説明

記録再生装置と記録再生方法

【課題】映像音声情報から任意の音声情報を音声ライブラリとして登録し、これに応じて、他の映像音声情報にチャプタ付け等のファイル処理を行う記録再生装置を提供する。
【解決手段】 放送信号を選局し復調して映像音声情報を出力するチューナ部12と、チューナ部の映像音声情報を記録領域に記録する記録部18と、記録部の映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録する音声ライブラリ管理部42と、チューナ部から出力される映像音声情報又は記録部の記録領域に記録されている他の映像音声情報と、音声ライブラリとを比較して、同一の音声情報を検出した時、チューナ部又は記録部からの映像音声情報の検出箇所に所定処理を施す処理部20とをもつ記録再生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、チューナ部を有するハードディスクレコーダ等の記録再生装置に関し、特に、所定の音声情報に関し音声ライブラリを生成しこれに基づき編集処理を行う記録再生装置及び記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、デジタル機器の普及と共にハードディスクレコーダ等の記録再生装置が一般化しつつあり、以前のVTR(Video Tape Recorder)による記録再生処理の場合よりも記録情報へのアクセスが容易に行えるようになってきている。このような記録再生装置においては、ハードディスク等の記録領域の拡大に伴い、多くの動画情報が記録されていくことが予測される。例えば、コマーシャル等の動画音声情報が反復的に録画されている場合が考えられる。
【0003】
特許文献1においては、記録再生装置において、コマーシャル等の動画音声情報を自動的に削除する機能を開示している。ここでは、内容の等しいコンテンツの信号を容易に検出すると共に、記録手段を効率よく利用可能とする。
【特許文献1】特開2003−52005号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来技術においては、ワーク領域の信号と異なる信号とを比較して、同一の場合に削除することが示されているが、ユーザは、どのように削除すべき信号を決定するのかが判らないという問題がある。又、ユーザの希望によっては、必ずしも対象画像を削除するとは限らず、他の処理を行う場合について示されていないという問題がある。又、予約録画機能等と連動させて、毎週毎の予約録画による動画音声情報に対して、自動的な編集を行うことが示されていないという問題がある。
【0005】
本発明は、ユーザが映像音声情報から任意に特定した音声情報を登録し、他の映像音声情報から同一の音声情報を検出すると所定処理を行うことにより、映像音声情報を効率的に編集することができる記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る記録再生装置は、放送信号を選局し復調して映像音声情報を出力するチューナ部と、前記チューナ部の前記映像音声情報を記録領域に記録する記録部と、前記記録部の前記映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録する音声ライブラリ管理部と、前記チューナ部から出力される前記映像音声情報又は前記記録部の前記記録領域に記録されている他の映像音声情報と、前記音声ライブラリとを比較して、同一の音声情報を検出した時、前記チューナ部又は前記記録部からの前記映像音声情報の検出箇所に所定処理を施す処理部とを具備することを特徴とする記録再生装置である。
【発明の効果】
【0007】
上記の記録再生装置においては、チューナ部を介して録画した映像音声情報の内、ユーザの指定する任意の音声情報について、音声ライブラリを生成するものである。この時、予約録画を継続的に行うことで、例えば、毎週木曜の夜10時の連続ドラマ等の映像音声情報がハードディスク等に沢山、記録しているような場合において、上述した音声ライブラリとして、この連続ドラマ等の同一のタイトル曲等をユーザが任意に登録しておく。その後、自動的に、この音声ライブラリと各々の映像音声情報とを比較して、音声ライブラリと同一の音声情報が各映像音声情報に存在すれば、登録されている何かの処理、例えば、タイトル曲等の開始位置と終了位置に、一律にトラックポインタを付加する等により再生の際に容易にタイトル曲をジャンプして再生する等の処理が可能となる。
【0008】
これ以外にも、音声ライブラリ機能と録画予約機能とを連携して使用することで、例えば、野球等で延長となったドラマ等の開始個所を自動的に検出し、確実にドラマ等の予約録画を実現する等の働きを可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態である記録再生装置においては、ユーザが任意に特定した音声情報による音声ライブラリを設け、これに基づいて他の映像音声情報と比較を行い、同一の音声情報を検出すれば、これに応じて、所定の処理、例えば、トラックポインタを付加する等の処理を行うものである。
【0010】
本発明に係る記録再生装置として、図1に示すような複合型記録再生装置である記録再生装置10を例に挙げて、以下に詳細に説明する。
【0011】
<本発明の一実施形態に係る記録再生装置>
初めに、本発明に係る記録再生装置の構成を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
(構成)
この実施形態では、記録再生装置10は、記録媒体としてDVD−RAMとハードディスクの双方を取り扱うことができる装置として示しているが、ハードディスク又はDVD−RAMは、例えば、半導体メモリによる記録媒体などに置換されてもよい。図1の各ブロックを大きく分けると、左側には記録部の主なブロックを示し,右側には再生部の主なブロックを示している。
【0013】
図1の記録再生装置10は、2種類のディスクドライブ部を有する。まず、ビデオファイルを構築できる情報記録媒体である第1のメディアとしての光ディスクDを回転駆動し、情報の読み書きを実行する光ディスクドライブ部19を有する。又、第2のメディアとしてのハードディスクを駆動するハードディスクドライブ部18を有する。制御部30は、全体の動作を司るべくデータバスを介して各部に接続されている。
【0014】
又、図1の記録再生装置10は、録画側を構成するエンコーダ部21と、再生側を構成するデコーダ部22と、装置本体の動作を制御する制御部30とを主たる構成要素としている。記録再生装置10は、入力側のセレクタ16と出力側のセレクタ17とを有しており、入力側のセレクタ16には、ネットワークI/F部11と、チューナ部12と、入力部13とが接続され、エンコーダ部21に信号を出力する。又、記録再生装置10は、エンコーダ部21に接続されるフォーマッタ部23と、エンコーダ部21の出力を受け、例えば音声ライブラリの検出処理と連動して、データ編集等の所望のデータ処理を行うデータ編集部20、データ編集部20に接続されるハードディスクドライブ部18、光ディスクドライブ部19を有している。更に、記録再生装置10は、ハードディスクドライブ部18、光ディスクドライブ部19からの信号を受けてデコードするデコーダ部22と、エンコーダ部21、デコーダ部22、制御部30、表示部33からの操作信号を受けるビデオミキシング部24とを有している。これらの各部は、データバスを介して制御部30に接続されている。更に、セレクタ部17の出力は、外部のスピーカ部25と、ディスプレイ部26とに接続されるか、外部装置との通信を行うインタフェース部27を介して、外部装置に供給される。
【0015】
更に、記録再生装置10は、データバスを介して制御部30に接続され、ユーザの操作やリモコンRの操作を受ける操作部32を有している。ここで、リモコンは、記録再生装置10の本体に設けられる操作部32とほぼ同等の操作を可能とするものであり、ハードディスクドライブ部18や光ディスクドライブ部19の記録再生指示や、編集指示、又、チューナの操作、予約録画の設定等、各種設定が可能である。又、更に、記録再生装置10は、データバスを介して制御部30に接続され、ユーザ等による特定される音声情報である音声ライブラリを管理する音声ライブラリ管理部42と、ハードディスクドライブ部18等に格納されたコンテンツである映像音声情報等に応じたライブラリ情報を生成し管理するタイトルライブラリ管理部43と、予約情報を管理し、特に上述した音声ライブラリと連動して又は連動することなく予約録画を実行する予約管理部44とを有している。
【0016】
(基本動作)
このような構成の記録再生装置において、光ディスクに例を取って、再生処理と記録処理の概要を説明すると、制御部30の制御下において、所定速度に回転される光ディスクDは、レーザ光が照射されその反射光が光ピックアップにより検出され、これに基づく検出信号Sが出力される。この検出信号Sに基づいて、RF信号が生成され、再生処理が行われる。
【0017】
又、光ディスクの記録処理は、制御部30の制御下において、例えば入力部13、セレクタ部16を介して供給されたデータは一時的に音声ライブラリ管理部42の記憶領域に蓄えられた後にエンコーダ部21に供給され、コード化されて出力される。このコード化出力と制御部30の出力に応じて、レーザドライバ65の駆動電流が光ピックアップ51に供給され、光ディスクDの記憶領域に照射することで、記録処理が行われるものである。
【0018】
(詳細な動作)
・記録処理等
次に、このような構成を有する記録再生装置10の動作を、更に詳細に説明する。初めに、主に記録時の動作について、他の実施形態も含めて詳細に説明する。記録再生装置10の入力側として、ネットワークI/F部11は、例えば、インターネット等を介してサーバS等に接続しコンテンツ情報等をダウンロードしたりする。又、チューナ部12は、アンテナを介して放送信号を選局し復調して映像信号及び音声信号を出力するもので、広範な種類に対応するもので、例えば、地上波アナログ放送、地上波デジタル放送、BSアナログ放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送等に及ぶものであり、これに限るものではない。又、必ずしも一つだけを設けるものではなく、例えば、地上波アナログ放送のチューナ部を2つ又は3つ以上を有し、予約録画の要求に応じて平行して機能させるものであることも好適である。
【0019】
又、入力部13は、外部から、輝度信号や色差信号、コンポジット等の映像信号、音声信号を受ける。これらは、制御部30等で制御されるセレクタ16により、入力が制御されて、エンコーダ部21に選択的に供給される。すなわち、エンコーダ部21には、入力部13からの外部アナログビデオ信号や外部アナログオーディオ信号、又は、TVチューナ12からのアナログビデオ信号とアナログオーディオ信号が、セレクタ16を介して入力される。
【0020】
エンコーダ部21は、セレクタ16により入力されたアナログビデオ信号やアナログオーディオ信号をデジタル化するビデオ用及びオーディオ用のアナログデジタルコンバータと、ビデオエンコーダと、オーディオエンコーダとを有する。更に、副映像エンコーダも含む。エンコーダ部21の出力は、バッファメモリを含むフォーマッタ部23にて所定のMPEG等の圧縮フォーマットに変換され、先の制御部30に供給される。
【0021】
なお、エンコーダ部21は、直接圧縮されたデジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号が直接入力されるときは、圧縮デジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号を直接フォーマッタ部23に供給することもできる。又、エンコーダ部21は、アナログデジタル変換されたデジタルビデオ信号やオーディオ信号を、ビデオミキシング部24やセレクタ部17に直接供給することもできる。
【0022】
ここで図1の装置は、フォーマッタ部23でフォーマット化された情報(ビデオ、オーディオ、副映像データなどのパック)及び作成された管理情報を、制御部30を介してハードディスクドライブ部18又は光ディスクドライブ部19に供給し、ハードディスクドライブ部18、又は、光ディスクDに記録することができる。又、ハードディスクドライブ部18、又は、光ディスクDに記録された情報を、制御部30、光ディスクドライブ部19を介して光ディスクD、又は、ハードディスクドライブ部18に記録することもできる。
【0023】
又、上述した予約録画管理部44及びタイトルライブラリ管理部43によれば、リモコンRや操作部32から入力された予約情報、又、チューナ部12やネットワークI/F部11を介して取得したEPG(Electronic Program Guide)情報、又はiEPG情報に基づいて、予約録画を行い、又、予約録画等から蓄積された録画情報に応じたライブラリ情報がタイトルライブラリ管理部43で生成され管理される。
【0024】
・編集処理等
データ編集部20により、ハードディスクドライブ部18又は光ディスクDに記録されている複数番組のビデオオブジェクトを、一部削除したり、異なる番組のオブジェクトをつなげたり、といった編集処理を行うこともできる。
【0025】
編集処理の際、又は、他の処理の際に、MPUの実行結果のうち、ユーザに通知すべき内容は、記録再生装置の表示部33に表示されるか、又は、ディスプレイ26にOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。又、制御部30は、この装置を操作するための操作信号を与える操作部32を有する。操作部32は、更に、リモコンRを伴うことが好適である。
【0026】
・再生処理等
次に、主に記録された情報の再生処理について、他の実施形態も含めて詳細に説明する。デコーダ部22は、デコードされた主映像にデコードされた副映像を適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕やその他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサを備えている。
【0027】
デコーダ部22の出力ビデオ信号は、ビデオミキシング部24に入力される。ビデオミキシング部24では、テキストデータの合成が行われる。又、ビデオミキシング部24には、TVチューナ12や入力部13からの信号を直接取り込むラインも接続されている。ビデオミキシング部24には、バッファとして用いる図示しないフレームメモリが接続されている。ビデオミキシング部24の出力が、セレクタ部17に供給され、セレクタ部17により選択されれば、ディスプレイ26に供給されて表示されるか、I/F(インタフェース)部27を介して外部装置に供給される。
【0028】
デコーダ部22の出力オーディオ信号は、セレクタ部17を介して図示しないデジタルアナログ変換器でアナログ変換されてスピーカ25に供給されるか、I/F部27を介して外部装置に供給される。セレクタ部17は、制御部30からのセレクト信号により制御される。これによりセレクタ部17は、TVチューナ12や入力部13からのデジタル信号を直接モニタする時、エンコーダ部21をスルーした信号を直接選択することも可能である。
【0029】
この実施形態の記録再生装置10は、このように総合的な機能を有するものであり、多くのソースに対してハードディスクドライブ部18(又は光ディスクD)による記録・再生処理を行うものである。次に、ここで、この記録再生装置10の、主に音声ライブラリ管理部42による登録された音声情報による編集処理等について、以下に詳細に説明する。
【0030】
<音声ライブラリの処理>
(概要)
初めに、音声ライブラリの処理の概要を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリに関する処理の一例を概説する説明図である。図2において、例えば、三つの連続ドラマの映像音声情報VD1,VD2,VD3が、ハードディスクドライブ部18に格納されている。ここで、各連続ドラマの映像音声情報VD1,VD2,VD3には、オープニングタイトル曲SD1、エンディングタイトル曲SD2が含まれており、少なくとも、これらの音声情報は同一のものである。
【0031】
これらについて、次のような音声ライブラリの処理が可能となる。すなわち、例えば、ドラマ第1話の映像音声情報VD1において、録画が終わった後に、音声ライブラリ管理部42によりオープニングタイトル曲SD1、エンディングタイトル曲SD2のそれぞれにつき、音声情報にチャプタ付けを行って音声ライブラリ登録をする。そして、その後、音声ライブラリを用いて、例えば、データ編集部20の働きにより、他の録画済の映像音声情報を対象に、例えば、チャプタポインタを設定する。
【0032】
更に、ドラマ第2話の映像音声情報VD2において、先ほどの音声ライブラリを用いて、データ編集部20等の働きにより、オープニングタイトル曲SD1、エンディングタイトル曲SD2のそれぞれについて、現在の記録レートよりも低い記録レートで再エンコードすることで、オープニングタイトル曲SD1、エンディングタイトル曲SD2の領域を圧縮して、記憶領域の節約を行うものである。
【0033】
更に、ドラマ第3話の映像音声情報VD3において、先ほどの音声ライブラリを用いて、データ編集部20等の働きにより、オープニングタイトル曲SD1、エンディングタイトル曲SD2のそれぞれについて、削除を行うことで、図2に示すように記憶領域の節約を行うものである。
【0034】
(音声ライブラリの登録処理)
次に、音声ライブラリ管理部42による音声ライブラリの登録処理について、図面を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリの登録処理の一例を示すフローチャート、図7は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリの登録処理の際の操作画面の一例を示す図、図8は、同じく登録処理の際の編集画面の一例を示す図、図9は、同じく登録処理の際の設定画面の一例を示す図である。
【0035】
本発明に係る記録再生装置においては、音声ライブラリは、一例として、制御部30及び音声ライブラリ管理部42の働きにより、既に録画されたコンテンツであるハードディスクドライブ部18、光ディスクドライブ部19中に記録されている映像音声情報の中から、ユーザの例えばリモコンRや操作部32の操作により任意に選択した音声情報が、例えば、音声ライブラリ管理部42の記憶領域に、音声ライブラリとして登録されるものである。
【0036】
すなわち、本発明に係る記録再生装置において、図3のフローチャートに示すように、例えば、予約録画管理部44の制御に応じて予約録画が完了した等により与えられる一つの映像音声情報について(S11)、再生指示があるとき(S12)、例えば、図8の操作画面においてユーザの操作により、音声ライブラリの登録モードが呼び出されると、音声ライブラリの登録処理が開始する。すなわち、主に、音声ライブラリ管理部42の制御により、ユーザのリモコンRや操作部32の操作に対応して、オープニング曲、又は、エンディング曲等の音声ライブラリのスタートタイミングが与えられる(S13)。この時に、図7に示すように、ディスプレイ26等に表示される再生画面M1において、音声ライブラリとして録音されている音声情報を視覚化して表示51すると共に、音声ライブラリを登録中(録音中)であることを表示することも好適である。又、音声ライブラリの登録が終了すれば、元データを消去することも好適である。この時、スタートタイミングからの音声データを、音声ライブラリとして、音声ライブラリ管理部42の記憶領域に記憶を開始する(S14)。
【0037】
次に、ユーザの操作により、音声ライブラリのエンドタイミングが与えられると(S15)、スタートタイミングからエンドタイミングまでの音声データを、一つの音声ライブラリとして、記憶を完了する(S16)。この時、図8のディスプレイ26等に表示される操作画面M2(又は記録再生装置10の本体の表示部33)において、音声情報SD1のスタートタイミングに対応する画面53とエンドタイミングに対応する画面54、又は、音声情報SD2のスタートタイミングに対応する画面55とエンドタイミングに対応する画面56を表示することで、ユーザに、スタートタイミングとエンドタイミングの確認を促し、この画面から各タイミングを微調整することも好適である。これにより、画面と音声との両面から最適の音声ライブラリの登録を行うことができる。
【0038】
次に、例えば、図9の操作画面M3に移行して、『音声ライブラリ登録』アイコン57を選択して、音声ライブラリを登録したら、その後、この音声ライブラリに、例えば、テキスト情報として、タイトルを対応付けることも好適である。すなわち、例えば、音声ライブラリSD1について、『音声ライブラリタイトル付け』アイコン58を選択することで、図示しない、あいうえお等の文字選択画面に移行しこの画面から『パテントライフオープニング曲』等のタイトルを設定して対応付けることも好適である。
【0039】
更に、この音声ライブラリSD1に対して、例えば、『チャプタ付け』アイコン60、『予約録画スタート』アイコン61、『自動削除』アイコン62、『ビットレートダウン』アイコン63等の機能を設定する(S17)。又、この際に、音声ライブラリとの比較処理を行うべき対象のコンテンツである映像音声情報を特定するが、これは、既にハードディスクドライブ部18中や音声ライブラリ管理部42の記憶領域にある映像音声情報であってもよいし、これから予約録画管理部44により予約録画される予定となっている映像音声情報であってもよい。これにより、後述する編集処理又は予約録画処理の際に、ライブラリ情報を用いた処理を行うことができる。
【0040】
このような音声ライブラリの登録処理は、コンテンツの再生終了の指示を受けるまで、音声ライブラリ単位に、ユーザの所望の回数だけ繰り返すことが可能となるものである(S18)。これにより、コンテンツ等の映像音声情報から、ユーザの任意の音声情報について、音声ライブラリ及びその機能等について登録処理を行うことができる。
【0041】
(音声ライブラリを用いた編集処理)
次に、このように登録した音声ライブラリを用いた処理の一例として、編集処理を図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリを用いた編集処理の一例を示すフローチャートである。すなわち、本発明に係る記録再生装置において、図4のフローチャートに示すように、例えば、予約録画管理部44の制御に応じて、又は、単にマニュアルにより録画処理が完了し(S21)、音声ライブラリ管理部42の働きによりコンテンツの編集処理を行う場合は(S22)、音声ライブラリ管理部42に登録されている音声ライブラリと、音声ライブラリ登録の際に比較処理の対象となることを特定されたコンテンツの音声データとを比較処理を行う。ここで、音声ライブラリと同一の音声情報が、コンテンツに含まれていることが検出されると(S23)、音声ライブラリ管理部42により先に登録されている編集処理等、例えば、『チャプタ付け』等の処理を行う。
【0042】
例えば、チャプタポインタを該当の音声情報の、例えば、先頭と末尾に自動的に設定することにより、ユーザが、録画したコンテンツを再生する際に、何度も聞いているドラマのオープニングタイトル曲を容易にスキップすることが可能となる。
【0043】
又、ここで、チャプタポインタ付けの処理に限らず、これ以外にも他の編集処理、例えば、現在の記録レートより低い記録レートの音声情報へと再エンコードするという処理を行うことも好適である。
【0044】
次に、音声ライブラリに対応する編集処理が終了すれば、他の音声ライブラリが、コンテンツに更に含まれていないかを検出し(S24)、検出すれば同様の編集処理を行い、更に、ポインタを適宜進めて、このような検出処理と編集処理をコンテンツの最後まで継続するものである(S25)。
【0045】
このように、音声ライブラリ管理部42に登録された編集処理を行うことにより、コンテンツの音声情報を有効に利用して、ユーザの意向に応じた編集処理を自動的に実行することが可能となる。
【0046】
(音声ライブラリをチャプタポインタの設定に用いた予約録画処理)
次に、音声ライブラリを用いた予約録画処理について、図5及び図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。図5及び図6は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリを用いた予約録画処理を示すフローチャートである。ここで、図5のフローチャートに示す音声ライブラリを用いた予約録画処理は、該当個所にチャプタを割り付ける場合であり、図6のフローチャートに示す音声ライブラリを用いた予約録画処理は、音声ライブラリを録画の開始トリガーとして使用する場合であり、どちらも、例えば、野球等の延長により、開始時刻が延長となったドラマ等の録画を確実に行うものである。
【0047】
初めに、音声ライブラリをチャプタポインタの設定に用いた予約録画処理について、図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0048】
すなわち、本発明に係る記録再生装置において、図5のフローチャートに示すように、例えば、音声ライブラリ管理部42及び予約録画管理部44の制御に応じて、例えば、予約情報に応じて録画予約を行うかどうかを判断する(S51)。次に、リピート予約を行うかどうかを判断する(S52)。ここで、音声ライブラリの予約録画処理について、必ずしもこのリピート予約を行うことを必須条件としないことも好適である。
【0049】
次に、音声ライブラリによる録画予約を設定するのであれば(S53)、音声ライブラリによるチャプタポインタ付けを設定するべく、例えばユーザのリモコンRの操作により予約情報が、予約録画管理部44に設定される(S54)。なお、ここで、通常の録画を行う場合は(S55)、音声ライブラリを使用することがはない。
【0050】
次に、このように設定された録画予約に応じて、予約録画が行われる。すなわち、録画予約で設定された日・開始時刻に到達したことが予約録画管理部44により検出されると(S56)、チューナ部12が起動され、予約情報に応じた放送局の放送信号が選局され、この放送信号が復調されて、これに応じた映像音声信号がチューナ部12から供給される。これに応じて、音声ライブラリ管理部42及び予約録画管理部44は、映像音声信号のハードディスクドライブ部18への録画処理を開始する(S57)。そして、予約終了時刻に達したら(S58)、録画処理を終了するものである(S59)。
【0051】
録画処理が終了すると、音声ライブラリによる録画予約が設定されていれば、録画された映像音声情報と音声ライブラリの音声情報とを比較して、これらの一致を検出すると(S60)、録画が完了した映像音声信号に、一致したタイミングでチャプタポインタを設定する(S61)。これにより、ユーザは、音声ライブラリの検出機能で設定されたチャプタポインタを利用することで、例えば野球等で延長となった番組の開始位置へと容易にスキップすることが可能となる。
【0052】
(音声ライブラリを録画スタートに用いた予約録画処理)
次に、本発明に係る記録再生装置において、図6のフローチャートに示すように、例えば、音声ライブラリ管理部42及び予約録画管理部44の制御に応じて、例えば、予約情報に応じて録画予約を行うかどうかを判断する(S31)。ここで、予約情報とは、8月25日等の日付情報、又は、毎週日曜日、又は、月曜〜金曜等の曜日情報と、午後10時から11時等の時刻情報と、地上波アナログの8チャンネル等の選局情報である。次に、リピート予約を行うかどうかを判断する(S32)。このリピート予約とは、毎週日曜日とか、毎月曜〜金曜とか、又は、毎日の午後7時〜8時等のような予約情報に応じて、反復的に行われる予約録画である。ここで、音声ライブラリの予約録画処理について、必ずしもこのリピート予約を行うことを必須条件としないことも好適である。
【0053】
次に、録画予約において、音声ライブラリによるスタート録画を設定するのであれば(S33)、音声ライブラリによるスタート設定と共に、リピート録画予約を行うべく、例えばユーザのリモコンRの操作により予約情報が、予約録画管理部44に設定される(S34)。
【0054】
次に、このように設定された録画予約に応じて、予約録画が行われる。すなわち、録画予約で設定された日・開始時刻に到達したことが予約録画管理部44により検出されると(S35)、チューナ部12が起動され、予約情報に応じた放送局の放送信号が選局され、この放送信号が復調されて、これに応じた映像音声信号がチューナ部12から供給される。
【0055】
音声ライブラリ管理部42及び予約録画管理部44は、チューナ部12からの音声データと録画予約情報が示す音声ライブラリとを比較して、これらの一致を検出すると(S36)、このタイミングで録画を開始する(S37)。更に、録画が開始されてから、予約情報で設定された、例えば1時間の放送時間が経過したかどうかが判断され(S38)、それが完了したら録画を終了する(S39)。この時に確認される放送時間は、個別に予約情報で与えられるものでも良いし、例えば、9:00〜10:00の予約時間を与えられた場合、この予約時間から求められた1時間という時間を用いることも好適である。
【0056】
この場合、予約時間が9:00〜10:00であり、放送が45分間延長となり、音声ライブラリの比較処理により検出された9時45分からの録画処理が1時間続けられ、10時45分で録画が終了するという例が考えられる。
【0057】
一方、音声ライブラリによるスタート録画が行われない時は、通常の予約録画が行われ(S40)、予約開始時刻から録画を開始して(S41、S42)、予約終了時刻に達すると(S43)、録画を終了するものである(S44)。
【0058】
以上記載した実施形態においては、光ディスクのディスクドライブ部等を含む複合機としての記録再生装置において、本発明の一実施形態を説明したが、これに限らず、例えば、ハードディスクドライブ部だけを扱う記録再生装置においても、同等の処理が可能であることは言うまでもない。
【0059】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリに関する処理の一例を概説する説明図。
【図3】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリの登録処理の一例を示すフローチャート。
【図4】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリを用いた編集処理の一例を示すフローチャート。
【図5】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリを用いた予約録画処理の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリを用いた予約録画処理の他の一例を示すフローチャート。
【図7】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリの登録処理の際の操作画面の一例を示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリの登録処理の際の調整画面の一例を示す図。
【図9】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の音声ライブラリの登録処理の際の設定画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0061】
11…ネットワークI/F部、12…チューナ部、13…入力部、18…ハードディスクドライブ部、19…光ディスクドライブ部、20…データ編集部、21…エンコーダ部、22…デコーダ部、23…フォーマッタ部、24…ビデオミキシング部、26…ディスプレイ、27…I/F部、30…制御部、32…操作部、33…表示部、R…リモコン、42…音声ライブラリ管理部、43…タイトルライブラリ管理部、44…予約録画管理部(音声対応)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を選局し復調して映像音声情報を出力するチューナ部と、
前記チューナ部の前記映像音声情報を記録領域に記録する記録部と、
前記記録部の前記映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録する音声ライブラリ管理部と、
前記チューナ部から出力される前記映像音声情報又は前記記録部の前記記録領域に記録されている他の映像音声情報と、前記音声ライブラリとを比較して、同一の音声情報を検出した時、前記チューナ部又は前記記録部からの前記映像音声情報の検出箇所に所定処理を施す処理部とを具備することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
与えられる日付情報又は曜日情報と、時刻情報と、選局情報とに基づき、前記チューナ部と記録部を制御して予約録画を行う予約録画管理部を更に有し、
前記処理部は、前記予約録画管理部が予約録画を行うことで記録された映像音声情報と、前記音声ライブラリとを比較して、同一の音声情報を検出した時、前記予約録画された前記映像音声情報の検出箇所にチャプタポインタを付加することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記予約録画管理部が予約録画を行うことで記録された映像音声情報と、前記音声ライブラリとを比較して、同一の音声情報を検出した時、前記予約録画された前記映像音声情報の検出箇所の音声情報を、現在の記録レートより低い記録レートの音声情報へと再エンコードすることを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記音声ライブラリ管理部は、前記記録部の前記映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録する際に、前記映像音声情報の前記音声ライブラリの開始位置と終了位置の映像情報を画面表示するべく映像情報を生成することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記音声ライブラリ管理部は、前記記録部の前記映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録する際に、この音声ライブラリに対応付けてタイトル情報を記録することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記音声ライブラリ管理部は、前記記録部の前記映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録する際に、前記映像音声情報に応じた表示画面の中に、音声ライブラリとなる音声情報を視覚化して表示させるための信号を生成することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項7】
放送信号を選局し復調して映像音声情報を出力するチューナ部と、
前記チューナ部の前記映像音声情報を記録領域に記録する記録部と、
前記記録部の前記映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録する音声ライブラリ管理部と、
与えられる曜日情報と、時刻情報と、選局情報とに基づき反復的に予約録画を行うべく予約録画情報を記憶領域に格納する予約管理部と、
前記予約管理部が格納した前記予約録画情報に基づいて、チューナ部を制御して所望の放送信号を選局し復調して映像音声情報を出力させ、この映像音声情報と前記音声ライブラリ管理部からの前記音声ライブラリとを比較して、同一であると判断すると、前記映像音声情報の録画を開始するべく制御する制御部と、
を具備することを特徴とする記録再生装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記映像音声情報と前記音声ライブラリ管理部からの前記音声ライブラリとが同一であると判断して前記映像音声情報の録画を開始し、あらかじめ前記予約管理部で与えられていた所定時間を経過すると録画を終了することを特徴とする請求項7記載の記録再生装置。
【請求項9】
放送信号を選局し復調して映像音声情報を出力し、前記出力された映像音声情報を記録領域に記録し、前記記録された映像音声情報を再生し、ユーザの指示に応じて、所定期間の音声情報を音声ライブラリとして記憶領域に記録し、新たに放送信号を選局し復調して得られた映像音声情報、又は、前記記録領域に記録されている他の映像音声情報と前記音声ライブラリとを比較して、同一の音声情報を検出した時、前記映像音声情報の検出箇所に所定処理を施すことを特徴とする記録再生方法。
【請求項10】
与えられる日付情報又は曜日情報と、時刻情報と、選局情報とに基づき予約録画を行い、
前記予約録画を行うことで記録された映像音声情報と、前記音声ライブラリとを比較して、同一の音声情報を検出した時、前記予約録画された前記映像音声情報の検出箇所に所定処理を施すことを特徴とする請求項9記載の記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−18904(P2006−18904A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194576(P2004−194576)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】