説明

訪問地予測装置、及び、訪問地予測方法

【課題】移動端末の訪問地を正確に予測すること。
【解決手段】訪問地予測装置1は、移動端末の過去の移動経路を記憶する記憶部22と、移動端末の移動を検出するエリア検出部11と、移動端末の新規移動経路を検出する移動経路検出部12と、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する第1経路判定部13と、判定結果に基づいて移動端末の訪問地を予測する訪問地予測部16とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問地予測装置と、訪問地予測方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動端末の訪問地を予測し、訪問地に関する情報を配信するシステムが開発されている。特許文献1は、ユーザが過去に移動した経路を標準地域メッシュコードで表現し、当該経路を用いて次の訪問地を予測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−230514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、ユーザの行動は時間帯にも影響を受ける。例えば家から会社へ夜間や休日に行くことはない。しかし従来技術は時間を考慮した訪問地予測ができていない。
【0005】
そこで本発明の目的は、時間的な同一性を考慮することで、ユーザの訪問地をより正確に予測することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の訪問地予測装置は、移動端末の複数のエリア情報から成る過去の移動経路と該過去の移動経路の移動回数とを記憶する記憶装置と、移動端末の現在のエリア情報を所定の周期で検出するエリア検出手段と、前記エリア検出手段により検出されたエリア情報に基づいて移動端末の新規移動経路を検出する移動経路検出手段と、前記移動経路検出手段により検出された新規移動経路と前記記憶装置に記憶されている過去の移動経路とが対応しているか否かを、新規移動経路のエリア情報と過去の移動経路のエリア情報とに基づいて判定する第1経路判定手段と、前記第1経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路と前記記憶装置に記憶されている該過去の移動経路の移動回数とに基づき、移動端末が該過去の移動経路を通過中である経路通過確率を算出し、算出された経路通過確率に基づき、移動端末の現在のエリア以降の訪問エリアを予測する訪問地予測手段と、を備え、エリア情報は移動端末が通過するエリアと該エリアを通過する時刻とを共に含む、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の訪問地予測方法は、訪問地予測装置が、移動端末の複数のエリア情報から成る過去の移動経路と該過去の移動経路の移動回数とを記憶する記憶ステップと、訪問地予測装置が、移動端末の現在のエリア情報を所定の周期で検出するエリア検出ステップと、訪問地予測装置が、前記エリア検出ステップにおいて検出されたエリア情報に基づいて移動端末の新規移動経路を検出する移動経路検出ステップと、訪問地予測装置が、前記移動経路検出ステップにより検出された新規移動経路と前記記憶ステップにおいて記憶された過去の移動経路とが対応しているか否かを、新規移動経路のエリア情報と過去の移動経路のエリア情報とに基づいて判定する第1経路判定ステップと、訪問地予測装置が、前記第1経路判定ステップにおいて対応していると判定された過去の移動経路と前記記憶ステップにおいて記憶された該過去の移動経路の移動回数とに基づき、移動端末が該過去の移動経路を通過中である経路通過確率を算出し、算出された経路通過確率に基づき、移動端末の現在のエリア以降の訪問エリアを予測する訪問地予測ステップと、を含み、エリア情報は移動端末が通過するエリアと該エリアを通過する時刻とを共に含む、ことを特徴とする。
【0008】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、過去の移動経路の空間・時間・移動回数に基づいて訪問地を予測することで、訪問地を正確に予測することが可能となる。
【0009】
また、本発明の訪問地予測装置において、前記第1経路判定手段は、新規移動経路のエリア情報に含まれるエリアと過去の移動経路のエリア情報に含まれるエリアとに基づいて、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する第2経路判定手段と、新規移動経路のエリア情報に含まれる時刻と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報に含まれる時刻とに基づいて、新規移動経路と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する第3経路判定手段と、から構成されることが好ましい。
【0010】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を判定する際に、空間に基づく判定と時間に基づく判定とにわけることで、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0011】
また、本発明の訪問地予測装置において、前記第2経路判定手段は、新規移動経路のエリア情報に含まれる所定数のエリア全てが、過去の移動経路のエリア情報に含まれる1つ以上のエリアと重なるか否かで、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定することが好ましい。
【0012】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を空間に基づいて判定する際に、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0013】
また、本発明の訪問地予測装置において、前記第3経路判定手段は、前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報のうち、現在のエリア情報に含まれるエリアからの距離が短いエリアを含む該エリア情報を順に2つ選択し、選択した2つのエリア情報に含まれる2つの時刻間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定することが好ましい。
【0014】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を時間に基づいて判定する際に、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0015】
また、本発明の訪問地予測装置において、前記第3経路判定手段は、前記2つの時刻のうち早い方の時刻に所定の時間を差し引いた時刻と、遅い方の時刻に所定の他の時間を加えた時刻との間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定することが好ましい。
【0016】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を時間に基づいて判定する際に、電車の遅延や少し早めの出勤など通過時刻の多少の揺れを吸収することが可能となり、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0017】
また、本発明の訪問地予測装置において、前記訪問地予測手段は、前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数と、前記第3経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数とに基づいて前記経路通過確率を算出することが好ましい。
【0018】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、より正確に経路通過確率を算出することができる。よって、訪問地をより正確に予測することが可能となる。
【0019】
また、本発明の訪問地予測装置において、前記訪問地予測手段は、任意の複数のエリアを訪問候補エリアとして特定し、訪問候補エリアごとに、訪問候補エリアを通る前記第1経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路を抽出し、抽出した各過去の移動経路の経路通過確率を合算してエリア通過確率を算出し、エリア通過確率が最大の訪問候補エリアを訪問エリアとして予測することが好ましい。
【0020】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、過去の移動経路の到着エリア、広告やイベント情報が紐づけられたエリアおよび駅などの任意の複数のエリアを訪問候補エリアとすることができ、より利便性の高い訪問地を予測することが可能となる。
【0021】
また、本発明の訪問地予測装置において、前記訪問地予測手段は、前記第1経路判定手段により対応していると判定される過去の移動経路が存在しない場合には訪問エリアの予測を一旦停止し、停止した後に前記移動経路検出手段により新規移動経路を検出した結果、新たに対応していると判定される過去の移動経路が出現した時点で、訪問エリアの予測を再開することが好ましい。
【0022】
上記本発明によれば、訪問地予測装置は、過去に一度も訪れたことのない場所を移動中であっても、過去の移動経路と空間的に重複した時点で、訪問地予測を開始することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、訪問地やこれから通過するエリアについての好適な情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態に係る訪問地予測装置1の構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る訪問地予測装置1のハードウェア構成を示す図である。
【図3】実施形態に係る移動経路情報の一例を示す図である。
【図4】実施形態に係る過去の移動経路の一例を示す図である。
【図5】実施形態に係る訪問地予測装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施形態に係るエリア情報の一例を示す図である。
【図7】実施形態に係る新規移動経路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は、本実施形態の訪問地予測装置の構成を示すブロック図である。図1に示される通り、この訪問地予測装置1は、エリア検出部11(エリア検出手段)、移動経路検出部12(移動経路検出手段)、第1経路判定部13(第1経路判定手段)、第2経路判定部14(第2経路判定手段)、第3経路判定部15(第3経路判定手段)、訪問地予測部16(訪問地予測手段)、移動経路通過確率算出部17、エリア通過確率算出部18、サービス提供部19、表示部20、経路情報更新部21、記憶部22(記憶装置)、移動経路情報格納部23を含んで構成されている。
【0027】
訪問地予測装置1は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図2は、訪問地予測装置1のハードウェア構成図である。図1に示される訪問地予測装置1は、物理的には、図2に示すように、CPU51、主記憶装置であるRAM52及びROM53、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置54、ディスプレイ等の出力装置55、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール56、GPSなどの位置測定装置等の測位装置57、ハードディスク等の補助記憶装置58等を含むコンピュータシステムとして構成されている。図1に示す各機能ブロックの機能は、図2に示すCPU51、RAM52等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(例えば、図5に示すフローチャートの処理を実行するためのコンピュータプログラム)を読み込ませることにより、CPU51の制御のもとで入力装置54、出力装置55、通信モジュール56、測位装置57を動作させるとともに、RAM52や補助記憶装置58におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図1に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0028】
記憶部22は、移動経路情報格納部23から構成される。記憶部22に保持されるデータは、物理的にはRAM52等に保持される。記憶部22は、移動端末の複数のエリア情報から成る過去の移動経路と該過去の移動経路の移動回数とを記憶する。なお、エリア情報は移動端末が通過するエリアと該エリアを通過する時刻とを共に含む。
【0029】
図6に示すように、移動経路情報4には、過去に移動端末の移動した移動経路についての情報(移動経路情報)(ID41、出発エリア42、到着エリア43、通過エリア44、移動回数45)が移動経路毎に登録されている。ID41に登録されているデータは、過去に移動端末の移動した移動経路を特定するための識別情報(“R1”、“R2”等であり、以下、移動経路R1、移動経路R2等と称する)を表すデータである。出発エリア42に登録されているデータは、ID41に登録されている各移動経路の出発エリア(移動経路の始端(出発地点)を含むエリア)を示すエリア情報(緯度、経度及び測定誤差を含む。以下同様)である。到着エリア43に登録されているデータは、ID41に登録されている各移動経路の到着エリア(移動経路の終端(到着地点)を含むエリア)を示すエリア情報である。なお、移動経路情報4の出発エリア42、到着エリア43、通過エリア44の各エリア情報に、そのエリアを通過した時刻を含めてもよい。
【0030】
通過エリア44に登録されているデータは、ID41に登録されている各移動経路を移動中に移動端末の通過した通過エリア(出発エリア及び到着エリアを除く)を示すエリア情報である。移動回数45に登録されているデータは、ID41に登録されている各移動経路を移動端末が移動した回数を示すデータである。
【0031】
エリア検出部11は、移動端末の現在のエリア情報を所定の周期で検出する。エリア検出部11は、測位装置によって検出された位置信号(移動端末の現在の緯度及び経度を示すGPS信号等)に基づいて、移動端末が存在するエリア(例えば、移動端末の現在の緯度・経度を中心とし、一辺が測位誤差の2倍であるような正方形で表現)とその検出時刻とを所定の周期毎(例えば、5分毎や10分毎等)に検出する。図7を参照してエリア検出部11について具体的に説明すると、エリア検出部11は、例えば、新規にエリアE21、E3、E4、E11(移動端末が存在するエリア)を順次検出する。図7に示すエリアE5、E6、E7は、過去に検出されたエリアであって図6に示す移動経路情報4に既に登録されており、図7に示すエリアE21、E11は、過去に検出された出発エリアE2、到着エリアE1のそれぞれに対応している。
【0032】
移動経路検出部12は、エリア検出部11により検出されたエリア情報に基づいて移動端末の新規移動経路を検出する。移動経路検出部12は、エリア検出部11によって検出されたエリア(移動端末の存在するエリア)に基づいて、移動端末が移動している移動経路を検出する。図7を参照して移動経路検出部12について具体的に説明すると、移動経路検出部12は、エリア検出部11によって新規に検出されたエリアE21、E3、E4、E11に基づいて、移動端末が移動している新規移動経路R11を検出する。ここで、移動経路検出部12は、次のようにして移動端末が滞在中であるか移動中であるかを検出する。エリア検出部11が第1のエリア、第2のエリアを順次検出した場合、第1及び第2のエリアが重なっており、第1及び第2のエリアによって共有される共通領域があり、以降、エリア検出部11が順次検出した第1・・第nのエリア(nは所定の自然数)に対し、上記のように共通領域がある場合に、エリア検出部11は、移動端末が滞在中であることを検出し、そうでない場合に、移動端末が移動中であることを検出する。
【0033】
第1経路判定部13は、移動経路検出部12により検出された新規移動経路と記憶部22に記憶されている過去の移動経路とが対応しているか否かを、新規移動経路のエリア情報と過去の移動経路のエリア情報とに基づいて判定する。第1経路判定部13は、第2経路判定部14と第3経路判定部15とから構成される。第1経路判定部13の判定は、後述の第2経路判定部14の判定に基づいてもよい。また、第1経路判定部13の判定は、後述の第3経路判定部15の判定に基づいてもよい。また、第1経路判定部13の判定は、後述の第2経路判定部14の判定と後述の第3経路判定部15との判定とに基づいてもよい。
【0034】
第2経路判定部14は、新規移動経路のエリア情報に含まれるエリアと過去の移動経路のエリア情報に含まれるエリアとに基づいて、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する。第2経路判定部14は、新規移動経路のエリア情報に含まれる所定数のエリア全てが、過去の移動経路のエリア情報に含まれる1つ以上のエリアと重なるか否かで、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定してもよい。第2経路判定部14は、移動経路情報4に登録されている過去の移動経路に、移動経路検出部12によって検出された新規の(現在の)移動経路が対応しているか否かを、移動経路情報4に基づいて判定してもよい。図6及び図7を参照して具体的に説明すると、第2経路判定部14は、移動経路検出部12によって検出された新規移動経路R11が、移動経路情報4に登録されている過去の移動経路に対応しているか否かを判定する。
【0035】
ここで、第2経路判定部14について詳細に説明する。第2経路判定部14は、エリア検出部11によって検出され移動端末が新規移動経路を移動中に通過した通過エリアと、この通過エリアから距離的に最も近い位置にあり移動経路情報4に登録されている過去の一の移動経路に含まれている所定数N2(例えば2とする)の通過エリアとが重なる共通領域の有無を、新規移動経路の通過エリア毎に通過順に判定する。そして、第2経路判定部14は、新規移動経路の複数の通過エリアのうち所定数N3(例えば2とする)以上の通過エリアにおいて上記のような共通領域がないと連続して判定した場合を除き、移動経路情報4に登録されているこの過去の一の移動経路に新規移動経路が対応していると判定する。
【0036】
図6及び図7を参照して具体的に説明する。第2経路判定部14は、エリア検出部11によって検出され移動端末が新規移動経路R11を移動中に通過した通過エリア(エリアE3)と、エリアE3から距離的に最も近い位置にあり移動経路情報4に登録されている過去の一の移動経路R1に含まれている所定数N2(=2)の通過エリア(エリアE5、E6がエリアE3から距離的に最も近い位置にある)を含む(詳細には、エリアE5と、エリアE6とを含む)最小の矩形領域MBR1とが重なる共通領域の有無、及び、エリア検出部11によって検出され移動端末が新規移動経路R11を移動中に通過した通過エリア(エリアE4)と、エリアE4から距離的に最も近い位置にあり移動経路情報4に登録されている過去の一の移動経路R1に含まれている所定数N2(=2)の通過エリア(エリアE6、E7がエリアE4から距離的に最も近い位置にある)を含む(詳細には、エリアE6と、エリアE7とを含む)最小の矩形領域MBR2とが重なる共通領域の有無を、エリアE3、E4のそれぞれに対して判定する。エリアE3はMBR1に含まれており、エリアE4はMBR2に重なる共通領域を有しているので、第2経路判定部14は、エリアE3、E4の全てが共通領域を有すると判定する。よって、第2経路判定部14は、新規移動経路R11が、エリアE5、E6、E7を含む過去の一の移動経路R1に対応していると判定する。
【0037】
なお、移動経路情報4に登録されている過去の移動経路に対応していると第2経路判定部14によって判定された新規移動経路の出発エリアは、この過去の移動経路の出発エリア又は到着エリアに対応している。以下、二つのエリアが対応しているとは、二つのエリアが重なっており、二つのエリアによって共有される共通領域がある場合を意味する。図7を参照して具体的に説明すると、新規移動経路R11の出発エリア(エリアE21)は、過去の移動経路R1の出発エリア(エリアE2“自宅”(図7))に対応しているので、第2経路判定部14は、移動経路情報4に登録されている過去の複数の移動経路のうち、新規移動経路R11の出発エリア(エリアE21)に対応している出発エリア(エリアE2“自宅”(図7))を含む過去の移動経路R1を特定する。そして、第2経路判定部14は、最初に通過したエリアE3と、移動経路R1の通過エリア(エリアE5、E6)を含むMBR1とが重なっている共通領域があると判定し、よって、この過去の移動経路R1上を移動端末が移動中であると判定する。次に、第2経路判定部14は、エリアE3を通過した後に最初に通過したエリアE4と、移動経路R1の通過エリア(エリアE6、E7)を含むMBR2とが重なっている共通領域があると判定し、よって、エリアE4を通過する直前に通過したエリアE3において移動端末が移動中であると判定された移動経路R1上を、エリアE4の通過時においても移動中であると判定する。
【0038】
経路情報更新部21は、移動端末が移動中から滞在中になったと第2経路判定部14によって判定されると、新規移動経路と移動経路情報4に登録されている過去の移動経路とが対応していると第2経路判定部14によって判定された場合には、この新規移動経路を表すエリア情報(新規移動経路の出発エリア、到着エリア及び通過エリアを示す各エリア情報を含む)を、この移動経路情報4に登録されている過去の移動経路を示すエリア情報に追加すると共に、この移動経路情報に含まれている移動回数を、1だけ増加して更新する。経路情報更新部21は、新規移動経路と移動経路情報4に登録されている過去の移動経路とが対応していないと第2経路判定部14によって判定された場合には、この新規移動経路を表すエリア情報(新規移動経路の出発エリア、到着エリア及び通過エリアを示す各エリア情報を含む)を新規の移動経路情報として移動経路情報4に登録する。
【0039】
図7を参照して、経路情報更新部21について具体的に説明する。経路情報更新部21は、新規移動経路R11と過去の移動経路R1とが対応していると第2経路判定部14によって判定された後、移動端末が移動中から滞在中になったと第2経路判定部14によって判定されると、この新規移動経路R11を表すエリア情報(新規移動経路R11の出発エリア、通過エリア及び通過エリアを示す各エリア情報を含む)を、移動経路情報4のうち移動経路R1を示すエリア情報に追加する。
【0040】
なお、経路情報更新部21は、エリア検出部11によって検出されたエリアE8、E9に基づいて移動経路検出部12が新規移動経路R12を検出した場合、新規移動経路R12と移動経路情報4に登録されている過去の移動経路とが対応していないと第2経路判定部14によって判定された場合、この新規移動経路R12を表す情報(新規移動経路R12の出発エリア、到着エリア及び通過エリアを示す各エリア情報を含む)を新規の移動経路情報として移動経路情報4に登録する。例えば、第2経路判定部14は、新規移動経路R12上のエリアE8と、エリアE8から距離的に最も近い位置にある移動経路R1の所定数N2(=2)の通過エリアを含む最小の矩形領域(例えばMBR1)とが重なる共通領域が無く、更に、新規移動経路R12上のエリアE9と、エリアE9から距離的に最も近い位置にある移動経路R1の所定数N2の通過エリアを含む最小の矩形領域(例えばMBR1)とが重なる共通領域が無く、よって、新規移動経路R12の複数の通過エリア(エリアE8、E9)のうち所定数N3(=2)以上の通過エリアにおいて、共通領域が無いと判定するので、新規移動経路R12と移動経路情報4に登録されている過去の移動経路R1とが対応していないと判定する。
【0041】
なお、経路情報更新部21は、移動経路を格納する際に、移動経路を通過する毎に、移動経路ID、通過番号(何回目の通過か?)、通過エリアとその通過日時を移動経路情報として格納してもよい。図3に例を示す。
【0042】
第2経路判定部14は、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する際に、現在の位置pnと同じ場所を通過した過去の移動経路riとその通過回数fi(1≦i≦I)を特定してもよい。具体的には、第2経路判定部14は、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する際に、現在を含めた過去N個の位置{pn-N+1、…、pn}と部分的にでも重複する過去の移動経路riとその通過回数fiを特定する。
【0043】
第3経路判定部15は、新規移動経路のエリア情報に含まれる時刻と前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報に含まれる時刻とに基づいて、新規移動経路と前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する。第3経路判定部15は、第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報のうち、現在のエリア情報に含まれるエリアからの距離が短いエリアを含む該エリア情報を順に2つ選択し、選択した2つのエリア情報に含まれる2つの時刻間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定してもよい。第3経路判定部15は、2つの時刻のうち早い方の時刻に所定の時間を差し引いた時刻と、遅い方の時刻に所定の他の時間を加えた時刻との間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定してもよい。
【0044】
第3経路判定部15では、第2経路判定部14で特定した過去の移動経路情報(ri、fi)(1≦i≦I)について、現在の位置情報(pn、tn)と同じ曜日・時間帯に同じ場所を通過した回数f’iを特定する。具体的には、まずriについて、当該経路をm回目(1≦m≦fi)に通過した際に取得した位置{i_mp1、…、i_mpK}を抽出する。次に、pnと重複するエリアを構成する位置情報の組:(i_mpk1i_mtk1)、(i_mpk2i_mtk2)を特定する。そして、曜日(平日、休日)が同一でi_mtk1-T≦tni_mtk2+Tを満たす場合に時間的に対応していると判定する。ここでT(分)は通過時刻の多少の揺れ(電車の遅延や、少し早めの出勤など)を吸収するための定数である。なお、tnの満たす条件をi_mtk1-T1≦tni_mtk2+T2としてもよい。ここでT1とT2は等しくない。つまり誤差吸収のためのTの振れ幅を非対称にしてもよい。
【0045】
第3経路判定部15の例を図4に示す。r1の通過回数f1は2回とし、簡単のため、2回とも現在と同じ曜日に通過したものとし、T=0とする。1回目のr1通過時に取得した位置は{1_1p11_1p31_1p5}であり、現在の位置情報(p1、9:01)と重複するエリアを構成する位置情報が(1_1p1、9:00)、(1_1p3、9:05)であることから、9:00≦9:01≦9:05を満たすため、時間的に対応していると判定する。次に、2回目のr1通過時に取得した位置は{1_2p11_2p21_2p41_2p5}であり、(p1、9:01)と重複するエリアを構成する位置情報が(1_2p2、21:05)、(1_2p1、21:10)であることから、21:05≦9:01≦21:10を満たさないため、時間的に対応していないと判定する。その結果、時間的に対応している通過回数f’1は1回となる。
【0046】
訪問地予測部16は、第1経路判定部13により対応していると判定された過去の移動経路と記憶部22に記憶されている該過去の移動経路の移動回数とに基づき、移動端末が該過去の移動経路を通過中である経路通過確率を算出し、算出された経路通過確率に基づき、移動端末の現在のエリア以降の訪問エリアを予測する。訪問地予測部16は、第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数と、第3経路判定部15により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数とに基づいて経路通過確率を算出してもよい。訪問地予測部16は、任意の複数のエリアを訪問候補エリアとして特定し、訪問候補エリアごとに、訪問候補エリアを通る第1経路判定部13により対応していると判定された過去の移動経路を抽出し、抽出した各過去の移動経路の経路通過確率を合算してエリア通過確率を算出し、エリア通過確率が最大の訪問候補エリアを訪問エリアとして予測してもよい。訪問地予測部16は、第1経路判定部13により対応していると判定される過去の移動経路が存在しない場合には訪問エリアの予測を一旦停止し、停止した後に移動経路検出部12により新規移動経路を検出した結果、新たに対応していると判定される過去の移動経路が出現した時点で、訪問エリアの予測を再開してもよい。
【0047】
訪問地予測部16は、移動経路通過確率算出部17とエリア通過確率算出部18とから構成される。
【0048】
移動経路通過確率算出部17は、過去の各移動経路rpについて、pnとの空間的・時間的な同一性に基づいてrpを通過中である確率を算出する。その際、前述したGPS測位精度の低下により、過去の移動経路を通過中であるにもかかわらず、一時的に当該経路と空間的に重複しなくなる場合がある。そのため、現在の位置情報のみを利用して経路通過確率を算出すると一時的に誤った予測を行ってしまう。そこで本特許では、現在を含めた過去N個の位置{pn-N+1、…、pn}について、第2経路判定部14において空間的に対応していると判定した移動経路riの通過回数fi(n)と、第3経路判定部15において時間的に対応していると判定したf’i(n)から、式(1)によりriの経路通過確率を算出する。ここで、Iは第2経路判定部14において空間的に対応していると判定された移動経路数、αは重み係数を示す。なお、第2経路判定部14において、空間的に対応していると判定された移動経路数Iが0となった場合には、再度空間的に対応する過去の移動経路が出現した時点で、N=1として訪問地予測処理を再開する。
【数1】

【0049】
なお、αは0≦α≦1を満たす。α=0の場合は、空間的には一致するが時間的には一致しない過去の経路のみを利用することになる。つまり、この場所を今回と異なる時間帯で過去に通った際に、その後訪れた場所を予測結果とする。一方、α=1の場合は、空間的・時間的に一致する過去の経路のみを利用することになる。つまり、この場所を今回と同じ時間帯で過去に通った際に、その後訪れた場所を予測結果とする。このように時間的には一致しないが空間的には一致した移動経路の通過回数fも予測結果に反映させることで、たまたま過去の経路が空間的・時間的に一致した場合を排除することができる。
【0050】
エリア通過確率算出部18は、エリア通過確率の算出対象となるエリアpiについて、当該エリアを今後通過する移動経路群を特定し、当該移動経路群の経路通過確率の総和を当該エリアのエリア通過確率とする。具体的には、まず、エリア通過確率の算出対象となるエリアを抽出する。これは、各移動経路の到着エリアや、広告やイベント情報が紐づけられたエリア、駅などとするのが好適である。次に、移動経路通過確率算出部17において、経路通過確率が0より大きいと算出された移動経路ri(1≦i≦I)のうち、上記エリアと空間的に重複する経路r0i’(1≦i'≦I’)を特定する。その上で以下の式(2)により、エリアpiのエリア通過確率を算出する。
【数2】

【0051】
サービス提供部19では、各エリアのエリア通過確率に基づいて、これらのエリアに関するイベント情報などを配信する。エリア通過確率が高いほど当該エリアに関するイベント情報を多く配信したり、上位に表示したりするなど、優先的に情報を配信することが好適である。
【0052】
表示部20は、サービス提供部19により出力されたサービス内容を出力装置55などによりユーザに表示する。
【0053】
次に訪問地予測装置1の動作を図5を用いて説明する。まず、現在のエリアを検出する(S1)。具体的には、エリア検出部11により、現在のエリア情報を取得する。続いて、現在の移動経路を検出する(S2)。具体的には、これまで取得したエリア情報と今回取得したエリア情報から、移動経路検出部12が移動経路を検出する。続いて、空間的同一経路判定を行う(S3)。具体的には、第2経路判定部14が、過去の移動経路履歴を参照し、現在の移動経路と空間的に重複する経路を特定する。続いて、時間的同一経路判定を行う(S4)。具体的には、第2経路判定部14で対応していると判定された過去の移動経路に対して、第3経路判定部15が、現在の移動経路と時間的に対応している経路と、その通過回数を取得する。
【0054】
続いて、過去の移動経路の経路通過確率を算出する(S5)。具体的には、移動経路通過確率算出部17が、第2経路判定部14によって空間的に対応していると判定された過去の移動経路とその通過回数、及び、第3経路判定部15によって空間的、時間的に対応していると判定された過去の移動経路とその通過回数を取得する。そして、前記の式(1)により、各移動経路の経路通過確率を算出する。
【0055】
続いて、特定のエリアpiのエリア通過確率を算出する(S6)。具体的には、エリア通過確率算出部18が、エリア通過確率を算出する対象のエリアpiを取得する。そして、移動経路通過確率算出部17で経路通過確率が0より大きいと判定された移動経路について、前記エリアpiと空間的に重複する経路を特定し、前記の式(2)により、各エリアのエリア通過確率を算出する。
【0056】
続いて、適切なサービスを提供する(S7)。具体的には、エリア通過確率算出部18で算出された、各エリアとそのエリア通過確率に基づいて、サービス提供部19がこれから通過するエリアと訪問エリアを特定し、そのエリアに関連する情報を配信する。
【0057】
最後に、ユーザが特定のエリアに滞在した時点で、移動経路情報を更新する(S8)。具体的には、経路情報更新部21が、今回新たに取得した移動経路と空間的に対応していると判定された過去の移動経路に対して、今回新たに取得した位置情報を用いて移動経路を更新する。
【0058】
次に、このように構成された訪問地予測装置1の作用効果について説明する。
【0059】
本実施形態の訪問地予測装置1は、移動端末の複数のエリア情報から成る過去の移動経路と該過去の移動経路の移動回数とを記憶する記憶部22と、移動端末の現在のエリア情報を所定の周期で検出するエリア検出部11と、前記エリア検出部11により検出されたエリア情報に基づいて移動端末の新規移動経路を検出する移動経路検出部12と、前記移動経路検出部12により検出された新規移動経路と前記記憶部22に記憶されている過去の移動経路とが対応しているか否かを、新規移動経路のエリア情報と過去の移動経路のエリア情報とに基づいて判定する第1経路判定部13と、前記第1経路判定部13により対応していると判定された過去の移動経路と前記記憶部22に記憶されている該過去の移動経路の移動回数とに基づき、移動端末が該過去の移動経路を通過中である経路通過確率を算出し、算出された経路通過確率に基づき、移動端末の現在のエリア以降の訪問エリアを予測する訪問地予測部16と、を備え、エリア情報は移動端末が通過するエリアと該エリアを通過する時刻とを共に含む、ことを特徴とする。
【0060】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置は、過去の移動経路の空間・時間・移動回数に基づいて訪問地を予測することで、訪問地を正確に予測することが可能となる。また、訪問地に関するイベント情報やそこへ行くために利用する電車の遅延情報を適切に提供することができる。
【0061】
また、本実施形態の訪問地予測装置1において、前記第1経路判定部13は、新規移動経路のエリア情報に含まれるエリアと過去の移動経路のエリア情報に含まれるエリアとに基づいて、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する第2経路判定部14と、新規移動経路のエリア情報に含まれる時刻と前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報に含まれる時刻とに基づいて、新規移動経路と前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する第3経路判定部15と、から構成されることが好ましい。
【0062】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を判定する際に、空間に基づく判定と時間に基づく判定とにわけることで、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態の訪問地予測装置1において、前記第2経路判定部14は、新規移動経路のエリア情報に含まれる所定数のエリア全てが、過去の移動経路のエリア情報に含まれる1つ以上のエリアと重なるか否かで、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定することが好ましい。
【0064】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を空間に基づいて判定する際に、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の訪問地予測装置1において、前記第3経路判定部15は、前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報のうち、現在のエリア情報に含まれるエリアからの距離が短いエリアを含む該エリア情報を順に2つ選択し、選択した2つのエリア情報に含まれる2つの時刻間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定することが好ましい。
【0066】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を時間に基づいて判定する際に、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態の訪問地予測装置1において、前記第3経路判定部15は、前記2つの時刻のうち早い方の時刻に所定の時間を差し引いた時刻と、遅い方の時刻に所定の他の時間を加えた時刻との間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定することが好ましい。
【0068】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置は、訪問地を予測する上で用いる過去の移動経路を時間に基づいて判定する際に、電車の遅延や少し早めの出勤など通過時刻の多少の揺れを吸収することが可能となり、より効率的で正確に過去の移動経路を判定することができる。よって、訪問地をより効率的で正確に予測することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態の訪問地予測装置1において、前記訪問地予測部16は、前記第2経路判定部14により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数と、前記第3経路判定部15により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数とに基づいて前記経路通過確率を算出することが好ましい。
【0070】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置は、より正確に経路通過確率を算出することができる。よって、訪問地をより正確に予測することが可能となる。また、GPSの測位誤差により、過去の移動経路上を移動中にもかかわらず、一時的に当該移動経路と空間的に重複しない場合でも、直前までの経路通過確率を引き継ぐことで、訪問地を正確に推定することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態の訪問地予測装置1において、前記訪問地予測部16は、任意の複数のエリアを訪問候補エリアとして特定し、訪問候補エリアごとに、訪問候補エリアを通る前記第1経路判定部13により対応していると判定された過去の移動経路を抽出し、抽出した各過去の移動経路の経路通過確率を合算してエリア通過確率を算出し、エリア通過確率が最大の訪問候補エリアを訪問エリアとして予測することが好ましい。
【0072】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置は、過去の移動経路の到着エリア、広告やイベント情報が紐づけられたエリアおよび駅などの任意の複数のエリアを訪問候補エリアとすることができ、より利便性の高い訪問地を予測することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態の訪問地予測装置1において、前記訪問地予測部16は、前記第1経路判定部13により対応していると判定される過去の移動経路が存在しない場合には訪問エリアの予測を一旦停止し、停止した後に前記移動経路検出部12により新規移動経路を検出した結果、新たに対応していると判定される過去の移動経路が出現した時点で、訪問エリアの予測を再開することが好ましい。
【0074】
上記本実施形態によれば、訪問地予測装置1は、過去に一度も訪れたことのない場所を移動中であっても、過去の移動経路と空間的に重複した時点で、訪問地予測を開始することが可能となる。
【符号の説明】
【0075】
1…訪問地予測装置、11…エリア検出部、12…移動経路検出部、13…第1経路判定部、14…第2経路判定部、15…第3経路判定部、16…訪問地予測部、17…移動経路通過確率算出部、18…エリア通過確率算出部、19…サービス提供部、20…表示部、21…経路情報更新部、22…記憶部、23…移動経路情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末の複数のエリア情報から成る過去の移動経路と該過去の移動経路の移動回数とを記憶する記憶装置と、
移動端末の現在のエリア情報を所定の周期で検出するエリア検出手段と、
前記エリア検出手段により検出されたエリア情報に基づいて移動端末の新規移動経路を検出する移動経路検出手段と、
前記移動経路検出手段により検出された新規移動経路と前記記憶装置に記憶されている過去の移動経路とが対応しているか否かを、新規移動経路のエリア情報と過去の移動経路のエリア情報とに基づいて判定する第1経路判定手段と、
前記第1経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路と前記記憶装置に記憶されている該過去の移動経路の移動回数とに基づき、移動端末が該過去の移動経路を通過中である経路通過確率を算出し、算出された経路通過確率に基づき、移動端末の現在のエリア以降の訪問エリアを予測する訪問地予測手段と、
を備え、
エリア情報は移動端末が通過するエリアと該エリアを通過する時刻とを共に含む、
ことを特徴とする訪問地予測装置。
【請求項2】
前記第1経路判定手段は、
新規移動経路のエリア情報に含まれるエリアと過去の移動経路のエリア情報に含まれるエリアとに基づいて、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する第2経路判定手段と、
新規移動経路のエリア情報に含まれる時刻と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報に含まれる時刻とに基づいて、新規移動経路と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する第3経路判定手段と、
から構成されることを特徴とする請求項1に記載の訪問地予測装置。
【請求項3】
前記第2経路判定手段は、新規移動経路のエリア情報に含まれる所定数のエリア全てが、過去の移動経路のエリア情報に含まれる1つ以上のエリアと重なるか否かで、新規移動経路と過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の訪問地予測装置。
【請求項4】
前記第3経路判定手段は、前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路のエリア情報のうち、現在のエリア情報に含まれるエリアからの距離が短いエリアを含む該エリア情報を順に2つ選択し、選択した2つのエリア情報に含まれる2つの時刻間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の訪問地予測装置。
【請求項5】
前記第3経路判定手段は、前記2つの時刻のうち早い方の時刻に所定の時間を差し引いた時刻と、遅い方の時刻に所定の他の時間を加えた時刻との間に現在のエリア情報に含まれる時刻があるか否かで、新規移動経路と前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路とが対応しているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の訪問地予測装置。
【請求項6】
前記訪問地予測手段は、前記第2経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数と、前記第3経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路の移動回数とに基づいて前記経路通過確率を算出する、
ことを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の訪問地予測装置。
【請求項7】
前記訪問地予測手段は、任意の複数のエリアを訪問候補エリアとして特定し、
訪問候補エリアごとに、訪問候補エリアを通る前記第1経路判定手段により対応していると判定された過去の移動経路を抽出し、抽出した各過去の移動経路の経路通過確率を合算してエリア通過確率を算出し、
エリア通過確率が最大の訪問候補エリアを訪問エリアとして予測する、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の訪問地予測装置。
【請求項8】
前記訪問地予測手段は、前記第1経路判定手段により対応していると判定される過去の移動経路が存在しない場合には訪問エリアの予測を一旦停止し、停止した後に前記移動経路検出手段により新規移動経路を検出した結果、新たに対応していると判定される過去の移動経路が出現した時点で、訪問エリアの予測を再開する、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の訪問地予測装置。
【請求項9】
訪問地予測方法であって、訪問地予測装置が、移動端末の複数のエリア情報から成る過去の移動経路と該過去の移動経路の移動回数とを記憶する記憶ステップと、
訪問地予測装置が、移動端末の現在のエリア情報を所定の周期で検出するエリア検出ステップと、
訪問地予測装置が、前記エリア検出ステップにおいて検出されたエリア情報に基づいて移動端末の新規移動経路を検出する移動経路検出ステップと、
訪問地予測装置が、前記移動経路検出ステップにより検出された新規移動経路と前記記憶ステップにおいて記憶された過去の移動経路とが対応しているか否かを、新規移動経路のエリア情報と過去の移動経路のエリア情報とに基づいて判定する第1経路判定ステップと、
訪問地予測装置が、前記第1経路判定ステップにおいて対応していると判定された過去の移動経路と前記記憶ステップにおいて記憶された該過去の移動経路の移動回数とに基づき、移動端末が該過去の移動経路を通過中である経路通過確率を算出し、算出された経路通過確率に基づき、移動端末の現在のエリア以降の訪問エリアを予測する訪問地予測ステップと、
を含み、
エリア情報は移動端末が通過するエリアと該エリアを通過する時刻とを共に含む、
ことを特徴とする訪問地予測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−164070(P2011−164070A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30414(P2010−30414)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】