説明

試料液注入装置

【課題】 所望量の試料液を精度よく容器に収容できるようにすると共に、この収容が迅速にできるようにする。
【解決手段】 試料液注入装置1が、試料液2が注入可能とされる透明な容器4と、この容器4に所望量V1の試料液2を収容させたとき、この試料液2の液面5に合致する容器4の部分に付された表示部6と、容器4に試料液2を注入可能とする試料液注入機9と、容器4と表示部6とを撮像するテレビカメラ14とを備えている。試料液注入機9による試料液2の注入に際し、テレビカメラ14の撮像による表示部6から試料液2の液面5までの相対寸法L1に基づき、試料液注入機9による試料液2の注入を停止させるようにする。相対寸法L1が所定寸法L2になるまで、試料液注入機9により試料液2を連続的に注入し、その後、試料液注入機9により試料液2を所定時間毎に滴下させて注入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望量の試料液を精度よく容器に収容できるよう、この容器に試料液を注入可能とする試料液注入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記試料液注入装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記試料液注入装置は、試料液が注入可能とされる透明な容器と、この容器に所望量の試料液を収容させたとき、この試料液の液面に合致する上記容器の部分に付された表示部と、上記容器に試料液を注入可能とする試料液注入機と、上記容器と表示部とを水平方向から撮像するテレビカメラとを備えている。そして、上記試料液注入機による試料液の注入時に、上記テレビカメラで撮像された上記表示部から上記試料液の液面までの相対寸法に基づき、上記試料液注入機による試料液の注入を停止させるようになっている。
【0003】
より具体的には、試料液注入機による試料液の注入時に、上記相対寸法が、基準値以下の小さい値になったとき、上記試料液注入機による試料液の注入が停止させられる。これにより、上記試料液の液面が上記表示部の近傍に達して、所望量の試料液が上記容器に収容される結果となる。よって、この容器の試料液によれば、これを次行程の実験、研究などに用いるときに便利である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−289697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したように、試料液注入機により容器に試料液を注入するとき、この試料液の液面は波立つこととなる。このため、上記テレビカメラにより上記表示部から試料液の液面までの相対寸法が検出されるとき、その検出信号に誤差が生じる可能性がある。この場合、上記試料液注入機による試料液の注入の停止時期が不正確となる。この結果、所望量の試料液を精度よく容器に収容させることができないという問題点が生じる。
【0006】
そこで、上記試料液注入機による単位時間当たりの試料液の注入量を少なくすることが考えられる。このようにすれば、試料液の液面が波立つことが防止される。これにより、上記相対寸法の検出信号に誤差が生じることが防止される。
【0007】
しかし、このようにすると、上記容器に対し所望量の試料液を収容させる上で、長時間を要する、という問題点が生じてくる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、所望量の試料液を精度よく容器に収容できるようにすると共に、この収容が迅速にできるようにすることである。
【0009】
請求項1の発明は、試料液2が注入可能とされる透明な容器4と、この容器4に所望量V1の試料液2を収容させたとき、この試料液2の液面5に合致する上記容器4の部分に付された表示部6と、上記容器4に試料液2を注入可能とする試料液注入機9と、上記容器4と表示部6とを撮像するテレビカメラ14とを備え、上記試料液注入機9による試料液2の注入に際し、上記テレビカメラ14の撮像による上記表示部6から上記試料液2の液面5までの相対寸法L1に基づき、上記試料液注入機9による試料液2の注入を停止させるようにした試料液注入装置において、
上記相対寸法L1が所定寸法L2に達するまで、上記試料液注入機9により試料液2を連続的に注入し、その後、上記試料液注入機9により試料液2を所定時間T毎に滴下させて注入するようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記試料液注入機9による試料液2の注入により、上記相対寸法L1が上記所定寸法L2未満となったとき、上記液面5から上記表示部6に至るまでの上記容器4内の容量bに相当する試料液2の必要滴下回数nを、この試料液2の滴下ごとに演算するようにしたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明に加えて、上記必要滴下回数nが、2未満で1以上の所定値以下の値から1未満で他の所定値以上の値の範囲となったとき、上記試料液注入機9により試料液2の最後の1回だけの滴下が行われるようにしたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、鉛直方向で、上記容器4とテレビカメラ14とを相対移動させる昇降機15を設けたものである。
【0013】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明による効果は、次の如くである。
【0015】
請求項1の発明は、試料液が注入可能とされる透明な容器と、この容器に所望量の試料液を収容させたとき、この試料液の液面に合致する上記容器の部分に付された表示部と、上記容器に試料液を注入可能とする試料液注入機と、上記容器と表示部とを撮像するテレビカメラとを備え、上記試料液注入機による試料液の注入に際し、上記テレビカメラの撮像による上記表示部から上記試料液の液面までの相対寸法に基づき、上記試料液注入機による試料液2の注入を停止させるようにした試料液注入装置において、
上記相対寸法が所定寸法に達するまで、上記試料液注入機により試料液を連続的に注入し、その後、上記試料液注入機により試料液を所定時間毎に滴下させて注入するようにしている。
【0016】
即ち、上記容器への試料液の注入により、この試料液の液面が表示部に達する直前では、上記容器への試料液の注入は、試料液の所定時間毎の滴下により行われる。
【0017】
このため、上記試料液の滴下後で、液面の波立ちが収束したときに、上記表示部かつ液面までの相対寸法を検出するようにすれば、その検出信号に誤差が生じることが防止される。よって、上記試料液注入機により試料液の注入を停止すべき時期が正確となる。この結果、所望量の試料液を精度よく容器に収容させることができる。
【0018】
また、上記液面が表示部に達する直前であって、試料液の注入を滴下で行う以前の連続的な注入時では、この試料液の注入により液面に波立ちが生じることがある。しかし、上記所望量の試料液は、最終的には滴下により精度よく容器に収容させられるため、この滴下以前の連続的な注入による波立ちは、精度上、何ら支障がない。
【0019】
このため、上記試料液の滴下以前における上記試料液の連続的な注入時には、単位時間当たりの注入量を多くできる。よって、上記容器への試料液の収容が迅速にできる。
【0020】
請求項2の発明は、上記試料液注入機による試料液の注入により、上記相対寸法が上記所定寸法未満となったとき、上記液面から上記表示部に至るまでの上記容器内の容量に相当する試料液の必要滴下回数を、この試料液の滴下ごとに演算するようにしている。
【0021】
このため、試料液の滴下毎に、その後の必要滴下回数が確認され、これに応じて必要量の試料液の注入が、徐々にではあるが、確実に進行する。よって、容器への試料液の注入量に大きな誤差が生じることは未然に防止され、最終的に所望量の試料液が精度よく容器に収容される。
【0022】
請求項3の発明は、上記必要滴下回数が、2未満で1以上の所定値以下の値から1未満で他の所定値以上の値の範囲となったとき、上記試料液注入機により試料液の最後の1回だけの滴下が行われるようにしている。
【0023】
このため、上記したように、最後の1回の滴下が行われると、上記容器にはほぼ所望量の試料液が収容されることとなる。よって、上記したように最後の1回の滴下の後は、上記容器を直ちに次行程に移動させることができるなど、次行程への移行が迅速にできる。
【0024】
請求項4の発明は、鉛直方向で、上記容器とテレビカメラとを相対移動させる昇降機を設けている。
【0025】
このため、上記昇降機の駆動による容器の表示部と、テレビカメラとの相対移動により、鉛直方向で、上記容器の表示部と、テレビカメラの撮像の中央とを互いにほぼ同じ高さに位置させるなど、所望高さに任意に位置させることができる。よって、その分、上記相対寸法の検出が精度よくできる。この結果、所望量の試料液を、より精度よく容器に収容させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の試料液注入装置に関し、所望量の試料液を精度よく容器に収容できるようにすると共に、この収容が迅速にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0027】
即ち、試料液注入装置が、試料液が注入可能とされる透明な容器と、この容器に所望量の試料液を収容させたとき、この試料液の液面に合致する上記容器の部分に付された表示部と、上記容器に試料液を注入可能とする試料液注入機と、上記容器と表示部とを撮像するテレビカメラとを備えている。そして、上記試料液注入機による試料液の注入に際し、上記テレビカメラの撮像による上記表示部から上記試料液の液面までの相対寸法に基づき、上記試料液注入機による試料液の注入を停止させるようにしている。
【0028】
上記相対寸法が所定寸法になるまで、上記試料液注入機により試料液を連続的に注入し、その後、上記試料液注入機により試料液を所定時間毎に滴下させて注入するようにしている。
【実施例】
【0029】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0030】
図1において、符号1は試料液注入装置1である。
【0031】
上記試料液注入装置1は、試料液2を注入可能とさせる透明な注入部3を有する容器4と、この容器4に所望量V1の試料液2を収容させたとき、この試料液2の液面5に合致する上記注入部3の部分に付された表示部6とを備えている。
【0032】
上記試料液2は、例えば、薬剤溶液や溶剤である。また、上記容器4は透明なガラス製のメスフラスコである。上記注入部3は上記容器4の上部を構成して鉛直方向に延び、径寸法が小さい円形管である。また、上記表示部6は、標線といわれるもので、上記注入部3の外周面に沿って円環状に付されている。
【0033】
また、上記試料液注入装置1は、上記注入部3の上方からこの注入部3を通し上記容器4に試料液2を注入可能とする試料液注入機9を備えている。この試料液注入機9は、液圧ポンプ10から延出し、その延出端が上記注入部3に向かって開口する供給チューブ11と、この供給チューブ11の延出端部に設けられる流量調整弁12とを備えている。この流量調整弁12は、上記液圧ポンプ10により吸引され、上記供給チューブ11を通して上記注入部3に注入される試料液2の単位時間当たりの流量を調整可能とする。
【0034】
また、上記試料液注入装置1は、上記注入部3と表示部6とをその外方の水平方向から撮像可能とするテレビカメラ14と、鉛直方向で、上記容器4とテレビカメラ14とを相対移動させる昇降機15と、上記供給チューブ11、テレビカメラ14、および昇降機15をそれぞれ電気的に接続させてこれらを電子的に制御する制御装置16とを備えている。
【0035】
上記テレビカメラ14は、自己走査型(CCD型)である。また、上記昇降機15は、固定されたテレビカメラ14に対し、上記容器4を相対的に昇降可能とさせるものであり、電動機で駆動されるねじジャッキがアクチュエーターとされている。
【0036】
上記容器4に対し試料液注入機9により試料液2を注入する際の上記制御装置16による制御につき説明する。
【0037】
まず、上記昇降機15の駆動により、この昇降機15上に設置された容器4の表示部6がテレビカメラ14による撮像のほぼ中央18、もしくはこの中央18よりも少し上側に位置させられる。そして、上記表示部6は、その上側から下側に向かう走査により、試料液2の液面5を避けて上記テレビカメラ14により撮像される。そして、この撮像により、上記表示部6の鉛直方向における座標位置が定められ、これが上記制御装置16に記憶される。
【0038】
上記試料液注入機9による試料液2の注入時、上記注入部3における試料液2の液面5が、その下側から上側に向かう走査により、上記表示部6を避けて上記テレビカメラ14により撮像される。そして、上記テレビカメラ14の撮像に基づき記憶された表示部6の座標と、上記テレビカメラ14の撮像に基づく上記試料液2の液面5の位置の検出信号とにより、上記表示部6から液面5までの相対寸法L1が演算される。そして、上記相対寸法L1が予め設定された所定寸法L2に達するまで、上記試料液注入機9により上記試料液2が連続的な流れとして注入される。この注入により、上記液面5が上記所定寸法L2に達した際、上記容器4に収容された試料液2の所定量V2は、上記所望量V1の例えば約95%とされる。この場合、上記所定寸法L2(所定量V2)の値は、可変とされている。
【0039】
図2において、上記したように液面5が上記所定寸法L2に達すれば、その後、上記試料液注入機9の流量調整弁12が絞られて、上記液面5が表示部6に向かうよう、試料液2が所定時間T毎に複数回数滴下され、注入部3内に注入される。上記所定時間Tは可変であって、例えば5秒とされる。また、所定時間Tは互いに一定であるが、互いに相違させることもできる。なお、滴下される一つの液滴の量aは、例えば30μlであって、これら各液滴の量aは互いに一定である。
【0040】
上記制御装置16による制御を、より具体的に説明する。
【0041】
図2において、上記テレビカメラ14による試料液2の液面5の繰り返しの撮像により、相対寸法L1が所定寸法L2未満となったことが検出されたとき、上記液面5から表示部6に至るまでの上記注入部3内の容量bが演算される。また、この容量bに相当する試料液2の必要滴下回数n(=b/a)が、この試料液2の滴下ごとに演算される。
【0042】
上記の場合、容量bの演算は、上記所定時間Tの経過直前(例えば、1秒前)における液面5の相対寸法L1に基づき実行される。つまり、従前の滴下による液面5の波立ちができるだけ収束した状態で、上記相対寸法L1が検出される。この相対寸法L1に基づき上記容量bが演算されるため、この容量bの値に基づく必要滴下回数nの値は、より正確となる。
【0043】
上記試料液2の滴下が繰り返されて、上記必要滴下回数nが、2未満で1以上の所定値以下の値から1未満で他の所定値以上の値の範囲となったとき、上記試料液注入機9により、その後、最終の1回だけの滴下が行われる。この場合、所定値と他の所定値はそれぞれ可変とされている。ここで、例えば、上記2未満で1以上の所定値の値を1.5とし、1未満の他の所定値を0.5とすれば、必要滴下回数nが1.5以下から0.5以上のときは、上記試料液注入機9により最終の1回だけの滴下が行われる。一方、必要滴下回数nが0.5未満のときは、上記他の所定値未満となるため、これ以後の試料液2の滴下は停止させられる。なお、上記所定値は、2に限りなく近い値であってもよく、1であってもよい。また、上記他の所定値は、1に限りなく近い値であってもよく、0であってもよい。
【0044】
上記構成によれば、相対寸法L1が所定寸法L2に達するまで、上記試料液注入機9により試料液2を連続的に注入し、その後、上記試料液注入機9により試料液2を所定時間T毎に滴下させて注入するようにしている。
【0045】
即ち、上記容器4への試料液2の注入により、この試料液2の液面5が表示部6に達する直前では、上記容器4への試料液2の注入は、試料液2の所定時間T毎の滴下により行われる。
【0046】
このため、上記試料液2の滴下後で、液面5の波立ちが収束したときに、上記表示部6かつ液面5までの相対寸法L1を検出するようにすれば、その検出信号に誤差が生じることが防止される。よって、上記試料液注入機9により試料液2の注入を停止すべき時期が正確となる。この結果、所望量V1の試料液2を精度よく容器4に収容させることができる。
【0047】
また、上記液面5が表示部6に達する直前であって、試料液2の注入を滴下で行う以前の連続的な注入時では、この試料液2の注入により液面5に波立ちが生じることがある。しかし、上記所望量V1の試料液2は、最終的には滴下により精度よく容器4に収容させられるため、この滴下以前の連続的な注入による波立ちは、精度上、何ら支障がない。
【0048】
このため、上記試料液2の滴下以前における上記試料液2の連続的な注入時には、単位時間当たりの注入量を多くできる。よって、上記容器4への試料液2の収容が迅速にできる。
【0049】
また、前記したように、試料液注入機9による試料液2の注入により、上記相対寸法L1が上記所定寸法L2未満となったとき、上記液面5から上記表示部6に至るまでの上記容器4内の容量bに相当する試料液2の必要滴下回数nを、この試料液2の滴下ごとに演算するようにしている。
【0050】
このため、試料液2の滴下毎に、その後の必要滴下回数nが確認され、これに応じて必要量の試料液2の注入が、徐々にではあるが、確実に進行する。よって、容器4への試料液2の注入量に大きな誤差が生じることは未然に防止され、最終的に所望量V1の試料液2が精度よく容器4に収容される。
【0051】
なお、上記必要滴下回数nの小数点以上の値が所定値(例えば5)以上である場合には、所定時間Tを短くし(例えば、3秒)、その一方、上記必要滴下回数nの小数点以上の値が上記所定値未満となった場合には、所定時間Tを長く(例えば、5秒)してもよい。
【0052】
ここで、上記したように所定時間Tを短くすれば、試料液2の滴下による液面5の波立ちが収束する以前に、上記相対寸法L1が検出される可能性がある。このため、上記容量bの誤差が大きくなるおそれがある。しかし、その後に、更に、試料液2の滴下が行われて、新たな必要滴下回数nが演算されるため、上記状況下で、所定時間Tを短くしても、上記所望量V1の試料液2を精度よく容器4に収容させようとする上で、大きな支障はない。
【0053】
よって、上記したように、必要滴下回数nの小数点以上の値が所定値以上である場合に、所定時間Tを短くできる分、容器4への試料液2の収容は、より迅速にできる。
【0054】
また、前記したように、必要滴下回数nが、2未満で1以上の所定値以下の値から1未満で他の所定値以上の値の範囲となったとき、上記試料液注入機9により試料液2の最後の1回だけの滴下が行われるようにしている。
【0055】
このため、上記したように、最後の1回の滴下が行われると、上記容器4にはほぼ所望量V1の試料液2が収容されることとなる。よって、上記したように最後の1回の滴下の後は、上記容器4を直ちに次行程に移動させることができるなど、次行程への移行が迅速にできる。
【0056】
また、前記したように、鉛直方向で、上記容器4とテレビカメラ14とを相対移動させる昇降機15を設けている。
【0057】
このため、上記昇降機15の駆動による容器4の表示部6と、テレビカメラ14との相対移動により、鉛直方向で、上記容器4の表示部6と、テレビカメラ14の撮像の中央とを互いにほぼ同じ高さに位置させるなど、所望高さに任意に位置させることができる。よって、その分、上記相対寸法L1の検出が精度よくできる。この結果、所望量V1の試料液2を、より精度よく容器4に収容させることができる。
【0058】
なお、以上は図示の例によるが上記容器4はメスシリンダであってもよい。また、上記試料液注入機9による試料液2の滴下毎に、容器4における試料液2の液面5と表示部6とをテレビカメラ14により撮像して、上記相対寸法L1をその都度検出するようにしてもよい。また、上記昇降機15は、上記テレビカメラ14を昇降可能とさせるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】試料液注入装置の全体側面部分断面簡略図である。
【図2】図1に相当する作用説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1 試料液注入装置
2 試料液
3 注入部
4 容器
5 液面
6 表示部
9 試料液注入機
14 テレビカメラ
15 昇降機
16 制御装置
18 中央
L1 相対寸法
L2 所定寸法
V1 所望量
V2 所定量
T 所定時間
n 必要滴下回数
a 液滴の量
b 容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料液が注入可能とされる透明な容器と、この容器に所望量の試料液を収容させたとき、この試料液の液面に合致する上記容器の部分に付された表示部と、上記容器に試料液を注入可能とする試料液注入機と、上記容器と表示部とを撮像するテレビカメラとを備え、上記試料液注入機による試料液の注入に際し、上記テレビカメラの撮像による上記表示部から上記試料液の液面までの相対寸法に基づき、上記試料液注入機による試料液の注入を停止させるようにした試料液注入装置において、
上記相対寸法が所定寸法に達するまで、上記試料液注入機により試料液を連続的に注入し、その後、上記試料液注入機により試料液を所定時間毎に滴下させて注入するようにしたことを特徴とする試料液注入装置。
【請求項2】
上記試料液注入機による試料液の注入により、上記相対寸法が上記所定寸法未満となったとき、上記液面から上記表示部に至るまでの上記容器内の容量に相当する試料液の必要滴下回数を、この試料液の滴下ごとに演算するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の試料液注入装置。
【請求項3】
上記必要滴下回数が、2未満で1以上の所定値以下の値から1未満で他の所定値以上の値の範囲となったとき、上記試料液注入機により試料液の最後の1回だけの滴下が行われるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の試料液注入装置。
【請求項4】
鉛直方向で、上記容器とテレビカメラとを相対移動させる昇降機を設けたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の試料液注入装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−61884(P2006−61884A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250336(P2004−250336)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000139355)株式会社ワイ・イー・シー (21)
【Fターム(参考)】