記録液収容袋、記録液収納容器、画像形成装置、記録液収容袋の製造方法
【課題】ガゼット部における破袋のおそれが大きく、また、記録液供給時に残量のばらつきが比較的大きくなりやすい。
【解決手段】インク袋1は、略矩形状の2枚のフィルム状部材である本体用フィルム11、12の周囲の一部に同じくフィルム状部材からなるガゼット(マチ)13を有し、内部に記録液を収容する袋状部材(袋本体)10に、記録液であるインクを外部に供給するインク供給口部14を設け、インク供給口部14からインクを供給する方向に沿う方向の辺のうち、使用状態で下側になる一辺のみにガゼット13を設け、上側になる辺にはガゼットを設けない構成とした。
【解決手段】インク袋1は、略矩形状の2枚のフィルム状部材である本体用フィルム11、12の周囲の一部に同じくフィルム状部材からなるガゼット(マチ)13を有し、内部に記録液を収容する袋状部材(袋本体)10に、記録液であるインクを外部に供給するインク供給口部14を設け、インク供給口部14からインクを供給する方向に沿う方向の辺のうち、使用状態で下側になる一辺のみにガゼット13を設け、上側になる辺にはガゼットを設けない構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録液収容袋、記録液収納容器、画像形成装置、記録液収容袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、インク記録ヘッドから用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に記録液としてのインクを吐出して画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものである。
【0003】
このような画像形成装置において、記録ヘッドに対して記録液を供給する方式として、記録ヘッドとともに記録液を収容した記録液カートリッジであるインクカートリッジを交換可能にキャリッジに搭載するものと、記録ヘッドとともに小容量のヘッドタンク(サブタンクとも称される。)をキャリッジに搭載し、記録液カートリッジである大容量のインクカートリッジ(メインタンク)を装置本体側に交換可能に装着して、ヘッドタンクに対して装置本体側のインクカートリッジから記録液を補充供給するものとが知られている。
【0004】
従来の記録液カートリッジであるインクカートリッジとしては、特許文献1に記載されているように、略矩形状のフィルム状部材の周囲を貼り合わせて形成され、内部に記録液を収容する袋状部材に、記録液を外部に供給する記録液供給口部を設けた記録液収容袋をケース内に収納したものがある。
【特許文献1】特開2005−014437号公報
【0005】
また、特許文献2、3に記載されているように、外部に液体を導出する液体導出部と、液体を収容するフィルムからなる液体収容部とを有し、液体収容部は、1枚のフィルムの両側端部を互いに固着した第1の封止部と、第1の封止部によって、管状に形成された胴体部と、胴体部の一方の開口が、液体導出部を内側に挟んだ状態で封止された第2の封止部と、胴体部の他方の開口が封止された第3の封止部とを備えたものがある。
【特許文献2】特開2005−059320号公報
【特許文献3】特開2005−059874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような記録液カートリッジに収納される記録液収容袋(インク袋)おいては、収容できる記録液容量を増加するために袋状部に特許文献2などにも記載されているようにガゼット(マチ)を設けるようにしたものがある。一般的に、ガゼットありのインク袋は、ガゼットなしのインク袋に比べて、落下や圧力等で負荷がかかった場合にガゼット部分からの破袋を引き起こしやすいという不都合が生じることから、ガゼットを用いない方が好ましいが、インク収容容量、容積効率、カートリッジサイズ、マシンレイアウト等の面よりガゼットを設けたほうが良い場合や設けざるを得ない場合もある。
【0007】
そこで、特許文献2、3の記載のように長手方向の双方にガゼット(マチ)を形成したものや、特許文献1に記載のように液体供給口部と反対側の辺にガゼット(マチ)を設けたものなどがある。
【0008】
しかしながら、前者のようなインク袋ではガゼット部が2箇所もあり、破袋のおそれが大きくなるという課題があり、後者のようなインク袋ではガゼットが供給口部と反対の辺にあるためにインク吸出し時に残量のばらつきが比較的大きくなりやすいという課題がある。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量を可及的に少なくした記録液収容袋、この記録液収容袋を収納した記録液収納容器、この記録液収納容器を使用する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る記録液収容容器は、本体用フィルム状部材の周囲の一部にガゼットを有し、内部に記録液を収容する袋状部材に、記録液を外部に供給する記録液供給口部を設けた記録液収容袋において、袋状部材は、記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみガゼットが設けられている構成とした。
【0011】
ここで、記録液供給口部は、この記録液供給口部が取付けられている辺のガゼットの折込み長さを除いた部分の中央からガゼットの折込み開始点までの間に取付けられていることが好ましい。
【0012】
また、ガゼットは、記録液供給方向に向って高さが変化する構成とすることができる。この場合、ガゼットは、記録液供給口部側の端部が低く、記録液供給口部側と反対側の端部が高くなるように傾斜を持たせて設けられていることが好ましい。
【0013】
また、ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分では、記録液供給方向に沿う方向に対して斜めに本体用フィルム部材とガゼットが接合されていることが好ましい。また、ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分よりも外側で本体用フィルム部材が直接接合されて、ガゼットの端部が開かないことが好ましい。
【0014】
本発明に係る記録液収納容器は、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納したものである。
【0015】
ここで、容器本体の外面には上下方向を表わすマーキング手段が設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体収納容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたものである。
【0017】
ここで、記録液カートリッジの装着方向が正しくないときにはその旨を通知する通知手段、例えば、音、光、文字のいずれかで記録液カートリッジの装着方向が正しくない旨を通知する手段を備えている構成とすることができる。
【0018】
本発明に係る記録液収納容器は、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納してなり、液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置本体に対して着脱自在の装着可能であって、ガゼットが下側になる状態で画像形成装置本体側に装着されるようにするための規制手段を備えている構成とした。
【0019】
ここで、規制手段が凸部又は凹部である構成とできる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る規制手段を備える記録液収容容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたものである。
【0021】
本発明に係る記録液収容袋の製造方法は、本発明に係る記録液収容袋を製造する製造方法であって、帯状の2枚の本体用フィルム部材を、長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム状部材を挟んだ状態で、記録液収容袋が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材及びガゼット用フィルム状部材を溶着した後、個々の記録液収容袋に切断する構成としたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る記録液収容容器によれば、袋状部材は、記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみガゼットが設けられている構成としたので、袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量が可及的に少なくなる。
【0023】
本発明に係る記録液収納容器によれば、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納したので、収納している記録液収容袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量が可及的に少なくなる。
【0024】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体収納容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたので、記録液カートリッジの使い切れない記録液残量が可及的に少なくなってランニングコストの低減を図れる。
【0025】
本発明に係る記録液収納容器によれば、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納してなり、液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置本体に対して着脱自在の装着可能であって、ガゼットが下側になる状態で画像形成装置本体側に装着されるようにするための規制手段を備えている構成としたので、収納している記録液収容袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量が可及的に少なくなるとともに、ガゼットが設けられている部分を上にして装着されるようなことを防止できるようになる。
【0026】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る規制手段を備える記録液収容容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたので、記録液カートリッジの使い切れない記録液残量が可及的に少なくなってランニングコストの低減を図れるとともに、記録液カートリッジが上下逆に装着されるようなことを防止できる。
【0027】
本発明に係る記録液収容袋の製造方法によれば、帯状2枚の袋本体用フィルム部材を、長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム状部材を挟んだ状態で、記録液収容袋が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材及びガゼット用フィルム状部材を溶着した後、個々の記録液収容袋に切断する構成としたので、記録液収容袋の製造工程が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。先ず、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同インク袋の斜視説明図、図2は図1のA−A線に沿う同インク袋にインクを収容していない状態の模式的断面説明図、図3は同じくインクを収容した状態の模式的断面説明図である。
【0029】
この記録液収容袋であるインク袋1は、略矩形状の2枚のフィルム状部材である本体用フィルム11、12の周囲の一部に同じくフィルム状部材からなるガゼット(マチ)13を有し、内部に記録液を収容する袋状部材(袋本体)10に、記録液であるインクを外部に供給する記録液供給口部(液体供給口部、液体導出口部、排出口などともいう。)であるインク供給口部14を設けたものである。なお、略矩形状は円形状以外の一部の辺が曲線である形状をすべて含む意味である。
【0030】
このインク袋1は、インク供給口部14からインクを供給する方向(インク供給方向:記録液供給方向)に沿う方向の辺のうち、使用状態(ここでは、図3の縦置き状態で使用する。)で下側になる一辺のみにガゼット13を設け、上側になる辺にはガゼットを設けない構成としている。
【0031】
ここで、図1では本体用フィルム11、12及びガゼット13、インク供給口部14の接合領域には斜線を施して図示している。つまり、ガゼット13は、本体用フィルム11、12の使用状態で下側になる辺及びガゼット13の両端部部分で本体用フィルム11、12と溶着されている。また、本体用フィルム11、12は、使用状態で上側になる辺では相互に溶着(融着)され、インク供給口部14を設ける辺では相互に又はインク供給口部14に溶着され(下端部の一部はガゼット13と溶着され)、インク供給口部14を設ける辺と反対側の辺では相互に溶着される(下端部の一部はガゼット13と溶着される。)。
【0032】
このように、記録液収容袋は、袋状部材の記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみガゼットが設けられている構成とすることで、ガゼットが片側のみであり、両側にガゼットがある場合に比べて、部品点数の削減を図れ、製造工程が簡単になることによってコストの低減を図れる。
【0033】
また、記録液収容袋を構成するフィルム状部材が4枚から2枚になる部分(図2のBの部分)において厚みの違いによる隙間ができ、インク残量が少なくなって袋が潰れた場合でも、この隙間を通って供給口部14までの流路(経路)ができるため、使い残るインク残量を低減することができる。さらに、ガゼット13側を使用状態で下側(重力加速度方向下側)にしているので、インク残量が減少してくると、自然に下側(ガゼットのある側)にインクが流れてくるため、使い残しになるインク残量をより一層低減することができ、ランニングコストの低減を図れる。
【0034】
上記の隙間による流路の形成について、図2のB部分を拡大した図4を参照して説明しておくと、本体用フィルム11、12とガゼット13の折込み部が重なる部分では、フィルム状部材が4枚から2枚になるため、袋状部材10がつぶれたときでも、隙間31が形成されて、この隙間31が流路として機能することになる。
【0035】
ここで、本発明に係る記録液収容袋の製造方法を適用したこのインク袋1の製造方法について図5を参照して説明する。
先ず、帯状の袋本体用(胴体用)フィルム21、22を重ねてその長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム23、23を折り曲げて挟み込んだ状態で、インク1が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材21、22及びガゼット用フィルム状23の領域25a、25b、26、27を溶着する。なお、領域27の内、インク供給口部14に溶着する領域28は溶着しない。
【0036】
これによって、片側にガゼット13を有するインク袋1の列が2列形成されるので、最後にフィルムの長手方向及びこれに直交する方向に沿う各切断線29a、29bで切断することによって、インク袋1′、1″のように分割する。
【0037】
このように、ガゼットが片側であることによって同時に少なくとも2つのインク袋(記録液収容袋)を作製することができ、両側にガゼットを設ける場合には同時に1つの袋しかできないのに対し、時間当りの生産量を多くすることができ、製造コストを削減することができる。
【0038】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第2実施形態について図6を参照して説明する。なお、図6は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、インク供給口部14の取り付け位置を、使用状態におけるインク袋1の高さhからガゼット13の折込み長さbを差し引いた残りをaとするとき、ガゼット折込み位置からa/2までの間としている。
【0039】
このような位置にインク供給口部14を配置することによって、インク袋1内のインクが吸い出されて(供給されて)残量が少なくなり、インク袋1が潰れてきても、図2に示したB部はガゼット13の2枚分のフィルム厚さの分の空間(隙間)が生じることから、この隙間を流路(隙間)31としてインクを吸い出すことができる。このため、インク供給口部14が当該流路31に近ければ近い位置にあるほどインク残量を減らすことができる。
【0040】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第3実施形態について図7を参照して説明する。なお、図7は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、インク袋1の袋本体10内の使用状態で下側となるガゼット13を設けた辺(底辺)が、インク供給口部14側に向って低くなるように直線的な傾斜を持たせて本体用フィルム11、12及びガゼット13を溶着している。
【0041】
これによって、インク袋1内のインクは重力に引かれて低い方向へ流れ、インク供給口部14を低くなる側に配置しているので、結果として使い残しになるインク残量を少なくすることができる。
【0042】
このように、ガゼットは、記録液供給方向に向って高さが変化する構成とし、この場合、ガゼットは、記録液供給口部側の端部が低く、記録液供給口部側と反対側の端部が高くなるように傾斜を持たせて設けられていることで、使い残しになるインク残量を少なくすることができる。
【0043】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第4実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、ガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の端部部分15、15では、記録液供給方向に沿う方向に対して弧状に斜めになるように、本体用フィルム11、12とガゼット13が接合されている。言い換えれば、本体用フィルム11、12とガゼット13の融着領域(斜線領域で図示)は、ガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の中央部分で高さが低く、端部部分15、15で高さが高くなるように曲線状に傾斜させている。
【0044】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第5実施形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、ガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の端部部分15、15では、記録液供給方向に沿う方向に対して直線状に斜めになるように、本体用フィルム11、12とガゼット13が接合されている。言い換えれば、本体用フィルム11、12とガゼット13の融着領域(斜線領域で図示)はガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の中央部分で高さが低く、端部部分15、15で高さが高くなるように直線状に傾斜させている。
【0045】
これらの第4、第5実施形態によれば、インク袋1が満杯のときや落下などの条件下で、ガゼット13の端部の折込み部分への応力集中を防ぐことができ、破損し難くなる。
【0046】
つまり、前記第1実施形態のようなインク袋1にインクを満杯に充填したとき、図10及び図10を矢示C方向から見た拡大図である図11に示すように、ガゼット13の端部部分15が端まで膨らむので、ガゼット13の折込み部分D(本体用フィルム11、12との溶着開始部分)に応力が集中することになる。そこで、上記第4、第5実施形態のようにガゼット13の両端部では本体用フィルム11,12と斜めに溶着することで、ガゼット13の端部の折込み部分Dへの応力集中を防ぐことができる。
【0047】
この場合、図12に示すように、ガゼット13の端部の折込み部と本体用フィルム11、12の溶着開始位置17とを合わせることによって、内容量の減少を最小限にしつつ強度の向上を図ることができる。
【0048】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第6実施形態について図13ないし図15を参照して説明する。なお、図13は同インク袋の側面説明図、図14は図13のE−E線に沿う断面説明図、図15は同インク袋に用いたガゼットの説明図である。
ここでは、ガゼット13の両端部15、15にパンチングなどによって切り欠き部18、18を形成している。これにより、本体用フィルム11,12は、ガゼット13の両端部の切り欠き部18、18の箇所で、つまり、ガゼット13の端部より外側で直接相互に溶着(接合)している。
【0049】
したがって、前述した図10及び図11に示すように、ガゼット13の端部部分15が外側に開こうとしても本体用フィルム11、12が直接接合されているために開くことができなくなる。これにより、ガゼット13の両端部に膨らみを確保して収容量の減少を抑えつつ、本体用フィルム11、12の端部が溶着されて広がらないことで応力を分散させることで、衝撃による破袋に対する耐性が強くなる。なお、このようなインク袋1を製造するには前述した図5の製造工程において、図16に示すように所定の位置(端部となる位置)に予めパンチングで切り欠き部を形成したガゼット用フィルム23を用いることで、同様にして簡単な製造工程で作製することができる。
【0050】
次に、本発明に係る記録液収容容器の第1実施形態について図17及び図18を参照して説明する。なお、図17は記録液収納容器である記録液カートリッジ(インクカートリッジ)の斜視説明図、図18同カートリッジの側面説明図である。
この記録液カートリッジであるインクカートリッジ100は、カートリッジケース(筺体)101内に記録液であるインクを収容した本発明に係る記録液収容袋であるインク袋1を収納したものである。このカートリッジケース101は、分解及び組立て可能に2分割された第1ケース(ベース)111と第2ケース(ケース)112とで構成されている。そして、カートリッジケース101には内部に収納したインク袋1のインク供給口部14に対応して開口部113を形成している。
【0051】
また、カートリッジケース101のインク供給口部14側の外面上部には、このインクカートリッジ100を画像形成装置本体に装着するときの上下方向を表わす(例えば黒塗りのマークなど)マーキング手段102を設けている。
【0052】
これにより、インク袋1がガゼット13を片側に設けた構成であっても、画像形成装置本体に対し、インクカートリッジ100を、上下を間違わないで装着することができるようになる。
【0053】
そこで、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態について図19を参照して説明する。なお、図19は同画像形成装置のカートリッジ装着部分の説明に供する斜視説明図である。
ここでは、画像形成装置本体側にインクカートリッジ100を着脱自在に装着するカートリッジホルダ120を備え、このカートリッジホルダ120のカートリッジ挿入口121の奥側の面には、インク供給口部14を刺通する中空針122と、インクカートリッジ100のマーキング手段102を読み取るフォトセンサなどの検知手段123とを設けている。
【0054】
そして、図20に示すように、主制御部130は、検知手段123の検知信号を受けてインクカートリッジ100が上下方向を正しくセットされたか否かを判別し、インクカートリッジ100が上下正しく装着されていないときには、通知手段131を通じてインクカートリッジ100が上下正しく装着されていない旨をユーザーに通知するようにしている。なお、通知手段131としては、ブザー音や音声ガイドで通知するもの、LEDなどの発光手段で通知するもの、LCDなどのディスプレイ手段を用いて文字や画像で通知するものなどを用いることができるし、外部ホストを介して通知することもできる。
【0055】
したがって、インクカートリッジ100の上下を逆にして画像形成装置本体に装着されて使用されることが防止される。
【0056】
このように記録液カートリッジ及び画像形成装置を構成することによって、使用状態での上下方向が規定される本発明に係る記録液供給袋を用いた記録液収容容器であっても、誤った方向で画像形成装置本体に装着されて使用されることを防止することができる。
【0057】
次に、本発明に係る記録液収容容器の第2実施形態について図21及び図22を参照して説明する。なお、図21は記録液収納容器である記録液カートリッジ(インクカートリッジ)の斜視説明図、図22同カートリッジの側面説明図である。
この記録液カートリッジであるインクカートリッジ100は、カートリッジケース(筺体)101内に記録液であるインクを収容した本発明に係る記録液収容袋であるインク袋1を収納したものである。このカートリッジケース101は、分解及び組立て可能に2分割された第1ケース(ベース)111と第2ケース(ケース)112とで構成されている。そして、カートリッジケース101には内部に収納したインク袋1のインク供給口部14に対応して開口部113を形成している。
【0058】
また、カートリッジケース101の下側には、このインクカートリッジ100を画像形成装置本体に装着するときに上下逆方向での挿入を規制する規制手段としての凸部103を設けている。
【0059】
これにより、インク袋1がガゼット13を片側に設けた構成であっても、画像形成装置本体に対し、インクカートリッジ100を、上下を間違わないで装着することができるようになる。
【0060】
そこで、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について図23を参照して説明する。なお、図23は同画像形成装置のカートリッジ装着部分の説明に供する斜視説明図である。
ここでは、画像形成装置本体側にインクカートリッジ100を着脱自在に装着するカートリッジホルダ120を備え、このカートリッジホルダ120のカートリッジ挿入口121の奥側の面には、インク供給口部14を刺通する中空針122と、上記第2実施形態に係るインクカートリッジ100の規制手段である凸部103を嵌め込み可能な凹部125を設けている。
【0061】
したがって、インクカートリッジ100の上下を逆にした場合には凸部103を凹部125にはめ込めないので、インクカートリッジ100の装着自体ができなくなる。
【0062】
このように記録液カートリッジ及び画像形成装置を構成することによって、使用状態での上下方向が規定される本発明に係る記録液供給袋を用いた記録液収容容器であっても、誤った方向で画像形成装置本体に装着されることを防止することができる。なお、記録液カートリッジの凸部と画像形成装置本体の凹部は逆にすることもできる。
【0063】
次に、本発明に係る画像形成装置の第3実施形態について図24ないし図26を参照して説明する。なお、図24は同画像形成装置の全体構成を示す概略構成図、図25は同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図、図26は同じく同装置のエンジンユニットの斜視説明図である。
【0064】
この画像形成装置は、装置本体201の内部(筺体内)に、用紙を搬送しながら画像を形成するための画像形成部(手段)202及び用紙を搬送するための副走査搬送部(手段)203等を有し、装置本体201の底部に設けた給紙カセットを含む給紙部(手段)204から用紙205を1枚ずつ給紙して、副走査搬送部203によって用紙205を画像形成部2に対向する位置で搬送しながら、画像形成部202によって用紙205に液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、片面印刷の場合には排紙搬送部(手段)207を通じて装置本体201の上面に形成した排紙トレイ208上に用紙205を排紙する。
【0065】
また、この画像形成装置は、画像形成部202で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体201の上部で排紙トレイ208の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)211を備えている。この画像読取部211は、照明光源213とミラー214とを含む走査光学系215と、ミラー216、217を含む走査光学系218とが移動して、コンタクトガラス212上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ219の後方に配置した画像読み取り素子220で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。
【0066】
ここで、この画像形成装置の画像形成部2は、ガイドロッド221及びガイドレール222(図26参照)でキャリッジ223を片持ちで主走査方向に移動可能に保持し、主走査モータ227で駆動プーリ228Aと従動プーリ228B間に架け渡したタイミングベルト229を介して主走査方向に移動走査する。
【0067】
そして、このキャリッジ223上に、それぞれの色の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド224を搭載し、キャリッジ223を主走査方向に移動させ、副走査搬送部203によって用紙205を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド224から液滴を吐出させて画像形成を行なうシャトル型としている。なお、ライン型ヘッドを用いることもできる。
【0068】
記録ヘッド224は、それぞれブラック(Bk)インクを吐出する2個の液滴吐出ヘッド224k1、224k2と、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出するそれぞれ1個の液滴吐出ヘッド224c、224m、224yの計5個の液滴吐出ヘッド(以下、色を区別しないときは「記録ヘッド224」という。)で構成され、キャリッジ223に搭載した各サブタンク225からそれぞれ各色のインクが供給される。
【0069】
一方、装置本体201の前面からカートリッジ装着部300内に、ブラック(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した本発明に係る記録液収納容器を用いた記録液カートリッジである各色のインクカートリッジ301を着脱自在に装着でき、各色のインクカートリッジ301から各色のサブタンク225にインクを供給する。なお、ブラックインクは1つのインクカートリッジ301から2つのサブタンク325に供給する構成としている。
【0070】
なお、記録ヘッド224としては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどを用いることができる。
【0071】
また、キャリッジ223の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド224のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復装置321を配置している。この維持回復装置321は、5個の記録ヘッド224の各ノズル面をキャピングするための吸引用及び保湿用を兼ねたキャップ322aと、保湿用キャップ322b〜322eと、記録ヘッド224のノズル面をワイピングするためのワイパーブレード324と、記録(画像形成)に寄与しない液滴の吐出(空吐出)を行なうための空吐出受け部材325などを備えている。
【0072】
さらに、キャリッジ223の走査方向他方側の非印字領域には、5個の記録ヘッド224から記録(画像形成)に寄与しない液滴の吐出(空吐出)を行なうための空吐出受け部材326を備えている。この空吐出受け部材326には、記録ヘッド224に対応して5個の開口327a〜327eを形成している。
【0073】
副走査搬送部203は、下方から給紙された用紙205を略90度搬送方向を転換させて画像形成部202に対向させて搬送するための、駆動ローラである搬送ローラ232とテンションローラである従動ローラ233間に架け渡した無端状の搬送ベルト231と、この搬送ベルト231の表面を帯電させるためにACバイアス供給部から交番電圧である高電圧が印加される帯電手段である帯電ローラ234と、搬送ベルト231を画像形成部202の対向する領域でガイドするガイド部材235と、用紙205を搬送ローラ232に対向する位置で搬送ベルト231に押し付ける2個の押さえコロ(加圧コロ)236と、画像形成部202によって画像が形成された用紙205の上面側を押えるガイド板237と、画像が形成された用紙205を搬送ベルト231から分離するための分離爪238とを備えている。
【0074】
この副走査搬送部203の搬送ベルト231は、DCブラシレスモータを用いた副走査モータ331によって、タイミングベルト332及びタイミングローラ333を介して搬送ローラ232が回転されることで、用紙搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
【0075】
さらに、搬送ローラ232の軸232aには高分解能のコードホール337(図26参照)を取り付け、このコードホイール337に形成したスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサを設けて、これらのコードホイール337とエンコーダセンサによってロータリエンコーダを構成している。
【0076】
これらの画像形成部202及び副走査搬送部203などはエンジンユニット230(図26参照)として構成し、装置本体201に対して着脱自在に装着している。
【0077】
給紙部204は、装置本体201の前面側から抜き差し可能で、多数枚の用紙205を積載して収納する給紙カセット241と、給紙カセット241内の用紙205を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ242及びフリクションパッド243と、給紙された用紙5をレジストするレジストローラ244を備えている。また、この給紙部204は、多数枚の用紙205を積載して収容するための手差しトレイ246及び手差しトレイ246から1枚ずつ用紙205を給紙するための手差しコロ247と、装置本体201の下側にオプションで装着される給紙カセットや後述する両面ユニットから給紙される用紙205を搬送するための搬送コロ248を備えている。給紙コロ242、レジストローラ244、手差しコロ247、搬送コロ248などの副走査搬送部203へ用紙205を給送するための部材は図示しない電磁クラッチを介してHB型ステッピングモータからなる給紙モータ(駆動手段)249によって回転駆動される。
【0078】
排紙搬送部207は、副走査搬送部203の分離爪238で分離された用紙205を搬送する3個の搬送ローラ271及びこれに対向する拍車272と、排紙ローラ271及び拍車272間の間から送り出される用紙205を、フェイスダウンで排紙トレイ208へ送り出すための反転ローラ対277及び反転排紙ローラ対278とを備えている。
【0079】
次に、エンジンユニット230について図26を参照して簡単に説明する。このエンジンユニット230は、前述したように画像形成部202と副走査搬送部203とをユニット化し、装置本体201に着脱自在に装着できるようにようにして、メンテナンス性を向上したものである。
【0080】
そして、この画像形成装置においては、前述したようにサブタンク方式の構成であることから、キャリッジ223に搭載しているサブタンク225に対して装置本体201側のインクカートリッジ301からインクを補充供給するため、インクカートリッジ装填部330はインクカートリッジ301を装填するホルダ302及びインクカートリッジ301内のインクを送り出す供給機構303を備え、この供給機構303から5本のチューブ304を介してキャリッジ223上のサブタンク225にインクを補充供給(給送)する。
【0081】
ここで、インクカートリッジ301及びホルダ303の構成としては、前記記録液収納容器及び画像形成装置についての第1、第2実施形態で説明したような構成を採用することができる。
【0082】
この場合、エンジンユニット230を装置本体201に対して脱着するときに、インクカートリッジ装填部300からチューブ304を介してキャリッジ223上のサブタンク225に至るインク供給経路を分解しなければならないのでは、インク供給経路にゴミや埃など侵入しやすく、インク供給経路の目詰まりによる供給不能が生じやすくなる。
【0083】
そこで、ここでは、エンジンユニット230のフレーム230Aにインクカートリッジ装填部300のホルダ302を固定して、インクカートリッジ301とエンジンユニット230とを一体のユニットとして、エンジンユニット230を装置本体201に対して脱着するときにインク供給経路を不必要に分解しないようにしている。これによって、インク供給経路にゴミや埃などが侵入することを防止できる。
【0084】
このように構成した画像形成装置における画像形成動作について簡単に説明すると、ACバイアス供給部から帯電ローラ234に交番電圧である正負極の矩形波の高電圧を印加することによって、帯電ローラ234は搬送ベルト231の絶縁層(表層)に当接しているので、搬送ベルト231の表層には、正と負の電荷が搬送ベルト231の搬送方向に対して交互に帯状に印加され、搬送ベルト231上に所定の帯電幅で帯電が行われて不平等電界が生成される。
【0085】
そこで、給紙部204から用紙205が給紙されて搬送ローラ232と押えコロ236との間の、正負極の電荷が形成されることによって不平等電界が発生している搬送ベルト231上へと送り込まれると、用紙205は電界の向きにならって瞬時に分極し、静電吸着力で搬送ベルト231上に吸着され、搬送ベルト231の移動に伴って搬送される。
【0086】
そして、この搬送ベルト231で用紙205を間歇的に搬送しながら、用紙205上に印刷データに応じて記録ヘッド224から記録液の液滴を吐出して画像を形成(印刷)し、画像形成が行なわれた用紙205の先端側を分離爪238で搬送ベルト231から分離して排紙搬送部207によって搬送して排紙トレイ208に排紙する。
【0087】
このように、この画像形成装置においては、本発明に係る記録液収納容器からなる記録液カートリッジを備えているので、記録液の使い残しが少なくなり、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0088】
なお、上記実施形態においては、本発明をマルチファンクション(MFP)の画像形成装置に適用した例で説明したが、プリンタやファクシミリ装置などの他の画像形成装置にも同様に適用することができる。また、インク以外の記録液を使用する画像形成装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る記録液収容袋の第1実施形態の模式的斜視説明図である。
【図2】同じく図1のA−A線に沿う記録液がない状態での模式的断面説明図である。
【図3】同じく図1のA−A線に沿う記録液を充填した状態での模式的断面説明図である。
【図4】図2のB部の拡大説明図である。
【図5】本発明に係る記録液収容袋の製造方法の説明に供する説明図である。
【図6】本発明に係る記録液収容袋の第2実施形態の模式的側面説明図である。
【図7】本発明に係る記録液収容袋の第3実施形態の模式的側面説明図である。
【図8】本発明に係る記録液収容袋の第4実施形態の模式的側面説明図である。
【図9】本発明に係る記録液収容袋の第5実施形態の模式的側面説明図である。
【図10】第4、第5実施形態の作用説明に供する第1実施形態の記録液収容袋に記録液を充填した状態の模式的斜視説明図である。
【図11】図11の矢示C方向から見た拡大説明図である。
【図12】本発明に係る記録液収容袋の第5実施形態の他の例を示す模式的側面説明図である。
【図13】本発明に係る記録液収容袋の第6実施形態を示す模式的側面説明である。
【図14】図13のE−E線に沿う模式的断面説明図である。
【図15】図13のガゼットの側面説明図である。
【図16】同実施形態の記録液収容袋の製作に用いるガゼット用フィルム部材の説明図である。
【図17】本発明に係る記録液収納容器の第1実施形態の斜視説明図である。
【図18】同じく側面説明図である。
【図19】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態のカートリッジ装填部の斜視説明図である。
【図20】同じく同装置における通知制御に係る部分のブロック説明図である。
【図21】本発明に係る記録液収納容器の第2実施形態の斜視説明図である。
【図22】同じく側面説明図である。
【図23】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態のカートリッジ装填部の斜視説明図である。
【図24】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図25】同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図である。
【図26】同じくエンジンユニット部の斜視説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1…インク袋
11、12…本体用フィルム
13…ガゼット
14…インク供給口部
100…インクカートリッジ
101…カートリッジケース
201…装置本体
202…画像形成部
203…副走査搬送部
204…給紙部
205…用紙(被記録媒体)
207…排紙搬送部
208…排紙トレイ
223…キャリッジ
224…記録ヘッド
231…搬送ベルト
300…カートリッジ装填部
301…インクカートリッジ
【技術分野】
【0001】
本発明は記録液収容袋、記録液収納容器、画像形成装置、記録液収容袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、インク記録ヘッドから用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に記録液としてのインクを吐出して画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものである。
【0003】
このような画像形成装置において、記録ヘッドに対して記録液を供給する方式として、記録ヘッドとともに記録液を収容した記録液カートリッジであるインクカートリッジを交換可能にキャリッジに搭載するものと、記録ヘッドとともに小容量のヘッドタンク(サブタンクとも称される。)をキャリッジに搭載し、記録液カートリッジである大容量のインクカートリッジ(メインタンク)を装置本体側に交換可能に装着して、ヘッドタンクに対して装置本体側のインクカートリッジから記録液を補充供給するものとが知られている。
【0004】
従来の記録液カートリッジであるインクカートリッジとしては、特許文献1に記載されているように、略矩形状のフィルム状部材の周囲を貼り合わせて形成され、内部に記録液を収容する袋状部材に、記録液を外部に供給する記録液供給口部を設けた記録液収容袋をケース内に収納したものがある。
【特許文献1】特開2005−014437号公報
【0005】
また、特許文献2、3に記載されているように、外部に液体を導出する液体導出部と、液体を収容するフィルムからなる液体収容部とを有し、液体収容部は、1枚のフィルムの両側端部を互いに固着した第1の封止部と、第1の封止部によって、管状に形成された胴体部と、胴体部の一方の開口が、液体導出部を内側に挟んだ状態で封止された第2の封止部と、胴体部の他方の開口が封止された第3の封止部とを備えたものがある。
【特許文献2】特開2005−059320号公報
【特許文献3】特開2005−059874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような記録液カートリッジに収納される記録液収容袋(インク袋)おいては、収容できる記録液容量を増加するために袋状部に特許文献2などにも記載されているようにガゼット(マチ)を設けるようにしたものがある。一般的に、ガゼットありのインク袋は、ガゼットなしのインク袋に比べて、落下や圧力等で負荷がかかった場合にガゼット部分からの破袋を引き起こしやすいという不都合が生じることから、ガゼットを用いない方が好ましいが、インク収容容量、容積効率、カートリッジサイズ、マシンレイアウト等の面よりガゼットを設けたほうが良い場合や設けざるを得ない場合もある。
【0007】
そこで、特許文献2、3の記載のように長手方向の双方にガゼット(マチ)を形成したものや、特許文献1に記載のように液体供給口部と反対側の辺にガゼット(マチ)を設けたものなどがある。
【0008】
しかしながら、前者のようなインク袋ではガゼット部が2箇所もあり、破袋のおそれが大きくなるという課題があり、後者のようなインク袋ではガゼットが供給口部と反対の辺にあるためにインク吸出し時に残量のばらつきが比較的大きくなりやすいという課題がある。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量を可及的に少なくした記録液収容袋、この記録液収容袋を収納した記録液収納容器、この記録液収納容器を使用する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る記録液収容容器は、本体用フィルム状部材の周囲の一部にガゼットを有し、内部に記録液を収容する袋状部材に、記録液を外部に供給する記録液供給口部を設けた記録液収容袋において、袋状部材は、記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみガゼットが設けられている構成とした。
【0011】
ここで、記録液供給口部は、この記録液供給口部が取付けられている辺のガゼットの折込み長さを除いた部分の中央からガゼットの折込み開始点までの間に取付けられていることが好ましい。
【0012】
また、ガゼットは、記録液供給方向に向って高さが変化する構成とすることができる。この場合、ガゼットは、記録液供給口部側の端部が低く、記録液供給口部側と反対側の端部が高くなるように傾斜を持たせて設けられていることが好ましい。
【0013】
また、ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分では、記録液供給方向に沿う方向に対して斜めに本体用フィルム部材とガゼットが接合されていることが好ましい。また、ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分よりも外側で本体用フィルム部材が直接接合されて、ガゼットの端部が開かないことが好ましい。
【0014】
本発明に係る記録液収納容器は、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納したものである。
【0015】
ここで、容器本体の外面には上下方向を表わすマーキング手段が設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体収納容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたものである。
【0017】
ここで、記録液カートリッジの装着方向が正しくないときにはその旨を通知する通知手段、例えば、音、光、文字のいずれかで記録液カートリッジの装着方向が正しくない旨を通知する手段を備えている構成とすることができる。
【0018】
本発明に係る記録液収納容器は、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納してなり、液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置本体に対して着脱自在の装着可能であって、ガゼットが下側になる状態で画像形成装置本体側に装着されるようにするための規制手段を備えている構成とした。
【0019】
ここで、規制手段が凸部又は凹部である構成とできる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る規制手段を備える記録液収容容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたものである。
【0021】
本発明に係る記録液収容袋の製造方法は、本発明に係る記録液収容袋を製造する製造方法であって、帯状の2枚の本体用フィルム部材を、長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム状部材を挟んだ状態で、記録液収容袋が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材及びガゼット用フィルム状部材を溶着した後、個々の記録液収容袋に切断する構成としたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る記録液収容容器によれば、袋状部材は、記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみガゼットが設けられている構成としたので、袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量が可及的に少なくなる。
【0023】
本発明に係る記録液収納容器によれば、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納したので、収納している記録液収容袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量が可及的に少なくなる。
【0024】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体収納容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたので、記録液カートリッジの使い切れない記録液残量が可及的に少なくなってランニングコストの低減を図れる。
【0025】
本発明に係る記録液収納容器によれば、本発明に係る記録液収容袋を容器本体内に収納してなり、液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置本体に対して着脱自在の装着可能であって、ガゼットが下側になる状態で画像形成装置本体側に装着されるようにするための規制手段を備えている構成としたので、収納している記録液収容袋の破損のおそれを低減し、使い切れない記録液残量が可及的に少なくなるとともに、ガゼットが設けられている部分を上にして装着されるようなことを防止できるようになる。
【0026】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る規制手段を備える記録液収容容器からなる記録液カートリッジが着脱自在に装着される構成としたので、記録液カートリッジの使い切れない記録液残量が可及的に少なくなってランニングコストの低減を図れるとともに、記録液カートリッジが上下逆に装着されるようなことを防止できる。
【0027】
本発明に係る記録液収容袋の製造方法によれば、帯状2枚の袋本体用フィルム部材を、長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム状部材を挟んだ状態で、記録液収容袋が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材及びガゼット用フィルム状部材を溶着した後、個々の記録液収容袋に切断する構成としたので、記録液収容袋の製造工程が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。先ず、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同インク袋の斜視説明図、図2は図1のA−A線に沿う同インク袋にインクを収容していない状態の模式的断面説明図、図3は同じくインクを収容した状態の模式的断面説明図である。
【0029】
この記録液収容袋であるインク袋1は、略矩形状の2枚のフィルム状部材である本体用フィルム11、12の周囲の一部に同じくフィルム状部材からなるガゼット(マチ)13を有し、内部に記録液を収容する袋状部材(袋本体)10に、記録液であるインクを外部に供給する記録液供給口部(液体供給口部、液体導出口部、排出口などともいう。)であるインク供給口部14を設けたものである。なお、略矩形状は円形状以外の一部の辺が曲線である形状をすべて含む意味である。
【0030】
このインク袋1は、インク供給口部14からインクを供給する方向(インク供給方向:記録液供給方向)に沿う方向の辺のうち、使用状態(ここでは、図3の縦置き状態で使用する。)で下側になる一辺のみにガゼット13を設け、上側になる辺にはガゼットを設けない構成としている。
【0031】
ここで、図1では本体用フィルム11、12及びガゼット13、インク供給口部14の接合領域には斜線を施して図示している。つまり、ガゼット13は、本体用フィルム11、12の使用状態で下側になる辺及びガゼット13の両端部部分で本体用フィルム11、12と溶着されている。また、本体用フィルム11、12は、使用状態で上側になる辺では相互に溶着(融着)され、インク供給口部14を設ける辺では相互に又はインク供給口部14に溶着され(下端部の一部はガゼット13と溶着され)、インク供給口部14を設ける辺と反対側の辺では相互に溶着される(下端部の一部はガゼット13と溶着される。)。
【0032】
このように、記録液収容袋は、袋状部材の記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみガゼットが設けられている構成とすることで、ガゼットが片側のみであり、両側にガゼットがある場合に比べて、部品点数の削減を図れ、製造工程が簡単になることによってコストの低減を図れる。
【0033】
また、記録液収容袋を構成するフィルム状部材が4枚から2枚になる部分(図2のBの部分)において厚みの違いによる隙間ができ、インク残量が少なくなって袋が潰れた場合でも、この隙間を通って供給口部14までの流路(経路)ができるため、使い残るインク残量を低減することができる。さらに、ガゼット13側を使用状態で下側(重力加速度方向下側)にしているので、インク残量が減少してくると、自然に下側(ガゼットのある側)にインクが流れてくるため、使い残しになるインク残量をより一層低減することができ、ランニングコストの低減を図れる。
【0034】
上記の隙間による流路の形成について、図2のB部分を拡大した図4を参照して説明しておくと、本体用フィルム11、12とガゼット13の折込み部が重なる部分では、フィルム状部材が4枚から2枚になるため、袋状部材10がつぶれたときでも、隙間31が形成されて、この隙間31が流路として機能することになる。
【0035】
ここで、本発明に係る記録液収容袋の製造方法を適用したこのインク袋1の製造方法について図5を参照して説明する。
先ず、帯状の袋本体用(胴体用)フィルム21、22を重ねてその長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム23、23を折り曲げて挟み込んだ状態で、インク1が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材21、22及びガゼット用フィルム状23の領域25a、25b、26、27を溶着する。なお、領域27の内、インク供給口部14に溶着する領域28は溶着しない。
【0036】
これによって、片側にガゼット13を有するインク袋1の列が2列形成されるので、最後にフィルムの長手方向及びこれに直交する方向に沿う各切断線29a、29bで切断することによって、インク袋1′、1″のように分割する。
【0037】
このように、ガゼットが片側であることによって同時に少なくとも2つのインク袋(記録液収容袋)を作製することができ、両側にガゼットを設ける場合には同時に1つの袋しかできないのに対し、時間当りの生産量を多くすることができ、製造コストを削減することができる。
【0038】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第2実施形態について図6を参照して説明する。なお、図6は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、インク供給口部14の取り付け位置を、使用状態におけるインク袋1の高さhからガゼット13の折込み長さbを差し引いた残りをaとするとき、ガゼット折込み位置からa/2までの間としている。
【0039】
このような位置にインク供給口部14を配置することによって、インク袋1内のインクが吸い出されて(供給されて)残量が少なくなり、インク袋1が潰れてきても、図2に示したB部はガゼット13の2枚分のフィルム厚さの分の空間(隙間)が生じることから、この隙間を流路(隙間)31としてインクを吸い出すことができる。このため、インク供給口部14が当該流路31に近ければ近い位置にあるほどインク残量を減らすことができる。
【0040】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第3実施形態について図7を参照して説明する。なお、図7は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、インク袋1の袋本体10内の使用状態で下側となるガゼット13を設けた辺(底辺)が、インク供給口部14側に向って低くなるように直線的な傾斜を持たせて本体用フィルム11、12及びガゼット13を溶着している。
【0041】
これによって、インク袋1内のインクは重力に引かれて低い方向へ流れ、インク供給口部14を低くなる側に配置しているので、結果として使い残しになるインク残量を少なくすることができる。
【0042】
このように、ガゼットは、記録液供給方向に向って高さが変化する構成とし、この場合、ガゼットは、記録液供給口部側の端部が低く、記録液供給口部側と反対側の端部が高くなるように傾斜を持たせて設けられていることで、使い残しになるインク残量を少なくすることができる。
【0043】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第4実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、ガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の端部部分15、15では、記録液供給方向に沿う方向に対して弧状に斜めになるように、本体用フィルム11、12とガゼット13が接合されている。言い換えれば、本体用フィルム11、12とガゼット13の融着領域(斜線領域で図示)は、ガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の中央部分で高さが低く、端部部分15、15で高さが高くなるように曲線状に傾斜させている。
【0044】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第5実施形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同インク袋の側面説明図である。
ここでは、ガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の端部部分15、15では、記録液供給方向に沿う方向に対して直線状に斜めになるように、本体用フィルム11、12とガゼット13が接合されている。言い換えれば、本体用フィルム11、12とガゼット13の融着領域(斜線領域で図示)はガゼット13の記録液供給方向に沿う方向の中央部分で高さが低く、端部部分15、15で高さが高くなるように直線状に傾斜させている。
【0045】
これらの第4、第5実施形態によれば、インク袋1が満杯のときや落下などの条件下で、ガゼット13の端部の折込み部分への応力集中を防ぐことができ、破損し難くなる。
【0046】
つまり、前記第1実施形態のようなインク袋1にインクを満杯に充填したとき、図10及び図10を矢示C方向から見た拡大図である図11に示すように、ガゼット13の端部部分15が端まで膨らむので、ガゼット13の折込み部分D(本体用フィルム11、12との溶着開始部分)に応力が集中することになる。そこで、上記第4、第5実施形態のようにガゼット13の両端部では本体用フィルム11,12と斜めに溶着することで、ガゼット13の端部の折込み部分Dへの応力集中を防ぐことができる。
【0047】
この場合、図12に示すように、ガゼット13の端部の折込み部と本体用フィルム11、12の溶着開始位置17とを合わせることによって、内容量の減少を最小限にしつつ強度の向上を図ることができる。
【0048】
次に、本発明に係る記録液収容袋であるインク袋の第6実施形態について図13ないし図15を参照して説明する。なお、図13は同インク袋の側面説明図、図14は図13のE−E線に沿う断面説明図、図15は同インク袋に用いたガゼットの説明図である。
ここでは、ガゼット13の両端部15、15にパンチングなどによって切り欠き部18、18を形成している。これにより、本体用フィルム11,12は、ガゼット13の両端部の切り欠き部18、18の箇所で、つまり、ガゼット13の端部より外側で直接相互に溶着(接合)している。
【0049】
したがって、前述した図10及び図11に示すように、ガゼット13の端部部分15が外側に開こうとしても本体用フィルム11、12が直接接合されているために開くことができなくなる。これにより、ガゼット13の両端部に膨らみを確保して収容量の減少を抑えつつ、本体用フィルム11、12の端部が溶着されて広がらないことで応力を分散させることで、衝撃による破袋に対する耐性が強くなる。なお、このようなインク袋1を製造するには前述した図5の製造工程において、図16に示すように所定の位置(端部となる位置)に予めパンチングで切り欠き部を形成したガゼット用フィルム23を用いることで、同様にして簡単な製造工程で作製することができる。
【0050】
次に、本発明に係る記録液収容容器の第1実施形態について図17及び図18を参照して説明する。なお、図17は記録液収納容器である記録液カートリッジ(インクカートリッジ)の斜視説明図、図18同カートリッジの側面説明図である。
この記録液カートリッジであるインクカートリッジ100は、カートリッジケース(筺体)101内に記録液であるインクを収容した本発明に係る記録液収容袋であるインク袋1を収納したものである。このカートリッジケース101は、分解及び組立て可能に2分割された第1ケース(ベース)111と第2ケース(ケース)112とで構成されている。そして、カートリッジケース101には内部に収納したインク袋1のインク供給口部14に対応して開口部113を形成している。
【0051】
また、カートリッジケース101のインク供給口部14側の外面上部には、このインクカートリッジ100を画像形成装置本体に装着するときの上下方向を表わす(例えば黒塗りのマークなど)マーキング手段102を設けている。
【0052】
これにより、インク袋1がガゼット13を片側に設けた構成であっても、画像形成装置本体に対し、インクカートリッジ100を、上下を間違わないで装着することができるようになる。
【0053】
そこで、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態について図19を参照して説明する。なお、図19は同画像形成装置のカートリッジ装着部分の説明に供する斜視説明図である。
ここでは、画像形成装置本体側にインクカートリッジ100を着脱自在に装着するカートリッジホルダ120を備え、このカートリッジホルダ120のカートリッジ挿入口121の奥側の面には、インク供給口部14を刺通する中空針122と、インクカートリッジ100のマーキング手段102を読み取るフォトセンサなどの検知手段123とを設けている。
【0054】
そして、図20に示すように、主制御部130は、検知手段123の検知信号を受けてインクカートリッジ100が上下方向を正しくセットされたか否かを判別し、インクカートリッジ100が上下正しく装着されていないときには、通知手段131を通じてインクカートリッジ100が上下正しく装着されていない旨をユーザーに通知するようにしている。なお、通知手段131としては、ブザー音や音声ガイドで通知するもの、LEDなどの発光手段で通知するもの、LCDなどのディスプレイ手段を用いて文字や画像で通知するものなどを用いることができるし、外部ホストを介して通知することもできる。
【0055】
したがって、インクカートリッジ100の上下を逆にして画像形成装置本体に装着されて使用されることが防止される。
【0056】
このように記録液カートリッジ及び画像形成装置を構成することによって、使用状態での上下方向が規定される本発明に係る記録液供給袋を用いた記録液収容容器であっても、誤った方向で画像形成装置本体に装着されて使用されることを防止することができる。
【0057】
次に、本発明に係る記録液収容容器の第2実施形態について図21及び図22を参照して説明する。なお、図21は記録液収納容器である記録液カートリッジ(インクカートリッジ)の斜視説明図、図22同カートリッジの側面説明図である。
この記録液カートリッジであるインクカートリッジ100は、カートリッジケース(筺体)101内に記録液であるインクを収容した本発明に係る記録液収容袋であるインク袋1を収納したものである。このカートリッジケース101は、分解及び組立て可能に2分割された第1ケース(ベース)111と第2ケース(ケース)112とで構成されている。そして、カートリッジケース101には内部に収納したインク袋1のインク供給口部14に対応して開口部113を形成している。
【0058】
また、カートリッジケース101の下側には、このインクカートリッジ100を画像形成装置本体に装着するときに上下逆方向での挿入を規制する規制手段としての凸部103を設けている。
【0059】
これにより、インク袋1がガゼット13を片側に設けた構成であっても、画像形成装置本体に対し、インクカートリッジ100を、上下を間違わないで装着することができるようになる。
【0060】
そこで、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について図23を参照して説明する。なお、図23は同画像形成装置のカートリッジ装着部分の説明に供する斜視説明図である。
ここでは、画像形成装置本体側にインクカートリッジ100を着脱自在に装着するカートリッジホルダ120を備え、このカートリッジホルダ120のカートリッジ挿入口121の奥側の面には、インク供給口部14を刺通する中空針122と、上記第2実施形態に係るインクカートリッジ100の規制手段である凸部103を嵌め込み可能な凹部125を設けている。
【0061】
したがって、インクカートリッジ100の上下を逆にした場合には凸部103を凹部125にはめ込めないので、インクカートリッジ100の装着自体ができなくなる。
【0062】
このように記録液カートリッジ及び画像形成装置を構成することによって、使用状態での上下方向が規定される本発明に係る記録液供給袋を用いた記録液収容容器であっても、誤った方向で画像形成装置本体に装着されることを防止することができる。なお、記録液カートリッジの凸部と画像形成装置本体の凹部は逆にすることもできる。
【0063】
次に、本発明に係る画像形成装置の第3実施形態について図24ないし図26を参照して説明する。なお、図24は同画像形成装置の全体構成を示す概略構成図、図25は同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図、図26は同じく同装置のエンジンユニットの斜視説明図である。
【0064】
この画像形成装置は、装置本体201の内部(筺体内)に、用紙を搬送しながら画像を形成するための画像形成部(手段)202及び用紙を搬送するための副走査搬送部(手段)203等を有し、装置本体201の底部に設けた給紙カセットを含む給紙部(手段)204から用紙205を1枚ずつ給紙して、副走査搬送部203によって用紙205を画像形成部2に対向する位置で搬送しながら、画像形成部202によって用紙205に液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、片面印刷の場合には排紙搬送部(手段)207を通じて装置本体201の上面に形成した排紙トレイ208上に用紙205を排紙する。
【0065】
また、この画像形成装置は、画像形成部202で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体201の上部で排紙トレイ208の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)211を備えている。この画像読取部211は、照明光源213とミラー214とを含む走査光学系215と、ミラー216、217を含む走査光学系218とが移動して、コンタクトガラス212上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ219の後方に配置した画像読み取り素子220で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。
【0066】
ここで、この画像形成装置の画像形成部2は、ガイドロッド221及びガイドレール222(図26参照)でキャリッジ223を片持ちで主走査方向に移動可能に保持し、主走査モータ227で駆動プーリ228Aと従動プーリ228B間に架け渡したタイミングベルト229を介して主走査方向に移動走査する。
【0067】
そして、このキャリッジ223上に、それぞれの色の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド224を搭載し、キャリッジ223を主走査方向に移動させ、副走査搬送部203によって用紙205を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド224から液滴を吐出させて画像形成を行なうシャトル型としている。なお、ライン型ヘッドを用いることもできる。
【0068】
記録ヘッド224は、それぞれブラック(Bk)インクを吐出する2個の液滴吐出ヘッド224k1、224k2と、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出するそれぞれ1個の液滴吐出ヘッド224c、224m、224yの計5個の液滴吐出ヘッド(以下、色を区別しないときは「記録ヘッド224」という。)で構成され、キャリッジ223に搭載した各サブタンク225からそれぞれ各色のインクが供給される。
【0069】
一方、装置本体201の前面からカートリッジ装着部300内に、ブラック(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した本発明に係る記録液収納容器を用いた記録液カートリッジである各色のインクカートリッジ301を着脱自在に装着でき、各色のインクカートリッジ301から各色のサブタンク225にインクを供給する。なお、ブラックインクは1つのインクカートリッジ301から2つのサブタンク325に供給する構成としている。
【0070】
なお、記録ヘッド224としては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどを用いることができる。
【0071】
また、キャリッジ223の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド224のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復装置321を配置している。この維持回復装置321は、5個の記録ヘッド224の各ノズル面をキャピングするための吸引用及び保湿用を兼ねたキャップ322aと、保湿用キャップ322b〜322eと、記録ヘッド224のノズル面をワイピングするためのワイパーブレード324と、記録(画像形成)に寄与しない液滴の吐出(空吐出)を行なうための空吐出受け部材325などを備えている。
【0072】
さらに、キャリッジ223の走査方向他方側の非印字領域には、5個の記録ヘッド224から記録(画像形成)に寄与しない液滴の吐出(空吐出)を行なうための空吐出受け部材326を備えている。この空吐出受け部材326には、記録ヘッド224に対応して5個の開口327a〜327eを形成している。
【0073】
副走査搬送部203は、下方から給紙された用紙205を略90度搬送方向を転換させて画像形成部202に対向させて搬送するための、駆動ローラである搬送ローラ232とテンションローラである従動ローラ233間に架け渡した無端状の搬送ベルト231と、この搬送ベルト231の表面を帯電させるためにACバイアス供給部から交番電圧である高電圧が印加される帯電手段である帯電ローラ234と、搬送ベルト231を画像形成部202の対向する領域でガイドするガイド部材235と、用紙205を搬送ローラ232に対向する位置で搬送ベルト231に押し付ける2個の押さえコロ(加圧コロ)236と、画像形成部202によって画像が形成された用紙205の上面側を押えるガイド板237と、画像が形成された用紙205を搬送ベルト231から分離するための分離爪238とを備えている。
【0074】
この副走査搬送部203の搬送ベルト231は、DCブラシレスモータを用いた副走査モータ331によって、タイミングベルト332及びタイミングローラ333を介して搬送ローラ232が回転されることで、用紙搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
【0075】
さらに、搬送ローラ232の軸232aには高分解能のコードホール337(図26参照)を取り付け、このコードホイール337に形成したスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサを設けて、これらのコードホイール337とエンコーダセンサによってロータリエンコーダを構成している。
【0076】
これらの画像形成部202及び副走査搬送部203などはエンジンユニット230(図26参照)として構成し、装置本体201に対して着脱自在に装着している。
【0077】
給紙部204は、装置本体201の前面側から抜き差し可能で、多数枚の用紙205を積載して収納する給紙カセット241と、給紙カセット241内の用紙205を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ242及びフリクションパッド243と、給紙された用紙5をレジストするレジストローラ244を備えている。また、この給紙部204は、多数枚の用紙205を積載して収容するための手差しトレイ246及び手差しトレイ246から1枚ずつ用紙205を給紙するための手差しコロ247と、装置本体201の下側にオプションで装着される給紙カセットや後述する両面ユニットから給紙される用紙205を搬送するための搬送コロ248を備えている。給紙コロ242、レジストローラ244、手差しコロ247、搬送コロ248などの副走査搬送部203へ用紙205を給送するための部材は図示しない電磁クラッチを介してHB型ステッピングモータからなる給紙モータ(駆動手段)249によって回転駆動される。
【0078】
排紙搬送部207は、副走査搬送部203の分離爪238で分離された用紙205を搬送する3個の搬送ローラ271及びこれに対向する拍車272と、排紙ローラ271及び拍車272間の間から送り出される用紙205を、フェイスダウンで排紙トレイ208へ送り出すための反転ローラ対277及び反転排紙ローラ対278とを備えている。
【0079】
次に、エンジンユニット230について図26を参照して簡単に説明する。このエンジンユニット230は、前述したように画像形成部202と副走査搬送部203とをユニット化し、装置本体201に着脱自在に装着できるようにようにして、メンテナンス性を向上したものである。
【0080】
そして、この画像形成装置においては、前述したようにサブタンク方式の構成であることから、キャリッジ223に搭載しているサブタンク225に対して装置本体201側のインクカートリッジ301からインクを補充供給するため、インクカートリッジ装填部330はインクカートリッジ301を装填するホルダ302及びインクカートリッジ301内のインクを送り出す供給機構303を備え、この供給機構303から5本のチューブ304を介してキャリッジ223上のサブタンク225にインクを補充供給(給送)する。
【0081】
ここで、インクカートリッジ301及びホルダ303の構成としては、前記記録液収納容器及び画像形成装置についての第1、第2実施形態で説明したような構成を採用することができる。
【0082】
この場合、エンジンユニット230を装置本体201に対して脱着するときに、インクカートリッジ装填部300からチューブ304を介してキャリッジ223上のサブタンク225に至るインク供給経路を分解しなければならないのでは、インク供給経路にゴミや埃など侵入しやすく、インク供給経路の目詰まりによる供給不能が生じやすくなる。
【0083】
そこで、ここでは、エンジンユニット230のフレーム230Aにインクカートリッジ装填部300のホルダ302を固定して、インクカートリッジ301とエンジンユニット230とを一体のユニットとして、エンジンユニット230を装置本体201に対して脱着するときにインク供給経路を不必要に分解しないようにしている。これによって、インク供給経路にゴミや埃などが侵入することを防止できる。
【0084】
このように構成した画像形成装置における画像形成動作について簡単に説明すると、ACバイアス供給部から帯電ローラ234に交番電圧である正負極の矩形波の高電圧を印加することによって、帯電ローラ234は搬送ベルト231の絶縁層(表層)に当接しているので、搬送ベルト231の表層には、正と負の電荷が搬送ベルト231の搬送方向に対して交互に帯状に印加され、搬送ベルト231上に所定の帯電幅で帯電が行われて不平等電界が生成される。
【0085】
そこで、給紙部204から用紙205が給紙されて搬送ローラ232と押えコロ236との間の、正負極の電荷が形成されることによって不平等電界が発生している搬送ベルト231上へと送り込まれると、用紙205は電界の向きにならって瞬時に分極し、静電吸着力で搬送ベルト231上に吸着され、搬送ベルト231の移動に伴って搬送される。
【0086】
そして、この搬送ベルト231で用紙205を間歇的に搬送しながら、用紙205上に印刷データに応じて記録ヘッド224から記録液の液滴を吐出して画像を形成(印刷)し、画像形成が行なわれた用紙205の先端側を分離爪238で搬送ベルト231から分離して排紙搬送部207によって搬送して排紙トレイ208に排紙する。
【0087】
このように、この画像形成装置においては、本発明に係る記録液収納容器からなる記録液カートリッジを備えているので、記録液の使い残しが少なくなり、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0088】
なお、上記実施形態においては、本発明をマルチファンクション(MFP)の画像形成装置に適用した例で説明したが、プリンタやファクシミリ装置などの他の画像形成装置にも同様に適用することができる。また、インク以外の記録液を使用する画像形成装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る記録液収容袋の第1実施形態の模式的斜視説明図である。
【図2】同じく図1のA−A線に沿う記録液がない状態での模式的断面説明図である。
【図3】同じく図1のA−A線に沿う記録液を充填した状態での模式的断面説明図である。
【図4】図2のB部の拡大説明図である。
【図5】本発明に係る記録液収容袋の製造方法の説明に供する説明図である。
【図6】本発明に係る記録液収容袋の第2実施形態の模式的側面説明図である。
【図7】本発明に係る記録液収容袋の第3実施形態の模式的側面説明図である。
【図8】本発明に係る記録液収容袋の第4実施形態の模式的側面説明図である。
【図9】本発明に係る記録液収容袋の第5実施形態の模式的側面説明図である。
【図10】第4、第5実施形態の作用説明に供する第1実施形態の記録液収容袋に記録液を充填した状態の模式的斜視説明図である。
【図11】図11の矢示C方向から見た拡大説明図である。
【図12】本発明に係る記録液収容袋の第5実施形態の他の例を示す模式的側面説明図である。
【図13】本発明に係る記録液収容袋の第6実施形態を示す模式的側面説明である。
【図14】図13のE−E線に沿う模式的断面説明図である。
【図15】図13のガゼットの側面説明図である。
【図16】同実施形態の記録液収容袋の製作に用いるガゼット用フィルム部材の説明図である。
【図17】本発明に係る記録液収納容器の第1実施形態の斜視説明図である。
【図18】同じく側面説明図である。
【図19】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態のカートリッジ装填部の斜視説明図である。
【図20】同じく同装置における通知制御に係る部分のブロック説明図である。
【図21】本発明に係る記録液収納容器の第2実施形態の斜視説明図である。
【図22】同じく側面説明図である。
【図23】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態のカートリッジ装填部の斜視説明図である。
【図24】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図25】同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図である。
【図26】同じくエンジンユニット部の斜視説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1…インク袋
11、12…本体用フィルム
13…ガゼット
14…インク供給口部
100…インクカートリッジ
101…カートリッジケース
201…装置本体
202…画像形成部
203…副走査搬送部
204…給紙部
205…用紙(被記録媒体)
207…排紙搬送部
208…排紙トレイ
223…キャリッジ
224…記録ヘッド
231…搬送ベルト
300…カートリッジ装填部
301…インクカートリッジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体用フィルム状部材の周囲の一部にガゼットを有し、内部に記録液を収容する袋状部材に、前記記録液を外部に供給する記録液供給口部を設けた記録液収容袋において、前記袋状部材は、記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみ前記ガゼットが設けられていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項2】
請求項1に記載の記録液収容袋において、前記記録液供給口部は、この記録液供給口部が取付けられている辺の前記ガゼットの折込み長さを除いた部分の中央から前記ガゼットの折込み開始点までの間に取付けられていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットは、記録液供給方向に向って高さが変化することを特徴とする記録液収容袋。
【請求項4】
請求項3に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットは、前記記録液供給口部側の端部が低く、前記記録液供給口部側と反対側の端部が高くなるように傾斜を持たせて設けられていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分では、記録液供給方向に沿う方向に対して斜めに前記本体用フィルム部材と前記ガゼットが接合されていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分よりも外側で前記本体用フィルム部材が直接接合されて、前記ガゼットの端部が開かないことを特徴とする記録液収容袋。
【請求項7】
記録液を収容する記録液収容袋を容器本体内に収納した記録液収納容器において、前記記録液収容袋が請求項1ないし6のいずれかに記載の記録液収容袋であることを特徴とする記録液収容容器。
【請求項8】
請求項7に記載の記録液収納容器において、前記容器本体の外面には上下方向を表わすマーキング手段が設けられていることを特徴とする記録液収納容器。
【請求項9】
記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、この記録ヘッドに供給するための記録液を収容した記録液カートリッジが着脱自在に装着される画像形成装置において、前記記録液カートリッジが請求項7又は8に記載の記録液収納容器であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、前記記録液カートリッジの装着方向が正しくないときにはその旨を通知する通知手段を備えていることを画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、前記通知手段は音、光、文字のいずれかで前記記録液カートリッジの装着方向が正しくない旨を通知する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
記録液を収容する記録液収容袋を容器本体内に収納した記録液収納容器において、前記記録液収容袋が請求項1ないし6のいずれかに記載の記録液収容袋であり、この記録液収納容器は記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置本体に対して着脱自在の装着可能であって、前記ガゼットが下側になる状態で前記画像形成装置本体側に装着されるようにするための規制手段を備えていることを特徴とする記録液収納容器。
【請求項13】
請求項12に記載の記録液収納容器において、前記規制手段が凸部又は凹部であることを特徴とする記録液収容容器。
【請求項14】
記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、この記録ヘッドに供給するための記録液を収容した記録液カートリッジが着脱自在に装着される画像形成装置において、前記記録液カートリッジが請求項12又は13に記載の記録液収納容器であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項1ないし6のいずれかに記載の記録液収容袋を製造する製造方法であって、帯状の2枚の本体用フィルム部材を、長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム状部材を挟んだ状態で、記録液収容袋が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材及びガゼット用フィルム状部材を溶着した後、個々の記録液収容袋に切断することを特徴とする記録液収容袋の製造方法。
【請求項1】
本体用フィルム状部材の周囲の一部にガゼットを有し、内部に記録液を収容する袋状部材に、前記記録液を外部に供給する記録液供給口部を設けた記録液収容袋において、前記袋状部材は、記録液供給方向に沿う方向の辺の内の使用状態で下側になる一辺にのみ前記ガゼットが設けられていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項2】
請求項1に記載の記録液収容袋において、前記記録液供給口部は、この記録液供給口部が取付けられている辺の前記ガゼットの折込み長さを除いた部分の中央から前記ガゼットの折込み開始点までの間に取付けられていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットは、記録液供給方向に向って高さが変化することを特徴とする記録液収容袋。
【請求項4】
請求項3に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットは、前記記録液供給口部側の端部が低く、前記記録液供給口部側と反対側の端部が高くなるように傾斜を持たせて設けられていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分では、記録液供給方向に沿う方向に対して斜めに前記本体用フィルム部材と前記ガゼットが接合されていることを特徴とする記録液収容袋。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の記録液収容袋において、前記ガゼットの記録液供給方向に沿う方向の端部部分よりも外側で前記本体用フィルム部材が直接接合されて、前記ガゼットの端部が開かないことを特徴とする記録液収容袋。
【請求項7】
記録液を収容する記録液収容袋を容器本体内に収納した記録液収納容器において、前記記録液収容袋が請求項1ないし6のいずれかに記載の記録液収容袋であることを特徴とする記録液収容容器。
【請求項8】
請求項7に記載の記録液収納容器において、前記容器本体の外面には上下方向を表わすマーキング手段が設けられていることを特徴とする記録液収納容器。
【請求項9】
記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、この記録ヘッドに供給するための記録液を収容した記録液カートリッジが着脱自在に装着される画像形成装置において、前記記録液カートリッジが請求項7又は8に記載の記録液収納容器であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、前記記録液カートリッジの装着方向が正しくないときにはその旨を通知する通知手段を備えていることを画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、前記通知手段は音、光、文字のいずれかで前記記録液カートリッジの装着方向が正しくない旨を通知する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
記録液を収容する記録液収容袋を容器本体内に収納した記録液収納容器において、前記記録液収容袋が請求項1ないし6のいずれかに記載の記録液収容袋であり、この記録液収納容器は記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置本体に対して着脱自在の装着可能であって、前記ガゼットが下側になる状態で前記画像形成装置本体側に装着されるようにするための規制手段を備えていることを特徴とする記録液収納容器。
【請求項13】
請求項12に記載の記録液収納容器において、前記規制手段が凸部又は凹部であることを特徴とする記録液収容容器。
【請求項14】
記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、この記録ヘッドに供給するための記録液を収容した記録液カートリッジが着脱自在に装着される画像形成装置において、前記記録液カートリッジが請求項12又は13に記載の記録液収納容器であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項1ないし6のいずれかに記載の記録液収容袋を製造する製造方法であって、帯状の2枚の本体用フィルム部材を、長手方向に沿う両端部分にガゼット用フィルム状部材を挟んだ状態で、記録液収容袋が長手方向に2列並んで形成されるように本体用フィルム部材及びガゼット用フィルム状部材を溶着した後、個々の記録液収容袋に切断することを特徴とする記録液収容袋の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2007−144744(P2007−144744A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341012(P2005−341012)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]