPS信号に基づいて、組合せ計量機2の設置場所の位置情報を検出する。抽出部284は、位置検出部282によって検出された位置情報に基づいて、設置場所に対応する地域パラメータを地域パラメータ格納部271から抽出する。
【0064】
例えば、検出された組合せ計量機2の設置場所の位置情報(緯度値および経度値)について、設置場所の緯度値が地域パラメータ格納部271の「緯度下限」以上「緯度上弦」より小さくなり、かつ、設置場所の経度値が地域パラメータ格納部271の「経度下限」以上「経度上弦」より小さくなる場合、対応するレコードが地域パラメータ格納部271から抽出される。
【0065】
姿勢判定部283は、ジャイロセンサ293によって検出された傾き情報に基づいて、組合せ計量機2の姿勢を判定する。例えば、ジャイロセンサ293によって検出された傾き情報が許容範囲内であると判断される場合、姿勢判定部283は、組合せ計量機2の傾きは正常範囲内であり、正常な計量処理が可能であると判断する。一方、傾き情報が許容範囲外となる場合、姿勢判定部283は、組合せ計量機2が正しく設置されておらず、正常な計量処理ができないと判断する。
【0066】
ここで、縦型製袋包装機3の傾き情報が許容範囲外となっている一方、縦型製袋包装機3の上方に積み重ねられた組合せ計量機2の傾き情報が許容範囲内となっている場合について検討する。この場合、組合せ計量機2は、縦型製袋包装機3の傾き基準面(例えば、床面)に対しては傾いていないが、縦型製袋包装機3に対しては傾いており、組合せ計量機2は、縦型製袋包装機3に対して正しく配置されていない。その結果、組合せ計量機2による計量精度が低下する場合も考えられる。
【0067】
そこで、本実施の形態において、姿勢判定部283は、組合せ計量機2のジャイロセンサ293(第1傾き検出部)および縦型製袋包装機3のジャイロセンサ393(第2傾き検出部)のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、組合せ計量機2の姿勢を判定する。これにより、縦型製袋包装機3の上方に積み重ねられた組合せ計量機2の姿勢を正確に把握することができる。そのため、縦型製袋包装機3の上方に組合せ計量機2を良好に設置することができ、組合せ計量機2による計量対象物の計量精度を向上させることができる。
【0068】
表示部294は、例えば液晶ディスプレイにより構成されており、画面に文字や画像等を表示することができる。したがって、表示部294は、抽出部284によって決定された地域パラメータに基づき、重量が検出された計量対象物に関する情報(計量対象物の名称や重量等)を表示することができる。
【0069】
また、表示部294は、地域パラメータとして抽出された重量単位情報につき、該重量単位情報により指定される重量単位で、計量対象物の重量を表示することができる。この場合、表示部294は、計量対象物の重量を設置場所に応じた重量単位で出力することができる。そのため、使用者は、設置場所によらず、重量単位を切り替える必要がなく、使用者の作業負担が軽減される。
【0070】
また、表示部294は、地域パラメータとして抽出された言語情報につき、該言語情報よって指定される言語で計量対象物に関する情報を表示することができる。この場合、表示部294は、設置場所に応じた言語(すなわち、設置場所の使用者に応じた言語)で文字等を表示することができる。そのため、設置場所によらず、言語に起因した作業効率の低下を防止することができる。
【0071】
また、表示部294は、姿勢判定部283の判定結果を出力可能とされている。これにより、使用者は、組合せ計量機2の姿勢を容易に把握することができる。そのため、組合せ計量機2を良好に設置することができ、計量対象物の計量精度を向上させることができる。このように、表示部294は、計量対象物に関する情報の出力部として使用される。
【0072】
また、表示部294は、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を有している。したがって、使用者は、表示部294に表示された内容に基づき、表示部294の「タッチパネル」機能を使用した指示を行うことによって、組合せ計量機2に対して所定の動作を実行させることができる。このように、表示部294は入力部としても使用される。
【0073】
印刷部295は、文字や画像等を記録紙に記録する。また、印刷部295は、表示部294と同様に、抽出部284によって決定された地域パラメータに基づき、重量が検出された計量対象物に関する情報を記録紙に記録することができる。このように、印刷部295は、表示部294と同様に、計量対象物に関する情報の出力部として使用することができる。
【0074】
操作部296は、キーパッド、キーボード、またはマウスによって構成される入力部である。使用者は、表示部294の表示内容に基づいた入力作業を行うことにより、組合せ計量機2に対して所定の動作を実行させることができる。
【0075】
<1.2.2.縦型製袋包装機の機能構成>
図4に示すように、CPU30bは、主として、位置検出機能と、姿勢判定機能と、地域パラメータの抽出機能と、を実現させる。また、メモリ30a上には、地域パラメータ格納部371用の格納領域が確保されている。なお、地域パラメータ格納部371は、地域パラメータ格納部271と同様なデータ構造を有するテーブルであり、ここでは地域パラメータ格納部371のデータ構造に関する説明を省略する。
【0076】
位置検出部382は、位置検出部282と同様に、GPSセンサ392によって受信された複数のGPS信号に基づいて、縦型製袋包装機3の設置場所の位置情報を検出する。抽出部384は、抽出部284と同様に、位置検出部382によって検出された位置情報に基づいて、設置場所に対応する地域パラメータを地域パラメータ格納部371から抽出する。姿勢判定部383は、姿勢判定部283と同様に、ジャイロセンサ393によって検出された傾き情報に基づいて、縦型製袋包装機3の姿勢を判定する。
【0077】
表示部394は、表示部294と同様に、例えば液晶ディスプレイにより構成されており、画面に文字や画像等を表示することができる。このように、表示部394は、種々の情報の出力部として使用される。また、表示部394は、表示部294と同様に、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を有している。印刷部395は、印刷部295と同様に、文字や画像等を記録紙に記録でき、種々の情報の出力部として使用することができる。
【0078】
操作部396は、操作部296と同様に、キーパッド、キーボード、またはマウスによって構成される入力部である。使用者は、表示部394の表示内容に基づいた入力作業を行うことにより、縦型製袋包装機3に対して所定の動作を実行させることができる。
【0079】
<1.2.3.重量選別機の機能構成>
図6に示すように、CPU50bは、主として、重量検出機能と、位置検出機能と、姿勢判定機能と、地域パラメータの抽出機能と、を実現させる。また、メモリ50a上には、地域パラメータ格納部571用の格納領域が確保されている。なお、地域パラメータ格納部571は、地域パラメータ格納部271、371と同様なデータ構造を有するテーブルであり、ここでは地域パラメータ格納部571のデータ構造に関する説明を省略する。
【0080】
重量検出部581は、重量検出部281と同様に、重量センサ591から出力された荷重信号に基づいて計量対象物の重量を検出する。位置検出部582は、位置検出部282、382と同様に、GPSセンサ592によって受信された複数のGPS信号に基づいて、重量選別機5の設置場所の位置情報を検出する。抽出部584は、抽出部284、384と同様に、位置検出部582によって検出された位置情報に基づいて、設置場所に対応する地域パラメータを地域パラメータ格納部571から抽出する。
【0081】
姿勢判定部583は、姿勢判定部283、383と同様に、ジャイロセンサ593a〜593cによって検出された傾き情報に基づいて、取込コンベア511、計量コンベア521、および搬送コンベア561の姿勢を判定する。
【0082】
また、姿勢判定部583は、ジャイロセンサ593a(第2傾き検出部)とジャイロセンサ593b(第1傾き検出部)のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、取込コンベア511と計量コンベア521との傾き関係を判定することができる。さらに、姿勢判定部583は、ジャイロセンサ593b(第1傾き検出部)とジャイロセンサ593c(第3傾き検出部)のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、計量コンベア521と搬送コンベア561との傾き関係を判定することができる。
【0083】
これにより、使用者は、取込コンベア511と計量コンベア521との傾き関係、または、計量コンベア521と搬送コンベア561との傾き関係を容易に把握し、両コンベアの傾き関係を調整することができる。そのため、取込コンベア511から計量コンベア521に受け渡される計量対象物を良好に受け渡すことが可能となるとともに、受け渡された計量対象物を計量装置52によって良好に計量することができる。また、、計量コンベア521から搬送コンベア561に受け渡される計量対象物を良好に受け渡すことが可能となるとともに、振分装置56によって良好に計量対象物を選別することができる。
【0084】
表示部594は、表示部294、394と同様に、例えば液晶ディスプレイにより構成されており、画面に文字や画像等を表示することができる。このように、表示部594は、計量対象物に関する情報の出力部として使用される。また、表示部594は、表示部294、394と同様に、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を有している。印刷部595は、印刷部295、395と同様に、文字や画像等を記録紙に記録でき、出力部として使用することができる。
【0085】
操作部596は、操作部296、396と同様に、キーパッド、キーボード、またはマウスによって構成される入力部である。使用者は、表示部594の表示内容に基づいた入力作業を行うことにより、重量選別機5に対して所定の動作を実行させることができる。
【0086】
<1.3.第1の実施の形態の計量包装システムの利点>
以上のように、第1の実施の形態の組合せ計量機2、縦型製袋包装機3、および重量選別機5は、設置場所に応じた地域パラメータを地域パラメータ格納部271、371、571から抽出するとともに、この抽出された地域パラメータに応じて計量対象物に関する情報を表示部294、394、594、または印刷部295、395、595に出力することができる。すなわち、使用者は、設置場所に応じて地域パラメータに切り替える必要がない。そのため、使用者の作業負担を軽減しつつ、各設置場所に応じた組合せ計量機2、縦型製袋包装機3、および重量選別機5を提供することができる。
【0087】
<2.第2の実施の形態>
<2.1.対面販売用計量装置のハードウェア構成>
図7は、本発明の実施の形態における対面販売用計量装置600のハードウェア構成の一例を示す図であり、対面販売用計量装置600を販売員側から見た場合の図である。ここで、対面販売用計量装置(以下、単に、「計量装置」とも呼ぶ)600は、販売員が顧客と対面してコミュニケーションを取りつつ、顧客に対して商品を販売可能なハカリである。計量装置600は、例えば、スーパー、百貨店などの食料品売り場や専門店で使用される。図7に示すように、計量装置600は、主として、計量部610と、操作パネル620と、計量情報表示部625と、ラベル印刷部630と、制御部640と、を備える。
【0088】
計量部610は、重量センサ691(本実施の形態では、ロードセル)により検出された電気量(電気抵抗値)を変換することによって、計量皿615上に載置された商品(計量対象物)の重量を計量する。
【0089】
操作パネル620は、展示販売コーナーの販売員側に配置されており、図7に示すように、入力キー621と、販売員側表示部622とを有する。販売員側表示部622は、いわゆるコンピュータのディスプレイとしての機能を有しており、重量検出された計量対象物に関する情報(計量対象物の名称や重量等)を地域パラメータに基づいた言語および重量単位で表示することができる。
【0090】
これにより、販売員側表示部622は、計量対象物の重量を設置場所に応じた重量単位で出力することができる。そのため、販売員および保守者は、設置場所によらず、重量単位を切り替える必要がなく、販売員および保守者の作業負担が軽減される。また、販売員側表示部622は、設置場所に応じた言語で文字等を表示することができる。そのため、言語に起因した作業効率の低下が防止される。
【0091】
また、販売員側表示部622は、タッチパネルとしての機能を有している。したがって、販売員は、販売員側表示部622の画面622aに表示された内容に基づき、タッチパネル機能を使用した入力作業(例えば、画面622aに表示されたコマンドボタンを押すこと)を行うことにより、計量装置600に対して所定の処理を実行させることができる。
【0092】
入力キー621は、販売員側表示部622付近に配設されており、図7に示すように、数字キーや取消キーなどの複数のキーによって構成されている。したがって、販売員は、画面622aの表示に基づき、入力キー621から商品の価格を入力したり、計量装置600に対して所定の処理を実行させることができる。
【0093】
このように、本実施の形態において、入力キー621および販売員側表示部622は、販売員からの入力を受け付ける入力部として使用される。
【0094】
計量情報表示部625は、図7に示すように、展示販売コーナーの顧客側に配置されている。計量情報表示部625には、例えば、計量中の商品の重量、単価、商品価格(値段)が表示可能とされている。また、計量情報表示部625には、商品の売り出し情報や、お勧め商品に関する情報のように顧客の次回の来店につなげる販促メッセージが表示可能とされている。これにより、アピール効果を高めるなど対面販売をより強力にサポートすることができる。
【0095】
ラベル印刷部630は、商品に貼付されるラベル632に対して、例えば熱転写方式等の印刷方式により、文字、図形および記号等の印刷を実行する。例えば、ラベル632には、計量された商品に関する情報(商品の重量、加工日、販売店名等)が地域パラメータに基づいた言語および重量単位で印刷される。
【0096】
制御部680は、計量装置600の筐体650内に設けられており、計量装置600の各構成要素の動作制御およびデータ処理等を所定のタイミングで実行する。例えば、販売員側表示部622における画面622aの表示制御や、ラベル印刷部630によるラベル632の送り動作の制御等は、制御部680により実現される。
【0097】
また、本実施の形態では、計量皿615に載置された被計量物の重量を検出する機能、計量装置600の設置場所(位置)を検出する機能、および計量装置600の姿勢(傾き情報)を検出する機能等も、制御部680により実現される。なお、制御部680の詳細については後述する。
【0098】
GPSセンサ692は、GPSセンサ292、392、GPSセンサ592と同様に、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信する受信機である。図7に示すように、GPSセンサ692は、筐体650内に配設されている。
【0099】
また、ジャイロセンサ693は、ジャイロセンサ293、393、593a、593bと同様に、いわゆる角度センサであり、計量装置600の傾きを検出する。図7に示すように、ジャイロセンサ693は、GPSセンサ692と同様に筐体650内に配設されている。
【0100】
ただし、GPSセンサ692およびジャイロセンサ693の配置はこれに限定されない。計量動作やオペレータの作業に支障がなければ、筐体650内でなく筐体650の外面に設けられてもよい。
【0101】
<2.2.対面販売用計量装置の機能構成>
図8は、計量装置600の機能構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、制御部680は、プログラムや変数等を格納するメモリ680aと、メモリ680aに格納されたプログラムに従い、所定の処理を実行するCPU680bと、を有している。
【0102】
また、CPU680bは、主として、重量検出機能と、位置検出機能と、姿勢判定機能と、地域パラメータの抽出機能と、を実現させる。これら機能は、それぞれCPU680b内に示されている重量検出部681と、位置検出部682と、姿勢判定部683と、抽出部684と、に対応する。また、メモリ680a上には、地域パラメータ格納部671用の格納領域が確保されている。
【0103】
なお、地域パラメータ格納部671は、地域パラメータ格納部271、371、571と同様なデータ構造を有するテーブルであり、ここでは地域パラメータ格納部671のデータ構造に関する説明を省略する。
【0104】
重量検出部681は、重量検出部281、581と同様に、重量センサ691から出力された荷重信号に基づいて計量対象物の重量を検出する。位置検出部682は、位置検出部282、382、582と同様に、GPSセンサ692によって受信された複数のGPS信号に基づいて、計量装置600の設置場所の位置情報を検出する。抽出部684は、抽出部284、384、584と同様に、位置検出部682によって検出された位置情報に基づいて、設置場所に対応する地域パラメータを地域パラメータ格納部671から抽出する。
【0105】
姿勢判定部683は、ジャイロセンサ693によって検出された傾き情報に基づいて、計量装置600の姿勢を判定する。例えば、ジャイロセンサ693によって検出された傾き情報が許容範囲内であると判断される場合、姿勢判定部683は、計量装置600の傾きは正常範囲内であり、正常な計量処理が可能であると判断する。一方、傾き情報が許容範囲外となる場合、姿勢判定部683は、計量装置600が正しく設置されておらず、正常な計量処理ができないと判断する。
【0106】
また、姿勢判定部683の判定結果は、販売員側表示部622やラベル印刷部630から出力可能とされている。これにより、販売員や保守者は、計量装置600の姿勢を容易に把握することができる。そのため、計量装置600を良好に設置することができ、計量対象物の計量精度を向上させることができる。
【0107】
<2.3.第2の実施の形態の対面販売用計量装置の利点>
以上のように、第2の実施の形態の計量装置600は、設置場所に応じた地域パラメータを地域パラメータ格納部671から抽出するとともに、この抽出された地域パラメータに応じて計量対象物に関する情報を販売員側表示部622、またはラベル印刷部630に出力することができる。すなわち、販売員および保守者は、設置場所に応じて地域パラメータに切り替える必要がない。そのため、販売員および保守者の作業負担を軽減しつつ、各設置場所に応じた計量装置600を提供することができる。
【0108】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0109】
(1)第1の実施の形態において、組合せ計量機2の位置検出は位置検出部282で、縦型製袋包装機3の位置検出は位置検出部382で、重量選別機5の位置検出は位置検出部582で、それぞれ実行されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、共通の位置検出部によって組合せ計量機2、縦型製袋包装機3、および重量選別機5の位置検出処理が実行されても良い。
【0110】
(2)また、第1および第2の実施の形態において、地域パラメータの切り替えは位置情報に基づいて実行されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、組合せ計量機2、縦型製袋包装機3、および重量選別機5、計量装置600の調整時においては、操作部296、396、596、および操作パネル620からの入力に基づき、手動で切り替えられるように構成されてもよい。
【0111】
(3)また、第1および第2の実施の形態において、GPSセンサ292およびジャイロセンサ293と、GPSセンサ592およびジャイロセンサ593bと、GPSセンサ692およびジャイロセンサ693と、は、別体に設けられているものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、GPSセンサ292とジャイロセンサ293とは、1つの回路によって構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の第1の実施の形態における計量包装システムの全体構成の一例を示す斜視図である。
【図2】組合せ計量機および縦型製袋包装機の構成の一例を示す正面図である。
【図3】重量選別機の構成の一例を示す正面図である。
【図4】組合せ計量機および縦型製袋包装機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】地域パラメータ格納部のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】重量選別機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における対面販売用計量装置の全体構成の一例を示す斜視図である。
【図8】対面販売用計量装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0113】
1 計量包装システム
2 組合せ計量機(計量機)
3 縦型製袋包装機
4 シールチェッカー
5 重量選別機
20 計量機コントロールユニット
30 包装機コントロールユニット
41、561 搬送コンベア
50 重量選別機コントロールユニット
51 取込装置
52、600 計量装置(計量機)
56 振分装置
271、371、571、671 地域パラメータ格納部
281、581、681 重量検出部
282、382、582、682 位置検出部
283、383、583、683 姿勢判定部
284、384、584、684 抽出部
291、591、691 重量センサ(ロードセル)
292、392、592、692 GPSセンサ
293、393、593a〜593c、693 ジャイロセンサ
294、394、594 表示部
295、395、595 印刷部
511 取込コンベア
521 計量コンベア
610 計量部
622 販売員側表示部
630 ラベル印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 重量センサから出力された荷重信号に基づいて、計量対象物の重量を検出する重量検出部と、
(b) 設置場所の位置情報を検出する位置検出部と、
(c) 設置場所によって定まる地域パラメータと、位置情報と、を関連付けて格納する地域パラメータ格納部、を記憶可能な記憶部と、
(d) 前記位置検出部によって検出された位置情報に基づいて、設置場所に対応する地域パラメータを前記地域パラメータ格納部から抽出する抽出部と、
(e) 前記抽出部によって決定された地域パラメータに基づき、重量検出部により重量検出された前記計量対象物に関する情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする計量機。
【請求項2】
請求項1に記載の計量機において、
前記地域パラメータ格納部は、前記地域パラメータとして重量単位情報を有しており、
前記出力部は、前記地域パラメータとして抽出された重量単位情報につき、該重量単位情報により指定される重量単位で、前記計量対象物の重量を出力することを特徴とする計量機。
【請求項3】
請求項2に記載の計量機において、
前記重量検出部は、前記地域パラメータとして抽出された重量単位情報につき、該重量単位情報により指定される重量単位の重量を、前記荷重信号から演算することを特徴とする計量機。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の計量機において、
前記地域パラメータ格納部は、前記地域パラメータとして言語情報を有しており、
前記出力部は、前記地域パラメータとして抽出された言語情報につき、該該言語情報によって指定される言語で前記計量対象物に関する情報を出力することを特徴とする計量機。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の計量機において、
(f) 前記計量機の傾きを検出する第1傾き検出部と、
(g) 前記第1傾き検出部によって検出された傾き情報に基づいて、前記計量機の姿勢を判定する姿勢判定部と、
をさらに備え、
前記出力部は、前記姿勢判定部の判定結果を出力可能とされていることを特徴とする計量機。
【請求項6】
計量包装システムであって、
請求項5に記載の計量機と、
前記計量機の下方に前記計量機と積み重ねて配置されており、製袋された袋に前記計量機で計量された計量対象物を袋詰めする製袋包装機と、
を備え、
前記製袋包装機は、
前記製袋包装機の傾きを検出する第2傾き検出部、
を有しており、
前記計量機の前記姿勢判定部は、前記第1および第2傾き検出部のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、前記計量機の姿勢を判定することを特徴とする計量包装システム。
【請求項7】
請求項6に記載の計量包装システムにおいて、
前記計量機は、一定量の計量対象物を計り取る組合せ計量機であることを特徴とする計量包装システム。
【請求項8】
請求項5に記載の計量機と、
取込コンベアによって、前記計量対象物を前記計量機側に搬送する取込装置と、
前記計量機から受け渡され、搬送コンベアによって搬送される前記計量対象物を、前記計量機の計量結果に基づいて選別する振分装置と、
を備え、
前記計量機は、計量コンベアによって搬送される前記計量対象物の重量を計量し、
前記第1傾き検出部は、前記計量コンベアの傾きを検出することを特徴とする重量選別機。
【請求項9】
請求項8に記載の重量選別機において、
前記取込装置は、
前記取込コンベアの傾きを検出する第2傾き検出部、
を有しており、
前記姿勢判定部は、前記第1および第2傾き検出部のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、前記取込コンベアと前記計量コンベアとの傾き関係を判定することを特徴とする重量選別機。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の重量選別機において、
前記振分装置は、
前記搬送コンベアの傾きを検出する第3傾き検出部、
を有しており、
前記姿勢判定部は、前記第1および第3傾き検出部のそれぞれによって検出された傾き情報に基づいて、前記計量コンベアと前記搬送コンベアとの傾き関係を判定することを特徴とする重量選別機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−216428(P2009−216428A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57780(P2008−57780)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】