設計支援プログラム及び設計支援方法
【課題】 シート状の搬送体を搬送するための搬送機構において、搬送機構制御ソフトウェアの不具合の原因を特定するのに非常に時間がかかっていた。
【解決手段】 搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とすべく、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定し(図3)、設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断し(S55)、搬送方向が異なると判断した場合、コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う(S56)。
【解決手段】 搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とすべく、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定し(図3)、設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断し(S55)、搬送方向が異なると判断した場合、コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う(S56)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機構制御設計を支援するための設計支援プログラム及び設計支援方法に関する。より詳細には、シート状の搬送体を搬送するための搬送機構を制御するためのソフトウェアの設計支援プログラム及び設計支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙などのシート状の搬送体(以下、単に紙と称す)の搬送はあらゆる分野で行われている。例えば、複写機、プリンタ等の画像形成装置では、紙をローラやガイドなどの搬送機構によって搬送する。
【0003】
紙を搬送する際には、多くの場合、単に等速で一方向にのみ搬送するのは稀有であり、例えばセンサにより搬送体の位置を検知し、所定位置で停止させたり、ローラを逆回転させ搬送方向を反転させたりすることがほとんどである。したがって、紙を搬送する際には、紙を搬送する機構を制御するためのソフトウェアが不可欠である。
【0004】
また、例えば、近年の画像形成装置は高機能・高生産が謳われており、それに伴い画像形成装置を制御するためのソフトウェアは複雑化し、不具合の発見から原因特定、修正の工数も増大している。
【0005】
そこで、近年のコンピュータの性能向上に伴い、搬送機構設計にシミュレーション技術を用いる機会も増えてきている。例えば、紙の挙動をシミュレーションにより算出し、搬送機構に潜在する欠陥を発見するためのシステムなども提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
また、機構シミュレーションがあらゆる場面で活躍する一方、機構を制御するためのソフトウェアの検証に関するものも提案されている。例えば、キーボード等の入力装置からプリンタ制御ソフトウェアにスイッチのオン/オフやカバーの開閉などの外部イベントを発生させる設計支援方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−81600号公報
【特許文献2】特開平5−143260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、例えば高生産を謳った図13の画像形成装置の紙搬送制御では、図14のような制御を行っていた。すなわち、パスABのモータM1をオンし(S01)、紙PをモータM1から駆動されるローラR1およびローラR2によりAB方向に搬送する。そしてパスBCのモータM2をオンし(S02)、センサS1オン後(S03)、所定タイミング待って(S04)、ローラR3を反転回転する(S05)。
【0008】
ここで、例えばS04のタイミングが短く設定されており、ローラR3が紙Pを搬送中にS05においてモータM2を反転回転させると、本来反転搬送されるはずのないパスBC内を紙Pが反転搬送されることになり、ジャムになってしまう。
【0009】
このようなケースでは、実際の紙の搬送方向と、本来紙が搬送されるべき方向に不一致が起きるため、パスBCのセンサS1に紙Pが到達せず、従来の搬送制御ソフトウェア検証では単にジャムとなってしまう。ジャムの発生には様々な原因があるため、搬送方向の不一致によるジャムであるといったように原因の特定が難しかった。
【0010】
つまり従来の搬送制御ソフトウェア検証では、設計とは異なる想定外の動作をした場合に、まず目視で状態を確認し、タイミングの検証を行い、原因を類推し、不具合箇所を特定するというステップを踏むため、開発効率が悪かった。
【0011】
また、前記図7の従来例における画像形成装置の紙搬送制御で、ローラR3より下流の不図示のローラにより無理矢理引き抜かれ、ジャムにはならない場合もある。このような場合、別の不具合、例えば紙の擦れなどの現象を引き起こし、S04の不具合が原因であると特定するのは非常に困難である。
【0012】
従来の特許文献1などの技術では、機構に潜在する不具合の原因は特定できても、現実世界で搬送機構を制御するためのソフトウェアは用いられないため、該ソフトウェアに潜在する不具合の原因特定はできなかった。また従来の特許文献2の技術では、ソフトウェアに潜在する不具合の発見はできても原因特定は従来の手法通り行う必要があり、非常に効率が悪かった。
【0013】
本発明は、搬送機構制御ソフトウェアの検証を効率よく行える設計支援方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を解決するために、本発明に係る設計支援プログラムは、搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、コンピュータ読み取り可能な設計支援プログラムにおいて、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る設計支援方法は、搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を、コンピュータを用いて検証可能とする設計支援方法において、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る設計支援プログラムは、画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援プログラムにおいて、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る設計支援方法は、画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援方法において、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、例えば反転搬送してはならない搬送機構において反転搬送しようとした場合に、異常が発生する以前に原因の特定を行うことができるなど、搬送機構ソフトウェアの検証を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る設計支援装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【実施例1】
【0020】
まず、実施例1について説明する。本実施例では、紙搬送シミュレーションにおいて、予め設定された搬送方向と異なる方向に仮想紙が搬送された場合に警告表示を行うものである。ここでは、シミュレーション上での仮想的な紙を指すため、「仮想」という表現を用いている。
【0021】
図1は、本実施例に係る設計支援装置である。本実施例の設計支援装置は、画像形成装置の紙搬送シミュレーションをパーソナルコンピュータ上で行うことの出来る紙搬送シミュレータである。また、現実世界の画像形成装置を制御するファームソフトウェアの制御タイミング設計を支援し、ファームソフトウェアの処理動作の検証を可能とするものである。
【0022】
本実施例の設計支援装置は、ソフトウェアシミュレーション部1、機構シミュレーション部2、入力監視部4、表示制御部5から構成される。各々はパーソナルコンピュータ内のHDD内に記憶されており、同パーソナルコンピュータ内のCPU上で実行される。実行される時には、パーソナルコンピュータのRAM上に展開された後実行される。
【0023】
ソフトウェアシミュレーション部1は、紙搬送制御に関するファームソフトウェアをパーソナルコンピュータ内のCPU上で仮想的に実行するためのものである。入力監視部4はマンマシンインターフェースたるキーボードデバイスやマウスなどの入力を監視しており、前記ソフトウェアシミュレーションの実行開始をソフトウェアシミュレーション部1に指示する。
【0024】
ソフトウェアシミュレーションの実行結果は機構シミュレーション部2に渡される。機構シミュレーション部2では紙搬送制御に関わる仮想ローラの速度などから仮想紙が紙搬送機構内のどの部位に存在するかを計算により求め、ソフトウェアシミュレーション部1もしくは表示制御部5に渡される。
【0025】
図2は、表示制御部5によってパーソナルコンピュータに付随するディスプレイ上に示される紙搬送シミュレーション画面W1の表示例である。紙搬送シミュレーション画面W1では、仮想紙搬送パスは点線、仮想ローラは丸、仮想センサは三角、仮想紙は実線Pで表現される。
【0026】
紙搬送シミュレーション画面W1上にて分岐点BをマウスカーソルPTでポイントし、該ポインティングデバイスのボタンをクリックすると、図3に示すような搬送パス属性設定画面W2が表示される。ここで搬送パスとは所定の長さを持つ紙搬送パスである。
【0027】
搬送パス属性設定画面W2では、仮想搬送パスに対して仮想紙の搬送方向を設定することができる。搬送パス名表示W20には「パスAB」のように、設計者が任意につけた仮想搬送パスの名称が表示される。W22には仮想搬送パスの制御値である「0」もしくは「1」、「−1」が選択できる。制御値「1」の場合、仮想紙が正方向のみ移動可能を定義し、同様に「−1」は反転方向のみの移動を定義する。また、「0」として正方向、反転方向の両者についての移動を定義する。
【0028】
図4は本実施例の設計支援装置のソフトウェアシミュレーション部1および機構シミュレーション部2の態様を示す。
【0029】
ソフトウェアシミュレーション部1は、ファームソフトウェア部10、入力I/F部12、出力I/F部13から構成される。
【0030】
ファームソフトウェア部10は現実世界の画像形成装置の紙搬送制御を行うためのソフトウェアである。
【0031】
入力I/F部12は機構シミュレーション部2からの情報を入力する部分である。出力I/F部13は機構シミュレーション部2に情報を出力する部分である。
【0032】
機構シミュレーション部2は、紙位置計算部20、入力I/F部29、出力I/F部27、紙位置表示部28から構成される。
【0033】
入力I/F部29はソフトウェアシミュレーション部1の出力I/F部13からの出力結果を受け付ける部分であり、紙搬送制御に係る制御情報を後段に渡すためのものである。
【0034】
紙位置計算部20は、仮想ローラの位置を記憶し、前記ソフトウェアシミュレーション部1からの紙搬送制御情報に従って、仮想ローラを回転させ、前記記憶している仮想ローラの位置と仮想ローラの回転速度に応じて、仮想紙の搬送経路内における仮想紙Pの先端位置及び後端位置を計算し、記憶する部分である。
【0035】
紙位置表示部28は、前段の紙位置計算部20により計算された仮想紙Pの先端位置及び後端位置に基づき、表示制御部5に対して前述した紙搬送シミュレーション画面W1を表示させるよう指示するための部分である。
【0036】
出力I/F部27は前段の紙位置計算部20でセットされた紙位置情報をソフトウェアシミュレーション部1の入力I/F部12に与えるための部分である。
【0037】
パス属性設定登録部31、すなわち図3に示す搬送パス属性設定画面W2は、仮想搬送パスに仮想紙の搬送方向に搬送方向の制御値を設定し、パス方向管理部32へ受け渡す。
【0038】
パス方向管理部32は、パス属性設定登録部31で設定されたパス方向を保持する部分である。
【0039】
図5は、紙位置計算部20における処理の流れを示したフローチャートである。このフローチャートに示す紙位置制御を行う前に、予め各仮想搬送パスに対する仮想紙の搬送方向が設定されている(図3)。
【0040】
紙位置計算部20は、まず所定時間間隔tで処理を行う(S51)。そして、紙搬送速度vと時間間隔tから仮想紙Pが進む距離S=v×tを求めることにより仮想紙Pの位置を計算する(S54)。
【0041】
前回の仮想紙の位置とS54で求めた今回更新を予定する仮想紙の位置との差分より仮想紙の搬送方向を求め、パス方向管理部32に登録されている仮想搬送パスの情報より移動先の仮想搬送パスに設定されている方向を取得し、求めた仮想紙の搬送方向と比較を行う(S55)。
【0042】
S55で仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が一致しなければ、パス不正警告表示部30に通知し、発生した仮想搬送パスなどの情報を受け渡す。パス不正警告表示部30では、図6に示すようなダイアログを表示し、開発者に「無効な方向に紙を進めました!」のメッセージを警告表示し(S56)、異常終了(搬送停止)させる。
【0043】
S55で仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が一致すれば、S54で計算した紙位置へ更新する。更新された位置情報は紙位置表示部28に渡され、紙搬送シミュレーション画面W1に表示される(S57)。
【0044】
S57での紙位置変化は出力I/F部27に渡される(S58)。出力I/F部27は紙位置情報をソフトウェアシミュレーション部1の入力I/F部12に出力する。
【0045】
次に、図13および図14を用いて実際のシミュレーション動作に則して説明を加える。図13は紙搬送制御に関する各種デバイス配置の一例である。紙搬送制御に要求されているのは以下の事項である。仮想紙Pを仮想ローラR1およびR2により、仮想パスAB上の実線矢印方向に搬送する。仮想ローラR1および仮想ローラR2は仮想モータM1から駆動を受けている。続いて仮想ローラR3を正転させ、仮想パスBCで仮想紙Pを進める。仮想ローラR3および仮想ローラR4は仮想モータM2から駆動を受けている。仮想紙Pの後端が仮想ローラR3の下流5mmに達した時点で、仮想モータM2を停止後、仮想モータM2を反転回転させ、仮想ローラR4を反転回転させる。点線矢印は駆動関係を示している。
【0046】
設計者がマンマシンインターフェースより紙搬送シミュレーションの開始を指示すると、入力監視部4を介してオペレーティングシステム3によりソフトウェアシミュレーション部1および機構シミュレーション部2が実行される。ソフトウェアシミュレーション部1が開始されると、ファームソフトウェア部10はオペレーティングシステム3と協調して、現実世界の画像形成装置の紙搬送制御を行うためのソフトウェアを逐次実行していく。
【0047】
ファームソフトウェア部10は図14のフローチャートに従って、紙搬送制御を行っている。所定位置に仮想紙Pが達すると、仮想モータM1をオンさせ(S01)、仮想モータM2を正転させる(S02)。そして仮想センサS1がオンされるのを待ち(S03)、オンされれば仮想モータM2の反転タイミングを待つ(S04)。
【0048】
そして、仮想紙Pの後端が仮想ローラR3の下流5mmに達したタイミングで、仮想モータM2の反転を開始する(S05)。ここで本来、S04で仮想紙Pの後端が仮想ローラR3の下流5mmに達したタイミングを待たなければならないのであるが、例えばソフトウェアの記述ミスによりこのタイミングが早すぎて仮想ローラR3を仮想紙Pの後端が抜けていなかったと想定する。この場合、仮想パスBCを仮想紙Pは逆流していくことになる。
【0049】
S01における仮想モータM1オンの情報は、入力I/F部29を介して紙位置計算部20に渡される、接続されている仮想ローラR1および仮想ローラR2が回転する。
【0050】
S02における仮想モータM2正転開始の情報は、入力I/F部29を介して紙位置計算部20に渡される、接続されている仮想ローラR3が回転する。
【0051】
紙位置計算部20は仮想ローラR1および仮想ローラR2、仮想ローラR3の回転に従って仮想紙Pの位置を更新していき、仮想センサS1に到達したタイミングで出力I/F部27を介してファームソフトウェア部10に仮想センサS1のON情報を与え、S03の待ち処理を抜ける。
【0052】
S04の待ち処理を抜け、S05における仮想モータM2反転開始の情報は、入力I/F部29を介して紙位置計算部20に渡される、接続されている仮想ローラR3が反転する。紙位置計算部20は仮想ローラR3の回転に従って仮想紙Pの位置を更新していくが、仮想パスBCは図3のW2に示すように、正転方向の向きに設定されている。従って、図5の紙位置制御フローチャートのS55での仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が異なるため、図6に示す警告表示がなされる。
【0053】
以上説明したように、本実施例による設計支援方法では、仮想紙の搬送方向の誤りを発見することにより、反転制御に制御の誤りがあることを設計者に知らせることができる。
【0054】
なお、図3の搬送パス属性設定画面はその形態に限定したものではなく、例えば予めデータファイルに設定データとして記録しておき、本実施例による設計支援装置を始動させる前に読み込むようにしても良い。
【0055】
また、図6の警告表示はその形態に限定したものではなく、例えば図2の紙搬送シミュレーション画面W1上にて分岐点Bの色を変化させたり、形状を変化させたり、拡大表示したり、マーカを表示したりなどして設計者に注意喚起してもよい。
【実施例2】
【0056】
次に、実施例2について説明する。本実施例も、実施例1と同様に、予め設定された搬送方向と異なる方向に紙が搬送された場合に警告表示するものであるが、実際にローラで紙を搬送させつつ、紙の搬送状況及び当該警告を画像形成装置に設けられたタッチパネル式ディスプレイに表示する点で異なる。
【0057】
また、本実施例では、実際に紙等のシート状の搬送体(以下単に「紙」と称す)をローラで搬送させているので、「仮想」という表現は省いている。
【0058】
図7は、本発明に係る設計支援装置である。本実施例の設計支援装置は、画像形成装置の紙搬送状態を該画像形成装置内で表示できるものであり、画像形成装置を制御するファームソフトウェアの制御タイミング設計を支援するためのものである。
【0059】
本実施例の設計支援装置は、ソフトウェア部1b、機構モニタ部2、入力監視部4b、表示制御部5bから構成される。各々は画像形成装置内のROMもしくはHDD内に記憶されており、同画像形成装置内のCPU上で実行される。
【0060】
ソフトウェア部1bは、紙搬送制御に関するファームソフトウェアである。入力監視部4bは図8に示すマンマシンインターフェースたるタッチパネル式ディスプレイ50およびテンキー40などの入力を監視している。
【0061】
ソフトウェア部1bの実行により、画像形成装置の紙搬送機構6内のモータ60、クラッチ61、フラッパ62が制御される。紙の移動結果はセンサ63によりソフトウェア部1bにフィードバックされる。
【0062】
また、ソフトウェア部1bの実行結果は機構モニタ部2bに渡される。機構モニタ部2bでは紙搬送制御に関わるローラの速度などから紙が紙搬送機構6内のどの部位に存在するかを計算により求め、表示制御部5bに渡される。
【0063】
表示制御部5bにより、タッチパネル式ディスプレイ50上に図9に示すような紙搬送表示画面が表示される。紙搬送表示画面では、紙搬送パスは点線、ローラは丸、センサは三角、紙は実線Pで表現される。
【0064】
紙搬送表示画面上にて分岐点Bを指Fなどでポイントすると搬送パス属性設定が表示される。搬送パス属性設定(W20〜221)では搬送パスに対して紙の搬送方向を設定することができる。詳細は実施例1と同様である。
【0065】
図10は本実施例の設計支援装置のソフトウェア部1b、機構モニタ部2bおよび紙搬送機構6の態様を示す。
【0066】
ソフトウェア部部1bは、ファームソフトウェア部10、入力I/F部b12、出力I/F部13bから構成される。
【0067】
ファームソフトウェア部10は画像形成装置の紙搬送制御を行うためのソフトウェアである。
【0068】
入力I/F部12bは紙機構機構6からの情報を入力する部分である。出力I/F部13bは紙搬送機構6および機構モニタ部2bに情報を出力する部分である。
【0069】
機構モニタ部2bは、紙位置計算部20、入力I/F部29、パス管理部24、フラッパシミュレーション部25、紙位置表示部28から構成される。主たる構成は実施例1と同様である。実施例1ではソフトウェアシミュレーション部1へのセンサによるフィードバックがなかったため、紙位置計算部20で生成していたが、紙搬送機構6があるため本実施例では必要ない。
【0070】
紙搬送機構6は、モータ60、クラッチ61、フラッパ62、センサ63から構成される。
【0071】
実施例1同様に、実際の紙搬送機構6が図13に示す配置であって、ファームソフトウェア部10が図14のフローチャートに従って紙搬送制御を行った場合、タッチパネル式ディスプレイ50上に図11に示す警告表示60が表示される。
【0072】
以上説明したように、本実施例の設計支援方法でも、パス方向と紙の搬送方向に不正が発生したことを設計者に知らせることができる。
【0073】
なお図11の搬送パス属性設定はその形態に限定したものではなく、例えば予めデータファイルに設定データとして記録しておき、本実施例による設計支援装置を始動させる前に読み込むようにしても良い。
【0074】
また図11の警告表示はその形態に限定したものではなく、例えば図2の紙搬送シミュレーション画面W1上にて分岐点Bの色を変化させたり、形状を変化させたり、拡大表示したり、マーカを表示したりなどして設計者に注意喚起してもよい。
【実施例3】
【0075】
実施例1および2では、図5のS54〜S57のように仮想紙が所定時間t内に移動した方向によって図6のパス方向不正警告画面を表示していたが、本実施例のように仮想ローラの回転方向によってパス方向不正警告画面を表示してもよい。
【0076】
図12は本実施例による紙位置計算部20のフローチャートである。紙位置計算部20は、まず所定時間間隔tで処理を行う(S61)。そして、紙搬送速度vが正または負かをチェックし、この正負判断から紙の搬送方向を求め、パス方向管理部32に登録されている仮想搬送パスの情報より移動先の仮想搬送パスに設定されている方向を取得し、求めた仮想紙の搬送方向と比較を行う(S62)。
【0077】
仮想紙の搬送方向と登録されている搬送方向が一致していれば、時間間隔tから仮想紙Pが進む距離S=v×tを求めることにより仮想紙Pの位置を計算する(S63)。S63で計算した紙位置へ更新し(S64)、更新された位置情報は紙位置表示部28に渡され、紙搬送シミュレーション画面W1に表示される(S65)。S64での紙位置変化は出力I/F部27に渡される(S65)。出力I/F部27は紙位置情報をソフトウェアシミュレーション部1の入力I/F部12に出力する。
【0078】
S62で仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が一致しなければ、パス不正警告表示部30に通知し、発生した仮想搬送パスなどの情報を受け渡す。パス不正警告表示部30では、図6に示すようなダイアログを表示し、開発者に「無効な方向に紙を進めました!」のメッセージを警告表示し(S66)、異常終了(搬送停止)させる。
【0079】
実施例1および2同様に実際の紙搬送機構6が図13に示す配置であって、ファームソフトウェア部10が図14のフローチャートに従って紙搬送制御を行った場合、図6のような警告表示が行われる。
【0080】
以上説明したように、本実施例による設計支援方法では、仮想紙の搬送方向の誤りを発見することにより、この例では反転制御に制御の誤りがあることを設計者に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る実施例1の設計支援装置の制御ブロック図である。
【図2】図1の設計支援装置の画面表示イメージ図である。
【図3】図1の設計支援装置の搬送パス属性設定画面表示イメージ図である。
【図4】実施例1の設計支援装置のより詳細な制御ブロック図である。
【図5】本発明に係る設計支援方法による紙位置計算部のフローチャートである。
【図6】図1の設計支援装置の搬送パス不正警告画面表示イメージ図である。
【図7】実施例2の設計支援装置のより詳細な制御ブロック図である。
【図8】実施例2の設計支援装置のマンマシンインターフェースのイメージ図である。
【図9】実施例2の設計支援装置の搬送パス属性設定画面表示イメージ図である。
【図10】実施例2の設計支援装置のより詳細な制御ブロック図である。
【図11】実施例2の設計支援装置の搬送パス不正警告画面表示イメージ図である。
【図12】本発明に係る実施例3の紙位置計算部のフローチャートである。
【図13】従来例の紙搬送制御の一例を表す図である。
【図14】図13の従来例の紙搬送制御を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 ソフトウェアシミュレーション部
1b ソフトウェア部
2 機構シミュレーション部
2b 機構モニタ部
4 入力装置
5 表示制御部
10 ファームソフトウェア部
12 入力I/F部
13 出力I/F部
20 紙位置計算部
27 出力I/F部
28 紙位置表示部
29 入力I/F部
30 パス不正警告表示部
31 パス属性設定登録部
32 パス方向管理部
40 テンキー
50 タッチパネル式ディスプレイ
M1 (仮想)モータ
M2 (仮想)モータ
P (仮想)紙
R1 (仮想)ローラ
R2 (仮想)ローラ
R3 (仮想)ローラ
S1 (仮想)センサ
W1 紙搬送シミュレーション画面
W2 搬送パス属性設定画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、機構制御設計を支援するための設計支援プログラム及び設計支援方法に関する。より詳細には、シート状の搬送体を搬送するための搬送機構を制御するためのソフトウェアの設計支援プログラム及び設計支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙などのシート状の搬送体(以下、単に紙と称す)の搬送はあらゆる分野で行われている。例えば、複写機、プリンタ等の画像形成装置では、紙をローラやガイドなどの搬送機構によって搬送する。
【0003】
紙を搬送する際には、多くの場合、単に等速で一方向にのみ搬送するのは稀有であり、例えばセンサにより搬送体の位置を検知し、所定位置で停止させたり、ローラを逆回転させ搬送方向を反転させたりすることがほとんどである。したがって、紙を搬送する際には、紙を搬送する機構を制御するためのソフトウェアが不可欠である。
【0004】
また、例えば、近年の画像形成装置は高機能・高生産が謳われており、それに伴い画像形成装置を制御するためのソフトウェアは複雑化し、不具合の発見から原因特定、修正の工数も増大している。
【0005】
そこで、近年のコンピュータの性能向上に伴い、搬送機構設計にシミュレーション技術を用いる機会も増えてきている。例えば、紙の挙動をシミュレーションにより算出し、搬送機構に潜在する欠陥を発見するためのシステムなども提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
また、機構シミュレーションがあらゆる場面で活躍する一方、機構を制御するためのソフトウェアの検証に関するものも提案されている。例えば、キーボード等の入力装置からプリンタ制御ソフトウェアにスイッチのオン/オフやカバーの開閉などの外部イベントを発生させる設計支援方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−81600号公報
【特許文献2】特開平5−143260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、例えば高生産を謳った図13の画像形成装置の紙搬送制御では、図14のような制御を行っていた。すなわち、パスABのモータM1をオンし(S01)、紙PをモータM1から駆動されるローラR1およびローラR2によりAB方向に搬送する。そしてパスBCのモータM2をオンし(S02)、センサS1オン後(S03)、所定タイミング待って(S04)、ローラR3を反転回転する(S05)。
【0008】
ここで、例えばS04のタイミングが短く設定されており、ローラR3が紙Pを搬送中にS05においてモータM2を反転回転させると、本来反転搬送されるはずのないパスBC内を紙Pが反転搬送されることになり、ジャムになってしまう。
【0009】
このようなケースでは、実際の紙の搬送方向と、本来紙が搬送されるべき方向に不一致が起きるため、パスBCのセンサS1に紙Pが到達せず、従来の搬送制御ソフトウェア検証では単にジャムとなってしまう。ジャムの発生には様々な原因があるため、搬送方向の不一致によるジャムであるといったように原因の特定が難しかった。
【0010】
つまり従来の搬送制御ソフトウェア検証では、設計とは異なる想定外の動作をした場合に、まず目視で状態を確認し、タイミングの検証を行い、原因を類推し、不具合箇所を特定するというステップを踏むため、開発効率が悪かった。
【0011】
また、前記図7の従来例における画像形成装置の紙搬送制御で、ローラR3より下流の不図示のローラにより無理矢理引き抜かれ、ジャムにはならない場合もある。このような場合、別の不具合、例えば紙の擦れなどの現象を引き起こし、S04の不具合が原因であると特定するのは非常に困難である。
【0012】
従来の特許文献1などの技術では、機構に潜在する不具合の原因は特定できても、現実世界で搬送機構を制御するためのソフトウェアは用いられないため、該ソフトウェアに潜在する不具合の原因特定はできなかった。また従来の特許文献2の技術では、ソフトウェアに潜在する不具合の発見はできても原因特定は従来の手法通り行う必要があり、非常に効率が悪かった。
【0013】
本発明は、搬送機構制御ソフトウェアの検証を効率よく行える設計支援方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を解決するために、本発明に係る設計支援プログラムは、搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、コンピュータ読み取り可能な設計支援プログラムにおいて、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る設計支援方法は、搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を、コンピュータを用いて検証可能とする設計支援方法において、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る設計支援プログラムは、画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援プログラムにおいて、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る設計支援方法は、画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援方法において、所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、例えば反転搬送してはならない搬送機構において反転搬送しようとした場合に、異常が発生する以前に原因の特定を行うことができるなど、搬送機構ソフトウェアの検証を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る設計支援装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【実施例1】
【0020】
まず、実施例1について説明する。本実施例では、紙搬送シミュレーションにおいて、予め設定された搬送方向と異なる方向に仮想紙が搬送された場合に警告表示を行うものである。ここでは、シミュレーション上での仮想的な紙を指すため、「仮想」という表現を用いている。
【0021】
図1は、本実施例に係る設計支援装置である。本実施例の設計支援装置は、画像形成装置の紙搬送シミュレーションをパーソナルコンピュータ上で行うことの出来る紙搬送シミュレータである。また、現実世界の画像形成装置を制御するファームソフトウェアの制御タイミング設計を支援し、ファームソフトウェアの処理動作の検証を可能とするものである。
【0022】
本実施例の設計支援装置は、ソフトウェアシミュレーション部1、機構シミュレーション部2、入力監視部4、表示制御部5から構成される。各々はパーソナルコンピュータ内のHDD内に記憶されており、同パーソナルコンピュータ内のCPU上で実行される。実行される時には、パーソナルコンピュータのRAM上に展開された後実行される。
【0023】
ソフトウェアシミュレーション部1は、紙搬送制御に関するファームソフトウェアをパーソナルコンピュータ内のCPU上で仮想的に実行するためのものである。入力監視部4はマンマシンインターフェースたるキーボードデバイスやマウスなどの入力を監視しており、前記ソフトウェアシミュレーションの実行開始をソフトウェアシミュレーション部1に指示する。
【0024】
ソフトウェアシミュレーションの実行結果は機構シミュレーション部2に渡される。機構シミュレーション部2では紙搬送制御に関わる仮想ローラの速度などから仮想紙が紙搬送機構内のどの部位に存在するかを計算により求め、ソフトウェアシミュレーション部1もしくは表示制御部5に渡される。
【0025】
図2は、表示制御部5によってパーソナルコンピュータに付随するディスプレイ上に示される紙搬送シミュレーション画面W1の表示例である。紙搬送シミュレーション画面W1では、仮想紙搬送パスは点線、仮想ローラは丸、仮想センサは三角、仮想紙は実線Pで表現される。
【0026】
紙搬送シミュレーション画面W1上にて分岐点BをマウスカーソルPTでポイントし、該ポインティングデバイスのボタンをクリックすると、図3に示すような搬送パス属性設定画面W2が表示される。ここで搬送パスとは所定の長さを持つ紙搬送パスである。
【0027】
搬送パス属性設定画面W2では、仮想搬送パスに対して仮想紙の搬送方向を設定することができる。搬送パス名表示W20には「パスAB」のように、設計者が任意につけた仮想搬送パスの名称が表示される。W22には仮想搬送パスの制御値である「0」もしくは「1」、「−1」が選択できる。制御値「1」の場合、仮想紙が正方向のみ移動可能を定義し、同様に「−1」は反転方向のみの移動を定義する。また、「0」として正方向、反転方向の両者についての移動を定義する。
【0028】
図4は本実施例の設計支援装置のソフトウェアシミュレーション部1および機構シミュレーション部2の態様を示す。
【0029】
ソフトウェアシミュレーション部1は、ファームソフトウェア部10、入力I/F部12、出力I/F部13から構成される。
【0030】
ファームソフトウェア部10は現実世界の画像形成装置の紙搬送制御を行うためのソフトウェアである。
【0031】
入力I/F部12は機構シミュレーション部2からの情報を入力する部分である。出力I/F部13は機構シミュレーション部2に情報を出力する部分である。
【0032】
機構シミュレーション部2は、紙位置計算部20、入力I/F部29、出力I/F部27、紙位置表示部28から構成される。
【0033】
入力I/F部29はソフトウェアシミュレーション部1の出力I/F部13からの出力結果を受け付ける部分であり、紙搬送制御に係る制御情報を後段に渡すためのものである。
【0034】
紙位置計算部20は、仮想ローラの位置を記憶し、前記ソフトウェアシミュレーション部1からの紙搬送制御情報に従って、仮想ローラを回転させ、前記記憶している仮想ローラの位置と仮想ローラの回転速度に応じて、仮想紙の搬送経路内における仮想紙Pの先端位置及び後端位置を計算し、記憶する部分である。
【0035】
紙位置表示部28は、前段の紙位置計算部20により計算された仮想紙Pの先端位置及び後端位置に基づき、表示制御部5に対して前述した紙搬送シミュレーション画面W1を表示させるよう指示するための部分である。
【0036】
出力I/F部27は前段の紙位置計算部20でセットされた紙位置情報をソフトウェアシミュレーション部1の入力I/F部12に与えるための部分である。
【0037】
パス属性設定登録部31、すなわち図3に示す搬送パス属性設定画面W2は、仮想搬送パスに仮想紙の搬送方向に搬送方向の制御値を設定し、パス方向管理部32へ受け渡す。
【0038】
パス方向管理部32は、パス属性設定登録部31で設定されたパス方向を保持する部分である。
【0039】
図5は、紙位置計算部20における処理の流れを示したフローチャートである。このフローチャートに示す紙位置制御を行う前に、予め各仮想搬送パスに対する仮想紙の搬送方向が設定されている(図3)。
【0040】
紙位置計算部20は、まず所定時間間隔tで処理を行う(S51)。そして、紙搬送速度vと時間間隔tから仮想紙Pが進む距離S=v×tを求めることにより仮想紙Pの位置を計算する(S54)。
【0041】
前回の仮想紙の位置とS54で求めた今回更新を予定する仮想紙の位置との差分より仮想紙の搬送方向を求め、パス方向管理部32に登録されている仮想搬送パスの情報より移動先の仮想搬送パスに設定されている方向を取得し、求めた仮想紙の搬送方向と比較を行う(S55)。
【0042】
S55で仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が一致しなければ、パス不正警告表示部30に通知し、発生した仮想搬送パスなどの情報を受け渡す。パス不正警告表示部30では、図6に示すようなダイアログを表示し、開発者に「無効な方向に紙を進めました!」のメッセージを警告表示し(S56)、異常終了(搬送停止)させる。
【0043】
S55で仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が一致すれば、S54で計算した紙位置へ更新する。更新された位置情報は紙位置表示部28に渡され、紙搬送シミュレーション画面W1に表示される(S57)。
【0044】
S57での紙位置変化は出力I/F部27に渡される(S58)。出力I/F部27は紙位置情報をソフトウェアシミュレーション部1の入力I/F部12に出力する。
【0045】
次に、図13および図14を用いて実際のシミュレーション動作に則して説明を加える。図13は紙搬送制御に関する各種デバイス配置の一例である。紙搬送制御に要求されているのは以下の事項である。仮想紙Pを仮想ローラR1およびR2により、仮想パスAB上の実線矢印方向に搬送する。仮想ローラR1および仮想ローラR2は仮想モータM1から駆動を受けている。続いて仮想ローラR3を正転させ、仮想パスBCで仮想紙Pを進める。仮想ローラR3および仮想ローラR4は仮想モータM2から駆動を受けている。仮想紙Pの後端が仮想ローラR3の下流5mmに達した時点で、仮想モータM2を停止後、仮想モータM2を反転回転させ、仮想ローラR4を反転回転させる。点線矢印は駆動関係を示している。
【0046】
設計者がマンマシンインターフェースより紙搬送シミュレーションの開始を指示すると、入力監視部4を介してオペレーティングシステム3によりソフトウェアシミュレーション部1および機構シミュレーション部2が実行される。ソフトウェアシミュレーション部1が開始されると、ファームソフトウェア部10はオペレーティングシステム3と協調して、現実世界の画像形成装置の紙搬送制御を行うためのソフトウェアを逐次実行していく。
【0047】
ファームソフトウェア部10は図14のフローチャートに従って、紙搬送制御を行っている。所定位置に仮想紙Pが達すると、仮想モータM1をオンさせ(S01)、仮想モータM2を正転させる(S02)。そして仮想センサS1がオンされるのを待ち(S03)、オンされれば仮想モータM2の反転タイミングを待つ(S04)。
【0048】
そして、仮想紙Pの後端が仮想ローラR3の下流5mmに達したタイミングで、仮想モータM2の反転を開始する(S05)。ここで本来、S04で仮想紙Pの後端が仮想ローラR3の下流5mmに達したタイミングを待たなければならないのであるが、例えばソフトウェアの記述ミスによりこのタイミングが早すぎて仮想ローラR3を仮想紙Pの後端が抜けていなかったと想定する。この場合、仮想パスBCを仮想紙Pは逆流していくことになる。
【0049】
S01における仮想モータM1オンの情報は、入力I/F部29を介して紙位置計算部20に渡される、接続されている仮想ローラR1および仮想ローラR2が回転する。
【0050】
S02における仮想モータM2正転開始の情報は、入力I/F部29を介して紙位置計算部20に渡される、接続されている仮想ローラR3が回転する。
【0051】
紙位置計算部20は仮想ローラR1および仮想ローラR2、仮想ローラR3の回転に従って仮想紙Pの位置を更新していき、仮想センサS1に到達したタイミングで出力I/F部27を介してファームソフトウェア部10に仮想センサS1のON情報を与え、S03の待ち処理を抜ける。
【0052】
S04の待ち処理を抜け、S05における仮想モータM2反転開始の情報は、入力I/F部29を介して紙位置計算部20に渡される、接続されている仮想ローラR3が反転する。紙位置計算部20は仮想ローラR3の回転に従って仮想紙Pの位置を更新していくが、仮想パスBCは図3のW2に示すように、正転方向の向きに設定されている。従って、図5の紙位置制御フローチャートのS55での仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が異なるため、図6に示す警告表示がなされる。
【0053】
以上説明したように、本実施例による設計支援方法では、仮想紙の搬送方向の誤りを発見することにより、反転制御に制御の誤りがあることを設計者に知らせることができる。
【0054】
なお、図3の搬送パス属性設定画面はその形態に限定したものではなく、例えば予めデータファイルに設定データとして記録しておき、本実施例による設計支援装置を始動させる前に読み込むようにしても良い。
【0055】
また、図6の警告表示はその形態に限定したものではなく、例えば図2の紙搬送シミュレーション画面W1上にて分岐点Bの色を変化させたり、形状を変化させたり、拡大表示したり、マーカを表示したりなどして設計者に注意喚起してもよい。
【実施例2】
【0056】
次に、実施例2について説明する。本実施例も、実施例1と同様に、予め設定された搬送方向と異なる方向に紙が搬送された場合に警告表示するものであるが、実際にローラで紙を搬送させつつ、紙の搬送状況及び当該警告を画像形成装置に設けられたタッチパネル式ディスプレイに表示する点で異なる。
【0057】
また、本実施例では、実際に紙等のシート状の搬送体(以下単に「紙」と称す)をローラで搬送させているので、「仮想」という表現は省いている。
【0058】
図7は、本発明に係る設計支援装置である。本実施例の設計支援装置は、画像形成装置の紙搬送状態を該画像形成装置内で表示できるものであり、画像形成装置を制御するファームソフトウェアの制御タイミング設計を支援するためのものである。
【0059】
本実施例の設計支援装置は、ソフトウェア部1b、機構モニタ部2、入力監視部4b、表示制御部5bから構成される。各々は画像形成装置内のROMもしくはHDD内に記憶されており、同画像形成装置内のCPU上で実行される。
【0060】
ソフトウェア部1bは、紙搬送制御に関するファームソフトウェアである。入力監視部4bは図8に示すマンマシンインターフェースたるタッチパネル式ディスプレイ50およびテンキー40などの入力を監視している。
【0061】
ソフトウェア部1bの実行により、画像形成装置の紙搬送機構6内のモータ60、クラッチ61、フラッパ62が制御される。紙の移動結果はセンサ63によりソフトウェア部1bにフィードバックされる。
【0062】
また、ソフトウェア部1bの実行結果は機構モニタ部2bに渡される。機構モニタ部2bでは紙搬送制御に関わるローラの速度などから紙が紙搬送機構6内のどの部位に存在するかを計算により求め、表示制御部5bに渡される。
【0063】
表示制御部5bにより、タッチパネル式ディスプレイ50上に図9に示すような紙搬送表示画面が表示される。紙搬送表示画面では、紙搬送パスは点線、ローラは丸、センサは三角、紙は実線Pで表現される。
【0064】
紙搬送表示画面上にて分岐点Bを指Fなどでポイントすると搬送パス属性設定が表示される。搬送パス属性設定(W20〜221)では搬送パスに対して紙の搬送方向を設定することができる。詳細は実施例1と同様である。
【0065】
図10は本実施例の設計支援装置のソフトウェア部1b、機構モニタ部2bおよび紙搬送機構6の態様を示す。
【0066】
ソフトウェア部部1bは、ファームソフトウェア部10、入力I/F部b12、出力I/F部13bから構成される。
【0067】
ファームソフトウェア部10は画像形成装置の紙搬送制御を行うためのソフトウェアである。
【0068】
入力I/F部12bは紙機構機構6からの情報を入力する部分である。出力I/F部13bは紙搬送機構6および機構モニタ部2bに情報を出力する部分である。
【0069】
機構モニタ部2bは、紙位置計算部20、入力I/F部29、パス管理部24、フラッパシミュレーション部25、紙位置表示部28から構成される。主たる構成は実施例1と同様である。実施例1ではソフトウェアシミュレーション部1へのセンサによるフィードバックがなかったため、紙位置計算部20で生成していたが、紙搬送機構6があるため本実施例では必要ない。
【0070】
紙搬送機構6は、モータ60、クラッチ61、フラッパ62、センサ63から構成される。
【0071】
実施例1同様に、実際の紙搬送機構6が図13に示す配置であって、ファームソフトウェア部10が図14のフローチャートに従って紙搬送制御を行った場合、タッチパネル式ディスプレイ50上に図11に示す警告表示60が表示される。
【0072】
以上説明したように、本実施例の設計支援方法でも、パス方向と紙の搬送方向に不正が発生したことを設計者に知らせることができる。
【0073】
なお図11の搬送パス属性設定はその形態に限定したものではなく、例えば予めデータファイルに設定データとして記録しておき、本実施例による設計支援装置を始動させる前に読み込むようにしても良い。
【0074】
また図11の警告表示はその形態に限定したものではなく、例えば図2の紙搬送シミュレーション画面W1上にて分岐点Bの色を変化させたり、形状を変化させたり、拡大表示したり、マーカを表示したりなどして設計者に注意喚起してもよい。
【実施例3】
【0075】
実施例1および2では、図5のS54〜S57のように仮想紙が所定時間t内に移動した方向によって図6のパス方向不正警告画面を表示していたが、本実施例のように仮想ローラの回転方向によってパス方向不正警告画面を表示してもよい。
【0076】
図12は本実施例による紙位置計算部20のフローチャートである。紙位置計算部20は、まず所定時間間隔tで処理を行う(S61)。そして、紙搬送速度vが正または負かをチェックし、この正負判断から紙の搬送方向を求め、パス方向管理部32に登録されている仮想搬送パスの情報より移動先の仮想搬送パスに設定されている方向を取得し、求めた仮想紙の搬送方向と比較を行う(S62)。
【0077】
仮想紙の搬送方向と登録されている搬送方向が一致していれば、時間間隔tから仮想紙Pが進む距離S=v×tを求めることにより仮想紙Pの位置を計算する(S63)。S63で計算した紙位置へ更新し(S64)、更新された位置情報は紙位置表示部28に渡され、紙搬送シミュレーション画面W1に表示される(S65)。S64での紙位置変化は出力I/F部27に渡される(S65)。出力I/F部27は紙位置情報をソフトウェアシミュレーション部1の入力I/F部12に出力する。
【0078】
S62で仮想紙の搬送方向と設定された仮想搬送パスの方向が一致しなければ、パス不正警告表示部30に通知し、発生した仮想搬送パスなどの情報を受け渡す。パス不正警告表示部30では、図6に示すようなダイアログを表示し、開発者に「無効な方向に紙を進めました!」のメッセージを警告表示し(S66)、異常終了(搬送停止)させる。
【0079】
実施例1および2同様に実際の紙搬送機構6が図13に示す配置であって、ファームソフトウェア部10が図14のフローチャートに従って紙搬送制御を行った場合、図6のような警告表示が行われる。
【0080】
以上説明したように、本実施例による設計支援方法では、仮想紙の搬送方向の誤りを発見することにより、この例では反転制御に制御の誤りがあることを設計者に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る実施例1の設計支援装置の制御ブロック図である。
【図2】図1の設計支援装置の画面表示イメージ図である。
【図3】図1の設計支援装置の搬送パス属性設定画面表示イメージ図である。
【図4】実施例1の設計支援装置のより詳細な制御ブロック図である。
【図5】本発明に係る設計支援方法による紙位置計算部のフローチャートである。
【図6】図1の設計支援装置の搬送パス不正警告画面表示イメージ図である。
【図7】実施例2の設計支援装置のより詳細な制御ブロック図である。
【図8】実施例2の設計支援装置のマンマシンインターフェースのイメージ図である。
【図9】実施例2の設計支援装置の搬送パス属性設定画面表示イメージ図である。
【図10】実施例2の設計支援装置のより詳細な制御ブロック図である。
【図11】実施例2の設計支援装置の搬送パス不正警告画面表示イメージ図である。
【図12】本発明に係る実施例3の紙位置計算部のフローチャートである。
【図13】従来例の紙搬送制御の一例を表す図である。
【図14】図13の従来例の紙搬送制御を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 ソフトウェアシミュレーション部
1b ソフトウェア部
2 機構シミュレーション部
2b 機構モニタ部
4 入力装置
5 表示制御部
10 ファームソフトウェア部
12 入力I/F部
13 出力I/F部
20 紙位置計算部
27 出力I/F部
28 紙位置表示部
29 入力I/F部
30 パス不正警告表示部
31 パス属性設定登録部
32 パス方向管理部
40 テンキー
50 タッチパネル式ディスプレイ
M1 (仮想)モータ
M2 (仮想)モータ
P (仮想)紙
R1 (仮想)ローラ
R2 (仮想)ローラ
R3 (仮想)ローラ
S1 (仮想)センサ
W1 紙搬送シミュレーション画面
W2 搬送パス属性設定画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、コンピュータ読み取り可能な設計支援プログラムにおいて、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
【請求項2】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは色を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援プログラム。
【請求項3】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは形を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援プログラム。
【請求項4】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路に印を付加して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援プログラム。
【請求項5】
搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を、コンピュータを用いて検証可能とする設計支援方法において、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を有することを特徴とする設計支援方法。
【請求項6】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは色を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項5記載の設計支援方法。
【請求項7】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは形を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項5記載の設計支援方法。
【請求項8】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路に印を付加して前記表示部に表示することを特徴とする請求項5記載の設計支援方法。
【請求項9】
画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援プログラムにおいて、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
【請求項10】
画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援方法において、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を有することを特徴とする設計支援方法。
【請求項1】
搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、コンピュータ読み取り可能な設計支援プログラムにおいて、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
【請求項2】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは色を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援プログラム。
【請求項3】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは形を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援プログラム。
【請求項4】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路に印を付加して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援プログラム。
【請求項5】
搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を、コンピュータを用いて検証可能とする設計支援方法において、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記コンピュータに付随する表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を有することを特徴とする設計支援方法。
【請求項6】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは色を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項5記載の設計支援方法。
【請求項7】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路を、通常時とは形を変えて前記表示部に表示することを特徴とする請求項5記載の設計支援方法。
【請求項8】
前記第3の手順において、方向の不一致が発生した前記所定区間単位の仮想搬送路に印を付加して前記表示部に表示することを特徴とする請求項5記載の設計支援方法。
【請求項9】
画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援プログラムにおいて、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を前記画像形成装置に実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
【請求項10】
画像形成装置内のシート搬送機構を制御するソフトウェアの処理動作を検証可能とする、前記画像形成装置において実行可能な設計支援方法において、
所定区間単位の仮想搬送路について仮想紙の搬送方向を予め設定する第1の手順と、
前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが一致するかどうかを判断する第2の手順と、
前記第2の手順において、前記第1の手順で設定された仮想紙の搬送方向と、仮想紙が実際に搬送される方向とが異なると判断した場合、前記画像形成装置に設けられた表示部に警告表示を行う第3の手順と、
を有することを特徴とする設計支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−146535(P2006−146535A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335403(P2004−335403)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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