説明

記録装置及び携帯端末装置

【課題】内部記録媒体で記録されたデータのうち、携帯端末装置側で再生されたデータを自動的に消去対象として選択すること又は自動的に消去することが可能な記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置(録画装置1で例示)は、内部記録媒体(記憶部16で例示)に記録された記録データ(放送番組データで例示)を、携帯端末装置3に装着可能な又は装着された可搬記録媒体30にコピーするデータ出力部と、放送番組データが再生済みであることを示す再生済み情報を可搬記録媒体30から読み出し、その再生済み情報に記述された再生済みの放送番組データに対応する記憶部16内の放送番組データを消去する消去部と、を備える。この再生済み情報は、携帯端末装置3が放送番組データの再生時に可搬記録媒体30に記録しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置及び携帯端末装置に関し、より詳細には、放送波で受信した放送番組データ等の入力データを記録可能な記録装置、及びその記録装置で記録されたデータを再生可能な携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、放送番組データを記録するレコーダ等の記録装置が流通している。近年、携帯電話機等の携帯端末装置側で再生させるために、携帯端末装置に装着可能な可搬記録媒体などにその放送番組データをコピーすることが可能な記録装置も提案されている。
【0003】
このようなコピーにより携帯端末装置側に記録された放送番組データのうち、視聴済みの放送番組データは携帯端末装置側で不要となることが多いが、放送番組データ毎に手動で消去を行うためには労力が必要となる。
【0004】
このような問題に対し、特許文献1に記載の録画番組自動格納システムでは、サーバ側からの視聴後削除命令に基づき、携帯端末装置で見終えた連続番組を自動的に更新(第N回を消去して第N+1回を転送)することが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−279698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、携帯端末装置側で視聴済みの放送番組データは携帯端末装置側だけでなくコピー元である記録装置側でも不要となることが多く、特許文献1に記載のシステムでは、携帯端末装置で見終えた放送番組データに対応するサーバ側の放送番組データを消去する際には、手動で削除対象を探す手間がかかってしまう。
【0007】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部記録媒体に記録されたデータのうち、携帯端末装置側で再生されたデータを自動的に消去対象として選択すること又は自動的に消去することが可能な記録装置を提供すること、並びに、その記録装置で記録されたデータをコピーして再生したときに、そのデータに対応する記録装置側のデータを消去対象として選択可能にする情報を記録することが可能な携帯端末装置を提供すること、にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、内部記録媒体を有する記録装置であって、該内部記録媒体に記録された記録データを、携帯端末装置に装着可能な又は装着された可搬記録媒体にコピーするデータ出力部と、該データ出力部でコピーされた記録データが再生済みであることを示す再生済み情報を、前記可搬記録媒体から読み出し、前記再生済み情報に記述された再生済みの記録データに対応する前記内部記録媒体内の記録データを消去する消去部と、を備えたことを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記消去部は、前記消去を実行するか否かを、ユーザ操作に基づき決定することを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記内部記録媒体に記録された前記記録データより情報量が少ない出力専用データを生成して、前記内部記録媒体に記録する出力用データ生成部を、さらに備え、前記データ出力部は、前記記録データの代わりに前記出力用データ生成部で生成された前記出力専用データを、前記可搬記録媒体にコピーし、前記消去部は、前記再生済み情報に記述された再生済みの出力専用データに対応する、前記内部記録媒体内の出力専用データ、又は前記内部記録媒体内の出力専用データ及び該出力専用データの生成元の記録データを消去することを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、前記データ出力部は、前記可搬記録媒体の代わりに、前記記録装置に接続された前記携帯端末装置に内蔵された携帯側の内部記録媒体をコピー先とし、前記消去部は、前記再生済み情報を、前記記録装置に接続された前記携帯端末装置の前記携帯側の内部記録媒体から読み出すことを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第1又は第2の技術手段における記録装置により前記可搬記録媒体にコピーされた記録データを再生可能な携帯端末装置であって、前記可搬記録媒体にコピーされた記録データのうち前記携帯端末装置で再生された記録データについて、再生済みであることを示す再生済み情報を、前記可搬記録媒体に記録する再生済み情報記録部を備えたことを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第3の技術手段における記録装置により前記可搬記録媒体にコピーされた出力専用データを再生可能な携帯端末装置であって、前記可搬記録媒体にコピーされた出力専用データのうち前記携帯端末装置で再生された出力専用データについて、再生済みであることを示す再生済み情報を、前記可搬記録媒体に記録する再生済み情報記録部を備えたことを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第5又は第6の技術手段において、入力データを入力するデータ入力部と、該データ入力部で入力した入力データを再生するデータ再生部と、をさらに備え、前記再生済み情報記録部は、前記データ再生部で再生された入力データについても、前記再生済み情報を前記可搬記録媒体に記録することを特徴としたものである。
【0015】
第8の技術手段は、第7の技術手段において、前記データ入力部で入力した入力データを前記可搬記録媒体に記録するデータ記録部をさらに備え、前記再生済み情報記録部は、前記データ記録部で記録され前記データ再生部で再生された入力データについても、前記再生済み情報を前記可搬記録媒体に記録することを特徴としたものである。
【0016】
第9の技術手段は、第5〜第8のいずれかの技術手段において、前記再生済み情報記録部は、前記携帯端末装置で所定時間又は所定割合以上再生されたデータについてのみ、前記再生済み情報を前記可搬記録媒体に記録することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る記録装置によれば、内部記録媒体に記録されたデータのうち、携帯端末装置側で再生されたデータを、自動的に消去対象として選択すること又は自動的に消去することが可能になる。また、本発明に係る携帯端末装置によれば、そのような記録装置で記録されたデータをコピーして再生したときに、そのデータに対応する記録装置側のデータを消去対象として選択可能な情報を、記録することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る、録画装置及び携帯端末装置を備えた録画管理システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の録画管理システムにおける携帯端末装置で格納される再生済みリストの一例を示す図である。
【図3】図1の録画管理システムで行う消去処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図4】図3の消去処理において録画装置が実行する消去処理メインループの一例を説明するためのフロー図である。
【図5】図4の消去処理メインループにおいて表示装置に出力される問合せ画面の一例を示す図である。
【図6】図1の録画管理システムにおける携帯端末装置で格納される再生済みリストの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る記録装置は、携帯端末装置で使用可能な可搬記録媒体に放送番組データ等の記録データ又はその圧縮データをコピーすること、並びに、携帯端末装置側で再生済みのデータに対応する記録装置内の放送番組データ等の記録データ又はその圧縮データを消去対象として自動的に選択することが可能な装置である。これら記録装置及び携帯端末装置により、記録装置側での消去対象の選択が自動的にできる記録管理システムを構成する。
【0020】
以下、本発明に係る記録管理システムについて、図面を参照しながら説明する。但し、以下の説明では、コピー対象の記録データを放送番組データで例示すると共に、そのコピー対象の放送番組データが、記録装置の放送受信部で受信した映像信号が示すデータ(映像データ)であることを前提とし、音声信号が示すデータ(音声データ)については触れない。音声データについては、圧縮方法や最終的な出力先がスピーカであることなどが映像データと異なるだけで、コピーや消去などは映像データと同時に取り扱えばよい。また、録画装置を挙げて説明するが、本発明に係る記録装置は、映像データを含まず音声データを含む放送番組データ等の記録データをユーザに聴取させるために取り扱うラジオ用の記録装置として、構成することもできる。また、放送番組データ以外の記録データについては最後に補足する。
【0021】
さらに、録画装置として、一般的に流通している録画装置のように、再生機能も備えた録画装置(つまり録画再生装置)を例に挙げて説明するが、本発明の一部の実施形態に係る記録装置に再生機能は必須ではなく、また録画装置として構成する場合にも以下に例示する構成に限ったものではない。なお、再生機能を備えない録画装置の場合には、外部に接続した再生機器から録画機器内の映像データが読み出し可能な構成であれば映像データの再生も可能である。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る、録画装置及び携帯端末装置を備えた録画管理システムの一構成例を示すブロック図である。図1に示す録画管理システム(番組録画再生システム)は、録画装置1、表示装置2、及び携帯端末装置3で構成される。
【0023】
表示装置2としては、テレビ装置、モニタ装置等が挙げられる。なお、録画装置1と表示装置2とは、有線又は無線で接続されていることを前提に説明するが、録画装置1が表示装置2に組み込まれていてもよい。
【0024】
携帯端末装置3としては、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、携帯型ゲーム機等が挙げられ、可搬記録媒体30が装着可能になっているものとする。可搬記録媒体30としては、SD規格の各種メモリカード、メモリースティック(登録商標)など、様々な記録媒体が適用できる。なお、可搬記録媒体30は書き込み可能であればよいが、そこに記録するデータ(後述する映像データや再生済み情報等)は書き換えた方が容量的にも管理的にも好ましいため、可搬記録媒体30としては書き換え可能な記録媒体を採用することが好ましい。
【0025】
録画装置1は、制御部10、録画部11、映像入力部12、映像出力部13、操作部14、通信部15、及び記憶部16を備え、これらが接続されてなる。制御部10は、録画装置1の全体を制御する。操作部14は、リモコンからの操作信号を受信する受信部や本体操作部で構成され、ユーザ操作を入力し、その操作の内容を制御部10に伝える。操作部14では、チャンネル切替操作、録画操作、録画予約操作など、様々なユーザ操作が入力可能となっている。
【0026】
映像入力部12は、映像データ(映像ストリーム)、実際には映像データを含む放送番組データ(放送ストリーム)を受信する放送受信部の一例であり、BS/CSデジタルチューナ、地上デジタルチューナなどで構成される。映像入力部12から出力される映像データは、操作部14でのチャンネル切替操作や録画予約で指定されたチャンネルの復調後の映像データとなる。
【0027】
録画部11は、操作部14からの録画操作又は録画予約操作に基づいて、映像入力部12から出力された映像データを内部記録媒体に記録する。ここで記録された映像データが上述した記録データに相当する。記憶部16は、この内部記録媒体の一例であり、例えばハードディスクや半導体メモリでなる。また、記憶部16としては、BD(Blu-Ray Disc)−RE,DVD(Digital Versatile Disc)−RW等の書き換え可能な可搬記録媒体とその駆動装置(入出力I/F)とを備えてもよい。なお、ここで言うところの可搬記録媒体は、可搬記録媒体30とは別個の記録媒体である。
【0028】
録画部11は、映像入力部12から出力された映像データを、そのまま記憶部16に記録するよう構成してもよいし、デコーダでデコードして記録するよう構成してもよいし、さらにはトランスコーダでレート変換して記録するよう構成してもよい。記録の方法は操作部14から指定可能としておけばよい。図1では、放送番組A,B,Cの映像データのファイルが、そのまま又はデコード又はトランスコードして、それぞれ録画ファイルA(17a),録画ファイルB(17b),録画ファイルC(17c)として記憶部16に記録された例を挙げている。
【0029】
映像出力部13は、デコーダや映像出力端子等で構成される。なお、このデコーダは録画部11において説明したデコーダと併用してもよい。映像出力部13は、映像入力部12から出力された映像データをデコードして再生して、表示装置2に出力する。また、映像出力部13は、記憶部16に記憶された映像データ(例えば録画ファイルA 17a等)を再生して、表示装置2に出力する。映像データが符号化されている場合、再生時にはデコードが施される。映像出力部13での出力対象の映像データの切り替えは、操作部14でのユーザ操作に応じて実行すればよい。
【0030】
通信部15は、携帯端末装置3との接続部であり、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等のケーブルによる有線通信又は無線通信により、携帯端末装置3との間でデータの送受を行う。
【0031】
録画装置1は、次のデータ出力部を備える。データ出力部は、記憶部16に記録された放送番組の映像データを、携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30にコピーする。このデータ出力部は、制御部10及び通信部15で主に例示できる。
【0032】
例えば、まず記憶部16内の映像データのタイトル等をリスト化した録画リストのOSD(On Screen Display)画像を、表示装置2に表示する。この録画リストは、各映像データをユーザ選択可能に表示しておく。次いで、操作部14からのユーザによる選択操作を受け付けた後、携帯端末装置3へのコピー操作を受け付ける。このようなユーザ操作の内容を操作部14から受けた制御部10が、選択されコピー指示がなされた映像データ(例えば録画ファイルA 17a等)を記憶部16から読み出して、通信部15を介して携帯端末装置3の可搬記録媒体30にコピーする。
【0033】
但し、コピーする映像データは、携帯端末装置3で再生可能なデータとする。例えば、録画装置1がフルセグメント(フルセグ)の地上デジタル放送の映像データを受信する場合、携帯端末装置3での再生性能(主に表示能力)がその映像データをそのままのレートで再生できない場合には、その携帯端末装置3で再生可能な映像データ、つまり記録時にレート変換により圧縮された映像データだけがコピーの対象にできる。
【0034】
携帯端末装置3に、フルセグの地上デジタル放送のチューナが搭載されておらず、ワンセグメント(ワンセグ)チューナのみが搭載されているケースを想定する。この場合、ワンセグチューナの映像解像度320画素×180ライン(又は320×240)、最大フレームレート15fps、最大伝送速度(例えば384kbps)に比べ、少なくとも精細な映像データを記憶部16に記録しておき、それを可搬記録媒体30にコピーすることで、携帯端末装置3において取得可能なワンセグ映像より綺麗な映像を携帯端末装置3で視聴することができるようになる。例えば、フルセグ用の映像解像度640画素×360ライン(又は640×480)、最大フレームレート30fps、最大伝送速度1.5Mbpsの映像データを、録画装置1で記録し、可搬記録媒体30にコピーするとよい。
【0035】
また、録画装置1の通信部15と携帯端末装置3とが有線又は無線で接続可能であることを前提としたが、通信部15の代わりに又は通信部15と共に、携帯端末装置3で使用可能な可搬記録媒体30についての入出力I/Fである可搬記録媒体駆動装置を録画装置1側にも設け、可搬記録媒体30を持ち運ぶことによりデータの送受を可能に構成してもよい。この可搬記録媒体駆動装置は、録画装置1の内部に設けても、ケーブル経由で録画装置1に接続して設けてもよい。
【0036】
このような構成を採用した場合、データ出力部は、制御部10及びこの可搬記録媒体駆動装置で主に例示できる。例えば、携帯端末装置3に装着可能な可搬記録媒体30をユーザが録画装置1の可搬記録媒体駆動装置に装着しておき、制御部10が、ユーザにより指示された映像データを記憶部16から読み出して、その可搬記録媒体駆動装置を介してその可搬記録媒体30にコピーすればよい。その後、ユーザが携帯端末装置3にその可搬記録媒体30を装着すれば、コピーされた映像データを再生できる。
【0037】
録画装置1は、その主たる特徴として次の消去部を備える。消去部は、コピーされた映像データが再生済みであることを示す再生済み情報を可搬記録媒体30から読み出す。再生済み情報についてはその詳細を後述する。ここで、再生済みとはユーザが視聴済みであることを意味する。そして、消去部は、その再生済み情報に記述された再生済みの映像データに対応する記憶部16内の映像データを抽出(選択)して消去する。
【0038】
この消去部は、主に制御部10及び記憶部16で例示できる。また、消去された又は消去することが決定した映像データに関する可搬記録媒体30中の再生済み情報は、録画装置1が可搬記録媒体30にアクセスできる間に消去すればよい。
【0039】
また、消去部は、再生済み情報に基づく映像データの消去を実行するか否かを、ユーザ操作に基づき決定し、実行する旨のユーザ操作が決定時又は事前設定にあるときのみ、消去を行うようにしてもよい。例えば、消去部は、可搬記録媒体30から再生済み情報を読み込んだときに、消去を行うか否かを問い合わせる問合せ画面を表示装置2に表示させ、操作部14で受け付けたユーザからの応答に基づき消去するか否かを決定すればよい。若しくは、消去部は、予め設定された消去に関するユーザ設定(又はデフォルト設定)に基づき、消去するか否かを決定する。また、消去の実行の可否を判定した映像データに関する可搬記録媒体30中の再生済み情報も、録画装置1が可搬記録媒体30にアクセスできる間に消去すればよい。
【0040】
次に、上述した再生済み情報について、並びに携帯端末装置3においてこの再生済み情報を可搬記録媒体30に記録するための構成について、説明する。携帯端末装置3は、上述のようにして録画装置1により可搬記録媒体30にコピーされた映像データが再生可能になっている。
【0041】
携帯端末装置3は、その主たる特徴として、次の再生済み情報記録部を備える。この再生済み情報記録部は、可搬記録媒体30にコピーされた映像データのうち携帯端末装置3で再生された映像データについて、再生済みであることを示す再生済み情報を可搬記録媒体30に記録する。この再生済み情報記録部は、図示しないが、主に可搬記録媒体30の駆動装置と携帯端末装置3の全体を制御する制御部とで例示できる。
【0042】
また、携帯端末装置3が再生された映像データ自体を削除した場合でも、その削除した映像データに関する再生済み情報は録画装置1で読まれるまで残しておく。未再生の映像データ自体が削除された場合については、再生済みとして再生済み情報を記録しておいてもよいし、未再生としておいてもよく、いずれを採用するかは運用次第である。
【0043】
また、再生済み情報記録部は、携帯端末装置3で所定時間以上又は所定割合(時間的な割合)以上再生された映像データについてのみ、再生済み情報を可搬記録媒体30に記録するようにすることが好ましい。所定割合としては100%を採用し、全て再生された映像データについてのみ再生済み情報を記録するようにしてもよい。また、映像データの再生を終了する操作をユーザから受け付けたときなどに、ユーザに再生済み情報を記録するか否かを問い合わせ、その結果に基づき、再生済み情報の記録の可否(録画装置1での消去対象とするか否かを意味する)を決めてもよい。
【0044】
再生済み情報は、映像データの番組情報を示す項目と、再生済みか否かを示す情報とが含まれていればよい。ここで記述すべき番組情報の簡単な例を挙げると、チャンネル(及び受信地域)と放送時間帯(日時)とを記述しておけばよく、特に番組名等は記述しておく必要はない。また、再生済みか否かを示す情報は、映像データの番組情報を示す項目の存在のみをもって、録画装置1が再生済みと取り扱うようにしてもよい。なお、再生済み情報は、再生済みである番組が判別できればよく、コピーされた映像データについては、未再生情報として格納したものであってもよい。
【0045】
再生済み情報は、映像データに関して各項目を記述した再生済みリストとして生成し、可搬記録媒体30に記録しておいてもよい。新たな映像データに関する再生済み情報は、その再生済みリストに追加していけばよい。この場合、上記再生済み情報記録部は、再生済みリスト31を生成(及び更新)して可搬記録媒体30に記録するリスト生成部となる。また、再生済み情報としては、再生済みリストのように別途記述する方法以外に、映像データのファイル自体に再生済みのフラグを付加することで記述してもよい。
【0046】
このように、本発明に係る携帯端末装置3によれば、録画装置1で記録されたデータをコピーして再生したときに、そのデータに対応する録画装置1側のデータを消去対象として選択可能な情報(上記再生済み情報)を、記録することが可能になる。従って、本発明に係る録画装置1によれば、記憶部16に録画されたデータのうち、携帯端末装置3側で再生されたデータを、自動的に消去対象として選択すること又は自動的に消去することが可能になる。
【0047】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。録画装置1においては、録画部11は、記憶部16に記録済みの映像データについて、トランスコーダ等でレート変換して記憶部16に再記録ができるように構成することもできる。この構成を採用することで、例えば録画ファイルA(17a),B(17b),C(17c)をそれぞれ圧縮し、図1に図示したようにそれぞれ圧縮ファイルA(18a),B(18b),C(18c)として記憶部16に記録できる。
【0048】
本実施形態に係る録画装置1は、次の出力用データ生成部を備える。この出力用データ生成部は、記録済みの映像データより情報量が少ない(つまりビット数が少ない)出力専用データを生成し、記憶部16に記録する。
【0049】
また、この出力専用データは、記録済みの映像データから映像解像度を低くするなどしてビットレートを下げた圧縮映像データであり、且つ、携帯端末装置3で再生可能な映像データである。録画時と同様に、携帯端末装置3にフルセグ用チューナが搭載されておらずワンセグチューナのみが搭載されているケースを想定する。この場合、ワンセグチューナの映像解像度、最大フレームレート、最大伝送速度より精細になるように、別途、出力専用データを生成し可搬記録媒体30に記録しておくことで、携帯端末装置3において取得可能なワンセグ映像より綺麗な映像を携帯端末装置3で視聴することができるようになる。例えば、フルセグ用の映像解像度、最大フレームレート、最大伝送速度で規定されるデータとして、出力専用データを生成しておけばよい。
【0050】
この出力用データ生成部は、主に制御部10、及びトランスコーダを有する(又はデコーダに加えてエンコーダも有する)録画部11で例示できる。例えば、制御部10の制御により、トランスコーダで録画ファイルA(17a)から圧縮ファイルA(18a)を生成して記憶部16に記録する。
【0051】
また、生成した出力専用データを記憶部16に記録する際、再生部で再生不可能な状態で記録することが好ましい。ここで、再生部は、映像出力部13で例示したように、記憶部16に記録された映像データを再生する部位とする。再生不可能な状態で記録するとは、単に、ユーザ操作で再生のための選択ができないように、出力専用データを録画リストに掲示しないようにしておくだけでもよいし、録画リストには掲示するが録画リスト上でユーザ選択不可能にしておくだけでもよい。なお、録画装置1が再生部を具備しない構成においては、録画装置1に外部接続した再生機器からも再生不可能な状態としておけばよい。
【0052】
出力専用データの生成のタイミングは、ユーザによるコピー操作を受け付けてからそのコピー操作の対象を圧縮対象として出力専用データを生成するようにすればよい。しかし、映像データの生成後、直ぐにその映像データを自動的に圧縮対象として出力専用データを生成しておくことが、コピー操作からコピーの完了までの待ち時間を無くすことができるため好ましい。出力専用データ生成中のコピー操作の場合にも、少なくとも待ち時間を減らすことはできる。
【0053】
データ出力部は、記憶部16に記録された映像データの代わりに、出力用データ生成部で生成され記憶部16に記録された出力専用データを、可搬記録媒体30にコピーする。このようにしてコピーされた結果として、図1では可搬記録媒体30に、圧縮ファイルA(18a),B(18b)にそれぞれ対応する圧縮ファイルA(32a),B(32b)が記録された例を図示している。このように、可搬記録媒体30にコピーされる映像データとしては、元の番組の映像データと全く同一のものに限ったものではなく、元の番組の映像データとは圧縮形式などが異なるものであってもよく、可搬記録媒体30内で再生する映像データと記憶部16内の映像データとで1対1に対応づけられているか、若しくは多対1に対応づけられていればよい。
【0054】
多対1に対応づけられている場合とは、記憶部16内の映像データを複数個に分割して可搬記録媒体30に格納する場合が想定できる。実際、記憶部16内の映像データが携帯端末装置3側で使用できるファイルサイズの上限を超える場合には、出力専用データをファイル分割して作成する必要がある。単に可搬記録媒体30の容量の上限を超える場合だけではなく、例えば、ファイルシステムの仕様、映像ファイルの規格、携帯端末装置3に搭載されたプレイヤの仕様によってもファイルの制限があり得る。
【0055】
上述したように、出力専用データを再生不可能な状態で記録することで、ダビング10といったコピー制限がかかっている場合にも、出力専用データを生成したときにはダビング回数に換算せずにコピー実行後にはじめてダビング回数にカウントすることができる。しかしながら、録画リストではコピー対象の選択のための工夫が必要となる。
【0056】
従って、コピーのためのユーザ選択を、元の映像データに対して行わせることで、自動的に出力専用データが可搬記録媒体30にコピーされるようにしておけばよい。例えば、元の映像データである録画ファイルA(17a)が選択されコピー指示がなされ、それを制御部10が受け付けた場合、自動的に圧縮ファイルA(18a)を選択して、通信部15を介して可搬記録媒体30にコピーする。
【0057】
若しくは、録画リスト上で所望の元の映像データ(例えば録画ファイルA 17a)をユーザが選択すると、次のようなプルダウンメニューを表示装置2に表示するようにしてもよい。このプルダウンメニューは、選択されたそのもの(録画ファイルA 17a)をコピーする処理と、その出力専用データ(圧縮ファイルA 18a)をコピーする処理と、がユーザ選択可能になっている。制御部10がこのプルダウンメニュー表示させ、表示中にユーザ選択を受け付けて、ユーザが選択操作した方をコピー対象として決定し、コピー処理を実行すればよい。
【0058】
また、出力用データ生成部で生成する出力専用データの生成元は、記憶部16に記録済みの映像データに限らず、データ出力部で出力対象とできる映像データであればよい。従って、生成元は放送波で受信した映像データであってもよい。すなわち、上述した出力用データ生成部は、映像データの記録時に同時に、情報量を削減した出力専用データも生成し、生成した出力専用データを(好ましくは上記再生部で再生不可能な状態で)記憶部16に記録するように構成してもよい。
【0059】
この出力用データ生成部は、主に制御部10、及びトランスコーダを有する録画部11で例示できる。例えば、制御部10の制御により、録画ファイルA(17a)の記録時に同時に、トランスコーダで圧縮ファイルA(18a)も生成して記憶部16に記録する。また、この出力専用データは、同時に記録する映像データより映像解像度を低く設定するなどして低ビットレートの圧縮データであり、且つ、携帯端末装置3で再生可能な映像データである。この例では、出力専用データの生成のタイミングが録画時であるため、コピー操作からコピーの完了までの待ち時間を無くすことができる。
【0060】
このように、本実施形態では、データ出力部が、記録された映像データの代わりに出力用データ生成部で生成・記録された出力専用データを可搬記録媒体30にコピーしている。従って、消去部における消去対象もこの出力専用データとなるため、携帯端末装置3の再生済み情報記録部でも、この出力専用データについての再生済み情報を記録する。
【0061】
図2を参照しながら、出力専用データに関する再生済み情報の記録処理の一例について説明する。図2は、図1の録画管理システムにおける携帯端末装置で格納される再生済みリストの一例を示す図である。
【0062】
まず、ユーザが携帯端末装置3を録画装置1に接続するなどして、録画装置1から可搬記録媒体30をアクセス可能にする。録画装置1は可搬記録媒体30にマスストレージモードで接続する。接続後、ユーザ指示に応じて、録画装置1で録画した番組の圧縮ファイルのうち圧縮ファイルA(18a),B(18b)を、同時に又は別個に携帯端末装置3の可搬記録媒体30に転送する。ここで転送とは、移動(ムーブ)ではなくコピーを指し、結果として記憶部16内に残したまま、可搬記録媒体30に圧縮ファイルA(32a),B(32b)が記録される。なお、消去処理の説明として後述するが、録画装置1は可搬記録媒体30に接続した段階で、再生済みリストを探し、存在すれば読み込むことになる。
【0063】
ここで、ユーザが携帯端末装置3を操作して、圧縮ファイルA(32a)を再生したとする。携帯端末装置3の再生済み情報記録部は、圧縮ファイルA(32a)が再生済みとなったか判定する。再生済みになったか否かの判定方法自体は、上述したように、総再生時間が映像データの長さ(録画時間)の一定割合以上又は所定時間以上になることを条件にしてもよいし、再生が映像データの終端に達したか否かによってもよいし、ユーザ自らが「再生済み(つまり視聴済み)」であることや「削除」対象とすることを選択可能に構成しておいてもよい。
【0064】
再生済みとなった場合、再生済み情報記録部は、この圧縮ファイルA(32a)については再生済みフラグを「1」(ON)にし、未再生の圧縮ファイルB(32b)については再生済みフラグを「0」(OFF)にした再生済みリスト31aを生成し、可搬記録媒体30に記録する。この結果、図1における再生済みリスト31として再生済みリスト31aが可搬記録媒体30に記録される。元々再生済みリストが存在した場合には、その再生済みリストにコピー実行分の再生済み情報を追記すればよく、追記することで再生済みリスト31aのような記述が含まれるリストとなる。
【0065】
また、上述したように、未再生である圧縮ファイルB(32b)については再生済みリストに含めなくてもよい。さらに、再生済みリストを追記(及び生成)するタイミングは、再生済みであることが録画装置1での読み出し時に正確に把握できるタイミング(つまり録画装置1で読み出される可能性があるタイミングの手前)であればよい。
【0066】
なお、再生済みリストは、録画装置1がコピー実行時にそのときコピーした全てのファイルに対して再生済みフラグ「0」で生成し、可搬記録媒体30に記録しておいてもよい。元々再生済みリストが存在した場合には、それにコピー実行分を追記すれば済む。そして、携帯端末装置3の再生済み情報記録部が、再生済みのファイルが生じたときにそのファイルについての再生済みフラグを「1」に書き換えればよい。また、録画装置1が可搬記録媒体30に接続したときに自動的に未コピー分のコピーを実行するように設定していてもよく、その場合にも、その接続時に自動的に再生済みリストを生成又は更新すればよい。
【0067】
このようにして可搬記録媒体30に記録された再生済み情報に基づいて、本実施形態における消去部は消去を実行する。より具体的には、消去部は、携帯端末装置3で再生済みの映像データ(出力専用データをコピーしたデータ)に対応する、記憶部16内の出力専用データを消去する。若しくは、消去部は、その再生済み情報に基づき、携帯端末装置3で再生済みの映像データに対応する、記憶部16内の出力専用データとその出力専用データの生成元の映像データとを消去する。但し、ここでの例のように映像データとその出力専用データとが記憶部16に存在する場合には、出力専用データをコピーする代わりにムーブしておき、消去部が、生成元の映像データを検索して消去するようにしてもよい。
【0068】
また、記憶部16内の映像データを複数個に分割して可搬記録媒体30に格納した場合については、例えば、分割後のそれぞれの分割ファイルについて再生済みとなったときに再生済みリスト31aに記録しておけばよい。そして、録画装置1側でこの再生済みリスト31aを参照にして全ての分割ファイルが再生済みとなったときに、それら分割ファイルの元となった記憶部16内の1つの映像データ(及び記憶部16内の分割ファイル)を検索して、消去すればよい。つまり、出力専用データが複数に分割される場合には、再生済みとする条件として、例えば「分割された個々の映像データが全て再生済みになること」を採用するなどすればよい。
【0069】
図3及び図4のフローに従い、図1、図2、及び図5も併せて参照しながら、出力専用データに関する再生済み情報に基づく消去処理の一例について説明する。図3は、図1の録画管理システムで行う消去処理の一例を説明するためのフロー図で、図4は、図3の消去処理において録画装置が実行する消去処理メインループの一例を説明するためのフロー図である。また、図5は、図4の消去処理メインループにおいて表示装置に出力される問合せ画面の一例を示す図である。
【0070】
まず、ユーザが携帯端末装置3を録画装置1に接続する(ステップS1)。その後、自動的に制御部10が、通信部15を介して携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30にマスストレージモードで接続し、再生済みリスト31aを取得する(ステップS2)。このように、再生済みリスト31aは、録画装置1との接続時には録画装置1から参照可能となる。ステップS2に続き、主に制御部10が、図3で説明する消去処理メインループを実行する(ステップS3)。
【0071】
消去処理メインループでは、まず、再生済みリスト31aのエントリに一致し、未処理の映像データ(勿論、出力専用データも含む)はあるか否かを検索して判定し(ステップS11)、存在しなければ処理を終了する。ステップS11でYESの場合には、未処理の映像データから、再生済みリスト31aの記述順など規定の順序で1つ選択する(ステップS12)。
【0072】
この例では、再生済みリスト31aにおいて再生済みとなっている圧縮ファイルA(32a)が記憶部16の圧縮ファイルA(18a)に一致し、且つまだ処理済みでない。従って、ステップS12では、圧縮ファイルA(18a)が選択される。
【0073】
続いて、図5の問合せ画面21で例示するように、「○○○○(この例では圧縮ファイルA)は携帯端末装置で再生済みです。本体内の転送用映像データも消去しますか?」などと、出力専用データである圧縮ファイルA(18a)の消去を行うか否かを問い合わせる画面を、表示装置2に表示させ、ユーザによる操作部14からの入力(応答)を待つ(ステップS13)。
【0074】
問合せ画面21には、ユーザ選択可能なように「はい」キー21aと「いいえ」キー21bとが表示されており、ユーザにいずれかを選択させる。消去可否を示すユーザの入力があったとき、その入力を判定し(ステップS14)、消去可のユーザ入力があったときには該当する映像データ(この場合、圧縮ファイルA 18a)を消去して(ステップS15)、ステップS11へ戻る。なお、消去する場合には、まず消去可のリストに追加して、その後適当なときに消去を行ってもよい。一方、ステップS14で消去可のユーザ入力がなかったときには該当する映像データ(この場合、圧縮ファイルA 18a)を処理済みとし(ステップS16)、ステップS11へ戻る。また、問い合わせを行わなくても、事前にコピーされたデータが再生済みとなったときにコピー元のデータを消去するか否かのユーザ設定を行っておき、そのユーザ設定(又はデフォルト設定)に基づき、ステップS14のような判定を行ってもよい。
【0075】
また、ステップS15,S16のいずれの処理においても、再生済みリスト31aの対応するレコード(圧縮ファイルA 18aに関する情報)を消去するように、再生済みリスト31aを上書きしておく。これにより、次回の検索で重複する検索を行う必要を無くすことができる。但し、可搬記録媒体30内の圧縮ファイルA(32a)の削除がなされていない場合には、再度可搬記録媒体30を携帯端末装置3で読み込んだときに、削除したレコードが再記録されてしまわないように、再生済みリストの生成・更新時に参照可能なように削除リストなどを別途記録しておくことが好ましい。
【0076】
このようにして、録画装置1は、再生済みリスト31aの記述内容について可搬記録媒体30と同期をとり、ユーザ自ら消去機能を呼び出すことなく且つ消去対象を探す必要なく、再生済みの映像データを自動的に消去対象として選択すること又は自動的に消去することができる。その結果、容易に映像データの整理ができる。
【0077】
一方で、可搬記録媒体30側に記録されたコピーされたデータ(この例では圧縮ファイルA 32a)については、同期時に、圧縮ファイルA(18a)の消去に伴って録画装置1が可搬記録媒体30から消去するようにしてもよい。このような可搬記録媒体30内のデータの消去についても、ステップS13で同時にユーザに問い合わせを行ってユーザからの応答に基づき実行してもよいし、事前に可搬記録媒体30内に保持したユーザ設定(コピーされたデータを再生後に消去するか否かの設定)又はデフォルト設定に従って実行してもよい。
【0078】
また、可搬記録媒体30側の出力専用データ等の消去手順として、次のような手順を採用してもよい。まず携帯端末装置3で、ユーザが再生を途中で終了させたときや最後まで再生後に終了させたときなどに、消去を実行するか否かを問い合わせ、ユーザ入力を待つ。消去を実行する場合には、コピーされた出力専用データ等を自動的に選択し消去すればよい。また、ここで可搬記録媒体30側のデータの消去を実行するとユーザ操作されたデータについてのみ、再生済みリストに視聴済みとして記述するようにしてもよい。
【0079】
さらに別の消去手順としては、まず携帯端末装置3で、ユーザが再生を途中で終了させたときや最後まで再生後に終了させたときなどに、携帯端末装置3で及び/又は録画装置1側で、そのデータの消去を実行するか否かを問い合わせ、ユーザ入力を待つ。可搬記録媒体30内にコピーされたデータを消去するユーザ入力があった場合には、携帯端末装置3が消去を実行すればよい。記憶部16内のコピー元のデータ等を消去するユーザ入力があった場合には、携帯端末装置3の再生済み情報記録部が、そのコピーされたデータを再生済みとするように再生済みリストに記録して、録画装置1が後にその可搬記録媒体30を参照して必要な消去を実行すればよい。このときにも、ステップS13,S14で説明したように、消去実行前に再度ユーザに確認を行うようにしてもよい。
【0080】
また、可搬記録媒体30内のコピーされたデータを再生後に消去するか否かについて、可搬記録媒体30内又は携帯端末装置3の内蔵メモリ内に、常にユーザ設定(又はデフォルト設定)として保持しておき、そのユーザ設定(又はデフォルト設定)に基づき携帯端末装置3が消去を実行してもよい。同様に、記憶部16内のコピー元のデータをコピーされたデータが再生済みとなった場合に消去するか否かについて、記憶部16内又は録画装置1の他の内蔵メモリ内に、常にユーザ設定(又はデフォルト設定)として保持しておき、そのユーザ設定(又はデフォルト設定)に基づき録画装置1が消去を実行してもよい。
【0081】
また、記憶部16や可搬記録媒体30に記録されたデータについて、様々な消去方法を説明したが、いずれの場合にも、保護フラグが有効になっているデータについては消去の対象から外すことが好ましい。なお、録画装置1は、記憶部16内の映像データについて、操作部14からのユーザ設定により保護フラグを有効にすることが可能に構成できる。同様に、録画装置1からのコピー時のユーザ設定又は携帯端末装置3でのユーザ設定により、可搬記録媒体30内の映像データについて保護フラグを有効にすることが可能に構成できる。
【0082】
さらに、実際に消去する代わりに待避領域(いわゆるゴミ箱)に移動してもよいし、或いは“未視聴フラグ”の設定を解除(消去)するだけでもよい。例えば、未視聴フラグがONの場合には、録画したが再生していないファイルをユーザに示すために「New」などと録画リスト上で表示するが、未視聴フラグがOFFになった(消去された)場合にはこの「New」の表示を消すとよい。このように、コピー元のデータを消去する代わりに、コピー元のデータの未視聴フラグ等の未視聴情報を消去し、視聴済みにしてもよい。
【0083】
次に本発明の他の実施形態として、図6を参照しながら、再生済みリストの他の例及びそれに基づく消去処理について説明する。図6は、図1の録画管理システムにおける携帯端末装置で格納される再生済みリストの他の例を示す図である。
【0084】
本実施形態について、基本的に、上述した各例から変更される点を中心に説明する。本実施形態では、可搬記録媒体30に録画装置1からコピー済みの映像データであるか否かに拘わらず、携帯端末装置3で再生済み情報に記述して、録画装置1内の同じコンテンツ(同じチャンネルで且つ同じ放送日時等の映像データ)を消去対象とする。
【0085】
そのため、本実施形態に係る携帯端末装置3は、映像データ(実際には映像データを含む放送番組データ)を受信する放送受信部と、放送受信部で受信した映像データを再生する放送番組再生部をさらに備える。そして、再生済み情報記録部は、放送番組再生部で再生された映像データについても、再生済み情報を可搬記録媒体30に記録する。このとき、可搬記録媒体30内の再生済み情報と記憶部16内の映像データや出力専用データ(コピー元のデータとは限らない)とを対応させるために、再生済み情報には番組情報(チャンネル、放送日時等)を記録しておく。
【0086】
また、携帯端末装置3は、内蔵の放送受信部で受信した映像データを、可搬記録媒体30に記録する放送番組記録部をさらに備えるようにしてもよい。そして、再生済み情報記録部は、放送番組記録部で記録され再生された映像データについても、同様に再生済み情報を可搬記録媒体30に記録する。
【0087】
図6に示す再生済みリスト31bでは、圧縮ファイルA(32a),B(32b)といった可搬記録媒体30に録画装置1からコピーされた映像データについてだけでなく、ファイル名「−」で示した携帯端末装置3内蔵の放送受信部で受信したワンセグ等の映像データと、ファイル名「録画ファイルI」で示した携帯端末装置3内蔵の放送受信部及び放送番組記録部で受信・記録されたワンセグ等の映像データとについても、再生済み情報を記述している。携帯端末装置3側で放送受信し表示した映像データは、常に再生済みフラグが「1」として記録される。また、放送受信した映像データを可搬記録媒体30に録画した結果としての映像データは、圧縮ファイルA(32a)等と同様に再生された段階で再生済みフラグを「0」から「1」に変更する。
【0088】
また、再生済みリスト31bでは、各映像データについて再生済みフラグが番組情報に関連付けられて記述されており、記憶部16内の映像データや出力専用データと対応させるために、番組情報として、ファイル名、チャンネル、放送日時の情報が含まれている。勿論、チャンネルと共に地域情報も記述しておくことやさらに番組のタイトルなども記述しておくことが検索精度を上げる上で好ましい。
【0089】
このように、録画装置1で録画したが、同じコンテンツのワンセグ版などを別途、携帯端末装置3でリアルタイムに視聴した場合や携帯端末装置3で録画後に視聴した場合に、再生済みリストに記録することで、その再生済みリストを読んだ録画装置1が、対応する映像データを消去対象としてユーザに消去の問い合わせを行うことや対応する映像データを消去することができる。
【0090】
例えば、再生済みリスト31bのファイル名「録画ファイルI」のチャンネル及び放送日時が、記憶部16内の録画ファイルC(17c)や圧縮ファイルC(18c)のチャンネル及び放送日時と一致した場合には、再生済みリスト31bを読んだ録画装置1が、圧縮ファイルC(18c)又は圧縮ファイルC(18c)及び録画ファイルC(17c)を消去対象とすることができる。
【0091】
また、上述した各例では、映像データや出力専用データのコピー先が携帯端末装置3で使用可能な可搬記録媒体30であるものとして説明したが、コピー先を、携帯端末装置3に内蔵された内部記録媒体(内蔵メモリ等)にしてもよい。
【0092】
この例では、上述したデータ出力部が、可搬記録媒体30の代わりに、録画装置1に接続された携帯端末装置3の内部記録媒体に映像データや出力専用データをコピーすればよい。そして、携帯端末装置3側で再生済み情報をその内部記録媒体に記録しておき、上述した消去部が、録画装置1に接続された携帯端末装置3の内部記録媒体からその再生済み情報を読み出せば、その再生済み情報に応じた消去が可能となる。但し、携帯端末装置3においてその内部記録媒体が外部からマスストレージモードで接続可能に構成しておく必要がある。
【0093】
また、上述した各例において、携帯端末装置3又は録画装置1が、再生済み情報に「コピー元」を示す項目を追加で設け、その項目に、コピーを実行した録画装置を特定するための機器情報を記述するようにし、消去対象の検索に生かすようにしてもよい。この機器情報としては、機器ID等が挙げられる。例えば、録画装置1が携帯端末装置3又は他種の機器と無線/有線LAN(Local Area Network)で接続可能となっていれば、MAC(Media Access Control)アドレスを、機器情報として採用できる。また、録画装置1がUSB接続可能な機器であれば、一般的に、デバイス情報としてシリアル番号のフィールドがあり、そのシリアル番号を機器情報として採用できる。
【0094】
再生済み情報に「コピー元」の項目の追加時や消去対象の検索時に、録画装置1が自身の機器情報を得るのは、このようにして容易に実行できる。携帯端末装置3側で録画装置1の機器情報を得て再生済み情報にコピー元としての機器情報を記述するような構成の場合には、録画装置1がコピーするデータに機器情報を付加してコピーを実行しておくなどすればよい。また、録画装置1が消去対象の検索時に自身の機器情報を得るのも上述したように容易に実行できる。
【0095】
この例では、可搬記録媒体30(又は携帯端末装置の内部記録媒体)に映像データをコピーした録画装置Rが録画装置1ではない場合には、携帯端末装置3は録画装置Rをコピー元として再生済み情報を記述する。従って、後で、録画装置1がその可搬記録媒体30(又は内部記録媒体)からその映像データに関する再生済み情報を読み出したとき、その再生済み情報内の機器情報を参照して録画装置1自身とは異なる録画装置Rでコピーされた映像データが再生されたことを認識できる。これにより、録画装置1は、同じチャンネル及び放送日時の映像データが録画装置1の記憶部16内に存在したとしても、記憶部16内のその映像データを消去しないように又は消去対象として検索しないようにすることができる。
【0096】
また、他の例として、録画装置1のコピー先を複数の携帯端末装置3に対応させる際に、一方の携帯端末装置K1での再生により、他方の携帯端末装置K2に未コピーのデータが消去されてしまわないように構成することもできる。元の映像データが消去されてしまうと、携帯端末装置K2にはコピーできないし、元の映像データが残っていても出力専用データが消去されてしまうと、携帯端末装置K2へのコピー時に再度、出力専用データを生成する時間が必要になる。このような問題をここで説明する例では解消することができる。
【0097】
より具体的な構成について説明する。まず、録画装置1は、携帯端末装置3の機器情報又はユーザ情報を、コピー対象の映像データや出力専用データと関連付けて、予め記憶部16等に登録しておく。携帯端末装置3の機器情報も、録画装置1の機器ID等として説明したように、自身のMACアドレスやシリアル番号等が適用できる。ユーザ情報は、ユーザ入力で設定した情報をはじめ、電話番号や登録氏名なども適用することもできる。携帯端末装置3の機器情報又はユーザ情報は、録画装置1が携帯端末装置3と接続したときに携帯端末装置3から事前に取得することや、可搬記録媒体30に記録してその可搬記録媒体30から事前に取得することができる。このようにして、録画装置1において、コピー対象のデータとコピーが必要な携帯端末装置3のリストとが関連付けられて登録できる。
【0098】
次に、携帯端末装置3は、再生済み情報に「再生機器」の項目を追加し、その項目に、携帯端末装置3自身の機器情報又はユーザ情報を記述しておき、録画装置1が再生済み情報を読み出すときにその機器情報又はユーザ情報を読み出す。若しくは、録画装置1が再生済み情報を読み出すときに、同時に携帯端末装置3の機器情報又はユーザ情報を取得する。
【0099】
そして、録画装置1は、いずれかの方法で取得した機器情報又はユーザ情報と、映像データに関する再生済み情報と、コピーが必要な携帯端末装置3のリストとを比較し、その映像データをコピーしていない携帯端末装置3が少なくとも1つある場合には消去対象から外すとよい。つまり、録画装置1は、再生済み情報に基づき記憶部16から消去対象を検索するときに、コピーが必要な携帯端末装置3のリストに登録された携帯端末装置のうち、1つでもコピーを実行していないか或いは消去を許可していないときに、消去対象から外す。また、例えば登録済みの2台の携帯端末装置K1,K2の双方に同じ圧縮ファイルをコピーすることを想定し、携帯端末装置K1のみにコピーが完了し、再生済みとなった場合、「他のユーザの携帯端末装置にコピーしていませんが、消去しますか?」などと問い合わせ、その結果に応じて消去を実行するようにしてもよい。
【0100】
最後に、放送番組データ以外の入力データの取り扱いについて説明する。上述した各例では、録画装置1内に記録されるデータが、録画装置1の放送受信部で受信した映像データであることを前提に説明した(出力専用データは除く)が、それ以外の入力データであっても記録対象として同様に適用することができ、出力専用データの生成対象、コピー対象、及び消去対象としても同様に適用できる。例えば、他の録画装置等からダビング用に入力された映像データ、チューナ機器から外部入力された映像データ、ネットワーク経由でサーバ装置等からダウンロード用に入力された又はストリーム配信された映像データなども適用できる。
【0101】
但し、携帯端末装置3側で入力された映像データをそのまま又は携帯端末装置3で記録後に再生したときに、再生済みとして録画装置1側で対応の映像データや出力専用データを消去する実施形態においては、録画装置1が記憶部16内の対応する入力データを抽出できる必要がある。そのため、携帯端末装置3では、記憶部16内の映像データや出力専用データと対応させることが可能なコンテンツ情報、例えばファイル名、タイトル、取得先などを、再生済み情報に記述しておく必要がある。勿論、携帯端末装置3では、放送受信部及び放送番組再生部(及び放送番組記録部)の代わりに、若しくは放送受信部及び放送番組再生部(及び放送番組記録部)と共に、入力データを上述した各種手法で入力するためのデータ入力部とその入力データを再生するデータ再生部と(その入力データを可搬記録媒体30又は内蔵メモリに記録するためのデータ記録部と)を備えておく必要がある。
【符号の説明】
【0102】
1…録画装置、2…表示装置、3…携帯端末装置、10…制御部、11…録画部、12…映像入力部、13…映像出力部、14…操作部、15…通信部、16…記憶部、17a…録画ファイルA、17b…録画ファイルB、17c…録画ファイルC、18a,32a…圧縮ファイルA、18b,32b…圧縮ファイルB、18c…圧縮ファイルC、21…問合せ画面、30…可搬記録媒体、31,31a,31b…再生済みリスト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部記録媒体を有する記録装置であって、該内部記録媒体に記録された記録データを、携帯端末装置に装着可能な又は装着された可搬記録媒体にコピーするデータ出力部と、該データ出力部でコピーされた記録データが再生済みであることを示す再生済み情報を、前記可搬記録媒体から読み出し、前記再生済み情報に記述された再生済みの記録データに対応する前記内部記録媒体内の記録データを消去する消去部と、を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記消去部は、前記消去を実行するか否かを、ユーザ操作に基づき決定することを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録装置において、
前記内部記録媒体に記録された前記記録データより情報量が少ない出力専用データを生成して、前記内部記録媒体に記録する出力用データ生成部を、さらに備え、
前記データ出力部は、前記記録データの代わりに前記出力用データ生成部で生成された前記出力専用データを、前記可搬記録媒体にコピーし、
前記消去部は、前記再生済み情報に記述された再生済みの出力専用データに対応する、前記内部記録媒体内の出力専用データ、又は前記内部記録媒体内の出力専用データ及び該出力専用データの生成元の記録データを消去することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記データ出力部は、前記可搬記録媒体の代わりに、前記記録装置に接続された前記携帯端末装置に内蔵された携帯側の内部記録媒体をコピー先とし、
前記消去部は、前記再生済み情報を、前記記録装置に接続された前記携帯端末装置の前記携帯側の内部記録媒体から読み出すことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の記録装置により前記可搬記録媒体にコピーされた記録データを再生可能な携帯端末装置であって、前記可搬記録媒体にコピーされた記録データのうち前記携帯端末装置で再生された記録データについて、再生済みであることを示す再生済み情報を、前記可搬記録媒体に記録する再生済み情報記録部を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項3に記載の記録装置により前記可搬記録媒体にコピーされた出力専用データを再生可能な携帯端末装置であって、前記可搬記録媒体にコピーされた出力専用データのうち前記携帯端末装置で再生された出力専用データについて、再生済みであることを示す再生済み情報を、前記可搬記録媒体に記録する再生済み情報記録部を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の携帯端末装置において、入力データを入力するデータ入力部と、該データ入力部で入力した入力データを再生するデータ再生部と、をさらに備え、前記再生済み情報記録部は、前記データ再生部で再生された入力データについても、前記再生済み情報を前記可搬記録媒体に記録することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末装置において、前記データ入力部で入力した入力データを前記可搬記録媒体に記録するデータ記録部をさらに備え、前記再生済み情報記録部は、前記データ記録部で記録され前記データ再生部で再生された入力データについても、前記再生済み情報を前記可搬記録媒体に記録することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記再生済み情報記録部は、前記携帯端末装置で所定時間又は所定割合以上再生されたデータについてのみ、前記再生済み情報を前記可搬記録媒体に記録することを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−244595(P2010−244595A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89809(P2009−89809)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】