記録装置
【課題】搬送ベルトに配置されるマークの磨耗を抑制し、マークを正確に検出する
【解決手段】ベルト8の側面8cには、マーク20が配置されている。マーク20は、ベルト8の走行に伴って移動する。そして、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッドの吐出面との対向領域よりも下流の位置には、マーク20が配置された側面8cに対向するマークセンサ30が配置されている。マークセンサ30は、ベルト8の走行に伴って移動するマーク20が所定位置に位置することを検出する。
【解決手段】ベルト8の側面8cには、マーク20が配置されている。マーク20は、ベルト8の走行に伴って移動する。そして、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッドの吐出面との対向領域よりも下流の位置には、マーク20が配置された側面8cに対向するマークセンサ30が配置されている。マークセンサ30は、ベルト8の走行に伴って移動するマーク20が所定位置に位置することを検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を搬送する搬送ベルト上の所定の位置を検出するためのマークを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、用紙を搬送する搬送ベルト上において、フラッシングの際に吐出されるインクが着弾する領域を固定するために、搬送ベルト上の所定の位置を検出する技術が知られている。特許文献1では、搬送ベルトの内周面に位置検出用マークが備えられており、このマークの通過領域に設けられたセンサでマークを検出することによって、搬送ベルト上の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−099248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の文献では、位置検出用マークが搬送ベルトの内周面に設けられているため、ローラと繰り返し接触すること等によってマークが磨耗することがある。それにより、センサがマークを正確に検出できないという問題が起こっていた。この問題を解決するため、位置検出用マークを覆う保護層が設けられているが、保護層及びマークが磨耗する事態は依然として起こっていた。
【0005】
本発明の主な目的は、搬送ベルトに配置されるマークの磨耗を抑制し、マークを正確に検出することができる記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、画像を記録する記録部と、内周面が複数のローラと接触するように前記複数のローラに架け渡され、外周面が前記記録部に対向する無端状のベルトと、前記ベルトの側面に配置されたマークと、前記ベルトの走行に伴って移動する前記マークが所定位置に位置することを検出するマーク検出手段とを備えている。
【0007】
上記の構成によると、マークがベルトの内周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、ローラとの接触によってマークが磨耗するのを抑制することができる。さらに、マークがベルトの外周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、記録部から放出されるインクやトナーなどの異物がマークに付着するのを抑制することができる。よって、マークの検出感度の低下を抑制でき、マークの検出を正確に行うことができる。
【0008】
また、前記マークは、前記ベルトの側面とは異なった反射率を有しており、前記マーク検出手段は、前記側面に対向する位置に配置され、発光部及び受光部を有する反射型のセンサであることが好ましい。この構成によると、ベルトの側面とは異なった反射率を有するマークをベルトの側面に配置するため、例えば、内部にマークを埋め込むようにベルトを形成するなどの煩雑な作業が不要になる。
【0009】
前記所定位置は、前記複数のローラのうちの一つに近い位置であることが好ましい。
【0010】
ローラ付近においてはベルトの振動(ぶれ)が少ない。上記の構成によると、ローラに近い位置あるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0011】
また、前記複数のローラは、駆動ローラ、及び、従動ローラからなり、前記所定位置は、前記ベルトの走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置であってもよい。
【0012】
ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流の位置では、ベルトは駆動ローラによって引っ張られる。一方、ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも下流であって従動ローラよりも上流の位置では、ベルトは駆動ローラによって送り出される。ベルトにおける引っ張られる側は、送り出される側と比較すると撓みが少ないため、ベルトの振動が少ない。上記の構成によると、当該駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流の位置にあるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0013】
また、前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも下流であって前記従動ローラよりも上流の位置において前記ベルトに接触する、前記ベルトのテンションを調整するためのテンションローラをさらに備えていてもよい。
【0014】
ベルトは、ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも下流であって従動ローラよりも上流の位置、即ち、テンションローラがベルトに接触する側においては、テンションローラが移動するために振動が多い。上記の構成によると、当該位置ではなく、駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流の位置にあるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0015】
また、前記ベルトは、前記従動ローラから前記駆動ローラに向けて走行する際に、前記外周面に記録媒体を担持して記録媒体を搬送するものであり、前記記録部は、前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置において前記ベルトに対向し、前記所定位置は、前記走行方向に関して、前記ベルトにおける前記記録部との対向領域よりも下流の位置であってもよい。
【0016】
ベルトは、ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流であって、且つ、駆動ローラ付近において特に撓みが少ない。即ち、ベルトの振動が特に少ない。上記構成によると、当該位置にあるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が特に少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0017】
また、前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きく且つ前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲内にある場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていることが好ましい。
【0018】
上記の構成によると、例えば、異物の付着やマークの磨耗などによるマークの劣化や受光部の受光感度の低下によって、マークが正確に検出されない場合に、ベルト位置検出手段によって検出されたベルトの位置が所定の範囲内にある場合には、発光部の発光量を増加させる。よって、ベルトの位置を所定の範囲内に保ちつつ、発光部の発光量を増加させるだけで、マークの検出が行われるよう容易に補正することができる。
【0019】
また、前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きい場合、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲よりも前記発光部から離れているときには、前記搬送ベルトを前記発光部に近づけ、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が前記所定の範囲よりも前記発光部に近づいているときには、前記搬送ベルトを前記発光部から遠ざける制御手段とをさらに備えていてもよい。
【0020】
上記の構成によると、マークが正確に検出されない場合に、ベルトの位置が所定の範囲よりも発光部から離れているまたは近づいているときには、ベルトを発光部に近づけるまたは発光部から遠ざける。よって、ベルトの位置を調節したことにより、マークの検出が行われるよう補正された場合には、発光部の発光量を調節する必要がない。そうでない場合であっても、ベルトの位置を調節し、ベルトをより適切な状態にした後で、例えば、発光部の発光量を増加させることによりマークの検出が行われるよう補正することができる。
【0021】
また、前記ベルトの位置の変化に伴う、前記受光部から出力される検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶する記憶手段と、前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、前記受光部から出力される検出信号値が、前記ベルト位置検出手段により検出されるベルトの位置と前記センサ特性情報とから想定される検出信号値よりも小さい場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていてもよい。
【0022】
上記の構成によると、異物の付着やマークの磨耗などによるマークの劣化や受光部の受光感度の低下によって、マークが正確に検出されない場合に、受光部から出力される検出信号値が想定される検出信号値よりも小さい場合には、発光部の発光量を増加させる。このように、出力される検出信号値を調節し、記録装置をより適切な状態とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、マークがベルトの内周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、ローラとの接触によってマークが磨耗するのを抑制することができる。さらに、マークがベルトの外周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、記録部から放出されるインクやトナーなどの異物がマークに付着するのを抑制することができる。よって、マークの検出感度の低下を抑制でき、マークの検出を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタの内部構成を概略的に示す模式図である。
【図2】図1に示すインクジェットプリンタの搬送機構(プラテンを除く)、搬送ベルトに配置されたマーク、及び、マークセンサの斜視図である。
【図3】図1に示すマークセンサがマークを検出する様子を示した図である。
【図4】図1に示すインクジェットプリンタの機能ブロック図である。
【図5】図1に示すインクジェットプリンタのマーク検出処理を表したフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタの搬送機構(プラテンを除く)、搬送ベルトに配置されたマーク、マークセンサ、及び、ベルト位置センサの斜視図である。
【図7】図6に示すベルトローラの軸方向に関する搬送ベルトの移動を示した図である。
【図8】図6に示す搬送ベルトの位置の変化及び発光素子の発光量の変化に伴う、受光素子から出力される検出信号値の変化を示したグラフである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタの機能ブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタのマーク検出処理を表したフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタの機能ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタの検出信号値調節処理を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1に示すように、インクジェットプリンタ101は直方体形状の筐体101aを有している。筐体101a内には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド1(記録ヘッド;以下、ヘッド1とする)、及び、搬送機構16が配置されている。また、筐体101aの天板内面には、ヘッド1や搬送機構16等の動作を制御する制御部100が取り付けられている。天板の上部には、画像が形成された用紙Pが排出される排紙部15が設けられている。搬送機構16の下方には、筐体101aに対して着脱可能な給紙ユニット101bが配置されている。給紙ユニット101bの下方には、筐体101aに対して着脱可能なインクタンクユニット101cが配置されている。
【0027】
インクジェットプリンタ101の内部には、図1に示す太矢印に沿って用紙搬送経路が形成されており、この用紙搬送経路において、用紙Pが給紙ユニット101bから排紙部15に向けて搬送される。給紙ユニット101bは、給紙トレイ11と、給紙ローラ12とを有している。給紙トレイ11は、上方に向かって開口した箱形状を有しており、内部には複数枚の用紙Pが積層された状態で収納される。給紙ローラ12は、給紙トレイ11内の最も上方にある用紙Pを送り出す。送り出された用紙Pは、送りローラ対14によって挟持されつつガイド13a、13bによりガイドされながら搬送機構16へと送られる。
【0028】
搬送機構16は、2つのベルトローラ6、7と、搬送ベルト8と、テンションローラ10と、プラテン18とを有している。ベルト8は、その内周面8bが両ローラ6、7と接触するように両ローラ6、7に架け渡された無端状のベルトである。テンションローラ10は、下方に付勢されており、ベルト8の下端部においてその内周面8bに接触することによってベルト8にテンションを付加している。プラテン18は、ベルト8の内側に配置され、ヘッド1と対向する位置において、ベルト8が下方に撓まないようにベルト8を支持している。ベルトローラ7は、駆動ローラであって、その軸に搬送モータ19から駆動力が与えられることで、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、ベルトローラ7の回転によりベルト8が走行することによって、図1中時計回りに回転する。なお、搬送モータ19の駆動力は、複数のギアを介してベルトローラ7に伝達される。
【0029】
ベルト8の外周面8aは、シリコーン処理が施されており粘着性を有している。ベルトローラ6と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙ユニット101bから搬送されてきた用紙Pをベルト8の外周面8aに押さえ付ける。用紙Pは、外周面8aの粘着力によって外周面8a上に保持されながら用紙搬送方向(図1中右方であって副走査方向)へ搬送される。
【0030】
ベルトローラ7と対向する位置には、剥離プレート5が設けられている。剥離プレート5は、用紙Pを外周面8aから剥離する。剥離された用紙Pは、二組の送りローラ対28によって挟持されつつガイド29a、29bによりガイドされながら搬送される。そして用紙Pは、筐体101aの上部に形成された排出口22から、筐体101aの天板上面に設けられた排紙凹部(排紙部)15へと排出される。
【0031】
4つのヘッド1は、互いに異なる色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)を吐出する。これら4つのヘッド1は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有している。また、4つのヘッド1は、用紙Pの搬送方向Aに沿って並んで固定されている。つまり、このプリンタ101はライン式のプリンタであり、搬送方向Aと主走査方向とは互いに直交する関係にある。
【0032】
ヘッド1の下部には、インクを吐出する複数の吐出口が形成されたヘッド本体33が設けられている。吐出口は、ヘッド本体33の下面である吐出面2aに開口している。吐出面2aはベルト8の外周面8aに対向しており、外周面8a上に保持され搬送される用紙Pが4つのヘッド1のすぐ下方を通過する際に、用紙Pの上面に向けて吐出口から各色のインクが順に吐出される。これにより、用紙Pの上面に所望のカラー画像が形成される。
【0033】
4つのヘッド1は、インクタンクユニット101c内の4つのインクタンク17とそれぞれ接続されている。インクタンク17には互いに異なる色のインクが貯留されている。各インクタンク17からは、チューブ(図示せず)を介してヘッド1にインクが供給される。
【0034】
図1及び2を参照すると、ベルト8の側面8cには、マーク20が配置されている。よって、マーク20は、ベルト8の走行に伴って移動する。そして、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置には、マーク20が配置された側面8cに対向するマークセンサ30が配置されている。マークセンサ30は、ベルト8の走行に伴って移動するマーク20が所定位置に位置することを検出(以下、「マークを検出」と称する)する。本実施形態における所定位置とは、発光素子30aに対向する位置、即ち、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置である。そして、マークセンサ30は、マーク20が当該位置に位置することを検出することができる。
【0035】
図3に示すように、マークセンサ30は、発光素子30a、受光素子30b、及び、光量可変回路30cを有する反射型の光センサである。発光素子30aは、マーク20が配置された側面8cに対して発光する発光ダイオード(LED)である。そして、発光素子30aに対向する位置(所定位置)にマーク20が到達すると、発光素子30aからの光がマーク20にて反射され、その反射光が受光素子30bに到達する。受光素子30bは、反射光を受光すると、光信号を電気信号に変換し、検出信号値として制御部100に出力する。これによりマーク20を検出可能となる。また、光量可変回路30cは、発光素子30aに流す電流値を変更することによって、発光素子30aの発光量を変更することができる。本実施形態においては、受光素子30bから出力される検出信号値は、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に増加する。
【0036】
なお、ベルト8の側面8cは、マーク20とは異なった反射率を有しており、発光素子30aからの光が側面8cにおいて反射されても、その反射光は受光素子30bに到達しない構成になっている。
【0037】
このように、マーク20を検出することにより、例えば、フラッシングを行う際にヘッド1の吐出口から吐出されるインクを着弾させるべきベルト8の領域を固定することができる。
【0038】
図1に戻って、インクジェットプリンタ101は、制御部100を含んでいる。制御部100は、インクジェットプリンタ101の各部の動作を制御する。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)、ROM(Read Only Member)などの複数のハードウェアから構成されている。ROMには、インクジェットプリンタ101を制御する各種のソフトウェアが格納されている。そして、そのソフトウェアと制御部100内のハードウェアとが協働することによって、制御部100内には、図4に示すように、搬送制御部40、第1判断部42、ベルト走行時間導出部41、第2判断部45、及び、発光量調節部46が構築されている。また、制御部100は、これら以外の部分において、ヘッド1の動作制御を含むその他各種処理を行う。
【0039】
搬送制御部40は、ベルトローラ7の駆動源であるモータ19を制御する。
【0040】
第1判断部42は、マークセンサ30の受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1は、マーク検出の閾値であり、所定値T1以上の検出信号値が出力されたと第1判断部42が判断することが、マーク20が検出されることを意味する。
【0041】
ベルト走行時間導出部41は、インクジェットプリンタ101の電源が投入され、ベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときから、または、発光量調節部46によって光量を増加させたときからの時間であるベルト走行時間を導出する。
【0042】
第2判断部45は、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。所定時間tとは、ベルト8が定速走行しているときに、マーク20が任意の位置から再び当該任意の位置に戻ってくるのに要する時間である。
【0043】
発光量調節部46は、光量可変回路30cによって、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくする。これにより、発光素子30aの発光量を増加させることが可能である。ただし、発光素子30aの発光量は、発光素子30aに流す電流値の変化に伴ってリニアに変化せず、電流値がある程度大きくなると飽和する。よって、電流値を所定値v大きくしたときに、増加する発光素子30aの発光量は一定でない。
【0044】
次に、第1の実施形態に係るインクジェットプリンタ101におけるマーク検出処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
インクジェットプリンタ101の電源が投入されると、まずステップS1において、搬送制御部40がモータ19を制御することによってベルト8の走行を開始する。
【0046】
その後ステップS2において、第1判断部42が、マークセンサ30の受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S2:YES)、マーク20の検出が正確に行われたことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S2:NO)、ステップS3に進む。
【0047】
ステップS3では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS1においてベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S3:NO)、ステップS2に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S3:YES)、ステップS4に進む。
【0048】
ステップS4では、発光量調節部46が、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくすることによって、発光素子30aの発光量を増加させる。その後、ステップS5では、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S5:YES)、ステップS4における発光量の増加により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S5:NO)、ステップS6に進む。
【0049】
ステップS6では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS4において最近発光量を増加させたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S6:NO)、ステップS5に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S6:YES)、ステップS4に戻る。
【0050】
このように、第1の実施形態によると、マーク20がベルト8の内周面8bではなく側面8cに配置されていることによって、例えば、ベルトローラ7、6やテンションローラ10との接触によってマーク20が磨耗するのを抑制することができる。さらに、マーク20がベルト8の外周面8aではなく側面8cに配置されていることによって、例えば、ヘッド1から放出されるインクやトナーなどの異物がマーク20に付着するのを抑制することができる。よって、マーク20の検出感度の低下を抑制でき、マーク20の検出を正確に行うことができる。
【0051】
ベルト8の側面8cとは異なった反射率を有するマーク20をベルト8の側面8cに配置するため、例えば、内部にマーク20を埋め込むようにベルト8を形成するなどの煩雑な作業が不要になる。
【0052】
ローラ付近においてはベルト8の振動(ぶれ)が少ない。上記の構成によると、ローラ7に近い位置あるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0053】
ベルト8の走行方向に関して、駆動ローラであるローラ7よりも上流であって従動ローラであるローラ6よりも下流の位置では、ベルト8はローラ7によって引っ張られる。一方、ベルト8の走行方向に関して、ローラ7よりも下流であってローラ6よりも上流の位置では、ベルト8はローラ7によって送り出される。ベルト8における引っ張られる側は、送り出される側と比較すると撓みが少ないため、ベルト8の振動が少ない。上記の構成によると、ローラ7よりも上流であってローラ6よりも下流の位置にあるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0054】
ベルト8は、ベルト8の走行方向に関して、ローラ7よりも下流であってローラ6よりも上流の位置、即ち、テンションローラ10がベルト8に接触する側においては、テンションローラ10が移動するために振動が多い。上記の構成によると、当該位置ではなく、ローラ7よりも上流であってローラ6よりも下流の位置にあるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0055】
ベルト8は、ベルト8の走行方向に関して、ローラ7よりも上流であってローラ6よりも下流であって、且つ、ローラ7付近において特に撓みが少ない。即ち、ベルト8の振動が特に少ない。上記構成によると、当該位置にあるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が特に少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0056】
例えば、異物の付着やマーク20の磨耗などによるマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下によって、マーク20が正確に検出されない場合に、発光素子30aの発光量を増加させる。よって、発光素子30aの発光量を増加させるだけで、マーク20の検出が行われるよう容易に補正することができる。
【0057】
次に、図6〜10を参照し、上述の実施形態に変更を加えた第2の実施形態について説明する。但し、上述の実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0058】
第2の実施形態によるインクジェットプリンタ201は、ベルトローラ7の軸方向、即ち、ベルト8の側面8cと発光素子30aとが接離する方向に関するベルト8の位置を検出するベルト位置センサ25をさらに備えている。図7に示すように、ベルト8は、ベルトローラ7の軸方向に関して、例えば破線Lで示される位置や破線Rで示される位置などに移動可能である。即ち、ベルト8の側面8cとマークセンサ30の発光素子30aとが接離する方向に移動可能である。なお、ベルト8の移動は、テンションローラ10を傾けることによって行われる。より具体的には、吐出面2aに平行であってテンションローラ10の軸を面内に含む平面内において、テンションローラ10の少なくとも一方の端部を移動させる。
【0059】
図6に示すように、ベルト位置センサ25は、ベルト8よりも上方に位置する発光部26、及び、ベルト8よりも下方に位置する受光部27を有しており、発光部26及び受光部27がベルト8を間に挟むように配置されている。発光部26及び受光部27は、ベルトローラ7の軸方向に平行に延在しており、互いに同じ長さを有する。発光部26は、ベルトローラ7の軸方向に沿って並ぶ複数の発光素子26aを有しており、受光部27は、ベルトローラ7の軸方向に沿って並ぶ複数の受光素子27aを有している。そして、複数の発光素子26a及び複数の受光素子27aは、ベルト8の厚み方向に関して、互いに対向する複数の対となるように位置合わせされている。よって、各発光素子26aから発光された光を、対応する受光素子27aが受光可能である。
【0060】
このような構成によると、ベルト8の位置によって、発光素子26aと受光素子27aの複数の対のうち、ベルト8を間に挟む対の数が異なる。即ち、発光素子26aからの光を受光する受光素子27aの数を把握することによって、ベルト8の位置を検知することができる。
【0061】
なお、ベルト位置センサ25は、上述のような構成を有すると共に、ベルトローラ7の軸方向に関するベルト8の位置を検知でき、ヘッド1に干渉しない位置であれば、どこに配置されてもよい。
【0062】
図8を参照し、ベルト8の位置の変化に伴う、受光素子30bから出力される検出信号値の変化を説明する。図8において、縦軸が、受光素子30bから出力される検出信号値を表し、横軸が、ベルトローラ7の軸方向に関するベルト8の側面8cから発光素子30aまでの距離を表す。曲線Aは発光素子30aを所定の発光量発光させた場合において、受光素子30bから出力される検出信号値の変化を表す。なお、所定の発光量とは、インクジェットプリンタ101の初期状態での発光素子30aの発光量である。曲線Bは発光素子30aを所定の発光量発光させた場合において、例えばマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下によって受光素子30bから出力される検出信号値が曲線Aの場合と比べて減少したときの受光素子30bから出力される検出信号値の変化を表す。また、発光素子30aの発光量を所定の発光量から増加させた場合には、受光素子30bから出力される各検出信号値は、曲線Aの検出信号値よりも大きくなる。
【0063】
発光素子30aの発光量が一定である場合、受光素子30bから出力される検出信号値は、側面8cから発光素子30aまでの距離が大きくなるにつれて単調に減少する。換言すると、発光素子30aの発光量が一定である場合、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に増加する。また、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8の各位置において、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に増加する。
【0064】
図9に示すように、第2の実施形態によるインクジェットプリンタ201の制御部200内には、制御部100の構成要素に加え、ベルト位置判定部47、及び、ベルト位置制御部44がさらに構築されている。
【0065】
ベルト位置判定部47は、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が所定の範囲内にあるか否かを判定する。前記所定の範囲は適宜設定されてよく、ベルトローラ7の軸方向に関して、ベルト8がベルトローラ7の中央付近に位置する範囲であることが好ましい。図8に示すように、前記所定の範囲は発光素子30aが所定の発光量発光した場合において、ベルト8が前記所定の範囲内にあるときにベルト8の各位置における検出信号値が所定値T1よりも大きくなるように構成されている。また、ベルト位置判定部47は、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が前記所定の範囲よりもマークセンサ30の発光素子30aから離れているか否かを判断する。
【0066】
ベルト位置制御部44は、テンションローラ10の傾きを制御することによって、ベルト8をベルトローラ7の軸方向に関して移動させる。具体的には、ベルト位置制御部44は、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にきたことがベルト位置センサ25によって検出されるまで、ベルト8をマークセンサ30の発光素子30aに近づける、または、遠ざける。
【0067】
本実施形態において、ベルト走行時間導出部41は、インクジェットプリンタ201の電源が投入され、ベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときから、発光量調節部46によって光量を増加させたときから、または、ベルト位置制御部44によってベルト8を移動させたときからの、ベルト走行時間を導出する。
【0068】
次に、第2の実施形態に係るインクジェットプリンタ201におけるマーク検出処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
インクジェットプリンタ201の電源が投入されると、第1の実施形態と同様、図5におけるステップS1〜S3までが行われる。ステップS3において、ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S3:NO)、ステップS2に戻り、ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S3:YES)、ステップS7に進む。
【0070】
ステップS7において、ベルト位置判定部47が、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が前記所定の範囲内にあるか否かを判定する。ベルト8の位置が前記所定の範囲内にあると判定された場合(S7:YES)、ステップS8に進む。ベルト8の位置が前記所定の範囲内にないと判定された場合(S7:NO)、ステップS11に進む。
【0071】
ステップS8では、発光量調節部46が、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくすることによって、発光素子30aの発光量を増加させる。その後、ステップS9において、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S9:YES)、ステップS8における発光量の増加により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S9:NO)、ステップS10に進む。
【0072】
ステップS10では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS8において最近発光量を増加したときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S10:NO)、ステップS9に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S10:YES)、ステップS8に戻る。
【0073】
ステップS11では、ベルト位置判定部47が、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が前記所定の範囲よりもマークセンサ30の発光素子30aから離れているか否かを判断する。ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aから離れていると判断された場合(S11:YES)、ステップS12において、ベルト位置制御部44が、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にきたことがベルト位置センサ25によって検出されるまで、ベルト8をマークセンサ30の発光素子30aに近づける。その後、ステップS14に進む。また、ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aから離れていないと判断された場合(S11:NO)、即ち、ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aに近づいていると判断された場合、ステップS13において、ベルト位置制御部44が、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にきたことがベルト位置センサ25によって検出されるまで、ベルト8をマークセンサ30の発光素子30aから遠ざける。その後、ステップS14に進む。
【0074】
ステップS14では、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S14:YES)、ステップS12またはS13におけるベルト8の移動により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S14:NO)、ステップS15に進む。
【0075】
ステップS15では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS12またはS13において最近ベルト8を移動させたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S15:NO)、ステップS14に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S15:YES)、ステップS16に進む。
【0076】
ステップS16では、発光量調節部46が、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくすることによって、発光素子30aの発光量を増加させる。その後、ステップS17では、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S17:YES)、ステップS16における発光量の増加により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S17:NO)、ステップS16に戻る。
【0077】
なお、上述したように、本実施形態では、発光素子30aの発光量が一定である場合、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に増加する。よって、ステップS13において、ベルト8が発光素子30aから遠ざけられた場合は、ベルト8の移動により検出信号値がさらに低下するため、ステップS14〜S15をスキップしステップS16に進むようにしてもよい。
【0078】
このように、第2の実施形態によると、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にある場合であっても、受光素子30bから出力される検出信号値が所定値T1より小さい場合がある。例えば、異物の付着やマーク20の磨耗などによるマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下が生じ、検出信号値の変化が曲線Bのようになった場合である。このような場合に、発光素子30bの発光量を増加させることで、ベルト8の位置を前記所定の範囲内に保ちつつ、マーク20の検出が行われるよう容易に補正することができる。
【0079】
マーク20が正確に検出されない場合に、ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aから離れているまたは近づいているときには、ベルト8を発光素子30aに近づけるまたは発光素子30aから遠ざける。このように、ベルト8の位置を調節し、ベルト8をより適切な状態にした後で、発光素子30aの発光量を増加させることによりマーク20の検出が行われるよう補正することができる。また、ベルト8の位置を調節したことにより、マーク20の検出が行われるよう補正された場合(ステップS12を実行後、ステップS14においてYESと判断された場合)には、発光素子30aの発光量を調節する必要がない。
【0080】
次に、図11〜12を参照し、上述の実施形態に変更を加えた第3の実施形態について説明する。但し、上述の実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0081】
図11に示すように、第3の実施形態によるインクジェットプリンタ301の制御部300内には、搬送制御部40、ベルト走行時間導出部41、及び、第2判断部45に加え、記憶部48、想定値導出部50、第3判断部49、及び、発光量調節部146がさらに構築されている。
【0082】
記憶部48は、ベルト8の位置の変化及び発光素子30aの発光量の変化に伴う、受光素子30bから出力される検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶している。図8においては、発光素子30aの所定の発光量における曲線Aが表されているが、記憶部48は、発光素子30aの発光量がその他の場合におけるセンサ特性情報も記憶している。即ち、発光素子30aの発光量が分かれば、当該発光量における、ベルト8の位置の変化に伴う検出信号値の変化を示す曲線が一意に決定される。即ち、現在の発光素子30aの発光量及びベルト8の位置が分かれば、受光素子30bから出力される検出信号の想定値T2を求めることができる。
【0083】
想定値導出部50は、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置、発光素子30aの発光量、及び、記憶部48に記憶されたセンサ特性情報を参照し、受光素子30bから出力される検出信号の想定値T2を導出する。
【0084】
第3判断部49は、マークセンサ30の受光素子30bから、想定値導出部50によって導出された想定値T2以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。
【0085】
発光量調節部146は、受光素子30bから出力される検出信号が想定値T2になるまで、光量可変回路30cによって、発光素子30aの発光量を増加させる。
【0086】
次に、第3の実施形態に係るインクジェットプリンタ301における検出信号値調節処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
インクジェットプリンタ301の電源が投入されると、まずステップS1において、搬送制御部40がモータ19を制御することによってベルト8の走行を開始する。
【0088】
その後ステップS19において、想定値導出部50が、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置、発光素子30aの発光量、及び、記憶部48に記憶されたセンサ特性情報を参照し、受光素子30bから出力される検出信号の想定値T2を導出する。
【0089】
その後ステップS20において、第3判断部49が、マークセンサ30の受光素子30bから、想定値導出部50によって導出された想定値T2以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。想定値T2以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S20:YES)、検出信号値調節処理を終了する。想定値T2以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S20:NO)、ステップS21に進む。
【0090】
ステップS21において、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS1においてベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S21:NO)、ステップS20に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S21:YES)、ステップS22に進む。
【0091】
ステップS22では、発光量調節部146が、受光素子30bから出力される検出信号が想定値T2となるまで、光量可変回路30cによって、発光素子30aの発光量を増加させる。そして、検出信号値調節処理を終了する。
【0092】
なお、この検出信号値調節処理を実行し、受光素子30bから出力される検出信号値を調節した後、図5または図10に示すようなマーク検出処理を実行してよい。これにより、受光素子30bから出力される検出信号値が調節され、インクジェットプリンタ301がより適切な状態となった後で、マーク検出処理を行うことができる。
【0093】
このように、第3の実施形態によると、異物の付着やマーク20の磨耗などによるマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下によって、受光素子30bから出力される検出信号値が想定値T2よりも小さい場合がある。その場合には、例えばベルト8の位置が前記所定の範囲内にあっても、マーク20が正確に検出されない場合がある。そこで、受光素子30bから出力される検出信号値が想定値T2よりも小さい場合には、発光素子30aの発光量を増加させる。このように、出力される検出信号値を調節し、インクジェットプリンタ301をより適切な状態とすることで、マーク20を正確に検知することができる。
【0094】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
【0095】
ベルト8は無端状のものであればよい。なお、無端状のベルトとは、継ぎ目のないベルト、及び、ベルトの端部同士を接着した継ぎ目のあるベルトを含む。なお、上述の実施形態において、搬送ベルト上においてフラッシングの際に吐出されるインクが着弾する領域を固定する目的で、マーク20の検知が行われたが本発明はこの目的に限らず適用可能である。例えば、搬送ベルトに継ぎ目がある場合に用紙Pが搬送ベルトの継ぎ目に載置されないように搬送ベルトの継ぎ目の位置を把握する目的でマーク20を検知しても良い。また、ベルト8は粘着性を有しており、用紙Pを外周面8aの粘着力によって搬送するとしたが、これに限られない。ベルト8は、静電気力やエア吸引力によって外周面8aに用紙Pを吸着して搬送しても良い。
【0096】
本発明は、画像を記録する記録装置に適用可能であって、記録装置はインクジェットプリンタに限られない。本発明は、例えば、レーザープリンタなどにも適用可能である。
【0097】
上述の実施形態において、マークセンサ30は、マーク20が所定位置に位置することを検出する。そして、所定位置とは、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置である。しかしながら、所定位置はこれに限られない。所定位置は、搬送機構16がテンションローラ10を有しておらず、ベルト8が2つのベルトローラ6、7に架け渡されている場合には、ベルトローラ6、7のいずれかに近い位置であれば良い。ここで、近い位置とは、ベルトの走行方向に関してベルトローラ6、7より上流及び下流の位置を含む。また、所定位置は、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流であってベルトローラ7より下流の位置であっても良い。
【0098】
また、マークセンサ30は、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置に配置されているが、マークセンサ30の配置場所はこれに限られない。マークセンサ30の配置場所は、マークが上述した所定位置に位置することを検出できる位置であればどこでもよい。また、マークを検出する手段は、光センサであるマークセンサ30に限られない。マークを検出できるものであればよく、例えば磁気センサであってもよい。
【0099】
上述の実施形態において、ベルト走行時間導出部41は、ベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときから、発光量調節部46によって光量を増加させたときから、または、ベルト位置制御部44によってベルト8を移動させたときからのベルト走行時間を導出する。しかしながら、ベルト走行時間の導出開始タイミングはこれらに限られない。ベルト走行時間導出部41は、これらのタイミングより後の時点からのベルト走行時間を導出してもよい。
【0100】
第1の実施形態においては、受光素子30bから出力される検出信号値を補正するために、図5のステップS4において、発光素子30aの発光量を増加させる。しかしながら、発光素子30aの発光量を増加させる代わりに、ベルト8を発光素子30aに近づけるようにしてもよい。
【0101】
上述の実施形態においては、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に増加すると共に、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に増加する。しかしながら、マークセンサ30の配置位置などによって、検出信号値が、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に減少したり、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に減少する場合がある。その場合は当然ながら、例えば図5のステップS4において、発光素子30aの発光量を増加させる代わりに減少させる。
【0102】
また、発光素子30aと受光素子30bとが別々の部材として異なった位置に設けられている場合などに、ベルト8の位置の変化に伴う検出信号値の変化傾向が単調増加や単調減少でないことがある。例えば、ベルト8がある位置Iに位置するのを境に、ベルト8が位置Iよりも発光素子30aから離れているときには、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて検出信号値が単調に増加し、ベルト8が位置Iよりも発光素子30aに近づいているときには、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて検出信号値が単調に減少することがある。その場合には、このような検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶部などに記憶しておき、マークが検出されない場合には、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置、及び、センサ特性情報を参照し、ベルト8の移動方向を決定するようにしてもよい。
【0103】
また、図5のステップS4の前に、発光素子30aの発光量が上限値mに達しているか否かを判断するステップを実行し、上限値mに達している場合にはマーク検出処理を終了するようにしてもよい。この場合、ステップS6においてYESと判断された場合には、発光素子30aの発光量が上限値mに達しているか否かを判断するステップに戻るようにする。これによると、発光素子30aの発光量が上限値mに達しているにも関わらず、何らかの故障によってマークが未だ検出されない場合に、ステップS4を繰り返し実行するのを避けることができる。同様に、図10のステップS16の前、ステップS8の前に、当該ステップを実行してよい。
【0104】
上述の実施形態においては、マークセンサ30がアナログ出力センサであることを前提に記載したが、マークセンサ30がデジタル出力センサであってもよい。その場合、図5のステップS2、S5、図10のS2、S9、S14、S17において、第1判断部42は、マークセンサ30の受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する代わりに、マークセンサ30からマーク20の検出信号が出力されたか否かを判断する。
【符号の説明】
【0105】
1 インクジェットヘッド
8 搬送ベルト
8a 外周面
8b 内周面
8c 側面
6 ベルトローラ
7 ベルトローラ
16 搬送機構
20 マーク
30 マークセンサ
30a 発光素子
30b 受光素子
30c 光量可変回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を搬送する搬送ベルト上の所定の位置を検出するためのマークを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、用紙を搬送する搬送ベルト上において、フラッシングの際に吐出されるインクが着弾する領域を固定するために、搬送ベルト上の所定の位置を検出する技術が知られている。特許文献1では、搬送ベルトの内周面に位置検出用マークが備えられており、このマークの通過領域に設けられたセンサでマークを検出することによって、搬送ベルト上の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−099248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の文献では、位置検出用マークが搬送ベルトの内周面に設けられているため、ローラと繰り返し接触すること等によってマークが磨耗することがある。それにより、センサがマークを正確に検出できないという問題が起こっていた。この問題を解決するため、位置検出用マークを覆う保護層が設けられているが、保護層及びマークが磨耗する事態は依然として起こっていた。
【0005】
本発明の主な目的は、搬送ベルトに配置されるマークの磨耗を抑制し、マークを正確に検出することができる記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、画像を記録する記録部と、内周面が複数のローラと接触するように前記複数のローラに架け渡され、外周面が前記記録部に対向する無端状のベルトと、前記ベルトの側面に配置されたマークと、前記ベルトの走行に伴って移動する前記マークが所定位置に位置することを検出するマーク検出手段とを備えている。
【0007】
上記の構成によると、マークがベルトの内周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、ローラとの接触によってマークが磨耗するのを抑制することができる。さらに、マークがベルトの外周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、記録部から放出されるインクやトナーなどの異物がマークに付着するのを抑制することができる。よって、マークの検出感度の低下を抑制でき、マークの検出を正確に行うことができる。
【0008】
また、前記マークは、前記ベルトの側面とは異なった反射率を有しており、前記マーク検出手段は、前記側面に対向する位置に配置され、発光部及び受光部を有する反射型のセンサであることが好ましい。この構成によると、ベルトの側面とは異なった反射率を有するマークをベルトの側面に配置するため、例えば、内部にマークを埋め込むようにベルトを形成するなどの煩雑な作業が不要になる。
【0009】
前記所定位置は、前記複数のローラのうちの一つに近い位置であることが好ましい。
【0010】
ローラ付近においてはベルトの振動(ぶれ)が少ない。上記の構成によると、ローラに近い位置あるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0011】
また、前記複数のローラは、駆動ローラ、及び、従動ローラからなり、前記所定位置は、前記ベルトの走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置であってもよい。
【0012】
ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流の位置では、ベルトは駆動ローラによって引っ張られる。一方、ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも下流であって従動ローラよりも上流の位置では、ベルトは駆動ローラによって送り出される。ベルトにおける引っ張られる側は、送り出される側と比較すると撓みが少ないため、ベルトの振動が少ない。上記の構成によると、当該駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流の位置にあるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0013】
また、前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも下流であって前記従動ローラよりも上流の位置において前記ベルトに接触する、前記ベルトのテンションを調整するためのテンションローラをさらに備えていてもよい。
【0014】
ベルトは、ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも下流であって従動ローラよりも上流の位置、即ち、テンションローラがベルトに接触する側においては、テンションローラが移動するために振動が多い。上記の構成によると、当該位置ではなく、駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流の位置にあるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0015】
また、前記ベルトは、前記従動ローラから前記駆動ローラに向けて走行する際に、前記外周面に記録媒体を担持して記録媒体を搬送するものであり、前記記録部は、前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置において前記ベルトに対向し、前記所定位置は、前記走行方向に関して、前記ベルトにおける前記記録部との対向領域よりも下流の位置であってもよい。
【0016】
ベルトは、ベルトの走行方向に関して、駆動ローラよりも上流であって従動ローラよりも下流であって、且つ、駆動ローラ付近において特に撓みが少ない。即ち、ベルトの振動が特に少ない。上記構成によると、当該位置にあるマークを検出するため、ベルト及びマークの振動が特に少ない状態でマークの検出を行うことができる。従って、マークの検出をより正確に行うことができる。
【0017】
また、前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きく且つ前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲内にある場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていることが好ましい。
【0018】
上記の構成によると、例えば、異物の付着やマークの磨耗などによるマークの劣化や受光部の受光感度の低下によって、マークが正確に検出されない場合に、ベルト位置検出手段によって検出されたベルトの位置が所定の範囲内にある場合には、発光部の発光量を増加させる。よって、ベルトの位置を所定の範囲内に保ちつつ、発光部の発光量を増加させるだけで、マークの検出が行われるよう容易に補正することができる。
【0019】
また、前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きい場合、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲よりも前記発光部から離れているときには、前記搬送ベルトを前記発光部に近づけ、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が前記所定の範囲よりも前記発光部に近づいているときには、前記搬送ベルトを前記発光部から遠ざける制御手段とをさらに備えていてもよい。
【0020】
上記の構成によると、マークが正確に検出されない場合に、ベルトの位置が所定の範囲よりも発光部から離れているまたは近づいているときには、ベルトを発光部に近づけるまたは発光部から遠ざける。よって、ベルトの位置を調節したことにより、マークの検出が行われるよう補正された場合には、発光部の発光量を調節する必要がない。そうでない場合であっても、ベルトの位置を調節し、ベルトをより適切な状態にした後で、例えば、発光部の発光量を増加させることによりマークの検出が行われるよう補正することができる。
【0021】
また、前記ベルトの位置の変化に伴う、前記受光部から出力される検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶する記憶手段と、前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、前記受光部から出力される検出信号値が、前記ベルト位置検出手段により検出されるベルトの位置と前記センサ特性情報とから想定される検出信号値よりも小さい場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていてもよい。
【0022】
上記の構成によると、異物の付着やマークの磨耗などによるマークの劣化や受光部の受光感度の低下によって、マークが正確に検出されない場合に、受光部から出力される検出信号値が想定される検出信号値よりも小さい場合には、発光部の発光量を増加させる。このように、出力される検出信号値を調節し、記録装置をより適切な状態とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、マークがベルトの内周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、ローラとの接触によってマークが磨耗するのを抑制することができる。さらに、マークがベルトの外周面ではなく側面に配置されていることによって、例えば、記録部から放出されるインクやトナーなどの異物がマークに付着するのを抑制することができる。よって、マークの検出感度の低下を抑制でき、マークの検出を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタの内部構成を概略的に示す模式図である。
【図2】図1に示すインクジェットプリンタの搬送機構(プラテンを除く)、搬送ベルトに配置されたマーク、及び、マークセンサの斜視図である。
【図3】図1に示すマークセンサがマークを検出する様子を示した図である。
【図4】図1に示すインクジェットプリンタの機能ブロック図である。
【図5】図1に示すインクジェットプリンタのマーク検出処理を表したフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタの搬送機構(プラテンを除く)、搬送ベルトに配置されたマーク、マークセンサ、及び、ベルト位置センサの斜視図である。
【図7】図6に示すベルトローラの軸方向に関する搬送ベルトの移動を示した図である。
【図8】図6に示す搬送ベルトの位置の変化及び発光素子の発光量の変化に伴う、受光素子から出力される検出信号値の変化を示したグラフである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタの機能ブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタのマーク検出処理を表したフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタの機能ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタの検出信号値調節処理を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1に示すように、インクジェットプリンタ101は直方体形状の筐体101aを有している。筐体101a内には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド1(記録ヘッド;以下、ヘッド1とする)、及び、搬送機構16が配置されている。また、筐体101aの天板内面には、ヘッド1や搬送機構16等の動作を制御する制御部100が取り付けられている。天板の上部には、画像が形成された用紙Pが排出される排紙部15が設けられている。搬送機構16の下方には、筐体101aに対して着脱可能な給紙ユニット101bが配置されている。給紙ユニット101bの下方には、筐体101aに対して着脱可能なインクタンクユニット101cが配置されている。
【0027】
インクジェットプリンタ101の内部には、図1に示す太矢印に沿って用紙搬送経路が形成されており、この用紙搬送経路において、用紙Pが給紙ユニット101bから排紙部15に向けて搬送される。給紙ユニット101bは、給紙トレイ11と、給紙ローラ12とを有している。給紙トレイ11は、上方に向かって開口した箱形状を有しており、内部には複数枚の用紙Pが積層された状態で収納される。給紙ローラ12は、給紙トレイ11内の最も上方にある用紙Pを送り出す。送り出された用紙Pは、送りローラ対14によって挟持されつつガイド13a、13bによりガイドされながら搬送機構16へと送られる。
【0028】
搬送機構16は、2つのベルトローラ6、7と、搬送ベルト8と、テンションローラ10と、プラテン18とを有している。ベルト8は、その内周面8bが両ローラ6、7と接触するように両ローラ6、7に架け渡された無端状のベルトである。テンションローラ10は、下方に付勢されており、ベルト8の下端部においてその内周面8bに接触することによってベルト8にテンションを付加している。プラテン18は、ベルト8の内側に配置され、ヘッド1と対向する位置において、ベルト8が下方に撓まないようにベルト8を支持している。ベルトローラ7は、駆動ローラであって、その軸に搬送モータ19から駆動力が与えられることで、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、ベルトローラ7の回転によりベルト8が走行することによって、図1中時計回りに回転する。なお、搬送モータ19の駆動力は、複数のギアを介してベルトローラ7に伝達される。
【0029】
ベルト8の外周面8aは、シリコーン処理が施されており粘着性を有している。ベルトローラ6と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙ユニット101bから搬送されてきた用紙Pをベルト8の外周面8aに押さえ付ける。用紙Pは、外周面8aの粘着力によって外周面8a上に保持されながら用紙搬送方向(図1中右方であって副走査方向)へ搬送される。
【0030】
ベルトローラ7と対向する位置には、剥離プレート5が設けられている。剥離プレート5は、用紙Pを外周面8aから剥離する。剥離された用紙Pは、二組の送りローラ対28によって挟持されつつガイド29a、29bによりガイドされながら搬送される。そして用紙Pは、筐体101aの上部に形成された排出口22から、筐体101aの天板上面に設けられた排紙凹部(排紙部)15へと排出される。
【0031】
4つのヘッド1は、互いに異なる色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)を吐出する。これら4つのヘッド1は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有している。また、4つのヘッド1は、用紙Pの搬送方向Aに沿って並んで固定されている。つまり、このプリンタ101はライン式のプリンタであり、搬送方向Aと主走査方向とは互いに直交する関係にある。
【0032】
ヘッド1の下部には、インクを吐出する複数の吐出口が形成されたヘッド本体33が設けられている。吐出口は、ヘッド本体33の下面である吐出面2aに開口している。吐出面2aはベルト8の外周面8aに対向しており、外周面8a上に保持され搬送される用紙Pが4つのヘッド1のすぐ下方を通過する際に、用紙Pの上面に向けて吐出口から各色のインクが順に吐出される。これにより、用紙Pの上面に所望のカラー画像が形成される。
【0033】
4つのヘッド1は、インクタンクユニット101c内の4つのインクタンク17とそれぞれ接続されている。インクタンク17には互いに異なる色のインクが貯留されている。各インクタンク17からは、チューブ(図示せず)を介してヘッド1にインクが供給される。
【0034】
図1及び2を参照すると、ベルト8の側面8cには、マーク20が配置されている。よって、マーク20は、ベルト8の走行に伴って移動する。そして、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置には、マーク20が配置された側面8cに対向するマークセンサ30が配置されている。マークセンサ30は、ベルト8の走行に伴って移動するマーク20が所定位置に位置することを検出(以下、「マークを検出」と称する)する。本実施形態における所定位置とは、発光素子30aに対向する位置、即ち、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置である。そして、マークセンサ30は、マーク20が当該位置に位置することを検出することができる。
【0035】
図3に示すように、マークセンサ30は、発光素子30a、受光素子30b、及び、光量可変回路30cを有する反射型の光センサである。発光素子30aは、マーク20が配置された側面8cに対して発光する発光ダイオード(LED)である。そして、発光素子30aに対向する位置(所定位置)にマーク20が到達すると、発光素子30aからの光がマーク20にて反射され、その反射光が受光素子30bに到達する。受光素子30bは、反射光を受光すると、光信号を電気信号に変換し、検出信号値として制御部100に出力する。これによりマーク20を検出可能となる。また、光量可変回路30cは、発光素子30aに流す電流値を変更することによって、発光素子30aの発光量を変更することができる。本実施形態においては、受光素子30bから出力される検出信号値は、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に増加する。
【0036】
なお、ベルト8の側面8cは、マーク20とは異なった反射率を有しており、発光素子30aからの光が側面8cにおいて反射されても、その反射光は受光素子30bに到達しない構成になっている。
【0037】
このように、マーク20を検出することにより、例えば、フラッシングを行う際にヘッド1の吐出口から吐出されるインクを着弾させるべきベルト8の領域を固定することができる。
【0038】
図1に戻って、インクジェットプリンタ101は、制御部100を含んでいる。制御部100は、インクジェットプリンタ101の各部の動作を制御する。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)、ROM(Read Only Member)などの複数のハードウェアから構成されている。ROMには、インクジェットプリンタ101を制御する各種のソフトウェアが格納されている。そして、そのソフトウェアと制御部100内のハードウェアとが協働することによって、制御部100内には、図4に示すように、搬送制御部40、第1判断部42、ベルト走行時間導出部41、第2判断部45、及び、発光量調節部46が構築されている。また、制御部100は、これら以外の部分において、ヘッド1の動作制御を含むその他各種処理を行う。
【0039】
搬送制御部40は、ベルトローラ7の駆動源であるモータ19を制御する。
【0040】
第1判断部42は、マークセンサ30の受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1は、マーク検出の閾値であり、所定値T1以上の検出信号値が出力されたと第1判断部42が判断することが、マーク20が検出されることを意味する。
【0041】
ベルト走行時間導出部41は、インクジェットプリンタ101の電源が投入され、ベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときから、または、発光量調節部46によって光量を増加させたときからの時間であるベルト走行時間を導出する。
【0042】
第2判断部45は、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。所定時間tとは、ベルト8が定速走行しているときに、マーク20が任意の位置から再び当該任意の位置に戻ってくるのに要する時間である。
【0043】
発光量調節部46は、光量可変回路30cによって、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくする。これにより、発光素子30aの発光量を増加させることが可能である。ただし、発光素子30aの発光量は、発光素子30aに流す電流値の変化に伴ってリニアに変化せず、電流値がある程度大きくなると飽和する。よって、電流値を所定値v大きくしたときに、増加する発光素子30aの発光量は一定でない。
【0044】
次に、第1の実施形態に係るインクジェットプリンタ101におけるマーク検出処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
インクジェットプリンタ101の電源が投入されると、まずステップS1において、搬送制御部40がモータ19を制御することによってベルト8の走行を開始する。
【0046】
その後ステップS2において、第1判断部42が、マークセンサ30の受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S2:YES)、マーク20の検出が正確に行われたことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S2:NO)、ステップS3に進む。
【0047】
ステップS3では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS1においてベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S3:NO)、ステップS2に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S3:YES)、ステップS4に進む。
【0048】
ステップS4では、発光量調節部46が、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくすることによって、発光素子30aの発光量を増加させる。その後、ステップS5では、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S5:YES)、ステップS4における発光量の増加により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S5:NO)、ステップS6に進む。
【0049】
ステップS6では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS4において最近発光量を増加させたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S6:NO)、ステップS5に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S6:YES)、ステップS4に戻る。
【0050】
このように、第1の実施形態によると、マーク20がベルト8の内周面8bではなく側面8cに配置されていることによって、例えば、ベルトローラ7、6やテンションローラ10との接触によってマーク20が磨耗するのを抑制することができる。さらに、マーク20がベルト8の外周面8aではなく側面8cに配置されていることによって、例えば、ヘッド1から放出されるインクやトナーなどの異物がマーク20に付着するのを抑制することができる。よって、マーク20の検出感度の低下を抑制でき、マーク20の検出を正確に行うことができる。
【0051】
ベルト8の側面8cとは異なった反射率を有するマーク20をベルト8の側面8cに配置するため、例えば、内部にマーク20を埋め込むようにベルト8を形成するなどの煩雑な作業が不要になる。
【0052】
ローラ付近においてはベルト8の振動(ぶれ)が少ない。上記の構成によると、ローラ7に近い位置あるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0053】
ベルト8の走行方向に関して、駆動ローラであるローラ7よりも上流であって従動ローラであるローラ6よりも下流の位置では、ベルト8はローラ7によって引っ張られる。一方、ベルト8の走行方向に関して、ローラ7よりも下流であってローラ6よりも上流の位置では、ベルト8はローラ7によって送り出される。ベルト8における引っ張られる側は、送り出される側と比較すると撓みが少ないため、ベルト8の振動が少ない。上記の構成によると、ローラ7よりも上流であってローラ6よりも下流の位置にあるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0054】
ベルト8は、ベルト8の走行方向に関して、ローラ7よりも下流であってローラ6よりも上流の位置、即ち、テンションローラ10がベルト8に接触する側においては、テンションローラ10が移動するために振動が多い。上記の構成によると、当該位置ではなく、ローラ7よりも上流であってローラ6よりも下流の位置にあるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0055】
ベルト8は、ベルト8の走行方向に関して、ローラ7よりも上流であってローラ6よりも下流であって、且つ、ローラ7付近において特に撓みが少ない。即ち、ベルト8の振動が特に少ない。上記構成によると、当該位置にあるマーク20を検出するため、ベルト8及びマーク20の振動が特に少ない状態でマーク20の検出を行うことができる。従って、マーク20の検出をより正確に行うことができる。
【0056】
例えば、異物の付着やマーク20の磨耗などによるマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下によって、マーク20が正確に検出されない場合に、発光素子30aの発光量を増加させる。よって、発光素子30aの発光量を増加させるだけで、マーク20の検出が行われるよう容易に補正することができる。
【0057】
次に、図6〜10を参照し、上述の実施形態に変更を加えた第2の実施形態について説明する。但し、上述の実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0058】
第2の実施形態によるインクジェットプリンタ201は、ベルトローラ7の軸方向、即ち、ベルト8の側面8cと発光素子30aとが接離する方向に関するベルト8の位置を検出するベルト位置センサ25をさらに備えている。図7に示すように、ベルト8は、ベルトローラ7の軸方向に関して、例えば破線Lで示される位置や破線Rで示される位置などに移動可能である。即ち、ベルト8の側面8cとマークセンサ30の発光素子30aとが接離する方向に移動可能である。なお、ベルト8の移動は、テンションローラ10を傾けることによって行われる。より具体的には、吐出面2aに平行であってテンションローラ10の軸を面内に含む平面内において、テンションローラ10の少なくとも一方の端部を移動させる。
【0059】
図6に示すように、ベルト位置センサ25は、ベルト8よりも上方に位置する発光部26、及び、ベルト8よりも下方に位置する受光部27を有しており、発光部26及び受光部27がベルト8を間に挟むように配置されている。発光部26及び受光部27は、ベルトローラ7の軸方向に平行に延在しており、互いに同じ長さを有する。発光部26は、ベルトローラ7の軸方向に沿って並ぶ複数の発光素子26aを有しており、受光部27は、ベルトローラ7の軸方向に沿って並ぶ複数の受光素子27aを有している。そして、複数の発光素子26a及び複数の受光素子27aは、ベルト8の厚み方向に関して、互いに対向する複数の対となるように位置合わせされている。よって、各発光素子26aから発光された光を、対応する受光素子27aが受光可能である。
【0060】
このような構成によると、ベルト8の位置によって、発光素子26aと受光素子27aの複数の対のうち、ベルト8を間に挟む対の数が異なる。即ち、発光素子26aからの光を受光する受光素子27aの数を把握することによって、ベルト8の位置を検知することができる。
【0061】
なお、ベルト位置センサ25は、上述のような構成を有すると共に、ベルトローラ7の軸方向に関するベルト8の位置を検知でき、ヘッド1に干渉しない位置であれば、どこに配置されてもよい。
【0062】
図8を参照し、ベルト8の位置の変化に伴う、受光素子30bから出力される検出信号値の変化を説明する。図8において、縦軸が、受光素子30bから出力される検出信号値を表し、横軸が、ベルトローラ7の軸方向に関するベルト8の側面8cから発光素子30aまでの距離を表す。曲線Aは発光素子30aを所定の発光量発光させた場合において、受光素子30bから出力される検出信号値の変化を表す。なお、所定の発光量とは、インクジェットプリンタ101の初期状態での発光素子30aの発光量である。曲線Bは発光素子30aを所定の発光量発光させた場合において、例えばマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下によって受光素子30bから出力される検出信号値が曲線Aの場合と比べて減少したときの受光素子30bから出力される検出信号値の変化を表す。また、発光素子30aの発光量を所定の発光量から増加させた場合には、受光素子30bから出力される各検出信号値は、曲線Aの検出信号値よりも大きくなる。
【0063】
発光素子30aの発光量が一定である場合、受光素子30bから出力される検出信号値は、側面8cから発光素子30aまでの距離が大きくなるにつれて単調に減少する。換言すると、発光素子30aの発光量が一定である場合、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に増加する。また、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8の各位置において、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に増加する。
【0064】
図9に示すように、第2の実施形態によるインクジェットプリンタ201の制御部200内には、制御部100の構成要素に加え、ベルト位置判定部47、及び、ベルト位置制御部44がさらに構築されている。
【0065】
ベルト位置判定部47は、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が所定の範囲内にあるか否かを判定する。前記所定の範囲は適宜設定されてよく、ベルトローラ7の軸方向に関して、ベルト8がベルトローラ7の中央付近に位置する範囲であることが好ましい。図8に示すように、前記所定の範囲は発光素子30aが所定の発光量発光した場合において、ベルト8が前記所定の範囲内にあるときにベルト8の各位置における検出信号値が所定値T1よりも大きくなるように構成されている。また、ベルト位置判定部47は、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が前記所定の範囲よりもマークセンサ30の発光素子30aから離れているか否かを判断する。
【0066】
ベルト位置制御部44は、テンションローラ10の傾きを制御することによって、ベルト8をベルトローラ7の軸方向に関して移動させる。具体的には、ベルト位置制御部44は、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にきたことがベルト位置センサ25によって検出されるまで、ベルト8をマークセンサ30の発光素子30aに近づける、または、遠ざける。
【0067】
本実施形態において、ベルト走行時間導出部41は、インクジェットプリンタ201の電源が投入され、ベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときから、発光量調節部46によって光量を増加させたときから、または、ベルト位置制御部44によってベルト8を移動させたときからの、ベルト走行時間を導出する。
【0068】
次に、第2の実施形態に係るインクジェットプリンタ201におけるマーク検出処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
インクジェットプリンタ201の電源が投入されると、第1の実施形態と同様、図5におけるステップS1〜S3までが行われる。ステップS3において、ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S3:NO)、ステップS2に戻り、ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S3:YES)、ステップS7に進む。
【0070】
ステップS7において、ベルト位置判定部47が、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が前記所定の範囲内にあるか否かを判定する。ベルト8の位置が前記所定の範囲内にあると判定された場合(S7:YES)、ステップS8に進む。ベルト8の位置が前記所定の範囲内にないと判定された場合(S7:NO)、ステップS11に進む。
【0071】
ステップS8では、発光量調節部46が、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくすることによって、発光素子30aの発光量を増加させる。その後、ステップS9において、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S9:YES)、ステップS8における発光量の増加により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S9:NO)、ステップS10に進む。
【0072】
ステップS10では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS8において最近発光量を増加したときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S10:NO)、ステップS9に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S10:YES)、ステップS8に戻る。
【0073】
ステップS11では、ベルト位置判定部47が、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置が前記所定の範囲よりもマークセンサ30の発光素子30aから離れているか否かを判断する。ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aから離れていると判断された場合(S11:YES)、ステップS12において、ベルト位置制御部44が、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にきたことがベルト位置センサ25によって検出されるまで、ベルト8をマークセンサ30の発光素子30aに近づける。その後、ステップS14に進む。また、ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aから離れていないと判断された場合(S11:NO)、即ち、ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aに近づいていると判断された場合、ステップS13において、ベルト位置制御部44が、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にきたことがベルト位置センサ25によって検出されるまで、ベルト8をマークセンサ30の発光素子30aから遠ざける。その後、ステップS14に進む。
【0074】
ステップS14では、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S14:YES)、ステップS12またはS13におけるベルト8の移動により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S14:NO)、ステップS15に進む。
【0075】
ステップS15では、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS12またはS13において最近ベルト8を移動させたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S15:NO)、ステップS14に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S15:YES)、ステップS16に進む。
【0076】
ステップS16では、発光量調節部46が、発光素子30aに流す電流値を所定値v大きくすることによって、発光素子30aの発光量を増加させる。その後、ステップS17では、第1判断部42が、受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。所定値T1以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S17:YES)、ステップS16における発光量の増加により、マーク20の検出が正確に行われるようになったことを意味しており、マーク検出処理を終了する。また、所定値T1以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S17:NO)、ステップS16に戻る。
【0077】
なお、上述したように、本実施形態では、発光素子30aの発光量が一定である場合、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に増加する。よって、ステップS13において、ベルト8が発光素子30aから遠ざけられた場合は、ベルト8の移動により検出信号値がさらに低下するため、ステップS14〜S15をスキップしステップS16に進むようにしてもよい。
【0078】
このように、第2の実施形態によると、ベルト8の位置が前記所定の範囲内にある場合であっても、受光素子30bから出力される検出信号値が所定値T1より小さい場合がある。例えば、異物の付着やマーク20の磨耗などによるマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下が生じ、検出信号値の変化が曲線Bのようになった場合である。このような場合に、発光素子30bの発光量を増加させることで、ベルト8の位置を前記所定の範囲内に保ちつつ、マーク20の検出が行われるよう容易に補正することができる。
【0079】
マーク20が正確に検出されない場合に、ベルト8の位置が前記所定の範囲よりも発光素子30aから離れているまたは近づいているときには、ベルト8を発光素子30aに近づけるまたは発光素子30aから遠ざける。このように、ベルト8の位置を調節し、ベルト8をより適切な状態にした後で、発光素子30aの発光量を増加させることによりマーク20の検出が行われるよう補正することができる。また、ベルト8の位置を調節したことにより、マーク20の検出が行われるよう補正された場合(ステップS12を実行後、ステップS14においてYESと判断された場合)には、発光素子30aの発光量を調節する必要がない。
【0080】
次に、図11〜12を参照し、上述の実施形態に変更を加えた第3の実施形態について説明する。但し、上述の実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0081】
図11に示すように、第3の実施形態によるインクジェットプリンタ301の制御部300内には、搬送制御部40、ベルト走行時間導出部41、及び、第2判断部45に加え、記憶部48、想定値導出部50、第3判断部49、及び、発光量調節部146がさらに構築されている。
【0082】
記憶部48は、ベルト8の位置の変化及び発光素子30aの発光量の変化に伴う、受光素子30bから出力される検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶している。図8においては、発光素子30aの所定の発光量における曲線Aが表されているが、記憶部48は、発光素子30aの発光量がその他の場合におけるセンサ特性情報も記憶している。即ち、発光素子30aの発光量が分かれば、当該発光量における、ベルト8の位置の変化に伴う検出信号値の変化を示す曲線が一意に決定される。即ち、現在の発光素子30aの発光量及びベルト8の位置が分かれば、受光素子30bから出力される検出信号の想定値T2を求めることができる。
【0083】
想定値導出部50は、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置、発光素子30aの発光量、及び、記憶部48に記憶されたセンサ特性情報を参照し、受光素子30bから出力される検出信号の想定値T2を導出する。
【0084】
第3判断部49は、マークセンサ30の受光素子30bから、想定値導出部50によって導出された想定値T2以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。
【0085】
発光量調節部146は、受光素子30bから出力される検出信号が想定値T2になるまで、光量可変回路30cによって、発光素子30aの発光量を増加させる。
【0086】
次に、第3の実施形態に係るインクジェットプリンタ301における検出信号値調節処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
インクジェットプリンタ301の電源が投入されると、まずステップS1において、搬送制御部40がモータ19を制御することによってベルト8の走行を開始する。
【0088】
その後ステップS19において、想定値導出部50が、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置、発光素子30aの発光量、及び、記憶部48に記憶されたセンサ特性情報を参照し、受光素子30bから出力される検出信号の想定値T2を導出する。
【0089】
その後ステップS20において、第3判断部49が、マークセンサ30の受光素子30bから、想定値導出部50によって導出された想定値T2以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する。想定値T2以上の検出信号値が出力されたと判断された場合(S20:YES)、検出信号値調節処理を終了する。想定値T2以上の検出信号値が出力されていないと判断された場合(S20:NO)、ステップS21に進む。
【0090】
ステップS21において、第2判断部45が、ベルト走行時間導出部41によって導出されたベルト走行時間が所定時間tよりも大きいか否かを判断する。この場合のベルト走行時間とは、ステップS1においてベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときからの時間である。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きくないと判断された場合(S21:NO)、ステップS20に戻る。ベルト走行時間が所定時間tよりも大きいと判断された場合(S21:YES)、ステップS22に進む。
【0091】
ステップS22では、発光量調節部146が、受光素子30bから出力される検出信号が想定値T2となるまで、光量可変回路30cによって、発光素子30aの発光量を増加させる。そして、検出信号値調節処理を終了する。
【0092】
なお、この検出信号値調節処理を実行し、受光素子30bから出力される検出信号値を調節した後、図5または図10に示すようなマーク検出処理を実行してよい。これにより、受光素子30bから出力される検出信号値が調節され、インクジェットプリンタ301がより適切な状態となった後で、マーク検出処理を行うことができる。
【0093】
このように、第3の実施形態によると、異物の付着やマーク20の磨耗などによるマーク20の劣化や受光素子30bの受光感度の低下によって、受光素子30bから出力される検出信号値が想定値T2よりも小さい場合がある。その場合には、例えばベルト8の位置が前記所定の範囲内にあっても、マーク20が正確に検出されない場合がある。そこで、受光素子30bから出力される検出信号値が想定値T2よりも小さい場合には、発光素子30aの発光量を増加させる。このように、出力される検出信号値を調節し、インクジェットプリンタ301をより適切な状態とすることで、マーク20を正確に検知することができる。
【0094】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
【0095】
ベルト8は無端状のものであればよい。なお、無端状のベルトとは、継ぎ目のないベルト、及び、ベルトの端部同士を接着した継ぎ目のあるベルトを含む。なお、上述の実施形態において、搬送ベルト上においてフラッシングの際に吐出されるインクが着弾する領域を固定する目的で、マーク20の検知が行われたが本発明はこの目的に限らず適用可能である。例えば、搬送ベルトに継ぎ目がある場合に用紙Pが搬送ベルトの継ぎ目に載置されないように搬送ベルトの継ぎ目の位置を把握する目的でマーク20を検知しても良い。また、ベルト8は粘着性を有しており、用紙Pを外周面8aの粘着力によって搬送するとしたが、これに限られない。ベルト8は、静電気力やエア吸引力によって外周面8aに用紙Pを吸着して搬送しても良い。
【0096】
本発明は、画像を記録する記録装置に適用可能であって、記録装置はインクジェットプリンタに限られない。本発明は、例えば、レーザープリンタなどにも適用可能である。
【0097】
上述の実施形態において、マークセンサ30は、マーク20が所定位置に位置することを検出する。そして、所定位置とは、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置である。しかしながら、所定位置はこれに限られない。所定位置は、搬送機構16がテンションローラ10を有しておらず、ベルト8が2つのベルトローラ6、7に架け渡されている場合には、ベルトローラ6、7のいずれかに近い位置であれば良い。ここで、近い位置とは、ベルトの走行方向に関してベルトローラ6、7より上流及び下流の位置を含む。また、所定位置は、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流であってベルトローラ7より下流の位置であっても良い。
【0098】
また、マークセンサ30は、ベルト8の走行方向に関して、ベルトローラ6より上流の位置であってベルトローラ7より下流の位置で、かつ、ヘッド1の吐出面2aとの対向領域よりも下流の位置に配置されているが、マークセンサ30の配置場所はこれに限られない。マークセンサ30の配置場所は、マークが上述した所定位置に位置することを検出できる位置であればどこでもよい。また、マークを検出する手段は、光センサであるマークセンサ30に限られない。マークを検出できるものであればよく、例えば磁気センサであってもよい。
【0099】
上述の実施形態において、ベルト走行時間導出部41は、ベルト8の走行が開始し定速走行し始めたときから、発光量調節部46によって光量を増加させたときから、または、ベルト位置制御部44によってベルト8を移動させたときからのベルト走行時間を導出する。しかしながら、ベルト走行時間の導出開始タイミングはこれらに限られない。ベルト走行時間導出部41は、これらのタイミングより後の時点からのベルト走行時間を導出してもよい。
【0100】
第1の実施形態においては、受光素子30bから出力される検出信号値を補正するために、図5のステップS4において、発光素子30aの発光量を増加させる。しかしながら、発光素子30aの発光量を増加させる代わりに、ベルト8を発光素子30aに近づけるようにしてもよい。
【0101】
上述の実施形態においては、受光素子30bから出力される検出信号値は、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に増加すると共に、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に増加する。しかしながら、マークセンサ30の配置位置などによって、検出信号値が、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて単調に減少したり、発光素子30aの発光量が増加するにつれて単調に減少する場合がある。その場合は当然ながら、例えば図5のステップS4において、発光素子30aの発光量を増加させる代わりに減少させる。
【0102】
また、発光素子30aと受光素子30bとが別々の部材として異なった位置に設けられている場合などに、ベルト8の位置の変化に伴う検出信号値の変化傾向が単調増加や単調減少でないことがある。例えば、ベルト8がある位置Iに位置するのを境に、ベルト8が位置Iよりも発光素子30aから離れているときには、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて検出信号値が単調に増加し、ベルト8が位置Iよりも発光素子30aに近づいているときには、ベルト8が発光素子30aに近づくにつれて検出信号値が単調に減少することがある。その場合には、このような検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶部などに記憶しておき、マークが検出されない場合には、ベルト位置センサ25によって検出されたベルト8の位置、及び、センサ特性情報を参照し、ベルト8の移動方向を決定するようにしてもよい。
【0103】
また、図5のステップS4の前に、発光素子30aの発光量が上限値mに達しているか否かを判断するステップを実行し、上限値mに達している場合にはマーク検出処理を終了するようにしてもよい。この場合、ステップS6においてYESと判断された場合には、発光素子30aの発光量が上限値mに達しているか否かを判断するステップに戻るようにする。これによると、発光素子30aの発光量が上限値mに達しているにも関わらず、何らかの故障によってマークが未だ検出されない場合に、ステップS4を繰り返し実行するのを避けることができる。同様に、図10のステップS16の前、ステップS8の前に、当該ステップを実行してよい。
【0104】
上述の実施形態においては、マークセンサ30がアナログ出力センサであることを前提に記載したが、マークセンサ30がデジタル出力センサであってもよい。その場合、図5のステップS2、S5、図10のS2、S9、S14、S17において、第1判断部42は、マークセンサ30の受光素子30bから所定値T1以上の検出信号値が出力されたか否かを判断する代わりに、マークセンサ30からマーク20の検出信号が出力されたか否かを判断する。
【符号の説明】
【0105】
1 インクジェットヘッド
8 搬送ベルト
8a 外周面
8b 内周面
8c 側面
6 ベルトローラ
7 ベルトローラ
16 搬送機構
20 マーク
30 マークセンサ
30a 発光素子
30b 受光素子
30c 光量可変回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録する記録部と、
内周面が複数のローラと接触するように前記複数のローラに架け渡され、外周面が前記記録部に対向する無端状のベルトと、
前記ベルトの側面に配置されたマークと、
前記ベルトの走行に伴って移動する前記マークが所定位置に位置することを検出するマーク検出手段とを備えていることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記マークは、前記ベルトの側面とは異なった反射率を有しており、
前記マーク検出手段は、前記側面に対向する位置に配置され、発光部及び受光部を有する反射型のセンサであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記所定位置は、前記複数のローラのうちの一つに近い位置であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記複数のローラは、駆動ローラ、及び、従動ローラからなり、
前記所定位置は、前記ベルトの走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項5】
前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも下流であって前記従動ローラよりも上流の位置において前記ベルトに接触する、前記ベルトのテンションを調整するためのテンションローラをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記ベルトは、前記従動ローラから前記駆動ローラに向けて走行する際に、前記外周面に記録媒体を担持して記録媒体を搬送するものであり、
前記記録部は、前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置において前記ベルトに対向し、
前記所定位置は、前記走行方向に関して、前記ベルトにおける前記記録部との対向領域よりも下流の位置であることを特徴とする請求項4または5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、
前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きく且つ前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲内にある場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、
前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きい場合、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲よりも前記発光部から離れているときには、前記搬送ベルトを前記発光部に近づけ、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が前記所定の範囲よりも前記発光部に近づいているときには、前記搬送ベルトを前記発光部から遠ざける制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記ベルトの位置の変化に伴う、前記受光部から出力される検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶する記憶手段と、
前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、
前記受光部から出力される検出信号値が、前記ベルト位置検出手段により検出されるベルトの位置と前記センサ特性情報とから想定される検出信号値よりも小さい場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項1】
画像を記録する記録部と、
内周面が複数のローラと接触するように前記複数のローラに架け渡され、外周面が前記記録部に対向する無端状のベルトと、
前記ベルトの側面に配置されたマークと、
前記ベルトの走行に伴って移動する前記マークが所定位置に位置することを検出するマーク検出手段とを備えていることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記マークは、前記ベルトの側面とは異なった反射率を有しており、
前記マーク検出手段は、前記側面に対向する位置に配置され、発光部及び受光部を有する反射型のセンサであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記所定位置は、前記複数のローラのうちの一つに近い位置であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記複数のローラは、駆動ローラ、及び、従動ローラからなり、
前記所定位置は、前記ベルトの走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項5】
前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも下流であって前記従動ローラよりも上流の位置において前記ベルトに接触する、前記ベルトのテンションを調整するためのテンションローラをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記ベルトは、前記従動ローラから前記駆動ローラに向けて走行する際に、前記外周面に記録媒体を担持して記録媒体を搬送するものであり、
前記記録部は、前記走行方向に関して、前記駆動ローラよりも上流であって前記従動ローラよりも下流の位置において前記ベルトに対向し、
前記所定位置は、前記走行方向に関して、前記ベルトにおける前記記録部との対向領域よりも下流の位置であることを特徴とする請求項4または5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、
前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きく且つ前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲内にある場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記搬送ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、
前記マークが前記所定位置に位置することが前記マーク検出手段によって検出されない時間が前記所定時間よりも大きい場合、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が所定の範囲よりも前記発光部から離れているときには、前記搬送ベルトを前記発光部に近づけ、前記ベルト位置検出手段によって検出された前記搬送ベルトの位置が前記所定の範囲よりも前記発光部に近づいているときには、前記搬送ベルトを前記発光部から遠ざける制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記ベルトの位置の変化に伴う、前記受光部から出力される検出信号値の変化を示すセンサ特性情報を記憶する記憶手段と、
前記ベルトの側面と前記発光部とが接離する方向における前記ベルトの位置を検出するベルト位置検出手段と、
前記受光部から出力される検出信号値が、前記ベルト位置検出手段により検出されるベルトの位置と前記センサ特性情報とから想定される検出信号値よりも小さい場合に、前記発光部の発光量を増加させる制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−213450(P2011−213450A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83225(P2010−83225)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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