説明

記録装置

【課題】エンコーダ信号の不安定な状態に影響されずにエンコーダカウンタのリセット動作を安定的に行う記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置は、記録ヘッドの移動に伴い、第1のパルス信号と、第1のパルス信号と位相が異なる第2のパルス信号を生成する。また、記録装置は、第1のパルス信号と第2のパルス信号のパルス数をカウントするカウント部を各々有し、第1のパルス信号と第2のパルス信号に基づいて記録ヘッドの駆動を制御する複数の制御部を有する。カウント部のカウント値を所定の値に設定する間、第1のパルス信号と第2のパルス信号の複数の制御部への供給を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダセンサによりキャリッジの位置を検出する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させ、記録媒体上に画像記録を行なうインクジェット記録装置が知られている。一般的に、インクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録媒体を搬送する搬送機構と、それらの動作を制御する制御機構とを備えている。複数のノズルからインク滴を吐出させる記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に走査させる。インクジェット記録装置は、その間に記録媒体に対してインクを吐出し、一方、各走査間で記録媒体を間欠搬送し、複数の走査と記録媒体の搬送動作によって全画像領域の記録を行なうことができる。カラー画像記録を行なう場合には、複数種類のインク色に応じた複数の記録ヘッドから吐出されるインク滴を重ね合わせることにより又はインク滴を相互に近接して着弾させることによって実現する。
【0003】
キャリッジを走査させると、キャリッジに備えられた光学的又は磁気的なロータリエンコーダ若しくはリニアエンコーダから、図12に示すようなA相信号及びB相信号からなるエンコーダ信号が出力される。ここで、A相信号とB相信号とは相互に90度の位相差を有することが一般的である。インクジェット記録装置は、そのようなエンコーダ信号によってキャリッジの走査方向(往方向又は復方向)や位置を特定することができる。特許文献1及び特許文献2には、エンコーダカウンタが上記のエンコーダ信号を参照し、キャリッジの走査方向に応じてカウンタ値を増減し、所定のキャリッジの基準位置からの相対距離を取得することが記載されている。
【0004】
近年、インクジェット記録装置の記録ヘッドの高精細化、多ノズル化に伴って、記録ヘッドの制御回路規模も増大してきている。記録ヘッドの高精細化、多ノズル化に伴い、記録ヘッドの制御回路を図13に示すように構成する場合が多い。つまり、図13に示すように、記録ヘッドを制御単位1、制御単位2、・・・、制御単位nというように複数の制御単位に分け、各記録ヘッド制御単位に対応する各記録ヘッド制御IC1、記録ヘッド制御IC2、記録ヘッド制御IC3、・・・、記録ヘッド制御ICnがエンコーダからのエンコーダ信号を参照して各記録ヘッド制御単位について制御する。
【0005】
図13に示すような構成は、1つの制御回路からそれぞれの記録ヘッド制御単位を制御する場合と比較して、各ICの構成が単純化されることによる開発期間短縮及びコストダウンが実現されるメリットがあるので多く用いられている。また、インクジェット記録装置の機種により記録ヘッド制御単位が異なる場合においても、複数の記録ヘッド制御ICによって柔軟に構成することができるといったメリットもある。
【0006】
図13に示すような構成において各記録ヘッド制御IC内部のエンコーダカウンタをリセットしてキャリッジの基準位置を設定する場合には、様々な方法がある。例えば、図14に示すように、CPUがバスを介して記録ヘッド制御IC内部のエンコーダカウンタのレジスタをリセットする方法がある。また、図15に示すように、共通のエンコーダカウンタリセット信号を各記録ヘッド制御ICに接続し、キャリッジを停止させてエンコーダカウンタリセット信号により各記録ヘッド制御IC内部のエンコーダカウンタのレジスタをリセットする方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−205485号公報
【特許文献2】特開平07−205487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図14や図15に示す構成において、各記録ヘッド制御ICに対して同じタイミングでエンコーダカウンタのレジスタをリセットすることは極めて難しい。なぜならば、図14に示す構成においては、CPUが各記録ヘッド制御ICに対して順次リセット動作を行っていくので、全記録ヘッド制御ICが同じタイミングでリセット動作することができない。図15に示す構成においては、エンコーダカウンタリセット信号により各記録ヘッド制御ICに共通にリセット動作を行うことができるが、各記録ヘッド制御ICの製造ばらつきに起因する内部スキューの差によって、リセットされるタイミングは同じになり得ない。
【0009】
エンコーダ信号には、キャリッジとエンコーダスリットとの位置関係によって、チャタリングが発生することがある。つまり、そのような位置にキャリッジがある場合には、エンコーダ信号が不安定となる。図14や図15に示す構成において、例えば、CPUがある記録ヘッド制御ICにリセット動作を行ったとする。そして、その時点からずれたタイミングで別の記録ヘッド制御ICにリセット動作が行われる際に、エンコーダ信号が振れてしまうと、最初にリセット動作が行われた記録ヘッド制御ICのカウント値が進んでしまう。つまり、記録ヘッド制御IC間でキャリッジの基準位置が異なって設定されてしまうことになる。各記録ヘッド制御IC間の基準位置の設定が異なってしまうと、各記録ヘッド制御ICが制御する記録ヘッド制御単位間でレジがずれ、画質劣化を招いてしまう。
【0010】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。本発明は、上記の点に鑑み、エンコーダ信号の不安定な状態に影響されずにエンコーダカウンタのリセット動作を安定的に行う記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る記録装置は、記録ヘッドの移動に伴い、第1のパルス信号と前記第1のパルス信号と位相が異なる第2のパルス信号を生成する生成手段と、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号のパルス数をカウントするカウント手段を各々有し、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号に基づいて前記記録ヘッドの駆動を制御する複数の制御手段と、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号を前記複数の制御手段へ供給する供給手段と、前記カウント手段のカウント値を所定の値に設定する間、前記供給手段による前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号の供給を停止させる停止手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エンコーダ信号の不安定な状態に影響されずにエンコーダカウンタのリセット動作を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】インクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
【図2】インクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】インクジェット記録装置の記録部周辺の概略構成を示す斜視図である。
【図4】実施例1における記録ヘッドの制御部周辺の構成を示す図である。
【図5】ゲートICの詳細な構成を示す図である。
【図6】エンコーダカウンタのリセット動作の処理の手順を示す図である。
【図7】S603に示す遮断解除処理の手順を示す図である。
【図8】A相信号及びB相信号の変化を示す図である。
【図9】実施例2における記録ヘッドの制御部周辺の構成を示す図である。
【図10】記録ヘッド制御ICのエンコーダ信号を制御する部分のブロック図である。
【図11】エンコーダカウンタのリセット動作の処理の手順を示す図である。
【図12】エンコーダ信号の構成を示す図である。
【図13】複数の記録ヘッド制御ICを含む構成を示す図である。
【図14】CPUと複数の記録ヘッド制御ICとの接続構成を示す図である。
【図15】CPUと複数の記録ヘッド制御ICとの他の接続構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0015】
〔実施例1〕
<インクジェット記録装置の説明>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
【0016】
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド103を搭載したキャリッジ102にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構104より伝え、キャリッジ102を矢印A方向に往復移動させる。例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構105を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド103から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
【0017】
また、記録ヘッド103の状態を良好に維持するためにキャリッジ102を回復装置110の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド103の吐出回復処理を行う。
【0018】
インクジェット記録装置100のキャリッジ102には記録ヘッド103を搭載するのみならず、記録ヘッド103に供給するインクを貯留するインクカートリッジ106が装着される。インクカートリッジ106は、キャリッジ102に対して着脱自在になっている。
【0019】
図1に示したインクジェット記録装置100はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ102は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
【0020】
さて、キャリッジ102と記録ヘッド103とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド103は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、本実施例における記録ヘッド103は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用しており、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
【0021】
図1に示されているように、キャリッジ102はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構104の駆動ベルト107の一部に連結されており、ガイドシャフト113に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ102は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト113に沿って往復移動する。また、キャリッジ102の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ102の位置を示すためのスケール108(CRエンコーダフィルム)が備えられている。この実施例では、スケール108は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ109に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
【0022】
また、インクジェット記録装置100には、記録ヘッド103の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド103を搭載したキャリッジ102が往復移動制御されると同時に、記録ヘッド103に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
【0023】
さらに、図1における搬送ローラ114は、記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される。また、ピンチローラ115は、バネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ114に当接する。また、ピンチローラホルダ116は、ピンチローラ115を回転自在に支持する。また、搬送ローラギヤ117は、搬送ローラ114の一端に固着されている。そして、搬送ローラギヤ117に中間ギヤ(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ114が駆動される。
【0024】
また、排出ローラ120は、記録ヘッド103によって画像が形成された記録媒体Pをインクジェット記録装置外ヘ排出する。排出ローラ120は、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ120は、記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。拍車ホルダ122は、拍車ローラを回転自在に支持する。
【0025】
また、インクジェット記録装置100には、図1に示されているように、記録ヘッド103を搭載するキャリッジ102の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド103の吐出不良を回復するための回復装置110が配設されている。
【0026】
回復装置110は、記録ヘッド103の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構111と記録ヘッド103の吐出口面をクリーニングするワイピング機構112を備えており、キャッピング機構111による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引構成(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド103のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
【0027】
また、非記録動作時等には、記録ヘッド103の吐出口面をキャッピング機構111によりキャッピングすることによって、記録ヘッド103を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構112はキャッピング機構111の近傍に配され、記録ヘッド103の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
【0028】
これらキャッピング機構111及びワイピング機構112により、記録ヘッド103のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
【0029】
<インクジェット記録装置の制御構成>
図2は図1に示したインクジェット記録装置100の制御構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、制御部210は、MPU211と、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM212と、キャリッジモータM1や搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド103の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)213と、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM214と、各ブロックを相互に接続してデータの授受を行うシステムバス215と、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU211に供給するA/D変換器216とを含んで構成される。
【0031】
また、図2において、ホスト装置200は、画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)である。ホスト装置200とインクジェット記録装置100との間ではインタフェース(I/F)201を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
【0032】
さらに、スイッチ群220は、電源スイッチ221、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ222、及び記録ヘッド103のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ223など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。センサ群230は、ホームポジションを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ231、環境温度を検出するためにインクジェット記録装置100の適宜の箇所に設けられた温度センサ232等から構成されるインクジェット記録装置100の状態を検出するためのセンサ群である。
【0033】
さらに、キャリッジモータドライバ240は、キャリッジ102を図1に示す矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させる。また、搬送モータドライバ250は、記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる。
【0034】
ASIC213は、記録ヘッド103による記録走査の際に、ROM212の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データを転送する。
【0035】
なお、図1に示す構成は、インクカートリッジ106と記録ヘッド103とが分離可能な構成であるが、これらが一体的に形成されて交換可能なヘッドカートリッジを構成しても良い。
【0036】
さらに、以下の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0037】
以下の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する構成(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0038】
さらに、インクジェット記録装置100が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0039】
加えて、上記で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0040】
さらに加えて、本実施例におけるインクジェット記録装置100の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、読取装置等と組み合わせられた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0041】
図3は、本実施例におけるインクジェット記録装置100の記録部周辺の概略構成を示す斜視図である。同図において、インクカートリッジ301は、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを個別に貯留しており、各貯留室を一体として構成している。ヘッドカートリッジ302は、インクカートリッジ301に貯留される各インクに対応して複数の記録素子が配列されている記録素子列が1色あたり2列、計8列を収納している。即ち、ヘッドカートリッジ302は、Bk、C、MおよびYの各インクを吐出する記録素子列を各色について2列ずつ、4色で計8列の記録素子列を収納している。キャリッジ303は、インクカートリッジ301およびヘッドカートリッジ302をそれぞれ着脱自在に装着可能である。キャリッジ303は、ガイド軸310と摺動自在に係合することによりガイド軸310に沿って移動することができる。
【0042】
エンコーダスケール304は、キャリッジ303に対向する面に構成され、150lpiの間隔でスリットが設けられている。エンコーダスケール304は例えばエンコーダフィルムであって、そのエンコーダフィルム上にはエンコーダセンサ(不図示)の発光部からの光を透過する領域と透過しない領域とが存在し、その2つの領域が上記のスリットを構成している。エンコーダセンサの発光部が発光した光は、エンコーダスケール304に照射される。エンコーダセンサの受光部は、エンコーダフィルムを光学的に読み取り(透過光を受光し)、キャリッジ303の走査方向の移動量に比例したパルス信号をエンコーダ信号として出力する。エンコーダ信号は、図12に示すようにA相信号(第1のパルス信号)とB相信号(第2のパルス信号)を含み、B相信号はA相信号より90度位相が遅れる。紙送りローラ305は、補助ローラ306とともに記録媒体309を挟持しつつ、図3の矢印の方向に回転することにより、記録媒体309を図3中y方向に搬送することができる。また、一対の給紙ローラ307及び308は、記録媒体309を挟持しつつ、給紙を行なう。
【0043】
図4は、インクジェット記録装置100の記録ヘッドの制御部周辺の構成を示す図である。エンコーダ401は、キャリッジ303の位置に基づいたA相信号及びB相信号を出力する。記録ヘッド制御IC402(第1制御部)及び405(第2制御部)はそれぞれ、グループ化された各記録素子グループの駆動を制御する。例えば、記録ヘッド制御IC402は、記録ヘッドの記録素子のうち、第1の記録素子グループの記録素子の駆動を制御する。また、記録ヘッド制御IC405は、記録ヘッドの記録素子のうち、第2の記録素子グループの記録素子の駆動を制御する。ここで、各記録素子グループとは、例えば、各インク色に対応したグループである。記録ヘッド制御IC402及び405は、エンコーダ401から出力されたエンコーダ信号(パルス信号)のパルス数をカウント値としてレジスタ(エンコーダカウンタ)やメモリ等に格納している。記録ヘッド制御IC402及び405は、そのカウント値に基づき、記録ヘッドの各制御単位に対して、記録を行なうための画像データやインク吐出を行なう為のパルスデータを転送する。本実施例においては、記録ヘッドは、制御単位403及び406に分けられている。ここで、制御単位403は、記録ヘッドのブラック(Bk)及びシアン(C)のインク吐出についての構成を示し、記録ヘッド制御IC402は、ブラック及びシアンのインク吐出を制御する。また、制御単位406は、記録ヘッドのマゼンタ(M)及びイエロー(Y)のインク吐出についての構成を示し、記録ヘッド制御IC405は、マゼンタ及びイエローのインク吐出を制御する。記録ヘッド制御IC402及び405は、ともに同じ構成を有するICである。記録ヘッド制御IC402はエンコーダカウンタ402aを備え、記録ヘッド制御IC405はエンコーダカウンタ405aを備えている。
【0044】
記録ヘッド制御IC402と制御単位403は、信号線404で接続されている。信号線404は、ブラック及びシアンについての画像データ及びパルスデータを伝達する。記録ヘッド制御IC405と制御単位406は、信号線407で接続されている。信号線407は、マゼンタ及びシアンについての画像データ及びパルスデータを伝達する。
【0045】
CPU408は、バス409を介して各ブロックと接続されており、各ブロックのレジスタ設定や割り込み処理等を行う。エンコーダ401と記録ヘッド制御IC402及び405は、信号線411で接続されている。信号線411は、2本の信号線を有し、それぞれA相信号とB相信号を伝達する。ゲートIC410は、1組2本の入力ポートと、1組2本の出力ポートとを備えている。ゲートIC410の一方の入力ポートには、エンコーダ401から出力されるA相信号が接続され、もう一方の入力ポートには、エンコーダ401から出力されるB相信号が接続される。一方の出力ポートには、記録ヘッド制御IC402及び405にA相信号を送信するための信号線が接続され、他方の出力ポートには、記録ヘッド制御IC402及び405にB相信号を送信するための信号線が接続されている。ゲートIC410は、バス409とも接続されており、CPU408は、ゲートIC410の内部レジスタの設定を行なう。記録ヘッド制御IC402と記録ヘッド制御IC405とゲートIC410の各内部回路は、クロックにより同期を保たれている。
【0046】
図5は、ゲートIC410の詳細な構成を示す図である。制御部500は、レジスタ501を有している。レジスタ501は、ゲートIC410内のレジスタを格納しており、バス409を介してCPU408から設定されることができる。ゲートIC410は、不図示の入力部を介して、外部からゲート部503に信号を入力する。また、ゲートIC410は、不図示の出力部を介して、外部にゲート部503に信号を出力する。入出力比較部502は、制御部500の指示に基づいて、ゲート部503への入力とゲート部503からの出力とのレベル比較を行なう。この比較結果は、制御部500へ出力される。入出力比較部502は、A相信号についてのレベル比較、B相信号についてのレベル比較をそれぞれ行う。ゲート部503は、制御部500の指示に基づいて、ゲート部を制御する。ゲート部503は、CPU408によるレジスタ501のレジスタ設定によって、ゲート部503に入力される信号を遮断してゲート部503から出力しないようにすることができる。
【0047】
図6は、本実施例における記録ヘッド制御IC402及び405に対するエンコーダカウンタリセット動作の処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す処理は、例えばCPU408により実行される。まず、S601において、CPU408は、キャリッジ303を停止させる処理を行いレジスタ501のレジスタ設定によってゲート部503を遮断してエンコーダ401から出力されているエンコーダ信号がゲート部503から出力されないように制御する。このときのゲート部503から出力されるA相信号及びB相信号は、Hレベル又はLレベルに固定されるようにしても良い。若しくは、ゲート部503が遮断された際のゲート部503から出力されていたA相信号及びB相信号のレベルに固定するようにしても良い。
【0048】
次に、S602において、CPU408は、バス409を介して、記録ヘッド制御IC402及び405に対してエンコーダカウンタのレジスタをリセットすることで、キャリッジの基準位置を設定する。つまり、エンコーダカウンタのレジスタに所定の値が設定される。リセットは、例えばレジスタのゼロクリアによって値を変更しても良い。このように、本実施例においては、ゲート部503を遮断して記録ヘッド制御IC402及び405に入力されるA相信号及びB相信号のレベルを安定にしてから、各記録ヘッド制御ICのエンコーダカウンタのリセット動作を行う(遮断前のエンコーダカウンタ値への変更を行う)。その結果、各記録ヘッド制御ICにおいてキャリッジの基準位置の設定のずれを生じることを防ぐことができる。
【0049】
S603において、CPU408は、ゲート部503のエンコーダ信号の遮断を解除する。ここで、図12に示すように、エンコーダ信号のA相信号とB相信号が同時に変化することは、エンコーダ信号の構成上起こり得ない。しかしながら、チャタリングが発生するおそれがある位置にキャリッジ303が停止し、図6に示す基準位置の設定を行い、ゲート部503の遮断を解除した瞬間にチャタリングが発生し、A相信号及びB相信号が同時に変化してしまうことがあり得る。従って、S603において遮断を解除する際に、A相信号とB相信号の両方のレベルが同時に変化しないように、A相信号及びB相信号の各遮断解除を時間差を以って行う。このように、A相信号の解除タイミングとB相信号の解除タイミングに時間差を設けることで、エンコーダカウンタ402a、405aの誤動作を抑制できる。ただし、A相信号の入力と出力、B相信号の入力と出力の両方が、同じレベルであれば、A相信号とB相信号の両方を時間差を付けずに解除しても構わない。そのような構成により、各記録ヘッド制御ICに対して、通常のエンコーダ信号にはあり得ない状態の信号を入力してしまうことを防ぐことができる。
【0050】
図7は、S603に示す遮断解除処理の手順を示すフローチャートである。まず、S701において、CPU408は、内蔵されたタイマのカウントを開始する。S702において、CPU408は、そのカウント値が予め定められた値に達したか否かを判定する。S702において、カウント値が予め定められた値に達していないと判定された場合には、S701に戻る。一方、カウント値が予め定められた値に達していると判定された場合には、S703に進む。ここで、予め定められたカウント値とは、S705で行なわれるA相信号の解除処理とS706で行なわれるB相信号の解除処理との間に時間差を設けるための値である。A相信号とB相信号のそれぞれを解除する間に、ある一定の時間差があれば、各記録ヘッドICにA相信号とB相信号とが同時に変化する状態を入力してしまうことを防ぐことができる。
【0051】
S703において、CPU408は、ゲート部503に入力されるA相信号とゲート部503から出力されるA相信号とのレベルが等しく且つゲート部503に入力されるB相信号とゲート部503から出力されるB相信号とのレベルが等しいか否かを判定する。S703において、A相信号もしくはB相信号について、入力と出力のレベルが異なっている場合には、S704に進む。一方、A相信号とB相信号両方について、入力と出力のレベルが等しい場合には、S707に進む。A相信号とB相信号両方について入力と出力のレベルが等しいとはいずれの信号にもチャタリングが生じていないことを意味しているので、その場合に、両方の信号の遮断を同時に解除しても問題ない。従って、S707において、CPU408は、A相信号とB相信号両方について遮断を解除する。
【0052】
S704において、CPU408は、A相信号について出力と入力のレベルが等しいか否かを判定する。S704において、A相信号について出力と入力のレベルが等しくないと判定された場合には、S705に進む。S705において、CPU408は、ゲートIC410のレジスタ501にアクセスし、ゲート部503でA相信号について遮断を解除する。その後、S701に戻る。一方、S704において、A相信号について出力と入力のレベルが等しいと判定された場合には、S706に進む。
【0053】
S706に進む場合には、S703及びS704の分岐条件から、A相信号について出力と入力のレベルが等しく、且つ、B相信号について出力と入力のレベルが異なっていることが分かる。従って、S706において、CPU408は、ゲートIC410のレジスタ501にアクセスし、ゲート部503でB相信号について遮断を解除する。その後、S701に戻る。
【0054】
つまり、本実施例においては、ゲート部503においてA相信号及びB相信号を解除する際には、所定時間分の時間差を以って解除する。そのことにより、A相信号及びB相信号が同時に変化するという通常エンコーダ信号ではあり得ない状態を各記録ヘッド制御ICに入力してしまうことを防ぐことができる。
【0055】
なお、図7においては、S705でA相信号の遮断を解除し、S706でB相信号の遮断を解除しているが、A相信号とB相信号の各解除に時間差をもたせるのであれば、別の構成であっても良い。即ち、S705でB相信号の入力と出力のレベルが等しくないと判定された場合にB相信号の遮断を解除し、S706でB相信号の入力と出力のレベルが等しくないと判定された場合にA相信号の遮断を解除するようにしても良い。
【0056】
また、本実施例では、記録ヘッド制御ICが2個の場合について説明したが、記録ヘッドの色数の増加によって、記録ヘッド制御ICをn個(n:自然数)使用する場合においても同様の構成及び手順で対応することが可能である。
【0057】
〔実施例2〕
図9は、本実施例におけるインクジェット記録装置100の記録ヘッドの制御部周辺の構成を示す図である。図9は、実施例1を示す図4と比べて、ゲートIC410がない点と、記録ヘッド制御IC402と記録ヘッド制御IC405とが信号線901で接続されている点において異なる。記録ヘッド制御IC402、記録ヘッド制御IC405のエンコーダカウンタは、図面を簡潔にするために省いている。
【0058】
信号線901は、記録ヘッド制御IC402から記録ヘッド制御IC405に対して基準位置設定トリガを出力する。つまり、信号線901がアサート(有効に)されると、記録ヘッド制御IC402及び405内でキャリッジ303の基準位置が設定される。記録ヘッド制御IC402及び405の内部には、自身をマスタとして使用するか、スレーブとして使用するかの設定を行なうレジスタを備えている。CPU408によりマスタに設定された記録ヘッド制御ICは、スレーブに設定された記録ヘッド制御ICに対して、後述の方法により所定のタイミングで基準位置設定トリガを出力する。本実施例においては、記録ヘッド制御IC402がマスタに設定され、記録ヘッド制御IC405がスレーブに設定される。
【0059】
図10は、記録ヘッド制御IC402又は405内のエンコーダ信号を制御する部分のブロック図である。まず、マスタに設定される記録ヘッド制御IC402について説明する。エンコーダ周期計測部1001は、エンコーダ信号のA相信号の立ち上がりを検出し、エンコーダ信号の周期を計測する。エンコーダ周期計測部1001は、キャリッジ303の基準位置の設定時には、エンコーダ信号の周期を連続して複数周期(例えば10周期)計測する。本実施例において、エンコーダ周期計測部1001は、その連続した10周期の計測値の各結果が基準値から±10μ秒の範囲に入っていた場合には、キャリッジ303が一定速度で走査されていると判定する。エンコーダ周期計測部1001は、内部トリガ生成部1002にキャリッジ303の基準位置設定のタイミングを示す基準位置設定トリガを出力するが、同時に、その基準位置設定トリガを信号線901をアサート(有効)して出力する。内部トリガ生成部1002は、入力されたエンコーダ信号に基づいて、吐出データや印刷パルスの記録ヘッドへの転送を開始するタイミングトリガを生成して出力する。また、内部トリガ生成部1002は、エンコーダ周期計測部1001から基準位置設定トリガを入力する。
【0060】
次に、スレーブに設定される記録ヘッド制御IC405について説明する。エンコーダ周期計測部1001及び内部トリガ生成部1002の機能は、記録ヘッド制御IC402と同じである。しかしながら、記録ヘッド制御IC405においては、記録ヘッド制御IC402から信号線901を介して内部トリガ生成部1002に入力された基準位置設定トリガが有効とされる。つまり、記録ヘッド制御IC405においては、エンコーダ周期計測部1001から内部トリガ生成部1002に入力される基準位置設定トリガは無効とされる。
【0061】
このようにして、本実施例においては、信号線901によって、マスタとなる記録ヘッド制御ICから出力された基準位置設定トリガが他のスレーブとなる記録ヘッド制御ICに出力される。各記録ヘッド制御ICは、その基準位置設定トリガによって、各IC内部で保持されているエンコーダカウンタをリセットしてキャリッジ303の基準位置の設定を行う。
【0062】
図11は、本実施例における記録ヘッド制御IC402及び405に対するエンコーダカウンタリセットの処理の手順を示すフローチャートである。図11に示す各処理は、例えばCPU408によって実行される。まず、CPU408は、キャリッジ303をホームポジションに停止させる。S1101において、CPU408は、記録ヘッド制御IC402及び405を基準位置設定モードに変更する。この変更は、例えば、各記録ヘッド制御IC内部のレジスタ設定によって行われる。S1102において、CPU408は、記録ヘッド制御IC402をマスタに設定する。S1103において、CPU408は、記録ヘッド制御IC405をスレーブに設定する。
【0063】
S1104において、CPU408は、キャリッジ303をホームポジションから一定速度で移動させる。本実施例においては、後述するようにキャリッジ303を移動させながら基準位置の設定を行うので、キャリッジ303を停止させる必要がない。例えば、本例におけるリセット方法は、通常記録時においてキャリッジ303を遅い速度で走査させている場合等に用いることができる。
【0064】
S1105において、マスタに設定されている記録ヘッド制御IC402内のエンコーダ周期計測部1001は、エンコーダ信号の周期を例えば10周期連続で計測する。S1106において、記録ヘッド制御IC402のエンコーダ周期計測部1001は、エンコーダ信号の連続した10周期の各計測値が基準値と比較して±10μ秒の範囲に入っているか否かを判定する。S1106において、各計測値が±10μ秒の範囲に入っていなかったと判定された場合にはS1105に戻り、再度エンコーダ信号の周期を計測する。一方、S1106において、エンコーダ信号の連続した10周期の各計測値が±10μ秒の範囲に入っていたと判定された場合には、S1107に進む。
【0065】
S1107において、記録ヘッド制御IC402のエンコーダ周期計測部1001が信号線901をアサートして基準位置設定トリガを記録ヘッド制御IC405に出力する。このタイミングで、記録ヘッド制御IC402及び405に対して、キャリッジ303の基準位置の設定が行われる。S1108において、CPU408は、記録ヘッド制御IC402及び405の基準位置設定モードを解除する。
【0066】
キャリッジ303の基準位置の設定タイミングの決定方法について説明する。図8に示すように、エンコーダ信号のA相信号とB相信号のいずれのレベルも変化しないのは、例えば、A相信号の立ち上がりからエンコーダ信号の1/8周期分の時間経過したタイミングである。従って、計測した10周期分のうち最初の周期を基準のエンコーダ周期とする。そして、そのエンコーダ周期のA相信号の立ち上がりを検出した時間から、1/8周期分の時間経過したタイミングで、記録ヘッド制御IC402は、アサートした信号線901を介して基準位置設定トリガを記録ヘッド制御IC405に出力する。つまり、本実施例においては、エンコーダセンサから出力されるエンコーダ信号のうち、チャタリングを生じ得ない安定したタイミングを利用してキャリッジ303の基準位置の設定を行っている。これは、図8に示すA相信号に着目すると、エンコーダセンサがエンコーダフィルム上の光の透過領域と非透過領域との境界を含む所定の領域以外の部分を読み取ることに相当する。ここで、所定の領域とは、エンコーダフィルム上の透過領域と非透過領域との境界近傍のチャタリングを生じ得る領域を示す。
【0067】
本実施例では、記録ヘッド制御ICが2個の場合について説明したが、記録ヘッドの色数の増加によって、記録ヘッド制御ICをn個(n:自然数)使用する場合においても同様の構成及び手順で対応することが可能である。また、本実施例においては、A相信号の立ち上がりのタイミングを基準としてエンコーダ信号の周期の測定を行なっている。しかしながら、例えばA相信号の立ち下がりや、B相信号の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングを基準としてもよい。
【0068】
また、本実施例においては、エンコーダ信号の連続した10周期の各計測値が基準値から±10μ秒の範囲に入っていた場合に、キャリッジ303が一定速度で移動していると判定している。しかしながら、一定速度で移動していると判定するための計測回数や時間の範囲はそれ以外の値であってもよい。また、本実施例においては、計測した10周期のうち最初の周期をエンコーダ信号の基準周期としているが、2〜10周期目のいずれかの周期をエンコーダ信号の基準周期としてもよい。
【0069】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドの移動に伴い、第1のパルス信号と前記第1のパルス信号と位相が異なる第2のパルス信号を生成する生成手段と、
前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号のパルス数をカウントするカウント手段を各々有し、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号に基づいて前記記録ヘッドの駆動を制御する複数の制御手段と、
前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号を前記複数の制御手段へ供給する供給手段と、
前記カウント手段のカウント値を所定の値に設定する間、前記供給手段による前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号の供給を停止させる停止手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記停止手段は、
前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号を入力する入力手段と、
前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号を出力する出力手段と、
前記入力手段に入力される信号のレベルと前記出力手段から出力される信号のレベルとを比較する比較手段とを有し、
前記停止手段は、前記比較手段による比較結果に基づき、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号の供給の停止を解除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記停止手段は、前記比較結果に基づき、前記第1のパルス信号の停止の解除を行った後、所定時間が経過した後に、前記第2のパルス信号の停止の解除を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録ヘッドは複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子が第1の記録素子グループと第2の記録素子グループに割り当てられ、
前記複数の制御手段は、前記第1の記録素子グループに含まれる記録素子の駆動を制御する第1制御手段と、前記第2の記録素子グループに含まれる記録素子の駆動を制御する第2制御手段とを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記録ヘッドを移動させる移動手段と、
前記記録ヘッドの移動と停止を行うように前記移動手段を制御する移動制御手段と、をさらに備え、
前記移動制御手段は、前記記録ヘッドを停止させる処理を行った後、前記複数の制御手段に対して前記所定の値を設定するように指示する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記生成手段は、エンコーダセンサを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−60004(P2013−60004A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173282(P2012−173282)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】