説明

記録媒体収納装置および画像形成装置

【課題】迅速かつ正確に、あらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができる記録媒体収納装置およびこれを備えた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】給紙トレイ200は、載置台240と、送りコロ205と、記録媒体Sの記録媒体搬送方向先端が当接してその先端の位置を規制する壁部材201aと、記録媒体Sの搬送に伴って従動回転する従動コロ208と、従動コロ208の回転量を検出する回転検出機構と、送りコロ205により記録媒体Sが搬送されるとき、回転検出機構が検出する従動コロ208の回転量と従動コロ208の円周長とに基づいて従動コロ208から載置台240における記録媒体Sの後端位置までの距離を測定し、測定した距離を、従動コロ208から壁部材201aまでの設計距離に加算して、記録媒体Sの副走査方向長さを算出する制御部250と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を収納する記録媒体収納装置およびこの記録媒体収納装置を搭載した複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置としては、搬送される用紙の表面に従動コロを当接させ、従動コロの回転量を計測した結果に応じて駆動機構を調節することで用紙の送り量の補正を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のものは、ロール紙の送り量補正を目的として、エンコーダ付き従動コロを用紙に当接させるよう構成されている。
【0003】
また、この種の画像形成装置としては、搬送路の途中に用紙通過検出センサを配設し、通過の時間間隔から用紙の長さを特定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のものは、用紙通過検出センサにより検出された用紙の長さと、予め設定された記録媒体サイズとが異なる場合に作像を中止するよう構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、ロール紙の送り量補正を目的として構成されているため、カット紙の長さを特定することができないという問題があった。また、仮に、カット紙の長さを特定する場合は、測定したい用紙の全ての長さに対して従動コロを転がさなければならないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載のものは、用紙の搬送速度変化に対応できないという問題、および、用紙の詳細なサイズを特定できないという問題があった。また、用紙通過検出センサが搬送路の途中に設けられているため、大サイズの用紙を用いる場合、長さ用紙通過検出センサでの長さ検出が終わらないうちに、用紙の先端が画像形成部に到達してしまうという問題があった。
【0006】
このように、従来の画像形成装置では、用紙の長さを特定するために従動コロが用紙全てを転がる必要があったり、また、用紙の速度に依存して検出される用紙長さのばらつきが大きいという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、迅速かつ正確に、あらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができる記録媒体収納装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る記録媒体収納装置は、記録媒体を載置する載置台と、前記載置台に載置された記録媒体を1枚ずつ搬送する搬送手段と、前記載置台の記録媒体搬送方向先端部に立設され、前記載置台に載置された記録媒体の記録媒体搬送方向先端が当接して該先端の位置を規制する壁部材と、前記壁部材から記録媒体搬送方向後方の所定位置に配置され、前記載置台上の記録媒体に当接するとともに前記搬送手段による記録媒体の搬送に伴って従動回転する従動コロと、前記従動コロの回転量を検出する回転量検出手段と、前記搬送手段により前記記録媒体が搬送されるとき、前記回転量検出手段が検出する前記従動コロの回転量と前記従動コロの円周長とに基づいて前記従動コロから前記載置台における記録媒体の後端位置までの距離を測定し、測定した前記距離を、前記従動コロから前記壁部材までの設計距離に加算して、前記記録媒体の副走査方向長さを算出する副走査方向長さ算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成により、載置台で記録媒体の長さを測定するので、従来のように搬送路の途中で記録媒体の長さを測定する場合と比較して、敏速に記録媒体サイズの特定を行うことができる。また、従動コロの回転量を検出することで記録媒体の長さを測定するので、記録媒体の搬送速度の変動に関わらず正確にあらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができる。したがって、迅速かつ正確に、あらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記載置台への記録媒体載置時に記録媒体載置を妨げない退避位置に前記従動コロを退避させる従動コロ退避手段を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成により、載置台への記録媒体載置時に従動コロにより記録媒体載置が妨げられてしまうことを防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記回転量検出手段は、前記従動コロと同軸回転しスリットが形成された回転体と、前記回転体のスリットの透過と遮光を検出する透過型センサと、を有することを特徴とする。
【0013】
この構成により、従動コロの回転量を良好に検出することができる。
【0014】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記回転量検出手段は、前記従動コロと同軸回転しスリットが形成された回転体と、前記回転体のスリットの凹凸を検出する反射型センサと、を有することを特徴とする。
【0015】
この構成により、回転体の挟み込むように回転検出用の部材を配置できない場合であっても、従動コロの回転量を良好に検出することができる。
【0016】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記回転量検出手段は、前記従動コロと同軸回転しパターンが形成された回転体と、前記回転体のパターンを検出するエンコーダセンサと、を有することを特徴とする。
【0017】
この構成により、従動コロの回転量を良好に詳細に検出することができ、また、回転量検出手段を小型化することができる。
【0018】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記載置台は、前記壁部が低位になるように傾斜設置されていることを特徴とする。
【0019】
この構成により、記録媒体の先端が壁部に自重で突き当たるので、自重により記録媒体の先端を揃えることができる。
【0020】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記載置台は、前記記録媒体を持ち上げるための上昇可能な底板を有することを特徴とする。
【0021】
この構成により、残りの記録媒体の枚数に関わらず、記録媒体を搬送することができる。
【0022】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記載置台に積載された記録媒体の主走査方向両端部にそれぞれ当接して前記記録媒体の主走査方向位置を所定位置に規制する1対の規制部材と、前記1対の規制部材の少なくとも一方を移動させる規制部材駆動手段と、前記規制部材が、前記1対の規制部材が最大に離隔した待機位置から移動を開始し、前記記録媒体の主走査方向端部に当接して前記記録媒体を所定位置に規制して停止するよう前記規制部材駆動手段を制御するとともに、前記規制部材の待機位置から停止位置までの移動量を測定して、前記移動量に基づいて前記記録媒体の主走査方向長さを算出する主走査方向長さ算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成により、主走査方向のサイズの異なる記録媒体に対応することができ、また、主走査方向のサイズを無段階に測定することができる。
【0024】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記載置台の記録媒体載置面は、記録媒体副走査方向に屈曲する屈曲部を有し、前記従動コロを前記屈曲部に対向する位置に支持し、前記従動コロにより前記記録媒体を前記載置台に押えつける押え部材と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
この構成により、押え部材により従動コロを介して記録媒体を載置台の屈曲部に押えつけられるので、記録媒体が屈曲して主走査方向の剛性が高まった状態で載置されることとなり、規制部材により記録媒体を規制するときに記録媒体が変形することを防止することができる。
【0026】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記副走査方向長さ算出手段は、前記載置台上に記録媒体が複数枚ある場合には少なくとも最初に搬送される一枚の記録媒体の副走査方向長さを算出することを特徴とする。
【0027】
この構成により、最初に搬送される一枚の記録媒体の副走査方向長さを算出することで、速やかに記録媒体の副走査方向長さを特定することができる。
【0028】
また、本発明に係る記録媒体収納装置は、前記主走査方向長さ算出手段による前記記録媒体の主走査方向長さの算出と前記副走査方向長さ算出手段による前記記録媒体の副走査方向長さの算出を一連の動作で行って前記記録媒体の副走査方向長さおよび主走査方向長さを一度に特定することを特徴とする。
【0029】
この構成により、記録媒体の副走査方向長さおよび主走査方向長さを一度に特定することができる。
【0030】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記記録媒体収納装置と、前記記録媒体収納装置が収納する記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備え、前記記録媒体収納装置から前記画像形成手段に記録媒体が到達する前に、前記主走査方向長さ算出手段により算出された前記記録媒体の主走査方向長さと、前記副走査方向長さ算出手段により算出された前記記録媒体の副走査方向長さに応じて、前記記録媒体に形成する画像サイズを決定することを特徴とする。
【0031】
この構成により、画像形成手段に記録媒体が到達する前に、予め画像サイズを決定することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、迅速かつ正確に、あらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができる記録媒体収納装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態に係る記録媒体収納装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】一実施の形態の給紙トレイの概略構成を示す斜視図である。
【図3】一実施の形態の給紙トレイの従動コロの回転検出機構を示す図である。
【図4】一実施の形態の給紙トレイの従動コロの回転検出機構の他の例を示す図である。
【図5】一実施の形態の給紙トレイの側面図である。
【図6】一実施の形態の給紙トレイの断面図である。
【図7】一実施の形態の給紙トレイの他の例の断面図である。
【図8】一実施の形態の給紙トレイの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置である複写機(以下、複写機100と呼ぶ)に適用した場合を例にして説明する。なお、本実施の形態では画像形成装置が複写機である構成について説明するが、プリンタ、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
【0035】
まず、複写機100の基本的な構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る複写機100を示す概略構成図である。この複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ部150と、スキャナ部150に支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
【0036】
給紙装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42から記録媒体S(転写紙)を送り出す送出ローラ43と、送り出された記録媒体Sを分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部1の紙搬送路37に記録媒体Sを搬送する複数の搬送ローラ46等も有している。給紙装置40は、給紙カセット42内の記録媒体Sをプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙するようになっている。
【0037】
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ部150は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部151と、移動読取部152とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサ等を有する固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第一コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。
【0038】
一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第二コンタクトガラスの直下であって、固定読取部151の図中右側方に配設されており、光源や、反射ミラー等からなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿MSを走査する。このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で得られた画像情報に基づいて、後述するように光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K、Y、M、C)に向けてレーザー光Lを照射する。
【0039】
プリンタ部1は、光書込装置2からの書込光によりK、Y、M、Cの各色のトナー像を形成する四つの作像ユニット3(K、Y、M、C)、転写ユニット90、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置60等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の四つの感光体4(K、Y、M、C)に向けて書込光(レーザー光)を照射する。この照射により、潜像担持体である感光体4(K、Y、M、C)の表面に静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK、Y、M、Cという添字は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン用の仕様であることを示している。なお、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、後述する定着装置60において熱と圧力を加えられて記録媒体Sに定着する。
【0040】
作像ユニット3(K、Y、M、C)は、それぞれ、潜像担持体である感光体4と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体によって支持するものであり、複写機100本体に対して着脱可能になっている。ブラック用の作像ユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置を有している。また、後述するK用の一次転写ニップを通過した後の感光体4Kの表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置等も有している。複写機100では、四つの作像ユニット3(K、Y、M、C)を、後述する中間転写ベルト91に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
【0041】
四つの作像ユニット3(K、Y、M、C)について説明する。なお、四つの作像ユニット3(K、Y、M、C)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、K、Y、M、Cの添字を省略し、以下、単に作像ユニット3という。
【0042】
作像ユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置の帯電ローラ、現像装置、ドラムクリーニング装置、除電装置の除電ランプ等を有している。
【0043】
感光体4としては、複写機100では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、感光体としては無端ベルト状のものを用いても良い。
【0044】
現像装置は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を現像剤担持体である現像ローラに担持し、現像ローラと感光体4との対向部である現像領域で感光体4上の静電潜像にトナーを供給して、静電想像を可視像化させる。また、現像装置は、現像ローラの表面に供給する二成分現像剤を収容する現像剤収容部を備え、現像剤収容部は収容する二成分現像剤を攪拌する不図示の攪拌部材が設けられている。現像ローラは回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、現像剤収容部内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱した後、現像剤収容部内に戻される。現像剤収容部内には、不図示のトナー濃度センサが配置されており、このトナー濃度センサによる検知結果に基づいて、現像剤収容器内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
【0045】
プリンタ部1では、四つの作像ユニット3(K、Y、M、C)の感光体4(K、Y、M、C)には、これまで説明してきた作像プロセスによってK、Y、M、Cのトナー像が形成される。
【0046】
四つの作像ユニット3(K、Y、M、C)の下方には、転写ユニット90が配設されている。この転写ユニット90は、複数の張架ローラによって張架されたトナー像担持体としての中間転写ベルト91を備え、中間転写ベルト91を挟んで第一張架ローラに対向する位置には、ベルトクリーニング装置が配置されている。ベルトクリーニング装置は、後述する二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト91上に残留するトナーを除去するために配置されている。転写ユニット90では中間転写ベルト91を感光体4(K、Y、M、C)に当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4(K、Y、M、C)と中間転写ベルト91とが当接するK、Y、M、C用の一次転写ニップが形成されている。K、Y、M、C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写装置の各色毎の一次転写ローラによって中間転写ベルト91が感光体4(K、Y、M、C)に向けて押圧されている。四つの一次転写ローラには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K、Y、M、C用の一次転写ニップでは、感光体4(K、Y、M、C)上のトナー像を転写体たる中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK、Y、M、C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。本実施の形態の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラを備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
【0047】
一次転写ニップを通過した後の感光体4の表面には、中間転写ベルト91に一次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、作像ユニット3のドラムクリーニング装置により、感光体4の表面から除去され、図示しない回収スクリューおよびトナーリサイクル装置によって、現像装置に回収され、再利用される。
【0048】
プリンタ部1は、転写ユニット90の図中下方に、紙搬送ベルトを掛け渡して無端移動させる二次転写ユニットとしての紙搬送ユニット28を備えている。複写機100では紙搬送ユニット28と中間転写ベルト91とが当接する二次転写ニップが形成されている。
【0049】
この二次転写ニップの図中右側には、レジストローラ対33が配設されている。レジストローラ対33はローラ間に挟み込んだ記録媒体Sを中間転写ベルト91上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト91上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって記録媒体Sに一括二次転写され、記録媒体Sの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過し、表面にトナー像が転写された記録媒体Sは、中間転写ベルト91から離間して、紙搬送ユニット28により定着装置60へと搬送される。
【0050】
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト91の表面には、二次転写ニップで記録媒体Sに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト91に当接するように配置されたベルトクリーニング装置によって掻き取り除去される。
【0051】
定着装置60に搬送された記録媒体Sは、定着装置60内でフルカラーのトナー画像が定着された後、定着装置60から送り出され、排紙トレイ10上に排紙される。
【0052】
なお、複写機100は、紙搬送ユニット28と定着装置60との下方に、反転装置であるスイッチバック装置36を備えている。記録媒体Sの両面に画像形成を行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた記録媒体Sの進路を、切換爪を制御することによってスイッチバック装置36側に切り換え、そこで記録媒体Sを反転させて再び二次転写ニップに向けて搬送する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された記録媒体Sは、排紙トレイ10上に排紙される。
【0053】
また、複写機100は、筺体の側面にも、記録媒体Sを給紙する給紙トレイ200を備えている。
【0054】
図2に示すように、給紙トレイ200は、傾斜した筐体201と、この筐体201の側面方向の両端部に位置され、記録媒体S(破線で示す)の主走査方向(幅方向)の位置を規制する規制部材である規制部材202、203とを備えている。また、給紙トレイ200は、筐体201の下部に、記録媒体Sを複写機100内部の給紙機構(不図示)に送り込むために上下に可動する底板204を備えている。この給紙トレイ200は、給紙トレイ200の各部を制御する制御部250を備えている。
【0055】
底板204の上に記録媒体Sが載置されると、不図示の用紙有無センサにて記録媒体Sを検出し、規制部材202と規制部材203とが記録媒体Sの主走査方向端部に当接するまで駆動がかかり移動して停止し、記録媒体Sの端面を押えることで記録媒体Sの位置を規制することができるようになっている。
【0056】
給紙トレイ200は、筐体201の下部に、給紙装置の一部である送りコロ205を備えており、この送りコロ205は、不図示の駆動部によって駆動され、積載された複数の記録媒体Sの最上位の記録媒体Sを次工程へ送り込むようになっている。
【0057】
給紙トレイ200は、筐体201の端部に、テーブル206を備えている。筐体201およびテーブル206は、記録媒体Sが載置される載置台240を構成している。載置台240の記録媒体載置面であるテーブル206の上面と底板204の上面とは所定の角度で接続されている。換言すると、テーブル206の上面と底板204の上面との境界部には屈曲部241が設けられている。これにより、載置台240に載置された記録媒体Sは、テーブル206の上面と底板204の上面に沿って面方向に軽く屈曲した状態となる。
【0058】
このように、テーブル206の上面と底板204の上面との間に角度を持たせることで、記録媒体Sを軽く屈曲させることにより、記録媒体Sの強度が増すため、規制部材202、203によって記録媒体Sが両端部から挟み込まれたときに、規制部材202、203による記録媒体Sの変形が防止され、規制部材202、203による記録媒体Sの位置の規制を容易にすることができるようになっている。
【0059】
給紙トレイ200は、底板204とテーブル206の境界部に対向する位置に、押え部材207を備えている。押え部材207は、底板204とテーブル206の境界部分である屈曲部241で記録媒体Sが浮き上がってくるのを押え込むための部材である。押え部材207は、記録媒体Sと当接する箇所に従動コロ208を有している。
【0060】
従動コロ208は、記録媒体Sが送りコロ205等の給紙装置によって複写機100の筺体の内部に送られていくと、記録媒体Sの移動に従動して回転する構成となっている。従動コロ208の設置場所は、図1に示す例に限らず、給紙トレイ200上の何れの場所に配置されていても記録媒体Sの移動に対して追従することができる。従動コロ208は、必ずしも記録媒体Sの主走査方向(幅方向)の中央部に配置する必要はなく、記録媒体Sに接触できるのであれば、主走査方向の一方に偏って配置されていても構わない。
【0061】
押え部材207は、記録媒体Sが無理なく載置できるように、回動軸207aを中心に回転可動となっている。
【0062】
押え部材207は、載置台240に記録媒体Sを載置する際は、不図示の駆動機構に駆動されることにより、従動コロ208が載置台240から離隔するよう回動軸207aを中心に回動するようになっている。これにより、記録媒体Sを載置する際は、記録媒体Sの載置空間が広く空けられるようになっている。
【0063】
また、押え部材207は、載置台240への記録媒体Sの載置後には、不図示の駆動機構に駆動されることにより、従動コロ208が載置台240との間で記録媒体Sを挟み込むよう回動軸207aを中心に回動するようになっている。これにより、記録媒体Sの載置後には、押え部材207が、従動コロ208と載置台240との間で記録媒体Sを挟み込んで記録媒体Sを押え込むようになっている。
【0064】
図3に示すように、従動コロ208の近傍には、従動コロ208の回転を検出する回転検出機構231が設けられている。回転検出機構231は、従動コロ208と同調して回転するよう従動コロ208と同軸に配設された円盤形状の円盤スリット209を有している。円盤スリット209の回転面には、回転中心から放射状に延在する複数のスリット209aが設けられている。
【0065】
また、回転検出機構231は、ブラケット211を介して押え部材207に固定され、円盤スリット209の回転をスリット209aの透過、遮断により検知する透過型センサ210を有している。透過型センサ210は、円盤スリット209の回転面を挟み込むようにして回転面の両側にそれぞれ配置された図示しない発光部および受光部を有している。
【0066】
図3の構成においては、透過型センサ210により検出した円盤スリット209のスリット209aの通過本数により、従動コロ208の回転量(回転角度、回転数)を測定し、さらに、従動コロ208の円周長から記録媒体Sの移動距離を換算するようになっている。
【0067】
回転検出機構231は、図4に示す構成としてもよい。図4において、回転検出機構231は、図3と同様に、従動コロ208と同調して回転するよう従動コロ208と同軸に配設された円盤形状の円盤スリット209を有している。円盤スリット209には、回転中心から放射状に延在する複数のスリット209aが設けられている。
【0068】
また、回転検出機構231は、ブラケット211を介して押え部材207に固定され、円盤スリット209の回転をスリット209aからの反射光により検出する反射型センサ220を有している。反射型センサ220は、円盤スリット209の回転面の片側に配置され、円盤スリット209の回転面に光を照射して回転面からの反射光を検出することで、円盤スリット209のスリット209aの凹凸を検出するようになっている。
【0069】
図4の構成においては、反射型センサ220により検出した円盤スリット209のスリット209aの凹凸の数により、従動コロ208の回転量(回転角度、回転数)を測定し、さらに、従動コロ208の円周長から記録媒体Sの移動距離を求めるようになっている。
【0070】
図3の回転検出機構231の透過型センサ210では、円盤スリット209の回転面の両側に発光部と受光部の2つのセンサ部材をそれぞれ配置することが必要であったが、円盤スリット209の回転面の両側に2つのセンサ部材を配置できない場合もあり、このような場合に、図4のように、円盤スリット209の回転面の片側にのみ配置すればよい反射型センサ220を用いることにより、従動コロ208の回転量を測定することができる。
【0071】
また、従動コロ208の回転検出機構231としては、図示しないが、従動コロ208と同調して回転するよう従動コロ208と同軸に配設され、その表面にパターンが形成された回転体と、この回転体のパターンを検出するエンコーダセンサと、からなる構成を用いることができる。この場合、回転検出機構を小型することができ、かつ、従動コロ208の詳細な回転量を測定することができる。
【0072】
図5に示すように、従動コロ208を、載置台240における記録媒体Sの先端部よりも記録媒体搬送方向後端側に配設する場合、まず記録媒体Sを載置するときに、筐体201の下端部分に形成された壁部材201aに記録媒体Sを突き当てておくこととする。
【0073】
また、図6に示すように、壁部材201aから従動コロ208までの記録媒体搬送方向の距離は一定であるため、これを距離Aとすると、給紙開始時には、従動コロ208が記録媒体Sの表面に既に当接している状態から、記録媒体Sを搬送していき、従動コロ208を記録媒体Sの後端が通過するまでの従動コロ208の回転量を検出し、先に決定している記録媒体Sの先端からの従動コロ208までの距離Aと、従動コロ208の回転量と円周長より求められる従動コロ208から記録媒体Sの後端までの距離Bの和を求めることで、記録媒体Sの副走査方向長さ(搬送方向の長さ)を算出することができる。
【0074】
なお、送りコロ205の下流側(搬送方向先端側)には、複数の記録媒体Sからなる記録媒体束から1枚の記録媒体Sを分離する不図示の記録媒体分離機構が配置されており、1枚の記録媒体Sが従動コロ208を抜けるときに次の記録媒体Sは停止しているため、記録媒体Sが複数枚セットされている場合であっても、記録媒体Sが1枚のときと同様に、従動コロ208の停止により、記録媒体Sの後端抜けを判断することができるようになっている。
【0075】
図5に示すように、底板204の記録媒体搬送方向後端側を回動支点として、底板204の記録媒体搬送方向先端側を不図示の駆動機構により上昇位置204aまで回転上昇させることにより、底板204上の記録媒体Sの残り枚数が少なくなっても、壁部材201aの上側を最上位の記録媒体Sが通過できるようになっている。なお、底板204を回転させることなく、底板204全体を平行に上昇させる構成を採用してもよい。
【0076】
本実施の形態では、筐体201が、内部の記録媒体Sの先端部が下方になるように傾斜配置されている。このため、記録媒体Sの自重作用により自然と記録媒体Sの先端が、壁部材201aに突き当たって揃うので、記録媒体Sの先端揃えミスを防止することができる。
【0077】
図7に示すように、筐体201をフラットな形状とするとともに、筐体201とは別部材の壁部材212を筐体201に取り付けて配設する構成としてもよい。記録媒体Sの載置時は、壁部材212を先端規定位置(図7で実線で示す位置)に下ろして記録媒体Sの先端位置を規制する。記録媒体Sを搬送する場合は、壁部材212を回転させるなどして退避位置(図7で破線で示す位置)に退避させることで記録媒体Sが通過する搬送路を作り出すことができる。
【0078】
記録媒体束の最上位の記録媒体Sを搬送する構成に限らず、記録媒体束の最下位の記録媒体Sを搬送する構成としてもよく、後者の構成では、具体的には、送りコロ205の代わりに送りコロ213を配設し、さらに従動コロ208の代わりに従動コロ214を配設することで、記録媒体束の最下位の記録媒体Sを搬送することができる。
【0079】
図7のように壁部材212を用いる方式の場合、下から送られる記録媒体Sに対して壁部材212が無理なく退避することができるため有効性が高い。
【0080】
なお、送りコロ205の代わりに送りコロ213を配設し、さらに従動コロ208の代わりに従動コロ214を配設する構成の場合、従動コロ214は、記録媒体Sの載置の大きな妨げにはならない部位で位置しているので、記録媒体Sの載置時に退避する必要がない。
【0081】
図8は、記録媒体サイズを決定するための制御フローを示す図である。なお、図8では、記録媒体Sを用紙と表現している。
【0082】
まず、規制部材202、203を最離反位置に停止させる(ステップS1)。このステップでは、規制部材202、203を最も開いた位置へ移動して待機させておく。
【0083】
ついで、載置台240に記録媒体Sがあるか否かを判別する(ステップS2)。ついで、規制部材駆動用のモータ202a、203aを正転駆動して、規制部材202、203を挟持方向に移動する(ステップS3)。
【0084】
ついで、規制部材202、203が記録媒体Sを側面から挟んで停止したか否かを判別する(ステップS4)。ついで、規制部材202、203の離隔距離から記録媒体幅(主走査方向長さ)を計算する(ステップS5)。
【0085】
ついで、規制部材駆動用のモータ202a、203aの駆動を停止する(ステップS6)。ついで、送りコロ205を駆動して記録媒体送りを開始する(ステップS7)。
【0086】
ついで、従動コロ208を記録媒体Sの後端が抜けたか否かを判別する(ステップS8)。このステップでは、記録媒体Sの後端が従動コロ208を通過し終えて従動コロ28が停止したことを条件として、従動コロ208を記録媒体Sの後端が抜けたと判別する。
【0087】
ついで、記録媒体長さ(副走査方向長さ)計算する(ステップS9)。このステップでは、前述した距離A(従動コロ208から記録媒体Sの先端までの距離)と、従動コロ208が動き出してから停止するまでの回転量と従動コロ208の円周長により求めた距離B(従動コロ208から記録媒体Sの後端までの距離)との和を、記録媒体長さとして算出する。
【0088】
ついで、記録媒体サイズ確定(ステップS10)。このステップでは、ステップS5で求めた記録媒体幅と、ステップS9で求めた記録媒体長さとから記録媒体サイズ(記録媒体全体のサイズ)を確定する。
【0089】
図8の制御フローによれば、記録媒体Sの後端が従動コロ208を通過した時点で、主副走査長さおよび副走査長さの決定を受けて記録媒体全体のサイズが記録媒体サイズとして速やかに確定するので、記録媒体Sが複写機100本体内に到達して電子写真プロセスが行われる前に、記録媒体サイズが確定することとなり、記録媒体サイズを複写機100における規定値として利用することができる。
【0090】
記録媒体束の初めの1枚の記録媒体Sの長さを特定した後は、後続する記録媒体Sも同サイズであるとして、1枚目の記録媒体Sにおいて取得したサイズを後続する記録媒体Sのサイズとして利用してもよい。この場合、後続する記録媒体Sのサイズ測定を行う必要をなくすことができる。
【0091】
また、記録媒体束の初めの1枚の記録媒体Sを含む複数枚の記録媒体Sを連続して測定するようにしてもよい。この場合、記録媒体枚数が経過するに従って記録媒体Sの先端位置のずれが発生して測定結果が安定しなくなってしまうことを防止することができる。
【0092】
このように、本実施の形態では、従動コロ208を記録媒体Sに当接させ、記録媒体Sの搬送に合わせて従動コロ208が回転できるように構成されている。そして、載置された用紙束の一番上、または一番下の1枚の記録媒体Sを分離して搬送し、このとき記録媒体Sに追従して回転する従動コロ208は記録媒体Sの後端が従動コロ208を通過する際には次に搬送される予定の記録媒体Sがまだ停止していることから、従動コロ208が停止することになり、このことから記録媒体Sの抜けを観測する事ができる。従動コロ208の回転量をセンサにて計測することにより、従動コロ208の動き出しから記録媒体Sの後端抜けまでの距離を計算することができる。さらに、記録媒体Sの先端位置を常に一定になるように壁部材201aにその先端を当てることにより、従動コロ208の副走査方向位置が常に一定位置に固定されているため、その距離と先にセンサから計算された距離との和から記録媒体Sの長さを特定することが可能となる。
【0093】
従来の画像形成装置では、記録媒体の先端、後端のみを検出するセンサでも記録媒体の搬送速度が一定であれば記録媒体の長を計測することができるが、あくまで一定時が条件であり、搬送路の屈曲による記録媒体へ与える負荷でのばらつきで値が変動してしまったり、搬送制御の制約になってしまっている。本実施の形態では、記録媒体Sの移動に付随して従動コロ208の回転が起こる構成であり、記録媒体Sの搬送状況に関わらず追従性の良い用紙長さ測定、すなわち記録媒体Sの副走査方向の長さ測定を行うことが可能となっている。また、本実施の形態では、規制部材202、203が自動で稼働し、この規制部材202、203の稼働量を測定しているので、記録媒体Sの主走査方向の長さを無段階で測定することができる。
【0094】
以上のように、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、記録媒体Sを載置する載置台240と、載置台240に載置された記録媒体Sを1枚ずつ搬送する送りコロ205と、載置台240の記録媒体搬送方向先端部に立設され、載置台240に載置された記録媒体Sの記録媒体搬送方向先端が当接してその先端の位置を規制する壁部材201aと、壁部材201aから記録媒体搬送方向後方の所定位置に配置され、載置台240上の記録媒体Sに当接するとともに送りコロ205による記録媒体Sの搬送に伴って従動回転する従動コロ208と、従動コロ208の回転量を検出する回転検出機構231と、送りコロ205により記録媒体Sが搬送されるとき、回転検出機構231が検出する従動コロ208の回転量と従動コロ208の円周長とに基づいて従動コロ208から載置台240における記録媒体Sの後端位置までの距離を測定し、測定した距離を、従動コロ208から壁部材201aまでの設計距離に加算して、記録媒体Sの副走査方向長さを算出する制御部250と、を備えたことを特徴とする。
【0095】
この構成により、載置台240で記録媒体Sの長さを測定するので、従来のように搬送路の途中で記録媒体Sの長さを測定する場合と比較して、敏速に記録媒体サイズの特定を行うことができる。また、従動コロ208の回転量を検出することで記録媒体Sの長さを測定するので、記録媒体Sの搬送速度の変動に関わらず正確にあらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができる。したがって、迅速かつ正確に、あらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、載置台240への記録媒体載置時に記録媒体載置を妨げない退避位置に従動コロ208を退避させるよう、制御部250の制御により従動コロ208を支持する押え部材207を回動させることを特徴とする。
【0097】
この構成により、載置台240への記録媒体載置時に従動コロ208により記録媒体載置が妨げられてしまうことを防止することができる。
【0098】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、回転検出機構231は、従動コロ208と同軸回転しスリット209aが形成された円盤スリット209と、円盤スリット209のスリット209aの透過と遮光を検出する透過型センサ210と、を有することを特徴とする。
【0099】
この構成により、従動コロ208の回転量を良好に検出することができる。
【0100】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、回転検出機構231は、従動コロ208と同軸回転しスリット209aが形成された円盤スリット209と、円盤スリット209のスリット209aの凹凸を検出する反射型センサ221と、を有することを特徴とする。
【0101】
この構成により、円盤スリット209を挟み込むように回転検出用の部材を配置できない場合であっても、従動コロ208の回転量を良好に検出することができる。
【0102】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、回転検出機構231は、従動コロ208と同軸回転しパターンが形成された回転体と、回転体のパターンを検出するエンコーダセンサと、を有することを特徴とする。
【0103】
この構成により、従動コロ208の回転量を良好に詳細に検出することができ、また、回転検出機構231を小型化することができる。
【0104】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、載置台240は、壁部材201aが低位になるように傾斜設置されていることを特徴とする。
【0105】
この構成により、記録媒体Sの先端が壁部材201aに自重で突き当たるので、自重により記録媒体Sの先端を揃えることができる。
【0106】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、載置台240は、記録媒体Sを持ち上げるための上昇可能な底板204を有することを特徴とする。
【0107】
この構成により、残りの記録媒体Sの枚数に関わらず、記録媒体Sを搬送することができる。
【0108】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、載置台240に積載された記録媒体Sの主走査方向両端部にそれぞれ当接して記録媒体Sの主走査方向位置を所定位置に規制する1対の規制部材202、203と、1対の規制部材202、203の少なくとも一方を移動させるモータ202a、203aと、規制部材202、203が、1対の規制部材202、203が最大に離隔した待機位置から移動を開始し、記録媒体Sの主走査方向端部に当接して記録媒体Sを所定位置に規制して停止するようモータ202a、203aを制御するとともに、規制部材202、203の待機位置から停止位置までの移動量を測定して、移動量に基づいて記録媒体Sの主走査方向長さを算出する制御部250と、を備えたことを特徴とする。
【0109】
この構成により、主走査方向のサイズの異なる記録媒体Sに対応することができ、また、主走査方向のサイズを無段階に測定することができる。
【0110】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、載置台240の記録媒体載置面は、記録媒体副走査方向に屈曲する屈曲部241を有し、従動コロ208を屈曲部241に対向する位置に支持し、従動コロ208により記録媒体Sを載置台240に押えつける押え部材207と、を備えたことを特徴とする。
【0111】
この構成により、押え部材207により従動コロ208を介して記録媒体Sを載置台240の屈曲部241に押えつけられるので、記録媒体Sが屈曲して主走査方向の剛性が高まった状態で載置されることとなり、規制部材202、203により記録媒体Sを規制するときに記録媒体Sが変形することを防止することができる。
【0112】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、制御部250は、載置台240上に記録媒体Sが複数枚ある場合には少なくとも最初に搬送される一枚の記録媒体Sの副走査方向長さを算出することを特徴とする。
【0113】
この構成により、最初に搬送される一枚の記録媒体Sの副走査方向長さを算出することで、速やかに記録媒体Sの副走査方向長さを特定することができる。
【0114】
また、本実施の形態に係る給紙トレイ200は、制御部250により、記録媒体Sの主走査方向長さの算出と副走査方向長さの算出を一連の動作で行って記録媒体Sの副走査方向長さおよび主走査方向長さを一度に特定することを特徴とする。
【0115】
この構成により、記録媒体Sの副走査方向長さおよび主走査方向長さを一度に特定することができる。
【0116】
また、本実施の形態に係る複写機100は、給紙トレイ200と、この給紙トレイ200が収納する記録媒体Sに画像を形成するプリンタ部1と、を備え、給紙トレイ200からプリンタ部1に記録媒体Sが到達する前に、制御部250により算出された記録媒体Sの主走査方向長さと副走査方向長さに応じて、記録媒体Sに形成する画像サイズを決定することを特徴とする。
【0117】
この構成により、プリンタ部1に記録媒体Sが到達する前に、予め画像サイズを決定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上説明したように、本発明に係る記録媒体収納装置および画像形成装置は、迅速かつ正確に、あらゆる記録媒体サイズの特定を行うことができるという効果を有し、記録媒体を収納する記録媒体収納装置およびこの記録媒体収納装置を搭載した複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0119】
1 プリンタ部(画像形成手段)
100 複写機(画像形成装置)
200 給紙トレイ(記録媒体収納装置)
201 筐体
201a、212 壁部材
202、203 規制部材
202a、203a モータ(規制部材駆動手段)
204 底板
204a 上昇位置
205、213 送りコロ(搬送手段)
206 テーブル
207 押え部材
207a 回動軸
208、214 従動コロ
209 円盤スリット(回転体)
209a スリット
210 透過型センサ
211 ブラケット
220 反射型センサ
221 反射型センサ
231 回転検出機構(回転量検出手段)
240 載置台
241 屈曲部
250 制御部(副走査方向長さ算出手段、主走査方向長さ算出手段)
S 記録媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2004−249532号公報
【特許文献2】特開2008−065309号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を載置する載置台と、
前記載置台に載置された記録媒体を1枚ずつ搬送する搬送手段と、
前記載置台の記録媒体搬送方向先端部に立設され、前記載置台に載置された記録媒体の記録媒体搬送方向先端が当接して該先端の位置を規制する壁部材と、
前記壁部材から記録媒体搬送方向後方の所定位置に配置され、前記載置台上の記録媒体に当接するとともに前記搬送手段による記録媒体の搬送に伴って従動回転する従動コロと、
前記従動コロの回転量を検出する回転量検出手段と、
前記搬送手段により前記記録媒体が搬送されるとき、前記回転量検出手段が検出する前記従動コロの回転量と前記従動コロの円周長とに基づいて前記従動コロから前記載置台における記録媒体の後端位置までの距離を測定し、測定した前記距離を、前記従動コロから前記壁部材までの設計距離に加算して、前記記録媒体の副走査方向長さを算出する副走査方向長さ算出手段と、を備えたことを特徴とする記録媒体収納装置。
【請求項2】
前記載置台への記録媒体載置時に記録媒体載置を妨げない退避位置に前記従動コロを退避させる従動コロ退避手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体収納装置。
【請求項3】
前記回転量検出手段は、前記従動コロと同軸回転しスリットが形成された回転体と、前記回転体のスリットの透過と遮光を検出する透過型センサと、を有することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体収納装置。
【請求項4】
前記回転量検出手段は、前記従動コロと同軸回転しスリットが形成された回転体と、前記回転体のスリットの凹凸を検出する反射型センサと、を有することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体収納装置。
【請求項5】
前記回転量検出手段は、前記従動コロと同軸回転しパターンが形成された回転体と、前記回転体のパターンを検出するエンコーダセンサと、を有することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体収納装置。
【請求項6】
前記載置台は、前記壁部材が低位になるように傾斜設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録媒体収納装置。
【請求項7】
前記載置台は、前記記録媒体を持ち上げるための上昇可能な底板を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の記録媒体収納装置。
【請求項8】
前記載置台に積載された記録媒体の主走査方向両端部にそれぞれ当接して前記記録媒体の主走査方向位置を所定位置に規制する1対の規制部材と、
前記1対の規制部材の少なくとも一方を移動させる規制部材駆動手段と、
前記規制部材が、前記1対の規制部材が最大に離隔した待機位置から移動を開始し、前記記録媒体の主走査方向端部に当接して前記記録媒体を所定位置に規制して停止するよう前記規制部材駆動手段を制御するとともに、前記規制部材の待機位置から停止位置までの移動量を測定して、前記移動量に基づいて前記記録媒体の主走査方向長さを算出する主走査方向長さ算出手段と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の記録媒体収納装置。
【請求項9】
前記載置台の記録媒体載置面は、記録媒体副走査方向に屈曲する屈曲部を有し、
前記従動コロを前記屈曲部に対向する位置に支持し、前記従動コロにより前記記録媒体を前記載置台に押えつける押え部材と、を備えたことを特徴とする請求項8に記載の記録媒体収納装置。
【請求項10】
前記副走査方向長さ算出手段は、前記載置台上に記録媒体が複数枚ある場合には少なくとも最初に搬送される一枚の記録媒体の副走査方向長さを算出することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の記録媒体収納装置。
【請求項11】
前記主走査方向長さ算出手段による前記記録媒体の主走査方向長さの算出と前記副走査方向長さ算出手段による前記記録媒体の副走査方向長さの算出を一連の動作で行って前記記録媒体の副走査方向長さおよび主走査方向長さを一度に特定することを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れかに記載の記録媒体収納装置。
【請求項12】
請求項8乃至請求項11の何れかに記載の記録媒体収納装置と、
前記記録媒体収納装置が収納する記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備え、
前記記録媒体収納装置から前記画像形成手段に記録媒体が到達する前に、前記主走査方向長さ算出手段により算出された前記記録媒体の主走査方向長さと、前記副走査方向長さ算出手段により算出された前記記録媒体の副走査方向長さに応じて、前記記録媒体に形成する画像サイズを決定することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−192993(P2012−192993A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56348(P2011−56348)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】