説明

記録媒体再生装置および記録媒体再生方法

【課題】楽曲データと関連付けられた楽曲管理情報が記録されていない記録媒体でも、簡易な操作でユーザの所望する楽曲を抽出して再生することができる記録媒体再生装置および記録媒体再生方法を提供する。
【解決手段】USBメモリ20に記録されている楽曲データ21のタイトルリストを表示部7に表示させて、登録したい属性情報が含まれている楽曲のタイトルを選択し再生して、再生中にタグ表示切り替えボタン12を操作して登録したい属性情報に切替えて、その属性情報をプリセットボタン11を長押しして登録する。その後、属性情報が登録されているプリセットボタン11が操作された場合は、USBメモリ20からそのプリセットボタン11に登録されている属性情報と一致する属性情報を持つ楽曲データ21を検索、抽出し、プリセットボタン11に登録されている属性情報と一致する属性情報を持つ楽曲データ21の再生リストを作成して自動再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDVD−R(Digital Versatile Disc-Recordable)やUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体に格納されたメタデータを含む楽曲データを再生する記録媒体再生装置および記録媒体再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、DVD−RやUSBメモリまたはUSB接続のハードディスクドライブ(HDD)などの大量の楽曲データを保有可能な再生媒体を再生機器で再生する際は、一般的には楽曲データが格納されたフォルダ構成に則った再生方法が取られる場合が多い。詳しく説明すると、例えば、AAAという名称のフォルダが作成され、そのフォルダに複数の楽曲データが格納されている場合、AAAフォルダが選択されるとAAAフォルダに格納されている楽曲データを連続、或いはランダムで再生するという再生方法である。
【0003】
この種の再生装置では、例えば、特定のアーティストの楽曲のみを選曲したい場合は、当該アーティストのフォルダを作成し、当該フォルダに該当する楽曲を格納しなければならず、フォルダが作成されていない場合は、そのような選曲は不可能であった。即ち、ある条件に合致する曲のみを選んで再生するという動作の実現は、予めフォルダによる分類がなされていない場合困難であった。
【0004】
一方、近年普及してきている携帯型の再生装置であるデジタルオーディオプレーヤでは、当該プレーヤが楽曲のタイトルとアーティスト、作曲者、ジャンルなどの属性情報が関連付けられた楽曲管理情報を保有しているため、特定のアーティスト名などのキーワードで聴きたい楽曲を絞り込んで再生することが可能である。
【0005】
また、記録媒体に記録されている楽曲データを検索して再生する再生装置として、例えば特許文献1に記載のデータ再生装置や特許文献2に記載のオーディオ装置が提案されている。
【0006】
特許文献1に記載されたデータ再生装置は、CD−Rなどの記録媒体に格納されている音楽ファイルやフォルダ等を音響記録再生装置のプリセットキーに登録し、その登録データ(キー登録テーブルデータ)を当該CD−Rに記録することで、記録媒体ごとに所望の楽曲を簡易な操作で再生している。
【0007】
特許文献2に記載されたオーディオ装置は、プリセットキーにアルバム名などの複数のオーディオデータを割り当て、当該プリセットキーが第1の入力状態の場合には、割り当てられたアルバム名の楽曲をスキャン再生し、当該プリセットキーが第2の入力状態の場合には、連続再生を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−203463号公報
【特許文献2】特開2009−295231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のデータ再生装置では、キー登録テーブルデータを記録媒体ごとに記録してしまうため、当該記録媒体以外ではプリセットキーに割り当てられた音楽ファイルやフォルダ等を検索することができないという問題があった。また、記録媒体にキー登録テーブルデータが記録されてしまうため読み出し専用の記録媒体には適用できない。例えばCD−Rではファイナライズしてしまうと追加記録できなくなるために、プリセットキーの割り当ては、ファイナライズ前に行わなければならないという問題がある。
【0010】
また、特許文献2に記載のオーディオ装置では、スキャン再生または通常再生しか行えず、ランダム再生やリピート再生など再生モードを選択することはできず、プリセットキーに設定された再生モードでしか再生できないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、楽曲データと関連付けられた楽曲管理情報が記録されていない記録媒体でも、簡易な操作でユーザの所望する楽曲を抽出して再生することができる記録媒体再生装置および記録媒体再生方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の記録媒体再生装置は、楽曲の複数の属性情報からなるメタデータおよび前記再生された際に音楽として出力される本体データを含む楽曲データが記録されている記録媒体と、前記記録媒体から前記メタデータに含まれている属性情報を表示可能な表示手段と、前記本体データを再生する再生手段と、を備えた記録媒体再生装置において、前記複数の属性情報のうち一つの属性情報が登録可能なプリセットボタンと、前記表示手段に表示された前記属性情報から任意の属性情報を選択して、前記プリセットボタンに登録する登録手段と、前記プリセットボタンが操作された場合は、前記記録媒体に記録されている楽曲データから当該プリセットボタンに登録されている前記属性情報を含む前記楽曲データを検索して抽出する抽出手段と、を備えていることを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の記録媒体再生方法は、楽曲の複数の属性情報からなるメタデータおよび前記再生された際に音楽として出力される本体データを含む楽曲データが記録されている記録媒体を再生する記録媒体再生方法において、前記属性情報が表示可能な表示手段に表示された前記属性情報から任意の属性情報を選択して、前記複数の属性情報のうち一つの属性情報が登録可能なプリセットボタンに登録する登録工程と、前記プリセットボタンが操作された場合は、前記記録媒体に記録されている楽曲データから当該プリセットボタンに登録されている前記属性情報を含む前記楽曲データを検索して抽出する抽出工程と、を含むことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例にかかる記録媒体再生装置の正面図である。
【図2】図1に示された記録媒体再生装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示されたUSBメモリ内に記録されている楽曲データの構成を示す説明図である。
【図4】図1に示された記録媒体再生装置の属性情報登録時の動作を示したフローチャートである。
【図5】図4に示された属性情報登録時の動作における表示部の表示の説明図である。
【図6】図1に示された記録媒体再生装置のプリセットボタン操作時の動作を示したフローチャートである。
【図7】図6に示されたプリセットボタン操作時の動作における表示部の表示の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置は、登録手段が、表示手段に表示された楽曲の属性情報から任意の属性情報を選択して、一つの属性情報が登録可能なプリセットボタンに登録し、抽出手段が、プリセットボタンが操作された場合は、記録媒体に記録されている楽曲データから当該プリセットボタンに登録されている属性情報を含む楽曲データを検索して抽出するので、プリセットボタンに属性情報を登録するだけでよく、楽曲管理情報が必要なく、記録媒体の種類や内容によらず所望の楽曲の検索と抽出ができ、抽出後の再生モードも制限されない。そのため、記録媒体の種類に依存しない均一な操作が実現でき、簡易な操作でユーザの所望する楽曲を抽出して再生することが可能となる。
【0016】
また、登録手段は、表示手段に表示された属性情報の一つである楽曲のタイトルをリスト状に構成したタイトルリストから任意の楽曲を選択する選択手段と、選択手段が選択した任意の楽曲の属性情報を切り替える属性切替手段と、属性切替手段によって切り替えられる属性情報から登録する属性情報を確定する登録確定手段と、を備えてもよい。このようにすることにより、表示手段に表示されたタイトルリストから所望の属性情報を含む楽曲を選択して、属性情報を切替えて登録を確定することで、簡易な操作でユーザがプリセットボタンに属性情報を登録することができる。
【0017】
また、表示手段は、抽出手段が抽出した楽曲データのタイトルをリスト状に構成して表示してもよい。このようにすることにより、表示されたリストから任意の楽曲のみを選択して再生することができる。
【0018】
また、再生手段は、抽出手段が抽出した前記楽曲データを自動再生してもよい。このようにすることにより、抽出された楽曲データを自動的に再生されるので、プリセットボタンを押すだけで所望の楽曲の再生をすることができる。
【0019】
また、複数種類の記録媒体を備えて、抽出手段は、その複数種類の記録媒体に亘ってプリセットボタンに登録されている属性情報を含む楽曲データを検索して抽出してもよい。このようにすることにより、例えばDVD−RとUSBメモリなど、複数種類の記録媒体に亘って所望の楽曲を抽出することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生方法は、登録工程で、属性情報が表示可能な表示手段に表示された楽曲の属性情報から任意の属性情報を選択して、一つの属性情報が登録可能なプリセットボタンに登録し、抽出工程で、プリセットボタンが操作された場合は、記録媒体に記録されている楽曲データから当該プリセットボタンに登録されている属性情報を含む楽曲データを検索して抽出するので、プリセットボタンに属性情報を登録するだけでよく、楽曲管理情報が必要なく、記録媒体の種類や内容によらず所望の楽曲の検索と抽出ができ、抽出後の再生モードも制限されない。そのため、記録媒体の種類に依存しない均一な操作が実現でき、簡易な操作でユーザの所望する楽曲を抽出して再生することが可能となる。
【実施例】
【0021】
本発明の一実施例を、図1乃至図5を参照して説明する。本発明の一実施例にかかる記録媒体再生装置としてのカーオーディオ装置1は、図1および図2に示したように、筐体2と、USBインタフェース(I/F)3と、再生部4と、出力部5と、CPU6と、表示部7と、ROM8と、RAM9と、操作部10と、を備え、車両のインストルメントパネルなどに設置されている。
【0022】
筐体2は、図1に示したように箱状に形成され、そのうち車両のインストルメントパネルに設置された際に使用者と相対する面2aにUSBI/F3と、表示部7と、操作部10と、が設けられている。そして、筐体2は、図2に示したカーオーディオ装置1の各構成要素を収容している。
【0023】
USBI/F3は、後述するUSBメモリ20と接続するためのコネクタと、USB規格に沿った通信を行う通信制御部等を備え、CPU6からの指示に基づいてUSBメモリ20に記録されている楽曲データを読み出して再生部4に出力する。
【0024】
再生手段としての再生部4は、デコーダやDAコンバータなどを備えており、USBI/F3が読み出した楽曲データをデコードし、属性情報はCPU6へ出力し、楽曲内容を示すデータはアナログ信号に変換して出力部5に出力する。
【0025】
出力部5は、アンプや出力端子等を備えており、再生部4で再生されたアナログ信号を外部のスピーカ等に出力する。
【0026】
CPU6は、ROM8に記録された制御プログラムに沿って動作してカーオーディオ装置1の再生や表示および、後述するプリセットボタン11への登録処理やプリセットボタン11操作時の処理を含む全体制御を司る。
【0027】
表示手段としての表示部7は、例えば液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザに対してUSBメモリ20の内容やCPU6が処理した結果等を出力表示する。
【0028】
ROM8は、CPU6が動作する制御プログラムが記憶されている。RAM9はCPU6が動作する際のワークエリアとして種々なデータが一時的に記憶される。
【0029】
操作部10は、プリセットボタン11と、タグ表示切り替えボタン12と、決定ボタン13と、を備えている。
【0030】
プリセットボタン11は、矩形状に形成されたボタンであり、第1プリセットボタン11a〜第6プリセットボタン11fまでの6つが設けられ、各ボタン一つにつき、楽曲データのタグデータ内の一つの属性情報が登録可能となっている。なお、プリセットボタン11は機械的な押しボタンに限らず、タッチパネルなど単に押す(触れる)操作で機能が動作するものであればよい。
【0031】
属性切替手段としてのタグ表示切り替えボタン12は、矩形状に形成されたボタンであり、楽曲データを再生中に表示部7に表示されたタグデータの属性情報を押す毎に切り替える。
【0032】
選択手段としての決定ボタン13は、円筒状に形成され、使用者と相対する面2aから突出して設けられている。決定ボタン13は、表示部7に選択表示された楽曲の再生を押す操作によって決定する。また、決定ボタン13は、円筒の周方向に回転させることで、表示部7に表示されたリストなどからの選択や、楽曲再生時の音量の調整などを行うことができる。
【0033】
記録媒体としてのUSBメモリ20は、USBI/F3のコネクタと接続するためのコネクタと、楽曲データが記録されている不揮発性メモリと、不揮発性メモリとの入出力及びUSB規格に沿った通信を行う制御部等と備え、カーオーディオ装置1のUSBI/F3と接続されると、不揮発性メモリに記録されている楽曲データが読み出させる。
【0034】
ここで、USBメモリ20に記録される楽曲データについて図3を参照して説明する。楽曲データ21は、複数の属性情報から構成されるメタデータとしてタグデータ22と、楽曲の内容を示す本体データ23から構成されている。そして、楽曲データ21は楽曲1、楽曲2、…、楽曲nと楽曲ごとに構成されてUSBメモリ20に記録されている。タグデータ22を構成する属性情報としては、例えば、楽曲のタイトル、アーティスト名、当該楽曲が属するアルバム名、ロックやポップスといったジャンル、楽曲の作曲者、リリース年などが挙げられる。
【0035】
次に、上述した構成のカーオーディオ装置1において、プリセットボタン11に属性情報を登録する動作を図4および図5を参照して説明する。図4に示したフローチャートはCPU6で実行される。なお、図5において、USBメモリ20は、USBI/F3に装着された状態を示している。
【0036】
まず、ステップS101において、装着されたUSBメモリ20に記録されている楽曲データのタイトルリストを作成してステップS102に進む。本実施例のカーオーディオ装置1では、まず、USBメモリ20が装着されると、USBメモリ20内の全楽曲データ21から属性情報の1つであるタイトルを読み出してリスト状に構成したタイトルリストを作成し、表示部7に表示する。
【0037】
次に、ステップS102において、登録したい属性情報が含まれている楽曲のタイトルを選択してステップS103に進む。本ステップでは、表示部7に表示されたタイトルリストから登録したい属性情報(例えばアーティスト名)が含まれている楽曲のタイトルを選択している。例えば、図5(a)では、NORI_SOUNDというタイトルの楽曲が選択されている。
【0038】
次に、ステップS103において、選択した楽曲を再生してステップS104に進む。本ステップでは、ステップS102で選択した楽曲データを再生部4で再生させている。この際に、表示部7では図5(b)に示すように、再生楽曲のタイトルが表示される。
【0039】
次に、ステップS104において、タグ表示切り替えボタン12により再生中の楽曲データ21における登録したい属性情報に切り替えてステップS105に進む。
【0040】
次に、ステップS105において、ユーザがプリセットボタン11を長押ししてステップS106に進む。図5(c)では、一例として第1プリセットボタン11aを長押ししている。
【0041】
次に、ステップS106において、長押ししているプリセットボタン11にすでに属性情報が登録されているか否か判断し、登録されている場合(YESの場合)はステップS107に進み、登録されていない場合(NOの場合)はステップS108に進む。
【0042】
次に、ステップS107において、長押ししているプリセットボタン11に登録されている属性情報を消去してステップS108に進む。
【0043】
次に、ステップS108において、表示中の属性情報を長押ししているプリセットボタン11に登録する。図5(c)の場合、「アーティスト名がNORI_SUZUKI」という情報が第1プリセットボタン11aに登録される。即ち、プリセットボタン11が登録確定手段として機能する。
【0044】
このように図4のフローチャートを実行することで表示部7に表示された属性情報から任意の属性情報を選択して、プリセットボタン11に登録することができ、CPU6は登録手段として機能し、図4のフローチャートが登録工程となる。
【0045】
次に、属性情報が登録されているプリセットボタン11が操作された際の動作を図6および図7を参照して説明する。図6に示したフローチャートはCPU6で実行される。
【0046】
まず、ステップS201において、ユーザがプリセットボタン11を操作したことを検出してステップS202に進む。
【0047】
次に、ステップS202において、操作されたプリセットボタン11に属性情報が登録されているか否かを判断し、登録されている場合(YESの場合)はステップS203に進み、登録されていない場合(NOの場合)は終了する。
【0048】
次に、ステップS203において、検索対象とする楽曲を、記録媒体(USBメモリ20)に記録されている1番目の楽曲に設定しステップS204に進む。
【0049】
次に、ステップS204において、プリセットボタン11に登録されている属性情報と検索対象の楽曲の属性情報が一致したか否かを判断し、一致した場合(YESの場合)はステップS205に進み、一致しない場合(NOの場合)はステップS208に進む。本ステップでは、検索対象の楽曲データ21のタグデータ22内を検索して、プリセットボタン11に登録されている属性情報(例えば、アーティスト名がNORI_SUZUKI)と一致するかを判断している。
【0050】
次に、ステップS205において、当該楽曲データ21がプリセットボタン11に登録されている属性情報と検索対象の楽曲の属性情報が一致した最初の楽曲か否かを判断し、最初の楽曲である場合(YESの場合)はステップS206に進み、最初の楽曲で無い場合(NOの場合)はステップS207に進む。
【0051】
次に、ステップS206において、現在の再生リストを消去し、プリセットボタン11に登録されている属性情報が一致した楽曲を再生リストに登録してステップS208に進む。本ステップでは、他のプリセットボタン11が操作された際に作成された古い再生リストが残っていたので、その古い再生リストを消去し、ステップS201で押されたプリセットボタン11に登録されている属性情報に一致する楽曲の再生リストを新たに作成している。
【0052】
一方、ステップS207においては、検索対象の楽曲を再生リストを追加してステップS208に進む。本ステップでは、ステップS206が実行され、ステップS201で押されたプリセットボタン11に登録されている属性情報に一致する楽曲の再生リストが作成されているので、その再生リストにステップS204でプリセットボタン11に登録されている属性情報に一致したと判断された楽曲を追加している。
【0053】
次に、ステップS208において、記録媒体に記録されている全ての楽曲を検索したか否かを判断し、検索した場合(YESの場合)はステップS209に進み、検索していない場合(NOの場合)はステップS212に進む。
【0054】
次に、ステップS209において、プリセットボタン11に登録されている属性情報が一致する楽曲が見つかったか否かを判断し、見つかった場合(YESの場合)はステップS210に進み、見つからなかった場合(NOの場合)はステップS211に進む。
【0055】
次に、ステップS210において、再生リストの最初の楽曲から再生を行う。つまり、プリセットボタン11に登録されている属性情報が一致した楽曲を再生部4に再生させている。なお、本ステップでは、再生リストの最初の楽曲から再生部4に再生させているが、それに限らず、再生リスト内でのランダム再生としてもよい。或いは、再生中に再生モード(ランダム、リスト順等)の切り替えを行ってもよい。
【0056】
一方、ステップS211においては、プリセットボタン11に登録されている属性情報が一致する楽曲が見つからなかったことをユーザに通知する。ユーザへの通知は例えば表示部7にメッセージを表示してもよいし、音声等で通知するようにしてもよい。
【0057】
また、ステップS212においては、ステップS208で記録媒体に記録されている全ての楽曲を検索していないと判断されたため、検索対象の楽曲を記録媒体に記録されている次の楽曲に設定し、ステップS204に戻る。
【0058】
図6のフローチャートのように動作させることで、図7に示したように、例えば、第1プリセットボタン11aが操作された場合は、USBメモリ20に記録されている楽曲データ21から第1プリセットボタン11aに登録されている属性情報を含む楽曲データ21を検索して抽出することができ、その後は、抽出された楽曲のリストである再生リストを作成し、自動再生するとともに表示部7に表示することができる。即ち、CPU6が抽出手段として機能し、図6のフローチャートが抽出工程となる。
【0059】
本実施例によれば、USBメモリ20に記録されている楽曲データ21のタイトルリストを表示部7に表示させて、登録したい属性情報が含まれている楽曲のタイトルを選択し再生して、再生中にタグ表示切り替えボタン12を操作して登録したい属性情報に切替えて、その属性情報をプリセットボタン11を長押しして登録する。その後、属性情報が登録されているプリセットボタン11が操作された場合は、USBメモリ20からそのプリセットボタン11に登録されている属性情報と一致する属性情報を持つ楽曲データ21を検索、抽出し、プリセットボタン11に登録されている属性情報と一致する属性情報を持つ楽曲データ21の再生リストを作成して自動再生している。そのため、USBメモリ20に楽曲管理情報を持たない場合でも所望の楽曲の検索と抽出ができ、抽出後の再生モードも制限されない。また、プリセットボタン11を押すだけで所望の楽曲を抽出して再生するため、記録媒体の種類に依存しない均一な操作が実現でき、簡易な操作でユーザの所望する楽曲を抽出して再生することができる。
【0060】
なお、上述した実施例では属性情報が登録されたプリセットボタン11を操作した際には、登録されている属性情報と一致する属性情報を持つ楽曲データ21を検索、抽出し、プリセットボタン11に登録されている属性情報と一致する属性情報を持つ楽曲データ21の再生リストを作成して自動再生しているが、自動再生せずに、再生リストを表示部7に表示するだけでもよい。このようにすることで、再生リストから任意の楽曲のみを選択して再生することができる。
【0061】
また、上述した実施例では、記録媒体としてUSBメモリ20を示したが、DVD−Rなど別の記録媒体でもよい。また、カーオーディオ装置1などにおいて、USBメモリ20とDVD−Rなど複数種類の記録媒体を同時に装着可能に構成し、属性情報が登録されたプリセットボタン11を操作した際には、USBメモリ20だけでなく、DVD−Rにおいても登録されている属性情報と一致する属性情報を持つ楽曲データ21を検索、抽出対象としてもよい。即ち、複数種類の記録媒体に亘ってプリセットボタンに登録されている属性情報を含む楽曲データを検索して抽出してもよい。このようにすることにより、複数種類の記録媒体に亘って所望の楽曲を抽出することができる。
【0062】
また、上述した実施例では、カーオーディオ装置1で説明したが、それに限らず、家庭内に設置するオーディオ機器や携帯用オーディオ機器などに適用してもよい。
【0063】
前述した実施例によれば、以下のカーオーディオ装置1および記録媒体再生方法が得られる。
【0064】
(付記1)楽曲の複数の属性情報からなるタグデータ22および再生された際に音楽として出力される本体データ23を含む楽曲データ21が記録されているUSBメモリ20と、USBメモリ20からタグデータ22に含まれている属性情報を表示可能な表示部7と、本体データ23を再生する再生部4と、を備えたカーオーディオ装置1において、
複数の属性情報のうち一つの属性情報が登録可能なプリセットボタン11と、
表示部7に表示された属性情報から任意の属性情報を選択して、プリセットボタン11に登録するCPU6と、
プリセットボタン11が操作された場合は、USBメモリ20に記録されている楽曲データ21から当該プリセットボタン11に登録されている属性情報を含む楽曲データ21を検索して抽出するCPU6と、
を備えていることを特徴とするカーオーディオ装置1。
【0065】
(付記2)楽曲の複数の属性情報からなるタグデータ22および再生された際に音楽として出力される本体データ23を含む楽曲データ21が記録されているUSBメモリ20を再生する記録媒体再生方法において、
表示部7に表示された属性情報から任意の属性情報を選択して、複数の属性情報のうち一つの属性情報が登録可能なプリセットボタン11に登録する登録工程と、
プリセットボタン11が操作された場合は、USBメモリ20に記録されている楽曲データ21から当該プリセットボタン11に登録されている属性情報を含む楽曲データ21を検索して抽出する抽出工程と、
を含むことを特徴とする記録媒体再生方法。
【0066】
このカーオーディオ装置1および記録媒体再生方法によれば、楽曲管理情報を持たず、プリセットボタン11に属性情報が登録されているために、記録媒体の種類や内容によらず所望の楽曲の検索と抽出ができ、抽出後の再生モードも制限されない。そのため、記録媒体の種類に依存しない均一な操作が実現でき、簡易な操作でユーザの所望する楽曲を抽出して再生することが可能となる。
【0067】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 カーオーディオ装置(記録媒体再生装置)
4 再生部(再生手段)
6 CPU(登録手段、抽出手段)
7 表示部(表示手段)
11 プリセットボタン(登録確定手段)
12 タグ表示切り替えボタン(属性切替手段)
13 決定ボタン(選択手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲の複数の属性情報からなるメタデータおよび再生された際に音楽として出力される本体データを含む楽曲データが記録されている記録媒体と、前記記録媒体から前記メタデータに含まれている属性情報を表示可能な表示手段と、前記本体データを再生する再生手段と、を備えた記録媒体再生装置において、
前記複数の属性情報のうち一つの属性情報が登録可能なプリセットボタンと、
前記表示手段に表示された前記属性情報から任意の属性情報を選択して、前記プリセットボタンに登録する登録手段と、
前記プリセットボタンが操作された場合は、前記記録媒体に記録されている楽曲データから当該プリセットボタンに登録されている前記属性情報を含む前記楽曲データを検索して抽出する抽出手段と、
を備えていることを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項2】
前記登録手段は、前記表示手段に表示された前記属性情報の一つである楽曲のタイトルをリスト状に構成したタイトルリストから任意の楽曲を選択する選択手段と、前記選択手段が選択した任意の楽曲の前記属性情報を切り替える属性切替手段と、前記属性切替手段によって切り替えられる前記属性情報から登録する前記属性情報を確定する登録確定手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記抽出手段が抽出した前記楽曲データのタイトルをリスト状に構成して表示することを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体再生装置。
【請求項4】
前記再生手段は、前記抽出手段が抽出した前記楽曲データを自動再生することを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体再生装置。
【請求項5】
複数種類の前記記録媒体を備え、前記抽出手段は、その複数種類の前記記録媒体に亘って前記プリセットボタンに登録されている前記属性情報を含む前記楽曲データを検索して抽出することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項6】
楽曲の複数の属性情報からなるメタデータおよび再生された際に音楽として出力される本体データを含む楽曲データが記録されている記録媒体を再生する記録媒体再生方法において、
表示手段に表示された前記属性情報から任意の属性情報を選択して、前記複数の属性情報のうち一つの属性情報が登録可能なプリセットボタンに登録する登録工程と、
前記プリセットボタンが操作された場合は、前記記録媒体に記録されている楽曲データから当該プリセットボタンに登録されている前記属性情報を含む前記楽曲データを検索して抽出する抽出工程と、
を含むことを特徴とする記録媒体再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−146355(P2012−146355A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2738(P2011−2738)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】