説明

試料平坦化加工装置

【課題】試料外れの誤検出や試料の破損を防止できる試料平坦化加工装置を提供する。
【解決手段】試料外れ検出用センサ11の出力データを時系列情報として保持し、これに判別手段15により離散値系ウェーブレット変換を施し、試料が外れた時の波形の特徴をウェーブレットスペクトラムにより抽出して、試料外れを判別する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料と回転する砥石板(ここでは回転盤と称する)とを接触させることで、試料を研磨し平坦化加工する試料平坦化加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ等の試料については、その製造プロセスにおいて平坦化加工されるが(平坦化加工技術については、特開平9−7985号公報,特開平9−36072号公報等に記載されたものがある)、この試料は研磨中に回転盤上でホルダから外れることもある。これに対処するため、従来の試料平坦化加工装置においては、試料を保持する試料ホルダの傍らに反射型の光センサを設置し、その出力情報の変動から試料が外れたことを検出する方法が取られていた。この試料外れ検出法は、試料が外れていないときは光センサからの光ビームが回転盤上を照射し、試料がホルダから外れると光センサが試料を照射することで、そのセンサ出力値が変化するのを利用し、例えば、センサ出力値の振幅比較或いは微分処理による変化状態から試料外れを検出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の試料外れ検出技術は、光の反射量を利用しているが、試料を研磨により平坦化加工する場合には、水や薬液を使用するために、試料がこれらの液体中にあることに起因して生じるセンサ出力の散乱や吸収による出力レベルの変動や、雑音成分が誤検出の原因となる。したがって、それらの影響を配慮する必要があるが、その配慮に基づき試料が外れたことを判定するための振幅の閾値を設定しようとすると、その閾値の決定が難しく、装置毎の差異・経時変化によるセンサ出力の変化に容易に対応できないなどの改善すべき点があった。
【0004】これに対処するために、学習機能などを備えてセンサ出力の変動に対応しているが、十分なセンサ出力が得られない場合に雑音成分を誤検出し、確実な外れ検出機能を維持することは難しかった。
【0005】本発明は、以上の事情に着目してなされたものであり、その目的は、試料の平坦化加工プロセスにおいて、試料の外れを検出する場合の上記したような誤検出を防いで、信頼性の高い試料平坦化加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、基本的には次のように構成する。
【0007】すなわち、試料を研磨するための回転盤と、前記試料を保持しながら前記回転盤に接触させるホルダとを有する試料平坦化加工装置において、前記回転盤上での前記ホルダに対する試料の外れを検出するためのセンサと、前記センサの出力データを保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段で保持されたデータをウェーブレット変換して前記試料が前記ホルダから外れた場合にその試料外れをウェーブレットスペクトラムにより判別する試料外れ判別手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、例えば試料外れを検出するためのセンサからの出力データは、時系列に保持(蓄積)されて、その時系列データが離散値系ウェーブレット変換処理される。この試料外れに関するセンサ出力波形を離散値系ウェーブレット変換処理すると、そのスペクトラムには、試料外れがある場合には、所定次数(例えば次数が1,2,4の項等)に明確な特徴が表れ、また、その特徴は、試料外れがない場合で著しい雑音成分を含むセンサ出力波形をウェーブレット変換処理した場合のスペクトラムと比較した場合でも顕著に特徴が異なることを、本発明者らは見出し、以上の知見の下に、演算装置等で試料外れ判別手段を構成して、上記の試料外れを試料外れセンサ出力波形のウェーブレットスペクトラムにより自動的に判別するようにした。この判別に基づき、試料外れ始めの時点で、それに対処する措置を構すことが可能になる。詳細は、以下の実施態様の項で説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に示した実施例を用いて説明する。
【0010】図1は本発明の一実施例に係る試料平坦化加工装置の概要説明図である。
【0011】図1において、1は試料を研磨するための回転盤(砥石盤)で、複数に分割された砥石(研磨パッド)を円盤型に組み込むことで構成され、砥石回転機構2のモータにより駆動される。
【0012】ホルダ3は試料(例えば、半導体ウエハ)4を回転盤1上で保持するもので、試料保持機構として例えば真空吸着機構(図示省略)を内装している。ホルダ3は、ホルダ支持体5に内装したホルダ回転機構(モータ)6により回転可能に支持され、試料4を保持しながら回転盤1上で独立して回転する。
【0013】また、ホルダ3はその支持アーム7を介して水平揺動機構8に支持されて、ホルダ3が回転盤1の半径範囲内で水平に往復揺動できるように設定される。さらに上下移動機構9によりホルダ3を上下方向に移動制御し得る。
【0014】試料を平坦化加工する場合には、ホルダ3により保持された試料4に荷重付与機構10(荷重付与機構は例えばエアシリンダにより構成される)を介して制御された荷重を与えて、試料4を回転盤に適宜の圧力で押し付ける共に、ホルダ3を回転及び水平揺動させ、また、回転盤1を回転制御することによって試料4が研磨され、平坦化される。
【0015】ホルダ3の傍らには、研磨中に試料4がホルダ3から外れた場合にその外れを検出するための反射型の光センサ11が配置されている。この試料外れは、回転円盤1の回転方向及び試料4の回転方向により、その方向性が決まり、その試料外れの方向性に合わせて光センサ11が配置されている。
【0016】12は平坦化加工に用いる制御装置でマイクロコンピュータ等の演算装置により構成される。制御装置12には、平坦化加工に必要な指令を上記した各種機構2,6,8,9,10等に与える一般的な制御系のほかに、試料外れが生じた場合に対処する制御系を有している。
【0017】このうち、後者の制御系として、制御装置12には、光センサ11の出力データをA/D変換するA/D変換手段13と、A/D変換された上記出力データを時系列に記憶保持するデータ保持手段14と、そのセンサ出力波形を離散値系ウェーブレット変換してそのスペクトラムより試料4がホルダ3から外れたか否かを判別する試料外れ判別手段(演算手段)15と、試料外れ(試料外れ始めを含む)が判別されると、試料外れ始めの時点で、それに対処するための動作指令を出力する制御手段16とを備えている。
【0018】以下、試料外れの検出及び制御系の詳細を図2〜図10を参照しながら説明する。
【0019】図2は試料外れを検出するための光センサ11の出力波形(センサ出力値)の時間変化を表す関係図である。図2において、出力レベルの低い領域イは試料外れが生じていない状態、出力レベルの高い領域ハは試料外れの始まりから完全に外れるまでの外れ進行状態を示し、上記の領域ハの後にくる出力レベルの低い領域ハは試料がホルダから完全に外れて離脱した状態を示し、また、符号ロは試料外れ始め(ずれ始め)の領域で、本実施例の試料外れ検出は、この試料外れ始めの状態ロを判別することを意図する。
【0020】上記センサ出力データは所定のサンプリング間隔で取り入れられ、A/D変換されてデータ保持手段14に時系列に記憶(保持)される。センサ出力データは、次のウェーブレット変換処理に供されるものだけ保持され、既にウェーブレット変換処理の用が済んだものは、新しい出力データが入るたびに古い順に消去されていく。離散値系ウェーブレット変換に使用されるデータ数は、2のべき乗個である。
【0021】判別手段15により実行されるウェーブレット変換式を数1に示す。
【0022】
【数1】S=W・Xただし、Xは光センサ11の出力波形行列、Wはウェーブレット変換係数行列、Sはウェーブレットスペクトラム行列である。
【0023】Xのデータ数としては、2のべき乗個を選ぶことが可能であるが、本実施例では一例として16(=2の4乗)個の出力データ数を用いている。
【0024】ウェーブレットスペクトラム行列Sによって、センサ出力値をウェーブレットスペクトラムの次数(周波数成分)ごとのスペクトラム振幅値を表わすことができ、数1式の行列式で使用可能な次数はデータ数だけ(1〜16までの次数すなわち16個の周波数成分)ある。
【0025】ウェーブレット変換係数には、ハール基底やドビッシー基底関数などが代表的に使用できる。
【0026】なお、ウェーブレット変換については、文献,斎藤兆古著「Mathematicaによるウェーブレット変換」(朝倉書房,1996年)などに記されており、画像圧縮や流体解析などへの応用が知られている。
【0027】図3は、図2のセンサ出力データから試料が外れていない領域イにおいてサンプリングデータとして16点(=2の4乗)を抜き出して、ハール基底関数を用いたウェーブレット変換により得られるウェーブレットスペクトラムであり、横軸に次数(周波数)、縦軸に振幅値を示している。
【0028】一方、図4は、図2のセンサ出力データから試料がホルダから外れ始めている(換言すれば外れかけている)領域ロにおいて、サンプリングデータとして16点(=2の4乗)を抜き出して、ハール基底関数を用いたウェーブレット変換により得られるウェーブレットスペクトラムを示している。
【0029】図3,図4を比較してわかるように、スペクトラムの次数(周波数成分)が1の項の振幅は、図3の場合が約400に対して、図4の場合は約1500と大きいことに際立った特徴が見られる。
【0030】また、次数が2,4の項の振幅は、図3の場合が約10に対して、図4の場合は約−1000と負の方向に大きいことに際立った特徴が見られる。
【0031】このように、試料が外れ始めている状態のウェーブレットスペクトラム(図4)と、試料が外れていない状態のウェーブレットスペクトラム(図3)と比較すると、所定の次数すなわち次数1,2,4の項の振幅に大きな違いがあることが判る。
【0032】図8には、顕著な雑音成分を含む光センサ11の出力データを示す。この出力データにおいて、試料外れが生じていない領域イにおいて図示のような雑音成分を含む場合、従来のような光センサ11の出力の微分値やレベル判定だけで試料外れを検出すると試料外れの誤検出を招いていた。
【0033】このような雑音成分を含んだセンサ出力部分を取り出して、本実施例における離散値系ウェーブレット変換を施したウェーブレットスペクトラムを図9に示す。この図9と図4(試料外れのウェーブレットスペクトラム図)とを比較するに、図4の次数が1の項の振幅は、約1500であるのに対し、図9では約600でしかない。
【0034】また、図4の次数が2の項の振幅が約−1000であるのに対し、図9では約−200でしかない。
【0035】また、図4の次数が4の項の振幅が約−1000であるのに対し、図9では約−400でしかない。
【0036】さらに、図4の次数が14の項の振幅が約−100でしかないのに対し、図9では約−500となっている。
【0037】したがって、試料外れ判別手段15は、試料外れのセンサ11の出力波形に離散値系ウェーブレット変換を施して所定次数(周波数成分)のウェーブレットスペクトラムから試料外れの特徴を抽出すれば、試料外れかけの状態を雑音成分と明確に区別して判別することができる。その判別方式の具体例については、図5の説明の後に説明する。
【0038】図5は、試料がホルダからある程度まで外れた状態(図2のハの領域)のサンプリングデータ16点を抜き出して上記のウェーブレット変換を施した場合に得られるウェーブレットスペクトラムである。
【0039】図5のウェーブレットスペクトラムにおいては、次数が1の項の振幅が約4000と極めて大きいが、次数が2以上の項については、振幅が0になってしまうことに大きな特徴がある。
【0040】既述した図3,図4から明らかにように、次数が1或いは次数2,4の項の振幅の絶対値を抽出すれば、試料が外れ始めていることを判別することが可能になるが、試料の外れ始めの段階で万一判別できなかったとしても、図5を見れば明らかなように、センサ外れが図2のハ領域にある場合には、その次数が1の項の振幅が図3,図4と比較しても十分大きいために、この図5R>5のウェーブレットスペクトラムの次数1ととらえることで、試料外れを判別することが可能になる。例えば、以下のような試料外れ判別が考えられる。
【0041】
【数2】|S(1)|≦α
【0042】
【数3】|S(1)|≧β
【0043】
【数4】
α<|S(1)|<β,かつ|S(2)|≧γ但し、S(1),S(2)は、それぞれウェーブレットスペクトラムの次数である1次,2次項を示す。
【0044】αは、ウエハが外れていない場合(図2のイの状態)のスペクトラムを判定するために用いる定数。
【0045】βは、ウエハが外れている場合(図2のハの状態)のスペクトラムを判定するために用いる定数。
【0046】γは、ウエハが外れ始めている場合(図2のロの状態)の2次項を判定するために用いる定数。
【0047】例えば、α=500〜600、β=3000、γ=500程度である。
【0048】判別手段15は、数2式を満たす場合には「試料は外れていない」、数3式を満たす場合には「試料は外れている状態にある」、数4式を満たす場合には「試料は外れ始めの状態にある」ことを判別する。
【0049】また、確実な検出のために、スペクトラム判定を数回繰り返し、上記数3式或いは数4式を満足する状態が続いたら、試料外れを決定するという方式を採用してもよい。
【0050】以上のように本実施例によれば、雑音成分には影響されない試料外れ検出が可能となる。
【0051】また、上記のような試料外れが判別されると、判別手段15は、それに対処するための動作指令を回転盤1或るいは/及びホルダ3の機構制御系(制御手段16)に出力する。
【0052】それによって、例えば、制御手段16は、図1の■の系統に示すように、ホルダ上下機構9を上昇制御して、ホルダ3を試料4共々回転盤1から引き上げる。このようにすれば、試料4が外れた際の試料や回転盤1等の破損を未然に防止することができる。
【0053】また、制御手段16は、上記■の系統に代わって、■,■の系統を実行することも可能である。
【0054】■の系統は、制御手段16が、荷重付与機構10に試料4の回転盤1への押し付け力を軽減させるように指令を出してそのように制御するものであり、この場合には、人の手を試料4にあてがうことで研磨中に外れかけた試料の位置修正が可能になる。
【0055】■の系統は、制御手段16が、回転機構2,ホルダ回転機構6,水平揺動機構8の駆動モータに停止指令を与えるものであり、これによって、研磨作業を停止させ、試料の未然の破損を防止できる。
【0056】また、本実施例においてはウェーブレット変換係数としてハール基底関数を用いたが、ドビッシー基底関数や、より高次の変換係数を用いることも可能である。また、ウェーブレット変換により得られたウェーブレットスペクトラムに時間軸,振幅軸,周波数(次数)軸で表す3次元の高次解像度処理を施して、その高次解像度成分値から試料外れの特徴を抽出するようにしても良い。
【0057】すなわち、ウェーブレットスペクトラムを高調波の周波数毎に逆変換すると、サンプリングした時間(位置)ごとのスペクトラム成分に分解した周波数(次数)と振幅を取り出すことができる。
【0058】その一例を、図6と図7に示す。
【0059】図6は、図3のウェーブレットスペクトラムに時間軸,振幅軸,周波数軸で表す3次元の高次解像度処理を施した関係図、図7は、図4のウェーブレットスペクトラムに時間軸,振幅軸,周波数軸で表す3次元の高次解像度処理を施した関係図である。
【0060】図6,図7において、時間軸上には16個のサンプリングデータ(試料外れ出力センサ11からの出力データ)の各サンプリング時期が細分化されており、それぞれのサンプリング時期ごとに、図3,4のウェーブレットスペクトラムの高次解像度成分(振幅成分,周波数成分)が抽出されている。また、周波数成分については、次数16まで表わすことができるが、本例では、そのうちの次数1〜5までについてを抽出している。
【0061】このような高次解像度処理を施した場合には、図6においては、ウェーブレットスペクトラム高次解像度成分値の次数が1の項の振幅は、全時間に渡って約100であるのに対し、図7においては次数が1の項の振幅が約400と大きい。
【0062】また、図6においては、次数が2以上の項の振幅が全時間に渡って10以下と小さいのに対し、図7R>7においては次数が2以上の項においても振幅が300以上という大きな時間が表れている。
【0063】このように、図6と図7の各次数(周波数成分)の振幅を比較すると、試料が外れかけている場合と試料がホルダに適正に保持されている場合の傾向が詳細に判るために、判定は容易に可能である。
【0064】図10は、既述した図9のウェーブレットスペクトラム(ホルダが試料を適正に保持した状態で、ノイズ成分を含むセンサ出力が出された場合のウェーブレットスペクトラム)から時間毎の振幅及び周波数成分を抽出した結果を示す3次元の関係図である。
【0065】図7と図10を比較した場合、図7では次数が1の項の振幅が全時間に渡って約400であるのに対し、図10では次数が1の項の振幅が全時間に渡って約150しかないところに大きな違いが見られる。
【0066】また、図7では、次数が5の項の振幅が全時間に渡って100以下でしかないのに対し、図10では約400という大きな値を示す部分が表れている。
【0067】このように、図10と図7から高調波の含まれている時間や振幅などを比較すれば、図7とはやはり判別が可能である。
【0068】以上の実施例によれば、従来の振幅比較,あるいは微分処理などによっては判別不可能な雑音成分もセンサ出力波形にウェーブレット変換を施すことにより、雑音成分と明確な判別が可能になり、確実なウエハ外れ検出を実施できる。
【0069】したがって、センサの出力結果に混入される雑音成分には影響を受けず試料が外れたことを検出可能となる。従って、誤検出により試料の加工を誤って停止させたり、試料外れを検出できずに試料や回転盤を破損してしまうことが無くなり、安全性の高い試料平坦化加工装置を構成することが可能になる。
【0070】なお、本実施例においては、試料外れを検出するために反射型光センサを用いたが、その他の試料外れセンサとして、砥石回転盤と試料の色を判別するセンサや試料が外れた際に発生する音を検出するセンサなどが考えられる。
【0071】このようなセンサを用いた場合においても、本実施例と同様にウェーブレット変換スペクトラムから試料外れを検出することが可能である。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、誤検出や試料の破損を防止できる信頼性の高い試料平坦化加工装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る試料平坦化加工装置の概要説明図。
【図2】試料が外れる際のセンサ出力値と時間との関係を示す線図。
【図3】試料がホルダに適正に保持された状態のウェーブレットスペクトラムを示す図。
【図4】試料がホルダから外れ始めている状態のウェーブレットスペクトラムを示す図。
【図5】試料がホルダから外れてしまっている状態のウェーブレットスペクトラムを示す図。
【図6】図3のウェーブレットスペクトラムに高次解像度処理を施した3次元スペクトルの説明図。
【図7】図4のウェーブレットスペクトラムに高次解像度処理を施した3次元スペクトルの説明図。
【図8】雑音成分を含んだセンサ出力値と時間との関係を示す線図。
【図9】図8から雑音部を抽出したウェーブレットスペクトラムを示す図。
【図10】図9のウェーブレットスペクトラムに高次解像度処理を施した3次元スペクトルの説明図。
【符号の説明】
1…回転盤、3…ホルダ、4…試料、11…試料外れ検出センサ、14…データ保持手段、15…データ外れ判別手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 試料を研磨するための回転盤と、前記試料を保持しながら前記回転盤に接触させるホルダとを有する試料平坦化加工装置において、前記回転盤上での前記ホルダに対する試料の外れ(ここで「試料の外れ」とは、試料の外れ始めを含む)を検出するためのセンサと、前記センサの出力データを保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段で保持されたデータをウェーブレット変換して前記試料が前記ホルダから外れた場合にその試料外れをウェーブレットスペクトラムにより判別する試料外れ判別手段と、を備えたことを特徴とする試料平坦化加工装置。
【請求項2】 前記試料外れ判別手段は、前記センサの出力波形に離散値系ウェーブレット変換を施して所定次数のウェーブレットスペクトラムから試料外れの特徴を抽出する請求項1記載の試料平坦化加工装置。
【請求項3】 前記試料外れ判別手段は、ウェーブレット変換により得られたウェーブレットスペクトラムに時間軸,振幅軸,周波数軸で表す3次元の高次解像度処理を施して、その高次解像度成分値から試料外れの特徴を抽出する請求項1又は請求項2記載の試料平坦化加工装置。
【請求項4】 前記試料外れ判別手段により試料外れが判別されると、試料外れ始めの時点で、それに対処するための動作指令が前記回転盤或るいは/及びホルダの機構制御系に出されるように設定されている請求項1ないし3のいずれか1項記載の試料平坦化加工装置。
【請求項5】 前記試料外れに対処するための動作指令は、前記回転盤,ホルダの回転停止指令、前記ホルダに加える荷重の軽減指令、前記ホルダの上方移動指令のいずれか一つである請求項4記載の試料平坦化加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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