説明

設定支援システム

【課題】装置に設定値を設定するユーザの作業負荷を低減する。
【解決手段】装置の動作を制御するための設定値の設定対象先となる設定対象装置に代えて、設定値の情報を代理受信させる装置を決定する決定部425と、決定部で決定された装置に設定値の情報を送信する送信部426と、を有する情報処理装置40と、情報処理装置40が送信した設定値の情報を設定対象装置に代わって受信する受信部236と、受信部236が受信した設定値の情報を記憶する記憶部28と、設定対象装置からの取得要求に従って記憶部28が記憶する設定値の情報を送信する送信部235と、を有する代理受信装置20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)等の通信手段にスキャナ等の画像読取装置、プリンタ・コピー機等の画像形成装置等が接続された画像形成システムにおいて、各装置の動作条件を定める設定値は、各装置が有する操作パネルを用いて管理者等が設定したり、各装置と接続されたコンピュータ等の情報処理装置を用いて設定する。
【0003】
特許文献1では、ネットワーク上に接続された機器の設定値の情報をホストコンピュータから一括送信し、機器の設定値を一括で設定している。
特許文献2では、ホストコンピュータが記憶している設定情報を、スキャナが取得する。
特許文献3では、他の機器から設定情報を取得し、設定情報の内容に基づいて、設定を有効にするタイミングを変更する。
特許文献4では、スキャナが予め複数のスキャン情報ファイルを記憶しておき、ホストコンピュータからの指示によってスキャン情報を選択する。
特許文献5では、クライアント端末がスキャン条件情報を送信し、オペレータがスキャナの操作部でスキャン条件情報を選択している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−197935号公報
【特許文献2】特開2006−203283号公報
【特許文献3】特開2006−164025号公報
【特許文献4】特開平9−284448号公報
【特許文献5】特開平9−204515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、装置に設定値の情報を設定するユーザの作業負荷を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の設定支援システムは、装置の動作を制御するための設定値の設定対象先となる設定対象装置に代えて、前記設定値の情報を代理受信させる装置を決定する決定部と、前記決定部で決定された装置に前記設定値の情報を送信する送信部と、を有する情報処理装置と、前記情報処理装置が送信した設定値の情報を前記設定対象装置に代わって受信する受信部と、前記受信部が受信した設定値の情報を記憶する記憶部と、前記設定対象装置からの取得要求に従って前記記憶部が記憶する設定値の情報を送信する送信部と、を有する代理受信装置と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の設定支援システムは、請求項1に記載の設定支援システムにおいて、前記決定部は、前記設定対象装置との接続履歴に基づいて、代理受信させる装置を決定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の設定支援システムは、請求項1または2に記載の設定支援システムにおいて、前記決定部は、前記代理受信装置の稼動履歴に基づいて、代理受信させる装置を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の設定支援システム。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、装置に設定値を設定するユーザの作業負荷が低減される。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、情報処理装置が送信した設定値の情報を、設定対象装置が取得する確実性が高まる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、情報処理装置が送信した設定値の情報を、設定対象装置が取得する確実性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明が適用されるスキャナプリンタシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】ホストコンピュータ、スキャナおよびプリンタそれぞれのシステム構成の一例を示す図である。
【図3】接続プリンタ履歴情報の一例を示す図である。
【図4】スキャナ接続履歴情報の一例を示す図である。
【図5】起動履歴情報の一例を示す図である。
【図6】設定情報一時記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
【図7】ホストコンピュータ、スキャナおよびプリンタそれぞれのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図8】ホストコンピュータ、スキャナおよびプリンタの有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】ホストコンピュータが、設定値の情報をスキャナに送信する際に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】ホストコンピュータからの信号を受信したプリンタが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】設定情報を受信できる状態になったスキャナが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】スキャナからの信号を受信したプリンタが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明が適用されるスキャナプリンタシステムの構成の一例を示した図である。
スキャナプリンタシステム100は、スキャナ10(設定対象装置)、プリンタ20−A、プリンタ20−B、プリンタ20−C、ルータ30、ホストコンピュータ40(情報処理装置)および通信手段50を備える。プリンタ20−A〜プリンタ20−Cは、いずれもが代理受信装置となりうる。尚、このスキャナプリンタシステム100は、印刷機能、スキャン機能、複写機能、ファクシミリ機能(以下、単にFAXという)等を有する画像形成装置(いわゆる複合機)によって構築されても良いが、システム構築費用抑制の観点からスキャナプリンタシステム100の方が望ましい。
【0014】
通信手段50は、通信手段50に接続された装置同士の通信を可能にするものであり、通信手段50としては、例えばLAN等が挙げられる。LANの構築は無線でもよいし有線でも良い。
また、ルータ30は、スキャナ10およびプリンタ20−Cが接続されているネットワークと、プリンタ20−A、プリンタ20−Bおよびホストコンピュータ40が接続されているネットワークとを接続する装置である。
【0015】
スキャナ10は、通信手段50を介して、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cと、ホストコンピュータ40と接続される。また、スキャナ10は、プリンタ20−AのようにLAN等を介さずに、他の装置とローカル接続することもできる。
スキャナ10は、ホストコンピュータ40からの命令、または、操作部が受付けたユーザからの指示に従って、プラテンガラス上に置かれた原稿、あるいはプラテンガラス上を搬送される原稿からスキャン動作によって図形や写真または文字などを読み取って、デジタルデータ(画像データ)に変換する画像読取装置である。スキャナ10は、読み取った画像データを、ホストコンピュータ40またはプリンタ20−A〜プリンタ20−Cへ送信する。
【0016】
プリンタ20−A〜プリンタ20−Cは、受信した画像データに基づいた画像を紙・OHP等の記録媒体に形成する画像形成装置である。プリンタ20−A〜プリンタ20−Cは、スキャナ10やホストコンピュータ40から画像データを受信すると、かかる画像データ内のページ記述言語を解釈して画像形成処理を実行する。また、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cは、スキャナ10と連携し、スキャナ10で読み取られた画像データを出力することで、コピー機能を実現することができる。
以後、特に区別する必要のない限りプリンタ20−A〜プリンタ20−Cをプリンタ20と記載する。
【0017】
ホストコンピュータ40は、ユーザが扱うパーソナルコンピュータ等であり、ユーザは、このホストコンピュータ40上からホストコンピュータ40内に登録されているファイル(画像形成対象データ)を選択し、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cに対して画像形成の依頼を行う。ホストコンピュータ40は、ユーザから画像形成の依頼を受付けると、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cのいずれかに、画像形成を要求する信号を送信する。
また、ユーザは、ホストコンピュータ40上から、スキャナ10に対して、スキャナ10のプラテンガラス上に置かれた原稿の読取依頼を行う。ホストコンピュータ40は、ユーザから原稿の読取依頼を受付けると、スキャナ10に、原稿の読取を要求する信号を送信する。
さらに、ユーザは、ホストコンピュータ40上で、スキャナ10、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cの動作を制御する設定項目毎に設定値を定めた設定情報を予め作成する。ホストコンピュータ40は、ユーザから受付けた設定情報を、通信手段50を介して、スキャナ10、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cへ送信する。
【0018】
次に、図2を参照して、スキャナ10、プリンタ20およびホストコンピュータ40それぞれのシステム構成の一例について説明する。
【0019】
まず、ホストコンピュータ40のシステム構成の一例について説明する。
ホストコンピュータ40は、入出力装置41と、制御部42と、入出力部43と、を備える。
【0020】
入出力装置41は、制御部42と接続する。入出力装置41は、ユーザからの入力を受付け、入力に基づいた命令を制御部42に出力する。また、入出力装置41は、制御部42が実行した処理結果を表示する。入出力装置41としては、キーボード、マウス、ジョイスティック、ディスプレイ等が挙げられる。
入出力装置41は、ユーザから原稿の読取依頼を受付けると、制御部42に原稿の読取要求を出力する。入出力装置41は、ユーザから画像形成の依頼を受付けると、制御部42に画像形成要求を出力する。また、入出力装置41は、ユーザから設定情報の入力を受付けると、設定情報を制御部42に出力する。
【0021】
制御部42は、入出力装置41と、入出力部43と接続する。
制御部42は、入出力装置41から画像形成要求や原稿の読取要求等を受付ける。そして、制御部42は、入出力装置41から画像形成要求を受付けた場合には、画像形成処理を実行するプリンタをプリンタ20−A〜プリンタ20−Cから指定して、画像形成要求を入出力部43へ出力する。制御部42は、入出力装置41から原稿の読取要求を受付けた場合には、スキャナ10を指定して原稿の読取要求を入出力部43へ出力する。
また、制御部42は、入出力装置41から設定情報を受付けた場合に、設定情報を設定する設定対象装置が設定情報を受信できる状態にある場合は、設定対象装置を指定して、設定情報を入出力部43へ出力する。制御部42は、設定対象装置が設定情報を受信できない状態にある場合には、ホストコンピュータ40と接続している装置の中から設定情報を代理受信させる装置(代理受信装置)を決定し、代理受信装置を指定して設定情報を入出力部43へ出力する。
【0022】
入出力部43は、制御部42と、通信手段50と接続する。入出力部43は、制御部42から画像形成要求、原稿の読取要求および設定情報を受付け、通信手段50を介して、画像形成要求、原稿の読取要求および設定情報をスキャナ10またはプリンタ20へ送信する。また、入出力部43は、プリンタ20からスキャナ接続履歴情報等(詳細は後述する)を通信手段50を介して取得し、制御部42へ出力する。
【0023】
次に、スキャナ10のシステム構成の一例について説明する。スキャナ10は、入出力部11、操作・表示部12、制御部13、画像読取部14、設定情報記憶部15および接続プリンタ履歴記憶部16を備える。
【0024】
入出力部11は、制御部13、通信手段50およびプリンタ20と接続する。入出力部11は、通信手段50を介してホストコンピュータ40から原稿の読取要求を受信すると、制御部13へ読取要求を出力する。また、入出力部11は、制御部13からの命令に従って、画像読取部14で読み取った画像データを通信手段50を介してホストコンピュータ40やプリンタ20に送信する。また、入出力部11は、制御部13からの命令に従い、画像データをローカル接続しているプリンタ20へ出力する。
また、入出力部11は、通信手段50を介してホストコンピュータ40から設定情報を受信すると、制御部13へ設定情報を出力する。
【0025】
操作・表示部12は、ユーザからの操作を受付けて、操作内容と対応する要求信号を制御部13へ出力する。例えば、操作・表示部12は、ユーザから原稿の読取操作を受付けた場合には、原稿の読取要求を制御部13へ出力する。また、操作・表示部12は、制御部13からの命令に従って、エラー情報や、ユーザへの伝達事項を表示する。
【0026】
制御部13は、入出力部11と、操作・表示部12と、画像読取部14と、設定情報記憶部15と、接続プリンタ履歴記憶部16と接続する。
制御部13は、入出力部11から原稿の読取要求を受付けた場合、または、操作・表示部12から原稿の読取要求を受付けた場合、プラテンガラス上に置かれた原稿を読み取るように画像読取部14を制御する。
また、制御部13は、入出力部11から設定情報を受付けると、設定情報記憶部15に設定情報を記憶させる。制御部13は、スキャナ10で読み取った画像データをプリンタ20で出力して、コピー機能を実現した場合、コピー機能を実現するために使用したプリンタの情報を接続プリンタ履歴記憶部16に記憶させる。
また、制御部13は、エラー等が発生した場合に、エラー内容を表示するように操作・表示部12を制御する。
【0027】
画像読取部14は、制御部13と接続する。画像読取部14は、制御部13からの原稿の読取要求に基づいて、画像読取動作を行う。そして、画像読取部14は、読み取った画像データを制御部13へ出力する。
【0028】
設定情報記憶部15は、制御部13と接続される。設定情報記憶部15は、制御部13が受付けた設定情報を記憶する。この設定情報に基づいて、制御部13は、画像読取部14等の動作を制御する。
【0029】
接続プリンタ履歴記憶部16は、制御部13と接続される。接続プリンタ履歴記憶部16は、スキャナ10で読み取った画像データをプリンタ20で出力して、コピー機能を実現した場合、コピー機能を実現するために使用したプリンタの情報を、制御部13の命令に従い記憶する。
ここで、図3を参照して、接続プリンタ履歴記憶部16が記憶する接続プリンタ履歴情報の一例について説明する。
接続プリンタ履歴記憶部16は、図3に示すように、コピー機能を実現するために接続したプリンタの情報(接続プリンタ)と、そのプリンタと接続した回数(接続回数)とを記憶している。図3の例では、スキャナ10はコピー機能を実現するために、プリンタ20−Aとは365回接続し、プリンタ20−Bとは26回接続し、プリンタ20−Cとは一度も接続していない。なお、接続プリンタは、例えばMAC(Media Access Control)アドレスを使用して特定することができる。
【0030】
なお、設定情報記憶部15および接続プリンタ履歴記憶部16は、電力の供給を受けていない場合でもその記憶内容を保持することができる記憶装置である。設定情報記憶部15および接続プリンタ履歴記憶部16としては、例えば、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable Read Only Memory)や、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等が挙げられる。また、後述するROM133によって、設定情報記憶部15および接続プリンタ履歴記憶部16を構成しても良い。なお、本実施例では、スキャナ10が設定情報記憶部15および接続プリンタ履歴記憶部16を有する構成としているが、両者をスキャナ10に外付けされる構成としても良い。
【0031】
次に、再度、図2を参照しながら、プリンタ20のシステム構成の一例について説明する。プリンタ20は、入出力部21、操作・表示部22、制御部23、画像形成部24、スキャナ接続履歴記憶部25、計時部26、起動履歴記憶部27および設定情報一時記憶部28を備える。
【0032】
入出力部21は、通信手段50、スキャナ10および制御部23と接続する。入出力部21は、通信手段50を介してホストコンピュータ40およびスキャナ10からの画像形成要求を受信すると、または、スキャナ10から画像形成要求をローカル接続を介して受信すると、制御部23へ画像形成要求を出力する。
また、入出力部11は、通信手段50を介してホストコンピュータ40が送信したスキャナ10の設定情報を代理受信すると、制御部23へスキャナ10の設定情報を出力する。
【0033】
入出力部21は、ホストコンピュータ40から後述するスキャナ接続履歴情報および起動履歴情報の取得要求を受信すると、制御部23に履歴情報取得要求を出力する。そして、入出力部21は、制御部23からの命令に基づいて、後述するスキャナ接続履歴記憶部25および起動履歴記憶部27に記憶されているスキャナ接続履歴情報および起動履歴情報を、通信手段50を介してホストコンピュータ40へ送信する。
【0034】
また、入出力部21は、スキャナ10からプリンタ20が代理受信した設定情報の取得要求を受信すると、制御部23に設定情報取得要求を出力する。そして、入出力部21は、制御部23からの命令に基づいて、後述する設定情報一時記憶部28からスキャナ10の設定情報を、通信手段50を介してスキャナ10へ送信する。
【0035】
操作・表示部22は、ユーザからの操作を受付けて、操作内容と対応する要求信号を制御部23へ出力する。例えば、操作・表示部22は、ユーザから画像形成操作を受付けた場合には、画像形成要求を制御部23へ出力する。また、操作・表示部22は、制御部23からの命令に従って、エラー情報や、ユーザへの伝達事項を表示する。
【0036】
制御部23は、入出力部21、操作・表示部22、画像形成部24、スキャナ接続履歴記憶部25、起動履歴記憶部27および設定情報一時記憶部28と接続する。
制御部23は、入出力部21または操作・表示部22から画像形成要求を受付けると、画像形成処理を実行するように画像形成部24を制御する。
また、制御部23は、入出力部21から履歴情報取得要求を受付けると、スキャナ接続履歴記憶部25および起動履歴記憶部27からそれぞれスキャナ接続履歴情報および起動履歴情報を取得して、入出力部21に出力する。制御部23は、入出力部21から設定情報取得要求を受付けると、設定情報一時記憶部28から設定情報を取得して、入出力部21に出力する。
【0037】
制御部23は、スキャナ10からの画像形成要求に基づいて、画像形成を行った場合、つまり、スキャナ10とプリンタ20とによりコピー機能を実現した場合、スキャナ接続履歴記憶部25にスキャナ10との接続履歴を記憶させる。制御部23は、プリンタ20が代理受信したスキャナ10の設定情報を入出力部21から受付けると、設定情報一時記憶部28に代理受信した設定情報を記憶させる。また、制御部23は、プリンタ20の起動時に、起動履歴記憶部27に起動日時を記憶させる。
制御部23は、エラー等が発生した場合に、エラー内容を表示するように操作・表示部22を制御する。
【0038】
画像形成部24は、制御部23と接続する。画像形成部24は、制御部23からの命令に従い、画像データに基づいた画像を記録媒体へ形成し、出力する。
【0039】
スキャナ接続履歴記憶部25は、制御部23と接続する。スキャナ接続履歴記憶部25は、制御部23の命令に基づいて、スキャナ10と画像データをプリンタ20で出力してコピー機能を実現した場合に、接続したスキャナの履歴を記憶する。
ここで、図4を用いて、スキャナ接続履歴記憶部25に記憶されるスキャナ接続履歴情報の一例について説明する。図4は、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cのそれぞれのスキャナ接続履歴記憶部25に記憶されているスキャナ接続履歴情報の一例である。
図4(1)は、プリンタ20−Aのスキャナ接続履歴記憶部25に記憶されているデータの一例である。図4(1)から、プリンタ20−Aとスキャナ10との最終接続日時は2008年9月13日であり、スキャナ10とコピー機能を実現するためにプリンタ20−Aが稼働した時間は5時間であり、スキャナ10とプリンタ20−Aとの接続累計回数は365回であることがわかる。
同様にして、図4(2)から、プリンタ20−Bとスキャナ10との最終接続日時は2008年9月1日であり、スキャナ10とコピー機能を実現するためにプリンタ20−Bが稼働した時間は1時間であり、プリンタ20−Bとスキャナ10との接続累計回数は26回であることがわかる。
また、図4(3)から、プリンタ20−Cは、コピー機能を実現するために、スキャナ10と接続した履歴がないことがわかる。
なお、プリンタ20がスキャナ10以外のプリンタとも接続されている場合、プリンタ20はスキャナ毎に図4で示すスキャナ接続履歴情報を記憶する。
【0040】
再び、図2を参照して、プリンタ20の構成について説明する。計時部26は、起動履歴記憶部27と接続される。計時部26は、現在時刻を計上し、起動履歴記憶部27へ時刻情報を出力する。計時部26としては、例えば、リアルタイムクロックが挙げられる。ただし、時刻情報が分かれば良いので、リアルタイムクロックだけでなく、電波時計など外部から時刻情報を得る機構を用いても構わない。
【0041】
起動履歴記憶部27は、制御部23と計時部26と接続する。起動履歴記憶部27は、制御部23からの命令に従い、プリンタ20が起動した日時、および、稼働時間を記憶する。起動履歴記憶部27は、計時部26から日時情報を取得する。
ここで、図5を用いて起動履歴記憶部27が記憶する起動履歴情報の一例について説明する。図5は、プリンタの起動履歴記憶部27が記憶する起動履歴情報の一例を示した図である。起動履歴記憶部27は、各プリンタが起動した日と、起動から起動終了までの時間である稼働時間を記憶している。例えば、図5(1)に示すように、プリンタ20−Aの起動履歴記憶部27には、プリンタ20−Aが、2008年8月1に起動し、現在も稼働中であることが記憶されている。また、プリンタ20−Aが、2008年8月1日の前は、2008年7月18日に起動して205時間稼働し、2008年7月18日の前は、2008年7月17日に起動し15時間起動したことが起動履歴記憶部27に記憶されている。
図5(2)では、プリンタ20−Bが、2008年9月10日に起動し、現在も稼働中であることが、プリンタ20−Bの起動履歴記憶部27に記憶されている。また、プリンタ20−Bが、2008年9月10日の前は、2008年8月5日に起動して25時間稼働し、2008年8月5日の前は、2008年7月17日に起動し14時間起動したことがプリンタ20−Bの起動履歴記憶部27に記憶されている。
図5(3)からは、プリンタ20−Cが、2008年9月1に起動して6時間稼働し、その後は稼働していないことがわかる。
【0042】
再び、図2を参照して、プリンタ20を構成する設定情報一時記憶部28について説明する。設定情報一時記憶部28は、制御部23と接続する。設定情報一時記憶部28は、制御部23の命令に基づいて、プリンタ20が代理受信したスキャナ10の設定情報を一時的に記憶する。
ここで、図6を用いて、設定情報一時記憶部28が記憶する設定情報の例について説明する。図6(a)は、設定情報一時記憶部28が記憶する設定情報の構造の一例を示している。設定情報は、情報管理部とパラメータ記憶部とから構成される。情報管理部は、設定情報一時記憶部28における設定情報のアドレス情報等の管理情報を記憶している。パラメータ記憶部は、更に、設定対象装置、更新日時、設定情報ID、パラメータ情報ID、パラメータ記憶アドレス(Adr)から構成される。
【0043】
次に、引き続き図6を参照しつつ、パラメータ記憶部を構成する各項目について説明する。
設定対象装置は、設定情報を更新する対象となる装置を表す。
更新日時は、ホストコンピュータ40が設定対象装置の代わりにプリンタ20に設定情報を送信した日時を表す。
設定情報IDとは、画像読取条件、コピー条件、アドレス帳、カスタマイズ設定情報等を識別するIDである。
パラメータ情報IDとは、設定情報IDに関連して設定する設定項目であり、例えば、識別情報IDがコピー条件を示すものであった場合、パラメータIDとして、例えばコピーの濃度や、縮小拡大倍率等が挙げられる。
パラメータ記憶Adrは、パラメータIDに対するパラメータの値が記憶されているアドレスを指し示すものである。パラメータ記憶Adrに記載されたアドレスに存在するデータを読み込むことにより、制御部23は、パラメータを取得することができる。
【0044】
図6(b)は、パラメータ記憶部に記憶されるデータの一例を示している。図6(b)において、設定対象装置はスキャナ10であり、更新日時は2008年0月1日であることがわかる。設定情報IDは0001であり、この例ではコピー条件を表している。また、パラメータ情報IDは1000であり、この例では濃度を表しており、パラメータ情報は、アドレス100番値に記憶されている。そして、アドレス100番地に存在するパラメータの値は、「濃」であることがわかる。
【0045】
なお、スキャナ接続履歴記憶部25、起動履歴記憶部27および設定情報一時記憶部28は、電力の供給を受けていない場合でもその記憶内容を保持することができる記憶装置である。スキャナ接続履歴記憶部25、起動履歴記憶部27および設定情報一時記憶部28としては、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等が挙げられる。また、後述するROM233を用いて構成しても良い。なお、本実施例では、プリンタ20がスキャナ接続履歴記憶部25、起動履歴記憶部27および設定情報一時記憶部28を有する構成としているが、プリンタ20に外付けされる構成としても良い。
【0046】
次に、図7を用いて、スキャナ、プリンタおよびホストコンピュータの制御部のハードウェア構成について説明する。
【0047】
図7(1)は、ホストコンピュータ40の制御部42のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部42は、いわゆるコンピュータ、すなわち信号の入出力を行う入出力部424と、設定対象装置が設定情報を受信できない状態にある場合に、設定情報を代理受信させるプリンタを決定するプログラム(詳細は後述)が格納されたROM(Read Only Memory)423と、ROM423に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)421と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM(Random Access Memory)422とから構成される。
【0048】
図7(2)は、プリンタ20の制御部23のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部23は、いわゆるコンピュータ、すなわち信号の入出力を行う入出力部234と、画像形成部の制御を実現するためのプログラムなどが格納されたROM233と、ROM233に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU)231と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM232とから構成される。
【0049】
図7(3)は、スキャナ10の制御部13のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部13は、いわゆるコンピュータ、すなわち信号の入出力を行う入出力部134と、画像読取部の制御を実現するためのプログラムや、設定情報を取得する取得元となるプリンタを選択するプログラム(詳細は後述)や、設定値などが格納されたROM133と、ROM132に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU)131と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM132とから構成される。
【0050】
図8は、スキャナ、プリンタ、ホストコンピュータの各制御部が有する機能の一例を示した機能ブロック図である。
【0051】
まず、図8(A)を参照して、ホストコンピュータ40の制御部42において、上述したCPU421などのハードウェアとROM423に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される処理の一例について説明する。
制御部42は、決定部425と、送信部426とを備える。
【0052】
決定部425は、入出力部43と、送信部426と接続する。決定部425は、設定対象装置であるスキャナ10が設定情報を受信できない状態にある場合に、設定情報を代理受信させるプリンタを決定する。より詳しく説明すると、決定部425は、まず、ホストコンピュータ40と接続している各プリンタから接続スキャナ履歴情報および起動履歴情報を取得するため、履歴情報取得要求を入出力部43へ出力する。次に、決定部425は、プリンタから送信された接続スキャナ履歴情報および起動履歴情報を入出力部43から受信し、両情報に基づいてスキャナ10の設定情報を代理受信させるプリンタを、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cの中から決定する。
なお、設定情報を受信できない状態とは、例えば、スキャナ10の電源がオフ状態になっており、ホストコンピュータ40と通信できない場合、スキャナ10が通信手段50に接続されておらず、ホストコンピュータ40と通信できない場合、スキャナ10に障害等が発生しているため、ホストコンピュータ40と通信できない場合等が挙げられる。
【0053】
送信部426は、決定部425と、入出力部43と接続する。送信部426は、スキャナ10が設定情報を受信できる状態にある場合、設定情報をスキャナ10に送信する。送信部426は、スキャナ10が設定情報を受信できない状態にある場合に、決定部425から設定情報を代理受信させるプリンタの情報を取得する。そして、送信部426は、代理受信するプリンタに対してスキャナ10の設定情報を送信するために、代理送信させるプリンタおよび設定値情報を入出力部43へ出力する。
【0054】
次に、図8(B)を参照して、プリンタ20の制御部23において、上述したCPU231などのハードウェアとROM233に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される処理の一例について説明する。
制御部23は、送信部235と、受信部236とを備える。
【0055】
送信部235は、スキャナ接続履歴記憶部25と、起動履歴記憶部27と、入出力部21と接続する。送信部235は、入出力部21から履歴情報取得要求を受付けると、スキャナ接続履歴記憶部25からスキャナ接続履歴情報を、起動履歴記憶部27から起動履歴情報を取得し、入出力部21に出力する。
また、送信部235は、入出力部21から設定情報取得要求を受付けると、設定情報一時記憶部28からスキャナ10の設定情報を取得し、入出力部21に出力する。
【0056】
受信部236は、入出力部21と、設定情報一時記憶部28と接続する。受信部236は、プリンタ20がスキャナ10の設定情報を代理受信した場合、入出力部21から設定情報を受付け、設定情報一時記憶部28に設定情報を記憶させる。
【0057】
次に、図8(C)を参照して、スキャナ10の制御部13において、上述したCPU131などのハードウェアとROM133に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される処理の一例について説明する。
制御部13は、取得部135を備える。
【0058】
取得部135は、接続プリンタ履歴記憶部16と、入出力部11と、設定情報記憶部15と接続される。
取得部135は、スキャナ10が設定情報を受信できる状態になった場合に、プリンタ20が代理受信したスキャナ10の設定情報をプリンタ20から取得する。より詳しく説明すると、まず、取得部135は、接続プリンタ履歴記憶部16から、接続したプリンタの履歴情報を取得する。次に、取得部135は、接続プリンタの履歴情報に基づいて、プリンタ20−A〜プリンタ20−Cのうち、いずれのプリンタから設定情報を取得するかを決定する。例えば、取得部135は、プリンタとの接続回数や最終接続日時等に基づいて、設定情報を取得するプリンタを決定する。取得部135は、設定情報を取得するプリンタを決定すると、入出力部11に設定情報取得要求を出力する。そして、取得部135は、設定情報取得要求に対して入出力部11が受信した設定情報を取得し、設定情報記憶部15に記憶させる。
【0059】
次に、ホストコンピュータ40上にスキャナ10の設定情報が作成されてから、ホストコンピュータ40、プリンタ20、スキャナ10がそれぞれ実行する処理の一例について、具体的なデータの一例を示しながら説明する。
【0060】
まず、ホストコンピュータ40がスキャナに設定情報を送信する際の処理について説明する。
図9は、ホストコンピュータ40の制御部42が、設定情報をスキャナ10に送信する際に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
制御部42は、まず、設定対象のスキャナは稼働しているか否かを判定する(ステップS101)。制御部42は、設定対象のスキャナが稼働している場合(ステップS101/YES)、スキャナに設定情報を送信する(ステップS102)。
制御部42は、設定対象のスキャナが稼働していない場合(ステップS101/NO)、ホストコンピュータ40と接続されたプリンタの中に稼働中のプリンタがあるか否かを判定する(ステップS103)。
【0061】
制御部42は、稼動中のプリンタがない場合(ステップS103/NO)、設定情報を送信する処理を終了する。
制御部42は、稼動中のプリンタがある場合(ステップS103/YES)、稼動中の各プリンタからスキャナ接続履歴情報及び起動履歴情報を取得する(ステップS104)。
例えば、先に示した図5において、稼働中のプリンタはプリンタ20−Aとプリンタ20−Bであるため、制御部42は、プリンタ20−Aおよびプリンタ20−Bからそれぞれスキャナ接続履歴情報及び起動履歴情報を取得する。
【0062】
制御部42は、起動履歴情報に基づいて、稼動中のプリンタを起動日時が古い順にリスト化する(ステップS105)。
例えば、図5において、起動日時が古いプリンタは、プリンタ20−Aであるため、制御部42は、プリンタ20−A、プリンタ20−Bの順にリスト化する。
【0063】
次に、制御部42は、スキャナとの接続履歴があるプリンタを、リストの最初から検索する(ステップS106)。そして、制御部42は、スキャナとの接続履歴があるプリンタが存在するか否かを判定する(ステップS107)。
制御部42は、スキャナとの接続履歴があるプリンタが存在する場合(ステップS107/YES)、該当するプリンタにスキャナ設定情報を送信する(ステップS108)。
例えば、図4において、リストに最初に掲載されているプリンタ20−Aは、スキャナ10との接続履歴があるため、制御部42は、プリンタ20−Aに設定情報を送信する。また、仮に、プリンタ20−Aにスキャナ10との接続履歴がない場合には、制御部42は、スキャナ10との接続履歴があるプリンタ20−Bに設定情報を送信する。さらに、プリンタ20−A、プリンタ20−Bの接続履歴が同じである場合、接続時間がより長いプリンタに設定情報を送信したり、接続累計回数がより多いプリンタに設定情報を送信したりするようにしても良い。このような制御の結果、設定情報の送信先は一意に決定される。
【0064】
制御部42は、スキャナとの接続履歴があるプリンタが存在しない場合(ステップS107/NO)、稼動中のプリンタで起動日時が古いプリンタ(リストの一番上にあるプリンタ)を選択し、スキャナ設定情報を送信する(ステップS109)。
【0065】
制御部42は、代理受信するプリンタにスキャナ設定情報を送信すると処理を終了する。なお、ステップS101、ステップS102、ステップS108およびステップS109の処理を実行するCPUが、図8(A)の送信部426に該当する。また、ステップS103からステップS107の処理を実行するCPUが、図8(A)の決定部425に該当する。
【0066】
次に、ホストコンピュータ40から信号を受信したプリンタ20が実行する処理について説明する。
図10は、ホストコンピュータ40からの信号を受信したプリンタ20の制御部23が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
制御部23は、まず、入出力部21から受付けた信号が、プリンタ20の稼働状態を確認する信号か否かを判定する(ステップS201)。制御部23は、信号が稼働状態を確認する信号である場合(ステップS201/YES)、プリンタ20が稼働中であると応答し(ステップS202)、処理を終了する。
【0067】
制御部23は、信号が稼働状態を確認する信号でない場合(ステップS201/NO)、信号が履歴情報取得要求であるか否か判定する(ステップS203)。制御部23は、信号が履歴情報取得要求である場合(ステップS203/YES)、プリンタの起動履歴情報及びスキャナ接続履歴情報を送信し(ステップS204)、処理を終了する。
制御部23は、信号が履歴情報取得要求でない場合(ステップS203/NO)、信号がスキャナ10の設定情報の代理受信を要求する信号か否か判定する(ステップS205)。
制御部23は、信号が代理受信を要求する信号である場合(ステップS205/YES)、設定情報を取得し、設定情報一時記憶部に記憶させ(ステップS206)、処理を終了する。制御部23は、信号が代理受信を要求する信号ではなかった場合(ステップS205/NO)、処理を終了する。
【0068】
次に、スキャナ10がプリンタ20から設定情報を取得する処理について説明する。
図11は、設定情報を受信できる状態になったスキャナ10の制御部13が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
制御部13は、接続プリンタ履歴記憶部16から接続プリンタの履歴情報を取得し、接続履歴のあるプリンタに、スキャナ10宛の設定情報を記憶しているか否か問い合わせる(ステップS301)。問い合わせには、ブロードキャスト等の使用が挙げられる。
制御部13は、プリンタからの応答に基づいて、設定情報を記憶しているプリンタがあるか否かを判定する(ステップS302)。制御部13は、設定情報を記憶しているプリンタが存在しない場合(ステップS302/NO)、処理を終了する。
【0069】
制御部13は、設定情報を記憶しているプリンタが存在する場合(ステップS302/YES)、設定情報を記憶しているプリンタから設定情報を取得する(ステップS303)。次に、制御部13は、設定情報を取得したプリンタが記憶している設定情報を削除する(ステップS304)。
次に、制御部13は、他に設定情報を記憶しているプリンタが存在するか否かを判定する(ステップS305)。制御部13は、設定情報を記憶しているプリンタが存在する場合(ステップS305/YES)、ステップS303〜ステップS305の処理を繰り返す。
【0070】
制御部13は、他に設定情報を記憶しているプリンタが存在しない場合(ステップS305/NO)、取得した設定情報の中にスキャナが記憶している設定情報の更新日時よりも古い情報があるか否か判定する(ステップS306)。
制御部13は、取得した設定情報の中にスキャナが記憶している設定情報の更新日時よりも古い情報がある場合(ステップS306/YES)、取得した設定情報から古い情報を削除する(ステップS307)。
【0071】
制御部13は、取得した設定情報の中にスキャナが記憶している設定情報の更新日時よりも古い情報がない場合(ステップS306/NO)、または、ステップS307の処理後に、取得した設定情報の中に同一の設定情報IDを持つものがあるか否かを判定する(ステップS308)。
【0072】
制御部13は、取得した設定情報の中に同一の設定情報IDを持つものが存在する場合(ステップS308/YES)、同一の設定情報IDにおいて、更新日時の最も新しいもの以外の設定情報は削除する(ステップS309)。つまり、制御部13は、1つの設定情報IDに対して1つの設定情報となるように、取得した設定情報を整理する。
制御部13は、取得した設定情報の中に同一の設定情報IDを持つものがない場合(ステップS308/NO)、または、ステップS309の処理後に、該当する設定情報IDの設定値を更新し(ステップS310)、処理を終了する。尚、正常な更新処理を図るべく、更新処理の際には電源がOFFされないように操作制限をかけたり、更新処理中である旨を操作・表示部12に表示させたりすることが好ましい。
【0073】
次に、スキャナ10からの信号を受信したプリンタ20が実行する処理について説明する。図12は、スキャナからの信号を受信したプリンタ20の制御部23が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
制御部23は、入出力部21から受付けた信号が、プリンタ20が代理受信した設定情報の有無を問い合わせる信号であるか否かを判定する(ステップS401)。
制御部23は、信号がプリンタ20が代理受信した設定情報の有無を問い合わせる信号でない場合(ステップS401/NO)、信号が設定情報取得要求であるか否か判定する(ステップS402)。
制御部23は、信号が設定情報取得要求でない場合(ステップS402/NO)、処理を終了する。
【0074】
制御部23は、信号が設定情報取得要求である場合(ステップS402/YES)、代理受信した設定情報を送信する(ステップS403)。
制御部23は、設定情報の送信が完了したか否かを判定する(ステップS404)。制御部23は、設定情報の送信が完了していない場合(ステップS404/NO)、設定情報の送信が完了するまで、ステップS403〜ステップS404の処理を繰り返す。
制御部23は、設定情報の送信が完了した場合(ステップS404/YES)、代理受信したデータを削除し(ステップS405)、処理を終了する。
【0075】
制御部23は、信号が、代理受信した設定情報の有無を問い合わせる信号である場合(ステップS401/YES)、制御部23は、代理受信した設定情報が設定情報一時記憶部28に存在するか否か判定する(ステップS406)。
制御部23は、代理受信した設定情報が存在しない場合(ステップS406/NO)、処理を終了する。
制御部23は、代理受信した設定情報が存在する場合(ステップS406/YES)、代理受信した設定情報を記憶していると応答し(ステップS407)、処理を終了する。
【0076】
以上の説明から明らかなように、本実施例によれば、設定対象装置であるスキャナ10が設定情報を受信できない状態にある場合に、ホストコンピュータ40は稼動中のプリンタ20に設定情報を代理受信させ、スキャナ10は設定情報を受信できる状態になった場合にプリンタ20から設定情報を取得するため、設定値を設定するユーザの作業負荷が低減される。より詳しくは、例えばスキャナ10の電源が省エネの観点からオフ状態になっており、ホストコンピュータ40からの設定情報を受け取ることができない場合、ユーザが、設定情報を送信する前にスキャナ10の電源をオン状態にし、さらに設定情報の送信が終了したら電源をオフするためにスキャナ10の設置場所に移動するといった負荷が低減される。あるいは、スキャナ10の電源がオフ状態になっており、ホストコンピュータ40からの設定情報を受け取ることができない場合、スキャナ10の電源がオン状態になった後、ユーザが再び設定情報の送信作業を行うといった作業負荷が低減される。
【0077】
また、ホストコンピュータ40はスキャナ10とプリンタ20との接続履歴に基づいて、スキャナ10の設定情報を代理受信させるプリンタを決定するため、スキャナ10と接続している可能性が高いプリンタ20に設定情報が送信され、スキャナ10が設定情報を取得する確実性が高まる。
【0078】
さらに、ホストコンピュータ40はプリンタ20の起動履歴に基づいてスキャナ10の設定情報を代理受信させるプリンタを決定するため、スキャナ10が設定情報を受信できる状態になった場合に、稼働している可能性が高いプリンタ20に設定情報が送信され、スキャナ10が設定情報を取得する確実性が高まる。
【0079】
上述した実施例は、本発明の実施例の一つである。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
実施例では、設定対象装置がスキャナであったが、スキャナの代わりにプリンタ、FAX、コピー機等を設定対象装置として本発明を適用しても良い。また、実施例では、代理受信装置はプリンタであったが、プリンタの代わりに、スキャナ、FAX、コピー機等を用いても良い。
【符号の説明】
【0080】
10…スキャナ
11…入出力部
12…操作・表示部
13…制御部
14…画像読取部
15…設定情報記憶部
16…接続プリンタ履歴記憶部
20、20−A、20−B、20−C…プリンタ
21…入出力部
22…操作・表示部
23…制御部
24…画像形成部
25…スキャナ接続履歴記憶部
26…計時部
27…起動履歴記憶部
28…設定情報一時記憶部
131、231、421…CPU
132、232、422…RAM
133、233、423…ROM
134、234、424…入出力部
135…取得部
235…送信部
236…受信部
425…決定部
426…送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の動作を制御するための設定値の設定対象先となる設定対象装置に代えて、前記設定値の情報を代理受信させる装置を決定する決定部と、前記決定部で決定された装置に前記設定値の情報を送信する送信部と、を有する情報処理装置と、
前記情報処理装置が送信した設定値の情報を前記設定対象装置に代わって受信する受信部と、前記受信部が受信した設定値の情報を記憶する記憶部と、前記設定対象装置からの取得要求に従って前記記憶部が記憶する設定値の情報を送信する送信部と、を有する代理受信装置と、
を備える設定支援システム。
【請求項2】
前記決定部は、前記設定対象装置との接続履歴に基づいて、代理受信させる装置を決定することを特徴とする請求項1に記載の設定支援システム。
【請求項3】
前記決定部は、前記代理受信装置の稼動履歴に基づいて、代理受信させる装置を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の設定支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−198059(P2010−198059A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38798(P2009−38798)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】