説明

記録装置、記録制御プログラム

【課題】プリンタ本体に設けられた液晶ディスプレイ等の表示部を観ながら操作ボタン類を操作してフレーム画像を合成したデジタル写真プリントを実行する際の利便性を向上させる。
【解決手段】ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像FLを合成したプレビュー画像が液晶ディスプレイ21に表示される。このプレビュー画像が表示されている状態においては、上ボタンU、下ボタンD、右ボタンR又は左ボタンLのいずれかを押下することにより、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像FLだけを他のフレーム画像FLに順次変更していくことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部及び表示部を有するユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置とを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、デジタルカメラ等で撮影したデジタル画像にフレーム画像を重ねて合成して被記録材へ記録することを実現する従来技術の一例としては、所望の写真画像レイアウトで配置される如く複数の画像のそれぞれについての描画制御コマンドを含むスクリプト(レイアウト制御プログラム)を生成するものが公知である(例えば、特許文献1を参照)。生成したスクリプトに基づいて記録データの生成及び記録装置の制御を実行することで、複数の画像を所望の写真画像レイアウトで配置したデジタル写真プリント(記録)を実現することができる。
【0003】
ところで、近年は、手軽に持ち運びが可能で、場所を選ばず、気軽にどこででもデジタル写真プリントが可能な携帯性を兼ね備えた小型プリンタも登場し、広く普及しつつある。このようなプリンタは、一般的にプリンタにデジタルカメラを直接接続して被記録材への記録を実行したり、メモリカードからデジタル画像ファイルを直接読み込んで被記録材への記録を実行したりといったダイレクトプリント機能を備えており、パーソナルコンピュータと接続することなくスタンドアロンの状態でデジタル写真プリントを実行することができる。そして、通常このようなプリンタにおいては、上述したようなデジタルカメラで撮影したデジタル写真画像等にフレーム画像を重ねて合成したデジタル写真プリントを実行できるようにするために、複数のフレーム画像のデータがプリンタ内部の不揮発性メモリに予め保存されている。
【0004】
このようなプリンタにおいて所望のデジタル写真画像にフレーム画像を合成する際の一般的なユーザインタフェースは、例えば、プリンタ本体に設けられた液晶ディスプレイ等の表示部を観ながら操作ボタン類を操作して、不揮発性メモリに保存されている複数のフレーム画像を一覧表示したフレーム画像の選択画面からいずれか一のフレーム画像をユーザが選択する。そして、いずれか一のフレーム画像を選択して確定させる操作を行うと、そのフレーム画像が所望のデジタル写真画像に合成されたプリントイメージのプレビュー表示が表示部になされる。ユーザは、そのプレビュー表示画面を観ることによって、最終的にその内容でデジタル写真プリントを実行するか否か判断する、というものであった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−114780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フレーム画像を合成したデジタル写真画像のイメージは、実際に合成したプレビュー表示を観てみなければ分からないため、このプレビュー表示画面を観たユーザが、合成するフレーム画像を他のフレーム画像に変更することを望むこともある。この場合、従来は、所望のデジタル写真画像に合成したフレーム画像をいったん削除する操作を行った後、再びフレーム画像の選択画面に戻って他のフレーム画像を選択し、所望のデジタル写真画像と再び合成したプリントイメージのプレビュー表示画面を観て、その内容でデジタル写真プリントを実行するか否かを再度判断することになる。
【0007】
つまり、従来は、フレーム画像を合成したデジタル写真プリントを実行する際に、フレーム画像の選択画面におけるフレーム画像の選択、選択したフレーム画像を合成したプレビューの表示及び合成したフレーム画像のデジタル写真画像からの削除といった一連の操作を反復して何度も繰り返し行わなければならず、操作が煩雑であり、利便性の面で課題があった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、プリンタ本体に設けられた液晶ディスプレイ等の表示部を観ながら操作ボタン類を操作してフレーム画像を合成したデジタル写真プリントを実行する際の利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、操作部及び表示部を有するユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置と、複数のフレーム画像が予め保存される不揮発性メモリと、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づく前記記録実行手段による被記録材への記録制御及び前記外部記憶装置の制御を実行する記録制御装置とを備えた記録装置であって、前記記録制御装置は、ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成して被記録材へ記録するフレーム合成機能と、ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成したプレビュー画像を前記表示部に表示する合成プレビュー画像表示機能と、前記プレビュー画像を前記表示部に表示した状態における前記操作部の操作により、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することが可能な合成フレーム画像切換表示機能とを有している、ことを特徴とした記録装置である。
【0010】
このように、プレビュー画像を表示部に表示した状態で、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することできる。それによって、プレビュー画像表示を観てフレーム画像を変更するときに、従来のように、フレーム画像の選択画面におけるフレーム画像の選択操作と選択したフレーム画像を合成したプレビューを表示する操作とを何度も交互に繰り返し行う必要がない。したがって、従来のように一連の煩雑な操作を繰り返すことなく、所望のデジタル写真画像に最も適したフレーム画像を選択して合成したデジタル写真プリントを実行することができる。また、プレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することできるので、デジタル写真画像に対するフレーム画像の合成イメージを直感的にテンポ良く対比しながら検討することができる。
【0011】
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録装置によれば、プリンタ本体に設けられた液晶ディスプレイ等の表示部を観ながら操作ボタン類を操作してフレーム画像を合成したデジタル写真プリントを実行する際に、従来のように一連の煩雑な操作を繰り返すことなく、所望のデジタル写真画像に最も適したフレーム画像を直感的にテンポ良く対比しながら選択することができるので、その利便性を向上させることができるという作用効果が得られる。
【0012】
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の記録装置において、前記合成フレーム画像切換表示機能は、プレビュー画像に合成表示されているフレーム画像を削除する操作を行うことなく当該プレビュー画像に合成表示されているフレーム画像を他のフレーム画像に順次変更することができる、ことを特徴とした記録装置である。
【0013】
このように、プレビュー画像を表示部に表示した状態で、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することできることに加えて、プレビュー画像に合成表示されているフレーム画像を削除する操作を行うことなく当該プレビュー画像に合成表示されているフレーム画像を他のフレーム画像に順次変更することができる。すなわち、プレビュー画像表示を観てフレーム画像を変更するときに、従来のように、フレーム画像の選択画面におけるフレーム画像の選択、選択したフレーム画像を合成したプレビューの表示及び合成したフレーム画像のデジタル写真画像からの削除といった一連の操作を何度も繰り返し行う必要がない。したがって、従来のように一連の煩雑な操作を繰り返すことなく、所望のデジタル写真画像に最も適したフレーム画像を選択して合成したデジタル写真プリントを実行することができるという作用効果が得られる。
【0014】
本発明の第3の態様は、操作部及び表示部を有するユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置と、複数のフレーム画像が予め保存される不揮発性メモリとを備えた記録装置において、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づく前記記録実行手段による被記録材への記録制御機能及び前記外部記憶装置の制御機能をコンピュータに実現させるための記録制御プログラムであって、ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成して被記録材へ記録するフレーム合成機能と、ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成したプレビュー画像を前記表示部に表示する合成プレビュー画像表示機能と、前記プレビュー画像を前記表示部に表示した状態における前記操作部の操作により、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することが可能な合成フレーム画像切換表示機能とを実現する、ことを特徴とした記録制御プログラムである。
【0015】
本発明の第3の態様に記載の記録制御プログラムによれば、この記録制御プログラムを実行可能な任意の記録装置に、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50の構成について説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50の外観を示す斜視図である。
【0018】
インクジェットプリンタ50は、図示の如く角箱状の本体ケーシング1を備えている。本体ケーシング1は、持ち運び時の状態では本体ケーシング1の上面を閉塞し、使用時の状態(図1)では給送用トレイ4のペーパーサポートとしても機能するカバー部材6と、本体ケーシング1の上部に配設され、持ち運び時の状態において上記カバー部材6の下方に位置する上面パネル7と、本体ケーシング1の前面の一部を開口し、当該前面開口を閉塞するように開閉自在に設けられる前面カバーを兼ねた排出用スタッカ5と、本体ケーシング1の左右の側面に対して回動可能な状態で接続される門型をした手提げハンドル8とを備えている。
【0019】
上面パネル7には、「表示部」としての液晶ディスプレイ21と「操作部」としての各操作ボタン類を有する「ユーザインタフェース手段」としての操作パネル10が設けられている。液晶ディスプレイ21は、後方に倒した水平姿勢と上方に引き起こした起立姿勢又は傾斜姿勢とを切り換えることができる。上面パネル7の後部の中央部は、図示の如く矩形状に切り欠かれており、その部分が自動給送ユニット2に対して「被記録材」としての記録紙Pを供給するための給送用開口3になっている。また、排出用スタッカ5は、下部の左右のコーナー部に回動支点を備えており、この回動支点を中心にして約90°の範囲に亘って上下に回動できるようになっている。本体ケーシング1の前面開口の上部には、この排出用スタッカ5を開いた状態で、デジタル画像ファイル等を保存したメモリカード等の「記憶媒体」を挿入可能に配設された「外部記憶装置」としてのメモリカードスロット9が設けられている。
【0020】
そして、このような構成を有するインクジェットプリンタ50に対して、ユーザが記録紙Pをセットした状態から操作パネル10を操作して記録紙Pへの記録実行操作を行うと、後述する「記録制御装置」による記録制御が実行される。まず、給送用開口3から自動給送ユニット2によりインクジェットプリンタ50内の用紙搬送経路(図示せず)に向けて記録紙Pが給送される。この用紙搬送経路に給送された記録紙Pは、記録ポジションに向けて案内され、図示しないプラテンによって下面が支持された状態で図示しない搬送用ローラからの駆動力を受けて搬送される。つづいて、所定の往復動方向へ往復動可能に配設されている記録ヘッド(図示せず)を往復動させながら記録ヘッドから記録紙Pへインクを噴射する動作と、その記録ヘッドの往復動方向と直交する搬送方向へ所定の搬送量で記録紙Pを搬送する動作とを交互に繰り返すことで記録紙Pへの記録が実行される(記録実行手段)。そして、記録実行後の記録紙Pは、図示しない排出用ローラからの駆動力を受けて前記搬送方向のさらに下流側に向けて搬送され、前記の排出用スタッカ5へ排出される。
【0021】
尚、インクジェットプリンタ50は、例えば4×6インチ以下の記録紙Pを対象にした極めてコンパクトで持ち運びが容易な比較的シンプルな構造を有している。また、このインクジェットプリンタ50は、パーソナルコンピュータに接続しなくても直接記録紙Pに記録を実行することができる、いわゆるダイレクトプリント機能を有している。また、インクジェットプリンタ50は、上記本体ケーシング1の下方にCDドライブ等を内蔵した拡張ユニット(図示せず)を取り付けることで機能拡張可能な構成を有しており、メモリカード等から取り込んだデジタル画像ファイルをCD―R等に保存したり、CD―R等に保存されたデジタル画像ファイルを読み込んで記録を実行したりすることができるようになっている。
【0022】
つづいて、液晶ディスプレイ21を含む「ユーザインタフェース手段」としての操作パネル10の構成及び各部の機能並びに「記録制御装置」としての記録制御部100の構成等について説明する。
【0023】
図2は、操作パネル10の正面図であり、メインメニュー画面が液晶ディスプレイ21に表示されている状態を図示したものである。
操作パネル10には、「表示部」としての液晶ディスプレイ21の他、電源スイッチ11、表示切替ボタン12、メニューボタン13、キャンセルボタン14、プリント(記録実行)ボタン15、保存ボタン16及び2つのファンクションキー17、18が配設されている。また、操作パネル10の液晶ディスプレイ21の下側には、OKボタン19並びにそのOKボタン19の周囲に上ボタンU、下ボタンD、右ボタンR及び左ボタンLが図示の如く配設されている。
【0024】
電源スイッチ11は、インクジェットプリンタ50の電源ON/OFF操作を行うための操作スイッチである。表示切替ボタン12は、液晶ディスプレイ21に表示されている画像等の表示サイズ(6分割表示、15分割表示、全画面表示等)を切り替えるための操作ボタンであり、この表示切替ボタン12を押下する度に表示サイズをサイクリックに切り替えることができる。メニューボタン13は、図示のメインメニュー画面を表示させるための操作ボタンである。キャンセルボタン14は、操作を途中でキャンセルしたり、記録紙Pへの記録を途中で中断したりするための操作ボタンである。プリント(記録実行)ボタン15は、記録紙Pへの記録を開始するための操作ボタンである。
【0025】
保存ボタン16は、前記のCDドライブ等の外部記憶装置30へデジタル画像ファイルを保存するための操作ボタンである。2つのファンクションキー17、18は、画面ごとに異なる機能がそれぞれ割り当てられる。上ボタンU、下ボタンD、右ボタンR及び左ボタンLは、液晶ディスプレイ21の表示画面において、メニュー画面から所望の項目を選択したりデジタル写真画像の一覧から所望のデジタル写真画像を選択したりといったカーソル移動等による選択操作を行うための操作ボタンであり、OKボタン19は、上ボタンU、下ボタンD、右ボタンR又は左ボタンLを操作して選択したメニュー項目やデジタル写真画像等の選択内容を確定するための操作ボタンである。
【0026】
記録制御部100は、ROM(Read Only Memory)101、RAM(Random
Access Memory)102、IF(インタフェース部)103、CPU(Central Processing Unit)104及び不揮発性メモリ105を有する公知のマイコン制御回路で構成されている。この記録制御部100は、前述した記録紙Pに対する記録実行制御の他、メモリカードスロット9や前記の拡張ユニット(図示せず)に内蔵されたCDドライブ等の外部記憶装置30とのデータ入出力制御並びにIF103を介して上記の各操作ボタン類からの操作入力制御及び液晶ディスプレイ21への表示出力制御を実行する。
【0027】
液晶ディスプレイ21に表示されているメインメニュー画面は、上から順に「写真選択」、「用紙/レイアウト」、「編集」、「フレーム」、「CDに保存」、「メンテナンス」及び「セットアップ」の項目で構成されている。このメインメニュー画面において、上ボタンU又は下ボタンDを操作し、「写真選択」を選択してOKボタン19を押下すると、デジタル写真画像の一覧が表示され、その画像一覧表示を観ながら上ボタンU、下ボタンD、右ボタンR又は左ボタンLを操作してカーソルを上下左右へ移動させることで、記録紙Pへ記録を実行する対象やCDへ保存する対象となるデジタル写真画像を選択することができる。「用紙/レイアウト」を選択してOKボタン19を押下すると、記録紙Pへ記録を実行する際のデジタル画像のレイアウトや記録紙Pのサイズ等を設定することができる。「編集」を選択してOKボタン19を押下すると、記録紙Pへ記録を実行する際のデジタル画像のトリミングや画質調整等の画像編集を行うことができる。
【0028】
「フレーム」を選択してOKボタン19を押下すると、記録紙Pへ記録を実行する際のデジタル写真画像にフレームを合成等することができる。「CDに保存」を選択してOKボタン19を押下すると、「写真選択」で選択したデジタル写真画像のファイルを前記のCDドライブを介してCD等の記憶媒体へ保存することができる。「メンテナンス」を選択してOKボタン19を押下すると、前記の記録ヘッド(図示せず)のノズルチェックやクリーニング、ギャップ調整、インクカートリッジ(図示せず)のインク残量表示等のメンテナンス操作を行うことができる。「セットアップ」を選択してOKボタン19を押下すると、日付設定、縁なしプリント時のはみ出し量の調整、無線通信機能の設定等のセットアップ操作を行うことができる。また、メインメニュー画面においては、ファンクションキー17には、前の画面に戻るための「戻る」機能が割り当てられており、ファンクションキー18には、次の画面に進むための「続行」機能が割り当てられている。
【0029】
つづいて、本発明に係る記録制御部100の「フレーム合成機能」について説明する。この「フレーム合成機能」は、マイコン制御回路を有する記録制御部100において実行される記録制御プログラムにより実現される機能である。
【0030】
図3は、液晶ディスプレイ21にフレームメニュー画面が表示された状態を図示したものである。
「フレーム」を選択してOKボタン19を押下すると、図示のようなフレームメニュー画面が液晶ディスプレイ21に表示される。フレームメニュー画面は、上から順に「フレーム合成」、「フレーム削除」及び「フレーム更新」の項目で構成されている。また、フレームメニュー画面においては、ファンクションキー17には、前の画面に戻るための「戻る」機能が割り当てられており、ファンクションキー18には、次の画面に進むための「続行」機能が割り当てられている。このフレームメニュー画面において、上ボタンU又は下ボタンDを操作し、「フレーム合成」を選択してOKボタン19を押下すると、次に説明するフレーム選択画面が表示される。「フレーム削除」を選択してOKボタン19を押下すると、デジタル写真画像に合成したフレーム画像を削除することができる。この「フレーム削除」の項目は、デジタル写真画像にフレーム画像が合成されていない状態では、「フレーム削除」の項目が図示の如くグレーアウト表示となる。「フレーム更新」を選択してOKボタン19を押下すると、不揮発性メモリ105に保存されているフレーム画像の内容を変更する機能を利用することができる。
【0031】
図4は、液晶ディスプレイ21にフレーム選択画面が表示された状態を図示したものである。
フレーム選択画面には、不揮発性メモリ105に予め保存されている複数のフレーム画像FLが図示の如く一覧表示される。フレーム画像FLの一覧表示は、前記の表示切替ボタン12を押下することで、液晶ディスプレイ21に表示されているフレーム画像FLの表示サイズ(6分割表示、15分割表示、全画面表示等)をサイクリックに切り替えることができる。このフレーム選択画面においては、上ボタンU、下ボタンD、右ボタンR又は左ボタンLを操作してカーソルを上下左右へ移動させることで、デジタル写真画像に合成する所望のフレーム画像FLを選択することができる。そして、所望のフレーム画像FLへカーソルを移動させた状態でOKボタン19を押下すると、次に説明する図5に図示した如くデジタル写真画像に選択したフレーム画像FLが合成されたプレビュー画像が液晶ディスプレイ21に表示される。尚、ファンクションキー17には、前の画面に戻るための「戻る」機能が割り当てられており、ファンクションキー18には、次の画面に進むための「続行」機能が割り当てられている。
【0032】
図5及び図6は、液晶ディスプレイ21に所望のフレーム画像FLを合成したデジタル写真画像のプレビュー画像が表示された状態を図示したものである。
このように、ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像FLを合成したプレビュー画像が液晶ディスプレイ21に表示される(合成プレビュー画像表示機能)。このプレビュー画像が表示されている状態においては、予め選択したデジタル写真画像にフレーム選択画面で選択した所望のフレーム画像FLを合成した状態の画像イメージを観て確認することができる。また、このプレビュー画像が表示されている状態においては、上ボタンU、下ボタンD、右ボタンR又は左ボタンLのいずれかを押下することにより、図6(a)〜(c)に図示した如く、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像FLだけを他のフレーム画像FLに順次変更していくことができる(合成フレーム画像切換表示機能)。
【0033】
つまり、プレビュー画像表示がされた状態のまま合成するフレーム画像FLだけを順次変更していくことができ、それによって、各フレーム画像FLを合成した状態の写真画像イメージを連続的に表示させて確認していくことができる。そして、所望のフレーム画像FLが合成されたプレビュー画像が表示されている状態でOKボタン19を押下すると、デジタル写真画像に合成するフレーム画像FLを決定することができる。尚、ファンクションキー17には、前の画面に戻るための「戻る」機能が割り当てられており、ファンクションキー18には、次の画面に進むための「続行」機能が割り当てられている。
【0034】
図7は、液晶ディスプレイ21に写真選択画面が表示された状態を図示したものである。図8は、液晶ディスプレイ21に印刷(記録)枚数設定画面が表示された状態を図示したものである。図9は、液晶ディスプレイ21に印刷(記録)確認画面が表示された状態を図示したものである。
【0035】
プレビュー画像を液晶ディスプレイ21に表示した状態(図5)で、OKボタン19を押下してデジタル写真画像に合成するフレーム画像FLを決定すると、液晶ディスプレイ21の表示が写真選択画面(図7)に遷移する。尚、ファンクションキー17には、写真選択画面で選択可能な全てのデジタル写真画像を選択可能な「全て選択」機能が割り当てられており、ファンクションキー18には、いわゆる「ヘルプ」機能が割り当てられている。この写真選択画面において、所望のフレーム画像FLが合成されたデジタル写真画像を選択してOKボタン19を押下すると、液晶ディスプレイ21には、印刷(記録)枚数設定画面(図8)が表示される。
【0036】
この印刷(記録)枚数設定画面においては、表示されているデジタル写真画像の印刷(記録)枚数を設定することができる。具体的には、OKボタン19を押下すると、印刷枚数を1ずつ増加することができ、「枚数−」機能が割り当てられたファンクションキー17を押下すると、印刷枚数を1ずつ減少させることができる。そして、所望の印刷枚数を設定した後、「印刷確認」機能が割り当てられているファンクションキー18を押下すると、印刷(記録)確認画面(図9)が表示される。そして、印刷確認画面が表示されている状態でプリント(記録実行)ボタン15を押下すると、デジタル写真画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成した画像を記録紙Pへ記録することができる(フレーム合成機能)。尚、ファンクションキー17には、前の画面に戻るための「戻る」機能が割り当てられており、ファンクションキー18には、記録紙Pへ記録を実行する際のデジタル画像のレイアウトや記録紙Pのサイズを設定する画面へ移動するための「レイアウト」設定機能が割り当てられている。
【0037】
このように、プレビュー画像を液晶ディスプレイ21に表示した状態(図5)で、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像FLだけを他のフレーム画像に順次変更することできるので、プレビュー画像表示を観てフレーム画像FLを変更するときに、従来のようにフレーム画像FLの選択画面(図4)におけるフレーム画像の選択、選択したフレーム画像を合成したプレビューの表示(図5)及び合成したフレーム画像のデジタル写真画像からの削除といった一連の煩雑な操作を反復して繰り返すことなく、所望のデジタル写真画像に最も適したフレーム画像FLを選択して合成したデジタル写真プリントを実行することができる。また、プレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することできるので(図6)、デジタル写真画像に対するフレーム画像の合成イメージを直接的にテンポ良く対比しながら検討することができる。
【0038】
このようにして、インクジェットプリンタ50本体に設けられた液晶ディスプレイ21を観ながら操作ボタン類を操作してフレーム画像FLを合成したデジタル写真プリントを実行する際の利便性を向上させることができる。
【0039】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタ50の外観を示す斜視図である。
【図2】メインメニュー画面が表示されている状態の操作パネルの正面図である
【図3】フレームメニュー画面が表示された状態を図示したものである。
【図4】フレーム選択画面が表示された状態を図示したものである。
【図5】フレーム画像を合成したデジタル写真画像のプレビュー画像である。
【図6】フレーム画像を合成したデジタル写真画像のプレビュー画像である。
【図7】写真選択画面が表示された状態を図示したものである。
【図8】印刷枚数設定画面が表示された状態を図示したものである。
【図9】印刷確認画面が表示された状態を図示したものである。
【符号の説明】
【0041】
9 メモリカードスロット、10 操作パネル、11 電源スイッチ、12 表示切替ボタン、13 メニューボタン、14 キャンセルボタン、15 プリント(記録実行)ボタン、16 保存ボタン、17、18 ファンクションキー、19 OKボタン、21 液晶ディスプレイ、50 インクジェットプリンタ、100 記録制御部、101 ROM、102 RAM、103 IF、104 CPU、105 不揮発性メモリ、FL フレーム画像、P 記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部及び表示部を有するユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置と、複数のフレーム画像が予め保存される不揮発性メモリと、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づく前記記録実行手段による被記録材への記録制御及び前記外部記憶装置の制御を実行する記録制御装置とを備えた記録装置であって、
前記記録制御装置は、ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成して被記録材へ記録するフレーム合成機能と、
ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成したプレビュー画像を前記表示部に表示する合成プレビュー画像表示機能と、
前記プレビュー画像を前記表示部に表示した状態における前記操作部の操作により、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することが可能な合成フレーム画像切換表示機能とを有している、ことを特徴とした記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記合成フレーム画像切換表示機能は、プレビュー画像に合成表示されているフレーム画像を削除する操作を行うことなく当該プレビュー画像に合成表示されているフレーム画像を他のフレーム画像に順次変更することができる、ことを特徴とした記録装置。
【請求項3】
操作部及び表示部を有するユーザインタフェース手段と、被記録材への記録を実行可能な記録実行手段と、デジタル画像ファイルの読み込み及び書き込みが可能な外部記憶装置と、複数のフレーム画像が予め保存される不揮発性メモリとを備えた記録装置において、前記ユーザインタフェース手段におけるユーザ操作に基づく前記記録実行手段による被記録材への記録制御機能及び前記外部記憶装置の制御機能をコンピュータに実現させるための記録制御プログラムであって、
ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成して被記録材へ記録するフレーム合成機能と、
ユーザが任意に選択したデジタル画像ファイルの画像にユーザが任意に選択したフレーム画像を合成したプレビュー画像を前記表示部に表示する合成プレビュー画像表示機能と、
前記プレビュー画像を前記表示部に表示した状態における前記操作部の操作により、そのプレビュー画像表示のデジタル画像ファイルの画像表示はそのままでフレーム画像だけを他のフレーム画像に順次変更することが可能な合成フレーム画像切換表示機能とを実現する、ことを特徴とした記録制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−1024(P2008−1024A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174276(P2006−174276)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】