説明

試料の検査装置および方法

【課題】 半導体デバイスの製造工程における半導体素子等の試料の検査を行うために好適な装置および方法であって、構造が簡単で廉価で操作性が良好な試料の検査装置および方法を提供する。
【解決手段】 試料室2内に配置された試料1表面に電荷を与える電荷供給装置3と、試料1表面にガスを供給するガス供給装置4と、前記ガスが試料1表面に接触し試料1表面の電荷がガスに転化することにより生成されたイオンを加速する静電レンズ5と、加速され結像したイオンを撮像する検出器7とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料の検査装置および方法に係り、特に半導体デバイスの製造工程における半導体素子等の試料の検査に好適な検査装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、種々のプロセスを経て製造される。一般に、半導体ウエハ等の基板からスタートし、そこに膜形成、リソグラフィによるマスクパターンの形成、エッチング、それに引き続く熱処理等を反復することにより、複雑なデバイス構造が形成される。
【0003】
半導体デバイスの製造工程において、プロセスとプロセスの間に、半導体ウエハの欠陥等を検査するための検査工程を設けている。そして、これらの検査は専用の検査装置により行っている。これらの検査装置の多くは、荷電粒子線や、UV光、X線などを一次ビームとして被検査体に照射し、そこから発生する二次粒子等の二次ビームを利用している。例えば、走査電子顕微鏡(SEM)においては、電子銃から放出された電子ビーム(一次ビーム)を電子レンズで縮小して、半導体ウエハ面上に微小な電子ブローブを結像させ、半導体ウエハ面から放出された二次電子(二次ビーム)を二次電子検出器により検出してSEM像を得るようにしている。このように、検査装置の多くは、一次ビームと二次ビームとを利用しているため、光学系も一次ビーム用と二次ビーム用とが必要になり、装置が複雑で且つ高価なものになってしまう。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,365,897号明細書
【特許文献2】米国特許第6,555,815号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、半導体デバイスの製造工程で用いられる欠陥検査装置においては、一次ビームと二次ビームとを利用しているため、光学系も一次ビーム用と二次ビーム用とが必要になり、その構造が余りに複雑で、高価であり、操作性もあまり良くない、という問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、半導体デバイスの製造工程における半導体素子等の試料の検査を行うために好適な装置および方法であって、構造が簡単で廉価で操作性が良好な試料の検査装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の試料の検査装置は、試料室内に配置された試料表面に電荷を与える電荷供給装置と、試料表面にガスを供給するガス供給装置と、前記ガスが試料表面に接触し試料表面の電荷がガスに転化することにより生成されたイオンを加速する静電レンズと、加速され結像したイオンを撮像する検出器とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の試料の検査装置の一態様において、前記電荷供給装置は、熱電子を発生させることを特徴とする。
本発明の試料の検査装置の一態様において、前記電荷供給装置は、電磁波を発生させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の試料の検査方法は、試料室内に配置された試料表面に電荷を与え、試料表面にガスを供給し、前記ガスが試料表面に接触し試料表面の電荷がガスに転化することにより生成されたイオンを加速し、加速され結像したイオンを検出器により撮像することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の試料の検査方法の一態様において、前記試料表面に与えられる電荷は、電子により与えられることを特徴とする。
本発明の試料の検査方法の一態様において、前記試料表面に与えられる電荷は、電磁波により与えられることを特徴とする。
【0011】
上述した本発明に係る試料の検査装置および方法においては、半導体ウエハ等の試料上に供給されたガスが帯電した試料表面で電荷を受け取り、イオンになる。このイオンは、加速され結像される。そして、結像したイオンはCCD等の検出器により撮像される。イオンの加速は、静電レンズにより行われる。加速されたイオンを検出器に導くための電気光学系は四極子レンズを含んでおり、加速されたイオンは、複数の静電レンズによって検出器上に結像されることが好ましい。また、半導体ウエハ等の試料から発生されるイオンの検出器は、MCP(マルチチャンネルプレート)とTDI−CCD(後述する)を備えていてもよい。さらに、イオンの検出器は、上記MCPとTDI−CCDの他に、蛍光板をMCPとTDI−CCDの間に備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、半導体デバイスの製造工程において半導体素子等の試料の欠陥検査を、構造が簡単で廉価で操作性が良好な検査装置により行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る検査装置の実施形態として、欠陥検査装置を図1乃至図6を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係る欠陥検査装置を示す図であり、図1は欠陥検査装置の全体構成を示す概略図であり、図2は欠陥検査装置の要部を示す概略図である。
【0014】
本発明の欠陥検査装置は、半導体ウエハ等の試料を配置する試料室2と、試料室2内に配置された試料の表面に電荷を与える電荷供給装置3と、試料の表面にガスを供給するガス供給装置4と、試料の表面の電荷とガスとの接触により発生したイオンを加速する静電レンズ5と、静電レンズ5により加速されたイオンをさらに加速して集束させる二次電気光学系6と、集束したイオンを受けて画像を形成する検出器7とから構成されている。試料室2内には、半導体ウエハ等の試料を保持するホルダ11が配置されており、ホルダ11はX−Y方向の少なくとも一方向に動くことができるステージ12に固定されている。なお、以下の説明においては、被検査体である試料を半導体ウエハ1として説明する。
【0015】
前記ステージ12は防振台を備えた防振構造により支持されている。この防振構造は、オイルダンパ、防振ゴム、空気ばね等の振動吸収材を備えた構造のものでもよいし、電磁気力により防振台を非接触で支持する非接触型軸受を備えた構造のものでもよい。
【0016】
電荷供給装置3は、熱電子放出型またはショットキー型の電子銃等の電子シャワーから構成されており、電子ビームを放出して、半導体ウエハ1の表面に電荷を与えるようになっている。
【0017】
ガス供給装置4は、半導体ウエハ1の表面の近傍まで延びるガス供給ノズルから構成されており、このガス供給ノズルは、ガス供給源(図示せず)に接続されている。電荷供給装置3は、ガス供給装置4によりガスが供給される範囲と同等の範囲に電荷を供給するように配置されている。電荷供給装置3から供給される電子の量は、供給されるガスによって奪われる電荷の量とバランスし、半導体ウエハの帯電によって生じる電位が常に一定であり、その電位が半導体ウエハ上の素子を破壊しない程度になるように制御される。
【0018】
静電レンズ5は、アパーチャー(開口)5aを兼ねる電極から構成されている。このアパーチャー(開口)5aの開口面積及び形状は検出器7を構成するTDI−CCD(後述する)またはCCDの画素に相当する領域になるように設定されている。そして、前記ガス供給ノズルからなるガス供給装置4から供給されるガスの供給領域は、イオン化したガスを加速する電極のアパーチャー(開口)5aの開口面積とその形状によって定められ、このアパーチャー(開口)5aの開口面積および形状と同じ、若しくはそれより広い範囲に均一にガスを供給するように設定されている。
【0019】
二次電気光学系6は、複数枚の同軸上に配置された開口部を持つ電極、もしくは同軸上に配置された複数の電極群からなる電気的レンズから構成されている。そして、この電気的レンズは上下方向に複数段に配置されている。電気的レンズは、検査対象である半導体ウエハの表面情報を持つイオンを画像情報として拡大し、かつ半導体ウエハ上の位置情報および前記表面情報を失わないように、写像情報として、イオンを検出器7上に結像するように導くよう構成されている。
【0020】
検出器7は、MCP(マルチチャンネルプレート)と蛍光板とTDI−CCDとから構成されている。ここで、TDIとは、Time Delay and Integrationを云い、入射する光像がデバイス上を一定速度で移動する場合に、その動きに信号電荷の転送速度を同期させ、信号の蓄積と転送を同時に行うことを云う。検出器7においては、MCPでイオンは電子に変換され増倍される。MCPで増倍された電子は、蛍光板にて光に変換され、この光信号がTDI−CCDに取り込まれ画像信号として出力される。なお、MCPで増倍された電子は、蛍光板を介さずに直接EB−CCDに導入され画像信号に変換されてもよい。ここで、EB−CCDとは、Electron Bombardment CCDを云い、入射したフォトン(光子)を光電面で電子に変換し、その電子を数kVの印加電圧で加速し、背面照射型CCDに衝突させ、その衝突エネルギーによって電子を倍増させるCCDを云う。
【0021】
また、本発明の欠陥検査装置においては、ガス供給装置4から供給されたガスが電子シャワーからなる電荷供給装置3から直接に電荷をもらわないように、半導体ウエハの付近の真空度は、電荷供給装置3と半導体ウエハ1間の距離より電子の平均自由行程の方が十分に長くなるように制御される。また、半導体ウエハ1とガス供給装置4、半導体ウエハ1と静電レンズ5、および半導体ウエハ1と電荷供給装置3のそれぞれの間で放電を起こさないように、ガス供給装置4から供給されるガス量を調整して半導体ウエハ1とガス供給装置4間および半導体ウエハ1と電荷供給装置3間の真空度(圧力)が制御される。
【0022】
このガス量の調整および半導体ウエハ1とガス供給装置4間および半導体ウエハ1と電荷供給装置3間の真空度(圧力)の制御を実現するために、図2に示すように、半導体ウエハ1とガス供給装置4と電荷供給装置3の空間はそれぞれ差動排気構造がなされている。真空度(圧力)とガス量の調整、および半導体ウエハ1とガス供給装置4間および半導体ウエハ1と電荷供給装置3間の距離との関係は、パッシェンの法則にしたがってそのパラメータ(各間距離と電圧の積)が定められる。
【0023】
この差動排気構造によって、イオン化したガスを引き出して検出器7に導く鏡筒(二次電気光学系)は、十分な真空度(圧力)を保つことができる。ここで鏡筒(二次電気光学系)に必要な真空度は10−4(Pa)以下であり、好ましくは10−5(Pa)であり、より好ましくは10−6(Pa)以下である。
【0024】
なお、試料室2に隣接し、検査前の半導体ウエハ1をステージ12に搬入し、また検査後の半導体ウエハ1をステージ12から搬出するための予備環境室20が設置されている(後述する)。
【0025】
上述した構成の欠陥検査装置においては、電荷供給装置3から半導体ウエハ1の表面に電荷が与えられると、ガス供給装置4から供給されたガスは、電荷供給装置3からは電荷を受けずに、半導体ウエハ上に帯電した電荷と接触することによりイオン化する。イオン化したガスは、アパーチャー5aを兼ねる電極からなる静電レンズ5によって所定の運動エネルギーまで加速され、二次電気光学系6に導かれる。
【0026】
二次電気光学系6には、イオンの運動エネルギーを均一にするためのバンドパスフィルターが設けられ、像の歪み、ボケ、感度を調整する。静電レンズ5により加速されたイオンは、二次電気光学系6の電気的レンズを経由して半導体ウエハ上の情報を持って、検出器7上に結像する。なお、符号16はイオンの軌道を示す。
【0027】
検出器7とステージ12とは、同期装置14により連動するように構成されており、半導体ウエハを保持するステージ12は、TDI−CCDからのタイミング信号に応じて連続的に動くことが可能になっている。また、TDI−CCDではなく、CCDで信号を受ける場合には、ステージ12は連続的な動きではなく、移動停止を繰り返すことも可能である。
【0028】
検出器7によって得られた電気的画像情報は、記憶装置15に記憶される。この記憶装置15は、TDI−CCDを制御するための制御部に含まれており、TDI−CCDの制御タイミングと記憶タイミングとの同期がとられる。画像信号は、検出器7から画像処理装置(図示せず)に入力され、そこで信号処理がなされ欠陥個所の特定と、欠陥の種類を判別し、観測者に知らせると同時に記憶媒体に記憶させる。
【0029】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る欠陥検査装置を示す概略図である。第2の実施形態の欠陥検査装置においては、半導体ウエハ1に電荷を供給する電荷供給装置3としてUV光を用いている。すなわち、電荷供給装置3は、図1における電子シャワーの代わりにUV光用の光ファイバー3aとUV光源3bとから構成されており、半導体ウエハ近傍にUV光を直接照射することにより半導体ウエハ1に電荷を与えている。
【0030】
UV光源3bは、UV光の波長を約380nm〜約10nmまで可変であり、半導体ウエハ上に形成された半導体素子に照射するUV光の波長を連続的もしくは段階的に変化させることができるようになっている。なお、UV光源3bは、UV光の波長を所望の波長に固定して半導体ウエハ上に形成された半導体素子に照射することもできる。
【0031】
このようにUV光の波長を変化させることにより、半導体ウエハ上に形成された半導体素子の物性の差に応じた電荷の与え方ができ、物性の違いに応じた半導体素子の欠陥検査を行うことができる。ここで、物性の違いとは、金属(アルミニウム、銅、金等)、半導体(N型、P型、GaAs、窒化珪素等)、絶縁物(酸化珪素、酸化アルミ等)のことであり、それぞれの物性に応じた、電荷を与えるのに最適なUV光の波長を選択できる機能を有していることを示す。
【0032】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る欠陥検査装置を示す概略図である。図4においては、電荷供給装置3、差動排気部、イオン引き出し部の詳細を示している。第3の実施形態では、電子シャワーからなる電荷供給装置3は、イオン引き出し電極兼アパーチャーからなる静電レンズ5やガス供給ノズルからなるガス供給装置4の中心線よりずれた位置に配置されている。また電荷供給装置3はステージの移動方向の上流側に設けてあり、ガスが供給されるより早く、予め早めに電子が半導体ウエハに供給されるように配置されている。ステージ12がX方向,Y方向の両方向に動く場合は、それぞれの方向に電荷供給装置3があってもよい。
【0033】
ステージ12のX方向,Y方向の動きは、TDI−CCDからの制御信号に同期して連続的または移動停止の繰り返し運動を行うことができる。また、ステージ12のX方向,Y方向の移動速度v,vは、電子シャワーの位置からガス供給ノズルの中心の位置までの距離dと電子シャワーから供給される電子の量I0と実際に画像を得るために必要な半導体ウエハ上に蓄積させる電荷の量Qによって定められる。
ここで、Q=d・I0/v
Q=d・I0/v
であるから、
=v=d・I0/Q
で求められる。
【0034】
また、電子シャワーの代わりに、電子シャワーと同じ位置にUV光用光ファイバーを設置し、UV光によって半導体ウエハに予め早めに電子を供給させることも可能である。
【0035】
電子シャワーまたはUV光用光ファイバーからなる電荷供給装置3によって電荷を与えられた半導体ウエハ1は、速度vまたはvで移動する。半導体ウエハ1に与えられた電荷は、ガス供給装置4から供給されたガスに転化され、ガスはイオン化する。イオン化したガスは、アパーチャーを兼ねる電極からなる静電レンズ5によって所定の運動エネルギーまで加速され、二次電気光学系6に導かれる。加速されたイオンは、二次電気光学系6の電気的レンズを経由して検出器7上に結像する。二次電気光学系6および検出器7の構成は、図1及び図2に示す第1の実施形態において説明したものと同様である。
【0036】
図5は、第1の実施形態および第2の実施形態において、検査前の半導体ウエハをステージ12に搬入し、また検査後の半導体ウエハをステージ12から搬出する予備環境室20の詳細構造を示す概略図である。
予備環境室20は、予備環境室20の環境が試料室2の環境に一致したとき、予備環境室20から検査前の半導体ウエハ1をホルダ11とともに試料室2内に搬入することができるようになっている。
【0037】
具体的には、防振構造により支持されたステージ12のある環境(試料室2内の環境)と予備環境室20はゲート弁21にて仕切られている。予備環境室20は、検査を受けるために、ウエハカセット22等に収納されて搬送されてきた半導体ウエハ1を予備環境室20に導入するための別のゲート弁もしくはフランジ23を有している。ここで、防振構造を備えたステージ12のある環境(試料室2内の環境)はほぼ同一の環境(真空度)に保たれている。
【0038】
半導体製造プロセスにおいて、次工程に搬送される前に検査を受ける半導体ウエハ1は次工程に搬送するための環境で保持されているので、先ず予備環境室20はこの次工程に搬送するための環境になるようにガス供給装置(図示せず)および真空排気装置25によって制御される。真空排気装置25は、ターボ分子ポンプ25aとドライルーツポンプ25bにより構成されている。
【0039】
次工程に搬送するための環境と予簿環境室20の環境(真空度)が同じになったら、半導体ウエハ1を予備環境室20へ導入するための別のゲート弁もしくはフランジ23を開き、半導体ウエハ1を予備環境室20内に導入し、前記真空排気装置25およびガス供給装置を制御し、試料室2内の環境と同じ環境(真空度)にする。
【0040】
その後、試料室2内の環境と予備環境室20とを仕切っているゲート弁21を開き、検査前の半導体ウエハ1をステージ12上へと搬入する。検査前の半導体ウエハ1をステージ12へ搬入し終えると、ゲート弁21を閉じ、ステージ12のある環境を検査に適した環境にし、検査を開始する。
【0041】
検査が終了した半導体ウエハ1をステージ12から搬出し、半導体ウエハ1を次工程に搬送する場合には、搬入時と逆の動作をすればよい。ここで、真空排気装置25は、前述したように、ターボ分子ポンプ25aとドライルーツポンプ25bの組み合わせが好ましいが、ドライルーツポンプの替わりにオイルミストトラップもしくはモレキュラーシーブ付きのロータリーポンプであっても良い。
【0042】
図6は、第1の実施形態および第2の実施形態において、検査前の半導体ウエハの搬入と検査後の半導体ウエハの搬出とを同時に行えるように、試料室に隣接して予備環境室を2つ有している場合の構造を示す概略図である。
すなわち、図6に示す装置においては、試料室2の左右を挟むように2つの予備環境室20,20が配置されている。各予備環境室20は、試料室2内の環境と同一になるようにガス供給装置(図示せず)および真空排気装置25によって制御される。各予備環境室20と試料室2との間には、ゲート弁21が設けられている。図6に示す構成により、検査前の半導体ウエハ1を右側の予備環境室20から試料室2内に搬入し、検査後の半導体ウエハ1を試料室2から左側の予備環境室20に搬出することができるようになっている。
【0043】
図1乃至図6を参照して本発明の実施形態について欠陥検査装置を例に挙げて説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、試料の欠陥に限らず、イオンを用いて試料の表面を検査する装置であればよく、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る欠陥検査装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る欠陥検査装置の要部を示す概略図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る欠陥検査装置を示す概略図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る欠陥検査装置を示す概略図である。
【図5】第1の実施形態および第2の実施形態において、検査前の半導体ウエハをステージ12に搬入し、また検査後の半導体ウエハをステージ12から搬出する予備環境室の詳細構造を示す概略図である。
【図6】第1の実施形態および第2の実施形態において、検査前の半導体ウエハの搬入と検査後の半導体ウエハの搬出とを同時に行えるように、試料室に隣接して予備環境室を2つ有している場合の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
【0045】
1 半導体ウエハ
2 試料室
3 電荷供給装置
3a 光ファイバー
3b UV光源
4 ガス供給装置
5 静電レンズ
5a アパーチャー(開口)
6 二次電気光学系
7 検出器
11 ホルダ
12 ステージ
14 同期装置
15 記憶装置
20 予備環境室
21 ゲート弁
22 ウエハカセット
23 フランジ
25 真空排気装置
25a ターボ分子ポンプ
25b ドライルーツポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料室内に配置された試料表面に電荷を与える電荷供給装置と、
試料表面にガスを供給するガス供給装置と、
前記ガスが試料表面に接触し試料表面の電荷がガスに転化することにより生成されたイオンを加速する静電レンズと、
加速され結像したイオンを撮像する検出器とを備えたことを特徴とする試料の検査装置。
【請求項2】
前記電荷供給装置は、熱電子を発生させることを特徴とする請求項1記載の試料の検査装置。
【請求項3】
前記電荷供給装置は、電磁波を発生させることを特徴とする請求項1記載の試料の検査装置。
【請求項4】
試料室内に配置された試料表面に電荷を与え、
試料表面にガスを供給し、
前記ガスが試料表面に接触し試料表面の電荷がガスに転化することにより生成されたイオンを加速し、
加速され結像したイオンを検出器により撮像することを特徴とする試料の検査方法。
【請求項5】
前記試料表面に与えられる電荷は、電子により与えられることを特徴とする請求項4記載の試料の検査方法。
【請求項6】
前記試料表面に与えられる電荷は、電磁波により与えられることを特徴とする請求項4記載の試料の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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