説明

設定装置、設定装置を備えた電子機器、及び設定装置を備えたデジタルカメラ

【課題】使用者にとって操作性に優れた設定装置、設定装置を備えた電子機器、及び設定装置を備えたデジタルカメラを提供する。
【解決手段】複数の設定から設定を選択する回転操作部と、回転操作部の内側に複数の設定を表示する表示部と、回転操作部の回転を検出する検出部と、検出部で検出した回転に応じて、表示部の表示を制御する表示制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定装置、設定装置を備えた電子機器、及び設定装置を備えたデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラをはじめとする電子機器において、動作モードを選択する操作手段として、ダイヤルに表示された絵文字を電子機器本体に設けられた指標位置に合わせるものが知られている。しかし、ダイヤルに表示された絵文字と指標を合致させる操作手段では、ダイヤルに表示された絵文字に相当するモードしか選択することができず、その他のモードを選択することができない。そのため、指標に合致した絵文字に相当するモードに対応した各種情報を表示するための表示部を備えたカメラが提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−85670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、使用者はカメラの別の部分に設けられた表示部を見ながらダイヤルを操作しなければならず、操作が煩わしいという問題があった。
本発明の目的は、使用者にとって操作性に優れた設定装置、設定装置を備えた電子機器、及び設定装置を備えたデジタルカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の設定装置は、複数の設定から設定を選択する回転操作部と、前記回転操作部の内側に複数の設定を表示する表示部と、前記回転操作部の回転を検出する検出部と、前記検出部で検出した回転に応じて、前記表示部の表示を制御する表示制御部とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の設定装置は、請求項1に記載の設定装置において、前記検出部は、前記回転操作部の回転量、回転方向のうち少なくとも1つを検出することを特徴とする。
請求項3に記載の設定装置は、請求項2に記載の設定装置において、前記表示制御部は、前記回転操作部の回転に応じて前記設定の表示を変化させることを特徴とする。
請求項4に記載の設定装置は、請求項3に記載の設定装置において、前記表示制御部は、前記設定を円周状に表示し、前記回転操作部の回転に応じて前記設定の表示を前記円周上で移動させることを特徴とする。
請求項5に記載の設定装置は、請求項3または請求項4に記載の設定装置において、前記表示制御部は、前記回転操作部により選択された前記設定の大きさを変化させることを特徴とする。
請求項6に記載の設定装置は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の設定装置において、前記表示制御部は、前記回転操作部で設定を選択すると前記選択した設定に関連した設定を表示することを特徴とする。
請求項7に記載の設定装置は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の設定装置において、選択された設定を記憶する記憶部を有し、前記表示制御部は、電源を切断した後に電源を再度投入したときに、電源切断時に選択されていた設定を選択されている設定として前記表示部に表示させることを特徴とする。
請求項8に記載の設定装置は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の設定装置において、前記設定は、絵文字として表示されることを特徴とする。
請求項9に記載の電子機器は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の設定装置を備えることを特徴とする。
請求項10に記載のデジタルカメラは、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の設定装置を備えることを特徴とする。
請求項11に記載のデジタルカメラは、請求項10に記載のデジタルカメラにおいて、前記表示部は、前記設定として縮小撮影画像を表示し、選択された縮小撮影画像の撮影条件を前記デジタルカメラの撮影条件として設定することを特徴とする。
【0005】
請求項12に記載のデジタルカメラは、請求項11に記載のデジタルカメラにおいて、前記縮小撮影画像は、撮影画像を選択することが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、設定ダイヤルと同じ場所に設けられた表示部を見ながら設定ダイヤルを操作することができるので、使用者にとって操作性に優れた設定装置、設定装置を備えた電子機器、及び設定装置を備えたデジタルカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態として電子機器、ここでは電子機器としてデジタルカメラを例に説明する。
図1は、本実施形態におけるデジタルカメラ100の外観を示した図である。図1(a)はデジタルカメラ100のレンズ鏡筒を備える面(前面)を斜め上面から見た図を示し、図1(b)はデジタルカメラ100のモニタを備える面(背面)を正面から見た図を示している。
【0008】
図1(a)に示すように、デジタルカメラ100は上面にシャッターボタン101を、前面にレンズ103を備えたレンズ鏡筒102、ファインダー窓104a、及び内蔵フラッシュ105を、側面にメモリカードスロット106をそれぞれ備えている。
シャッターボタン101は、使用者が画像の撮影を指示する場合に押下するボタンである。
【0009】
レンズ鏡筒102は、後述する電源スイッチ107を使用者が投入(ON)状態にすると、デジタルカメラ100内に収納された沈胴状態から、撮影が可能な繰出状態まで駆動される。また電源スイッチ107を使用者が切断(OFF)状態にすると、レンズ鏡筒102は繰出状態から沈胴状態へと駆動される。レンズ103は、レンズ鏡筒102の内部で複数のレンズから構成されている。レンズ103は、レンズ鏡筒102が繰出状態であるときに被写体からの光をデジタルカメラ100内部に配置された後述する撮像素子120に結像する。
【0010】
内蔵フラッシュ105は、発光が許可されている状態で撮影補助光を発して被写体を照射するものである。
メモリカードスロット106は、デジタルカメラ100に対して着脱可能なメモリカードを装着するためのものである。
【0011】
図1(b)に示すように、デジタルカメラ100は背面にファインダー104b、電源スイッチ107、モニタ108、望遠ズームボタン109、広角ズームボタン110、再生ボタン111、メニューボタン112、十字操作ボタン113、決定ボタン114、設定ダイヤル115、設定ダイヤル指標116、設定ボタン117を備えている。
ファインダー104bは、使用者が撮影画像の構図を視認するためのものである。
【0012】
電源スイッチ107は、使用者が押下してデジタルカメラ100の電源を投入(ON)状態または切断(OFF)状態にするためのスイッチである。
【0013】
モニタ108は、画像撮影時には、後述する撮像素子120で撮像された画像をスルー画として表示し、使用者はそのスルー画を見て撮影画像の構図を決定することができる。また画像再生時には、後述するメモリカード129やデジタルカメラ100の内蔵メモリに記録された画像を表示したり、後述するメニューボタン112の入力を受けて再生画像に対する削除、保護などのメニューを表示したりする。
望遠ズームボタン109、広角ズームボタン110は、画像撮影時に撮影画像を光学的または電気的にズームして被写体の大きさを変えるためのボタンである。使用者は、被写体を大きく撮影するには望遠ズームボタン109を押すことにより望遠側にズームし、広い範囲を撮影するには広角ズームボタン110を押して広角側にズームする。
【0014】
再生ボタン111は、撮影モードと再生モードを変更するためのボタンである。撮影モードで使用者が再生ボタン111を押すと再生モードに、再生モードで再生ボタン111を押すと撮影モードにデジタルカメラ100の使用モードが切り替わる。またデジタルカメラ100の電源がOFFの状態で再生ボタン111を1秒以上押し続けると、再生モードでデジタルカメラの電源がONになる。
【0015】
メニューボタン112は、使用者が選択している使用モードに応じたメニューをモニタ108に表示させるためのボタンである。撮影モードでメニューボタンを押すとホワイトバランス、ISO感度設定などの撮影モードメニュー、再生モードでメニューボタンを押すと削除、保護などの再生モードメニューが表示される。
【0016】
十字操作ボタン113は、使用者が上下左右のいずれかを押圧することにより、押圧方向に対応した内容を指示するためのボタンである。例えば、モニタ108に表示されているカーソルを上下左右に移動させる、再生画像のコマ送りおよびコマ戻しなどがある。
【0017】
決定ボタン114は、十字操作ボタン113の中心に配置され、使用者が十字操作ボタン113により選択した操作などを決定、実行するためのボタンである。
【0018】
設定ダイヤル115は、回転式の操作部であり、オート撮影モード、動画モード、セットアップモードなどのモードを変更したり、それぞれのモードにおける設定を変更したりすることができる。なお、設定ダイヤル115はデジタルカメラ100の背面に配置されているが、例えばデジタルカメラ100の上面または側面に配置しても構わない。設定ダイヤル115の詳細については後述する。
【0019】
設定ダイヤル指標116は、使用者が設定ダイヤル115を操作することにより選択した項目を指し示すための指標である。
【0020】
設定ボタン117は、使用者が設定ダイヤル115を操作することにより選択した項目を決定するためのボタンである。
【0021】
図2は、デジタルカメラ100の電気的構成を示すブロック図である。なお、図2において、図1と同じ構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する。デジタルカメラ100は、レンズ駆動部118、制御部119、撮像素子120、相関二重サンプリング回路(CDS)121、自動ゲインコントロール回路(AGC)122、アナログデジタル変換器(ADC)123、メモリ124、バス125、信号処理部126、圧縮伸張部127、カードインターフェース128、メモリカード129、ドライバ130、デジタルアナログ変換器(DAC)131、そして操作部132を備えている。
【0022】
レンズ103は、レンズ駆動部118により駆動され、レンズ駆動部118は制御部119からの指令に基づいて制御される。不図示の被写体からの光は、レンズ103によって撮像素子120上に結像される。
撮像素子120は、例えばCCDやCMOSなどの固体撮像素子であり、光電変換により被写体像を電気信号に変換した撮像信号をCDS121に出力する。CDS121に入力されたアナログ信号である撮像信号は、CDS121、AGC122を経て、ADC123に入力される。そして、撮像信号はADC123でアナログ信号からデジタル信号へ変換されて、メモリ124に格納される。メモリ124は、撮像信号が一時的に格納されるバッファメモリや撮影済みの画像データを記録する内蔵メモリなどを備えている。メモリ124に格納された画像データは、バス125を介して信号処理部126に送られる。信号処理部126は、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)であり、画像データに対してホワイトバランス処理、補間処理、ガンマ補正、色変換処理などの周知の画像処理を施した後、メモリ124に再び格納する。また画像処理された画像データは、圧縮伸張部127によりJPEGなど周知の圧縮処理が施され、カードインターフェース128を介してデジタルカメラ100に対して着脱自在なメモリカード129に記録される。なお画像データの記録先は、メモリカード129でもよいし、メモリ124内に備えた内蔵メモリでもよい。ただし、メモリ124内に備えた内蔵メモリを使用するときは、メモリカード129は使用しない。
【0023】
撮影画像を表示する場合、画像データはメモリ124の内蔵メモリから読みだされ、バス125を介してドライバ130に送られる。ドライバ130は、画像データに対してモニタ108表示用の信号処理を施した後、DAC131を介してモニタ108に出力する。操作部132には、前述のシャッターボタン101、電源スイッチ106、望遠ズームボタン109、広角ズームボタン110、再生ボタン111、メニューボタン112、十字操作ボタン113、決定ボタン114、設定ボタン117が含まれる。
【0024】
次に設定ダイヤル115の構成について説明する。図3(a)は、設定ダイヤル115を正面から見た図である。設定ダイヤル115は、ダイヤル操作部115aと、ダイヤル表示部115bを備えている。
ダイヤル操作部115aはリング状に形成された操作部材であり、リングの中心に対して回転可能である。ダイヤル操作部115aの下部には、図3(a)の点線で示すような四角形の液晶ディスプレイなどの表示素子115b´が配置されている。表示素子115b´は、ダイヤル操作部115aのリング内側に含まれるように配置され、表示素子115b´のうちダイヤル操作部115aのリング内側の部分は、ダイヤル表示部115bとして各種モードを示す絵文字など様々な情報を表示する。なお表示素子115b´は、液晶ディスプレイだけでなく、ELディスプレイや電子ペーパーなどでも構わない。
【0025】
図3(b)は、設定ダイヤル115およびその周辺部分の断面図である。表示素子115b´は、ダイヤル操作部115aの下部に配置されており、表示素子115b´のうちダイヤル操作部115aのリング内側の部分をダイヤル表示部115bとして使用し、様々な情報を表示する。また、ダイヤル表示部115bの上部は、プラスチックなどの透明な保護部材115cにより覆われている。さらに、ダイヤル操作部115aのリング外側はデジタルカメラ100の筐体100aで覆われている。そのため、表示素子115b´のうちダイヤル操作部115aのリング内側以外の部分はデジタルカメラ100の外観として見ることができない。したがって、表示素子115b´のうちダイヤル操作部115aのリング内側の部分だけがデジタルカメラ100の背面に露出することになり、使用者にはダイヤル表示部115bが円形の表示部に見える。
【0026】
図2に示したように、使用者がダイヤル操作部115aを回転操作すると、エンコーダ115dはダイヤル操作部115aの回転量、回転方向のうち少なくとも1つを検出し、その回転量、回転方向のうち少なくとも1つのデータを制御部119に送る。制御部119は、この回転量、回転方向のうち少なくとも1つのデータに基づいてダイヤル表示部115bの表示を変更する。
次に、前記のように構成されたデジタルカメラ100に配置された設定ダイヤル115の表示機能について、操作に対応させて説明する。図4は、撮影モードにおける設定ダイヤル115を示した図である。
【0027】
電源スイッチ107を押下すると、デジタルカメラ100の電源が投入される。デジタルカメラ100の起動時には、デジタルカメラ100は撮影モードに設定されており、ダイヤル表示部115bには直ちに撮影に関する各種モードを示す絵文字133〜140が表示される。絵文字133〜140は、ダイヤル表示部115bの円周に沿って各絵文字間がほぼ均等となるように表示される。ダイヤル表示部115bに表示される絵文字133はマニュアルモードを、絵文字134はセットアップモードを、絵文字135は動画モードを、絵文字136はオートモードを、絵文字137はシーンモードを、絵文字138はプログラムモードを、絵文字139は絞り優先モードを、絵文字140はシャッター優先モードをそれぞれ示している。なお、本発明における絵文字とは、文字、数値、記号、絵、画像などを含んでいる。
【0028】
ダイヤル表示部115bに表示される絵文字のうち選択された1つの絵文字は、その他の絵文字よりも大きく表示される。図4では、デジタルカメラ100上に設けられた設定ダイヤル指標116に合わせた位置がモードを選択する位置であり、マニュアルモードが選択されていることを示している。またダイヤル表示部115bでは、表示される絵文字のうち1つの絵文字を大きく表示することによって選択されたモードを示すことができるので、デジタルカメラ100上に選択された位置を示すために設定ダイヤル指標116を設けなくてもよい。この場合には、例えばダイヤル表示部115b上で9時の方向に配置された絵文字が選択されたとする場合には、図5のように9時の方向に配置された絵文字133が他の絵文字134〜140よりも大きく表示される。また、図示していないが選択された絵文字をダイヤル表示部115bの中央部に表示してもよい。
【0029】
ダイヤル表示部115bに表示された撮影に関する各種モードの中から使用したいモードを選択する際には、使用者は設定ダイヤル115のダイヤル操作部115aを回転操作し、設定ダイヤル指標116に合わせる。ダイヤル操作部115aを使用者が時計回りに回転操作すると、絵文字133〜140がダイヤル操作115aの回転移動に伴って時計回りに移動する。ダイヤル操作部115aを使用者が反時計回りに回転操作すると、絵文字133〜140がダイヤル操作115aの回転移動に伴って反時計回りに移動する。すなわち、ダイヤル表示部115bに表示される絵文字は、ダイヤル操作部115aの回転方向に併せて一緒に回転しているように表示される。例えば、図4に示したダイヤル表示部115bの状態からダイヤル操作部115aを時計回りに22.5度回転すると、絵文字133は他の絵文字と同じ大きさで表示され、同時に絵文字140は他の絵文字より大きく表示される。この状態から、さらにダイヤル操作部115aを時計回りに45度回転すると、絵文字140は他の絵文字と同じ大きさで表示され、同時に絵文字138は他の絵文字より大きく表示される。このような動作により、使用者は各種モードの中から使用したいモードを選択することができる。
【0030】
次に、撮影に関する各種モードを選択した場合の動作を、マニュアルモード、シャッター優先モード、絞り優先モード、プログラムモードがダイヤル表示部115bに表示されている場合について説明する。図6は、デジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。
【0031】
デジタルカメラ100の電源がONされると、図4に示すようにダイヤル表示部115bには撮影に関する各種モードを表わす絵文字133〜140が表示される(S101)。このとき、前回のデジタルカメラ100の電源切断時にメモリ124に記憶しておいたデジタルカメラ100のモードを呼び出してダイヤル表示部115bに表示する。すなわち、前回設定していたモードが、設定ダイヤル指標116の位置に大きく表示される。また、選択されている絵文字をダイヤル表示部115bの中央部に表示しても構わない。
次に、マニュアルモードを表わす絵文字133が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S102)。このとき、絵文字133を設定ダイヤル指標116に合わせると、絵文字133は他の絵文字134〜140よりも大きく表示される。マニュアルモードを表わす絵文字133が選択された場合、図4に示すような各種モードを表わす絵文字133〜140の表示から、図7(a)に示すように各種シャッタースピードを表わす絵文字群141がダイヤル表示部115bに表示される(S103)。図7(a)では、シャッタースピード1/60秒から1/2秒までが表示される。
【0032】
このとき、ダイヤル表示部115bに表示される絵文字(この場合はシャッタースピードの設定値)が多く、表示したい絵文字をすべて表示させると絵文字が小さくなってしまう場合には、図7(a)に示すようにシャッタースピードを表わす6つの絵文字を含む絵文字群141とダイヤル表示部115bに表示される絵文字を切り替えるための矢印の絵文字142、143を表示する。
【0033】
矢印の絵文字142を選択すると、図7(b)に示すようにシャッタースピードが1/60秒より速い絵文字群141´と表示された絵文字を元の表示に切り替えるための矢印の絵文字144を表示するようにダイヤル表示部115bの表示が切り替わる。図7(b)に示すような表示状態で矢印の絵文字144を選択すると、図7(a)に示すような表示状態に再び切り替わる。
同様に、図7(a)に示すような表示状態で絵文字143を選択すると、図7(c)に示すようにシャッタースピードが1/2秒より遅い絵文字群141´´と表示された絵文字を元の表示に切り替えるための矢印の絵文字145を表示するようにダイヤル表示部115bの表示が切り替わる。図7(c)に示すような表示状態で絵文字145を選択すると、図7(d)に示すような表示状態に再び切り替わる。
【0034】
S103で、図7(a)〜図7(d)に示すような各種シャッタースピードを表わす絵文字群がダイヤル表示部115bに表示され、シャッタースピードを表わす絵文字のうち1つが設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S104)。シャッタースピードを表わす絵文字が選択されない場合には、シャッタースピードを表わす絵文字が選択されるまで待機状態となる。シャッタースピードを表わす絵文字が選択された場合、図7(a)〜図7(d)に示すようなシャッタースピードを表わす絵文字群の表示から、図8(a)に示すような各種絞り値を表わす絵文字群146がダイヤル表示部115bに表示される(S105)。
【0035】
このとき、前述の操作で決定したシャッタースピードをダイヤル表示部115bの中央部に表示しても構わない。各種絞り値を表わす絵文字をダイヤル表示部115bに表示する場合も、各種シャッタースピードを表わす絵文字を表示する場合と同様に、ダイヤル表示部115bに表示された絵文字を、表示された絞り値よりも小さな絞り値を表わす絵文字の表示に切り替えるための矢印の絵文字147を表示する。
【0036】
絵文字147を選択すると、図8(b)に示したようにダイヤル表示部115bの表示は、絞り値が8.0よりも小さい絵文字群146´と表示された絵文字を元の表示に切り替えるための矢印の絵文字148を表示するようにダイヤル表示部115bの表示が切り替わる。図8(b)に示すような表示状態で矢印の絵文字148を選択すると、図8(a)に示すような表示状態に再び切り替わる。
【0037】
S105で図8(a)および図8(b)に示すように各種絞り値を表わす絵文字群 がダイヤル表示部115bに表示され、絞り値を表わす絵文字のうち1つが設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S106)。絞り値を表わす絵文字が選択されない場合には、絞り値を表わす絵文字が選択されるまで待機状態となる。絞り値を表わす絵文字が選択された場合、S114へ進む。
【0038】
S102で、マニュアルモードを表わす絵文字133が選択されない場合には、さらにシャッター優先モードを表わす絵文字140が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S107)。シャッター優先モードを表わす絵文字140が選択された場合、図4に示すような各種モードを表わす絵文字133〜140の表示から、図7(a)に示すように各種シャッタースピードを表わす絵文字群141がダイヤル表示部115bに表示される(S108)。次に、シャッタースピードを表わす絵文字のうち1つが設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S109)。シャッタースピードを表わす絵文字が選択されない場合には、シャッタースピードを表わす絵文字が選択されるまで待機状態となる。シャッタースピードを表わす絵文字が選択された場合、S114へ進む。
【0039】
S107で、シャッター優先モードを表わす絵文字140が選択されない場合には、さらに絞り優先モードを表わす絵文字139が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S110)。絞り優先モードを表わす絵文字139が選択された場合、図4に示すような各種モードを表わす絵文字133〜140の表示から、図8(a)に示すように各種絞り値を表わす絵文字群146がダイヤル表示部115bに表示される(S111)。次に、絞り値を表わす絵文字のうち1つが設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S112)。絞り値を表わす絵文字が選択されない場合には、絞り値を表わす絵文字が選択されるまで待機状態となる。絞り値を表わす絵文字が選択された場合、S114へ進む。
【0040】
S110で、絞り優先モードを表わす絵文字139が選択されない場合には、さらにプログラムモードを表わす絵文字138が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S113)。プログラムモードを表わす絵文字138が選択された場合はS114へ進み、プログラムモードを表わす絵文字138が選択されない場合にはS101へ戻る。
それぞれのモードにおいて選択された撮影条件がデジタルカメラ100に設定され(S114)、図4に示すように撮影に関する各種モードを表わす絵文字133〜140がダイヤル表示部115bに再び表示される(S115)。このとき、前述の操作で決定したシャッタースピードや絞り値などの撮影条件をダイヤル表示部115bの中央部に表示しても構わない。このように、撮影に関するモードおよびそれに関する撮影条件を設定することで、使用者はデジタルカメラ100の撮影を行なう。
【0041】
図6において、ダイヤル表示部115bの設定は、デジタルカメラ100の電源切断時にメモリ124に記憶するようにした。そのため、デジタルカメラ100にメモリカード129が挿入されていない状態で再度電源がONされても、前回の電源切断時の設定ダイヤル115の設定状態を呼び出してダイヤル表示部115bに表示することができる。また、デジタルカメラ100の電源をONしたときの表示はこれに限定されず、例えばいつも同じ表示をさせるようにしてもよい。このときの表示は、デジタルカメラ100の製造時に設定されたものでも構わないし、使用者が購入後に設定したものでも構わない。
【0042】
ダイヤル表示部115bに表示される選択項目が、選択したモードの最後の選択項目の表示状態である場合には、ダイヤル操作部115aを回転操作して選択するだけで、設定ボタン117を押下して決定しなくても、その絵文字が選択され、選択したモードの操作を使用者が行なえるようにしても構わない。例えば、オートモードを使用する場合、ダイヤル操作部115aを回転操作してオートモードを表わす絵文字136を設定ダイヤル指標116に合わせると、それ以上選択する項目はないので、使用者がオートモードで撮影可能な状態とする。
【0043】
以上は、撮影モードにおける設定ダイヤル115の表示機能の一例であるが、本発明を再生モードにおける設定ダイヤル115にも適用することができる。図9は、再生モードにおける設定ダイヤル115の一例を示した図である。
【0044】
再生に関する各種モードを示す絵文字群をダイヤル表示部115bに表示するには、デジタルカメラ100の電源が投入された状態で撮影モード時に再生ボタン111を押下するか、デジタルカメラ100の電源が切断された状態で再生ボタン111を1秒以上押し続ける。ダイヤル表示部115bの表示形式は、前述した撮影モード時と同様に、ダイヤル表示部115bの円周に沿って各絵文字間がほぼ均等となるように表示される。ダイヤル表示部115bに表示される絵文字149は1コマ再生モードを、150はカレンダーモードを、151は撮影日一覧モードを、152はセットアップモードをそれぞれ示している。
【0045】
また、設定ダイヤル115の表示および動作は、前述した撮影モード時の表示および動作と同様である。ダイヤル表示部115bに表示された撮影に関する各種モードの中から使用したいモードを選択する際には、使用者は設定ダイヤル115のダイヤル操作部115aを回転操作し、設定ダイヤル指標116に合わせる。ダイヤル操作部115aが時計回りに回転操作されると、再生に関する各種モードを示す絵文字群の表示が、あたかもダイヤル操作部115aの回転移動に併せて絵文字が時計回りに移動するように表示される。同様に、ダイヤル操作部115aが反時計回りに回転操作されると、再生に関する各種モードを示す絵文字群の表示がダイヤル操作部115aの回転移動に伴って反時計回りに移動するように表示する。そしてダイヤル表示部115bに表示される絵文字群のうち1つの絵文字を大きく表示することにより、選択しているモードを示すようにしている。ダイヤル操作部115aの回転操作によって使用したいモードを選択し、設定ボタン117を押下すると、ダイヤル表示部115bの表示は、そのモードで選択する項目がない場合にはそのままの表示で、さらに選択する項目がある場合には選択したモードに対応する表示に切り替わる。対応する表示に切り替わった場合は、設定が終了するまで撮影モード時の選択と同様の操作を繰り返し行なう。繰り返し行なう回数は、選択したモードの選択項目の種類によって変わってくる。
【0046】
以上説明した本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
設定ダイヤル115はダイヤル操作部115aとダイヤル表示部115bとを備え、ダイヤル表示部115bをダイヤル操作部115aの内側に配置した。これによって、使用者はダイヤル操作部115aを操作しながら、ダイヤル操作部115aの内側のダイヤル表示部115bに表示された情報を確認することができるので、デジタルカメラ100の操作性が向上する。さらに、モード選択時および各種項目選択時にモードなどの情報がモニタ108に表示されないので、使用者はスルー画を常に確認することができる。
【0047】
設定ダイヤル115のダイヤル表示部115bとして液晶ディスプレイなどの表示素子115b´を用いて、電子機器の動作状態ごとに複数の情報を表示できるようにした。これによって、設定ダイヤル115を大きくしたり、複数の設定ダイヤルを設けることなく表示を変更したり、表示項目を増やしたりできるので、部品コストを下げることができるし、電子機器の大きさを小さくすることができる。また、ダイヤル操作部115aの回転操作に対応して、ダイヤル表示部115bに表示された絵文字の表示も併せて回転移動し、さらに選択したモードに対応する選択項目を順次切り替えてダイヤル表示部115bに表示することができる。そのため、使用者はダイヤル表示部115bを見るだけで各種設定を直感的でわかりやすい操作により行なうことができ、デジタルカメラ100の設定操作における操作性が向上する。
また、ダイヤル表示部115bに様々な絵文字を適宜表示するだけではなく、表示色、大きさ、形状など様々な表示形態で絵文字を表示することができるので、使用者の視認性が向上する。
【0048】
デジタルカメラ100の電源切断時に設定ダイヤル115の設定状態をメモリ124に記憶しておき、再度デジタルカメラ100の電源を投入したときにメモリ124に記憶しておいた設定状態を呼び出してダイヤル表示部115bに表示するようにした。これによって、デジタルカメラ100の非使用時にダイヤル操作部115aを回してしまい、設定ダイヤル115の設定が意図せず変わってしまうことが防げ、再度電源投入時に以前の操作状態のまま電子機器を使用することができ、デジタルカメラの操作性が向上する。
ダイヤル表示部115bに表示された項目からダイヤル操作部115aを回転操作することにより使用したい項目を選択した後に、設定ボタン117を押下することで選択した項目を決定するようにした。これによって、デジタルカメラ100の使用時において、使用者の不用意な操作による設定ダイヤル115の誤動作を防止することができ、デジタルカメラの操作性が向上する。
【0049】
なお本実施形態は、以下のように変形することもできる。
【0050】
ダイヤル操作部115aはリング状ではなく多角形状としてもよい。また、ダイヤル表示部115bをダイヤル操作部115aの内側に配置したが、ダイヤル表示部115bをリング状としてダイヤル操作部115aの外側に配置してもよい。このとき、ダイヤル操作部115aは円形状としても構わない。
【0051】
ダイヤル操作部115aがスムーズに回転するように構成したが、機械的なクリック機構を設けてもよい。このとき、ダイヤル操作部115aの回転操作により1回クリックが発生すると、ダイヤル表示部115bに表示された絵文字が1つ移動するように設定しても構わないし、複数回クリックが発生するとダイヤル表示部115bに表示された絵文字が1つ移動するように設定しても構わない。
【0052】
ダイヤル操作部115aを回転操作することで各項目を選択するようにしたが、ダイヤル操作部115aの代わりにダイヤル表示部115bの上部にタッチパネルを配置することで各項目を選択できるようにしてもよい。ダイヤル表示部115bの上部にタッチパネルを配置する。配置するタッチパネルは光透過性を有するため、タッチパネルが配置されることによってダイヤル表示部115bの表示が遮られることはない。そして、タッチパネルを備えたダイヤル表示部115bの上を円形の開口を設けたデジタルカメラ100の筐体100aで覆うことで、タッチパネルを備えたダイヤル表示部115bの部分だけが露出する。そのため、使用者にはデジタルカメラ100に円形の設定ダイヤルが配置されているように見える。使用者は、ダイヤル表部115bに表示された絵文字に対して、指やタッチペンなどで触れたり回転させたりすることで、各項目を選択することができる。
ダイヤル表示部115bの表示形態は、図4、図5、図7、図8、図9に示すものには限定されず、ダイヤル操作部115aを回転操作させ、モードなどの項目選択を容易にするような表示であれば種々の変更が可能である。また、ダイヤル表示部115bに表示される絵文字の配置は円周状に限らず、ダイヤル表示部115b全体に絵文字を表示させ、ダイヤル操作部115aを回転操作すると選択される絵文字が順次変更されるようにしてもよい。この場合に前述のタッチパネルを使用すると、ダイヤル表示部115b全体に絵文字の中から選択したい絵文字に触れることで選択することができる。
【0053】
選択された絵文字を表示するために、選択された絵文字を他の絵文字より大きく表示するようにしたが、これに限らず、絵文字の色を変えたり、点滅させたりして識別できるようにしてもよい。また、各項目を示す絵文字の表示位置を固定して、選択している絵文字を指し示すための選択マークを移動させるようにしてもよい。なお選択された絵文字は、選択されていることが使用者にわかるように表示されれば、他の絵文字より大きく表示しなくても構わない。
【0054】
ダイヤル表示部115bに表示される絵文字は8つであったが、表示される絵文字の数はそれより多くても少なくてもよい。また表示される絵文字の数に応じて、各絵文字の大きさを変更してもよい。さらに、ダイヤル表示部115bに表示される項目数を、使用者が選択、設定できるようにしてもよい。
ダイヤル表示部115bには絵文字を表示するようにしたが、設定後数秒してもデジタルカメラ100に対する操作が行なわれない場合にはダイヤル表示部115bの表示をOFFにして、再度デジタルカメラ100に対する操作が行なわれた場合に、表示させるようにしてもよい。
【0055】
ダイヤル表示部115bの中央部には、設定した情報、例えばシャッタースピードや絞り値を表示するようにしたが、設定後数秒してもデジタルカメラ100に対する操作が行なわない場合には、残り撮影可能枚数、電池残量、日付、時刻など様々な情報を表示してもよいし、これらの情報を数秒おきに順次切り替えて表示するようにしても構わない。
【0056】
設定ボタン117は、デジタルカメラ100の背面に独立して配置したが、これには限定されず、図10に示すように設定ダイヤル115の中心位置に配置してもよい。また、設定ボタン117の機能を決定ボタン114に付与することで兼用し、設定ボタン117を設けなくてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0057】
本実施形態のデジタルカメラ100では、デジタルカメラ100で撮影した画像を設定ダイヤル115のダイヤル表示部115bに表示される絵文字として設定することができる。そして、設定した画像は後述するカスタムモードを選択したときの絵文字として表示され、使用者はその絵文字を選択することで、その画像を撮影したときの撮影条件をデジタルカメラ100に設定することができる。
まず、ダイヤル表示部115bに表示する絵文字として撮影した画像を登録または削除する場合のデジタルカメラ100の動作について説明する。図11は、動作を示すフローチャートである。
【0058】
図9に示すような再生に関する各種モードを表わす絵文字149〜152が表示され、セットアップモードを表わす絵文字152を設定ダイヤル指標116に合わせられ、設定ボタンが押下されると、図示はしないがセットアップモードに関する各種モードがダイヤル表示部115bに表示される(S201)。
【0059】
次に、カスタムモード画像設定を表わす絵文字が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S202)。カスタムモード画像設定を表わす絵文字が選択された場合、セットアップモードに関する各種モードの表示から、図12に示すようなメモリカード129に保存されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字群153がダイヤル表示部115bに表示される(S203)。また、カスタムモード画像設定の終了を表わす絵文字154、表示されていないサムネイル画像が縮小された絵文字群に表示を切り替える絵文字155も表示される。このとき、メモリカード129に保存されている画像には、画像以外に各種撮影条件、例えば彩度や露出補正などがEXIF形式で記録されているので、設定ダイヤル指標116の位置に合わせた絵文字について、その絵文字の基となる画像を撮影するときに変更した特徴的な撮影条件などをダイヤル表示部115bの中央部に表示させてもよい。
【0060】
次に、サムネイル画像が縮小された絵文字のうち1つが設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S204)。サムネイル画像が縮小された絵文字が選択された場合、その画像はカスタムモードで選択可能な絵文字として登録され(S205)、S203に戻って再びメモリカード129に保存されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字群153が再びダイヤル表示部115bに表示される。カスタムモードではダイヤル表示部115bに複数の絵文字を表示することができるので、カスタムモードに登録する画像がすべて選択されるまで、この操作が繰り返される。
【0061】
S204で、サムネイル画像が縮小された絵文字が選択されない場合には、さらにカスタムモード画像設定の終了を表わす絵文字154が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S207)。カスタムモード画像設定の終了を表わす絵文字154が選択された場合、図12に示すようなメモリカード129に保存されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字群153から、図9に示すような再生に関する各種モードを表わす絵文字149〜152がダイヤル表示部115bに再び表示される(S208)。カスタムモード画像設定の終了を表わす絵文字154が選択されない場合にはS203へ戻る。
【0062】
S202で、カスタムモード画像設定を表わす絵文字が選択されない場合には、さらにカスタムモード画像削除を表わす絵文字が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S208)。カスタムモード画像削除を表わす絵文字が選択された場合、セットアップモードに関する各種モードの表示から、既にカスタムモードに登録されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字群がダイヤル表示部115bに表示される(S209)。
【0063】
次に、既にカスタムモードに登録されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字を表わす絵文字のうち1つが設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S210)。サムネイル画像が縮小された絵文字を表わす絵文字が選択された場合、その画像はカスタムモードで選択可能な絵文字から削除され(S211)、既にカスタムモードに登録されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字群がダイヤル表示部115bに再び表示される(S212)。カスタムモードではダイヤル表示部115bに複数の絵文字を表示することができるので、既にカスタムモードに登録されている画像のうち、削除したい画像がすべて選択されるまで、この操作が繰り返される。
【0064】
S210で、サムネイル画像が縮小された絵文字が選択されない場合には、さらにカスタムモード画像設定の終了を表わす絵文字が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S213)。カスタムモード画像設定の終了を表わす絵文字が選択された場合、既にカスタムモードに登録されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字群の表示から、図9に示すような再生に関する各種モードを表わす絵文字149〜152がダイヤル表示部115bに再び表示される(S214)。カスタムモード画像設定の終了を表わす絵文字154が選択されない場合にはS209へ戻る。
【0065】
また、カスタムモードに設定可能な画像数に限りがある場合がある。設定可能な画像数を超えて登録しようとする場合には、既に登録されている画像を自動的に削除して、新しい画像を登録するようにしてもよい。このとき、カスタムモードから削除される画像は、カスタムモードに登録された順序が最も古いものや撮影利用頻度が最も低いものでも構わない。また、使用者が設定ダイヤル指標116に合わせて、設定ボタン117を決定したものでも構わない。
【0066】
なお、カスタムモードに設定する画像は、メモリカード129に保存されている画像と説明したが、デジタルカメラ100に内蔵のメモリ124に保存されている画像でも構わないし、デジタルカメラ100以外のデジタルカメラで撮影され、メモリカードに保存された画像でも構わない。
【0067】
次に、カスタムモードに登録した画像を選択し、その画像の撮影条件で撮影する場合について説明する。図13は、カスタムモードにおけるデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。
【0068】
デジタルカメラ100の電源がONされると、カスタムモードに絵文字が設定されている場合には、図14に示すようにダイヤル表示部115bには撮影に関する各種モードを表わす絵文字としてカスタムモードを表わす絵文字156が追加して表示される(S215)。また、撮影に関するモードでダイヤル表示部115bに表示される絵文字を切り替える絵文字157も表示される。
【0069】
次に、カスタムモードを表わす絵文字156が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S216)。このとき、絵文字156を設定ダイヤル指標116に合わせると、絵文字156は他の絵文字133、136〜140、157よりも大きく表示される。カスタムモードを表わす絵文字156が選択された場合、図14に示すような撮影に関する各種モードを表わす絵文字群の表示から、図15に示すようなカスタムモードに登録した画像を表わす絵文字群158、すなわち縮小されたサムネイル画像がダイヤル表示部115bに表示される(S217)。また、表示されていない画像を表わす絵文字に切り替える絵文字159、図14に示すような撮影に関する各種モードを示す絵文字群の表示に戻る絵文字160も表示される。このとき、設定ダイヤル指標116の位置に合わせた画像について、その画像を撮影するときに変更した特徴的な撮影条件などをダイヤル表示部115bの中央部に表示させてもよい。
【0070】
次に、サムネイル画像が縮小された絵文字のうち1つが設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S218)。サムネイル画像が縮小された絵文字が選択された場合、その画像を撮影したときの撮影条件にデジタルカメラ100が設定される(S219)。例えば、図15で設定ダイヤル指標116に合わせた位置にあるマクロモードによって花を撮影した画像を表わす絵文字を選択すると、デジタルカメラ100はマクロモードに設定され、使用者はその画像を撮影したときの彩度や露出補正などで撮影を行なうことができる。そして、カスタムモードに登録した画像を表わす絵文字群158がダイヤル表示部115bに表示される(S220)。
【0071】
S218でサムネイル画像が縮小された絵文字が選択されない場合には、さらにカスタムモードの終了を表わす絵文字160が設定ダイヤル指標116の位置に合致した状態で設定ボタン117が押下されたかどうかを判定する(S221)。カスタムモードの終了を表わす絵文字160が選択された場合、図15に示すようなカスタムモードに登録されている画像のサムネイル画像が縮小された絵文字群の表示から、図14に示すような撮影に関する各種モードを表わす絵文字群がダイヤル表示部115bに再び表示される(S222)。カスタムモードの終了を表わす絵文字160が選択されない場合にはS217へ戻る。
【0072】
S216でカスタムモードを表わす絵文字156が選択されない場合には、図6のS102へ進む。
【0073】
なお本実施形態におけるダイヤル表示部115bの表示形式は、第1実施形態と同様に、選択した絵文字を大きく表示したり、様々な絵文字を適宜表示したりするだけではなく、表示色、大きさ、形状など様々な表示形態で絵文字を表示してもよい。
【0074】
また、カスタムモードで表示される縮小されたサムネイル画像を選択する場合には、画像を背面のモニタ108に表示して選択しても構わない。
以上説明した本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
使用者は、撮影条件としてそれぞれの項目を設定しなくても、以前に撮影した条件を利用して撮影することができるので、撮影条件の設定が容易であり、デジタルカメラの操作性が向上する。
【0076】
使用者はダイヤル操作部115aを操作しながら、ダイヤル操作部115aの内側のダイヤル表示部115bに表示された絵文字を選択、決定することができるので、デジタルカメラ100の操作性が向上する。さらに、ダイヤル表示部115bに表示される絵文字として使用者が撮影した画像を使用して撮影条件の設定を行なうので、その画像を見ることによって使用者は撮影条件を容易に判断することができる。
【0077】
なお、第1実施形態および第2実施形態では電子機器としてデジタルカメラを例に説明したが、これらの実施形態に記載した設定ダイヤル115は、その他の電子機器、例えば携帯電話、PHSなどの電話機、PDA、スマートフォン、オーディオプレーヤー、ポインタなどの遠隔操作機器、プリンタ、プロジェクタ、カーナビゲーション、ゲーム機、ビデオカメラ、フィルムカメラなどに使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの外観を模式的に示した図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラ100の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態における設定ダイヤルに関する図である。
【図4】本発明の第1実施形態における撮影モード時の設定ダイヤルを示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態における設定ダイヤル指標を設けない場合の撮影モード時の設定ダイヤルを示した図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるマニュアルモードの選択、設定を行なった場合のデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態におけるシャッタースピードの選択、設定を行なう場合の設定ダイヤルの表示動作を示したである。
【図8】本発明の第1実施形態における絞り値の選択、設定を行なう場合の設定ダイヤルの表示動作を示した図である。
【図9】本発明の第1実施形態における再生モード時の設定ダイヤルを示した図である。
【図10】本発明の第1実施形態における設定ボタンに関する変形例を示した図である。
【図11】本発明の第2実施形態におけるカスタムモードに画像を登録する場合のデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態におけるカスタムモードに画像を登録する場合の設定ダイヤルの表示動作を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態におけるカスタムモードを選択、撮影する場合のデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態における撮影モード時の設定ダイヤルを示した図である。
【図15】本発明の第2実施形態におけるカスタムモード時の設定ダイヤルを示した図である。
【符号の説明】
【0079】
100 デジタルカメラ
100a 筐体
101 シャッターボタン
102 レンズ鏡筒
103 レンズ
104a ファインダー窓
104b ファインダー
105 内蔵フラッシュ
106 メモリカードスロット
107 電源スイッチ
108 モニタ
109 望遠ズームボタン
110 広角ズームボタン
111 再生ボタン
112 メニューボタン
113 十字操作ボタン
114 決定ボタン
115 設定ダイヤル
115a ダイヤル操作部
115b ダイヤル表示部
115b´ 表示素子
115c 保護部材
115d エンコーダ
116 設定ダイヤル指標
117 設定ボタン
118 レンズ駆動部
119 制御部
120 撮像素子
121 相関二重サンプリング回路
122 自動ゲインコントロール回路
123 アナログデジタル変換器
124 メモリ
125 バス
126 信号処理部
127 圧縮伸張部
128 カードインターフェース
129 メモリカード
130 ドライバ
131 デジタルアナログ変換器
132 操作部
133〜160 絵文字

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定から設定を選択する回転操作部と、
前記回転操作部の内側に複数の設定を表示する表示部と、
前記回転操作部の回転を検出する検出部と、
前記検出部で検出した回転に応じて、前記表示部の表示を制御する表示制御部とを備えること
を特徴とする設定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設定装置において、
前記検出部は、前記回転操作部の回転量、回転方向のうち少なくとも1つを検出すること
を特徴とする設定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の設定装置において、
前記表示制御部は、前記回転操作部の回転に応じて前記設定の表示を変化させること
を特徴とする設定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の設定装置において、
前記表示制御部は、前記設定を円周状に表示し、前記回転操作部の回転に応じて前記設定の表示を前記円周上で移動させること
を特徴とする設定装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の設定装置において、
前記表示制御部は、前記回転操作部により選択された前記設定の大きさを変化させること
を特徴とする設定装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の設定装置において、
前記表示制御部は、前記回転操作部で設定を選択すると前記選択した設定に関連した設定を表示すること
を特徴とする設定装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の設定装置において、
選択された設定を記憶する記憶部を有し、
前記表示制御部は、電源を切断した後に電源を再度投入したときに、電源切断時に選択されていた設定を選択されている設定として前記表示部に表示させること
を特徴とする設定装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の設定装置において、
前記設定は、絵文字として表示されること
を特徴とする設定装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の設定装置を備えること
を特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の設定装置を備えること
を特徴とするデジタルカメラ。
【請求項11】
請求項10に記載のデジタルカメラにおいて、
前記表示部は、前記設定として縮小撮影画像を表示し、
選択された縮小撮影画像の撮影条件を前記デジタルカメラの撮影条件として設定すること
を特徴とするデジタルカメラ。
【請求項12】
請求項11に記載のデジタルカメラにおいて、
前記縮小撮影画像は、撮影画像を選択することが可能であること
を特徴とするデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−165118(P2008−165118A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286(P2007−286)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】