説明

誘導加熱定着装置及び画像形成装置

【課題】部品定数のばらつきや温度変動を考慮すること無く、共振周波数に追従させてPWM制御を実行することが可能な、誘導加熱定着装置を提供する。
【解決手段】誘導コイル及びコンデンサを有する直列共振回路と、位相比較部と、共振周波数追従発振部と、PWM信号発生部と、を備え、位相比較部は、PWM信号発生部が出力するパルスと、誘導コイルを流れる電流との位相を比較し、比較した結果を共振周波数追従発振部に出力し、共振周波数追従発振部は、位相比較部の出力を用いて直列共振回路の駆動周波数を共振周波数に追従させるよう発振周波数を変化させて、PWM信号発生部は、共振周波数追従発振部による発振周波数に基づいて直列共振回路を駆動させるパルスを発生させ、位相比較部、共振周波数追従発振部及びPWM信号発生部はデジタル制御されることを特徴とする、誘導加熱定着装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、記録媒体であるシートの上に転写されたトナー像をシートに定着させるための定着装置が備えられている。この定着装置は、例えば、シート上のトナーを熱溶融させる定着ローラ又は定着ベルト(加熱ローラ)と、当該定着ローラ又は定着ベルトに圧接してシートを押圧する加圧ローラとを有している。
【0003】
上記定着ローラ又は定着ベルトを加熱するために、当該定着ローラ又は定着ベルトの内部に誘導加熱コイルを配置するようにした誘導加熱方式による定着装置が広く普及している。誘導加熱方式は、誘導加熱コイルで発生した磁束を定着ローラ又は定着ベルトの導体部に通過させることによって、定着ローラ又は定着ベルトの内部に渦電流を流し、この渦電流によるジュール熱で定着ローラ又は定着ベルトを加熱するというものである。
【0004】
従来の誘導加熱定着装置における電力制御方式として、LCR共振回路構成で駆動周波数を制御する方式と、共振周波数fで共振回路が共振している状態でPWM制御を実行することにより電流量を制御する方式とが行われて来た。従来の駆動周波数を制御して出力電力を変更する方式としては、例えば特許文献1、2などがある。
【0005】
一方、従来の共振周波数fの状態でPWM制御を実行することにより電流量を制御して電流量を変更する方式の誘導加熱定着装置900のインバータ電源の構成を、図1に示す。AC電源901からの出力をダイオードブリッジ904で全波整流した後、ノイズフィルタ905を通したものをハーフブリッジ出力回路906に供給している。符号902はヒューズ、符号903はサージ電圧保護用バリスタを示している。
【0006】
ハーフブリッジ出力回路906はスイッチング素子としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ;Insulated Gate Bipolar Transistor)、FET(電界効果トランジスタ;Field effect transistor)などが使用される。
【0007】
図1に示した構成では、ハーフブリッジ出力回路906はスイッチング素子としてIGBT907、908が用いられている。LC直列共振回路は、低損失誘導加熱用コイル912、コンデンサ913,914からなり、LC直列共振回路を構成するリッツ線(細い銅線を多数撚り合わせた電線)を用いた低損失誘導加熱用コイル912に高周波電流を流すことで、磁界を発生させる。低損失誘導加熱用コイル912が発生させた磁界は、高透磁率材料で構成された定着ローラ又は定着ベルト910などに集中して、低損失誘導加熱用コイル912が発生させた磁界によって発熱体表面に渦電流が流れ、定着ローラ又は定着ベルト910は自己発熱する。
【0008】
IGBT907、908によるハーフブリッジ出力に接続されている低損失誘導加熱用コイル912の電流及び位相差を検知するためのカレント・トランス909の出力と、IGBT907、908によるハーフブリッジ出力の駆動電圧(片側)の位相比較を位相比較器928(例えば汎用のPLL IC(74HC4046等)を利用する)を用いて行い、位相比較器928の位相比較結果をRC鋸歯発振型電圧制御発振器(VCO)929に出力する。カレント・トランス909の出力とハーフブリッジ出力の駆動電圧との位相差が無くなる様に、VCO929の発振周波数をフィードバック制御する。
【0009】
PWM制御部919では、発熱部温度検知センサ911からの情報から、CPU915におけるPID制御部917によるPID(Proportional,Integral,Differential)演算で算出したPWM On duty値と、カレント・トランス909の出力を整流回路923で整流したものとをエラーアンプ920で増幅し、増幅した値とVCO929からの出力を、比較器921で比較し、比較結果をPWMドライバ922に出力することで、PWMドライバ922はPWM信号を発光ダイオード及びフォトトランジスタ923、924に出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−51951号公報
【特許文献2】特開2008−145990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の誘導加熱定着装置における電力制御方式として、LCR共振回路を有する構成で駆動周波数を制御する方式では、共振回路の共振周波数が変動した場合に制御不能に陥る問題があり、そのような問題に対処するためには、特許文献1に記載された発明のように、電力がピークになる周波数を求めて、その周波数を下限周波数として制御する必要があった。また、小電力制御時に周波数が高くなり過ぎて、ハーフブリッジ出力素子のスイッチング損失が増えて効率低下してしまうという問題があり、特許文献2に記載された発明のように、大電力と中電力と小電力とで電力制御方式を切替える必要があった。また、駆動周波数を共振周波数から外れたところでハーフブリッジ素子をスイッチングする場合、ゼロ電圧スイッチングが行われず素子損失が増大し、発熱による劣化や熱破壊を招く危険性があった。
【0012】
一方、共振周波数fで共振回路が共振している状態でPWM制御を実行することにより電流量を制御して電流量を変更する方式では、上述の回路における位相比較器や電圧制御発信器及びPWM制御部をアナログ回路で構成していた為、部品定数のばらつきや温度変動を考慮する必要があったり、共振周波数追従範囲の設定など仕様により全て部品定数を変更したりする必要があった。また、特定の使用が不可能な周波数領域(例えば、特定無線周波数や定着ベルト等の定着装置機構の共振周波数)が有る場合には、その周波数範囲を外して共振周波数に自動追従することは困難であった。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、部品定数のばらつきや温度変動を考慮すること無く、共振周波数に追従させてPWM制御を実行することが可能な、新規かつ改良された誘導加熱定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、誘導コイル及びコンデンサを有する共振回路と、位相比較部と、共振周波数追従発振部と、PWM信号発生部と、を備え、前記位相比較部は、前記PWM信号発生部が出力するパルスと、前記誘導コイルを流れる電流との位相を比較し、比較した結果を前記共振周波数追従発振部に出力し、前記共振周波数追従発振部は、前記位相比較部の出力を用いて前記共振回路の駆動周波数を共振周波数に追従させるよう発振周波数を変化させて、前記PWM信号発生部は、前記共振周波数追従発振部による前記発振周波数に基づいて前記共振回路を駆動させるパルスを発生させ、前記位相比較部、前記共振周波数追従発振部及び前記PWM信号発生部はデジタル制御されることを特徴とする、誘導加熱定着装置が提供される。
【0015】
前記位相比較部は、前記PWM信号発生部が出力するパルスと、前記誘導コイルを流れる電流との位相を比較し、位相のずれに応じた信号を前記共振周波数追従発振部に出力し、前記共振周波数追従発振部は、前記位相比較部が出力する信号に基づいてカウンタをアップまたはダウンさせることで発振周波数を変化させる。
【0016】
前記共振周波数追従発振部は、共振周波数に追従させるよう発振周波数を変化させる際には所定の使用不可能周波数帯を避けて発振周波数を変化させる。
【0017】
前記PWM信号発生部が発生するパルスのデューティ比を調整するPWMデューティ制御部をさらに備える。
【0018】
前記PWMデューティ制御部は、前記誘導コイルが発生する磁界の供給を受けて発熱する定着ローラ又は定着ベルトの温度に応じて前記PWM信号発生部が発生するパルスのデューティ比を調整する。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記誘導加熱定着装置を有する画像形成装置が提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、誘導コイル及びコンデンサを有する共振回路を誘導加熱定着装置の共振周波数追従方法であって、位相比較ステップと、共振周波数追従発振ステップと、PWM信号発生ステップと、を備え、前記位相比較ステップは、前記PWM信号発生部が出力するパルスと、前記誘導コイルを流れる電流との位相を比較し、前記共振周波数追従発振ステップは、前記位相比較ステップの出力を用いて前記共振回路の駆動周波数を共振周波数に追従させるよう制御し、前記PWM信号発生ステップは、前記共振周波数追従発振ステップの制御に基づいて前記共振回路を駆動させるパルスを発生させ、前記位相比較ステップ、前記共振周波数追従発振ステップ及び前記PWM信号発生ステップはデジタル制御されることを特徴とする、誘導加熱定着装置の共振周波数追従方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、部品定数のばらつきや温度変動を考慮すること無く、共振周波数に追従させてPWM制御を実行することが可能な、新規かつ改良された誘導加熱定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の誘導加熱定着装置900のインバータ電源の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100の構成を示す説明図である。
【図3】特定使用不可能周波数領域設定時の、アップダウンカウンタ141のカウント値と出力周波数との関係をグラフで示す説明図である。
【図4】共振周波数でPWMのON timeのデューティを変化させた時の出力特性の一例を示す説明図である。
【図5】ASIC124における位相比較部125の構成例を示す説明図である。
【図6】ASIC124における共振周波数追従発振部126の構成例を示す説明図である。
【図7】図2に示したASIC124におけるPWM信号発生部127の構成例を示す説明図である。
【図8】共振周波数追従発振部126の動作波形を示す説明図である。
【図9】共振周波数追従発振部126の動作波形を示す説明図である。
【図10】共振周波数追従発振部126の動作波形を示す説明図である。
【図11】共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の出力の詳細をタイミングチャートで示す説明図である。
【図12】共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の出力の詳細をタイミングチャートで示す説明図である。
【図13】共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の出力の詳細をタイミングチャートで示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
<1.本発明の一実施形態>
まず、本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置の構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100の構成を示す説明図である。以下、図2を用いて本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100の構成について説明する。
【0025】
図2に示した本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100は、定着ローラ又は定着ベルトを加熱するために、当該定着ローラ又は定着ベルトの内部又は外部に誘導加熱コイルを配置するようにした誘導加熱方式による定着装置である。
【0026】
図2に示したように、本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100は、交流電源101と、ヒューズ102と、バリスタ103と、ダイオードブリッジ104と、ノイズフィルタ105と、ハーフブリッジ出力回路106と、CPU115と、整流回路120と、リミッタ回路121と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)124と、を含んで構成される。
【0027】
ハーフブリッジ出力回路106は、IBGT107、108と、電流トランス109と、低損失誘導加熱用コイル112と、コンデンサ113,114と、を含んで構成される。低損失誘導加熱用コイル112と、コンデンサ113,114とによって、LC共振回路が構成される。
【0028】
ハーフブリッジ出力回路106はスイッチング素子としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ;Insulated Gate Bipolar Transistor)、FET(電界効果トランジスタ;Field effect transistor)などが使用される。
【0029】
図2に示した構成では、ハーフブリッジ出力回路106にはスイッチング素子としてIGBT107、108が用いられている。LC直列共振回路は、低損失誘導加熱用コイル112、コンデンサ113,114からなり、LC直列共振回路を構成するリッツ線(細い銅線を多数撚り合わせた電線)を用いた低損失誘導加熱用コイル112に高周波電流を流すことで、磁界を発生させる。低損失誘導加熱用コイル112が発生させた磁界は、高透磁率材料で構成された定着ローラ又は定着ベルト110などに集中して発熱体表面に渦電流が流れ、定着ローラ又は定着ベルト110は自己発熱する。
【0030】
CPU115は、高透磁率材料で構成された定着ローラ又は定着ベルト110の温度の測定及び測定した温度に基づいて後述のPWM信号発生部127で発生させるPWM信号のデューティの制御を行うものであり、AD変換器(ADC)116、118と、PID制御部117と、PWMデューティ制御部119と、を含んで構成される。
【0031】
ASIC124は、低損失誘導加熱用コイル112と、コンデンサ113,114とで構成されるLC共振回路の共振周波数に追従してPWM信号を発生させるものであり、位相比較部125と、共振周波数追従発振部126と、PWM信号発生部127と、を含んで構成される。本実施形態では、上記LC共振回路の共振周波数に追従してPWM信号を発生させる構成をデジタル回路で構成することで、CPU115を含む全ての構成をASIC(SOC)内部に収めることが可能となる。
【0032】
位相比較部125は、PWM信号発生部127が発生させる2つのPWM信号の内の一方のPWM信号と、リミッタ回路121から出力される電流トランス109で検出した低損失誘導加熱用コイル112を流れる電流との位相差を検出するものである。共振周波数追従発振部126は、位相比較部125による上記位相差の検出結果を用いて、PWM信号発生部127が発生させるPWM信号の発振周波数を、上記LC共振回路の共振周波数に追従させる処理を実行するものである。具体的には、共振周波数追従発振部126は、位相比較部125の出力に応じてPWM信号の発振周波数を変化させる。PWM信号発生部127は、共振周波数追従発振部126による、上記LC共振回路の共振周波数に追従させる処理に基づいて変化する発振周波数でPWM信号を発生させて、発光ダイオード及びフォトトランジスタ128,129に出力するものである。
【0033】
整流回路120は、電流トランス109の出力を整流するものである。整流回路120は、電流トランス109の出力を整流したものを、CPU115のAD変換器118へ出力する。リミッタ回路121は、電流トランス109の出力電圧を所定の範囲内に制限して出力するものである。リミッタ回路121は、電流トランス109の出力電圧を所定の範囲内に制限して、ASIC124の位相比較部125に出力する。なお、抵抗123は、電流トランス109から電流を流すための抵抗である。
【0034】
図2に示した本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100は、交流電源101からの出力をダイオードブリッジ104で全波整流した後、ノイズフィルタ105を通したものをハーフブリッジ出力回路106に供給している。
【0035】
ハーフブリッジ出力回路106においては、IBGT107、108が交互にオン・オフを繰り返すスイッチング動作によって、電流トランス109を介して、ノイズフィルタ105を通過した電流が低損失誘導加熱用コイル112に流れる。低損失誘導加熱用コイル112に高周波電流を流すことで、低損失誘導加熱用コイル112から磁界を発生させることができる。低損失誘導加熱用コイル112が発生させた磁界は、高透磁率材料で構成された定着ローラ又は定着ベルト110などに集中する。低損失誘導加熱用コイル112が発生させた磁界によって発熱体表面に渦電流が流れ、自己発熱する。
【0036】
ここで、図2に示した本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100で用いられるLC共振原理について説明する。LC抵抗分を含んだLCR直列共振回路において、LCR直列共振回路のインピーダンスZは以下の式で求まる。
【0037】
【数1】



【0038】
ここで、X=0となる周波数をωで表すと、直列共振周波数fは以下の式で求まる。
【0039】
【数2】



【0040】
次に、LCR直列共振回路のインピーダンスZを複素ベクトルで表示すると、インピーダンスZ、大きさ|Z|、位相αは以下の式で求まる。
【0041】
【数3】



【0042】
すなわち、インピーダンスの大きさ|Z|は、共振周波数fにおいて、インダクタンスとキャパシタンスとが打ち消しあって抵抗成分Rのみを取るので、最小の値となる。
【0043】
そして、直列共振回路に電圧源Vを接続したときに流れる電流I、大きさ|I|、位相Φは以下の式で求まる。
【0044】
【数4】




【0045】
従って、上記数式から分かるように、LCR直列共振回路を電圧駆動した場合、共振周波数fで、電流Iは最大値を取り、電流Iと電圧Vは同位相となる。以上、図2に示した本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100で用いられるLC共振原理について説明した。
【0046】
図4は、共振周波数でPWM信号のON time(Highとなっている時間)のデューティを変化させた時の、LCR直列共振回路の電流出力特性の一例を示す説明図である。このように、共振周波数を境にして電流値(の絶対値)は変化するが、PWM信号のON timeのデューティを変化させることで電流値(の絶対値)も可変となっている。すなわち、PWM信号発生部127が発生させるPWM信号のON timeが長くなると、その分IGBT107、108がオンとなる時間も長くなり、LCR直列共振回路の電流値も多くなる。
【0047】
以上、図2を用いて本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100の構成について説明した。続いて、図2に示したASIC124の各部の詳細な構成例について説明する。まずは、位相比較部125の構成例について説明する。
【0048】
図5は、図2に示したASIC124における位相比較部125の構成例を示す説明図である。以下、図5を用いて位相比較部125の構成例について説明する。
【0049】
図5に示したように、位相比較部125は、遅れ補正部131と、JKFF(フリップフロップ)132、133と、NANDゲート134と、を含んで構成される。
【0050】
遅れ補正部131は、PWM信号発生部127が発生するドライブ電圧(Drive_V1)に対し元々遅れを生じるコイル電流位相比較電圧(Coil_ICV)の遅れ補正値を設定するものである。遅れ補正部131には、ドライブ電圧(Drive_V1)、システムクロック(System_CL)及びディレイクロック(Delay_CL)が入力され、JKFF132にクロックを出力する。また、JKFF133には、リミッタ回路121から出力されるコイル電流位相比較電圧(Coil_ICV)が供給される。
【0051】
JKFF132,133は、入力端子JとKの状態の組み合わせにより、出力端子Qおよびその反転出力に、クロックに同期して新しい状態を出力するものである。JKFF132は、PWM信号発生部127が発生するドライブ電圧(Drive_V1)に対して低損失誘導加熱用コイル112を流れる電流の位相が遅れるとQ端子から1(High)を出力する。これにより、Count_UpがHighになる。一方、JKFF133は、PWM信号発生部127が発生するドライブ電圧(Drive_V1)に対して低損失誘導加熱用コイル112を流れる電流の位相が進んでいるとQ端子から1(High)を出力する。これにより、Count_DownがHighになる。
【0052】
位相比較部125を、図5に示したように構成することで、ドライブ電圧(Drive_V1)に対し、リミッタ回路121から出力されるコイル電流位相比較電圧(Coil_ICV)が遅れた場合はCount_UpがHighになり、ドライブ電圧(Drive_V1)に対しコイル電流が進んだ場合はCount_DownがHighになる。
【0053】
次に、共振周波数追従発振部126の構成例について説明する。図6は、図2に示したASIC124における共振周波数追従発振部126の構成例を示す説明図である。以下、図6を用いて共振周波数追従発振部126の構成例について説明する。
【0054】
図6に示したように、共振周波数追従発振部126は、アップダウンカウンタ141と、周波数比較部142と、フィードバックゲイン補正部143と、PWMカウンタ144と、OSCコンパレータ145と、1ビットカウンタ146と、NOTゲート147と、ANDゲート148と、を含んで構成される。
【0055】
アップダウンカウンタ141は、位相比較部125の出力(Count_UpまたはCount_Down)及びその他のパラメータが入力されるものであり、位相比較部125の出力のうち、Count_UpがHighになっている間はカウントアップして発振周波数を低くし、Count_DownがHighになっている間はカウントダウンして発振周波数を低くするよう設定するものである。
【0056】
アップダウンカウンタ141に入力されるパラメータとしては、他に、周波数比較部142が出力する値(OSC_OUT[N..1])の範囲であるCount_Max〜Count_Minの値(図3参照)、Count_Maxに対応する周波数であるf_Min、Count_Minに対応する周波数であるf_Max、及び初期設定共振周波数f_initialがある。
【0057】
誘導加熱定着装置においては、通信装置のような厳密な性能が求められるものと比較して、共振周波数追従特性のジッタ性能がそれほど要求されないため、このように、LCR直列共振回路の共振周波数に追従させるために、構成が簡単なアップダウンカウンタ141の利用が可能となる。
【0058】
周波数比較部142は、発振周波数と、特定の使用不可能周波数領域(例えば、特定無線周波数や、定着ローラ又は定着ベルト110等の定着機構における共振周波数)との比較を行うものである。図6に示したように、周波数比較部142は、ウインドウコンパレータ161と、比較回路162と、ラッチ回路163と、を含んで構成される。
【0059】
ウインドウコンパレータ161は、特定の使用不可能周波数領域(f1_Max〜f1_Min、f2_Max〜f2_Min、・・・、fm_Max〜fm_Min、)と、アップダウンカウンタ141の出力カウンタ値との比較を行うものである。ウインドウコンパレータ161は、アップダウンカウンタ141の出力カウンタ値が特定の使用不可能周波数領域に相当する場合にはHighを出力する。
【0060】
図3は、特定の使用不可能周波数領域が設定された時の、アップダウンカウンタ141のカウント値と出力周波数との関係をグラフで示す説明図である。図3に示したグラフは、横軸が周波数、縦軸がアップダウンカウンタ141の出力(FOUT[N..1])を示している。初期設定の共振周波数fに対応するのが「f_Initial」であり、下限周波数f_Minに対応するのが「Count_Max」であり、上限周波数f_Maxに対応するのが「Count_Min」である。このように、周波数とアップダウンカウンタ141のカウント値とは比例関係にある。
【0061】
使用不可能周波数領域にアップダウンカウンタ141の出力値(FOUT[N..1])が入ると、ラッチ回路163で直前の周波数値をラッチし、出力周波数は使用不可能周波数領域に入らず、さらにアップダウンカウンタ141の出力値(FOUT[N..1])が変化する。そして、使用不可能周波数領域を抜けると、ラッチ回路163の出力(OSC_OUT[N..1])は、その使用不可能周波数領域を抜けた時点での出力周波数となる。
【0062】
PWMカウンタ144は、システムクロック(System_CL)に基づいてカウンタ値(PWM_OUT[N−1..0])を出力するものである。OSCコンパレータ145は、周波数比較部142の出力(OSC_OUT[N..1])と、PWMカウンタ144の出力(PWM_OUT[N−1..0])とを比較して比較結果(OSC_COMP_OUT)を出力するものである。周波数比較部142の出力(OSC_OUT[N..1])と、PWMカウンタ144の出力(PWM_OUT[N−1..0])とを比較し、両者の値が一致すると、OSCコンパレータ145は所定の期間だけLowからHighに出力を変化させ、共振周波数の1周期が到達したことをPWM信号発生部127に通知する。
【0063】
次に、PWM信号発生部127の構成例について説明する。図7は、図2に示したASIC124におけるPWM信号発生部127の構成例を示す説明図である。以下、図7を用いてPWM信号発生部127の構成例について説明する。
【0064】
図7に示したように、PWM信号発生部127は、乗算器151と、PWMコンパレータ152と、NOTゲート153、154と、ANDゲート155、157、158と、DFF156と、を含んで構成される。
【0065】
PWMコンパレータ152は、PWMデューティ制御部119から送られるデューティに関する情報(PWM_Duty)と周波数比較部142の出力(OSC_OUT[N..1])とを乗算器151で乗算したものと、PWMカウンタ144の出力(PWM_OUT[N−1..0])とを比較し、比較結果をNOTゲート154へ出力するものである。
【0066】
DFF156は、OSCコンパレータ145の出力(OSC_COMP_OUT)の供給を受けて、ドライブ電圧Drive_V1、Drive_V2の基となる電圧(Drive_V)を出力するものである。DFF156は、Drive_VをANDゲート157、158に出力する。ANDゲート157、158は、1ビットカウンタ146が出力する信号(PWM_Select)を用いて、それぞれドライブ電圧Drive_V1及びDrive_V2を出力する。
【0067】
すなわち、PWM信号発生部127は、OSC_COMP_OUTがHighになるタイミングで、所定の期間だけHighになるドライブ電圧Drive_V1、Drive_V2の基となる電圧(Drive_V)を出力する。この所定の期間は、PWMデューティ制御部119が指示し、その情報はPWMコンパレータ152に供給されるPWM_Dutyに該当する。
【0068】
図7に示したようにPWM信号発生部127を構成することで、CPU115で演算されたON Duty timeと、アップダウンカウンタ141の出力カウンタ値からPWMタイミングを算出し、リセットカウンタを使ったPWMカウンタ144の出力値(PWM_OUT[N−1..0])とDFF156で比較して、一致したらドライブ電圧Drive_V1、Drive_V2の基となる電圧(Drive_V)をLowにする。これにより、ON Duty timeの期間だけHighとなるドライブ電圧Drive_V1、Drive_V2が生成され、そのHighとなる期間だけ発光ダイオードがHighとなり、フォトトランジスタがONとなることでIGBT107、108がそれぞれオンとなって、LC直列共振回路に電流が流れる。
【0069】
以上、位相比較部125と、共振周波数追従発振部126と、PWM信号発生部127の構成例について説明した。次に、共振周波数追従発振部126の動作について説明する。図8〜10は、共振周波数追従発振部126の動作波形を示す説明図である。
【0070】
図8は、ドライブ電圧(Drive_V1、Drive_V2)の駆動周波数と共振周波数が一致して動作している時の、共振周波数追従発振部126の動作波形を示している。また、図9は、ドライブ電圧の駆動周波数が共振周波数を上回って動作している時の共振周波数追従発振部126の動作波形を示している。そして、図10は、ドライブ電圧の共振周波数が駆動周波数を下回って動作している時の共振周波数追従発振部126の動作波形を示している。
【0071】
図8では、ドライブ電圧(Drive_V1、Drive_V2)のOn Dutyの大小によって、コイルに流れる電流のピーク値の大小が変化している様子を示している。ドライブ電圧(Drive_V1、Drive_V2)のOn Dutyの大小はPWMデューティ制御部119の制御によって変化する。
【0072】
そして、図8では、ドライブ電圧の駆動周波数と共振周波数が一致して動作しているので、位相比較部125の出力(Count_UpまたはCount_Down)は常にLowであり、従って、アップダウンカウンタ141の出力(UpDown_Count)はなされない。
【0073】
図9及び図10は、ドライブ電圧とコイル電流の動作波形からその位相差を検知し、アップダウンカウンタ141の値を増減させて、駆動周波数が共振周波数になるように、フィードバック制御を行っている動作を示している。
【0074】
まず、ドライブ電圧の駆動周波数が共振周波数を上回って動作している時の共振周波数追従発振部126の動作について図9を参照しながら説明する。ドライブ電圧の駆動周波数が共振周波数を上回って動作している時は、コイルに流れる電流の位相が遅れるので、位相比較部125の出力の内、Count_UpがHighとなる。Count_UpがHighとなる期間は、ドライブ電圧(Drive_V1)がLowからHighに切り替わってから、コイル電流の位相が0となるまでの期間である。
【0075】
位相比較部125の出力の内、Count_UpがHighとなると、そのHighとなる期間だけ、アップダウンカウンタ141は、カウンタをアップさせて出力する。これにより、ドライブ電圧の駆動周波数を共振周波数に追従させることが可能になる。
【0076】
一方、ドライブ電圧の駆動周波数が共振周波数を下回って動作している時の共振周波数追従発振部126の動作について図10を参照しながら説明する。ドライブ電圧の駆動周波数が共振周波数を下回って動作している時は、コイルに流れる電流の位相が進むので、位相比較部125の出力の内、Count_DownがHighとなる。Count_DownがHighとなる期間は、コイル電流の位相が0となってから、ドライブ電圧(Drive_V1)がLowからHighに切り替わるまでの期間である。
【0077】
位相比較部125の出力の内、Count_DownがHighとなると、そのHighとなる期間だけ、アップダウンカウンタ141は、カウンタをダウンさせて出力する。これにより、ドライブ電圧(Drive_V1、Drive_V2)の駆動周波数を共振周波数に追従させることが可能になる。
【0078】
次に、共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の動作について説明する。図11〜13は、共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の出力の詳細をタイミングチャートで示す説明図である。
【0079】
図11は、誘導加熱定着装置100の電源がオンになってから、初期設定周波数(=共振周波数)で発振している時のタイミングチャートであり、図12は、初期設定周波数より共振周波数が高くなった時のタイミングチャートであり、図13は、初期設定周波数より共振周波数が低くなった時のタイミングチャートである。
【0080】
まず、図11を参照して、誘導加熱定着装置100の電源がオンになってから、初期設定周波数(=共振周波数)で発振している時の共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の動作について説明する。PWMカウンタ144の出力(PWM_OUT[N−1..0])の値がf_initial、すなわち初期設定周波数に相当する値になると、PWMカウンタ144の出力はリセットされ、OSCコンパレータ145の出力(OSC_COMP_OUT)がLowからHighに変化し、DFF156の出力(Drive_V1)がLowからHighに切り替わる。そして、DFF156の出力と、1ビットカウンタ146との組み合わせにより、ドライブ電圧(Drive_V1及びDrive_V2)が、タイミングを合わせてANDゲート157、158からそれぞれ出力される。
【0081】
次に、図12を参照して、初期設定周波数より共振周波数が高くなった時の共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の動作について説明する。初期設定周波数より共振周波数が高くなると、位相比較部125の出力の内、Count_DownがHighとなる。これにより、OSCコンパレータ145の出力(OSC_COMP_OUT)がLowからHighに変化する周期が短くなり(Initial→Initial−x→Initial−y→Initial−z)、DFF156の出力(Drive_V)がLowからHighに切り替わる周期が変化する。これにより、ドライブ電圧の駆動周波数を共振周波数に一致させるような制御が行われる。
【0082】
最後に、図13を参照して、初期設定周波数より共振周波数が低くなった時の共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127の動作について説明する。初期設定周波数より共振周波数が低くなると、位相比較部125の出力の内、Count_UpがHighとなる。これにより、OSCコンパレータ145の出力(OSC_COMP_OUT)がLowからHighに変化する周期が長くなり(Initial→Initial+x→Initial+y→Initial+z)、DFF156の出力(Drive_V)がLowからHighに切り替わる周期が変化する。これにより、ドライブ電圧の駆動周波数を共振周波数に一致させるような制御が行われる。
【0083】
このように、ドライブ電圧とコイル電流の位相差検知結果から、アップダウンカウンタ141の値を増減させて、ドライブ電圧駆動周波数を共振周波数になるように制御し、アップダウンカウンタ141の値と、温度センサ111の出力データ値からPID制御部117におけるPID演算により求めたPWM Duty補正値とで、PWMデューティ制御部119において、PWM Duty値を算出する。
【0084】
PWMカウンタ144の出力値がPWM Duty値と一致したら、駆動電圧をLowにし、アップダウンカウンタ141の値と一致したら駆動電圧をHighに変化させることで、共振周波数PWM信号(Drive_V)が作られる。ハーフブリッジ駆動信号は、1ビットカウンタ146で作った半周期ごとの出力許可信号と、DFF156が生成する共振周波数PWM信号とをANDゲート157、158に入れることで、Drive_V1とDrive_V2とが交互に出力される。
【0085】
<2.まとめ>
以上説明したように、本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100は、アップダウンカウンタ141とPWMカウンタ144とを利用して、共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127のデジタル回路化が簡単に出来るので、共振周波数追従発振部126及びPWM信号発生部127を、ASIC124の内部に納めることが可能になる。
【0086】
これにより、本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100は、従来の誘導加熱定着装置と比較して、ハードウエア部品の削減が可能となり、コストダウンや組立て性を向上させることができる。また本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100は、従来の誘導加熱定着装置と比較して、アナログ回路で構成した場合は部品定数のばらつきや温度変動を考慮する必要や、共振周波数追従範囲の設定など仕様により全て部品定数を変更する必要があったが、デジタル回路で構成することで部品定数のばらつきや温度変動を考慮する必要も無く、設定値をソフトウエアで変更することで、ハードウエアを変更すること無く、全ての仕様に対応可能となる。
【0087】
さらに、本発明の一実施形態にかかる誘導加熱定着装置100は、デジタル回路で制御するため、特定使用不可能周波数領域(特定無線周波数や定着ベルト等の定着装置機構の共振周波数)が有る場合には、その周波数範囲を設定することで簡単に制御可能となる。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0089】
100 誘導加熱定着装置
101 交流電源
102 ヒューズ
103 バリスタ
104 ダイオードブリッジ
105 ノイズフィルタ
106 ハーフブリッジ出力回路
107、108 IBGT
109 電流トランス
110 定着ローラ又は定着ベルト
111 温度センサ
112 低損失誘導加熱用コイル
113、114 コンデンサ
115 CPU
116、118 AD変換器(ADC)
117 PID制御部
119 PWMデューティ制御部
120 整流回路
121 リミッタ回路
124 ASIC
125 位相比較部
126 共振周波数追従発振部
127 PWM信号発生部
128、129 発光ダイオード及びフォトトランジスタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導コイル及びコンデンサを有する直列共振回路と、位相比較部と、共振周波数追従発振部と、PWM信号発生部と、を備え、
前記位相比較部は、前記PWM信号発生部が出力するパルスと、前記誘導コイルを流れる電流との位相を比較し、比較した結果を前記共振周波数追従発振部に出力し、
前記共振周波数追従発振部は、前記位相比較部の出力を用いて前記直列共振回路の駆動周波数を共振周波数に追従させるよう発振周波数を変化させて、
前記PWM信号発生部は、前記共振周波数追従発振部による前記発振周波数に基づいて前記直列共振回路を駆動させるパルスを発生させ、
前記位相比較部、前記共振周波数追従発振部及び前記PWM信号発生部はデジタル制御されることを特徴とする、誘導加熱定着装置。
【請求項2】
前記位相比較部は、前記PWM信号発生部が出力するパルスと、前記誘導コイルを流れる電流との位相を比較し、位相のずれに応じた信号を前記共振周波数追従発振部に出力し、
前記共振周波数追従発振部は、前記位相比較部が出力する信号に基づいてカウンタをアップまたはダウンさせることで発振周波数を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱定着装置。
【請求項3】
前記共振周波数追従発振部は、共振周波数に追従させるよう発振周波数を変化させる際には所定の使用不可能周波数帯を避けることを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱定着装置。
【請求項4】
前記PWM信号発生部が発生するパルスのデューティ比を調整するPWMデューティ制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱定着装置。
【請求項5】
前記PWMデューティ制御部は、前記誘導コイルが発生する磁界の供給を受けて発熱する定着ローラ又は定着ベルトの温度に応じて前記PWM信号発生部が発生するパルスのデューティ比を調整することを特徴とする、請求項4に記載の誘導加熱定着装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の誘導加熱定着装置を有する画像形成装置。
【請求項7】
誘導コイル及びコンデンサを有する直列共振回路を誘導加熱定着装置の共振周波数追従方法であって、
位相比較ステップと、共振周波数追従発振ステップと、PWM信号発生ステップと、を備え、
前記位相比較ステップは、前記PWM信号発生部が出力するパルスと、前記誘導コイルを流れる電流との位相を比較し、
前記共振周波数追従発振ステップは、前記位相比較ステップの出力を用いて前記直列共振回路の駆動周波数を共振周波数に追従させるよう制御し、
前記PWM信号発生ステップは、前記共振周波数追従発振ステップの制御に基づいて前記直列共振回路を駆動させるパルスを発生させ、
前記位相比較ステップ、前記共振周波数追従発振ステップ及び前記PWM信号発生ステップはデジタル制御されることを特徴とする、誘導加熱定着装置の共振周波数追従方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−133028(P2012−133028A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283651(P2010−283651)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】