説明

記憶媒体接続処理装置

【課題】 着脱可能に接続される記憶媒体へのデータの書込み中、または記憶媒体からのデータの読出し中に、ユーザが記憶媒体を不用意に取り外してしまうことを抑制することができる記憶媒体接続処理装置を提供する。
【解決手段】 CPU6が、メモリカードアダプタ9に着脱可能に接続されるメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しを実行しているとき、LEDデバイス12に第1の表示情報を表示させ、USBデバイス11に着脱可能に接続される情報処理装置14が、メモリカードアダプタ9に着脱自在に接続されるメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しを実行しているとき、LEDデバイス12に第2の表示情報を表示させることによって、ユーザに注意を促し、メモリカード13が不用意に取り外されてしまうことを抑制することできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうち少なくともいずれか一方を実行する記憶媒体接続処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1の従来の技術として、メモリカードにアクセスして、メモリカードからデータを読み出し、あるいはメモリカードにデータを書込むメモリカードリード/ライト装置において、メモリカードに対するアクセスのための電源を供給する電源供給手段と、メモリカードに対するアクセス中であることを表示する表示手段と、電源供給手段から供給される電源電圧が立ち下がった後に、表示手段による表示動作を停止させる表示制御手段とを有するメモリカードリード/ライト装置がある。このような構成によって、メモリにアクセス中である場合には、メモリにアクセス中であることを表示手段に表示させ、メモリカードに対するアクセスのための電源電圧が完全に立ち下がるまでにメモリカードが抜き取られることを防止している(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来の技術として、アクセス表示信号を生成するアクセス表示信号生成手段と、アクセス表示信号を入力とし、メモリカードがアクセス中であることを表示するアクセス表示装置とを備え、中央処理装置にメモリカード制御信号の状態が前記メモリカードをリードもしくはライトするときに有効となるメモリカードアクセス信号を出力する手段を備え、アクセス表示信号生成手段に、メモリカードアクセス信号をトリガとして、有効時間を延長したアクセス表示信号を生成する回路を含むメモリカードアクセス装置がある。このような構成によって、中央演算処理装置からメモリカードにメモリカード制御信号が伝わるとともに、メモリカード制御信号の状態がメモリカードをリードもしくはライトするときにメモリカードアクセス信号が有効となり、メモリカードアクセス信号をトリガとし、有効時間を延長したアクセス表示信号が生成され、アクセス表示装置がこのアクセス表示信号を入力し、メモリカードがアクセス中であることを使用者に伝え、メモリカードをアクセスしていることを使用者に伝達することができる(たとえば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−44796号公報
【特許文献2】特開平5−53922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1および第2の従来の技術では、たとえばメモリカードなどの記憶媒体を着脱可能に接続して、この記憶媒体からのデータの読出し、または記憶媒体へのデータの書込みを実行する装置において、前記記憶媒体へのデータの書込みおよび読出しが、前記装置に着脱可能に接続されるたとえばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって実行される場合については、何ら考慮されていない。
【0006】
記憶媒体が着脱可能に接続される装置本体に設けられる処理手段が、前記記憶媒体にアクセスする場合では、遅延書込みが発生するおそれが少ないので、表示手段に、記憶媒体にアクセス中ではないという表示情報が表示されるときには、特別な操作なく記憶媒体を装置から取り外しても問題がない。これに対して、装置本体に着脱自在に接続される情報処理装置が、前記記憶媒体にアクセスする場合では、アプリケーションからの書込み要求に対して、すぐに記憶媒体にデータを書込むのではなく、ドライバなどが時間をおいて一括して記憶媒体にデータを書込む転送を行う遅延書込みが発生するおそれがある。このような遅延書込みが発生するおそれがある場合、装置から記憶媒体を取り外すためには、ユーザが情報処理装置によって、記憶媒体を安全に取り外すための操作をする必要があり、このような操作をしないと、記憶媒体に書込んだはずのデータが、内容が正しく反映されない、すなわち正しいデータが記憶されないおそれがある。第1および第2の従来の技術において、たとえ着脱自在に接続される情報処理装置によって記憶媒体にアクセスする構成としても、遅延書込みが発生すると、データの書込みが完了していないにもかかわらず、表示手段には記憶媒体にアクセス中ではないことが表示されてしまうので、ユーザが不用意に記憶媒体を装置から取り外してしまうおそれがある。また記憶媒体からデータを読み出す場合にも、データを書込む場合と同様な問題が発生するおそれがある。
【0007】
したがって本発明の目的は、着脱可能に接続される記憶媒体へのデータの書込み中、または記憶媒体からのデータの読出し中に、ユーザが記憶媒体を不用意に取り外してしまうことを抑制することができ、特に遅延書込みが発生しやすい、着脱自在に接続される情報処理装置からの記憶媒体へのデータの書込み中、または記憶媒体からのデータの読出し中であっても、ユーザが記憶媒体を不用意に取り外してしまうことを抑制することができる記憶媒体接続処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、データを記憶する記憶媒体を、着脱可能に接続する記憶媒体接続手段と、
情報処理装置と着脱可能に接続される情報処理装置接続手段と、
記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行する記憶媒体制御手段と、
情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される情報処理装置によって、記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行可能とする接続制御手段と、
表示手段と、
前記記憶媒体制御手段が、記憶媒体接続手段に接続される記憶媒体へのデータの書込み、または前記記憶媒体からのデータの読出しを実行しているとき、表示手段に第1の表示情報を表示させ、情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される情報処理装置が、記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、または前記記憶媒体からのデータの読出しを実行しているとき、表示手段に第2の表示情報を表示させる表示制御手段とを含むことを特徴とする記憶媒体接続処理装置である。
【0009】
また本発明は、情報処理装置が情報処理装置接続手段に着脱可能に接続され、接続制御手段によって、情報処理装置から記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行可能となると、前記表示制御手段は、表示手段に第3の表示情報を表示させることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記表示手段は、発光素子を含み、
前記表示制御手段は、前記発光素子を点滅させて第1の表示情報と第2の表示情報とを表示させることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記第1の表示情報を表す発光素子の点滅周期は、第2の表示情報を表す発光素子の点滅周期よりも、長く選ばれ、
前記表示制御部は、前記点滅周期の周期単位で、発光素子の点滅を制御することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記記憶媒体接続処理装置と、前記情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される前記情報処理装置とを含む情報処理システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記憶媒体制御手段によって、記憶媒体接続手段に接続される記憶媒体にデータを書込むことができ、または記憶媒体からデータを読み出すことができ、あるいは記憶媒体にデータを書込みおよび読み出すことができる。また接続制御手段によって、情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される情報処理装置から、記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体にデータを書込むことができ、または記憶媒体からデータを読み出すことができ、あるいは記憶媒体にデータを書込み、読み出すことができるようになる。このように記憶媒体制御手段および情報処理装置のいずれであっても、記憶媒体へのデータの書込み、および記憶媒体からのデータの読出しのうち少なくともいずれか一方を実行する、言い換えれば記憶手段にアクセスすることができる。
【0014】
前記記憶媒体制御手段が、記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行しているとき、表示制御手段によって表示手段には、第1の表示情報が表示される。また情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される情報処理装置が、記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行しているとき、表示制御手段によって表示手段には、第2の表示情報が表示される。第1または第2の表示情報が表示されることよって、着脱可能に接続される記憶媒体へのデータの書込み中、または記憶媒体からのデータの読出し中であることをユーザに報知して、注意を促すことができ、ユーザが記憶媒体を不用意に取り外してしまうことを抑制することできる。さらに表示手段は、記憶媒体制御手段が記憶手段にアクセスするときと、情報処理装置が記憶手段にアクセスするときとにおいて、第1の表示情報および第2の表示情報のように、表示手段による表示を異ならせて表示させる。表示手段に第1の表示情報が表示されているときには、この表示が終了すると、記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体を、すぐに取り外しても問題は生じるおそれが少ないので、記憶媒体を取り外しを円滑に行うことができる。表示手段に第2の表示情報が表示されているときには、この表示が終了したとしても、遅延書込みが発生しているおそれがあるので、ユーザが不用意に記憶媒体を取り外してしまわないように、注意を促すことができる。
【0015】
また本発明によれば、情報処理装置が情報処理装置接続手段に着脱可能に接続され、接続制御手段によって、情報処理装置が記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行可能な状態では、前記表示制御手段によって、表示手段に第3の表示情報が表示される。つまり第3の表示情報は、情報処理装置から記憶媒体にいつでもデータの書込みまたは読出しが可能な状態となっていることを表す。したがって、情報処理装置から記憶媒体へのデータの書込み中または読み出し中でなくても、表示手段に第3の表示情報が表示されていれば、情報処理装置から記憶媒体へのデータの書込みまたは読み出しが実行されるおそれがあることを報知することができ、ユーザに、記憶媒体を記憶媒体接続手段から取り外すときの注意を促すことができる。
【0016】
また本発明によれば、第1および第2の表示情報は、発光素子の点滅によって表されるので、視覚的に表示され、また点灯と消灯とを組み合わせた点滅によって表示されるので、ユーザにより注意を促すことができる。また発光素子を点滅させることによって、第1および第2の表示情報を表示させるので、装置構成が簡単であり、低消費電力の装置を構成することができ、特に小形機器であっても好適に用いることができる。また第1および第2の表示情報が、発光素子の点滅によって表されることによって、色の判別が困難な色覚異常を持つユーザにも、表示情報を認識させることができる。
【0017】
また本発明によれば、前記表示制御部は、点滅周期の周期単位で、発光素子の点滅を制御するので、表示制御部が発光素子を点灯して消灯するという点滅周期の1周期の途中であって、発光素子が点灯中に、記憶媒体への書込みまたは記憶媒体からの読出しが終了したとしても、発光素子が急に消灯されることを防止することができる。書込み時間または読出し時間が点滅周期の1周期よりも短い場合であっても、点滅周期の1周期分は必ず表示されるので、記憶媒体制御手段が記憶媒体にアクセスしているのか、着脱可能に情報処理装置接続手段に接続される情報処理装置が記憶媒体にアクセスしているのかをユーザに認識させることができる。
【0018】
また記憶媒体へのデータの書込み中に書込み遅延が発生すると、発光素子によって第1または第2の表示情報が表示されないこととなってしまうが、書込み遅延が発生しやすい情報処理装置からの記憶媒体のアクセスを表す第2の表示情報を表す点滅周期は、第1の表示情報を表す点滅周期よりも長く選ばれるので、書込み遅延の発生する場合であっても、より長く表示手段に表示情報を表示し続けることができる。これによって、遅延書込みが発生する場合であっても、ユーザが不用意に記憶媒体を取り外してしまうことをさらに抑制することができる。
【0019】
また本発明によれば、情報処理装置から記憶媒体接続手段に接続される記憶媒体へのデータの書込みまたはデータの読取を実行するときに、ユーザが不用意に記憶媒体を取り外してしまうことを抑制することがき、記憶媒体にデータを書込む、または記憶媒体からデータを読出す際の信頼性が向上された情報処理システムを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の実施の一形態の記録媒体接続処理装置が適用されるマルチファクシミリプリンタ装置1の構成を示すブロック図である。以後、マルチファクシミリプリンタ装置1を、MFP(Multi Facsimile Printer)装置1と記載する。MFP装置1は、ファクシミリ通信機能および複写機能を備える、いわゆる複合機である。
【0021】
MFP装置1は、操作入力部2、ファクシミリ通信部3、プリンタ部4、スキャナ部5、中央演算処理部(Central Processing Unit:略称CPU)6、RAM(Random Access Memory)7、ROM(Read Only Memory)8、メモリカードアダプタ9、USB(
Universal Serial Bus)デバイス11、およびLED(Light Emitting Diode)デバイス12を含む。記憶媒体接続処理装置は、少なくとも中央演算処理部6、RAM7、ROM8、メモリカードアダプタ9、USBデバイス11およびLEDデバイス12を含む。
【0022】
操作入力部2は、入力手段であって、複数の操作キーを有する。ユーザが、各操作キーが操作されることによって各操作キーに対応する指令情報などの入力情報をCPUに与える。
【0023】
ファクシミリ通信部3は、通信回線に接続され、ファクシミリ通信のプロトコルに基づいて、通信回線を介して接続されるファクシミリ装置にファクシミリ情報の送信し、また通信回線を介して接続されるファクシミリ装置からファクシミリ情報の受信する。通信回線は、電話回線などの公衆回線を含む。ファクシミリ情報は、画像データを含む。ファクシミリ通信部3は、CPU6から与えられる制御指令に基づいて、動作する。ファクシミリ通信部3によって受信したファクシミリ情報は、CPU6から与えられる制御指令に基づいて、プリンタ部4に与えられる。またファクシミリ通信部3は、後述するスキャナ部5から与えられる画像データを、操作入力部2によって入力される入力情報に基づいて、入力された送信先に、ファクシミリ情報として送信する。ファクシミリ通信部3は、たとえば網制御装置(Network Control Unit:略称NCU)およびモデムなどを含んで実現される。ファクシミリ通信部3は、データを入力する入力手段である。
【0024】
プリンタ部4は、出力手段であり、言い換えると印刷手段である。プリンタ部4は、CPU6から与えられる制御指令に基づいて、ファクシミリ通信部3によって受信したファクシミリ情報、およびスキャナ部5から与えられる画像情報などを、たとえば紙などの記録シートに出力して記録する。プリンタ部4は、たとえば画像情報を、カラーで印刷可能なインクジェットプリンタ装置によって実現される。
【0025】
スキャナ部5は、入力手段であり、たとえばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを含んで実現される。スキャナ部5は、CPU6からから与えられる制御指令に基づいて、原稿の画像情報を画像データに変換して読取る。スキャナ部5によって読取られた画像情報は、画像データとして、後述するRAM7に記憶される。MFP装置1によってファクシミリ送信する場合、スキャナ部5によって原稿の画像情報を読取り、この読取った画像情報をファクシミリ通信部3によって、通信回線を介して他のファクシミリ装置に送信する。
【0026】
中央演算処理部6およびROM8は、MFP装置1の各部、すなわち操作入力部2、ファクシミリ通信部3、プリンタ部4、スキャナ部5、RAM7、メモリカードアダプタ9、USBデバイス11、およびLEDデバイス12を制御する制御手段である。ROM8は、不揮発性記録媒体であって、このROM8には、マルチファクシミリプリンタ装置1の各部を制御する制御プログラムが記憶される。中央演算処理部6が、ROM8に記憶される制御プログラムを読み出して実行することによって、MFP装置1の各部を制御する。ROM8に記憶される制御プログラムは、複数のプログラムを含み、各プログラム実行することによって、中央演算処理部6が、記憶媒体であるメモリカード13にアクセスする、すなわちメモリカード13にデータを書込み、およびメモリカード13からのデータを読出す記憶媒体制御手段として機能し、たとえばファクシミリ通信部3によって受信した画像データ、およびスキャナ部5で読取った画像データなどを、後述するメモリカードアダプタ9に着脱可能に接続されるメモリカード13に記憶させることができ、また前記メモリカード13に記憶される画像データを、読み出してファクシミリ通信部3およびプリンタ部4に与えたりする。また各プログラム実行することによって、中央演算処理部6は、USBデバイス11を介して、後述する情報処理装置14のメモリカードドライバと通信する接続制御手段として機能したり、LEDデバイス12を制御する表示制御手段として機能したり、およびCPU6がメモリカードにアクセスしているのか、情報処理装置14がメモリカード13にアクセスしているのかを判別する判別手段として機能したりする。
【0027】
RAM7は、揮発性記録媒体であって、CPU6からの制御指令に基づいて、ファクシミリ通信部3によって受信したファクシミリ通信情報を一時的に記憶したり、スキャナ部5によって読取られた画像情報を一時的に記憶したり、またCPU6のワークメモリとして使用される。
【0028】
メモリカードアダプタ9は、記憶媒体接続手段であって、記憶媒体が機械的に着脱可能に接続される。前記記憶媒体は、たとえばフラッシュROMなどの不揮発性記憶媒体であり、本実施の形態ではフラッシュROMであって、外形がカード状に形成されるメモリカード13によって実現される。メモリカードアダプタ9に、メモリカード13を着脱可能に接続すると、メモリカード13に含まれるフラッシュROMが、後述するバス15に電気的に接続される。
【0029】
本実施の形態では、記憶媒体としてメモリカード13が用いられるが、本発明の他の実施の形態では、記憶媒体は、たとえばハードディスクドライブ装置、光ディスクまたは光磁気ディスクであってもよい。記憶媒体が、光ディスクまたは光磁気ディスクである場合には、記憶媒体接続手段は、たとえば光ピックアップ装置によって実現される。前記光ディスクは、たとえばCDR(Compact Disk Recordable)、CDRW(CD ReWritable)、DVDRAM(Digital Versatile Disk RAM)およびDVDRなどを含む。
【0030】
USBデバイス11は、情報処理装置接続手段であって、USBケーブル16を介して、外部の情報処理装置14と着脱自在に接続される。USBデバイス11は、CPU6からの制御指令に基づいて、着脱可能に接続される情報処理装置14と、USB規格に基づいて通信する。本実施の形態では、外部の情報処理装置14は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:略称PC)である。
【0031】
本実施の形態では、情報処理装置接続手段をUSBデバイス11によって実現しているが、本発明のさらに他の実施の形態では、情報処理装置接続手段は、LANケーブルを介して、LAN規格に基づいて情報処理装置14と通信する構成であってもよいし、たとえば無線LANなどの無線通信によって、情報処理装置14と通信する構成であってもよい。
【0032】
LEDデバイス12は、表示手段であり、発光素子であるLED18、およびCPU6からの制御指令に基づいて、LED18に電力を与えて発光させ、またLED18が消灯するように駆動するドライバ回路19を含む。本実施の形態では、発光素子として1個のLED18を有する。LED18は、人間の目の感受性が高い、緑色または黄色に発光するものが選ばれる。
【0033】
操作入力部2、ファクシミリ通信部3、プリンタ部4、スキャナ部5、中央演算処理部6、RAM7、ROM8、メモリカードアダプタ9、USBデバイス11およびLEDデバイス12は、バス15によって相互に電気的に接続される。
【0034】
本実施の形態では、記録媒体接続処理装置をマルチファクシミリプリンタ装置1に適用して示したが、記録媒体接続処理装置は、プリンタ装置に適用されてもよいし、複写機に適用されてもよいし、スキャナ装置に適用されてもよいし、デジタルカメラ装置に適用されてもよい。
【0035】
情報処理装置14であるPCは、USBケーブル16を介してUSBデバイス11に着脱可能に接続される。
【0036】
図2は、情報処理装置14の構成を示すブロック図である。情報処理装置14は、前述したUSBデバイス11と同様に、USB規格に基づいて通信する通信手段を有する。情報処理装置14は、情報処理装置操作入力部22、情報処理装置CPU26、情報処理装置RAM27、情報処理装置ROM28、ディスプレイ29および情報処理装置USBデバイス31を含む。情報処理装置操作入力部22、情報処理装置CPU26、情報処理装置RAM27、情報処理装置ROM28、ディスプレイ29および情報処理装置USBデバイス31は、情報処理装置バス35によって相互に電気的に接続される。
【0037】
情報処理装置操作入力部22は、入力手段であって、複数の操作キーを有する。ユーザが、各操作キーが操作されることによって各操作キーに対応する指令または入力情報を情報処理CPUに与える。
【0038】
情報処理装置CPU26および情報処理装置ROM28は、情報処理装置14の各部、情報処理装置操作入力部22、情報処理装置RAM27、ディスプレイ29および情報処理装置USBデバイス31を制御する制御手段である。情報処理装置ROM28は、不揮発性記録媒体であって、情報処理装置14の各部を制御する制御プログラムが記憶される。情報処理装置CPU26が、情報処理装置ROM28に記憶される制御プログラムを読み出して実行することによって、MFP装置1の各部を制御する。ROM8に記憶される制御プログラムは、OS(Operation System)プログラムおよびアプリケーションプログラムなどの複数のプログラムを含む。アプリケーションプログラムには、前記メモリカード13にアクセスするため、言い換えれば、メモリカード13へのデータの書込み、およびメモリカードからデータの読出しを実行するためのカードドライバプログラムが含まれる。情報処理装置CPU26は、情報処理装置USBデバイス31を介してメモリカード13の認識要求をMFP装置1に出力し、メモリカード13を認識した後、前記カードドライバプログラムを実行することによって、情報処理装置USBデバイス31を介して、メモリカードアダプタ9に着脱可能に接続されるメモリカード13にアクセスすることができる。また情報処理装置CPU26は、情報処理装置USBデバイス31を介してメモリカード13の認識解除要求をMFP装置1に出力し、メモリカード13の認識を解除することができる。
【0039】
情報処理装置RAM27は、揮発性記録媒体であって、情報処理装置CPU26からの制御指令に基づいて、情報処理装置CPU26のワークメモリとして使用される。
【0040】
情報処理装置USBデバイス31は、通信手段であって、USBケーブル16を介して、MFP装置1と着脱自在に接続される。情報処理装置USBデバイス31は、情報処理装置CPU26からの制御指令に基づいて、着脱可能に接続されるMFP装置1と、USB規格に基づいて通信する。
【0041】
図3は、メモリカード13へのアクセスに関連するCPU6の処理動作を表すフローチャートである。MFP装置1の電源を投入すると、すなわちMFP装置1の各部に電力を供給すると、ステップS0からステップS1に移る。
【0042】
ステップS1では、USBデバイス11を介して、情報処理装置14であるPCからのメモリカード13の認識要求があるか否かを判断する。ステップS1において、情報処理装置14からのメモリカードの認識要求があると判断すると、ステップS2に移る。
【0043】
ステップS2では、ステップS1における認識要求に対して、情報処理装置14においてメモリカード13の認識が成功したか否かを判断する。ステップS2では、具体的には、CPU6が、情報処理装置14からメモリカード13へのアクセスを、実行可能となるようにUSBデバイス11およびメモリカード13を制御し、情報処理装置14が、実際にメモリカード13へのアクセスが実行可能になったか否かを判断する。情報処理装置14では、メモリカード13の認識が成功する、すなわちメモリカード13にアクセスできる状態になると、メモリカード13の認識が成功したことを表す認識成功情報を情報処理装置USBデバイス31から送出し、MFP装置1のUSBデバイス11に与える。USBデバイス11は、前記認識成功情報を受取ると、この認識成功情報を、バス15を介してCPU6に与え、CPU6では制御プログラムに基づいて、認識が成功したか否かを判断する。
【0044】
ステップS2において、認識が成功したと判断すると、ステップS3に移る。ステップS3では、LEDデバイス12に制御指令を与えて、LED18を点灯させる、すなわちLED18の点灯を開始させて、第3の表示情報を表示させるとともに、カードの認識フラグをONにする、すなわち情報処理装置14がメモリカード13を認識していることを表す第1認識情報をRAM7に記憶させる。ステップS3が終了すると、ステップS4に移る。第3の表示情報は、LED18が点灯状態とされることによって表される。
【0045】
次にステップS4では、情報処理装置14と接続されており、かつUSBデバイス11を介して、情報処理装置14であるPCからのメモリカード13の認識解除要求があるか否かを判断する。ステップS4において、情報処理装置14と接続されており、情報処理装置14からのメモリカード13の認識解除要求があると判断すると、ステップS5に移る。
【0046】
ステップS5では、ステップS4における認識解除要求に対して、認識解除が成功したか否かを判断する。ステップS5では、具体的には、CPU6が、情報処理装置14からメモリカード13へのアクセスを、実行不可能となるようにUSBデバイス11およびメモリカード13を制御し、情報処理装置14が、実際にメモリカード13へのアクセスが実行不可能になったか否かを判断する。情報処理装置14では、メモリカード13の認識解除が成功する、すなわちメモリカード13にアクセスできない状態となると、メモリカード13の認識解除が成功したことを表す認識解除情報を情報処理装置USBデバイス31から送出し、MFP装置1のUSBデバイス11に与える。USBデバイス11は、前記認識解除情報を受取ると、この認識解除情報を、バス15を介してCPU6に与え、CPU6では制御プログラムに基づいて、認識解除が成功したか否かを判断する。ステップS5が終了すると、ステップS6に移る。
【0047】
次にステップS5において、認識解除が成功したと判断すると、ステップS6に移る。ステップS6では、LEDデバイス12に制御指令を与えて、LED18を消灯させる、つまりLED18の点灯を終了させるとともに、カードの認識フラグをOFFにする、すなわち情報処理装置14がメモリカード13を認識していないことを表す第2認識情報をRAM7に記憶させる。ステップS6が終了すると、ステップS7に移る。初期状態、すなわちMFP装置1の電源を投入したときには、カードの認識フラグはOFFになっており、すなわち情報処理装置14がメモリカード13を認識していないことを表す前記第2認識情報がRAM7に記憶されている。
【0048】
次にステップS7では、メモリカード13へのアクセス、すなわちメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカードからのデータの読出しが開始されたか否かを判断する。メモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しが開始されたと判断すると、ステップS8に移る。メモリカード13にデータが書込みが開始されたか否かの判断は、具体的には、情報処理装置14からUSBデバイス11、およびバス15を経由して情報処理装置14のデータをメモリカード13へ書込む要求をCPU6が受けることによって、もしくは情報処理装置14を構成する、たとえばスキャナ5部およびファクシミリ通信部3などの内部デバイスによって、バス15を経由して各々のデータをメモリカード13へ書込む要求をCPU6が受けることによって、CPU6が、メモリカードアダプタ9へ書込み可能か問い合わせ、正常に書込み可能の場合はデータの書込み処理を開始し、それと同時にメモリカード13にデータの書込み開始されたと判断することによって行われる。
【0049】
ステップS8では、メモリカード13へのアクセスが、情報処理装置14から実行されているのか否かを判断する。ステップS8において、メモリカード13へのアクセスが、情報処理装置14から実行されてはいない、言い換えると、メモリカード13へのアクセスが、本体装置、つまりMFP装置1の内部のCPU6によって行われていると判断した場合、ステップS9に移る。
【0050】
ステップS9では、メモリカード13へのアクセスが、スタンドアロン動作モードで行われている、すなわちMFP装置1の内部のCPU6によって行われていることを表す第1の表示情報を表示させるための制御指令を、LEDデバイス12に与え、LEDデバイス12のLED18の点滅を開始させる。ステップS9では、具体的には、予め定める第1の周期T1で、LED18を点滅させるように、LEDデバイス12に制御指令を与える。ステップS9が終了すると、ステップS11に移る。
【0051】
図4は、ステップS9においてCPU6からLEDデバイス12に与えられる制御指令に基づいて、第1の表示情報を表示するために、ドライバ回路19がLED18に与える1周期分の駆動信号を表す波形図である。図4に示す波形図において、横軸は、時刻を表し、縦軸は電圧値を表す。横軸の単位は、ミリ秒(ms)であり、縦軸の単位は、ボルト(V)である。駆動信号が与えられると、駆動信号のうち電圧がハイレベル(H)のとき、LED18が発光し、ローレベル(L)のとき、LED18が消灯する。LED18には、1周期単位で、駆動信号が与えられる。本実施の形態では、発光素子であるLED18を点滅させる、すなわち点灯させて消灯させるための駆動信号の点滅周期である予め定める第1の周期T1は、たとえば1000msに選ばれる。
【0052】
第1の表示情報を表すために、LED18に与えられる1周期分の駆動信号のうち、時刻t0から時刻t1まで(t0≦t<t1)の電圧はローレベル(L)であり、時刻t1から時刻t2まで(t1≦t<t2)の電圧はハイレベル(H)であり、時刻t2から時刻t3まで(t2≦t<t3)の電圧は、ローレベル(L)である。これによって、LED18に1周期分の駆動信号が与えられると、LED18は、第1の時間(t1−t0)消灯し、その後第2の時間(t2−t1)点灯し、再び第3の時間(t3−t2)消灯する。第1の時間(t1−t0)は、たとえば250msに選ばれ、第2の時間(t2−t1)は、たとえば500msに選ばれ、第3の時間(t4−t3)は、たとえば250msに選ばれる。このように第1の表示情報は、点灯時間と消灯時間とが同じとなるような点滅によって表される。また1周期分の駆動信号として、電圧をローレベル、ハイレベルおよびローレベルの順番でLED18を駆動することによって、LED18を確実に点滅させて、ユーザに第1の表示情報を認識させることができる。前記ローレベルの電圧は、たとえば0Vに選ばれる。
【0053】
前述したステップS8において、メモリカード13へのアクセスが、情報処理装置14から実行されている、言い換えると、メモリカード13へのデータの書込みが、情報処理装置14によって行われていると判断した場合、ステップS10に移る。
【0054】
ステップS10では、メモリカード13へアクセスが、外部接続動作モードで行われている、すなわち情報処理装置14によって行われていることを表す第2の表示情報を表示させる制御指令をLEDデバイス12に与え、LEDデバイス12のLED18の点滅を開始させる。ステップS10では、具体的には、予め定める第2の周期T2で、LED18を点滅させるようにLEDデバイス12に制御指令を与える。ステップS10が終了すると、ステップS11に移る。
【0055】
図5は、ステップS10においてCPU6からLEDデバイス12に与えられる制御指令に基づいて、第2の表示情報を表示するために、ドライバ回路19がLED18に与える1周期分の駆動信号を表す波形図である。図5に示す波形図において、横軸は、時刻を表し、縦軸は電圧値を表す。横軸の単位は、ミリ秒(ms)であり、縦軸の単位は、ボルト(V)である。駆動信号が与えられると、駆動信号のうち電圧がハイレベル(H)のとき、LED18が発光し、ローレベル(L)のとき、LED18が消灯する。LED18には、1周期単位で、駆動信号が与えられる。本実施の形態では、発光素子であるLED18を点滅させる、すなわち点灯させて消灯させるための駆動信号の点滅周期である予め定める第2の周期T2は、第1の周期T1よりも長く選ばれ、たとえば1500msに選ばれる。
【0056】
第2の表示情報を表すために、LED18に与えられる1周期分の駆動信号のうち、時刻0tから時刻t1まで(t0≦t<t1)の電圧はローレベル(L)であり、時刻t1から時刻t4まで(t1≦t<t4)の電圧はハイレベル(H)であり、時刻t4から時刻t5まで(t4≦t<t5)の電圧は、ローレベル(L)である。これによって、LED18に1周期分の駆動信号が与えられると、LED18は、第1の時間(t1−t0)消灯し、その後第4の時間(t4−t1)点灯し、再び第5の時間(t5−t4)消灯する。第1の時間(t1−t0)は、たとえば250msに選ばれ、第4の時間(t4−t1)は、たとえば1000msに選ばれ、第5の時間(t5−t4)は、たとえば250msに選ばれる。このように第2の表示情報は、点灯時間の方が消灯時間よりも長くなるような点滅によって表される。第2の表示情報を表すためのLED18の点灯時間は、第1の表示情報を表すためのLED18の点灯時間の約2倍に選ばれる。これによって、ユーザにとって第1の表示情報と、第2の表示情報とを識別しやすくすることができる。また1周期分の駆動信号として、電圧をローレベル、ハイレベルおよびローレベルの順番でLED18を駆動することによって、LED18を確実に点滅させて、ユーザに第2の表示情報を認識させることができる。前記ローレベルの電圧は、たとえば0Vに選ばれる。
【0057】
次にステップS11では、メモリカード13へアクセスが終了したか否か、すなわちメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカードからのデータの読出しが終了したか否かを判断する。ステップS11において、メモリカード13へのデータの書込みが終了したと判断すると、ステップS12に移る。
【0058】
ステップS12では、LEDデバイス12に、LED18の点滅の1周期が終了するまでLED18の駆動維持させて、ステップS13に移る。
【0059】
ステップS13では、カードの認識フラグがONになっているか否か、すなわちRAM7に第1認識情報が記憶されているか否かを判断する。ステップS13において、カードの認識フラグがONになっていると判断すると、ステップS14に移る。
【0060】
ステップS14では、LEDデバイス12にLED18を点灯させる制御指令を与えて、ステップS1に移る。ステップS14において、LEDデバイス12にLED18を点灯させる制御指令を与えることによって、LEDデバイス12のドライバ回路19は、LED18にハイレベルの電圧を与えて、LED18の点灯状態を維持して、第3の表示情報を表示させる。
【0061】
前記ステップS13において、カードの認識フラグがONになっていないと判断すると、ステップS15に移る。
【0062】
ステップS15では、LEDデバイス12にLED18を消灯させる制御指令を与えて、ステップS1に移る。ステップS14において、LEDデバイス12にLED18を消灯させる制御指令を与えることによって、LEDデバイス12のドライバ回路19は、LED18にローレベルの電圧を与えて、LED18の消灯状態を維持する。
【0063】
前述のステップS1において、情報処理装置14からのメモリカード13の認識要求がないと判断すると、ステップS4に移る。
【0064】
また前述のステップS2において、認識が成功していないと判断すると、ステップS4に移る。
【0065】
また前述のステップS4において、情報処理装置14と接続されていない、または情報処理装置14からのメモリカード13の認識解除要求がないと判断すると、ステップS7に移る。
【0066】
また前述のステップS5において、認識解除が成功していないと判断すると、ステップS7に移る。
【0067】
また前述のステップS7において、メモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しが開始されていないと判断すると、ステップS11に移る。
【0068】
また前述のステップS11において、メモリカード13へのデータの書込みが終了したと判断すると、ステップS1に移る。
【0069】
前述した図3に示すフローチャートは、MFP装置1の電源を切断する、すなわちMFP装置1の各部への電力の供給を遮断するとこによって、終了させることができる。
【0070】
図6は、前述した図3に示すフローチャートに基づいて、CPU6がメモリカード13にアクセスするとき、第1の表示情報を表すためにLED18に与えられる駆動信号の例を表す波形図である。図6に示す波形図において、横軸は、時刻を表し、縦軸は電圧値を表す。横軸の単位は、ミリ秒(ms)であり、縦軸の単位は、ボルト(V)である。ここでは第1の時刻t0で、メモリカード13へのアクセスが開始され、つまりメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しが開始され、第2の時刻t1で、メモリカードへのアクセスが終了する、つまりメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しが終了する場合について説明する。またここでは、カードの認識フラグはOFFとなっており、情報処理装置14は、メモリカード13を認識していない場合について説明する。
【0071】
情報処理装置14は、メモリカード13を認識していないので、時刻t0で、CPU6がメモリカード13にアクセスする前は、LEDデバイス12のドライバ回路19は、ローレベルの電圧をLED18に与えている。前述のフローチャートのステップS9において、CPU6がLEDデバイス12に制御指令を与えて、LED18の点滅を開始させると、LEDデバイス12のデバイス回路が、第1の表示情報を表すための前述した図4に示す駆動信号を、LEDデバイス12に与える。第2の時刻t1で、メモリカード13へのアクセスが終了しても、ドライバ回路19は、1周期単位でLED18に駆動信号を与えるので、第2の時刻t1から第1の時刻t0までの時間が、第1の周期T1の整数(n−1)倍よりも長く、かつ第1の周期T1の整数(n)倍よりも短ければ、時間(n×T1)の間、ドライバ回路19はLED18に駆動信号を与え続ける。
【0072】
図7は、前述した図3に示すフローチャートに基づいて、情報処理装置14であるPCがメモリカード13にアクセスするとき、第2の表示情報を表すためにLED18に与えられる駆動信号の例を表す波形図である。図7に示す波形図において、横軸は、時刻を表し、縦軸は電圧値を表す。横軸の単位は、ミリ秒(ms)であり、縦軸の単位は、ボルト(V)である。ここでは第1の時刻t0で、メモリカード13へのアクセスが開始され、つまりメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しが開始され、第2の時刻t1で、メモリカードへのアクセスが終了する、つまりメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しが終了する場合について説明する。またここでは、カードの認識フラグはONとなっており、情報処理装置14は、メモリカード13を認識している場合について説明する。
【0073】
情報処理装置14は、メモリカード13を認識しているので、時刻t0で、CPU6がメモリカード13にアクセスする前は、ステップS3において、LEDデバイス12のドライバ回路19は、ハイレベルの電圧をLED18に与えている。前述のフローチャートのステップS9において、CPU6がLEDデバイス12に制御指令を与えて、LED18の点滅を開始させると、LEDデバイス12のデバイス回路が、第2の表示情報を表すための前述した図5に示す駆動信号を、LEDデバイス12に与える。第2の時刻t1で、メモリカード13へのアクセスが終了しても、ドライバ回路19は、1周期単位でLED18に駆動信号を与えるので、第2の時刻t1から第1の時刻t0までの時間Tが、第1の周期T1の整数(m−1)倍よりも長く、かつ第1の周期T1の整数(m)倍よりも短ければ、時間(m×T2)の間、ドライバ回路19はLED18に駆動信号を与え続ける。ドライバ回路19は、第2の表示情報を表す駆動信号をLED18に与え終わると、カードの認識フラグがONになっているので、ステップS14でLED18を点灯するように、LED18に電圧がハイレベルとなる駆動信号を与える。
【0074】
図8は、メモリカード13にアクセスするときの、情報処理装置CPU26の動作処理を示すフローチャートである。メモリカード13にアクセスする指令が、ユーザによって情報処理装置操作入力部22から入力されると、ステップA0からステップA1に移り、動作処理を開始する。ステップA1では、情報処理装置USBデバイス31に制御指令を与えて、MFP装置1と通信可能に接続されているか否かを判断する。ステップA1で、MFP装置1と接続されていると判断すると、ステップA2に移り、情報処理装置USBデバイス31から認識要求を出力させ、ステップA3に移る。
【0075】
ステップA3では、メモリカード13の認識が成功したか否かを判断する。ステップA3において、メモリカード13の認識が成功したと判断すると、ステップA4に移る。
【0076】
ステップA4では、メモリカード13の認識が成功したことを表す認識成功情報を、情報処理装置USBデバイス31から出力させて、ステップA5に移り、動作処理を終了する。
【0077】
前述のステップA1において、MFP装置1と接続されていないと判断すると、ステップA5に移る。
【0078】
また前述のステップA3において、メモリカード13の認識が成功していないと判断すると、ステップA3を繰返す。
【0079】
図9は、メモリカード13へのアクセスを停止するときの、情報処理装置CPU26の動作処理を示すフローチャートである。前記フローチャートを開始する前は、情報処理装置CPU26は、メモリカード13を認識しているものとする。メモリカード13へのアクセスを停止する指令が、ユーザによって情報処理装置操作入力部22から入力されると、ステップB0からステップB1に移り、動作処理を開始する。ステップB1では、情報処理装置USBデバイス31から認識解除要求を出力させ、ステップB2に移る。
【0080】
ステップB2では、メモリカード13の認識解除が成功したか否かを判断する。ステップB2において、メモリカード13の認識解除が成功したと判断すると、ステップB3に移る。
【0081】
ステップB3では、メモリカード13の認識解除が成功したことを表す認識解除情報を、情報処理装置USBデバイス31から出力させて、ステップB4に移り、動作処理を終了する。
【0082】
前述のステップB2において、メモリカード13の認識が成功していないと判断すると、ステップB2を繰返す。
【0083】
以上のようにMFP装置1では、CPU6が、メモリカードアダプタ9に着脱可能に接続されるメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しを実行しているとき、LEDデバイス12によって、第1の表示情報が表示される。またUSBデバイス11に着脱可能に接続される情報処理装置14が、メモリカードアダプタ9に着脱自在に接続されるメモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しを実行しているとき、LEDデバイス12によって、第2の表示情報が表示される。第1または第2の表示情報が表示されることよって、着脱可能に接続されるメモリカード13へのデータの書込み中、またはメモリカードからのデータの読出し中であることをユーザに報知して、注意を促すことができ、ユーザがメモリカード13を不用意に取り外してしまうことを抑制することできる。
【0084】
さらにLEDデバイス12は、CPU6がメモリカード13にアクセスするときと、情報処理装置14がメモリカード13にアクセスするときとにおいて、第1の表示情報および第2の表示情報のように、LEDデバイス12による表示を異ならせる。MFP装置1のCPU6がメモリカード13にアクセスする場合と、MFP装置1に着脱可能に接続される情報処理装置14からメモリカード13にアクセスする場合とでは、各装置で使用される、たとえばOS(Operation System)などの制御プログラムの違いがあるため、メモリカード13のメモリカードアダプタ9への着脱操作に対して、ユーザは気をつける必要がある。これはPCなど情報処理装置14は、高度なマルチタスクOSによって、メモリカード13へのアクセスが制御されるので、アプリケーションからの書込み要求に対してその場で書込むのではなく、ドライバなどが時間をおいて一括して書込む転送を行う遅延書込みが発生するためである。MFP装置1は、コンパクトなOSによってリアルタイムに、メモリカード13にアクセスが制御されることが多いので、LEDデバイス12によって第1の表示情報が表示されているときには、この表示が終了すると、メモリカードアダプタ9に着脱可能に接続されるメモリカード13を、すぐに取り外しても問題は生じないのでメモリカード13の取り外しを円滑に行うことができる。一方、LEDデバイス12に第2の表示情報が表示されているときには、この表示が終了したとしても、遅延書込みが発生しているおそれがあるので、ユーザが不用意に記憶媒体を取り外してしまわないように、注意を促すことができる。
【0085】
また情報処理装置14が、メモリカード13へのデータの書込み、およびメモリカード13からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行可能な状態、言い換えれば情報処理装置14が、メモリカード13を外部のメモリとして認識している状態では、LEDデバイス12によって、第3の表示情報が表示される。つまり第3の表示情報は、情報処理装置14からメモリカード13に、いつでもデータの書込みまたは読出しが可能な状態となっていることを表す。したがって、情報処理装置14からメモリカード13へのデータの書込み中または読み出し中でなくても、LEDデバイス12に第3の表示情報が表示されていれば、情報処理装置14からメモリカード13へのデータの書込みまたは読み出しが実行されるおそれがあることを報知することができ、ユーザに、メモリカード13をメモリカードアダプタから取り外すときの注意を促すことができる。データを記憶させている途中に、メモリカード13が取り外されることを抑止することによって、メモリカード13に記憶されるデータが破損してしまうことを防止することができる。
【0086】
また第1および第2の表示情報は、発光素子であるLED18の点滅によって表されるので、視覚的に表示され、また点灯と消灯とを組み合わせた点滅によって表示されるので、ユーザにより注意を促すことができる。また発光素子を点滅させることによって、第1および第2の表示情報を表示させるので、装置構成が簡単であり、低消費電力の装置を構成することができ、特に小形機器であっても好適に用いることができる。また第1および第2の表示情報が、発光素子の点滅によって表されることによって、色の判別が困難な色覚異常を持つユーザにも、表示情報を認識させることができる。
【0087】
またLEDデバイス12は、点滅周期の周期単位で、発光素子の点滅を制御するので、ドライバ回路19がLED18を点灯して消灯するという点滅周期の1周期の途中であって、LED18が点灯中に、メモリカード13へのデータの書込み、またはメモリカード13からのデータの読出しが終了したとしても、LED18が急に消灯されることを防止することができる。書込み時間または読出し時間が点滅周期の1周期よりも短い場合であっても、点滅周期の1周期分は必ず表示されるので、CPU6がメモリカード13にアクセスしているのか、情報処理装置14がメモリカード13にアクセスしているのかをユーザに認識させることができる。
【0088】
またメモリカード13へのデータの書込み中に書込み遅延が発生すると、LED18によって第1または第2の表示情報が表示されないこととなってしまうが、書込み遅延が発生しやすい情報処理装置14からのメモリカード13へのアクセスを表す第2の表示情報を表す点滅周期は、第1の表示情報を表す点滅周期よりも長く選ばれるので、書込み遅延の発生する場合であっても、より長くLEDデバイス12に表示情報を表示し続けることができる。これによって、遅延書込みが発生する場合であっても、ユーザが不用意に記憶媒体を取り外してしまうことをさらに抑制することができる。
【0089】
また前述したMFP装置1と、情報処理装置14とを含んで情報処理システムが形成される。このような情報処理システムにおいては、情報処理装置14からMFP装置1に接続されるメモリカード13へのデータの書込みまたはデータの読取を実行するときに、ユーザが不用意にメモリカード13を取り外してしまうことを抑制することがきる。したがって、メモリカード13にデータを書込む、またはメモリカード13からデータを読出す際の信頼性が向上された情報処理システムを構成することができる。
【0090】
本実施の形態では、LEDデバイス12は、発光素子として1個のLEDを有するが、本発明の実施のさらに他の形態において、LEDデバイス12は、2つ以上のLEDを有してもよい。たとえば2つのLEDを有する構成とする場合、一方のLEDに第1の表示情報を表示させ、他方のLEDに第2の表示情報を表示させる。このようにLEDデバイスを2つ設けることによって、第1および第2の表示情報を、より明確に区別して表示させることができ、ユーザにとって第1および第2の表示情報のいずれが表示されるのかを容易に区別することができる。
【0091】
さらに本実施の形態では、LEDデバイス12は、点滅の間隔によって第1および第2の表示情報を表示しているが、本発明のさらに他の実施の形態では、LEDの発光色によって第1の表示情報および第2の表示情報を表示してもよい。この場合、第1および第2の情報を色で区別することが可能となるので、ユーザにとって第1および第2の表示情報のいずれが表示されるのかを容易に区別することができる。
【0092】
さらに本実施の形態では、表示手段をLEDデバイス12によって実現しているが、本発明のさらに他の実施の形態では、表示手段は、たとえば液晶表示装置および有機EL(Electro Luminescence)表示装置などによって実現してもよい。このような表示手段では、文字情報を表示させることができるので、第1および第2の表示情報を文字情報として表示させることで、ユーザにとって第1および第2の表示情報のいずれが表示されるのかを容易に区別することができる。
【0093】
また本実施の形態では、表示手段は第1および第2表示情報を視覚的に認識可能に表示しているが、さらに本発明の実施の形態では、表示手段は、第1および第2表示情報を、音によって聴覚的に認識可能に表示するスピーカ装置を含む音声出力装置によって実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の一形態の記録媒体接続処理装置が適用されるマルチファクシミリプリンタ装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】情報処理装置14の構成を示すブロック図である。
【図3】メモリカード13へのアクセスに関連するCPU6の処理動作を表すフローチャートである。
【図4】ステップS9においてCPU6からLEDデバイス12に与えられる制御指令に基づいて、第1の表示情報を表示するために、ドライバ回路19がLED18に与える1周期分の駆動信号を表す波形図である。
【図5】ステップS10においてCPU6からLEDデバイス12に与えられる制御指令に基づいて、第2の表示情報を表示するために、ドライバ回路19がLED18に与える1周期分の駆動信号を表す波形図である。
【図6】図3に示すフローチャートに基づいて、CPU6がメモリカード13にアクセスするとき、第1の表示情報を表すためにLED18に与えられる駆動信号の例を表す波形図である。
【図7】図3に示すフローチャートに基づいて、情報処理装置14であるPCがメモリカード13にアクセスするとき、第2の表示情報を表すためにLED18に与えられる駆動信号の例を表す波形図である。
【図8】メモリカード13にアクセスするときの、情報処理装置CPU26の動作処理を示すフローチャートである。
【図9】メモリカード13へのアクセスを停止するときの、情報処理装置CPU26の動作処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1 マルチファクシミリプリンタ装置
6 中央演算処理部
8 ROM
9 メモリカードアダプタ
11 USBデバイス
12 LEDデバイス
13 メモリカード
14 情報処理装置
18 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶媒体を、着脱可能に接続する記憶媒体接続手段と、
情報処理装置と着脱可能に接続される情報処理装置接続手段と、
記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行する記憶媒体制御手段と、
情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される情報処理装置によって、記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行可能とする接続制御手段と、
表示手段と、
前記記憶媒体制御手段が、記憶媒体接続手段に接続される記憶媒体へのデータの書込み、または前記記憶媒体からのデータの読出しを実行しているとき、表示手段に第1の表示情報を表示させ、情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される情報処理装置が、記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、または前記記憶媒体からのデータの読出しを実行しているとき、表示手段に第2の表示情報を表示させる表示制御手段とを含むことを特徴とする記憶媒体接続処理装置。
【請求項2】
情報処理装置が情報処理装置接続手段に着脱可能に接続され、接続制御手段によって、情報処理装置から記憶媒体接続手段に着脱自在に接続される記憶媒体へのデータの書込み、および前記記憶媒体からのデータの読出しのうちの少なくともいずれか一方を実行可能となると、前記表示制御手段は、表示手段に第3の表示情報を表示させることを特徴とする請求項1記載の記憶媒体接続処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、発光素子を含み、
前記表示制御手段は、前記発光素子を点滅させて第1の表示情報と第2の表示情報とを表示させることを特徴とする請求項1または2記載の記憶媒体接続処理装置。
【請求項4】
前記第1の表示情報を表す発光素子の点滅周期は、第2の表示情報を表す発光素子の点滅周期よりも、長く選ばれ、
前記表示制御部は、前記点滅周期の周期単位で、発光素子の点滅を制御することを特徴とする請求項3記載の記憶媒体接続処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の記憶媒体接続処理装置と、前記情報処理装置接続手段に着脱可能に接続される前記情報処理装置とを含む情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−85629(P2006−85629A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272296(P2004−272296)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】