説明

記録装置および記録方法

【課題】処理液の付与部と画像の記録部における記録媒体の搬送速度が異なる場合に、それらの付与部と記録部の機能を充分に発揮させることができる記録装置および記録方法を提供すること。
【解決手段】塗布機構120は、記録媒体の搬送を伴って、その記録媒体に処理液110を付与する。記録ヘッド1は、処理液が付与された後の記録媒体に対して画像を記録する。処理液が付与された記録媒体を紙送りローラ23に当てることにより、その記録媒体に一時的に弛み部分を形成する。その弛み部分を形成してから、紙送りローラ23により記録媒体を画像の記録位置に搬入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の記録性や堅牢性などを向上させるための処理液を記録媒体に塗布した後に、その記録媒体に対して画像を記録する記録装置、および記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置は、低騒音化、ランニングの低コスト化、および記録画像のカラー化が容易である等の多く利点があるため、近年においては急速に普及してきている。しかしながら、特に普通紙などに画像を記録した場合には、文字や細線の記録部分ににじみが生じたり、濃度が変化したり、裏写りが生じたりして、画像品位が劣化するおそれがある。また、特に普通紙など画像を記録した場合に、その耐水性や耐候性が劣って、画像の堅牢性が損なわれるおそれがある。このような不具合に対する対策としては、種々のものが提案されている。
【0003】
例えば、画像が記録される前の普通紙などの表面に、インク中の着色成分を定着させるための材料が予め塗工された記録媒体や、表面に白色顔料や水溶性高分子が塗工された記録媒体を使用することが提案されている(特許文献1、2、3、4)。しかし、これらの方法では、予め塗工処理された専用紙を使用しなければならず、記録媒体の種類を間違って使用した場合には、高品位の画像が記録できなくなる。また、これら記録媒体には、特殊な処理や特殊な材料が用いられるため、そのコストが高くなってしまう。
【0004】
また、インク中の着色成分を記録媒体の表層に定着させるための処理液を用意し、画像が記録される前の記録媒体に対して、その処理液を塗布ローラによって塗布する方法が提案されている(特許文献5)。このように、画像が記録される前に記録媒体に付与される処理液は「前処理液」とも称され、一方、画像が記録された後に記録媒体に付与される処理液は「後処理液」とも称される。特許文献5に記載の方法においては、図8のように、コーティングローラ(塗布ローラ)69を用いて、記録媒体63にコーティング材料(処理液)65を塗布する。61は、不図示のモータによって回転駆動されるプラテンローラであり、その周面には、押さえチャック62によって記録媒体63が巻き付けられる。コーティングユニット64内には、コーティング材65が収容さている。コーティング材65は、それを攪拌および供給するためのローラ66、それを輸送および薄膜化するためのローラ68,67によって、コーティングローラ69の周面に付着されて薄膜化される。プラテンローラ61は記録媒体61を巻き付けて回転し、コーティングローラ69は、その記録媒体63上に押し付けられながら回転することにより、記録媒体63の表面にコーティング材65を塗工する。同時に、インクジェット記録ヘッド70は、コーティング材65が塗工された記録媒体63の表面にインクを吐出して記録を行う。このように、画像が記録される前の記録領域にコーティング材65を塗布することにより、特殊な処理が施された専用紙を使用することなく、高品位の画像を記録することができる。
【0005】
【特許文献1】特開昭56−86789号公報
【特許文献2】特開昭55−144172号公報
【特許文献3】特開昭52−53012号公報
【特許文献4】特開昭56−89594号公報
【特許文献5】特開平7−156538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8のように、画像が記録される前の記録領域にコーティング材65を塗布する方法においては、記録媒体63に対して、コーティング材65の塗布と、記録ヘッド70による画像の記録と、が同一のプラテンローラ61上において行われることになる。そのため、コーティング材65を塗布するときの記録媒体63の搬送速度と、画像を記録するときの記録媒体63の搬送速度と、を同じ速度にする必要がある。記録媒体63の搬送と停止を繰り返して画像を記録する場合、つまり、画像記録の記録動作時における記録媒体63の搬送速度が一定ではない場合には、コーティング材65の塗布動作時における記録媒体63の搬送速度も一定ではなくなる。その場合には、コーティング材65を記録媒体63に均一に塗布することが難しくなり、その塗布むらが生じるおそれがある。コーティング材65の塗布むらが生じた場合には、インク中の着色成分の定着に差が生じ、結果的に画像品位を著しく低下させるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、処理液の付与部と画像の記録部における記録媒体の搬送速度が異なる場合に、それらの付与部と記録部の機能を充分に発揮させることができる記録装置および記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の記録装置は、記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に処理液を付与する付与手段と、処理液が付与された後の前記記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に画像を記録する記録手段と、を備える記録装置であって、前記付与手段によって処理液が付与された前記記録媒体を前記記録手段に導入する導入経路と、前記付与手段および前記記録手段を制御して、前記導入経路に位置する前記記録媒体に弛みを形成可能な制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の記録方法は、記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に処理液を付与し、その処理液が付与された後の前記記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に画像を記録する記録方法であって、前記処理液が付与された前記記録媒体を画像の記録位置に搬入する際に、少なくとも一時的に、前記記録媒体に弛みを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理液が付与された記録媒体を画像の記録位置に搬入する際に、少なくとも一時的に、記録媒体に弛みを形成させる。これにより、処理液の付与部と画像の記録部における記録媒体の搬送速度が異なる場合に、それらの動作に悪影響を及ぼすことなく、それらの機能を充分に発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本実施例のインクジェット記録装置に備わる前処理液の塗布機構120部分の概略構成図である。前処理液は、前述したように、画像が記録される前の記録媒体に付与される処理液である。
【0013】
前処理液110は、大気連通用の弁107を備えたタンク103に蓄えられている。前処理液110は、供給ポンプ106によって、供給路102を通って桶101内に加圧供給され、そして桶101の上部に設置された多孔質体100に染み込む。前処理液101を吸収保持する多孔質体100は、回転する塗布ローラ71Aの周面に押し当てられ、これにより、前処理液110は塗布ローラ71Aの周面に付着する。塗布ローラ71Aに付着せずに、多孔質体100から溢れた前処理液110は、桶101の下部に設置した外桶105によって受け取られてから、不図示の回収ポンプにより、回収路104を通ってタンク103に回収される。供給ポンプ106と不図示の回収ポンプの機能を1つのポンプにもたせるように構成してもよく、そのポンプの制御と関連して、大気連通弁107の開閉タイミングを制御してもよい。
【0014】
塗布ローラ71Aの周面に付着した前処理液110は、塗布規制部材109により規制されて、塗布ローラ71Aの周面に一定量だけ均一に残され、それ以外の前処理液110は、掻き落とされて外桶105内に受け取られてからタンク103に回収される。記録媒体202(図2参照)は、塗布ローラ71Aと加圧搬送ローラ71Bに挟持されて、経路L1上を矢印方向に搬送される。塗布ローラ71Aに均一に塗布された前処理液110は、その記録媒体202の表面に均一に加圧転写される。表面に前処理液110を塗布された記録媒体202は、経路L2を経由して画像記録領域L3に搬送され、この画像記録領域L3において、インクジェット記録ヘッド1により画像が記録される。
【0015】
記録媒体202へ転写されずに、塗布ローラ71Aの周面に残った前処理液110は、清掃部材108によって掻き落とされる。その掻き落とされた前処理液110には、紙粉などが含まれている可能性があるため、外桶105には回収せずに廃液として処理する。その廃液は、濾過などによる不純物除去手段によって不純物を取り除いてから、回収してもよい。
【0016】
図2は、画像記録領域L3に備わる画像記録部の主要な構成を説明するための斜視図である。
【0017】
インクジェット記録ヘッド1には、インクを吐出する吐出部(ノズル)が形成されている。インクを吐出するためのエネルギーの発生手段としては、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用してインクを吐出することができる。記録ヘッド1は、キャリッジ204に着脱可能に搭載される。
【0018】
用紙やプラスチック薄板などを含む記録媒体202は、紙送りローラ23を経て画像記録領域L3に搬入され、その画像記録領域L3にて画像が記録されてから、不図示の排紙ローラに挟持されて排出される。プラテン206は、画像記録領域L3において記録媒体202の姿勢を規制する。紙送りローラ23および排紙ローラは、紙送り(P.F)モータ1104(図3参照)によって駆動され、それらの駆動に伴って、記録媒体202は矢印Xの副走査方向に搬送される。キャリッジ204は、ガイドシャフト203により移動自在にガイドされており、キャリッジモータ1103(図3参照)の駆動力により、ガイドシャフト203に沿って矢印Yの主走査方向に往復移動される。
【0019】
図3は、記録装置の制御系のブロック構成図である。
【0020】
図3において、CPU1100は、本記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行し、その記録装置には、前述したように塗布機構120が含まれる。ROM1101は、それらの処理手順等のプログラムが格納され、またRAM1102は、それらの処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられる。CPU1100は、ヘッドドライバ1Aを介して記録ヘッド1からのインクの吐出を制御する。CPU1100は、キャリッジ204を主走査方向に駆動するためのキャリッジモータ1103をモータドライバ1103Aを介して制御し、また記録媒体202を副走査方向に搬送するためのP.Fモータ1104をモータドライバ1104Aを介して制御する。
【0021】
次に、画像の記録動作と記録媒体202の搬送動作との関係について説明する。
【0022】
記録媒体202は、その記録領域が画像形成領域L3に達するまでは、一定の速度で搬送される。その記録領域が画像形成領域L3に達したときに、記録ヘッド1をキャリッジ204と共に主走査方向に移動させつつ、その記録ヘッド1からインクを吐出させることによって、記録媒体に画像を記録(記録走査)する。その後、記録媒体202を副走査方向に所定量だけ搬送させる。そして、再び、記録ヘッド1をキャリッジ204と共に主走査方向に移動させて、記録走査を行う。このような記録走査と、記録媒体202の搬送動作と、を繰り返すことによって、記録媒体202に画像を記録する。
【0023】
このように、いわゆるシリアルスキャン方式により記録媒体202上に画像が記録される。そのため、画像の記録動作においては記録媒体202が間欠的に搬送され、先の記録走査と次の記録走査の間において記録媒体202の搬送は停止する。つまり、記録媒体202は、画像の記録動作時においては一定の速度では搬送されない。
【0024】
図4から図6は、塗布機構120の塗布動作と、記録媒体202の搬送動作と、を時系列的に説明するための図である。
【0025】
まず、図4(a)のように、記録媒体202が塗布機構120に搬送される。その塗布機構120において、記録媒体202は一定の速度vで搬送され、その先端から順に、塗布ローラ71Aによって前処理液110が塗布される。図4(b)における202Aは、前処理液110が塗布された記録媒体202の表面である。このように一定の速度vで搬送されつつ、前処理液110が連続的に塗布される記録媒体202は、図4(b)のように、ガイド部材22にガイドされて紙送りローラ23の方向に搬送される。P.Fモータ1104を駆動源とする紙送りローラ23は、記録媒体202を搬送および搬送停止させるように制御される。図4(c)のように、記録媒体202の先端Aが紙送りローラ23の位置に達したときには、紙送りローラ23は回転を停止しており、記録媒体202の先端Aは、この紙送りローラ23に当って停止する。
【0026】
このように、記録媒体202の先端Aが紙送りローラ23によって停止された状態においても、記録媒体202は、一定速度vで搬送されつつ、その表面に前処理液110が連続的に塗布される。そのため記録媒体202は、図5(a)のように、紙送りローラ23の手前においてループ状の余剰部分24が生じる。ループ状の余剰部分24は時間の経過に伴って徐々に増大し、そのループの形成場所および形状は規制部材25によって規制される。その余剰部分24のループ形状は任意であり、図5(a)のように上方に湾曲する形状、または下方に湾曲する形状であってもよい。要は、記録媒体202における前処理液110の塗布状態を保ち、かつ後述するように画像形成領域L3に対して記録媒体202をスムーズに搬送できる形態に、余剰部分24が貯留できればよい。規制部材25としては、記録媒体202に接しつつ回転するガイドローラを用いることができる。
【0027】
記録媒体202の先端Aが紙送りローラ23によって停止されてから、所定の待機時間Tが経過したときに、図5(b)のように、紙送りローラ23を回転させて、記録媒体202の先端Aをプラテン206上の画像形成領域L3に送る。つまり、記録媒体202の先端Aにループ状の余剰部分24が生じ始めてから、待機時間Tが経過した後に、紙送りローラ23を回転させて記録動作を開始する。この待機時間Tは、以下の式から決定される。
T=t×(V−v)/V
【0028】
tは、記録媒体202全体に対する画像の記録に要する時間、Vは、画像形成領域L3における記録媒体202の搬送速度の平均、vは、前処理液の塗布機構120における記録媒体202の搬送速度である。前述したように、記録媒体202は、画像形成領域L3における断続的な搬送動作を伴って画像が記録される。搬送速度Vは、記録媒体202に対する画像の記録動作の期間において、このように断続的に搬送される記録媒体202の平均の搬送速度である。画像の記録動作時において、速度V,vはV≧vの関係にある。
【0029】
ループ状の余剰部分24が存在することにより、記録動作における搬送速度Vが塗布動作時における搬送速度vよりも高くても、図5(c)のように、同一の記録媒体202に対して、それらの記録動作と塗布動作とを同時に実施することができる。そして、上式によって待機時間Tを決定することにより、記録媒体202の後端Bに対して前処理液の塗布が完了した時点において、図6のようにループ状の余剰部分24がなくなる。
【0030】
図7は、画像の記録条件(記録モード)に応じて、上式により待機時間Tを決定した場合の例を示す。本例の場合、記録モードとしての「はやい」は、記録速度を優先する高速記録モード、「普通」は通常の記録モードと、「きれい」は画像の記録品位を優先する高品位記録モードである。画像品位を向上させる程、画像の記録に要する時間tが長くなり、逆に待機時間Tが短くなる。例えば、「きれい」の高品位記録モードの場合には待機時間Tが24秒となる。このように、記録モードに応じて予め待機時間Tを設定することにより、それぞれの記録モードにおいて、画像の記録に要する時間を最短に設定することができる。
【0031】
このように、上式により待機時間Tを決定することにより、記録媒体202の後端Bに対する前処理液の塗布が終了したときに、丁度、ループ状の余剰部分24がなくなるため、画像の記録に要する時間を最短に設定することができる。しかし待機時間Tは、上式によって決定される待機時間よりも短くなければよい。
【0032】
(他の実施形態)
塗布機構120の構成は任意であり、必ずしも塗布ローラを用いる構成でなくてもよく、要は、記録媒体に処理液を付与するための付与手段を構成するものであればよい。その付与手段は、前述した実施形態のように、記録媒体の連続的な搬送を伴って処理液を付与する他、記録媒体の断続的な搬送を伴って処理液を付与するものであってもよい。後者の場合には、記録媒体の搬送速度の平均を、画像の記録部における記録媒体の搬送速度よりも遅くすることができる。
【0033】
また、記録媒体に画像を記録するための記録部は、上述したようにインクジェット記録ヘッドを用いたシリアルスキャン方式のみに特定されない。例えば、感熱式の記録ヘッドを用いる記録部であってもよく、また記録媒体を連続的に搬送するフルラインタイプであってもよい。フルラインタイプの場合には、記録媒体の記録領域における幅方向の全域に渡って延在する長尺な記録ヘッドを用い、記録媒体を連続搬送しつつ、画像を記録することになる。
【0034】
また、このような記録部と共に、または、それに代わって、処理液が付与された後の記録媒体に対して、例えば、切断や折り曲げなどの種々の処理を施すための処理装置を備えてもよい。その処理装置は、記録媒体の断続的な搬送を伴うものであってもよく、あるいは記録媒体の連続的な搬送を伴うものであってもよい。前述したように、記録媒体の余剰部分(弛み部分)を形成することにより、処理装置において記録媒体を断続的に搬送する場合には、その平均の搬送速度を処理液の付与手段における搬送速度よりも高くすることができる。また、後者のように記録媒体を連続的に搬送する場合には、その搬送速度を処理液の付与手段における搬送速度よりも高くすることができる。また、記録媒体の弛み部分は、記録媒体の先端を紙送りローラ23に当てることにより形成する他、記録媒体の先端を他の位置規制部分に当てることにより形成してもよい。
【0035】
また処理液としては、例えば、普通紙に対する画像の記録性を向上させるための液体、記録画像の堅牢性(耐水性、耐候性など)を向上させるための液体等、種々の液体を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態の記録装置に備わる塗布機構部分の概略構成図である。
【図2】図2の記録装置における画像記録部の概略斜視図である。
【図3】図1の記録装置の制御系のブロック構成図である。
【図4】(a),(b),(c)は、図1の記録装置における記録媒体の搬送状況を時系列的に説明するための概念図である。
【図5】(a),(b),(c)は、図1の記録装置における記録媒体の搬送状況を時系列的に説明するための概念図である。
【図6】図1の記録装置における記録媒体の搬送状況を説明するための概念図である。
【図7】図1の記録装置において決定する待機時間の具体例の説明図である。
【図8】従来の塗布機構の概略構成図である。
【符号の説明】
【0037】
1 記録ヘッド
23 紙送りローラ
24 余剰部分
25 規制部材
71A 塗布ローラ
71B 加圧搬送ローラ
100 多孔質体
101 桶
110 処理液
120 塗布機構
202 記録媒体
204 キャリッジ
A 記録媒体の先端
B 記録媒体の後端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に処理液を付与する付与手段と、処理液が付与された後の前記記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に画像を記録する記録手段と、を備える記録装置であって、
前記付与手段によって処理液が付与された前記記録媒体を前記記録手段に導入する導入経路と、
前記付与手段および前記記録手段を制御して、前記導入経路に位置する前記記録媒体に弛みを形成可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記付与手段と前記記録手段における前記記録媒体の搬送速度の差に応じて、前記記録手段の作動開始時期を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録手段は、前記記録媒体の間欠的な搬送を伴って画像を記録し、
前記記録手段における前記記録媒体の搬送速度は、前記記録媒体に画像を記録する期間における前記記録媒体の平均の搬送速度である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録手段における前記記録媒体の搬送速度は、前記付与手段における前記記録媒体の搬送速度よりも早く、
前記制御手段は、前記付与手段の作動によって、前記導入経路に位置する前記記録媒体に弛みが生じてから、予め設定された待機時間が経過した後に、前記記録手段の作動を開始させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記待機時間は、前記付与手段における前記記録媒体の搬送速度をv、前記記録手段における前記記録媒体の搬送速度をV、前記記録手段が前記記録媒体に対して画像を記録するために要する時間をtとしたときに、下式に求まるT以上であることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
T=t×(V−v)/V
【請求項6】
前記待機時間は、前記記録手段の記録モードに応じて設定することを特徴とする請求項4または5に記載の記録装置。
【請求項7】
記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に処理液を付与し、その処理液が付与された後の前記記録媒体の搬送を伴って該記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
前記処理液が付与された前記記録媒体を画像の記録位置に搬入する際に、少なくとも一時的に、前記記録媒体に弛みを形成することを特徴とする記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−301816(P2007−301816A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131865(P2006−131865)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】