説明

計量販売システム、商品販売端末装置、およびプログラム

【課題】より簡素に構成することが可能な計量販売システムを得る。
【解決手段】POS端末22は、複数の商品の中から計量器24で計量される商品を特定する商品特定部と、当該商品の重量単価と計量器24を介して計測された重量とから売価を算出する売価算出部と、少なくとも商品特定部で特定された商品についての、計測された重量データと、当該商品のデータの少なくとも一部とを、RFIDリーダライタを介して保持具としての容器5に取り付けられたRFIDタグ28に書き込むデータ書込部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量販売システム、商品販売端末装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店において、商品を計量して販売する計量販売が行われている。また、従来、客が持参した容器に商品を入れて計量販売によって購入する際、当該容器に添付された記憶媒体に、商品名や、重量等を示すデータを書き込むシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、計量販売される商品の売り場毎に計量器が設けられているため、計量器の数が増える分、計量販売システム全体として構成が複雑化し、コストが増大してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、より簡素に構成することが可能な計量販売システム、商品販売端末装置、およびプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる計量販売システムは、複数の商品のデータを記憶する商品データ記憶部と、RFIDタグが取り付けられた保持具に保持された商品の重量を、計量器を介して計測する計量部と、前記計量部で計量される商品を特定する商品特定部と、前記商品特定部で特定された商品についての、前記計量部で計測された重量を示す重量データと、前記商品データ記憶部に記憶された重量単価データと、に基づいて、当該商品の売価を算出する売価算出部と、前記売価算出部で算出された売価に応じた商品の販売登録を行う登録部と、前記RFIDタグに、前記商品特定部で特定された商品についての、前記商品データ記憶部に記憶されたデータの少なくとも一部と、前記計量部で計測された前記重量データとを、RFIDライタを介して書き込むデータ書込部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる計量販売システムでは、商品特定部が、複数の商品の中から計量された商品を特定し、売価算出部が、特定された商品の重量単価と計測された重量とに基づいて売価を算出する。よって、計量器の共用化を促進して、計量器の設置数を減らし、計量販売システムをより簡素に構成しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる計量販売システムを含む商品販売データ処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかる計量販売システムで用いられる購入履歴データの一例を示す図である。
【図3】図3は、POS端末および計量器の構成例を示す斜視図である。
【図4】図4は、POS端末の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、POS端末のCPUの概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、ストアサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態にかかる計量販売システムで用いられる商品データの一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態にかかる計量販売システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施形態にかかる計量販売システムで使われるRFIDタグに記憶されるデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる計量販売システムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
図1に示すように、本実施形態にかかる計量販売システムとしてのチェーンストアシステム1は、複数の店舗システム2と、本部システム3とを備えている。店舗システム2と本部システム3とは、公衆網やインターネットVPN(Virtual Private Network)等の電気通信回線4を介して接続されている。
【0010】
本部システム3は、本部サーバ31とデータベース32とを備えている。本部サーバ31は、データベース32に、データを読み出したり書き込んだりする。データベース32には、客に付与されたアカウント毎に設定された顧客IDに対応する顧客ポイントの他、商品の容器5(図3参照)等の保持具毎に設定された保持具ポイント、顧客ポイントや保持具ポイント等に対応する購入履歴データ等が、記憶されている。すなわち、データベース32は、保持具ポイント記憶部32a、および購入履歴データ記憶部32bを含んでいる。
【0011】
保持具ポイントとは、容器5等の保持具に対応づけられたポイントであり、客がその保持具を使って計量購入するほど(例えば、購入回数が多いほど、購入量(重量)が多いほど、購入金額が多いほど等)、値が大きくなるポイントである。本実施形態では、保持具ポイントを設定することで、保持具による商品購入のインセンティブを高めて当該保持具によって購入できる商品の販売を促進することができ、ひいては、店舗側で準備する商品のパッケージを減らして省資源化に資することになる。なお、顧客ポイントのうち、容器5を用いた購入によって獲得された分(保持具IDに対応づけられた分)を、当該容器5に対応する保持具ポイントとすることができる。
【0012】
本実施形態では、データベース32に記憶される購入履歴データ33は、図2に示すように、少なくとも保持具IDに対応づけられており、購入年月日、商品ID、商品名、商品の重量、売価、商品購入で獲得した保持具ポイント、保持具ポイントの累積値等を含んでいる。さらに、データベース32は、購入履歴データ33を、顧客IDおよび顧客ポイントに対応づけて記憶してもよいし、さらに、保持具IDに対応づけて、保持具の重量を示す保持具重量データを記憶してもよい。
【0013】
店舗システム2は、図1に示すように、システムの中枢を担うコンピュータとしてのストアサーバ21と、商品販売端末装置としてのPOS(Point Of Sales)端末22とを備えている。ストアサーバ21とPOS端末22とは、LAN(Local Area Network)等の電気通信回線23を介して接続されている。また、店舗システム2は、商品の重量を計測する計量器24を備えている。計量器24は、計量器コントローラ25を介して電気通信回線23に接続されている。計量器コントローラ25は、電気通信回線23を介してPOS端末22やストアサーバ21からの要求信号を受信して、計量器24を制御するとともに、計量器24が検出結果に基づいて生成した重量データを要求元へ送信する。なお、本実施形態では、計量器24が複数のPOS端末22で共用されている。
【0014】
POS端末22は、図3に示すように、ドロワ22a、キーボード22b、モードスイッチ22c、オペレータ用のディスプレイ22d、客用のタッチパネル付きディスプレイ22e、およびR/J(レシート/ジャーナル)プリンタ22fを備えている。キーボード22b、モードスイッチ22c、およびディスプレイ22dは、オペレータ側に設けられており、客用のタッチパネル付きディスプレイ22eは、オペレータ側の反対側(客側)に設けられている。R/Jプリンタ22fは、レシートおよびジャーナルを印字する。R/Jプリンタ22fによって印字されたレシートは、オペレータ側に形成されたレシート発行口22gから排出される。また、POS端末22は、バーコードを読み取るスキャナ22hを備えている。
【0015】
モードスイッチ22cは、「登録」、「点検」、「精算」、「設定」などの各種業務モードを選択するためのスイッチで、鍵にて操作される。「登録」とは、商品の販売記録を示す販売データを生成して記憶することにより販売登録を行い、また販売登録の終了が宣言された一商取引の代金精算を処理してレシートを発行する業務のモードである。「点検」とは、記憶された各商品の販売データを集計しレポート出力する業務のモードである。「精算」とは、「点検」と同様に記憶された各商品の販売データを集計しレポート出力した後、記憶された販売データをクリアする業務のモードである。「設定」とは、各種業務を実行する上で必要なデータを予め設定して記憶するための業務である。
【0016】
オペレータ用のディスプレイ22dおよび客用のタッチパネル付きディスプレイ22eは、販売登録された商品の品名、価格、販売登録の終了が宣言された一商取引の合計金額(支払金額)、釣銭額などを表示するものであり、例えば液晶カラーディスプレイ等が用いられる。また、ディスプレイ22eは、計量器24によって計量された商品の商品名や、単価、重量、売価、各種のポイント等も表示する。なお、ディスプレイ22eの画面には、タッチパネルセンサ22i(図4参照)が取り付けられている。
【0017】
また、POS端末22は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)26a、ROM(Read Only Memory)26b、RAM(Random Access Memory)26c、時計部26d、I/O(Input/Output)ポート26e、ネットワークインタフェース26g、キーボードコントローラ26i、タッチパネルコントローラ26j、ディスプレイコントローラ26k、プリンタコントローラ26m、スキャナコントローラ26n、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダライタコントローラ26hを備えている。図4に示すように、これらは、アドレスバス、データバス等のバスライン26pを介して接続されている。
【0018】
CPU26aは、ROM26bに記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、POS端末22を制御する。ROM26bは、CPU26aが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM26cは、CPU26aが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。特に、本実施形態では、POS端末22用のプログラムに、計量器24を介して計測を行う(計量器24に計量を行わせる)モジュール、計量器24で計量した商品を特定するモジュール、計量器24で計量した商品の売価を算出するモジュール、売価と重量単価とから支払金額を算出するモジュール、売価の算出された商品の販売登録を行うモジュール、容器5等の商品の保持具毎に設定される保持具ポイントを算出するモジュール、RFIDリーダライタ27を介してRFIDタグ28にデータの書き込みを行うモジュール、RFIDリーダライタ27を介してRFIDタグ28からデータの読み出しを行うモジュール、が含まれている。よって、このプログラムにより、POS端末22のCPU26aは、図5に示すように、計量部61、商品特定部62、売価算出部63、登録部64、支払金額算出部65、保持具ポイント算出部66、データ書込部67、およびデータ読出部68として動作する。
【0019】
また、時計部26dは、現在の日時を計時する。ネットワークインタフェース26gは、電気通信回線23,4等を通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。I/Oポート26eは、モードスイッチ22cのからのモード選択信号を入力するとともにドロワ22aの引出しを自動開放させるドロワ開放装置26fに駆動信号を出力する。キーボードコントローラ26iは、キーボード22bから操作キーに対応したキー信号を取込んでCPU26aに通知する。ディスプレイコントローラ26kは、オペレータ用のディスプレイ22dの駆動を制御してCPU26aから与えられる表示データに対応した文字等をカラー表示させる。タッチパネルコントローラ26jは、客用のタッチパネル付きディスプレイ22eの駆動を制御してCPU26aから供給される表示データに対応した文字等をカラー表示させるとともに、ディスプレイ22eの画面に取り付けられたタッチパネルセンサ22iからの信号を取込んでCPU26aに通知する。プリンタコントローラ26mは、R/Jプリンタ22fの駆動を制御してCPU26aから供給される印字データをもとにレシート印字及びジャーナル印字を行わせる。スキャナコントローラ26nは、スキャナ22hで読み取られたデータの信号を取込んでCPU26aに入力する。
【0020】
RFIDリーダライタコントローラ26hは、CPU26aからの指示信号を受信して、RFIDリーダライタ27に駆動信号を出力する。RFIDリーダライタ27は、受信した駆動信号に基づいて、RFIDリーダあるいはRFIDライタとして動作し、RFIDタグ28に対するデータの書き込みあるいは読み出しを行う。RFIDタグ28は、図2に示すように、商品の保持具としての容器5に取り付けられている。RFIDリーダライタ27は、例えば、POS端末22の筐体内で、RFIDタグ28と比較的容易に通信できる位置(例えば筐体の側面や天面近傍の位置)に設けられる。なお、RFIDリーダライタ27は、POS端末22の筐体の外に設けてもよいし、計量器24内に設けてもよい。
【0021】
そして、本実施形態では、図3に示すように、計量器24が、POS端末22に隣接して配置されている。計量器24は、本体部24aと載置部24bとを備えている。載置部24bは、重量を計測する対象としての商品を載せる部分であり、本体部24aの上方を覆う矩形状かつ平板状の天板部を有している。本体部24aは、載置部24bに上方から作用した荷重を検出するロードセル等の検出部を備えており、検出部による検出結果に基づいて、載置部24bに載置された商品の重量データを生成する。なお、計量器24は、電気通信回線23を介さずにPOS端末22に直接接続してもよい。
【0022】
また、ストアサーバ21は、図6に示すように、CPU29a、ROM29b、RAM29c、時計部29d、ネットワークインタフェース29e、キーボードコントローラ29f、ディスプレイコントローラ29g、プリンタコントローラ29h、ハードディスクコントローラ29iを備えている。図6に示すように、これらは、アドレスバス、データバス等のバスライン29jを介して接続されている。
【0023】
CPU29aは、ROM29bに記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、ストアサーバ21を制御する。ROM29bは、CPU29aが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM29cは、CPU29aが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。なお、ストアサーバ21用のプログラムには、保持具ポイントを算出するモジュールを含めることができる。その場合には、当該プログラムによって、ストアサーバ21のCPU29aが、保持具ポイント算出部として動作する。
【0024】
また、時計部29dは、現在の日時を計時する。ネットワークインタフェース29eは、電気通信回線23,4等を通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。キーボードコントローラ29fは、キーボード29kから操作キーに対応したキー信号を取込んでCPU29aに通知する。ディスプレイコントローラ29gは、ディスプレイ29mの駆動を制御してCPU29aから与えられる表示データに対応した文字等をカラー表示させる。プリンタコントローラ29hは、プリンタ29nの駆動を制御してCPU29aから供給される印字データをもとに用紙に印字を行わせる。ハードディスクコントローラ29iは、CPU29aからの指示信号に基づいてハードディスク30に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する。
【0025】
ハードディスク30は、商品の各種情報を示す商品データを記憶する商品データ記憶部30aを含んでいる。商品データ記憶部30aに記憶される商品データ34は、図7に示すように、商品IDに対応付けられており、商品名、重量単価、各種の商品情報、ポイント情報(例えば商品に設定された特典ポイントなど)等を含んでいる。
【0026】
ここで、図8を参照して、計量販売システムの動作について説明する。本システムの利用者(客)は、持参した容器5に商品を所望量入れて、POS端末22の設置場所(レジカウンター)に持参する。このとき、客は、計量販売によらない通常の商品を一緒に持参することができる。容器5としては、ボウルや、ボトル、缶等を用いることができ、容器以外の保持具(例えば皿、袋、バッグ、ふろしき等)も利用することができる。
【0027】
レジカウンターには、図3に示すように、POS端末22に隣接して計量器24が配置されている。二つのPOS端末22で計量器24を共用する場合、当該計量器24は、二つのPOS端末22の間に配置すればよい。客またはオペレータは、商品の入った容器5を計量器24の載置部24b上に乗せる。POS端末22のCPU26aは、計量部61として動作し、保持具としての容器5に保持された重量を、計量器24を介して計測する。すなわち、CPU26aは、オペレータまたは客によるキーボード22bの操作入力等に基づいて計量器コントローラ25を制御する。計量器コントローラ25は、計量器24を制御し、CPU26aは、載置部24b上に乗せられた商品の計量器24による計測結果に基づいて重量データを生成する(ステップS1)。なお、このとき生成される重量データには、容器5の重量も含まれている。
【0028】
次に、CPU26aは、データ読出部68として動作し、RFIDリーダライタコントローラ26hによってRFIDリーダライタ27を制御し、容器5に取り付けられたRFIDタグ28から、諸情報を示すデータを読み出す(ステップS2)。RFIDタグ28は、記憶部(図示せず)を備えている。記憶部内には、図9に示すように、保持具を識別する保持具識別コード(保持具ID)や、保持具の重量データが記憶されており、さらに、保持具による前回の購入内容を示すデータ(購入年月日、商品ID、商品名、購入した商品の重量、売価、商品情報等)、保持具ポイント(前回の購入による値)、保持具ポイントの累積値等のデータ35を、記憶することができる。CPU26aは、RFIDタグ28から、少なくとも保持具IDおよび保持具の重量データを受信して、RAM26c等の記憶部に保持させる。なお、上記ステップS1およびステップS2の順番は逆にしても構わない。
【0029】
次に、CPU26aは、商品特定部62として動作し、計量器24に載置された商品を特定する(ステップS3)。このステップS3では、例えば、客の申告に基づいて、オペレータがキーボード22bを操作し、CPU26aは、キーボード22bの操作に基づいて、商品識別データ(商品ID)を認識することができる。この場合、キーボード22bに、計量販売を行う商品(例えば、米、みそ、惣菜等)にそれぞれ対応するキー(「みそ」キー、「米」キー、「惣菜A」キー、「惣菜B」キーなど)を設定しておけば、CPU26aは、ROM26bやRAM26c等に保持された商品IDの選択肢の中から、キー信号に対応する商品IDを比較的容易に特定することができる。あるいは、計量販売する商品の売り場等に、当該商品に対応するバーコードを記載したカード(図示せず)を置いておき、当該商品を購入する客に、容器5とともにそのカードをレジカウンターに持参させるようにしてもよい。この場合、ステップS3では、オペレータによって操作されたスキャナ22hがバーコードを読み取り、CPU26aは当該バーコードに対応する商品IDを、バーコードが読み取ったデータから検出することができる。
【0030】
次に、CPU26aは、売価算出部63として動作し、計量器24で計量した商品の売価を算出する(ステップS4)。このステップS4では、まず、CPU26aは、計量器24から受信した重量データと、RFIDタグ28より受信した保持具(容器5)の重量データとに基づいて、保持具としての容器5および商品の重量を含む計測重量から保持具重量を減算した商品の正味重量を算出する。次に、CPU26aは、ストアサーバ21からハードディスク30内の商品データ記憶部30a内に格納される当該商品の重量単価データを受信する。そして、CPU26aは、正味重量と重量単価とを乗算して、商品の売価を算出する。また、このステップS4で、CPU26aは、ストアサーバ21から、重量単価データとともに、商品情報(商品名、原産地、材料、消費期限、賞味期限、アレルギーに関する情報)を受信し、RAM26c等に記憶させておく。
【0031】
次に、CPU26aは、計量販売により購入しようとしている商品についての、商品情報、重量単価、売価を、ディスプレイ22eに表示させる(ステップS5)。このステップS5により、客は、所望の購入内容であるか否かを確認することができる。
【0032】
次に、CPU26aは、登録部64として動作し、オペレータのキーボード22bの操作等に基づいて、当該商品についての販売登録を行う(ステップS6)。すなわち、当該商品の販売データを生成してこれをRAM26c等の記憶部に記憶することで、当該商品の販売データの販売登録を行う。さらに、客が別の商品の通常購入を希望するときには、CPU26aは、スキャナ22hで読み取った当該商品のバーコードのデータから商品IDを検出し、この商品IDに対応する価格データをストアサーバ21に問い合わせ、受信した価格データに基づいて当該商品の販売データを生成してこれをRAM26c等の記憶部に記憶することで、当該商品の販売登録を行う。また、客が別の容器5等の保持具を用いた商品の計量購入を希望するときには、CPU26aは、その商品の計量販売について上記ステップS1〜S6を行う。
【0033】
次に、CPU26aは、支払金額算出部65として動作し、販売登録された販売データを集計して、支払金額を算出する(ステップS7)。
【0034】
次に、CPU26aは、保持具ポイント算出部66として動作し、保持具ポイントを算出する(ステップS8)。このステップS8で、CPU26aは、まず、今回の購入内容に対応する保持具ポイントを算出する。一例として、保持具ポイントを、商品の売価に応じて設定する場合、CPU26aは、売価に係数(例えば0.01)を乗算して、小数点以下を切り捨てて、今回の購入内容に対応する保持具ポイントを算出する。このとき、購入回数を反映させるために係数を増やしたり(例えば購入10回目になった時点で係数を0.01から0.015へ増大する等)、特定の購入回数毎に特典ポイントを付与したり(例えば購入回数が10の倍数となったとき毎に10ポイント付与)、販売を促進したい特定の商品について特典ポイントを付与したり(例えば商品が販促商品である「みそ」の場合に30ポイント付与)することができる。そして、CPU26aは、本部サーバ31に、容器5の保持具IDとともに当該容器5に対応する保持具ポイントを問い合わせ、本部サーバ31から、データベース32内に記憶された保持具ポイントを受信する。そして、CPU26aは、受信した累積値に今回の保持具ポイントを加算して新しい累積値を算出する。
【0035】
次に、CPU26aは、支払金額および保持具ポイント(今回獲得する値およびそれを加算した累積値)を、ディスプレイ22eに表示させる(ステップS9)。次に、CPU26aは、客の支払形態に応じた決済処理を行う(ステップS10)。
【0036】
次に、CPU26aは、RAM26c等に記憶されている保持具ポイントならびに購入内容を、RFIDタグ28および記憶装置(本実施形態ではデータベース32)に書き込む(ステップS11)。CPU26aは、今回の購入内容を示すデータ(購入年月日、商品ID、商品名、購入した商品の重量、売価等)、保持具毎に設定される保持具ポイント(今回の購入で獲得した値)、保持具ポイントの累積値等を、更新要求とともに本部サーバ31に送信する。本部サーバ31は、受信したデータおよび更新要求に基づいて、データベース32に記憶された購入履歴データおよび保持具ポイントを更新する。さらに、CPU26aは、データ書込部67として動作し、RFIDリーダライタコントローラ26hを介して、RFIDリーダライタ27をRFIDライタとして動作させ、RFIDタグ28に、今回の購入内容を示すデータ(購入年月日、商品ID、商品名、購入した商品の重量、売価、商品情報等)、保持具ポイント(今回の購入で獲得した値)、保持具ポイントの累積値を書き込む。本実施形態では、上記データをRFIDタグ28に書き込むことで、自宅等のRFIDリーダ(図示せず)によってこのRFIDタグ28に記憶されたデータ35を読み出し、ディスプレイ(図示せず)等によって情報を表示させることができる。よって、客は、容器5に収容された商品の内容や、保持具ポイントを、より容易にかつより確実に確認することができる。なお、RFIDタグ28の記憶部に記憶されるデータ35には、保持具に関するデータとともに、少なくとも今回の(最新の)購入内容に関するデータが含まれるが、記憶部の容量に余裕がある場合には、さらに、過去の購入内容(例えば過去数回分の購入内容、購入履歴)を示すデータを含めてもよい。また、RFIDタグ28には、顧客IDや顧客ポイントを記憶してもよい。
【0037】
次に、CPU26aは、R/Jプリンタを制御して、購入内容および保持具ポイント等をプリントしたレシートを出力し、処理を終了する(ステップS12)。
【0038】
以上、説明したように、本実施形態にかかる計量販売システムとしてのチェーンストアシステム1は、計量器24で計量される商品を特定する商品特定部62と、当該商品の売価を算出する売価算出部63と、少なくとも商品特定部62で特定された商品についての、商品データ記憶部30aに記憶された当該商品のデータの少なくとも一部と、計量器24で計量された当該商品の重量データとを、RFIDライタとして動作するRFIDリーダライタ27を介して、保持具としての容器5に取り付けられたRFIDタグ28に書き込むデータ書込部67と、を備える。すなわち、商品特定部62が複数の商品の中から計量した商品を特定し、売価算出部63が特定された商品の重量単価と計測された重量とに基づいて売価を算出するので、計量器24の共用化を促進して、計量器24の設置数を減らし、計量販売システムをより簡素に構成しやすくなる。
【0039】
また、本実施形態にかかるチェーンストアシステム1は、RFIDタグ28には容器5等の保持具を識別する保持具IDが記憶され、チェーンストアシステム1は、RFIDタグ28に記憶されたデータを、RFIDリーダとして動作するRFIDリーダライタ27を介して読み出すデータ読出部68と、データ読出部68によって読み出された保持具IDに対応づけて、容器5等の保持具による購入内容に応じた当該保持具毎の保持具ポイントを算出する保持具ポイント算出部66と、を備える。すなわち、保持具毎の保持具ポイントを設定したことで、当該保持具による商品購入のインセンティブを高めて当該保持具によって購入できる商品の販売を促進することができるとともに、店舗側で準備する商品のパッケージを減らして省資源化に資することになる。
【0040】
また、本実施形態にかかるチェーンストアシステム1は、保持具ポイント算出部66で算出した保持具ポイントを、保持具IDに対応づけて記憶する保持具ポイント記憶部32aを含むデータベース32を備える。すなわち、保持具によって購入する度に保持具ポイントを保持具ポイント記憶部32aに累積することができるので、保持具ポイントの履歴管理をより容易にかつより確実に行うことができる。また、過去の保持具ポイントの履歴がデータベース32に記憶され、RFIDタグ28には記憶されないようにすれば、RFIDタグ28としてより記憶容量の小さいより安価なものを採用して、低コスト化を図ることができる。
【0041】
また、本実施形態では、データ書込部67が、RFIDライタとして動作するRFIDリーダライタ27を介して、保持具ポイント算出部66で算出された保持具ポイントをRFIDタグ28に書き込む。よって、客は、自宅等のシステムでRFIDタグ28に書き込まれた保持具ポイントを確認できるようになり、保持具による商品購入のインセンティブを高めて、商品の販売を促進することができる。すなわち、本実施形態によれば、RFIDタグ28を、容器5等の保持具に対応するポイントカードに相当するものとして利用することができる。
【0042】
また、本実施形態にかかるチェーンストアシステム1は、容器5等の保持具による購入履歴を示す購入履歴データを保持具IDに対応づけて記憶する購入履歴データ記憶部32bを含むデータベース32を備える。すなわち、保持具によって購入する度に購入履歴データ記憶装置で購入内容を蓄積することができるので、購入履歴の管理をより容易にかつより確実に行うことができる。また、過去の購入内容の履歴がデータベース32に記憶され、RFIDタグ28には記憶されないようにすれば、RFIDタグ28としてより記憶容量の小さいより安価なものを採用して、低コスト化を図ることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々に変形することができる。例えば、上記実施形態では、購入履歴データおよび保持具ポイントが、本部システム内の記憶装置(データベース)に記憶される構成であるが、購入履歴データおよび保持具ポイントのうち少なくともいずれか一方が、店舗システム内の記憶装置に記憶される構成としてもよい。また、上記実施形態では、POS端末が保持具ポイントを算出するが、ストアサーバや本部サーバで保持具ポイントを算出するようにしてもよい。また、RFIDタグが顧客IDおよび顧客ポイントを記憶する場合、RFIDタグを、顧客ポイントのポイントカードに相当するものとして利用することもできる。また、本発明にかかる計量販売システムを、スタンドアロンタイプのPOS端末として構成することも勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明にかかる計量販売システムは、POSシステムで計量販売を行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0045】
1 チェーンストアシステム(計量販売システム)
5 容器(保持具)
22 POS端末(商品販売端末装置)
22e ディスプレイ
24 計量器
26a CPU
27 RFIDリーダライタ(RFIDリーダ、RFIDライタ)
28 RFIDタグ
30a 商品データ記憶部
32a 保持具ポイント記憶部
61 計量部
62 商品特定部
63 売価算出部
64 登録部
66 保持具ポイント算出部
67 データ書込部
68 データ読出部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2002−62808公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品のデータを記憶する商品データ記憶部と、
RFIDタグが取り付けられた保持具に保持された商品の重量を、計量器を介して計測する計量部と、
前記計量部で計量される商品を特定する商品特定部と、
前記商品特定部で特定された商品についての、前記計量部で計測された重量を示す重量データと、前記商品データ記憶部に記憶された重量単価データと、に基づいて、当該商品の売価を算出する売価算出部と、
前記売価算出部で算出された売価に応じた商品の販売登録を行う登録部と、
前記RFIDタグに、前記商品特定部で特定された商品についての、前記商品データ記憶部に記憶されたデータの少なくとも一部と、前記計量部で計測された前記重量データとを、RFIDライタを介して書き込むデータ書込部と、
を備える計量販売システム。
【請求項2】
前記RFIDタグには前記保持具を識別する保持具識別データが記憶され、
前記RFIDタグに記憶されたデータを、RFIDリーダを介して読み出すデータ読出部と、
前記データ読出部によって読み出された前記保持具識別データに対応づけて、前記保持具による購入内容に応じた当該保持具毎の保持具ポイントを算出する保持具ポイント算出部と、
を、備えることを特徴とする請求項1に記載の計量販売システム。
【請求項3】
前記保持具ポイント算出部で算出した前記保持具ポイントを、前記保持具識別データに対応づけて記憶する保持具ポイント記憶部を備えることを特徴とする請求項2に記載の計量販売システム。
【請求項4】
前記データ書込部が、前記保持具ポイント算出部で算出された前記保持具ポイントを、当該保持具ポイントに対応する保持具に取り付けられた前記RFIDタグに書き込むことを特徴とする請求項2または3に記載の計量販売システム。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の計量販売システムで用いられる商品販売端末装置であって、前記計量部、前記商品特定部、前記売価算出部、前記登録部、および前記データ書込部を備えることを特徴とする商品販売端末装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の前記計量部、前記商品特定部、前記売価算出部、前記登録部、および前記データ書込部として機能させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−53939(P2011−53939A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202674(P2009−202674)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】