説明

試験片を光学的に評価する装置及び方法

【課題】 試験片の光学的に検出可能な信号を高速で評価し、高い確実性で各被験者に割り付けることが可能な試験片の光学的評価装置及び方法を提供する。
【解決手段】 被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域(13)をそれぞれ有する試験片(12)を光学的に評価する装置において、試験片及び/又は所定の平面状配置状態で結合された複数の試験片(12)からなる試験片ユニット(11)のための少なくとも1つの受け部を有する位置決め装置(21)と、位置決め装置の受け部に配置した試験片又は試験片ユニットの少なくとも1つの限定領域(13)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送する画像生成装置とを有し、画像解析装置が、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試験片を光学的に評価する装置及び試験片を光学的に評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
試験片は、例えば、検知容易な生理学的パラメータ、代謝産物又は病原を診断するため、臨床診断において汎用されている。
【0003】
試験片は、液状試料又は均一化試料における多種多様な分析値の検証において、使用される。試験片には、一般に、特定の分析のための検出剤を固定した少なくとも1つの限定領域が設けてある。この種の試験片は、例えば、尿中のグルコースの検証のために又は血中糖度のために、又は、例えば、液状試料又は流動化試料又は均一化試料中のプリオンタンパク質の検証に使用される。最後に挙げた試験片は、例えば、本発明の出願人のDE10147012から公知である。
【0004】
一般に、試験片は、被検試料との接触後に限定領域に光学的に検出可能な信号を発生できるように構成されており、この信号は、検査員の視覚的点検によって又は画像解析装置によって検出される。
【0005】
光学的に検出可能な信号は、例えば、色調変化、明暗化又は蛍光変化である。
【0006】
更に、複数の試験片を櫛状試験片ユニットに統合できることは、DE10147012から公知であり、この場合、試験片は、所定の幾何学的配置状態で相互に結合され、かくして、試験片下部を、マイクロ滴定板の1列に配置された試料容器に同時に挿入できる。
【0007】
更に、複数のこのような試験片ユニットを結合装置によって統合し、かくして、各試験片ユニットの試験片の下部をマイクロ滴定板の列状に配置された試料容器に同時に挿入することは、DE10147012から公知である。
【0008】
かくして、異なる被検者の多数の試料を試験片によって同時に検査し、かくして、ルーチン診断における処理速度を本質的に増速できる。
【特許文献1】DE10147012
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
複数の試験片ユニットを使用する場合、各被検者に対して各試験片を割り付ける又は各試験片の光学的に検出可能な信号の評価結果を割り付けるという問題が生ずる。この場合、直ちに混同が起きることになる。
【0010】
更に、点検によって各試験片の光学的に検出可能な信号を記録し、それを各被検者に割り付けるか、あるいは各試験片又は試験片ユニットを画像解析装置によって評価することは煩雑である。
【0011】
本発明の課題は、場合によっては試験片ユニットに統合された試験片の光学的に検出可能な信号を高速で評価し、高い確実性で各被検者に割り付けることができる、試験片の光学的評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、提示の請求項1に係る装置、このような装置に使用するための提示の請求項24に係る位置決め装置、試験片を光学的に評価するための提示の請求項29に係る方法、複数の試験片を含む提示の請求項33に係る試験片ユニット及び試験片ユニットを製造するための提示の請求項41に係る型打抜法によって解決される。
【0013】
本発明に基づき、試験片を光学的に評価する装置を設ける。この場合、試験片は、それぞれ被検試料との接触後に限定領域に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域を有する。
【0014】
装置は、少なくとも1つの試験片のための受け部を有する位置決め装置と、位置決め装置に設けた試験片及び/又は試験片ユニットの少なくとも1つの限定領域を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送する画像生成装置とからなり、この場合、画像解析装置は、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価する。
【0015】
位置決め装置が、複数の試験片及び/又は試験片ユニットを有するように構成するのが好ましい。
【0016】
光学的に検出可能な信号は、一般に、被検試料との接触後に1つ又は複数の限定領域に起こり得る化学反応又は免疫反応に関連する。このため、限定領域には、例えば、試薬、酵素又は抗体を固定する。光学的に検出可能な信号は、例えば、色調変化、明暗化又は蛍光変化から構成される。例えば、検出すべき代謝産物が被検試料中に存在しないので反応がマイナスである場合、検出可能な信号は、信号の欠如状態であるともいえる。
【0017】
定性的評価の場合は、画像解析装置によって、限定領域に光学的に検出可能な信号が存在するか否かを点検すれば十分である。他方、定量的評価の場合は、まず、信号が依拠する化学反応又は免疫反応のサイドで、検証すべき生理学的パラメータ又は分析値と光学的に検出可能な信号の強さ又は変化との間の数学的関係が存在することが必要である。この場合、任意の数学的関係、例えば、線形関係又は指数関係が考えられる。上記前提条件が与えられれば、光学的信号の定量的評価も可能である。これは、例えば、1つ又は複数の限定領域の濃度測定、比色測定又は蛍光測定によって行うことができる。
【0018】
単一試験片の使用は、ルーチン診断において、極めて煩雑であり、非効率的である。ルーチン診断において処理速度を増速するには、各試験片ユニットの試験片の下部を、例えば、試料容器複合体の列状に配置した試料容器に同時に挿入できるように、複数の試験片を結合して1つの試験片ユニットを形成すればよい。この試料容器複合体は、例えば、市販のマイクロ滴定板又はマイクロ反応容器のラック系であってよい。
【0019】
したがって、本発明に係る装置の好ましい実施例に基づき、複数の試験片を、それぞれ、所定の平面的配置状態で結合して1つの試験片ユニットを形成し、位置決め装置に、少なくとも1つの試験片ユニットのための受け部を設ける。この場合、位置決め装置が、複数の試験片ユニットのための受け部を有するように構成すれば好ましい。この場合、画像解析装置は、同じく、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価する。
【0020】
本発明に基づき使用できる試験片ユニットは、試験片に対して直角に延びる結合装置を使用して、例えば、締め付け又は接着によって相互に結合された、相互につながりのない試験片から構成できる。同じく、試験片ユニットの各試験片は、例えば、単一の截片から一体に構成できる。しかしながら、試験片ユニットに結合されてない個々の試験片を使用することもできる。
【0021】
本発明に係る装置の好ましい実施例に基づき、画像生成装置をスキャナとして構成できる。これは、例えば、A4サイズの市販の平板スキャナであってよい。同じく、画像生成装置は、位置決め装置を介して、例えば、三脚又はロボットアームに設置したデイジタルカメラであってもよい。しかしながら、同じく、CCD素子又は他の適切な画像生成装置を使用することもできる。
【0022】
この場合、本発明に係る装置の好ましい実施例に基づき、位置決め装置は、好ましくは用いられたスキャナに設置できるよう構成する。平板スキャナを使用する場合、例えば、位置決め装置を平板スキャナ上に載置できる。
【0023】
しかしながら、画像生成装置は、例えば、試験片又は試験片ユニットを画像的に検知する可搬機器であってもよい。このような機器は、例えば、個別診断又は少数の被検者の診断に特に好適である。PCを使用できないような現場使用時には特に、このような実施例には大きな利点がある。この場合、位置決め装置は、例えば、蓋の下に隠された試験片ユニット用余白部として、例えば、画像生成装置に不動に組み込むことができる。しかしながら、位置決め装置は、場合によっては、単一試験片をスリットを介して引き込む引込装置から構成することもできる。しかしながら、他の実施例も考えられる。
【0024】
基本的に、少なくとも1つの試験片又は試験片ユニットを設置でき、それ自体、画像生成装置が位置決め装置に設けた試験片の1つ又は複数の限定領域を検知できるように、画像生成装置に関連して又は画像生成装置に配置できる全ての装置は、位置決め装置として適する。
【0025】
位置決め装置を画像生成装置に所定の配置状態で再現可能に設置できるように、位置決め装置及び画像生成装置を構成するのが特に好ましい。かくして、画像生成装置によって生成された検知結果が、常に、位置決め装置の同一領域を含むことが保証される。
【0026】
これは、例えば、平板スキャナ上に位置決め装置を載せた場合に、ピンが係合して平板スキャナ上に位置決め装置を確保する切欠きを、位置決め装置に設けることによって達成できる。
【0027】
位置決め装置は、フレームから構成するのが好ましく、試験片ユニットの受け部は、このフレームの切欠きから構成するのが好ましい。フレームは、例えば、プラスチック(例えば、PVC)から構成できる。
【0028】
試験片ユニット又は−試験片ユニットの代わりに単一試験片を使用した場合は−単一試験片は、寸法及び形状を対応して適合させた切欠きに挿入される。試験片ユニット又は試験片が、切欠きに配置された際に、切欠きに係止されるように、切欠き及び試験片ユニット又は試験片を構成すれば特に好ましい。このため、例えば、試験片ユニットには、位置決め装置の受け部に配置した際に、この受け部に設けた弾性リップが係合する側部ミゾを備えた補強縁部を設けることができる。しかしながら、切欠きへの試験片ユニット又は試験片の係止を実現できる他の実施例も考えられる。
【0029】
更に、所定の試験片ユニットを、それぞれ、位置決め装置の所定の受け部にのみ形状結合状態で配置できるように、切欠き及び試験片ユニットを構成することができる。このために、例えば、受け部の縁部には、キー・ロック・原理に基づき試験片ユニットの補強縁部の対応する切欠きに係合する突出部材を設けることができる。この実施例は、単一試験片の使用事例にも適用できる。
【0030】
本発明に係る装置の好ましい実施例に基づき、位置決め装置には、光学的に検出可能な少なくとも2つの位置マーカを設けることができる。
【0031】
本発明に係る装置の他の実施例に基づき、画像処理ソフトウエアを有するコンピュータから画像解析装置を構成する。
【0032】
この場合、画像生成装置は、位置マーカを画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置は、位置マーカによって試験片ユニット、試験片及び/又は限定領域の位置を決定し、かくして、再現可能に識別確認できる。
【0033】
このためには、試験片ユニット又は試験片の各受け部に対して、既知の距離及び角度で位置マーカを設置する必要があり、更に、試験片ユニット及び/又は試験片及び限定領域の相互の相対位置を知る必要がある。
【0034】
更に、本発明に係る装置の好ましい実施例に基づき、試験片ユニット及び/又は試験片に、光学的に検出可能な個別化マーキングを設ける。
【0035】
これらの個別化マーキングは、試験片ユニット又は試験片の製造ロット、最短有効期間に関する情報、現行試験に関する情報又は使用する評価プロトコル又は、更に、ユーザ側情報(例えば、被検者の確認、試験日、etc.)を含むことができる。個別化マーキングが、例えば、バーコードリーダによって、更に、適切な画像解析装置を有する市販のスキャナによっても問題なく読み取ることができるような線コード又はバーコードであれば特に好ましい。
【0036】
通常、複数の試験片ユニット又は試験片をロットに括って、最終ユーザに供給する。本発明の枠内において、更に、各ロットに、機械で読み取り得る形で、例えば、2次元バーコードの形でロットの又はロットに含まれた試験片ユニットの重要データを記載した校正カードを添付することができる。このカードは、例えば、新しいロットの試験片ユニットの最初の測定の前に、位置決め装置の代わりに、本発明に係る装置に設置し、画像生成装置によって読み取る。校正カードの読み取りが必須であり、すなわち、この読み取り後に初めて新しいロットの試験片ユニットの測定を行うことができる。
【0037】
本発明に係る実施例の特に好ましい実施例に基づき、画像生成装置が、個別化マーキングを画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、個別化マーキングに基づき、各試験片ユニット及び/又は試験片を特定し、マーキング内にコード化されたデータを、場合によっては、評価に使用するように構成する。このためにも、個別化マーキング及び試験片ユニット及び/又は試験片及び限定領域の相互の相対位置を知る必要がある。
【0038】
更に、試験片ユニット及び/又は試験片に、光学的に検出可能な少なくとも2つの位置マーカを設けることができる。この特徴は、本発明の特に好ましい実施例の前提条件である。かくして、画像生成装置が、試験片ユニット又は試験片上の位置マーカを画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置は、位置マーカによって、各試験片ユニット、試験片及び/又は限定領域の位置を決定し、かくして、再現可能に確認できる。この場合も、位置マーカ、試験片ユニット及び/又は試験片及び限定領域の相互の相対位置が既知であるように、個々の試験片に対して既知の距離及び角度で位置マーカを設置する必要がある。
【0039】
既述の如く、更に、画像解析装置が、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価するように構成する。この場合、定量的評価は、例えば、1つ又は複数の限定領域の濃度測定、比色測定又は蛍光測定によって行うことができる。
【0040】
この場合、定量的評価の精度は、例えば、スキャナのランプの明るさの変動によって又は試験片材料の明るさの変動によって損なわれることになる。したがって、多様な定量的評価を相互に比較できるように、画像解析装置は、規則的間隔を置いて、例えば、各測定前に、校正しなければならず、あるいは、自己校正を行わなければならない。
【0041】
したがって、本発明に係る装置の他の特に好ましい実施例に基づき、位置決め装置に、光学的に検出可能なグレースケール及び/又はカラースケールを設ける。グレースケール又はカラースケールは、メーカサイドで、位置決め装置に高い再現性で設置することができる。スケールは、場合によっては、例えば、退色を阻止するため、規則的間隔を置いて交換できるように構成できる。このために、グレースケール又はカラースケールは、ステッカーの形態に構成できる。
【0042】
この特徴は、本発明の特に好ましい実施例の前提条件である。かくして、画像生成装置が、グレースケール及び/又はカラースケールを画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置は、各試験片の光学的に検出可能な信号の評価のための校正に上記結果を使用する。既述の如く、評価は、例えば、1つ又は複数の限定領域の濃度測定、比色測定又は蛍光測定によって行うことができる。
【0043】
本発明に係る装置の他の特に好ましい実施例に基づき、各試験片を相互に平行に配置し、試験片下部を試料容器複合体の容器列の相互に隣接する容器に同時に挿入できるように、相互に離隔する。この試料容器複合体は、例えば、市販のマイクロ滴定板又はマイクロ反応容器のラック系であってよい。
【0044】
この特徴によって、マイクロ滴定板を含む試験片ユニットの使用を容易化でき、異なる被検者の多数の試料を同時に検査でき、かくして、ルーチン診断の処理速度を本質的に増速できる。
【0045】
この場合、複数の試験片ユニットの下部を試料容器複合体の異なる容器列に同時に挿入できるように、試験片ユニットを構成するのが好ましい。
【0046】
96の試料容器を含む市販のマイクロ滴定板は、それぞれ8つの試料容器を含む12の列を有する。試料容器は、約6mmの径を有し、各試料容器は、約2mmの相互間隔を有する。したがって、試験片ユニットに、それぞれ、上記寸法に対応する幅及び相互間隔を有する8つの試験片を設けるのが好ましい。他のマイクロ滴定板フォーマットは、それぞれ16又は32の試料容器を含む24又は48の列を有する。したがって、更に、試験片ユニットが16又は32の試験片を有するように構成できる。この場合、試験片の幅及び相互間隔は、同じく、当該の試料容器の径及び間隔に対応させる。
【0047】
位置決め装置は、試料容器複合体の異なる容器列に挿入できるような数の試験片ユニットを受け入れることができるように構成するのが好ましい。試料容器複合体が、例えば、8×12のフォーマットのマイクロ滴定板である場合、8つの試験片を有する試験片ユニットを使用するのが好ましい。したがって、位置決め装置は、試験片ユニットのための12の受け部を有する。
【0048】
本発明に係る装置の他の特に好ましい実施例に基づき、画像解析装置が、位置決め装置の全ての受け部内に1つの試験片ユニット又は1つの試験片が配設されているか否か、各試験片ユニット又は試験片が位置決め装置の受け部に所望の順序で配設されているか否か、試験片ユニット又は試験片が同一の製造ロットに属するか否か、及び/又は、試験片ユニット又は試験片の最短有効期間に既に達しているか否かを調べることによって確からしさ監視を行うように構成する。
【0049】
本発明は、かかる装置に限定されるものではなく、先行請求項のいずれか1つに係る装置のための適切な、特に別個に操作できる位置決め装置にも関する。
【0050】
適切な位置決め装置は、画像生成装置によって画像的に検知可能な面を構成しており、そして1つの試験片ユニット又は1つの試験片のための少なくとも1つの受け部を有する。しかしながら、位置決め装置が、複数の試験片ユニット又は試験片のための受け部を有していれば好ましい。
【0051】
本発明に係る位置決め装置の好ましい実施例に基づき、位置決め装置はフレームから構成し、試験片ユニット又は試験片のための受け部はフレームの切欠きから構成する。フレームの切欠き及び試験片ユニット又は試験片は、切欠きに設置した際に試験片ユニット又は試験片が切欠きに係止できるように構成するのが好ましい。しかしながら、試験片ユニット又は試験片を切欠きに簡単に導入されるように構成できる。
【0052】
本発明に係る位置決め装置の他の好ましい実施例に基づき、位置決め装置が少なくとも2つの光学的に検出可能な位置マーカを有するように構成する。本発明に係る位置決め装置が、グレースケール及び/又はカラースケールを有していれば特に好ましい。
【0053】
本発明に係る装置に設けた画像解析装置が、試験片を光学的に評価するためのソフトウエアを有していれば好ましい。試験片は、それぞれ、被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域を有する。この場合、ソフトウエアは、画像生成装置から転送された、少なくとも1つの限定領域の検出結果に基づき、各試験片及び/又は限定領域の位置を探し出し、各試験片ユニット、試験片及び/又は限定領域を特定し、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価する。
【0054】
好ましい実施例に基づき、複数の試験片を、それぞれ、所定の平面的配置状態で結合して、試験片ユニットを形成し、ソフトウエアで、試験片ユニットの位置を探し出し、各試験片ユニットを特定し、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価する。
【0055】
他の好ましい実施例に基づき、ソフトウエアが、位置決め装置、試験片ユニット及び/又は試験片上に設置され、画像生成装置によって画像的に検知される位置マーカにより、試験片ユニット、試験片及び/又は限定領域の位置を決定し、かくして、再現可能に確認するように構成する。
【0056】
特に好ましい実施例に基づき、ソフトウエアが、試験片ユニット及び/又は試験片上に設置され、画像生成装置によって画像的に検知される個別化マーキングに基づき、各試験片ユニット及び/又は各試験片を特定し、マーキング中にコード化されたデータを、場合によっては、評価に使用するように構成する。
【0057】
更に、ソフトウエアが、画像生成装置によって画像的に検知されたグレースケール及び/又はカラースケールにより、試験片の光学的に検出可能な信号を評価すれば好ましい。この場合、定量的評価は、例えば、1つ又は複数の限定領域の濃度測定、比色測定又は蛍光測定によって行うことができる。
【0058】
ソフトウエアが、位置決め装置の全ての受け部内に1つの試験片ユニット又は1つの試験片が配設されているか否か、各試験片ユニット又は試験片が位置決め装置の受け部に所望の順序で配設されているか否か、試験片ユニット又は試験片が同一の製造ロットに属するか否か、及び/又は、試験片ユニット又は試験片の最短有効期間に既に達しているか否かを調べることによって確からしさ監視を行うように構成する。
【0059】
本発明は、更に、試験片が被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域を有する形式の試験片を光学的に検出する方法に関する。この場合、少なくとも1つの試験片を、画像生成装置に設置できる位置決め装置の受け部に設置し、少なくとも1つの限定領域を画像生成装置によって画像的に検知する。この場合、位置決め装置の受け部に複数の試験片を設置すれば好ましい。
【0060】
検知結果は、画像解析装置に転送され、画像解析装置は、各試験片及び/又は限定領域の位置を探し出し、特定して、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価する。
【0061】
本発明に係る方法の好ましい実施例に基づき、複数の試験片を、それぞれ、所定の平面的配置状態で結合して、試験片ユニットを形成し、少なくとも1つの試験片ユニットを位置決め装置の受け部に配置する。この場合、位置決め装置の受け部に複数の試験片ユニットを配置すれば好ましい。
【0062】
画像解析装置は、1つの試験片ユニット又は各試験片ユニットの位置を探し出し、上記試験片ユニットを特定し、各試験片ユニットについて光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価する。
【0063】
本発明に係る方法の特に好ましい実施例に基づき、画像生成装置によって、位置決め装置、試験片ユニット又は試験片上に設置された位置マーカを画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、位置マーカによって試験片ユニット、試験片及び/又は限定領域の位置を決定し、かくして、これらを再現可能に確認できる。
【0064】
本発明に係る方法の他の好ましい実施例に基づき、画像生成装置が、試験片ユニット又は試験片上に配置された個別化マーキングを画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、個別化マーキングに基づき各試験片ユニット及び/又は各試験片を特定し、マーキング中にコード化されたデータを、場合によっては、評価のために使用する。
【0065】
本発明に係る方法の特に好ましい実施例に基づき、画像生成装置が、位置決め装置に配置されたグレースケール及び/又はカラースケールを画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、各試験片の光学的に検出可能な信号の評価のための目盛校正に上記結果を使用する。この場合、定量的な評価は、例えば、1つ又は複数の限定領域の濃度測定、比色測定又は蛍光測定によって行うことができる。
【0066】
更に、本発明は、相互に所定の平面的配置状態に設置された複数の試験片からなり本発明に係る装置に使用できる試験片ユニットに関する。この場合、試験片は、被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域を有する。この場合、複数の試験片を所定の平面的配置状態で結合して試験片ユニットを形成する。試験片は、被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域をそれぞれ設けた吸収性截片を有する。吸収性截片は、そのような材料からなる。この場合、ニトロセルロースを使用するのが特に好ましいが、この目的に適する他の材料も使用できる。
【0067】
上記試験片ユニットの特に好ましい実施例に基づき、各試験片の吸収性截片を一体の相互に接続された状態に構成する。この場合、試験片ユニットが、限定領域の上方に吸引方向へ設置され、試験片に対して直角に延びる補強縁部を有していれば、特に好ましい。この補強縁部は、例えば、試験片材料上に接着したプラスチック片から構成できる。補強縁部は、例えば、試験片ユニットの操作を容易化し、それ自体、既述の位置マーカ及び/又は個別化マーキングを備えることができる。更に、補強縁部には、位置決め装置の受け部に設置した際に、この受け部に設けた1つ又は複数個の弾性リップが係合できるミゾを設けることができる。かくして、試験片ユニットは、位置決め装置の受け部に係止できる。
【0068】
しかしながら、試験片ユニットの他の実施例に基づき、試験片ユニットは、限定領域の上方に吸引方向へ設置され試験片に対して直角に延びる結合装置によって相互に結合された相互に連続していない単一試験片から構成できる。この場合、統合された試験片ユニットが対象である。この場合、試験片は、結合装置に接着できるか、綴じこむことができ、あるいは、結合装置による締付によって保持できる。他の任意の固定方式も考えられる。この場合、結合装置は、同時に、既述の意味の補強縁部として機能することもでき、すなわち、結合装置は、例えば、試験片ユニットの操作を容易化でき、既述の位置マーカ及び/又は個別化マーキングを備えることができ、あるいは、位置決め装置の切欠きへの係止を実現できるように構成できる。
【0069】
更に、試験片の吸収性截片を堅い支持材料に取り付けるのが特に好ましい。この支持材料は、例えば、プラスチック材料であってよい。支持材料は、試験片ユニットの操作を容易化し、例えば、マイクロ滴定板の試料容器に挿入する際に試験片が変形するのを阻止する。
【0070】
本発明に係る試験片ユニットの他の好ましい実施例に基づき、各試験片が相互に平行に設置され、この際、相互に離隔されて試験片下部を試料容器複合体の1つの容器列の相互に隣接した試料容器に同時に挿入できるように、試験片ユニット構成する。この試料容器複合体は、例えば、市販のマイクロ滴定板又はマイクロ反応容器のラック系であってよい。
【0071】
この場合、複数の試験片を試料容器複合体の異なる容器列に同時に挿入できるように、試験片ユニットを構成すれば特に好ましい。
【0072】
本発明に係る試験片ユニットの他の好ましい実施例に基づき、限定領域の上方に吸引方向へ配置された、場合によっては過剰に存在する液体の吸収に役立つ使い捨てパッドを試験片ユニットに設ける。この使い捨てパッドは、例えば、プレスしたセルロースから構成できる。
【0073】
本出願人の実験において、各試験片の吸収性截片を一体に相互に接続された状態に構成した試験片ユニットの製造には問題点があるということが判った。その理由は、特に、截片に使用した吸収性材料は、概ね、極めて強靭であり、通常の型打抜法によっては、所望の櫛形状に加工できないという点にある。これは、吸収性材料がニトロセルロースである場合に特にいえる。
【0074】
したがって、本発明の他のアスペクトは、各試験片の吸収性截片を一体に相互に接続された状態に構成した試験片ユニットを製造するための型打抜法に関する。
【0075】
この場合、少なくとも吸収性截片の材料からなる試験片ユニット用素材を、型打抜プレート上に載せ、少なくとも試験片ユニットの吸収性截片を型打抜加工する。この場合、素材は、既述の如く、少なくとも1つの吸収性材料層からなる。しかしながら、例えば、吸収性材料層を堅い支持材料上に被覆した多層素材を使用することができる。
【0076】
本発明に係る型打抜法の場合、試験片ユニットの截片に対応するネガティブプロフィルを有する型打抜プレートを使用する。この場合、使用する型打抜工具のブレードは、型打抜操作時に型打抜プレートのネガティブプロフィルの切欠き部分に順次に係合する下降プロフィルを有する。
【0077】
したがって、素材から除去すべき領域は、本来の意味において型打抜加工されず、型打抜加工中に切り離される。本方法に基づき、第1に、各試験片の吸収性截片を一体に相互に接続された状態に構成した試験片ユニットを大量生産で経済的に製造できる。
【0078】
相互につながりのない単一試験片からなる試験片ユニットは、上記型打抜法によっては製造できない。この場合、試験片ユニットの製造法に基づき、試験片に対して直角に延びる結合装置によって相互に結合した複数の単一試験片からなる試験片ユニットを製造する。この方法は、既述の方法に対して、試験片材料の加工屑を減少できるという利点を有する。この場合、各試験片は、従来の如く、切断機によって切断し、次いで、既述の如く統合して試験片ユニットを形成できる。試験片は、結合装置に接着できるか、綴じこむことができ、あるいは、結合装置による締め付けによって保持できる。他の任意の固定方式も考えられる。この場合、結合装置は、同時に、既述の意味の補強縁部として機能することもでき、すなわち、結合装置は、例えば、試験片ユニットの操作を容易化でき、既述の位置マーカ及び/又は個別化マーキングを備えることができ、あるいは、位置決め装置の切欠きへの係止を実現できるように構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
本発明の実施例を図面に模式的に示した。
【0080】
図1に、被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域13と、2つの個別化マーキング14,15と、位置マーカ16をそれぞれ有する複数の試験片12からなる試験片ユニット11を示している。
【0081】
図示の実施例の場合、試験片ユニット11は、96の試料容器を有する市販のマイクロ滴定板の径及び間隔に対応する幅及び相互間隔を有する8つの試験片12を有する。したがって、試験片12の下部は、マイクロ滴定板の1つの容器列の相互に隣接した試料容器に同時に挿入できる。合計して12の試験片ユニットをマイクロ滴定板の異なる容器列に同時に挿入できる。
【0082】
黒矢印で、試験片下部をマイクロ滴定板の試料容器に挿入した際に試験片に液体が吸引される方向を示している。個別化マーキング14,15は、バーコードの形に特徴付けて形成されており、メーカ情報及び/又はユーザ情報を含む。位置マーカ16によって、画像解析装置は、試験片ユニット11、試験片12及び/又は限定領域13の位置を決定し、かくして、再現可能に確認できる。
【0083】
図2に、試験片ユニット11の受け部22と、位置マーカ23と、グレースケール24と、カラースケール25とを有する位置決め装置21を示している。位置決め装置21は、画像生成装置によって画像的に検知可能な面の形に構成されている。位置マーカ23は、画像生成装置によって画像的に検知され、かくして、画像解析装置は、位置マーカ23によって、試験片ユニット12の位置を決定でき、かくして、再現可能に確認できる。グレースケール24及び/又はカラースケール25は、同じく、画像生成装置によって画像的に検知され、画像解析装置によって校正に使用される。使用目的に応じて、位置決め装置21にグレースケール24のみ又はカラースケール25のみを設けることができる。
【0084】
図示の実施例の場合、位置決め装置21は、試験片ユニット11のため12個の受け部22を有し、したがって、96の試料容器を有する市販のマイクロ滴定板の各容器列に挿入できる試験片ユニットと同様に多数の試験片ユニット11を受容できる。
【0085】
図3に、それぞれ少なくとも1の限定領域33を有し相互に所定の平面的配置状態に設置された複数の試験片32からなる試験片ユニット31を示している。上記限定領域において、被検試料との接触後、光学的に検出可能な信号を発生できる。試験片32は、堅い支持材料34に取り付けた吸収性材料35からなる。堅い支持材料は、例えば、プラスチックであってよく、他方、吸収性材料は、例えば、ニトロセルロースであってよい。
【0086】
試験片ユニットは、各試験片の下部をマイクロ滴定板の1つの容器列の相互に隣接した試料容器に同時に挿入できるように選択された径及び相互間隔を有する8つの試験片からなる。
【0087】
更に、試験片ユニット31は、場合によっては過剰に存在する液体を吸収するのに役立つ使い捨てパッド(36)を有する。使い捨てパッド(36)は、例えば、プレスしたセルロースから構成できる。
【0088】
図4に、各試験片の吸収性截片を一体の相互に接続された状態に構成した試験片ユニットを製造する型打抜工具を示した。型打抜工具は、型打抜プレート41と、下降プロフィルを有するブレード43を備えた型打抜工具42とからなる。型打抜プレート41は、製造すべき試験片ユニットの形状に対応するネガティブプロフィルを有する。型打抜プロセスの前に、試験片素材を型打抜プレート41上に置く。次いで、型打抜操作中、型打抜工具42の下降プロフィル43が、型打抜プレート41のネガティブプロフィルの切欠き44に連続的に係合し、かくして、素材から除去すべき領域を切り離す。
【0089】
図5に、各試験片52の吸収性領域を一体に相互に接続された状態に構成した試験片ユニット51を示した。更に、試験片ユニットは、限定領域53の上方に吸引方向へ設置された、試験片52に対して直角に延びる補強縁部54を有する。補強縁部54の後部には、位置決め装置の受け部に配置した際に、上記受け部に設置されたリップが係合できるミゾ55が設けてあり、かくして、試験片ユニット51は、受け部に係止される。かくして、ミゾを三辺に構成した場合は特に、試験片ユニットの特に確実な位置決めが保証される。
【0090】
図6に、相互につながりのない各試験片62からなる試験片ユニット61を示した。この場合、試験片62は、限定領域63の上方に吸引方向へ設置された、横方向へ延びる結合装置64によって相互に結合されている。この場合、試験片62は、結合装置64に接着できるか、綴じこむことができ、あるいは、結合装置による締め付けによって保持できる。この場合、結合装置64は、同時に、既述の意味の補強縁部として機能することもできる。結合装置は、特に、位置決め装置の受け部への係止を実現できるミゾを有することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】複数の試験片からなる試験片ユニットを示す図である。
【図2】試験片ユニットの受け部を有する位置決め装置を示す図である。
【図3】他の試験片ユニットを示す図である。
【図4】本発明に係る試験片ユニットを製造するための型打抜工具を示す図である。
【図5】補強縁部を有する試験片ユニットを示す図である。
【図6】結合装置を有する試験片ユニットを示す図である。
【符号の説明】
【0092】
11 試験片ユニット
12 試験片
13 限定領域
14,15 個別化マーキング
16 位置マーカ
21 位置決め装置
22 受け部
23 位置マーカ
24 グレースケール
25 カラースケール
31 試験片ユニット
32 試験片
33 限定領域
34 支持材料
35 吸収性材料
36 使い捨てパッド
41 型打抜プレート
42 型打抜工具
43 下降プロフィル
44 切欠き
51 試験片ユニット
52 試験片
53 限定領域
54 補強縁部
55 ミゾ
61 試験片ユニット
62 試験片
63 限定領域
64 結合装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域(13)をそれぞれ有する試験片(12)を光学的に評価する装置であって、
a)下記のための少なくとも1つの受け部を有する位置決め装置(21)と、
aa)試験片及び/又は
ab)所定の平面状配置状態で結合された複数の試験片(12)からなる試験片ユニット(11)、
b)位置決め装置の受け部に配置した試験片又は試験片ユニットの少なくとも1つの限定領域(13)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送する画像生成装置と、を有し、
c)画像解析装置が、各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価する形式の装置。
【請求項2】
位置決め装置(21)が、画像解析装置とは別個に操作でき、画像生成装置に設置できるように構成されていることを特徴とする請求項1に係る装置。
【請求項3】
位置決め装置(21)及び画像生成装置が、位置決め装置を画像生成装置に所定の配置状態で再現可能に設置できるように構成されていることを特徴とする請求項2に係る装置。
【請求項4】
画像生成装置が、スキャナであることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項5】
画像解析装置が、画像処理ソフトウエアを有するコンピュータからなることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項6】
位置決め装置(21)が、フレームからなり、試験片ユニット(11)又は試験片のための受け部(22)が、フレーム(21)の切欠き部分からなることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項7】
受け部(22)が、試験片ユニット(11)又は試験片を係止状態で受容するように構成されていることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項8】
位置決め装置(21)が、光学的に検出可能な少なくとも2つの位置マーカ(23)を有することを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項9】
画像生成装置が、位置マーカ(23)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、位置マーカ(23)によって、試験片ユニット(11)、試験片(12)及び/又は限定領域(13)の位置を決定でき、かくして、再現可能に確認できることを特徴とする請求項8に係る装置。
【請求項10】
試験片ユニット(11)及び/又は試験片が、光学的に検出可能な個別化マーキング(14,15)を有することを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項11】
個別化マーキング(14,15)が、線コード及び/又はバーコードであることを特徴とする請求項10に係る装置。
【請求項12】
画像生成装置が、個別化マーキング(14,15)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、個別化マーキング(14,15)に基づき各試験片ユニット(11)及び/又は試験片(12)を特定し、マーキング内にコード化されたデータを、場合によっては、評価のために使用することを特徴とする請求項10又は11に係る装置。
【請求項13】
試験片ユニット(11)及び/又は試験片が、光学的に検出可能な少なくとも2つの位置マーカ(16)を有することを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項14】
画像生成装置が、試験片ユニット(11)及び/又は試験片(12)上の位置マーカ(16)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、位置マーカ(16)によって試験片ユニット(11)、試験片(12)及び/又は限定領域(13)の位置を決定し、かくして、再現可能に確認できることを特徴とする請求項13に係る装置。
【請求項15】
位置決め装置(21)が、光学的に検出可能なグレースケール(24)及び/又はカラースケール(25)を有することを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項16】
画像生成装置が、グレースケール(24)及び/又はカラースケール(25)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、各試験片(12)の光学的に検出可能な信号の評価のための校正に前記検知結果を使用することを特徴とする請求項15に係る装置。
【請求項17】
試験片(12)が、相互に平行に配置され、この場合、相互に離隔されて試験片下部を試料容器複合体の1つの容器列の相互に隣接した試料容器に挿入できるように、試験片ユニット(11)が構成されていることを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項18】
試験片ユニット(11)が、複数の試験片ユニットの下部を1つの試料容器複合体の異なる容器列に同時に挿入できるように、構成されていることを特徴とする請求項17に係る装置。
【請求項19】
画像解析装置が、
位置決め装置(21)の全ての受け部(22)内に1つの試験片ユニット(11)又は1つの試験片が配設されているか否か、及び/又は、
各試験片ユニット(11)又は試験片が位置決め装置(21)の受け部に所望の順序で配設されているか否か、及び/又は、
試験片ユニット(11)又は試験片が同一の製造ロットに属するか否か、及び/又は、 試験片ユニット(11)又は試験片の最短有効期間にすでに達しているか否かを調べることによって確からしさ監視を行うことを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項20】
画像解析装置が、画像生成装置から転送された検知結果に基づき、試験片ユニット、試験片及び/又は限定領域の位置を確認し、
各試験片ユニット、試験片及び/又は限定領域を特定し、
各試験片について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価することを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項21】
画像解析装置が、位置決め装置(21)、試験片ユニット(11)及び/又は試験片に設置され画像生成装置により画像的に検知される位置マーカ(16,23)によって、試験片ユニット(12)、試験片及び/又は限定領域(13)の位置を決定し、かくして、再現可能に確認することを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項22】
画像解析装置が、試験片ユニット(11)及び/又は試験片に設置され画像生成装置によって画像的に検知される個別化マーキング(14,15)に基づき、各試験片ユニット(11)及び/又は各試験片を特定し、マーキング(14,15)内にコード化されたデータを、場合によっては、評価のために使用することを特徴とする請求項20又は21に係る装置。
【請求項23】
画像解析装置が、
位置決め装置(21)の全ての受け部(22)内に1つの試験片ユニット(11)又は1つの試験片が配設されているか否か、及び/又は、
各試験片ユニット(11)又は試験片が位置決め装置(21)の受け部(22)に所望の順序で配設されているか否か、及び/又は、
試験片ユニット(11)又は試験片が同一の製造ロットに属するか否か、及び/又は、 試験片ユニット(11)又は試験片の最短有効期間に既に達しているか否かかを調べることによって確からしさ監視を行うことを特徴とする先行請求項のいずれか1項に係る装置。
【請求項24】
先行請求項のいずれか1項に係る装置のための位置決め装置において、画像生成装置によって画像的に検知できる面を構成し、少なくとも1つの試験片ユニット又は少なくとも1つの試験片の受け部を有することを特徴とする位置決め装置。
【請求項25】
位置決め装置が、フレーム(21)からなり、試験片ユニット(11)又は試験片のための受け部が、フレーム(21)の切欠き部分からなることを特徴とする請求項24に係る位置決め装置。
【請求項26】
受け部(22)が、試験片ユニット(11)又は試験片を係止状態で受容するように構成されていることを特徴とする請求項24又は25に係る位置決め装置。
【請求項27】
位置決め装置(21)が、光学的に検出可能な少なくとも2つの位置マーカ(23)を有することを特徴とする請求項24〜26のいずれか1項に係る位置決め装置。
【請求項28】
位置決め装置(21)が、グレースケール(24)及び/又はカラースケール(25)を有することを特徴とする請求項24〜27のいずれか1項に係る位置決め装置。
【請求項29】
被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域(13)を有する試験片を光学的に評価する方法であって、少なくとも1つの試験片又は所定の平面状配置状態で結合された複数の試験片(12)からなる少なくとも1つの試験片ユニット(11)が、画像生成装置に設けた位置決め装置(21)の受け部(22)に配設され、かくして、画像生成装置が、位置決め装置の受け部に配置した1つの試験片又は1つの試験片ユニットの少なくとも1つの限定領域を画像的に検知でき、検知結果が、画像解析装置に転送され、画像解析装置が、各試験片ユニット(11)、試験片(12)及び/又は限定領域(13)の位置を確認し、これらの特定を行い、各試験片(12)について光学的に検出可能な信号を定性的及び/又は定量的に評価することを特徴とする方法。
【請求項30】
画像生成装置によって、位置決め装置(21)、試験片ユニット(11)及び/又は試験片に設けた位置マーカ(16,23)を画像的に検知し、検知結果が、画像解析装置に転送され、画像解析装置が、位置マーカ(16,23)によって、試験片ユニット(11)、試験片及び/又は限定領域(13)の位置を決定し、かくして、これらを再現可能に確認できることを特徴とする請求項29に係る方法。
【請求項31】
画像生成装置が、試験片ユニット(11)及び/又は試験片に設けた個別化マーキング(14,15)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、個別化マーキング(14,15)に基づき、各試験片ユニット(11)又は試験片(12)を特定し、マーキング内にコード化されたデータを、場合によっては、評価のために使用することを特徴とする請求項29又は30に係る方法。
【請求項32】
画像生成装置が、位置決め装置(21)上に設けたグレースケール(24)及び/又はカラースケール(25)を画像的に検知し、検知結果を画像解析装置に転送し、画像解析装置が、各試験片(12)の光学的に検出可能な信号の評価のための校正目盛として上記スケールを使用することを特徴とする請求項30〜32のいずれか1項に係る方法。
【請求項33】
請求項1〜23のいずれか1項に係る装置、請求項24〜28のいずれか1項に係る位置決め装置と共に且つ請求項29〜32のいずれか1項に係る方法において使用する試験片ユニット(31)であって、所定の平面状配置状態で相互に設置され結合されて試験片ユニット(31)を形成する複数の試験片(32)からなる形式のものにおいて、試験片(32)が、被検試料との接触後に光学的に検出可能な信号を発生できる少なくとも1つの限定領域(33)をそれぞれ設けた吸収性截片(35)を有することを特徴とする試験片ユニット。
【請求項34】
各試験片(32)の吸収性截片(35)が、一体に相互に接続された状態に構成されていることを特徴とする請求項33に係る試験片ユニット。
【請求項35】
試験片ユニット(51)が、限定領域(53)の上方に吸引方向へ設置され試験片(52)に対して直角に延びる補強縁部(54)を有することを特徴とする請求項33又は34に係る試験片ユニット。
【請求項36】
試験片ユニット(61)が、限定領域(63)の上方に吸引方向へ設置され試験片に対して直角に延びる結合装置(64)によって相互に結合された相互につながりのない各試験片(62)からなることを特徴とする請求項33又は35に係る試験片ユニット。
【請求項37】
試験片の吸収性截片(35)が、堅い支持材料(34)に取り付けてあることを特徴とする請求項33〜36のいずれか1項に係る試験片ユニット。
【請求項38】
各試験片(32)が相互に平行に設置され、この際、相互に離隔されて試験片下部を1つの試料容器複合体の容器列の相互に隣接した試料容器に同時に挿入できるように、試験片ユニット(31)が、構成されていることを特徴とする請求項33〜37のいずれか1項に係る試験片ユニット。
【請求項39】
複数の試験片ユニットを1つの試料容器複合体の異なる容器列に同時に挿入できるように、試験片ユニット(31)が構成されていることを特徴とする請求項33〜38のいずれか1項に係る試験片ユニット。
【請求項40】
試験片ユニット(31)が、限定領域(33)の上方に吸引方向へ配置され、場合によっては過剰に存在する液体の吸収に役立つ使い捨てパッド(36)を有することを特徴とする請求項33〜39のいずれか1項に係る試験片ユニット。
【請求項41】
試験片ユニットを製造する型打抜法であって、少なくとも吸収性截片の材料からなる、試験片ユニット(31)のための素材を型打抜プレート(41)上に置き、試験片ユニットの少なくとも吸収性截片を型打抜工具(42)によって型打抜加工する形式のものにおいて、型打抜プレート(41)が、試験片ユニット(31)の截片に対応するネガティブプロフィルを有し、使用される型打抜工具(42)のブレードが、型打抜操作時に型打抜プレート(41)のネガティブプロフィルの切欠き部分(44)に順次に係合する下降プロフィル(43)を有することを特徴とする型打抜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−523335(P2007−523335A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553543(P2006−553543)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001691
【国際公開番号】WO2005/083434
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(502302721)プリオニクス アーゲー (2)
【Fターム(参考)】