説明

調光データ作成方法、調光データ作成プログラム、及び調光データ作成プログラムを記録した記録媒体

【課題】調光データの作成及び編集の容易化を図ることができる調光データ作成方法を提供する。
【解決手段】データフレーム作成処理部21は、データフレームにおける開始色データと終了色データとに基づき、開始時間と終了時間との間の中間色を演算によって求める中間色算出処理とを行う。また、データフレーム作成処理部21は、入力操作に基づき、該データフレーム中の任意の色データを抽出し、その抽出した色データをデータフレーム記録領域23に記録する色データ抽出処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネオン管やLEDなどの発光体の点灯制御を行う点灯制御装置における調光データ作成方法、調光データ作成プログラム、及び調光データ作成プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばビルの屋上に設けられた巨大なネオン看板などのネオン点灯システムは、多数のネオン管を用いることで構成され、それらネオン管が所定のパターンで点消灯を繰り返すことにより、全体として演出効果のある点灯態様を実現している。こうしたネオン点灯システムは、複数のネオン管とそれらネオン管が接続された点灯制御装置とから構成され、点灯制御装置が対応するネオン管の点灯パターンを随時変化させることで前記演出効果を実現している。
【0003】
この種のネオン点灯システムとして、従来、例えば特許文献1に記載される点灯制御装置が提案されている。
この点灯制御装置は、対応する複数のネオン管の点消灯や輝度(点灯パターン)を、外部入力機器から入力された調光データに基づいて制御するようになっている。詳しくは、点灯制御装置の制御部はメモリを備え、そのメモリには、外部入力機器から入力される調光データが記録されている。調光データは、ネオン管の点灯パターンの時系列的な変化態様を示す複数のデータフレームによって構成されている。そして、制御部は、そのメモリに記録された調光データに基づいてネオン管の点灯制御を行う。具体的には、制御部は、所定時間(例えば10ミリ秒)が経過する毎に調光データを更新し、その更新した調光データに基づいてネオン管を点灯させる。
【0004】
こうした調光データは書き換え可能となっており、制御部は、外部入力機器(データ作成装置)から新たな調光データが入力されると、既存の調光データをその新たな調光データに上書きすることにより調光データの書き換えを行う。
【0005】
また、通常、外部入力機器としてはパーソナルコンピュータ等が用いられ、調光データは該外部入力機器でプログラミングされることによって作成される。詳しくは、ユーザ(作成者)は、表示装置に展開される画面表示によって視覚的(対話的)に調光データを作成可能となっており、色データを設定した複数のデータフレームを演出開始時間から演出終了時間まで時系列的に設定することによって調光データを作成する。また、各データフレームの作成にあたっては、そのデータフレームの開始時間及び終了時間と、該開始時間における色データ(開始色)及び該終了時間における色データ(終了色)とがユーザによって設定されると、外部入力機器内において、それら開始色及び終了色に基づいて開始時間と終了時間との間の所定のサンプリング時間における中間色が演算によって算出される。このため、ユーザは、各データフレームの開始時間及び終了時間と、開始色及び終了色を設定することによって調光データを作成可能となるため、比較的容易に調光データを作成することができる。
【特許文献1】特開2006−58489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種の点灯制御装置では、例えば一連の点灯演出の中の一部分のみを変更する場合などには、その変更箇所を特定することにより、調光データを構成する全データフレームのうちの一部のみを変更すればよい。しかしながら、変更箇所によっては、データフレームの開始時間や終了時間を変更したり、データフレームを追加・削除したりする必要が生じる場合がある。すなわち、単純に既存の開始色や終了色を変更するだけでは対応できない場合がある。また、開始色や終了色として、演算によって算出された中間色を設定したい場合には、その中間色を自分で作成する必要もあり、その作業が煩雑であると共に、全く同一の色を再現することが困難な場合もある。このため、こうした調光データの変更作業が煩雑である。特にデータフレームの量が多い場合、すなわち演出時間が長く複雑な場合には、前記作業が非常に煩雑であるとともに、実質的には困難でさえある。それゆえ、一部のデータフレームのみを変更したい場合であっても、調光データ全体を変更しなければならない、といった不都合も生じていた。
【0007】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、調光データの作成及び編集の容易化を図ることができる調光データ作成方法、調光データ作成プログラム、及び調光データ作成プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、発光体の点灯態様を制御する点灯制御装置に用いられる調光データを作成するための調光データ作成方法であって、前記点灯制御装置に設けられた、または接続可能なデータ作成装置を用い、入力操作に基づいて開始時間及び終了時間を設定して前記調光データを構成するデータフレームのフレームベースを作成するとともにその開始時間データ及び終了時間データを記録手段に記録するフレームベース作成処理と、作成されたフレームベースの開始時間に対応する開始色及び終了時間に対する終了色を入力操作に基づいて設定してデータフレームを作成するとともに、その開始色データ及び終了色データを記録手段に記録する色設定処理と、前記データフレームにおける開始色データと終了色データとに基づき、開始時間と終了時間との間の中間色を演算によって求める中間色算出処理とを行うとともに、前記データフレーム中の任意の色データを抽出し、その抽出した色データを記録手段に記録する色データ抽出処理を可能としたことを要旨とする。
【0009】
上記方法によると、データフレーム中の任意の色データを抽出することによって中間色を参照可能となるため、その中間色を開始色や終了色として設定可能となる。よって、調光データの作成及び編集の容易化を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の調光データ作成方法において、前記フレームベース作成処理時にあっては作成したデータフレームを表示装置に表示するとともに、前記色設定処理時及び前記中間色算出処理時にあっては前記開始色、前記終了色及び前記中間色を表示装置に表示することを要旨とする。
【0011】
上記方法によると、ユーザは、開始色、終了色、中間色を表示装置上で視認できるため、抽出すべき色データの選択を容易に行うことができる。よって、調光データの作成及び編集の更なる容易化を図ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の調光データ作成方法において、開始色及び終了色として選択可能な色候補を色パレットとして表示するとともに、前記色データ抽出処理において抽出した色データを該色パレットとして表示することを要旨とする。
【0013】
上記方法によると、ユーザは、開始色及び終了色として選択可能な色候補を容易に認識することができ、調光データの作成及び編集をより容易に行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の調光データ作成方法において、前記色データ抽出処理において抽出した色データをデータフレームの開始色、終了色に設定可能としたことを要旨とする。
【0014】
上記方法によると、請求項1に記載の発明と同等の作用を奏し得る。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の調光データ作成方法において、選択された前記データフレームの開始時間が他のデータフレームの終了時間と合致する際に、該他のデータフレームの終了色を前記選択されたデータフレームの開始色として自動的に設定する開始色自動設定処理、及び選択された前記データフレームの終了時間が他のデータフレームの開始時間と合致する際に、該他のデータフレームの開始色を前記選択されたデータフレームの終了色として自動的に設定する終了色自動設定処理のうちの少なくとも一方を可能としたことを要旨とする。
【0015】
上記方法によると、前後に存在するデータフレームと連続した色設定を容易に行うことができるようになるため、調光データの作成及び編集の更なる容易化を図ることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の調光データ作成方法において、前記データフレームを分割可能とし、分割時には、該分割箇所の色データを各分割データフレームの終了色及び開始色として記録手段に記録することを要旨とする。
【0017】
上記方法によると、データフレームを分割することにより、既存のデータフレームの途中位置の色データを変更したり、該分割箇所に新たなデータフレームを挿入したりすることが可能となるため、編集作業の利便性が向上する。
【0018】
請求項7に記載の発明では、発光体の点灯態様を制御する点灯制御装置に用いられる調光データを作成するための調光データ作成プログラムであって、コンピュータにより実行される、入力操作に基づいて開始時間及び終了時間を設定して前記調光データを構成するデータフレームのフレームベースを作成するとともにその開始時間データ及び終了時間データを記録手段に記録するフレームベース作成ステップと、作成されたフレームベースの開始時間に対応する開始色及び終了時間に対する終了色を入力操作に基づいて設定してデータフレームを作成するとともに、その開始色データ及び終了色データを記録手段に記録する色設定ステップと、前記データフレームにおける開始色データと終了色データとに基づき、開始時間と終了時間との間の中間色を演算によって求める中間色算出ステップと、前記データフレーム中の任意の色データを抽出し、その抽出した色データを記録手段に記録する色データ抽出ステップと、を備えることを要旨とする。
【0019】
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の調光データ作成プログラムを記録した記録媒体であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
以上詳述したように、本発明によれば、調光データの作成及び編集の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に基づき詳細に説明する。
<データ作成装置1のハードウェア構成>
図1に示すように、データ作成装置1は、点灯制御装置2の入力ターミナルに接続され、該点灯制御装置2によって点灯制御される発光体(ここではネオン管)の調光データを入力可能となっている。
【0022】
このデータ作成装置1は、演算処理部11と、その演算処理部11にシステムバス12を介して接続された記録部13、入力装置14及び表示装置15とを備えている。
記録部13にはプログラム及びデータが格納されており、演算処理部11は、そのプログラムに基づいて、調光データの作成処理を実行する。
【0023】
入力装置14は、キーボード及びポインティングデバイス(マウス)を含み、ユーザからの要求や指示の入力に用いられる。すなわち、ユーザが入力装置14を操作することにより、その機械的操作は電子的なデータに変換され、記録部13に書き込まれる。そして、演算処理部11は、記録部13に書き込まれた電子的データを読み込み、プログラムに基づいて処理を行うことにより、調光データの作成処理を行う。
【0024】
表示装置15は、演算処理部11によって制御され、該演算処理部11から入力された出力データに基づいて、文字・画像等を表示画面に表示する。
すなわち、演算処理部11は、プログラムにより処理した画像を表示するための表示データを表示装置15に出力し、表示装置15は、該演算処理部11からの指示を受けて表示データに基づく画像を表示画面に表示する。このため、調光データの作成者(ユーザ)は、表示装置15の表示画面(以下、単に「表示装置15」という)を見ながら対話的に調光データの作成を行うことができる。
【0025】
また、データ作成装置1は外部出力インターフェイス(外部出力I/F)16を備え、点灯制御装置2の入力ターミナルはこの外部出力I/F16に接続されている。そして、演算処理部11は、作成した調光データを、この外部出力I/F16を介して点灯制御装置2に出力し、点灯制御装置2は、データ作成装置1から入力された調光データに基づいて発光体の点灯制御を行う。
【0026】
なお、データ作成装置1において行われる調光データ作成処理は、該データ作成装置1のような情報処理装置上で実行されるコンピュータプログラムにより実現される。このようなプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の可搬媒体に格納された状態で提供され、または、ネットワーク上に接続された他のコンピュータの記憶装置から通信装置(図示略)を介して提供される。提供されたプログラムは記録部13にインストールされ、起動時にロードされて実行されるものである。
【0027】
<演算処理部11による調光データ作成処理>
次に、演算処理部11によって行われる調光データ作成処理について説明する。
図2に示すように、演算処理部11は、記録部13に記録された調光データ作成プログラム20に基づいて調光データ作成処理を行う。
【0028】
調光データ作成プログラム20は、データフレーム作成処理部21とユーザインターフェイス(ユーザI/F)22とを備えている。
データフレーム作成処理部21は、色データ作成処理部21aと色データ編集処理部21bとを備え、ユーザI/F22を介して入力装置14から入力される操作信号に基づいて対応する処理を行う。そして、その処理に応じてデータフレーム作成処理部21は、記録部13に設けられたデータフレーム記録領域23からデータを読み込んだり、処理結果を該データフレーム記録領域23に書き込んだりする機能を有する。また、データフレーム作成処理部21は、ユーザI/F22を介して処理結果を表示装置15に表示する機能を有する。
【0029】
ユーザI/F22は、入力装置14からの入力の受付及び表示装置15への表示出力処理を行うものであり、データフレーム作成処理部21に呼び出されて表示装置15に、ユーザが行うべき作業の手順及び判断を補助するオブジェクト等を表示する。
【0030】
図2及び図3に示すように、データフレーム記録領域23には、複数のデータフレーム(第1データフレームDF1、第2データフレームDF2〜第nデータフレームDFn)を記録可能となっている。これらデータフレームDFは、それぞれ対応する開始時間データTs1,Ts2〜TsN、終了時間データTe1,Te2〜TeN、開始色データCs1,Cs2〜CsN、及び終了色データCe1,Ce2〜CeNによって構成され、データフレーム作成処理部21によって対応するデータの読み出し及び書き込みが行われる。
【0031】
データフレーム作成処理部21は、まずユーザが行うべき作業の手順及び判断を補助するオブジェクト、すなわちデータフレーム作成画面を、ユーザI/F22を介して表示装置15に表示させる。具体的には、例えば図4に示すように、表示装置15には、時間スケール31とデータフィールド32とが、画面の横方向に延びるように上下に表示される。時間スケール31は、開始時間及び終了時間を設定可能とする最小時間(サンプリング時間=本実施形態では0.1秒)ごとにスケール表示されている。また、時間スケール31及びデータフィールド32には、再生位置または選択位置を示す指示画像33が表示される。この指示画像33は、時間スケール31に表示される略逆三角形状の指示ポイント33aと、その指示ポイント33aの下端から鉛直下方向に延びる指示破線33bとによって構成されている。このため、ユーザは、指示画像33により、現在の再生位置や選択位置を確実に視認可能となる。
【0032】
次に、図2に示すように、データフレーム作成処理部21は、ユーザの操作によって入力装置14から入力される入力信号に基づき、色データ作成処理部21aにより、フレームベース作成・表示処理(フレームベース作成処理)を行う。具体的には、第1データフレームDF1の作成手順を例として挙げると、データフレーム作成処理部21は、入力装置14としてのポインティングデバイス(マウス)により、図5(a)にポイントP1で示す位置(0秒位置)がクリック操作されると0秒を開始時間として設定し、その後ポイントP2で示す位置(2秒位置)がクリック操作されると2秒を終了時間として設定する。そして、データフレーム作成処理部21は、それら設定した開始時間及び終了時間を、第1データフレームDF1の第1開始時間データTs1及び第1終了時間データTe1としてデータフレーム記録領域23に記録する。それとともに、データフレーム作成処理部21は、該開始時間及び終了時間に基づく第1フレームベースFB1を表示装置15に表示させる。
【0033】
続いて、図2に示すように、データフレーム作成処理部21は、ユーザの操作によって入力装置14から入力される入力信号に基づき、色データ作成処理部21aにより、開始色・終了色作成処理(色設定処理)、中間色作成処理(中間色算出処理)、及び色データ表示処理を順次行う。具体的には、まずデータフレーム作成処理部21は、入力装置14によってフレームベース(ここでは第1フレームベースFB1)が入力装置14としてのマウスによって選択されると、図5(b)に示すように、データ設定ダイアログ40を表示装置15にポップアップ表示させる。なお、ここでは3色設定対応時における表示態様例を示す。
【0034】
このデータ設定ダイアログ40には、開始色表示部41、終了色表示部42、開始色数値表示部43、終了色数値表示部44、設定色表示部45、デフォルトパレット46、オリジナルパレット47、及び色登録ボタン48等が表示される。
【0035】
開始色表示部41及び終了色表示部42は設定された開始色及び終了色を表示する部位であり、開始色数値表示部43及び終了色数値表示部44はそれら開始色及び終了色を示すR(赤)、G(緑)、B(青)の数値データを表示する部位である。設定色表示部45は、第1フレームベースFB1における開始色から終了色までの色変化を表示する部位であり、その両端には隣り合うフレームベースの開始色及び終了色が表示される。デフォルトパレット46及びオリジナルパレット47は、開始色及び終了色として設定可能な色を表示する部位である。詳しくは、デフォルトパレット46は予め初期登録された登録色が表示される部位であり、オリジナルパレット47はユーザによって新たに登録された登録色が表示される部位である。色登録ボタン48は、ユーザによる色登録を行うためのボタンであり、このボタン操作が行われた際には、その登録色がオリジナルパレット47に表示される。
【0036】
なお、単色設定対応時においてデータ設定ダイアログ40には、図6に示すように、デフォルトパレット46、オリジナルパレット47及び色登録ボタン48は表示されない。
データフレーム作成処理部21は、こうしたデータ設定ダイアログ40において開始色数値表示部43、終了色数値表示部44による数値入力操作や、デフォルトパレット46、オリジナルパレット47による色選択操作が行われると、その操作に基づいて開始色・終了色作成処理を行う。そして、データフレーム作成処理部21は、該操作に基づいて設定された色を開始色表示部41及び終了色表示部42に表示させるとともに、該設定された開始色を示す開始色データ及び終了色を示す終了色データを、それぞれ第1データフレームDF1の第1開始色データCs1及び第1終了色データCe1としてデータフレーム記録領域23に記録する。
【0037】
データフレーム作成処理部21は、こうした開始色・終了色作成処理を完了すると、該設定した開始色及び終了色に基づいて中間色作成処理を行う。具体的には、データフレーム作成処理部21は、第1開始色データCs1及び第1終了色データCe1に基づき、第1開始時間データTs1と第1終了時間データTe1との間の時間における中間色を算出する。より具体的には、データフレーム作成処理部21は、例えば開始時間から終了時間までの間の予め設定された時間(例えば0.1秒)毎における色データを、第1開始色データCs1及び第1終了色データCe1に基づいて直線補間等により算出する。そして、データフレーム作成処理部21は、色データ表示処理により、開始色及び終了色と該算出した中間色とを設定色表示部45に表示させる。こうした一連の処理が行われると、第1フレームベースFB1は、第1データフレームDF1として表示される。
【0038】
また、図2に示すように、データフレーム作成処理部21は、ユーザの操作によって入力装置14から入力される入力信号に基づき、色データ編集処理部21bにより、開始色データ・終了色データ参照処理、データフレーム加工処理、データフレーム分割処理、作成色登録処理、複製・移動処理の何れかを実行可能となる。
【0039】
(開始色データ・終了色データ参照処理)
図5(c)に示すように、選択されたフレームベース(ここでは第2フレームベースFB2)の前後に連続するデータフレームが存在する場合、データフレーム作成処理部21は、開始色データ・終了色データ参照処理(開始色自動設定処理、終了色自動設定処理)を実行可能となる。詳しくは、データフレーム作成処理部21は、前後に連続するデータフレームのうちの前段のデータフレーム(ここでは第1データフレームDF1)の終了色と後段のデータフレーム(ここでは第3データフレームDF3)の開始色とを、第2フレームベースFB2の設定色表示部45の両端部に表示させる。また、データフレーム作成処理部21は、データ設定ダイアログ40に、連結(前)ボタン49及び連結(後)ボタン50を追加表示させる。
【0040】
そして、データフレーム作成処理部21は、入力装置14によって連結(前)ボタン49が操作されると、第2フレームベースFB2の開始色を第1データフレームDF1の終了色に設定し、第1データフレームDF1の第1終了色データCe1を第2データフレームDF2の第2開始色データCs2としてデータフレーム記録領域23に記録する。また、データフレーム作成処理部21は、入力装置14によって連結(後)ボタン50が操作されると、第2フレームベースFB2の終了色を第3データフレームDF3の開始色に設定し、第3データフレームDF3の第3開始色データCs3を第2データフレームDF2の第2終了色データCe2としてデータフレーム記録領域23に記録する。なお、データフレーム作成処理部21は、こうした開始色データ・終了色データ参照処理の終了後は、前記中間色作成処理及び色データ表示処理を実行する。
【0041】
(データフレーム加工処理)
データフレーム作成処理部21は、入力装置14によって加工操作が行われると、その操作態様に応じてフレーム伸縮処理、フレーム挿入・削除処理、及び色変更処理といったデータフレーム加工処理を実行する。具体的には、加工対象となるデータフレーム(例えば第1データフレームDF1)が選択された状態で、該第1データフレームDF1の終了端(図5(a)に示したポイントP2側端)が入力装置14としてのマウスによってドラッグ操作されると、データフレーム作成処理部21は、フレーム伸縮処理を行う。詳しくは、データフレーム作成処理部21は、そのドラッグ操作に応じて終了時間を変更し、その変更した終了時間を示す終了時間データを新たな第1データフレームDF1の第1終了時間データTe1としてデータフレーム記録領域23に記録する。それとともに、データフレーム作成処理部21は、該第1データフレームDF1の中間色を算出し直して色データ表示処理を実行する。なお、第1データフレームDF1の開始時間においても変更可能となっている。
【0042】
また、データフレーム作成処理部21は、既に作成されたデータフレームがダブルクリックされると、前記データ設定ダイアログ40を表示させる。この状態で前記開始色・終了色作成操作が行われると、データフレーム作成処理部21はその操作に応じて開始色・終了色を変更し、データフレーム記録領域23に記録された対応するデータフレームの開始色データ・終了色データを該変更した開始色データ・終了色データに書き換える色変更処理を実行する。それとともに、データフレーム作成処理部21は、該データフレームの中間色を算出し直して色データ表示処理を実行する。
【0043】
さらに、データフレーム作成処理部21は、例えば図7(a)に示すように、加工対象となるデータフレーム(ここでは第1データフレームDF1)上において、マウスによって右クリックされると、編集用ポップアップメニュー51を表示装置15に表示させる。この編集用ポップアップメニュー51には、「挿入」、「削除」、「削除(詰める)」、「コピー」及び「分割」が表示される。そして、マウスによって「挿入」、「削除」及び「削除(詰める)」の何れかが選択されると、データフレーム作成処理部21は、フレーム挿入・削除処理を実行する。
【0044】
例えば図7(a)に示すように、挿入対応箇所に位置するデータフレームとして第2データフレームDF2が選択された状態で「挿入」が選択操作されると、図7(b)に示すように、データフレーム作成処理部21は、挿入時間設定ダイアログ52をポップアップ表示させる。この挿入時間設定ダイアログ52には、時間表示部53、時間設定ボタン54等が表示され、キーボード等を用いた時間表示部53への数値の直接入力による時間設定や、マウスを用いた時間設定ボタン54の操作による時間設定が可能となっている。そして、データフレーム作成処理部21は、それら時間設定操作が行われた後に確定操作が行われる(OKボタン55が操作される)と、図7(c)に示すように、該設定された時間に基づくフレームベースFBnを第2データフレームDF2の前段に挿入した状態となるように表示させる。それとともに、データフレーム作成処理部21は、該フレームベースFBnの開始時間データ及び終了時間データを、第nデータフレームDFnの第n開始時間データTsN、第n終了時間データTeNとしてデータフレーム記録領域23に記録する。
【0045】
一方、削除対象となるデータフレームが選択された状態で「削除」が選択操作されると、データフレーム作成処理部21は、そのデータフレームを示すデータをデータフレーム記録領域23から消去するとともに、該データフレームの表示も消去させる。また、削除対象となるデータフレームが選択された状態で「削除(詰める)」が選択操作されると、データフレーム作成処理部21は、データフレームの消去とともに、そのデータフレームの後段に存在する全てのデータフレームを該消去したデータフレームの開始時間位置までシフト移動させた状態に表示させる。そして、データフレーム作成処理部21は、該シフト移動させたデータフレームの開始時間データ及び終了時間データを、該シフトさせた時間に合致するデータに書き換える。
【0046】
(データフレーム分割処理)
例えば図8(a)に示すように、分割対象として第1データフレームDF1が選択された状態で「分割」が選択操作されると、図8(b)に示すように、データフレーム作成処理部21は、指示画像33の指示破線33b上に分割選択の意を示す矢印画像56を表示させる。この矢印画像56は、入力装置14(マウス)によって移動可能となっており、該マウスによって分割位置を選択可能となっている。そして、データフレーム作成処理部21は、指示画像33によって指定された箇所で該マウスによる確定操作(例えば左クリック)が行われると、その指定箇所において第1データフレームDF1を分割する。具体的には、データフレーム作成処理部21は、その指定箇所における時間及び中間色を、前段のデータフレームDF1−1の終了時間及び終了色、後段のデータフレームDF1−2の開始時間及び開始色としてそれぞれ設定する。すなわち、データフレーム作成処理部21は、それらデータフレームDF1−1,DF1−2の各データ(開始時間データ、終了時間データ、開始色データ、終了色データ)をデータフレーム記録領域23に記録するとともに、第1データフレームDF1の各データを消去する。換言すれば、データフレーム作成処理部21は、分割指定時間における中間色を抽出し、その抽出した中間色を示す色データをデータフレーム記録領域23に記録する色データ抽出処理を行う。そして、データフレーム作成処理部21は、該分割された前段のデータフレームDF1−1のデータ設定ダイアログ40の表示時においては、該抽出した中間色を終了色表示部42に表示させ、後段のデータフレームDF1−2のデータ設定ダイアログ40の表示時においては、該抽出した中間色を開始色表示部41に表示させる。
【0047】
(作成色登録処理)
ところで、図5(b)及び図5(c)に示した前記データ設定ダイアログ40の表示状態において色登録ボタン48が操作されると、データフレーム作成処理部21は、オリジナルパレット47に指定された色を表示させるとともに、その色データを記録部13に記録する。なお、色を指定するための操作としては、例えばオリジナルパレット47における未登録箇所がマウスによってダブルクリックされた際に、データフレーム作成処理部21がオリジナル色選択画面を表示させ、その画面上で指定する操作などによって実現される。また、設定色表示部45に表示される中間色を指定する操作や、開始色表示部41及び終了色表示部42に表示された色を指定する操作などによって実現されてもよい。こうした場合、前記データ分割処理によって新たに開始色及び終了色として設定された中間色の登録が容易に可能となる。
【0048】
(複製・移動処理)
また、複製対象となるデータフレームが選択された状態で「コピー」が選択操作されると、データフレーム作成処理部21は、その選択されたデータフレームを複製して表示させる。そして、その複製データフレームがマウスによってデータフィールド32に適正に移動操作されると、データフレーム作成処理部21は、その箇所における開始時間データ及び終了時間データをデータフレーム記録領域23に記録する。
【0049】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)データフレーム作成処理部21によって実行される分割処理や作成色登録処理により、データフレーム中の中間色が抽出され、その抽出された色データは記録部13に記録される。このため、ユーザは、該抽出した色データを開始色や終了色として設定することができる。よって、調光データの作成及び編集の容易化を図ることができる。
【0050】
(2)フレームベース作成処理時にあっては作成したデータフレームが表示装置15に表示されるとともに、色設定処理時及び中間色算出処理時にあっては開始色、終了色及び中間色がデータ設定ダイアログ40の設定色表示部に表示される。このため、ユーザは、開始色、終了色、中間色を表示装置15上で視認できるため、抽出すべき色データの選択を容易に行うことができる。よって、調光データの作成及び編集の更なる容易化を図ることができる。
【0051】
(3)開始色及び終了色として選択可能な色候補は、データ設定ダイアログ40のデフォルトパレット46及びオリジナルパレット47といった色パレットとして表示される。このため、ユーザは、該色パレットを視認することにより、開始色及び終了色として選択可能な色候補を容易に認識することができる。よって、調光データの作成及び編集をより容易に行うことが可能となる。
【0052】
(4)選択されたデータフレームの開始時間が他のデータフレームの終了時間と合致する際には、データ設定ダイアログ40の連結(前)ボタン49を入力装置14によって操作することにより、該他のデータフレームの終了色を選択されたデータフレームの開始色として自動的に設定することができる。また、選択されたデータフレームの終了時間が他のデータフレームの開始時間と合致する際には、連結(後)ボタン50を入力装置14によって操作することにより、該他のデータフレームの開始色を選択されたデータフレームの終了色として自動的に設定することができる。すなわち、前後に存在するデータフレームと連続した色設定を容易に行うことができるようになる。このため、調光データの作成及び編集の更なる容易化を図ることができる。
【0053】
(5)データフレームを分割することができ、分割時には、該分割箇所の色データが各分割データフレームの終了色及び開始色として記録される。このため、データフレームを分割することにより、既存のデータフレームの途中位置の色データを変更したり、該分割箇所に新たなデータフレームを挿入したりすることが可能となり、編集作業の利便性を向上させることができる。
【0054】
(6)データフレーム加工処理により、データフレームの伸縮、データフレームの挿入・削除、色変更を行うことができる。このため、データフレームの編集作業の利便性をさらに向上させることができる。しかも、データフレームを削除する際に、「削除(詰める)」を選択操作することにより、削除対象となるデータフレームの後段に位置する全てのデータフレームを該削除対象となるデータフレームの位置にシフト移動させることができる。よって、調光データの編集作業の利便性を向上させることができる。
【0055】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、データ設定ダイアログ40の設定色表示部45にデータフレームの色が表示されるようになっているが、これに限らず、データフィールド32に表示されたデータフレームに該色が表示されるようになっていてもよい。このようにすれば、ユーザはデータフレームの色変化をより一層容易に認識することができる。
【0056】
・ フレームベース作成・表示処理において、該フレームベースの終了時間は、開始時間に基づいて自動的に設定されてもよい。例えば、開始時間に対して規定値として1秒後が終了時間として自動的に設定されていてもよい。また、その規定値の設定を変更可能としてもよい。
【0057】
・ 前記色データ編集処理部21bによって実行される各編集処理において、全ての処理が必ずしも可能となっている必要はなく、少なくとも中間色データを抽出する処理さえ可能となっていればよい。
【0058】
・ データフレーム作成処理部21は、点灯制御装置2で制御される発光体の点灯態様のシミュレーション画像を、作成した調光データに基づいて表示装置15に表示させる画像再生処理を行うようになっていてもよい。このようにすれば、点灯制御装置2によって実際に点灯制御をさせることなく、データ作成装置1のみによって調光データに基づく発光体の点灯態様を確認することができる。
【0059】
・ データ作成装置1は、点灯制御装置2と必ずしも別体で構成されている必要はなく、該点灯制御装置2と一体に設けられていてもよい。
・ データフレーム作成処理部21は、前記データフレーム分割処理によって抽出した中間色を、自動的にオリジナルパレット47に指定された色を表示させるとともに、その色データを記録部13に記録するようになっていてもよい。すなわち、データフレーム作成処理部21は、データフレーム分割処理を行った際には、自動的に作成色登録処理を行って中間色を登録するようになっていてもよい。
【0060】
・ 前記実施形態において、中間色は、必ずしも直線補間によって算出される必要はなく、色相・明度・彩度のうちの少なくとも一つをパラメータとして用いた演算式であれば、どのような演算によって算出されるようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態のデータ作成装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図。
【図2】同実施形態の各種処理構成を概略的に示すブロック図。
【図3】同実施形態の記録手段に記録されるデータフレームの構成を概略的に示す図。
【図4】同実施形態の表示態様を示す図。
【図5】(a)〜(c)は、同実施形態の色データ作成処理時における表示態様例を示す図。
【図6】同実施形態の色データ作成処理時における別の表示態様を示す図。
【図7】(a)〜(c)は、同実施形態の色データ編集処理時における表示態様例を示す図。
【図8】(a)〜(c)は、同実施形態の色データ編集処理時における別の表示態様例を示す図。
【符号の説明】
【0062】
1…データ作成装置、2…点灯制御装置、11…演算処理部、13…記録手段としての記録部、14…入力装置、15…表示装置、20…調光データ作成プログラム、21…データフレーム作成処理部、23…データフレーム記録領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体の点灯態様を制御する点灯制御装置に用いられる調光データを作成するための調光データ作成方法であって、
前記点灯制御装置に設けられた、または接続可能なデータ作成装置を用い、
入力操作に基づいて開始時間及び終了時間を設定して前記調光データを構成するデータフレームのフレームベースを作成するとともにその開始時間データ及び終了時間データを記録手段に記録するフレームベース作成処理と、
作成されたフレームベースの開始時間に対応する開始色及び終了時間に対する終了色を入力操作に基づいて設定してデータフレームを作成するとともに、その開始色データ及び終了色データを記録手段に記録する色設定処理と、
前記データフレームにおける開始色データと終了色データとに基づき、開始時間と終了時間との間の中間色を演算によって求める中間色算出処理とを行うとともに、
前記データフレーム中の任意の色データを抽出し、その抽出した色データを記録手段に記録する色データ抽出処理を可能としたことを特徴とする調光データ作成方法。
【請求項2】
前記フレームベース作成処理時にあっては作成したデータフレームを表示装置に表示するとともに、前記色設定処理時及び前記中間色算出処理時にあっては前記開始色、前記終了色及び前記中間色を表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の調光データ作成方法。
【請求項3】
開始色及び終了色として選択可能な色候補を色パレットとして表示するとともに、前記色データ抽出処理において抽出した色データを該色パレットとして表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調光データ作成方法。
【請求項4】
前記色データ抽出処理において抽出した色データをデータフレームの開始色、終了色に設定可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の調光データ作成方法。
【請求項5】
選択された前記データフレームの開始時間が他のデータフレームの終了時間と合致する際に、該他のデータフレームの終了色を前記選択されたデータフレームの開始色として自動的に設定する開始色自動設定処理、及び選択された前記データフレームの終了時間が他のデータフレームの開始時間と合致する際に、該他のデータフレームの開始色を前記選択されたデータフレームの終了色として自動的に設定する終了色自動設定処理のうちの少なくとも一方を可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の調光データ作成方法。
【請求項6】
前記データフレームを分割可能とし、分割時には、該分割箇所の色データを各分割データフレームの終了色及び開始色として記録手段に記録することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の調光データ作成方法。
【請求項7】
発光体の点灯態様を制御する点灯制御装置に用いられる調光データを作成するための調光データ作成プログラムであって、
コンピュータにより実行される、
入力操作に基づいて開始時間及び終了時間を設定して前記調光データを構成するデータフレームのフレームベースを作成するとともにその開始時間データ及び終了時間データを記録手段に記録するフレームベース作成ステップと、
作成されたフレームベースの開始時間に対応する開始色及び終了時間に対する終了色を入力操作に基づいて設定してデータフレームを作成するとともに、その開始色データ及び終了色データを記録手段に記録する色設定ステップと、
前記データフレームにおける開始色データと終了色データとに基づき、開始時間と終了時間との間の中間色を演算によって求める中間色算出ステップと、
前記データフレーム中の任意の色データを抽出し、その抽出した色データを記録手段に記録する色データ抽出ステップと、
を備えることを特徴とする調光データ作成プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の調光データ作成プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−181673(P2008−181673A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12163(P2007−12163)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)
【Fターム(参考)】