説明

記録担体、再生装置、並びに記録担体および再生装置を有する情報システム

【課題】再生装置が第2変動をより高い信頼性で検出することを可能にする記録担体を提供する。
【解決手段】記録担体1は、トラック10、11、12に沿って情報マークを有し、トラックに沿った情報マークの存在の有無によって引き起こされる第1変動を示す。第1変動は、記録担体1上に記録された情報信号を表す。記録担体1は、情報マークに関連付けられた変動によって引き起こされる第2変動を示す。第2変動の位相が、第1変動と第2変動の間の事前に定義された位相関係に従って第1変動の位相に結合され、事前に定義された位相関係は、標準化されているか、または当該記録担体1に記録されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録担体と、再生装置と、記録担体および再生装置を有する情報システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
USP 5,930,210には、記録担体、再生装置と、記録担体および再生装置を有する情報システムが記載されている。この米国特許に記載されている記録担体は、トラックに沿っての情報マークの存在の有無によって引き起こされる第1変動を有する。この第1変動は、記録担体に記録されている情報信号を表す。情報マーク(information marks)は、例えば、ピットの形式である。記録担体は、さらに、情報マークに関連付けられている変動によって引き起こされる第2変動を有する。上記米国特許には、第2変動が半径方向の位置によって変動する形式である実施例が記載されている。情報マークは、トラッキングサーボシステムの公称範囲を超えるウォブル周波数により、ウォブル化されたトラックに沿って配置されている。これにより、半径方向の誤差信号から第2変動を検出することができる。第2変動は、情報マークの中の情報の内容を復号化するために必要な復号鍵を表す。ビットコピーマシンは、通常、(記録された情報を表す)第1物理パラメータの変動しかコピーしないため、第2物理パラメータの変動はコピーされない。従って、特殊ディスクは、通常のタイプのビットコピーマシンによってコピーすることができない。
【0003】
第1変動と第2変動のこのような組み合わせは、CD2規格に従う記録担体用にも提案されている。このような記録担体は、3ビーム半径方向トラッキング(3-beam radial tracking)を採用するプレーヤーのみならず、半径方向プッシュプル(radial push-pull)方式を使用するプレーヤーでも再生できることが必要である。しかしながら、3ビーム半径方向トラッキングシステムを有するプレーヤーでは、2個のサテライト検出器(satellite detector)の接線距離が相対的に大きい。半径方向ウォブルの周波数が相対的に高い(例えば、1X再生速度の場合で22.05 kHz)ため、2個のサテライト検出器の信号の間で相対的に大きい位相ずれが発生し、このことがウォブル信号の信頼性の高い検出を妨げる。これに代えて、ウォブル信号をサテライト検出器の信号の1つのみから得る場合には、信号対雑音比が相対的に大きくなり、このこともウォブル信号の信頼性の高い検出を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、再生装置が第2変動をより高い信頼性で検出することを可能にする記録担体を提供することである。本発明のさらなる目的は、第2変動をより高い信頼性で検出する再生装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、第2変動がより高い信頼性で検出される、記録担体と再生装置を有する情報システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、前記記録担体は、そのトラックに沿って情報マークを有し、かつ、前記トラックに沿う前記情報マークの存在の有無によって引き起こされる第1変動であって、当該第1変動が当該記録担体上に記録された情報信号を表す、第1変動と、前記情報マークに関連付けられた変動によって引き起こされる第2変動であって、前記第2変動の前記位相が前記第1変動の前記位相に結合されている、第2変動とを示す。
【0006】
本発明の記録担体は、
当該記録担体を走査することを目的とし、かつ当該第1変動と当該第2変動を検出するように適合化されている変換器ユニットと、
前記第1変動からクロック信号を再現するための、前記変換器ユニットに結合されている第1再現ユニットと、
前記第1変動から情報信号を再現するための、前記変換器ユニットに結合されている第2再現ユニットと、
当該第2変動が、所定の変動パターンを示すか否かを少なくとも1つの信号に基づいて検出するための検出ユニットであって、当該信号が、当該第2変動を少なくとも示し、かつ当該変換器によって生成され、前記検出ユニットが、検出のために当該クロック信号を使用する、検出ユニットと、
当該検出ユニットが当該所定の変動パターンを検出したときに、当該第2再現ユニットが前記情報信号を再現することを可能にするイネーブルユニットと、
を含む再生装置を含む、本発明の再生装置による再生に特に適している。
【0007】
第2変動の位相が第1変動の位相に結合されているため、検出ユニットは、第1再現ユニットによって得られるクロック信号を使用することによって、第2変動を高い信頼性で検出できる。より信頼性の高いクロック信号を使用すると、検出ユニットによる検出の信頼性はより高くなる。
【0008】
EP 485 234には、アドレスを表す半径方向のウォブルを有するトラックを有する記録担体に情報を記録する情報記録デバイスが、記載されていることは、留意すべきである。データの記録中、半径方向のウォブルから記録クロックが再現される。この情報システムの場合、ウォブルに格納されている情報は、記録担体から取り出された後にはそれ以上の意味を持たない。
【0009】
さらに留意すべき点は、DE 199 00 653には、ウォブル状のトラックのみでなくプレピット(pre-pit)も形成されているマスタディスクを作成するためのデバイスが開示されている点である。プレピッが重ならないように、ウォブルを形成するための制御信号と、プレピットを形成するための制御信号とは、相互に同期が取られる。この場合、ウォブルは、記録担体の回転速度を制御するための情報を含む。
【0010】
さらに留意すべき点は、USP 5,930,210が、図5において、検出ユニットが、PLLによって第1変動から再現されるクロック信号を受け取る実施例を開示している点である。この場合、クロック信号自体は、第2変動を表す信号の役割を果たす。第2変動の信頼性が雑音のために低い場合には、第2変動を表す信号の検出の信頼性を向上させることができる独立したクロック信号は使用されない。
【0011】
情報システムの一実施例は、第2変動が、コードを表す変調パターンを示すことと、検出手段が、検出信号からこのコードを再現するためのコード再現手段と、このコードの再現に応答してイネーブル手段を作動させるための手段とを有することとを特徴とする。
【0012】
変動の変調を使用することは、第2物理パラメータの変動の存在をより高い信頼性で検出できるという利点を有する。
【0013】
情報システムのさらなる実施例は、記録される情報が、所定のデータ処理によって再現可能なタイプであり、第2変動の変調パターンによって表されるコードが、情報を再現するために使用されるデータ処理のタイプを示し、再現されるコードによって示される所定のデータ処理が実行されるモードに再現手段を設定するための手段が、装置に設けられていることを特徴とする。
【0014】
この実施例は、記録担体から読み取られる情報を再現するためには、変調パターンによって表されるコードを利用することが必要であるという利点を有する。従って、情報は、コードを再現するができる専用の再生装置によらない限り記録できない。記録担体への記録前に情報を暗号化またはスクランブル化する場合には、コードは、それぞれ、暗号化キーまたはスクランブル方式を示すことが望ましい。
【0015】
このタイプの情報システムとしては、光学的に読み取り可能な記録担体を使用する情報システムが特に適しているが、このシステムに限定されることはない。
【0016】
光学記録担体においては、情報の読み取りに使用される放射線ビームと同じ放射線ビームで検出できるトラック変調によって情報が記録されるトラックを設けることは、比較的簡単である。
【0017】
これが実現されている情報システムの一実施例は、少なくとも1つの走査パラメータを、放射感知検出器により受信されかつ第2物理パラメータによる影響を受けた検出信号に基づいて所定の値に制御するために走査を制御するサーボ制御手段であって、当該サーボ制御手段が、所定の周波数帯域を有し、当該第2物理パラメータの当該変動によって、サーボ制御手段の前記帯域幅の外側でありかつ前記第1物理パラメータの前記変動によって引き起こされる前記信号変動の前記周波数スペクトルの外側である周波数スペクトルを示す検出信号の変動が引き起こされる、サーボ制御手段を特徴とする。第2物理パラメータの変動は、トラック方向に直角な方向におけるトラック位置の変動という形式をとることができる。これらの変動は、トラッキング誤差信号に基づいて検出できる。
【0018】
第2物理パラメータの変動は、光学的に読み取り可能なマークが位置する面の位置の変動という形式をとることができる。この場合、変動は、フォーカス誤差信号に基づいて検出できる。
【0019】
第2物理パラメータの変動は、光学的に読み取り可能なマークと、光学的に読み取り可能なマークの間に位置する中間領域との平均値の変動という形式をとることもできる。この場合、第2物理パラメータの変動は、トラックの走査中にCLV方式で再現されるデータクロック信号の変動に基づいて検出できる。
【0020】
情報システムで使用される記録担体がコンパクトディスクである場合には、トラックが走査速度1.2〜1.4 m/秒の間で走査される場合に、第2物理パラメータの変動に起因して、検出信号において実質的に22 kHzに一致する周波数の変動が生じることを特徴とする情報システムを使用することが望ましい。
【0021】
この実施例は、1.2〜1.4 m/秒の間の速度で走査されるときに実質的に22 kHzの周波数のトラッキング誤差をもたらすウォブルを示すプリグルーブが設けられている通常の記録可能なコンパクトディスクには、特殊ディスクをコピーすることが不可能であるという利点を有する。コピーする記録担体のウォブル記録マークに一致する記録マークのウォブルパターンを記録することにたとえ成功した場合でも、同じ周波数範囲内に位置するウォブル状のプリグルーブが存在するため、このパターンは検出されない。
【0022】
本発明のこれらの観点およびその他の観点は、図面を参照しながらさらに詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1aは、本発明による情報システムで使用するための記録担体1の可能な実施例を示す。 図1bは、本発明による情報システムで使用するための記録担体1の可能な実施例を示す。 図1cは、本発明による情報システムで使用するための記録担体1の可能な実施例を示す。 図1dは、本発明による情報システムで使用するための記録担体1の可能な実施例を示す。
【図2】変調された半径方向ウォブルが使用される場合に使用できる検出ユニットの一例を示す。
【図3】記録担体と、本発明の再生デバイス20とを有する本発明の情報システムを線図的に示す。
【図4】第2変動によるコードの表現を線図的に示す。
【図5】図3の再生装置の第1ユニットをさらに詳細に示す。
【図6】図3の再生装置の第2ユニットをさらに詳細に示す。
【図7】図7Aは、図3に示される再生装置で発生する信号を示す。 図7Bは、図3に示される再生装置で発生する信号を示す。 図7Vは、図3に示される再生装置で発生する信号を示す。 図7Dは、図3に示される再生装置で発生する信号を示す。 図7Eは、図3に示される再生装置で発生する信号を示す。 図7Fは、図3に示される再生装置で発生する信号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1a、1b、1c、1dは、本発明による情報システムで使用するための記録担体1の可能な実施例を示し、図1aは平面図であり、図1bと1cは、記録担体の第1および第2実施例の部分2を拡大した平面図であり、図1dは、記録担体1の第3実施例の、線b-bに沿った部分2の断面図の一部を示す。
【0025】
図1bに示されている記録担体1の実施例においては、第1物理パラメータの変動は、中間領域4と交互に並ぶ光学的に検出可能なマーク3という形式をとる。光学的に検出可能なマークは、いわゆるピットの形式にすることが出来る。しかしながら、光学的に検出可能な他のタイプのマークも使用可能であ。光学的に検出可能なマークは、中心線が参照記号5によって示されるトラックに沿って配置される。この実施例では、第2物理パラメータの変動は、トラック方向に直角な方向におけるトラック位置の変動である。この位置の変動は、半径方向のトラックウォブルとしても公知であるトラック波動の形式をとる。このようなトラックウォブルは、光学的に検出可能なマーク3の検出用に使用されるものと同じビーム走査ユニット(本明細書の別の部分で説明されている)によって容易に検出できる。ウォブルの所定の数が第1変動によって表されるチャネルビットの所定の数に一致する点で、第2変動の位相は、第1変動の位相に結合されている。
【0026】
図1cに示されている実施例では、第2物理パラメータの変動は、光学的に検出可能なマーク3の幅の変動の形式をとる。マーク3の幅の変動は、トラックを走査する放射線ビームにおける追加の輝度変調をもたらす。マークのパターンに起因する成分の周波数スペクトルが、マーク幅の変動に起因する成分の周波数スペクトルと重ならなければ、マーク3の幅の変動と情報の両方を輝度変調に基づいて再現できる。幅の変動の所定の数が第1変動によって表されるチャネルビットの所定の数に一致している点で、第2変動の位相は第1変動の位相に結合されている。
【0027】
図1dにおいて、参照記号6は透明基板を示す。基板6は、反射層7で覆われている。反射層7は、保護層8で覆われている。基板6には、光学的に検出可能なマーク3がピット形式で設けられている。第2物理パラメータの変動は、光学的に検出可能なマーク3が位置する面の位置の変動の形式をとる。図1dでは、これらの面の異なる位置は、線9Aと9Bによって示されている。図1dに示されているパターンを、フォーカスされた放射線ビームによって走査すると、マーク3の面の変動のために、容易に検出できるフォーカス誤差が発生する。面の位置の変動の所定の数が第1変動によって表されるチャネルビットの所定の数に一致している点で、第2変動の位相は第1変動の位相に結合されている。
【0028】
図3は、図1Aを参照して説明されている本発明による記録担体1と、本発明による再生デバイス20を線図的に示す。図示されているトラック11は、トラック沿いの情報マークの存在の有無によって引き起こされる第1変動を示す。この第1変動は、記録担体上に記録されている情報信号を表す。情報信号は、この場合、ランレングス制限が適用されたビットのシーケンスである。具体的には、情報信号は、EFMコードに従って符号化されている。トラックは、情報マークに関連付けられている変動によって引き起こされる第2変動も示す。図示の実施例では、第2変動は、図1Aを参照して説明されているトラックの半径方向ウォブルの形式である。第2変動の位相は第1変動の位相に結合されている。図示の実施例では、各EFMフレームがトラックにおけるウォブルの3周期に一致し、かつ半径方向ウォブルの零交差において開始する点で、第2変動の位相は、第1変動の位相に結合されている。
【0029】
図示の実施例では、第2変動は、第1変動に対し第1位相または第2位相のいずれかを有する。図4に示されているように、半径方向ウォブルWは2進コードを表す。2進コード、例えば、1110は、二相変調される(biphase modulated)。例えば、各「1」は「10」に変換され、各「0」は「01」に変換される。この場合、2進コード1110は、2進シーケンス10101001に変換される。このようにして得られた2進シーケンスは、マークの半径方向の位置が、固定周波数で、しかし第1変動に対して第1位相または第2位相のいずれかで変動するような、半径方向ウォブルWに変換される。第2変動の位相は、変換によって得られる2進シーケンスの極性変化それぞれにおいて、第1位相と第2位相の間で切り換わる。第1位相と第2位相は、180度異なる。このことは、位相が第1位相または第2位相の何れに等しいかに関係なく各サンプルが最大となるように、第2変動を表す信号SAを、第2変動の周波数の2倍の周波数によってサンプリングできるという利点を有する。
【0030】
この実施例では、第2変動の零交差がEFMフレームの開始と一致するように、第1位相と第2位相を選択する。このことは、EFMフレームの同期を使用することにより、第2変動を検出するために使用されるクロックも容易に再同期できるという利点を有する。しかしながら、第1変動と第2変動の間の事前に定義された任意の位相関係も、それが標準化されているか、または位相関係が記録担体に記録されているならば、使用することができる。図3に示されている再生デバイス20は、トラック10、11、12を有する記録担体1を走査するための変換器ユニットを有する。変換器ユニットは、第1変動と第2変動を検出するように適合化されている。図示の実施例の場合、変換器ユニットは、光学ユニットと、第1、第2、第3検出器20A、20B、20Cを有する。光学ユニットは、記録担体に中央のスポットBと2つのサテライトスポットA、Cを発射する。3ビーム方式自体は公知であるため、光学ユニットは示されていない。スポットA、B、Cから反射される放射は、第1検出器20A、第2検出器, 20B、および第3検出器20Cによって検出される。再生装置は、さらに、変換器ユニットに結合されている第1再現ユニット22と第2再現ユニット23を有する。第1再現ユニット22と第2再現ユニット23は、それぞれ、第1変動からクロック信号CLと情報信号Soutを再現する。再生装置20は、さらに、第2変動が所定の変動パターンを示しているか否かを、少なくとも第2変動を示しかつ変換器ユニットによって生成される少なくとも1個の信号SAに基づいて、検出する検出ユニット24を有する。再生装置は、検出ユニット24が所定の変動パターンを検出したときに、第2再現ユニットが情報信号Soutを再現することを可能にするイネーブルユニット25をさらに有する。
【0031】
検出ユニット24は、第1再現ユニット22によって生成されるクロック信号CLを検出に使用する。図5は、第1再現ユニット22の1つの例をより詳細に示す。第1再現ユニット22は、第1再現ユニット22によって生成されたクロック信号CLと第2検出器20Bにより受信された信号SBとの間の位相差を検出する位相検出器22.1を有する。位相検出器22.1の出力信号は、ループフィルタ(loopfilter)22.2を介して、可制御発信器22.3(例えば、電圧制御式発信器)に送られる。可制御発信器の出力は、第1再現ユニットによって生成されるクロック信号CLを構成する。
【0032】
図6は、検出ユニット24をより詳細に示す。検出ユニット24は、クロック信号CLから第1補助クロック信号CL1を生成する第1周波数分割器24.1を有する。第1補助クロック信号CL1は、クロック信号CLの周波数よりも係数N低い周波数を有する。本実施例の場合、EFMフレームの持続時間は3ウォブル周期に一致し、Nの値は98である。図示の実施例では、周波数分割器24.1は、各EFMフレームの開始を示す信号SYNCを受信するためのさらなる入力を有する。周波数分割器24.1の出力信号CLWの位相は、第1変動から導かれるクロック信号CLの位相に結合されている。サンプリング/保持ユニット24.2は、クロック信号CLWの正の各遷移において信号SAをサンプリングし、応答として信号SACLを生成する。信号SACLは、2進信号S2を生成するしきいユニット24.3に送られる。
【0033】
図2は、変調された半径方向ウォブルが使用される場合に使用できる検出ユニットの一例を示す。この検出ユニットは、半径方向ウォブルの周波数に同調された帯域通過フィルタ80を有する。フィルタ80の入力は、信号SAを受信するために検出器20Aに結合されている。フィルタ80の出力は、EFMクロック信号CLを周波数分割器83によって分割することによって得られるクロック信号CLWを使用することによって、変調されたウォブルによって表されるコードを再現する復調回路81に送られる。復調回路81によって再現されたコードは、再現されたコードを所定のコードと比較する比較器回路82に送られる。復調回路82は、復調回路81によって再現されたコードが所定のコードに一致する場合に、再現回路22のイネーブル信号を生成するタイプである。
【0034】
次に、本発明による装置の動作を、図7を参照して詳細に説明する。図7Aは、EFM符号化された情報を有する信号SBを線図的に示す。信号SBは、24チャネルビットの同期パターンF1と、564チャネルビットのデータ部F2とを有するフレームFのシーケンスを有する。この信号から導かれる(図7Bに線図的に示されている)クロック信号CLは、4.3218 MHzの周波数を有する。周波数分割器24.1によって生成されるクロック信号CLW(図7C)は、44.1 kHzの周波数を有する。第2変動(この場合は情報マークの半径方向ウォブルW(図7D))が第1変動(すなわち情報マーク)の位相に結合されているため、このクロック信号CLWは、位相において信号SAに結合されている。この場合、クロック信号CLWの正の遷移は、ウォブルWの最大偏差に一致する。図7Dは、第2変動Wを表す信号SAも示している。この図に示されているように、信号SAは相対的に大きい雑音成分を有する。しかしながら、ウォブルWが最大偏差を有するポイントにおいて、信号SAを正しいタイミングと高い信頼性でサンプリングすることができるため、これらのポイントにおけるウォブルWの極性は、図7Eと7Fに示されているように高い信頼性で決定できる。図7Eは、サンプリング/保持ユニット24.2によって生成される信号SACLを示し、図7Fは、しきいユニット24.3によって生成される信号S2を示す。
【0035】
プレーヤーの信号処理動作は、専用ハードウェアによって実行できるのみならず、適切にプログラムされた汎用プロセッサによっても実行することができることは、留意すべきである。
【0036】
本発明の保護の範囲は、本明細書に記載されている実施例に制限されることはない。さらに、本発明の保護の範囲は、請求項における参照数字によっても制限されない。「有する」という語は、請求項に記載されている以外の部分を除外するものではない。要素の前の「1つの」という語は、その要素が複数存在することを除外しない。本発明の一部を構成する手段は、専用ハードウェアの形式か、プログラムされた汎用プロセッサの形式のいずれにおいても実施できる。本発明は、各新規な特徴または特徴の組み合わせに存する。
【符号の説明】
【0037】
SA 信号
CL クロック信号
S2 2進信号
Sout 情報信号
CL1 第1補助クロック信号
SYNC 信号
CLW 出力信号
SACL 信号
W 半径方向ウォブル
B 中央のスポット
A、C サテライトスポット
1 記録担体
2 部分
3 光学的に検出可能なマーク
4 中間領域
5 トラック
6 基板
7 反射層
8 保護層
9A、9B
10、11、12 トラック
20 再生デバイス
20A 第1検出器
20B 第2検出器
20C 第3検出器
22 第1再現ユニット
23 第2再現ユニット
24 検出ユニット
25 イネーブルユニット
22.1 位相検出器
22.2 ループフィルタ
22.3 可制御発信器
24.1 周波数分割器
24.2 サンプリング/保持ユニット
24.3 しきいユニット
80 帯域通過フィルタ
81 復調回路
82 比較器回路
83 周波数分割器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックに沿って情報マークを有する記録担体であって、
前記トラックに沿う前記情報マークの存在の有無によって引き起こされる第1変動であって、当該記録担体上に記録された情報信号を表す第1変動と、前記情報マークに関連付けられた変動によって引き起こされる第2変動と、
を示し、
前記第2変動の位相が、前記第1変動と前記第2変動の間の事前に定義された位相関係に従って前記第1変動の位相に結合され、前記事前に定義された位相関係は、標準化されているか、または当該記録担体に記録されている、記録担体。
【請求項2】
前記第2変動が、前記第1変動の位相に対して第1の事前に定義された位相または第2の事前に定義された位相のいずれかを有することを特徴とする、請求項1に記載の記録担体。
【請求項3】
前記第1の事前に定義された位相と前記第2の事前に定義された位相が180度異なることを特徴とする、請求項2に記載の記録担体。
【請求項4】
前記第2変動は、トラックウォブルを示す、トラック方向を横切る方向におけるトラック位置の変動であることを特徴とする、請求項1に記載の記録担体。
【請求項5】
ウォブルの所定の数が前記第1変動によって表されるチャネルビットの所定の数に相当する点で、前記第2変動の位相は、前記第1変動の位相に結合されていることを特徴とする、請求項4に記載の記録担体。
【請求項6】
前記情報信号は、フレーム同期を持つフレームを有することを特徴とする、請求項1に記載の記録担体。
【請求項7】
前記第2変動の零交差が前記フレーム同期と事前に定義された位相関係を持つことを特徴とする、請求項6に記載の記録担体。
【請求項8】
情報はスクランブル化され、前記第2変動はスクランブル方式を示すコードを表す変調パターンを示すことを特徴とする、請求項1に記載の記録担体。
【請求項9】
情報は暗号化され、前記第2変動は暗号化キーを示すコードを表す変調パターンを示すことを特徴とする、請求項1に記載の記録担体。
【請求項10】
光学的に読み取り可能な記録担体であることを特徴とする、請求項1に記載の記録担体。
【請求項11】
前記情報マークは、ピット形式の光学的に検出可能なマークであることを特徴とする、請求項1に記載の記録担体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−84221(P2012−84221A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−245713(P2011−245713)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【分割の表示】特願2002−508796(P2002−508796)の分割
【原出願日】平成13年6月27日(2001.6.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】