説明

調味料付き落とし蓋

【課題】 従来、落とし蓋を用いる料理を作る時には、一例として、鍋に材料を入れてから、水と計量しただしを加えて加熱し、煮立ったらアクを取って計量した各種調味料を入れ、落とし蓋をし、火加減を調節して、材料が煮上がったら火を止めて料理を完成させていた。しかし、だしや各種調味料は料理の度に計量しなければならず、目分量では料理の度に味が変わる。また、飲食店、特に飲食チェーン店では同じ料理を高い頻度で作ることがある。そして同一チェーンの同じ料理であれば、他店舗でも同じ味を保つ事が求められる。未熟な店員でも厨房に入る店舗では、手軽に同じ味を保つ事が求められる。本発明は上記の課題を解決する調味料付き落とし蓋を提供する。
【解決手段】 例えば落とし蓋、特にクッキングシートやアルミホイルなどの使い捨て材料を使用した落とし蓋に調味料を付加し、乾燥または半乾燥して調理に用いることで、飲食店や家庭で手軽に調理という目的を達することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば落とし蓋を使う料理の時に調味料付き落とし蓋を使用する事により、料理の手間を省く事ができる調味料付き落とし蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の落とし蓋には種々のものが出願されている。(例えば、特許文献1、実用新案文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開平10−075893号公報
【実用新案文献1】
実開昭56−164716号公報
【実用新案文献2】
実開昭62−146426号公報
【0003】
以下、従来の落とし蓋について説明する。従来、煮物などをする時に、鍋の直径よりひとまわり小さい蓋を落とし蓋といって材料の上に直接のせて使い、少ない煮汁でも汁が全体にまわり、まんべんなく味を含ませ、熱効率がよく、経済的に調理をする事で目的を達していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、落とし蓋を用いる料理を作る時には、一例として、鍋に材料を入れてから、水と計量しただしを加えて加熱し、煮立ったらアクを取って計量した各種調味料を入れ、落とし蓋をし、火加減を調節して、材料が煮上がったら火を止めて料理を完成させていた。しかし、だしや各種調味料は料理の度に計量しなければならず、目分量では料理の度に味が変わってしまう。また、飲食店、特に飲食チェーン店では同じ料理を高い頻度で作ることがある。そして同一チェーンの同じ料理であれば、他店舗でも同じ味を保つ事が求められる。未熟な店員でも厨房に入る店舗では、手軽に同じ味を保つ事が求められる。昨今、家庭における料理も、共稼ぎの増加や核家族化、また高齢者や単身者の増加により、手軽に調理ができることが求められている。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、その目的は即ち、料理を作る時に予め調製された調味料が付いた落とし蓋を用いる事により、手軽に調理ができる調味料付き落とし蓋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る調味料付き落とし蓋は、落とし蓋に調味料を付加し、乾燥または半乾燥して調理に用いることで目的を達する。
【0007】
落とし蓋は、例えばステンレス製の落とし蓋に、多くの穴か襞を設けた再利用可能な落とし蓋を用いる事も可能であるが、クッキングシートやアルミホイルなどの使い捨て材料を使用した方が、落とし蓋を洗う必要が無く、より手軽に調理ができるので好ましい。
【0008】
調味料付き落とし蓋は、料理によっても異なるが、目的とする料理用に調製された調味料に落とし蓋を浸したり、落とし蓋に調味料を塗布したり、吹き付けたりして、乾燥または半乾燥して作成する。落とし蓋に調味料の付着が悪い時は、調味料にゼラチン、寒天、カラギーナン等の熱変性物質を加えて熱溶し、落とし蓋に付着させ冷まし固める。この時水分が必要であれば加えて熱溶する。乾燥条件は、用いる調製調味料の状態等によって異なるが、乾燥方法は、通風乾燥、天日乾燥、熱風乾燥、間接加熱乾燥、蒸気乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、赤外線乾燥、電磁波乾燥などが用いられるが、乾燥方法の併用もある。
【0009】
一実施例として、4人前用の調味料付き落とし蓋を使用して、4人前の肉じゃがを作る例で説明すれば、型枠に入れたクッキングシートにみりん大さじ4、酒大さじ2、風味調味料小さじ2、砂糖大さじ2、醤油大さじ4、塩小さじ半分、粉寒天3gを加えて熱溶して流し込み、冷却、乾燥して作った調味料付き落とし蓋と牛肉200g、じゃが芋4個、人参1本、玉ねぎ1個、絹さや8枚を用意して、具材の下ごしらえの後、鍋を熱し、少量の油を入れ、肉を炒め、じゃが芋、人参、玉ねぎも炒めて水をひたひたに注ぎ、火加減を中火にして、材料に軽く火が通ったら調味料付き落とし蓋をし、材料が煮上がったら調味料付き落とし蓋を取り、火を止めて器に盛り、別に茹でておいた絹さやをのせて料理が完成する。
【0010】
例えば、家庭で魚の煮付けを作る時に、魚種が変わっても同じ味付けで料理を作る事とか、野菜の煮物を作る時に、野菜が変わっても同じ味付けで料理を作る事が往々にしてある。肉料理も同様であるので、用意する調味料付き落とし蓋は少種でよい。また飲食店では同じ料理を数多く作るので、各々の料理に合わせた調味料付き落とし蓋を用意すると良い。このように野菜、肉、魚料理などには、作る料理の人数分用に調製した調味料付き落とし蓋を用意しておけば、各種調味料を計量することなく、少ない煮汁でも汁が全体にまわり、まんべんなく味を含ませ、熱効率がよく、経済的で、手軽に簡単に料理が出来るので、料理が不得手な人でも、時間に余裕がない人でも楽々と料理が出来る。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る調味料付き落とし蓋は、料理を作る時に予め調製された調味料が付いた落とし蓋を用いる事により、手軽に調理ができる調味料付き落とし蓋を提供する事で目的を達する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら具体的に説明するがこの実施形態に限定されるものではない。図1は本発明に係る調味料付き落とし蓋1で、落とし蓋にクッキングシート3を使用した例の斜視図である。
【0013】
クッキングシート3には調製された調味料2が付着している。調製された調味料2はクッキングシート3に浸み込んでいても良いし、主に具材側になる片面のみに付着していても良い。
【0014】
図2は落とし蓋の材料に、丸型のアルミホイル4を使用した例の斜視図であり、この例ではアルミホイル4に蒸気抜きおよびアク流出用の孔5が、落とし蓋全面に散点状に設けられているが、無くても良い。また調製された調味料2は主に具材側になる片面のみに付着していても良い。
【0015】
図3は図2例の蒸気抜きおよびアク流出用の孔5をも調製された調味料2が覆っている例の斜視図である。調製された調味料2によっては蒸気抜きおよびアク流出用の孔5を覆ってしまう場合があるからである。蒸気抜きおよびアク流出用の孔5は無くても良い。また調製された調味料2は主に具材側になる片面のみに付着していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】調味料付き落とし蓋で、落とし蓋にクッキングシートを使用した例の斜視図
【図2】落とし蓋の材料に、丸型のアルミホイルを使用した例の斜視図
【図3】図2例の蒸気抜きおよびアク流出用の孔をも調製された調味料が覆っている例の斜視図
【符号の説明】
【0017】
1 調味料付き落とし蓋
2 調製された調味料
3 クッキングシート
4 アルミホイル
5 蒸気抜きおよびアク流出用の孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
落とし蓋に調味料が付加してあることを特徴とする調味料付き落とし蓋。
【請求項2】
調味料が含浸してあることを特徴とする請求項1記載の調味料付き落とし蓋。
【請求項3】
調味料が被覆してあることを特徴とする請求項1記載の調味料付き落とし蓋。
【請求項4】
半乾燥してあることを特徴とする請求項1記載の調味料付き落とし蓋。
【請求項5】
乾燥してあることを特徴とする請求項1記載の調味料付き落とし蓋。
【請求項6】
クッキングシートなどのペーパー系使い捨て材料を使用したことを特徴とする請求項1記載の調味料付き落とし蓋。
【請求項7】
アルミホイルなどの金属系使い捨て材料を使用したことを特徴とする請求項1記載の調味料付き落とし蓋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−110600(P2010−110600A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310243(P2008−310243)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(599157745)アオキ流通株式会社 (9)
【Fターム(参考)】