調整可能なアンテナシステム
【課題】小型無線デバイスに適合するアンテナ構造及び電気回路を提供することを目的とする。
【解決手段】電子デバイスは無線周波数トランシーバに接合される調整可能なアンテナシステムを含む無線通信回路を有する。調整可能なアンテナシステムは、前記電子デバイス内のストレージ/処理回路により制御される1以上の調整可能な電気部品を含む。調整可能な電気部品は、多様な異なる状態の調整を行えるスイッチ及び部品を含む。調整可能な電気部品はアンテナシステム部品(例えば、伝送ライン要素、マッチングネットワーク要素、アンテナ要素、及びアンテナフィードなど)間を接合する。調整可能な電気部品を調整することによって、ストレージ/処理回路は、調整可能なアンテナシステムが関心のある通信バンドをカバーすることを保証するように、この調整可能なアンテナシステムをチューニングする。
【解決手段】電子デバイスは無線周波数トランシーバに接合される調整可能なアンテナシステムを含む無線通信回路を有する。調整可能なアンテナシステムは、前記電子デバイス内のストレージ/処理回路により制御される1以上の調整可能な電気部品を含む。調整可能な電気部品は、多様な異なる状態の調整を行えるスイッチ及び部品を含む。調整可能な電気部品はアンテナシステム部品(例えば、伝送ライン要素、マッチングネットワーク要素、アンテナ要素、及びアンテナフィードなど)間を接合する。調整可能な電気部品を調整することによって、ストレージ/処理回路は、調整可能なアンテナシステムが関心のある通信バンドをカバーすることを保証するように、この調整可能なアンテナシステムをチューニングする。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は全般的には無線通信の電気回路に関し、より詳細には調整可能なアンテナシステムを有する電子デバイスに関連する。
コンピュータや携帯型電子機器などの電子デバイスは、しばしば無線通信機能を備えている。例えば、電子デバイスは携帯電話バンドを用いて通信するセルラー式電話の電気回路など、長距離無線通信の電気回路を用いる。電子デバイスは近接する設備との通信を扱う際に、短距離無線通信リンクを用いる。例えば、電子デバイスは2.4GHz及び5GHzのWiFi(登録商標)(IEEE802.11)バンド及び2.4GHzのBluetooth(登録商標)バンドを用いて通信する。
【0002】
小型無線デバイスに関する消費者の要求を満たすために、製造業者は、コンパクト構造を用いたアンテナ要素などの無線通信電気回路の実装に絶え間なく奮闘しているのである。しかしながら、従来のアンテナ構造を小型デバイスに適合させるのは難しい。例えば、小さな容量に制限されるアンテナは、より大きな容量の中に実装されるアンテナよりも狭いバンド幅のオペレーティングを露呈することがよくある。アンテナのバンド幅が小さくなってくると、電子デバイスの改善された電気回路を提供するのが望ましいといえる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
無線周波数トランシーバに接続された調整可能なアンテナシステムを含む無線通信の電気回路を備える電子デバイスを提供する。この調整可能なアンテナシステムは、電子デバイス内のストレージ及びプロセス電気回路によりコントロールされる1以上の調整可能な電気部品を含む。この調整可能な電気部品を調整することによって、ストレージ及びプロセス電気回路は調整可能なアンテナシステムをチューニングし、関心のある通信バンドを思い通りにカバーする。
【0004】
調整可能な電気部品は、オープン型又はクローズ型に配置され得るスイッチを含む。また、調整可能な電気部品は、様々な抵抗器、キャパシタンス、インダクタンスを作り出すために連続的に又は半連続的に調整され得る電気部品を含む。アンテナシステムの調整は、トランスミッション・ライン構造、マッチングネットワーク、アンテナ共振要素、アンテナのアース端子、アンテナ給電装置に対して行なわれる。
【0005】
アンテナは伝導性電子デバイス・ハウジングから形成される部分をもつ。電子デバイスは、矩形の周辺部を有する。ディスプレイ・ベゼル(周囲枠)などの伝導性周辺部、又はハイジングの横壁部は、ハウジングの周辺部を囲んでいる。1以上の誘電ギャップは、伝導性周辺部の中に組み込まれる。このギャップをブリッジするのに調整可能な電気部品を使用する。電気部品に制御信号を適用して、ギャップのサイズ及びアンテナシステムの他のパラメータを調整し、これによりアンテナシステムをチューニングする。
【0006】
本発明の更なる特徴の本来的で様々な優位性が、添付の図面及び以下の好ましい実施例の詳細な説明を参照することで明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の一実施例に従った無線通信の電気回路を有する電子デバイスの斜視図の一例である。
【図2】図2は、本発明の一実施例に従った無線通信の電気回路を有する電子デバイスの全体概略図の一例である。
【図3】図3は、本発明の一実施例に従った電子デバイスにおける、固定され調整可能なアンテナ構造を有する無線通信の電気回路の回路図の一例である。
【図4】図4は、本発明の一実施例に従い、関心のある通信バンドをカバーするためにアンテナ構造がどのようにしてオペレーション中に調整され得るかを示したグラフである。
【図5】図5は、本発明の一実施例に従い、オペレーション中、アンテナ応答を上手くチューニングするためにアンテナ構造がどのようにしてオペレーション中に調整され得るかを示したグラフである。
【図6】図6は、本発明の一実施例に従い、トランスミッション・ライン及びマッチングネットワークを用いて、トランシーバがどのようにしてアンテナに給電するかを示している、電子デバイスにおける無線通信の電気回路図である。
【図7】図7は、本発明の一実施例に従った電子デバイスにおける無線通信の電気回路で用いられるアンテナ図の一例である。
【図8】図8は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして接続されるかを示している図である。
【図9】図9は、本発明の一実施例に従い、スイッチなどの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして接続されるかを示している図である。
【図10】図10は、本発明の一実施例に従い、回路要素などの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして連続的に又は半連続的にチューニング可能な電気特性と接続されるかを示している図である。
【図11】図11は、本発明の一実施例に従い、チューニング可能なキャパシターなどの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして連続的に又は半連続的にチューニング可能なキャパシタンスと接続されるかを示している図である。
【図12】図12は、本発明の一実施例に従い、半連続的にチューニング可能な電気ネットワークなどの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして様々に選択できるインピーダンス値を電気ネットワークに提供するスイッチと連続的に又は半連続的に接続されるかを示している図である。
【図13】図13は、本発明の一実施例に従った電子デバイスにおける、調整可能なアンテナシステムの回路図の一例である。
【図14】図14は、本発明の一実施例に従いトランスミッション・ライン・ローディングを調整することによって、アンテナシステムがどのようにして調整されるかを示す、電子デバイスにおける調整可能なアンテナシステムの図である。
【図15】図15は、本発明の一実施例に従い、周辺伝導部及び内部の平面伝導部を有する電子デバイスの内部斜視図であり、調整可能な電気部品がどのようにして周辺伝導部のギャップをブリッジしているかを示す図である。
【図16】図16は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品がどのようにして周辺伝導部のギャップをブリッジしているかを示す伝導性周辺電子デバイス・ハウジングの内部部分の内部斜視図である。
【図17】図17は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品がどのようにして内部平面伝導部の異なる部分と接続するために用いられているかを示す電子デバイスの上面図である。
【図18】図18は、アンテナの一例を示し、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品がどのようにしてアンテナのアース端子平面部の異なる部分と接続するために用いられてきたかを示している。
【図19】図19は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品を用いて、接続されている複数の領域をもつ伝導性周辺ハウジング部及び内部の平面構造を有する電子デバイスの図である。
【図20】図20は、本発明の一実施例に従い、固定してプリント回路基盤にマウントされ、フレキシブル回路に接続された無線周波数トランシーバの内部斜視図であり、そこでは、伝導性アンテナ構造が調整可能な電気部品によって導電フレキシブル配線及びオプション的にフレキシブルマウントされた電気部品と接続されている態様を示す。
【図21】図21は、本発明の一実施例に従い、カメラや他のデバイス構造をマウントしたフレキシブル回路などの伝導性構造をもつ電気部品が、調整可能な電気部品を用いて、アンテナ部分に接続されている調整可能なアンテナシステムの図である。
【図22】図22は、本発明の一実施例に従い、伝導性フレーム部及び調整可能な電気部品を含む調整可能なアンテナシステムを使用する無線周波数トランシーバ回路などの電気部品を有する電子デバイスの斜視図である。
【図23】図23は、本発明の一実施例に従い、伝導性周辺ハウジング部を、伝導性平面内部ハウジング部に接続する調整可能な電気部品を用いて、調整可能なアンテナシステムがどのようにして形成されるかを示す電子デバイスの上面図である。
【図24】図24は、本発明の一実施例に従い、調整可能なアンテナシステムにより電子デバイスをオペレーティングすることに関係したフローチャートのステップを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1のデバイス10などの電子デバイスは、無線通信電気回路を備える。この無線通信電気回路は、長距離無線通信(例えば、セルラー式電話バンドの通信)などの無線通信、及び短距離通信(すなわち、WiFi(登録商標)リンク、Bluetooth(登録商標)リンク等)をサポートするために使用される。無線通信電気回路は1以上のアンテナを含む。アンテナ及び電子デバイス内の関連する無線通信電気回路は調整可能である。或るバンド(すなわち、アンテナシステムが上手くチューニングされるバンド)内のアンテナ応答を調整するよう、調整可能なアンテナシステムが調整される。所望の通信バンドにおける信号が正しく受信されることを保証するために、上手い調整が行なわれるのである。また、調整可能なアンテナシステムをチューニングして、単一バンド又はグループバンドをカバーするだけのアンテナ応答曲線が、関心のある付加的周波数をカバーするために用いられる(すなわち、それぞれのバンド又はグループバンドをカバーするために、アンテナシステムを粗くチューニングする)。粗いチューニングにより、比較的狭いバンド幅アンテナが、比較的広範囲な周波数の通信バンドをカバーするようにチューニングできる。
【0009】
適した電子デバイス(調整する図1のデータベース10)は、上手に且つ粗くチューニングする能力を有する調整可能なアンテナシステムを備える。デスクトップコンピュータ、ゲームコンソール、ルータ、ラップトップコンピュータ、コンピュータモニタ又はテレビを組み込んだコンピュータ、セットトップボックス(テレビに接続してインターネットなど双方向通信サービスの利用を可能にする家庭用通信端末)若しくは他の消費者電気機器の一部をなすコンピュータ、携帯型電子機器などの比較的コンパクトな電子デバイスなどに調整する調整可能なアンテナシステムを使用することができる。携帯型電子機器の使用は、時として一例としてここで述べられる。しかしながら、これは単なる例示に過ぎず、任意の電子デバイスに調整可能なアンテナシステムが用いられる。
【0010】
図1の電子デバイス10などの電子デバイスは、ラップトップコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話、メディアプレーヤー、他のハンドヘルド及びポータブル電子デバイス、腕時計デバイスなどの極小デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドフォン及びイヤホン型デバイス、他の装着型及びミニチュアデバイス、又は他の電子機器であり得る。
【0011】
図1に示すとおり、デバイス10はハウジング12を含む。時々、「ケース」とも称されるハウジング12は、プラスチック、ガラス、セラミック、カーボンファイバー合成及び他の合成物、金属、他の材質、若しくはこれらの材質の組み合わせにより形成される。単一の構成要素(例えば、機械化された金属片、或いはモールド加工されたプラスチック片)から組成される単一構成物を用いたり、多種のハウジング構成物(例えば、内部フレーム要素又は他の内部ハウジング構成物にマウントされている他外部ハウジング構成物)により、ハウジング12の殆ど又は全てを形成する。
【0012】
必要に応じて、デバイス10はディスプレイ14などの表示画面を有する。ディスプレイ14は、例えば、キャパシティブ・タッチ電極を組み込んだタッチスクリーンである。ディスプレイ14は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、電気リンク要素、液晶ディスプレイ(LCD)構成要素、又は他の適当なイメージピクセル構成物から作られるイメージピクセルを含む。ディスプレイ14の表面をカバーガラス部で覆う。ボタン16などのボタンは、カバーガラス内の開口部を通る。また、開口部はディスプレイ14のカバーガラス内に形成され、スピーカポート18をつくる。ハウジング12内の開口部は、入力−出力ポート、マイクロフォンポート、スピーカポート、ボタン開口部などを形成するために用いられる。
【0013】
デバイス10内の無線通信電気回路は、リモートでローカルな無線リンクを形成するために用いられる。無線通信の間、1以上のアンテナを用いる。単一バンド及びマルチバンドアンテナを用いる。(一例として)2.4GHzのBluetooth(登録商標)通信を取り扱うために単一バンドアンテナを用いる。他の例として、マルチ携帯電話バンドにおける携帯電話通信を取り扱うためにマルチバンドアンテナを用いる。他のタイプの通信リンクも、単一バンド及びマルチバンドアンテナを用いながらサポートされる。
【0014】
必要に応じて、デバイス10はマルチアンテナを使用する。マルチアンテナは、例えば、アンテナの多様性スキームをサポートするのに用いられる。アンテナの多様性スキームとともに、デバイス10の制御回路は、信号特性又はセンサデータをモニタリングし、どのアンテナがベストに実行するか、そうでなければ使用(例えば、規制限度を満たすこと)に適しているか決定する。これらの考慮に基づき、制御回路はアンテナのサブセットのみを使用するために選んだり、そうでなければアンテナ使用を調整する。例えば、センサ若しくは信号特性の測定により、アンテナ多様性アレンジメントにおける2つのアンテナの1つが、外部のオブジェクト(人間の体の一部など)によって阻止されていることが特定された場合、制御回路はそのアンテナを一時的に不活性にする。
【0015】
また、デバイス10はマルチアンテナを用いて、多元入力−多元出力(MIMO)通信プロトコルを実行する。MIMOスキームにおいて、システムの各アンテナは個々のデータストリームを処理し、データスループット全体を上げることができるようにする。デバイス10の制御回路は、近似データ又は他のデータを用いてMIMOセットアップにおけるマルチアンテナのオペレーションをコントロールする。例えば、制御回路は、一時的に、MIMOオペレーションから、単一アンテナのみを使用するプロトコルへと切り替えたり、4アンテナMIMOスキームから2アンテナMIMOスキームへ切り替えたりする。
【0016】
アンテナはデバイス10内の任意の適したロケーションに配置される。例えば、1つのアンテナは上部領域(例えば、領域22)に配置され、もう一方のアンテナは下部領域(例えば、領域20)に配置される。大きなデバイスの場合、アンテナはデバイスの端に沿って、後部の平面ハウジング部、デバイスコーナーなどに配置される。
【0017】
デバイス10のアンテナは関心のある任意の通信バンドをサポートするために用いられる。例えば、デバイス10は、ローカルエリアネットワーク通信(例えば、無線ローカルエリアネットワークのための2.4GHz及び5GHzのIEEE802.11通信)、Bluetooth(登録商標)信号などの2.4GHzの信号、音声及びデータセルラー電話通信(例えば、850MHz、900MHz、1800MHz、1900MHz、2100MHzなどの周波数バンドにおけるセルラー信号)、1575MHzのグローバル・ポジショニング・システム(GPS)通信、60GHzの信号(例えば、短距離リンク)等をサポートするアンテナ構造を含む。それぞれのアンテナは各々に異なるバンド若しくは通信バンドを処理したり、又は共有アンテナを用いてグループバンドを処理する。デバイス10の1つのアンテナは、例えば、1以上のセルラー電話バンドにおける音声及びデータ通信を処理するのに用いられるが、デバイス10の別のアンテナは、1575MHzのグローバル・ポジショニング・システム(GPS)信号を処理するための第1バンド、並びに2.4GHzのBluetooth(登録商標)及びIEEE802.11(無線ローカルエリアネットワーク)信号を処理するための第2バンドにおける受信地域を提供する。アンテナ多様性スキーム、フェーズアンテナアレイ(例えば、60GHz)、追加的バンドを実行するために追加的なアンテナを実行する。
【0018】
図1のデバイス10で用いられ得る電気部品を示す全体図が図2である。図2のとおり、デバイス10はストレージ/処理回路28を含む。ストレージ/処理回路28は、ハードディスク・ドライブストレージ、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ或いは固定状態のデバイスを形成する他の電気的にプログラム可能なリードオンリーメモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的若しくは動的ランダムアクセスメモリ)などのストレージ(記憶媒体)を含む。ストレージ/処理回路28内の処理回路は、デバイス10のオペレーションをコントロールするのに用いられる。この処理回路は1以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)に基づいている。
【0019】
インターネットブラウジングアプリケーション、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VOIP)電話呼び出しアプリケーション、eメイルアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能などの、デバイス10上のソフトウェアを実行するためにストレージ/処理回路28を用いる。外部機器で相互作用をサポートするため、インプリメンテーションすることにおいてストレージ/処理回路28通信プロトコルを使用する。ストレージ/処理回路28の通信プロトコルを用いてインプリメンテーションされる通信プロトコルには、インターネットプロトコルや、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、IEEE802.11プロトコル、これは時には、WiFi(登録商標)とも称される)や、そしてBluetooth(登録商標)プロトコル,セルラー電話プロトコル,MIMOプロトコル,アンテナ多様性プロトコルなどの他の短距離無線通信リンクのためのプロトコルを含む。オペレーションをチューニングするアンテナシステムは、デバイス10に記憶され実行する(すなわち、ストレージ/処理回路28上で記憶され実行するか、入力−出力回路30の少なくとも何れか1つ)のソフトウェアを用いて制御される。
【0020】
入力−出力回路30は入力−出力デバイス32を含む。この入力−出力デバイス32により、データがデバイス10に供給されること、そしてデータがデバイス10から外部デバイスに提供されるようになる。入力−出力デバイス32はユーザインタフェースデバイス、データポートデバイス、及び他の入力−出力部品(コンポーネント)を含む。例えば、入力−出力デバイスは、タッチスクリーン、タッチセンサ能力なしのステップ、ボタン、ジョイスティック、クリック・ホィール、スクローリング・ホィール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、カメラ、ボタン、スピーカー、状態インジケータ、光源、音声ジャック及び他のオーディオポート・部品、デジタルデータポートデバイス、光センサ、動きセンサ(アクセルメータ)、キャパシタンスセンサ、近接センサなどを含む。
【0021】
入力−出力回路30は、外部機器と無線で通信するための無線通信回路34を含む。無線通信回路34は、無線周波数(RF)トランシーバ回路を含み、1以上の集積回路、パワー増幅回路、低ノイズ入力増幅器、パッシブ方RF部品、1以上のアンテナ、伝送ライン、及びRF無線信号を処理するための他の回路から上記RFトランシーバ回路は形成される。また、光源を用いて(例えば、赤外線通信を用いて)無線信号を送信する。
【0022】
無線通信回路34は、様々な無線周波数通信バンドを処理するための無線周波数トランシーバ回路90を含む。例えば、無線通信回路34は、トランシーバ回路36、38、42を含む。トランシーバ回路36は、WiFi(IEEE802.11)通信のための2.4GHz及び5GHzバンドを処理し、2.4GHzBluetooth(登録商標)通信バンドを処理する。無線通信回路34は、セルラー式電話トランシーバ回路38を使用して、850MHz、900MHz、1800MHz、1900MHz、2100MHzデータバンド(一例であるが)のセルラー電話バンドにおける無線通信を処理する。無線通信回路34は、音声データ及び非音声データを処理する。無線通信回路34は、必要に応じて、他の短距離及び長距離無線リンクの回路を含む。例えば、無線通信回路34は、60GHzトランシーバ回路、テレビ及び無線信号を受信する回路、げージングシステムトランシーバなどを含む。
【0023】
無線通信回路34は、1575MHzでグローバル・ポジショニング・システム(GPS)信号を受信したり、又は他の衛星ポジショニングデータを処理するGPSレシーバ機器(GPSレシーバ回路42)を含む。WiFi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)リンク、並びに他の近距離無線リンクにおいて、無線信号は数10又は数百フィートを超えてデータを運ぶために使用されるのが典型的である。セルラー式電話リンク及び他の長距離リンクの場合、数千フィート又はマイルを超えてデータを運ぶために無線信号を使用システムするのが典型的である。
【0024】
無線通信回路34はアンテナ40を含む。アンテナ40は、任意の適したアンテナタイプを用いて形成される。例えば、アンテナ40は、ループアンテナ構造、パッチアンテナ構造、逆Fアンテナ構造、スロットアンテナ構造、平面逆Fアンテナ構造、ヘリカルアンテナ構造、これらの設計のハイブリッド型のもの等から形成される共振エレメントを備えたアンテナを含む。各タイプのアンテナは、それぞれのバンド及びバンドの組み合わせのために用いられる。例えば、1つのタイプのアンテナはローカル無線リンクアンテナを構築するために、そして別のタイプのアンテナは遠隔無線リンクアンテナを構築するために用いられる。
【0025】
或る適したアレンジメントによれば、デバイス10は、上部領域22及び下部領域20といったデバイス10の領域にあるアンテナを有する。デバイス10に関する1以上の上部アンテナは上部領域22で形成される。デバイス10に関する1以上の下部アンテナは下部領域20で形成される。ラップトップコンピュータ、タブレット型コンピュータ、装着型デバイス、集積部品を備えたコンポーネントモニタなどの他の形式の要因をもつデバイスの場合、他の適した領域(例えば、矩形デバイスの4つのコーナーに、前後表面に、デバイスの端に沿って、1以上のアレイの中になど)に配置される。
【0026】
図3に示すとおり、トランシーバ回路90は伝送ライン140を用いてアンテナ40と結合する。デバイス10は、固定アンテナ構造(例えば、40A)及び調整可能なアンテナ構造(40B)の両方を含むアンテナ40を有する。固定アンテナ構造及び調整可能なアンテナ構造の双方を含むコンフィグレーションは、例えば、1つのブロードバンドアンテナのみについて利用するのに充分な空間があるときに用いられる。このタイプのアレンジメントにおいて、固定アンテナ構造40Aはマルチ通信バンドをカバーするブロードバンド設計を仕様するが、調整可能なアンテナ構造40Bは、粗いアンテナシステムチューニングの使用を通じてマルチバンド通信領域を達成する狭バンドの設計を使用する。例えば、デバイス10は調整可能なアンテナ構造を専有して備える。一般的に、調整可能なアンテナの適した数がデバイス10に提供される(例えば、1つの調整可能なアンテナ、2つの調整可能なアンテナ、3つの調整可能なアンテナ、4つの調整可能なアンテナなどである)。
【0027】
デバイス10が調整可能なアンテナシステムを含むとき(すなわち、アンテナ40及びデバイス10内の関連する無線回路34が調整可能であるとき)、アンテナのパフォーマンスをリアルタイムで変更することができる。例えば、アンテナシステムの共鳴曲線は、温度変化といった環境要因を補償するやめに僅かだけ変更される。アンテナシステムの周波数応答に対する比較的小さな調整は、時として、微チューニング調整又は微チューニングとも呼ばれる。必要に応じて、アンテナシステムの周波数応答は大きな量により調整される。例えば、そのアンテナが異なる通信バンドをその通信領域とするように、アンテナシステムの周波数応答を充分に変更する。
【0028】
デバイス10における例示のアンテナシステムに関する定在波比(SWR) 対 周波数のプロットを図4に示す。例示の図4の場合、アンテナシステムは2つのモードをオペレートする。第1のモードのオペレーションにおいて、アンテナシステムは実線142により示されたタイプの周波数応答により特徴付けられる。図4に示すとおり、この周波数応答により、アンテナシステムは2つの通信バンド(即ち、周波数faを中心とする第1の通信バンドと、周波数fbを中心とする第2の通信バンド)をカバーする。第2のモードのオペレーションにおいて、アンテナシステムは点線144により示されたタイプの周波数応答により特徴付けられる。第2のモードのオペレーションにおけるオペレーティングのとき、アンテナシステムは周波数fcでの1つの通信バンドと、周波数fdでの別の通信バンドとをカバーする。周波数バンドfa及びfbは例えば850MHz及び900MHz周波数バンドであるのに対して、周波数バンドfc及びfdは例えば1900MHz及び2100MHz周波数バンドである。デバイス10のオペレーティング中、デバイス10は、どの通信バンドが用いられ、そして調整可能なアンテナシステムを調整できるかを決定する(即ち、曲線142に関連した周波数レンジをカバーしたり、曲線144に関連した周波数レンジをカバーしたりする)。
【0029】
必要に応じて、デバイス10は、低バンド(fa及びfb)及び高バンド(fc及びfd)の両方をカバーする固定アンテナ(図3の固定アンテナなど)を含む。図4に関連して述べるとおり、デバイス10は、固定アンテナによりカバーされる同一バンドを選択的にカバーし得る第1のモード及び第2のモード間で調整される調整可能なアンテナシステムを有する。
【0030】
デバイス10の調整可能なアンテナシステムを用いた微チューニング調整を図5に示す。図5に示すとおり、調整可能なアンテナシステムは、当初、固定ライン146により示されるタイプの周波数応答を示す。オペレーティング温度又は他の効果における変更により、アンテナの周波数応答は、信号を正確に送受信することを保証するよう調整される必要がある。これは、デバイス10の調整可能なアンテナシステムを調整することによって実現され、その結果、その周波数応答は、点線148が示す周波数応答に対して僅かだけだがシフトする(すなわち、周波数シフトΔf)。図5の微チューニング調整及び図4の粗いチューニング調整といったリアルタイム調整は、デバイス10が必要に応じて様々な無線トラフィック/環境シナリオに下で実行することを保証している。
【0031】
図6はデバイス10における調整可能なアンテナシステムに含まれる電気部品を例示的に示す。図6に示すとおり、無線周波数トランシーバ回路90により無線周波数信号を生成し受信する。無線周波数トランシーバ回路90は、無線周波数信号を送信するための送信機(トランスミッター)と、無線周波数信号を受信するための受信機(レシーバー)とを含む。無線周波数増幅回路及び他の部品(例えば、スイッチ)は、トランシーバー回路ブロック90に含まれる。
【0032】
調整可能なアンテナシステム150は、アンテナ40、マッチングネットワーク152,伝送ライン140を含む。
【0033】
アンテナ40は、ループアンテナ構造、パッチアンテナ構造、逆Fアンテナ構造、スロットアンテナ構造、平面逆Fアンテナ構造、ヘリカルアンテナ構造、これらの設計のハイブリッド型のもの等の、アンテナのアース端子及び共振エレメント構造を含む。
【0034】
伝送ライン140はトランシーバ回路90に結合される。伝送ライン140は、マイクロストリップ伝送ライン構造、ストリップ伝送ライン構造、マイクロストリップ伝送ライン構造に結合されたエッジ、フレキシブルプリント回路(フレックス回路)上に形成された伝送ライン構造、固定プリント回路基板上に形成された構造、同軸ケーブル、他の適した伝送ライン構造、又はこれらの構造の組み合わせに基づいている。
【0035】
マッチングネットワーク152は、伝送ライン140のインピーダンスをアンテナ40のインピーダンスにあわせることを助けるために用いられる。マッチングネットワーク152は、抵抗器、インダクター、キャパシター、導電配線、金属片、関連の抵抗器・インダクター・キャパシターをもつ他の構造といった電子部品を含む。伝送ライン140とアンテナ40との間に介在されるものとして図6に示されるのであるが、マッチングネットワーク要素は、必要であれば、伝送ライン140の中、アンテナ40の中の少なくとも何れかに置かれる。ただし、図6のアレンジメントは単に例示に過ぎない。
【0036】
正の(ポジティブ)アンテナフィード端子156及びアース端子(グランド)アンテナフィード端子158から形成されるアンテナフィードを用いてアンテナ40に動力が供給される。
【0037】
アンテナシステム150に調整機能をもたせるために、アンテナシステム150は1以上の調整可能な電子部品を備える。これらの部品はアンテナ40(アンテナ電力供給部を含む)、マッチングネットワーク152、伝送ライン140に組み入れられる。
【0038】
図7は例示のアンテナ図である。図7において、アンテナ40は逆Fコンフィグレーションを有する。しかしながら、これは単なる例示に過ぎない。アンテナ40は任意の適したアンテナ設計を用いながら形成される。
【0039】
図7に示すとおり、アンテナ40はアンテナアース端子(グランド)160、及びアンテナ共振要素162を含む。
【0040】
アンテナアース端子(グランド)160及びアンテナ共振要素162は、金属片、プリント回路基板上の金属配線、電子デバイス・ハウジングの一部、伝導性部品、及びデバイス10内の他の伝導性要素といった伝導性構造体より形成される。1つの伝導性構造体又は複数の伝導性構造体から、アンテナアース端子(グランド)160を形成する。アンテナ共振要素162は、メインの共振よす及びブランチ164と、付加的なブランチを有する。アンテナ共振要素162セグメント166は、グラウンド160に対するアーム164を短絡させる。
【0041】
トランシーバ回路90は、アンテナフィード端子156,158に結合される。重複記載を避けるために、マッチングネットワークのコンポーネント及び電送ライン構造は図7に示していない。
【0042】
アンテナ40及びアンテナシステム150の他の構造は、スイッチと、連続的及び半連続的に調整可能な電子部品といった調整可能な電子部品を備える。例えば、調整可能な電子部品はアンテナ共振要素アーム164の部分間、又は図4に示したタイプのアンテナにおけるアース端子(グランド)160の部分間に結合される。調整可能な電子部品は図6のマッチングネットワーク152又は伝送ライン140の中に組み込まれる。アンテナ40のアンテナフィードは調整可能な電子部品(例えば、フィード端子に結合された調整可能な電子部品)を用いて調整される。
【0043】
調整可能なアンテナシステム150に対する調整を施す調整可能な電子部品の使用を図8に示す。図8に示すとおり、調整可能なアンテナシステム150は、調整可能なアンテナシステム部分150A,150Bを含む。当該部分150A,150Bは、アンテナ共振要素構造、アンテナアース端子(グランド)要素構造、プラスティックアンテナ構造(例えば、他のアンテナ構造に結合された近接フィールドであるアンテナ構造)のアンテナフィード構造、他のアンテナ構造、マッチングネットワーク構造、伝送ライン構造(例えば、伝送ラインのスタブ)、他のアンテナシステム構造、又はこれら構造の任意の組み合わせであり得る。
【0044】
調整可能な電子部品168は、アンテナシステム部分150Aに接合される端子170などの第1の端子と、アンテナシステム部分150Bに接合される端子172などの第2の端子とを有する。調整可能な電子部品168は、コントロール入力174に適用されるコントロール信号を用いて調整されたり、或いはコントロール信号を端子170,172上で適用する2端子アレンジメントを用いてインプリメント(実装)される。調整可能な電子部品168を用いた調整可能な電子部品の例は、スイッチ、可変抵抗器、可変キャパシター、可変インダクター、多種の電気パラメータを制御するコンポーネントを含む。
【0045】
図9は、調整可能な電子部品がスイッチを用いてどのようにしてインプリメント(実装)されるかを示す。図9のスイッチ168はオープンな状態で配置され、この場合、アンテナシステム部分150Aはアンテナシステム部分150Bとは電気的に孤立されたり、或いはクローズな状態で配置され、この場合、端子170,172は共に短絡させられ、その結果、アンテナシステム部分150A,150Bは電気的に接続する。スイッチ168はガリウムヒ素電解効果トランジスタ(EFT)、マイクロ電気機械システム(MEM)スイッチ、金属酸化膜半導体電解効果トランジスタ即ちモス電解効果トランジスタ(MOSFET)、p−i−nダイオード、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、擬似形態HEMT(PHEMT)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)に形成されたトランジスタなどを用いてインプリメント(実装)される。
【0046】
図10に示すとおり、調整可能な電子部品168は、膨大な異なる状態に置かれたコンポーネント(例えば、連続的に変化したり半連続的に変化し、かつ、多数の各分離した状態の一つに置かれ得るコンポーネント)を用いて実行される。電子部品168は、例えば、連続的に変化するキャパシター、2〜100又はそれ以上の異なるキャパシタンス値をもつ半連続的に調整可能なキャパシター、連続的に変化する抵抗器、2〜100又はそれ以上の異なる抵抗値をもつ半連続的に調整可能な抵抗器、連続的に変化するインダクター、2〜100又はそれ以上の異なるインダクタンス値をもつ半連続的に調整可能なインダクターである。例えば、図11は、調整可能な電気部品168がどのようにして連続的に変化するキャパシターを含むかを示す。半連続的に調整可能な電気部品は、分離した部品のアレイ(配列)を用いてインプリメント(実装)され、スイッチは乗算器として機能するように構成される。
【0047】
必要に応じて、調整可能な電子部品168は、他の調整可能な電子部品から形成される。図12に示すとおり、例えば、半連続的に調整可能な電気部品168は、インダクター(L1及びL2)を含むで電気ネットワークから形成される。電気ネットワーク内の所望のパターンの電気接続を形成するのに、スイッチ(例えば、図12のスイッチSWA及びSWB)を用いる。例えば、使用する部品内外にスイッチし、異なる方法で内部接続したりする。図12において、端子170と端子172との間に示されるインダクタンスは、様々なパターンのスイッチSWA及びSWBを開閉することによって調整される。電子部本の他のパターン(キャパシター、抵抗器、インダクター、並びにキャパシタンスとインダクタンスと抵抗をもつ伝導性及び誘電性の構造体、並びにキャパシターと抵抗器とインダクターとして機能するもの)を有するネットワーク、他のパターンのスイッチ、又は連続的若しくは半連続的に調整可能な電気部品も、調整可能な電気部品168をインプリメント(実装)するために用いられる。ただし、図12の例は単に例示に過ぎない。
【0048】
図7のアンテナ40など、逆Fアンテナに基づく例示の調整可能なアンテナシステム150を図13に示す。アンテナ40のメイン共振要素アーム164は、(スイッチ176が閉じて、スイッチ178が開く場合)パス132Aなどのショート回路パスを通って、又は(スイッチ176が開いて、スイッチ178が閉じる場合)パス132Bなどのショート回路パスを通って、アース接地(グラウンド)160に接続する。フィードパス(例えば、端子158及び108参照)、及び調整可能な電気部品120(例えば、スイッチ)により形成されたパスなどの1以上のオプショナル・パス、要素122(例えば、連続的若しくは半連続的に調整可能な部品)により形成されたパス、及び調整可能な電気部品124,126(例えば、スイッチ及び連続的に調整可能な部品のそれぞれ)により形成されたパス。ブランチ130などのオプショナルアンテナ共振要素ブランチは、(例えば、ブランチ130をメインの共振要素アーム164へと調整可能な電気部品128を介して接続することによって)アンテナ40に接合される。
【0049】
アンテナ40は、トランシーバ90(すなわち、図2のトランシーバ回路90)によって動力が供給される。伝送ライン140は、正の(ポジティブ)アンテナ信号パス94,104及びアース端子(グランド)アンテナパス92,106などのパスを有し、そしてトランシーバ90とアンテナ40との間の無線周波数アンテナ信号を運ぶために用いられる。
【0050】
マッチング回路152は、トランシーバ90とアンテナ40との間のパスの間に置かれる。マッチング回路152は、シリーズで接続され且つ短絡接続された調整可能な電気部品101,100を含む。1以上の調整可能な電気部品100,102は、伝送ライン140と付加的伝送ライン部品及び他の電気部品との間で接合される。例えば、伝送ラインのスタブ140などの部品は、部品100を介して伝送ライン140に接合される。調整可能なアンテナシステム150で使用される調整可能な電気部品どれも、必要に応じて伝送ライン構造を含む。
【0051】
正の(ポジティブ)アンテナ信号パス104と、アース端子(グランド)伝送ラインパス106などの伝送ラインパスは、マッチング回路152をアンテナ40のアンテナフィードに内部接続するために用いられる。このアンテナフィードは、固定であったり、又はチューニング可能な構成を有する。図13の例の場合、アンテナ40のアンテナフィードは、第1のアンテナフィード構成と第2のアンテナフィード構成との間でチューニング可能である。第1のアンテナフィード構成において、スイッチ118(又は他の調整可能な電気部品)は第1のポジションを有し、第2のアンテナフィード構成において、スイッチ118は第2のポジションを有する。スイッチ118が上記第1のポジションにあるとき、端子108は端子156Aに接続され、端子156Aがアンテナ40の正の(ポジティブ)アンテナフィード端子として機能する。スイッチ118が上記第2のポジションにあるとき、端子108は端子156Bに接続され、端子156Bがアンテナ40の正の(ポジティブ)アンテナフィード端子として機能する。
【0052】
フィード端子156A,156Bは、メインの共振要素アーム164の長てに沿ったそれぞれの位置に配置され、インピーダンス及びアンテナ40の周波数応答は、スイッチ118を用いて調整されアンテナ40のフィードロケーションを制御する。図13のアレンジメントは単に例示に過ぎない。一般的に、デバイス10におけるアンテナ40などのアンテナは、2以上のフィードポイント、1、2、3又は3以上のスイッチに関係するチューニング可能なフィード、アース接地(グラウンド)アンテナフィードによってチューニング可能なフィード及び/又はポジティブアンテナフィードを調整することによってチューニングされるフィード、チューニング可能でないフィードなどから形成されるチューニング可能なフィードを有する。
【0053】
調整可能な電子部品をアンテナ40(例えば、アンテナ共振要素162)に組み入れることによって、アンテナ40は図4及び図5に関連して記載したように調整する。例えば、アンテナ40の共振要素162などのアンテナ構造のサイズ及び形状は、ストレージ/処理回路28によって制御される。図13のアレンジメントにおいて、調整可能な電子部品128は、例えば、2つの状態(例えば、アンテナ共振要素部164からアンテナ共振要素部130を電気的に非接続にするオープン状態と、アンテナ共振要素部164とアンテナ共振要素部130を電気的に接続にするクローズ状態)をもつスイッチであり得る。電子部品128はアンテナ共振要素のサイズ及び形状を調整し、これにより図4及び図5に関連して記載したようにアンテナの周波数応答を調整する。追加的なアンテナ共振要素構造及びアンテナ構造は、同様に、アンテナ40のアンテナ共振要素から必要に応じて接続したり非接続にしたり選択的に行なわれる。電気部品(例えば、抵抗器、インダクター、及びキャパシター)は、スイッチ128(例えば、インピーダンス・マッチング)などのスイッチで内部接続される。また、アンテナ40は、調整可能な部品120,122,124,126(例示であるが)などの部品をコントロールすることによって調整される。
【0054】
図13の調整可能な部品は、時として、他の図の調整可能な電気部品168として表示される。図14は、調整可能なアンテナシステム150がどのようにして調整可能な伝送ラインを含むかを示す。調整可能な伝送ライン140は、調整可能な電気部品168などの1以上の調整可能な電気部品を含む。調整可能な電気部品168は、伝送ライン140の属性を選択的に調整するのに用いられる。例えば、調整可能な電気部品168は、伝送ラインのスタブ140’を、伝送ライン140内のメインの伝送ラインパスに接続し、そして伝送ライン140内のメインの伝送ラインパスから伝送ラインのスタブ140’を非接続するのに用いられる。伝送ライン140の属性を調整することによって、アンテナ(即ち、調整可能なアンテナシステム150)の周波数応答は、(一例であるが)図4及び図5に関連して記載されたように制御され得る。
【0055】
図15は、図1の電子デバイス10の内部斜視図であり、調整可能な電気部品10がどのようにして周辺伝導部180などの伝導性構造体を含むかを示す図である。前方から眺めたとき(即ち、ディスプレイ14を含むデバイス10の面から眺めたとき)、デバイス10は矩形の外形(周辺部)を有する。伝導性周辺部180は、金属又は他の伝導性金属材質を用いてインプリメント(実装)される。伝導性周辺部180は、デバイス10の矩形の周辺部の実質的にすべてを囲んでいる。伝導性周辺部180は、ディスプレイ140のためのディスプレイ・ベゼル(周囲枠)、又はデバイス10のトリム(縁飾り)構造といった、即ち、デバイス10の前方にある上縁まわりを走るベゼル又はトリム片の形状を有する。或いは、(一例であるが)ハウジングの壁の実質的にすべてをカバーするハウジング横壁を形成する平面部若しくは曲線部を用いてインプリメント(実装)される。1つのギャップ又は複数のギャップ(例えば、ギャップ182など)は、伝導性周辺部180に組み込まれる。ギャップ182は、誘電体(例えば、空気、プラスチック、ガラス、セラミック、合成物、他の誘電体、又はこれら材質の組み合わせたもの)から形成される。ギャップ182は、デバイス10内のアンテナ(例えば、アンテナ40)の一部を形成する。
【0056】
トランシーバ90は、プリント回路基板194などの基盤にマウントされる1以上の集積回路及び他の電気部品などを用いてインプリメント(実装)される。プリント回路基板194何及び伝送ラインの配線(即ち、伝送ライン140A)は、トランシーバ90と無線周波数コネクタ186との間に接合される。無線周波数コネクタ186は、同軸ケーブルセグメント又は他の伝送ライン104Bに接続される。伝送ライン104Bはマッチングネットワーク(例えば、図13のマッチングネットワーク152)及びアンテナフィード(例えば、アンテナフィード端子158,156で構成されているアンテナフィード)に接合される。アンテナフィードは、例えば、ギャップ182の一つを越えて接合されたり、デバイス10の他の場所に配置される。
【0057】
調整可能な電気部品168はアンテナ40に含まれ、調整可能なアンテナシステム150が調整機能を備えることを助ける。一例として、調整可能な電気部品は(例えば、周辺伝導部180内のギャップの反対側にある端子190,192間の部品168の一つに接続することによって)ギャップ182の一つをブリッジする。また、調整可能な電気部品168は、調整可能なアンテナシステム150内の他の伝導部品間(例えば、周辺伝導部180に取り付けられる端子198などの第1の端子と、基盤194(例えば、アース接地であるグラウンド平面の配線)内の導電配線194に接続する端子188などの第2の端子との間)も接続する。
【0058】
図15のデバイス10などのデバイスは、必要に応じて、例示の平面構造体196といった平面部を有する。構造体196は、後部ハウジング面(即ち、ハウジング12の後部面にある外部はウイング壁構造体)の一部を形成したり、又は内部平面部(即ち、図15に示すデバイス10の一方又は両方の終端にある誘導物で埋められた開口部184といったスロット形状の開口部を閉じたり開けたりしながら、デバイス10の幅にわたる内部ハウジング構造物)を形成したりする。平面構造体196は、金属若しくは他の伝導性構造物から作られ、必要に応じてアンテナ40のためのアンテナグラウンド兵権を形成するのに用いられる。
【0059】
周辺伝導部180内のギャップ182のサイズに対して調整機能をもたらすため、調整可能な電気部品168を使用する。例えば、図16に示すアレンジメントを考慮するとする。デバイス10の周辺伝導部180は、マルチ隣接ギャップ182を有する。例えば、図16において、周辺伝導性ハイジング部180は2つのギャップ182をもち、その一つはG1の長さ(幅)を有し、二つめはG2の長さ(幅)を有する。調整可能な電気部品168A,168Bは、(例えば、周辺伝導部180の内部側にある)ギャップ182をブリッジする。例えば、調整可能な電気部品168Aは、周辺伝導部180の部分200に電気接続する第1の端子と、周辺伝導部180の部分202に電気接続する第2の端子とをもつ。調整可能な電気部品168は、周辺伝導部180の部分202に電気接続する第1の端子と、周辺伝導部180の部分204に電気接続する第2の端子とをもつ。デバイス10の他の調整可能な電気部品168とともに、図16の調整可能な電気部品168は、スイッチを用いて、可変キャパシター、可変抵抗器、及び可変インダクターなどの連続的又は半連続的に変化する部品、又は連続的又は半連続的に調整可能な回路ネットワークなどをインプリメント(実装)する。
【0060】
図16に示すタイプの構成(コンフィグレーション)は、ギャップ182の電気特性を調整すること、及び効果的なギャップ長さを調整すること(即ち、ギャップ幅を電気的に調整すること)のために用いられる。例えば、図16に示すとおり、具体的には例えば、182の最外部(最も離れた)間にギャップ長さ(幅)G3がある。調整可能な電気部品168は、例えばスイッチである。本タイプの構成の場合、スイッチ168Aは最左部のギャップ182を使用に切り替えるために開(オープン)にし、又は、この最左部のギャップをバイパスするために閉(クローズ)にする。スイッチ168Bは最右部のギャップ182を使用に切り替えるために開(オープン)にし、又は、この最右部のギャップをバイパスするために閉(クローズ)にする。スイッチ168A及び168Bが共に開のとき、アンテナ40は周辺伝導部180の内で連続して接続された(幅G1,G2の)2つのギャップをもち、したがって、それらギャップは効果的な幅G3を有するよう考慮される。スイッチ168Aが閉じてスイッチ168Bが開くとき、幅G2のギャップのみが存在する。スイッチ168Bが閉じてスイッチ168Aが開くとき、幅G1のギャップのみが存在する。両方のスイッチ168が閉じるとき、どんなギャップも存在しない。スイッチ168Aと168Bの状態のアレンジメントは、(例えば、ストレージ/処理回路28からスイッチ168へ制御信号を適用することによって、)周辺伝導部180内のギャップの幅を調整することができる。スイッチ以外の調整可能な電気部品が用いられる(例えば、可変キャパシターやインダクターなど)。インピーダンス調整及び効率的なギャップ幅調整の組み合わせが行なわれる。
【0061】
図16の例において、調整可能な電気部品168は、周辺伝導部180の異なる部分をそれぞれ接続させる。また、調整可能な電気部品168は、ハウジング12の他の伝導性部分とともにアンテナシステム150の他の伝導性部分を接続するために用いられる。一例として、調整可能な電気部品168は、図17の構造体196などの平面構造体のそれぞれの部分を一緒に取り付けるのに用いられる。構造体196は後部ハウジング構造体(例えば、ハウジング壁)、内部ハウジング部、他の伝導性構造体のすべて若しくは幾つかを用いて形成される。
【0062】
構造体196は、例えば、図17の開口部184’などの開口部を有する。開口部184’は、開口部184に隣接し、且つ、開口部184の外延を形成する。開口部184(及び外延長184’)は、アンテナ40の開口部(例えば、スロットアンテナ、ループアンテナ、ハイブリッドアンテナなどの開口部)を形成する。
【0063】
開口部184は内部縁Pを有する。内部縁Pの長さ及びアンテナ40の他の電気特性は、電気部品168を調整することによって調整される。例えば、電気部品168のスイッチを用いることによって、開口部184’のサイズ及びしたがって内部縁Pの長さが調整される。スイッチ168C及び168Dの両方が開であるならば、外延長184’のサイズ及び内部縁Pの長さが最大化される。スイッチ168Cが開であり、スイッチ168Dが閉であるならば、外延長184’のサイズは1/2とされる(一例であるが)。スイッチ168C(及び、必要に応じて168D)は、開口部184’のサイズを更に小さくするために閉じられる(又は開口部184’を完全にバイパスする)。内部縁Pが前記例えば、によって処理される無線周波数アンテナ信号の約1波長に等しいとき、アンテナ40は共振ピークを呈する。この内部縁Pを調整することにより、アンテナ40の周波数応答は図4及び5に関連して述べたように(即ち、スロットアンテナやループアンテナなどの中心周波数を調整することにより)調整される。
【0064】
図18は、調整可能なアンテナシステム150のアンテナ40がどのようにしてアンテナのアース端子平面部の各部分間で、1以上の調整可能な電気部品168を提供することにより調整されるかを示す。例えば、図18において、アース端子平面部160は、アース端子平面部分160A及びアース端子平面部分160Bを含む。調整可能な電気部品168は、部分160A及び部分160Bの間のギャップをブリッジする。調整可能な電気部品168をコントロールすることによって、アース端子平面部160は変更したり(例えば、部分160Bがアンテナ40から非接続にされる一方で、部分160Aを含むようにする)、部分160A及び部分160Bの両方を含む(即ち、部分160A及び部分160Bをブリッジギャップ206によってカップリングする)。調整可能な電気部品168は、例えば、部分160Aから部分160Bを非接続にするように開いたり、部分160A及び部分160Bを接続するように閉じるスイッチである。調整可能な電気部品168は、調整可能なキャパシター、調整可能なインダクター、アンテナ40をチューニングし得る他の調整可能な回路といった部品である。
【0065】
必要に応じて、図19の平面構造体196を用いてアース端子平面部160をインプリメント(実装)する。平面構造体196は、例えば、外部ハウジング構造体(例えば、ハウジング12内の平面後部ハウジング壁)、内部ハウジング構造体(例えば、内部プレート、若しくは他の平面サポート構造体)、又は他の伝導性構造物である。平面構造体196は、その部分160’及び160’’を分離する誘電ギャップ208を有する。ギャップ208は調整可能な電気部品168(例えば、スイッチ、連続的に調整可能な部品など)を用いてブリッジされ、これによりアンテナ40のパフォーマンスをチューニングする。
【0066】
図20に示すとおり、トランシーバ90はプリント回路基板などの基盤にマウントされ、そして伝送ライン140を介してフレキシブル回路基板210上のアンテナ40と接合する。伝送ライン140は、例えば、プリント回路基板内において伝導性の配線及びフレキシブル回路基板210内において伝導性の配線を含む。フレキシブル回路基板210は、ポリイミドの膜、又はプリント回路基板として機能する他のフレキシブルポリマー膜から形成される。アンテナ40の伝導配線(例えば、配線212,214などの伝導性金属アンテナ共振要素配線)は、フレキシブル回路基板210の外表面上に形成されたり、内部伝導配線から形成される。
【0067】
調整可能な電気部品168は、伝導性アンテナ構造物(例えば、構造物212,214)をブリッジする。電気部品168は、例えば、構造物212から構造物214を非接続にするよう開けたり、構造物214,212を接続するよう閉じることができるスイッチである。構造物21,214は、アース接地平面湯及び素の一部、アンテナ共振要素162の一部(例えば、図13のアーム130など)、寄生要素の部分(例えば、その存在がアンテナシステム150の周波数応答に影響を及ぼすアンテナ要素であるが、伝送ライン140により直接電力供給されるというよりもアンテナに接合された近距離であるもの)を形成する。必要に応じて、フレキシブル回路基板210は、電気部品216などの1以上の電気部品にとっての基盤として用いられる。電気部品216は、例えば、カメラモジュール、スピーカモジュール、ボタン構造物、集積回路、コネクタ、又は他の部品(例えば、配線214に接続され得る伝導性構造体を含む部品)である。これらの部品は、伝導配線212及び214の部分を用いて、若しくは各々の伝導配線を用いて、フレキシブル回路基板210にマウントされる。
【0068】
一例として、電子デバイス10がカメラモジュールを含むアレンジメントを考えるとする。カメラモジュール(例えば、図2の入力−出力デバイス32の一つ)は、フレキシブル回路基板210にマウントされる。フレキシブル回路基板210の配線は、カメラモジュールに対して電力及び制御信号を供給するために用いられ、カメラモジュールからデータ信号を集めるのに用いられる。配線212及び214は、カメラモジュールと同じフレキシブル回路基板にマウントされ、これによりデバイス10内での部品点数を減少させて空間を節約することになる。調整可能な電気部品168は、選択的なスイッチが、フレキシブル回路基板210上の伝導性材質(例えば、フレキシブル回路基板210上の配線214、カメラモジュールに関連した伝導性部品、伝導性のアース接地構造体など)を使用されるように調整する。この方法において、調整可能な電気部品168に対する調整は、アンテナ40及び調整可能なアンテナシステム150をチューニングするのに用いられる。
【0069】
図21は、電気部品218などの部品が、1以上の調整可能な電気部品168を用いて、アンテナ共振要素164及びアンテナアース接地160に接合されている調整可能なアンテナシステムの図である。電気部品218は、例えば、カメラモジュール(図20のフレキシブル回路基板210上にある部品216に関連して記載したような、フレキシブル回路基板上のカメラモジュール部品)、スピーカー、ボタン、マイクロフォン、オーディオジャック若しくはデータコネクタなどの入力−出力コネクタである。調整可能な電気部品の1つ又は両方が、調整可能なアンテナシステム150をコントロールするのに用いられる。必要に応じて、調整可能な電気部品168は、電気部品218を他の調整可能なアンテナ構造体(例えば、伝送ライン構造体、マッチング回路構造体、フィード構造体など)と選択的に接合するために用いられる。
【0070】
図22は、電子デバイスに用いられる例示的なコンフィグレーションの斜視図である。図22に示すとおり、電子デバイス10はディスプレイ14などのディスプレイを有する。ディスプレイ14は、カバーガラス層220などの透明なカバー層のすぐ下にマウントされるディスプレイモジュール222を含む。トランシーバ90などの電気部品は、ハウジング12の内部にマウントされる。アンテナ40はフレーム部224,226などの伝導性構造体を含む。アンテナ40は、アンテナ共振要素構造体(例えば、フレキシブル回路基板上の伝導配線)や、アース接地の平面要素(例えば、図15の伝導性プレート196から形成されるグラウンド平面、及びプリント回路基板、コネクタ、ボタン、スピーカー、バッテリーなどのオーバーラップしている伝導性構造体)などの伝導性構造体を含む。
【0071】
例えば図22において、スクリュー228などの留め具を用いて、フレーム部224,226をハウジング12にマウントする。必要に応じて、他のアタッチメント・メカニズムが、ハウジング12内のフレーム部(例えば、溶接部、接着部、バネ部、突起部、はめあいスロットなどの係合手段)に取り付けるために用いられる。フレーム部224,226は、金属又は他の伝導性金属から形成される。調整可能な電気部品168は、フレーム部224,226などのフレーム部がどのくらい多くアンテナ40内で電気的に接続されるかを制御(例えば、アンテナ共振要素アーム又はアース接地平面のサイズの制御)するのに用いられたり、又は他の電気アンテナ特性を制御するのに用いられる。これは、調整可能なアンテナシステム150が図4及び5に関して述べたようにチューニングされるようにすることを意味する。
【0072】
図23は、調整可能な電気部品168などの1以上の調整可能な電気部品が、どのようにして、アース接地平面196と伝導性周辺部180(周辺ハウジングの横壁又はベゼルである周囲枠)との間で結合されるかを示す図である。図23の調整可能な電気部品168は、例えば、オープン若しくはクローズの位置に配置されるスイッチである。伝導性周辺部180及び伝導性構造体196の対向部は、内周辺部により開口部184を定義する。調整可能な電気部品168は、開口延長部184’をブリッジする。開口部184(延長184’を含む)は、即ち、スロットアンテナ又はハイブリッドアンテナのためのスロットを形成する。開口部184の内周辺部の長さは、関心のあるオペレーティング周波数の1波長にほぼ等しい。内周辺部の長さを(長さPまで)減少するためにスイッチ168を閉じたり、又は、内周辺部の長さを(長さP'まで)増加するためにスイッチ168を開く。したがって、電気部品168への調整は、アンテナ40の周波数応答をコントロールするために用いられる。
【0073】
図1〜23に関して述べてきたアンテナシステム調整メカニズムは、必要に応じて、任意の組み合わせで用いられる。例えば、アンテナシステム調整は、伝送ライン調整、マッチングネットワーク調整、アンテナ調整、アンテナフィード調整、アンテナ共振要素調整、アンテナアース接地(グラウンド)調整などの任意の組み合わせを用いながら行なわれる。調整可能な電気部品168は、アンテナシステム150の部分の任意の組み合わせに組み込まれる(例えば、グラウンドギャップをブリッジするため、アンテナ共振要素の部分をブリッジするため、グラウンド平面部をデバイス・ハウジングの伝導性周辺部に接続させるため、ハウジング周辺部の部分を様々なフォーメーションで一緒に接続してこれによりハウジング周辺部の誘電性ギャップの幅を調整するため、伝導性アンテナ構造及びハウジングフレーム部間のコネクションを形成するため、これら構造の任意の組早生をブリッジするためである。)。
【0074】
図24は、図1の電子デバイスなどの調整可能なアンテナシステムにより電子デバイスをオペレーティングすることに関係したフローチャートのステップを示した図である。
【0075】
ステップ230で、どの通信バンドがデバイス10によって用いられるかを決定するためにストレージ/処理回路28(図2)を使用する。例えば、仮に、2.4GHzローカルWiFiリンク上で信号が送信されるのであれば、ストレージ/処理回路28は、調整可能なアンテナシステム150が2.4GHz通信バンドをカバーする(又はカバーすることを続けるべきである)と結論づける。様々な携帯電話バンドの無線通信がサポートされる。ステップ230のオペレーションは、デバイス10の能力、即ち、トランシーバ90の能力)、デバイス10の現在のグラフィック位置(例えば、デバイス10を配置する現在の国)、処理される現在のトラフィック(例えば、どのタイプの携帯トラフィック又はローカルエリアネットワークトラフィックが特定バンド上で最新に受信されているかを決定する)などの決定に関与する。最新アクティブバンド又は入って来るデータを受信するためにカバーされるべき必要のあるバンドに関する情報が、固定アンテナ(例えば、図3に示すタイプのシステムであって、幾つかのアンテナが固定されて、調整可能である)を通して入って来るトラフィックをモニタリングすることにより、或いは、可能性のある関心のあるすべてのバンドを通して調整可能なアンテナシステムを周期的にサイクリングすることによって、集められる。
【0076】
次回のアクティビティ(例えば、データ伝送アクティビティ)に用いられるバンド情報は、最後に使用されたバンド、グラフィク位置、試行錯誤、要求されたバンド使用に対するルックアップテーブル・マッピング・アクティビティなどの機能を基に決定される。
【0077】
ステップ232で、どの通信バンドが調整可能なアンテナシステム150によりカバーされるべきであることの決定後、これに応じて、ストレージ/処理回路28は、対応する制御信号を調整可能なアンテナシステムに発行する。例えば、ストレージ/処理回路28により、調整可能なアンテナシステム150が1900MHzバンドをカバーすべきであることを決定した場合、調整可能なアンテナシステム150内の調整可能な電気部品168に対して制御信号を発行し、1900MHzバンド(一例であるが)をカバーするよう調整可能なアンテナシステム150を構成する。
【0078】
ステップ234で、調整可能なアンテナシステム150内の調整可能な電気部品168は、発行された制御信号によりコントロールされ、これにより、調整可能なアンテナシステム150を粗く(例えば、図4の関して述べたような所望のバンドをカバーするために、及び微細に(例えば、図5の関して述べたような特定の通信バンド内でチューニング精度を向上させるためである)の少なくとも何れかにチューニングする。
【0079】
図24のオペレーション(どのバンド領域に関心があるかを決定するのにモニタリングすること、調整可能な電気部品168の調整方法を決定すること、及び電気部品168したがってシステム150を調整するコマンドを発行すること)が、(適切なトリガー基準の満足度に応じて、スケジュールにしたがって周期的に、連続的になど)リアルタイムで繰り返し実行される。
【0080】
本実施例に従えば、調整可能なアンテナシステムは、電子デバイス・ハウジング内の伝導性周辺部、伝導性周辺部の中に少なくとも1つの誘電性ギャップを含むように提供される。ここでギャップ幅は伝導性周辺部に関連し、そして少なくとも1つの調整可能な電気部品はこのギャップ幅を電気的に調整する。
【0081】
本発明の他の実施例に従えば、伝導性周辺部は電子デバイス内に金属構造体を含み、金属構造体は矩形の周辺部と当該矩形周辺部の実質的にすべてを囲む金属構造体を有する。
本発明の他の実施例に従えば、その金属構造体はディスプレイ・ベゼル(周囲枠)を含む。
本発明の他の実施例に従えば、その金属構造体は電子デバイスのためのハウジング横壁を含む。
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品はスイッチを含む。本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は複数のスイッチを含む。
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は連続的に調整可能な電気部品を含む。
本発明の他の実施例に従えば、連続的に調整可能な電気部品は、調整可能な抵抗器、調整可能なキャパシター、調整可能なインダクターの少なくとも1つを含む。
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は、伝導性周辺部に接続する第1の端子と及び第2の端子を有する。
本発明の他の実施例に従えば、誘電性ギャップは伝導性周辺部の中に複数の誘電性ギャップの少なくとも1つを含み、調整可能な電気部品は複数の調整可能な電気部品の一つを含み、そして各調整可能な電気部品は伝導性ギャップのそれぞれ1つをブリッジする。
【0082】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能なアンテナシステムはその少なくとも一部を伝導性周辺部から形成される調整可能なアンテナを含み、調整可能なアンテナシステムは電子デバイス・ハウジング内にある金属板の部分を含み、調整可能な電気部品は伝導性周辺部に接続された少なくとも1つの端子をもつスイッチを含む。
【0083】
本発明の他の実施例に従えば、矩形の周辺部をもつ矩形ハウジング、無線周波数トランシーバ、アンテナフィードをもつアンテナ、無線周波数トランシーバ及びアンテナフィードにカップリングする伝送ラインパス、矩形周辺部に沿って走る矩形の伝導性周辺部を備えた調整可能な電気部品が提供され、誘電性ギャップ及び少なくともアンテナ部分を形成する部分を有する調整可能な電気部品が提供され、伝導性周辺部に電気的に接合されるとともに、アンテナに応じて周波数を調整する制御信号を受信する制御端子をもつ少なくとも1つの端子を備えた調整可能な電気部品が提供される。
【0084】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品はスイッチを含む。本発明の他の実施例に従えば、電子デバイスは伝送ラインのスタブと伝送ラインのパスとの間に結合され、伝送ラインを使用中及び使用外に切り替える。
【0085】
本発明の他の実施例に従えば、アンテナは調整可能なアンテナであり、そして電子デバイスは無線周波数のトランシーバと接合される固定アンテナを含む。
【0086】
本発明の他の実施例に従えば、この固定アンテナは複数の通信バンドをカバーし、そして調整可能な電気部品は調整可能なアンテナが、この複数の通信バンドの一つであるそれぞれの通信バンドを選択的にカバーするように調整される。
【0087】
本発明の実施例に従えば、無線周波数トランシーバ、ストレージ/処理回路、及び無線周波数トランシーバに結合される調整可能なアンテナシステムを備えた電子デバイスが提供される。調整可能なアンテナシステムは、フレキシブル回路基板上の電気部品に結合される調整可能な電気部品を含み、調整可能な電気部品は、ストレージ/処理回路からの制御信号によって制御され、ストレージ/処理回路は、調整可能な電気部品にその制御信号を適用することによって所望の通信バンドをカバーできるようにするために調整可能なアンテナシステムをチューニングする。
【0088】
本発明の他の実施例に従えば、フレキシブル回路基板上の電気部品はカメラモジュールを含む。
【0089】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は、スイッチ、可変抵抗器、可変キャパシター、可変インダクターの少なくとも1つを含む。
【0090】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能なアンテナシステムは、ストレージ/処理回路により制御される調整可能なアンテナインピーダンスマッチングネットワークを含む。
【0091】
ここに記載したのは本発明の原理を単に例示したのであって、当業者であれば本開示の範囲及び精神から逸脱することなく様々な修正が行なうことができる。上述したように実施例は単独に又は幾つかの組み合わせで実行され得るものである。
【背景技術】
【0001】
本発明は全般的には無線通信の電気回路に関し、より詳細には調整可能なアンテナシステムを有する電子デバイスに関連する。
コンピュータや携帯型電子機器などの電子デバイスは、しばしば無線通信機能を備えている。例えば、電子デバイスは携帯電話バンドを用いて通信するセルラー式電話の電気回路など、長距離無線通信の電気回路を用いる。電子デバイスは近接する設備との通信を扱う際に、短距離無線通信リンクを用いる。例えば、電子デバイスは2.4GHz及び5GHzのWiFi(登録商標)(IEEE802.11)バンド及び2.4GHzのBluetooth(登録商標)バンドを用いて通信する。
【0002】
小型無線デバイスに関する消費者の要求を満たすために、製造業者は、コンパクト構造を用いたアンテナ要素などの無線通信電気回路の実装に絶え間なく奮闘しているのである。しかしながら、従来のアンテナ構造を小型デバイスに適合させるのは難しい。例えば、小さな容量に制限されるアンテナは、より大きな容量の中に実装されるアンテナよりも狭いバンド幅のオペレーティングを露呈することがよくある。アンテナのバンド幅が小さくなってくると、電子デバイスの改善された電気回路を提供するのが望ましいといえる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
無線周波数トランシーバに接続された調整可能なアンテナシステムを含む無線通信の電気回路を備える電子デバイスを提供する。この調整可能なアンテナシステムは、電子デバイス内のストレージ及びプロセス電気回路によりコントロールされる1以上の調整可能な電気部品を含む。この調整可能な電気部品を調整することによって、ストレージ及びプロセス電気回路は調整可能なアンテナシステムをチューニングし、関心のある通信バンドを思い通りにカバーする。
【0004】
調整可能な電気部品は、オープン型又はクローズ型に配置され得るスイッチを含む。また、調整可能な電気部品は、様々な抵抗器、キャパシタンス、インダクタンスを作り出すために連続的に又は半連続的に調整され得る電気部品を含む。アンテナシステムの調整は、トランスミッション・ライン構造、マッチングネットワーク、アンテナ共振要素、アンテナのアース端子、アンテナ給電装置に対して行なわれる。
【0005】
アンテナは伝導性電子デバイス・ハウジングから形成される部分をもつ。電子デバイスは、矩形の周辺部を有する。ディスプレイ・ベゼル(周囲枠)などの伝導性周辺部、又はハイジングの横壁部は、ハウジングの周辺部を囲んでいる。1以上の誘電ギャップは、伝導性周辺部の中に組み込まれる。このギャップをブリッジするのに調整可能な電気部品を使用する。電気部品に制御信号を適用して、ギャップのサイズ及びアンテナシステムの他のパラメータを調整し、これによりアンテナシステムをチューニングする。
【0006】
本発明の更なる特徴の本来的で様々な優位性が、添付の図面及び以下の好ましい実施例の詳細な説明を参照することで明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の一実施例に従った無線通信の電気回路を有する電子デバイスの斜視図の一例である。
【図2】図2は、本発明の一実施例に従った無線通信の電気回路を有する電子デバイスの全体概略図の一例である。
【図3】図3は、本発明の一実施例に従った電子デバイスにおける、固定され調整可能なアンテナ構造を有する無線通信の電気回路の回路図の一例である。
【図4】図4は、本発明の一実施例に従い、関心のある通信バンドをカバーするためにアンテナ構造がどのようにしてオペレーション中に調整され得るかを示したグラフである。
【図5】図5は、本発明の一実施例に従い、オペレーション中、アンテナ応答を上手くチューニングするためにアンテナ構造がどのようにしてオペレーション中に調整され得るかを示したグラフである。
【図6】図6は、本発明の一実施例に従い、トランスミッション・ライン及びマッチングネットワークを用いて、トランシーバがどのようにしてアンテナに給電するかを示している、電子デバイスにおける無線通信の電気回路図である。
【図7】図7は、本発明の一実施例に従った電子デバイスにおける無線通信の電気回路で用いられるアンテナ図の一例である。
【図8】図8は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして接続されるかを示している図である。
【図9】図9は、本発明の一実施例に従い、スイッチなどの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして接続されるかを示している図である。
【図10】図10は、本発明の一実施例に従い、回路要素などの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして連続的に又は半連続的にチューニング可能な電気特性と接続されるかを示している図である。
【図11】図11は、本発明の一実施例に従い、チューニング可能なキャパシターなどの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして連続的に又は半連続的にチューニング可能なキャパシタンスと接続されるかを示している図である。
【図12】図12は、本発明の一実施例に従い、半連続的にチューニング可能な電気ネットワークなどの調整可能な電気部品を用いて、アンテナシステム構造などの回路部品がどのようにして様々に選択できるインピーダンス値を電気ネットワークに提供するスイッチと連続的に又は半連続的に接続されるかを示している図である。
【図13】図13は、本発明の一実施例に従った電子デバイスにおける、調整可能なアンテナシステムの回路図の一例である。
【図14】図14は、本発明の一実施例に従いトランスミッション・ライン・ローディングを調整することによって、アンテナシステムがどのようにして調整されるかを示す、電子デバイスにおける調整可能なアンテナシステムの図である。
【図15】図15は、本発明の一実施例に従い、周辺伝導部及び内部の平面伝導部を有する電子デバイスの内部斜視図であり、調整可能な電気部品がどのようにして周辺伝導部のギャップをブリッジしているかを示す図である。
【図16】図16は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品がどのようにして周辺伝導部のギャップをブリッジしているかを示す伝導性周辺電子デバイス・ハウジングの内部部分の内部斜視図である。
【図17】図17は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品がどのようにして内部平面伝導部の異なる部分と接続するために用いられているかを示す電子デバイスの上面図である。
【図18】図18は、アンテナの一例を示し、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品がどのようにしてアンテナのアース端子平面部の異なる部分と接続するために用いられてきたかを示している。
【図19】図19は、本発明の一実施例に従い、調整可能な電気部品を用いて、接続されている複数の領域をもつ伝導性周辺ハウジング部及び内部の平面構造を有する電子デバイスの図である。
【図20】図20は、本発明の一実施例に従い、固定してプリント回路基盤にマウントされ、フレキシブル回路に接続された無線周波数トランシーバの内部斜視図であり、そこでは、伝導性アンテナ構造が調整可能な電気部品によって導電フレキシブル配線及びオプション的にフレキシブルマウントされた電気部品と接続されている態様を示す。
【図21】図21は、本発明の一実施例に従い、カメラや他のデバイス構造をマウントしたフレキシブル回路などの伝導性構造をもつ電気部品が、調整可能な電気部品を用いて、アンテナ部分に接続されている調整可能なアンテナシステムの図である。
【図22】図22は、本発明の一実施例に従い、伝導性フレーム部及び調整可能な電気部品を含む調整可能なアンテナシステムを使用する無線周波数トランシーバ回路などの電気部品を有する電子デバイスの斜視図である。
【図23】図23は、本発明の一実施例に従い、伝導性周辺ハウジング部を、伝導性平面内部ハウジング部に接続する調整可能な電気部品を用いて、調整可能なアンテナシステムがどのようにして形成されるかを示す電子デバイスの上面図である。
【図24】図24は、本発明の一実施例に従い、調整可能なアンテナシステムにより電子デバイスをオペレーティングすることに関係したフローチャートのステップを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1のデバイス10などの電子デバイスは、無線通信電気回路を備える。この無線通信電気回路は、長距離無線通信(例えば、セルラー式電話バンドの通信)などの無線通信、及び短距離通信(すなわち、WiFi(登録商標)リンク、Bluetooth(登録商標)リンク等)をサポートするために使用される。無線通信電気回路は1以上のアンテナを含む。アンテナ及び電子デバイス内の関連する無線通信電気回路は調整可能である。或るバンド(すなわち、アンテナシステムが上手くチューニングされるバンド)内のアンテナ応答を調整するよう、調整可能なアンテナシステムが調整される。所望の通信バンドにおける信号が正しく受信されることを保証するために、上手い調整が行なわれるのである。また、調整可能なアンテナシステムをチューニングして、単一バンド又はグループバンドをカバーするだけのアンテナ応答曲線が、関心のある付加的周波数をカバーするために用いられる(すなわち、それぞれのバンド又はグループバンドをカバーするために、アンテナシステムを粗くチューニングする)。粗いチューニングにより、比較的狭いバンド幅アンテナが、比較的広範囲な周波数の通信バンドをカバーするようにチューニングできる。
【0009】
適した電子デバイス(調整する図1のデータベース10)は、上手に且つ粗くチューニングする能力を有する調整可能なアンテナシステムを備える。デスクトップコンピュータ、ゲームコンソール、ルータ、ラップトップコンピュータ、コンピュータモニタ又はテレビを組み込んだコンピュータ、セットトップボックス(テレビに接続してインターネットなど双方向通信サービスの利用を可能にする家庭用通信端末)若しくは他の消費者電気機器の一部をなすコンピュータ、携帯型電子機器などの比較的コンパクトな電子デバイスなどに調整する調整可能なアンテナシステムを使用することができる。携帯型電子機器の使用は、時として一例としてここで述べられる。しかしながら、これは単なる例示に過ぎず、任意の電子デバイスに調整可能なアンテナシステムが用いられる。
【0010】
図1の電子デバイス10などの電子デバイスは、ラップトップコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話、メディアプレーヤー、他のハンドヘルド及びポータブル電子デバイス、腕時計デバイスなどの極小デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドフォン及びイヤホン型デバイス、他の装着型及びミニチュアデバイス、又は他の電子機器であり得る。
【0011】
図1に示すとおり、デバイス10はハウジング12を含む。時々、「ケース」とも称されるハウジング12は、プラスチック、ガラス、セラミック、カーボンファイバー合成及び他の合成物、金属、他の材質、若しくはこれらの材質の組み合わせにより形成される。単一の構成要素(例えば、機械化された金属片、或いはモールド加工されたプラスチック片)から組成される単一構成物を用いたり、多種のハウジング構成物(例えば、内部フレーム要素又は他の内部ハウジング構成物にマウントされている他外部ハウジング構成物)により、ハウジング12の殆ど又は全てを形成する。
【0012】
必要に応じて、デバイス10はディスプレイ14などの表示画面を有する。ディスプレイ14は、例えば、キャパシティブ・タッチ電極を組み込んだタッチスクリーンである。ディスプレイ14は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、電気リンク要素、液晶ディスプレイ(LCD)構成要素、又は他の適当なイメージピクセル構成物から作られるイメージピクセルを含む。ディスプレイ14の表面をカバーガラス部で覆う。ボタン16などのボタンは、カバーガラス内の開口部を通る。また、開口部はディスプレイ14のカバーガラス内に形成され、スピーカポート18をつくる。ハウジング12内の開口部は、入力−出力ポート、マイクロフォンポート、スピーカポート、ボタン開口部などを形成するために用いられる。
【0013】
デバイス10内の無線通信電気回路は、リモートでローカルな無線リンクを形成するために用いられる。無線通信の間、1以上のアンテナを用いる。単一バンド及びマルチバンドアンテナを用いる。(一例として)2.4GHzのBluetooth(登録商標)通信を取り扱うために単一バンドアンテナを用いる。他の例として、マルチ携帯電話バンドにおける携帯電話通信を取り扱うためにマルチバンドアンテナを用いる。他のタイプの通信リンクも、単一バンド及びマルチバンドアンテナを用いながらサポートされる。
【0014】
必要に応じて、デバイス10はマルチアンテナを使用する。マルチアンテナは、例えば、アンテナの多様性スキームをサポートするのに用いられる。アンテナの多様性スキームとともに、デバイス10の制御回路は、信号特性又はセンサデータをモニタリングし、どのアンテナがベストに実行するか、そうでなければ使用(例えば、規制限度を満たすこと)に適しているか決定する。これらの考慮に基づき、制御回路はアンテナのサブセットのみを使用するために選んだり、そうでなければアンテナ使用を調整する。例えば、センサ若しくは信号特性の測定により、アンテナ多様性アレンジメントにおける2つのアンテナの1つが、外部のオブジェクト(人間の体の一部など)によって阻止されていることが特定された場合、制御回路はそのアンテナを一時的に不活性にする。
【0015】
また、デバイス10はマルチアンテナを用いて、多元入力−多元出力(MIMO)通信プロトコルを実行する。MIMOスキームにおいて、システムの各アンテナは個々のデータストリームを処理し、データスループット全体を上げることができるようにする。デバイス10の制御回路は、近似データ又は他のデータを用いてMIMOセットアップにおけるマルチアンテナのオペレーションをコントロールする。例えば、制御回路は、一時的に、MIMOオペレーションから、単一アンテナのみを使用するプロトコルへと切り替えたり、4アンテナMIMOスキームから2アンテナMIMOスキームへ切り替えたりする。
【0016】
アンテナはデバイス10内の任意の適したロケーションに配置される。例えば、1つのアンテナは上部領域(例えば、領域22)に配置され、もう一方のアンテナは下部領域(例えば、領域20)に配置される。大きなデバイスの場合、アンテナはデバイスの端に沿って、後部の平面ハウジング部、デバイスコーナーなどに配置される。
【0017】
デバイス10のアンテナは関心のある任意の通信バンドをサポートするために用いられる。例えば、デバイス10は、ローカルエリアネットワーク通信(例えば、無線ローカルエリアネットワークのための2.4GHz及び5GHzのIEEE802.11通信)、Bluetooth(登録商標)信号などの2.4GHzの信号、音声及びデータセルラー電話通信(例えば、850MHz、900MHz、1800MHz、1900MHz、2100MHzなどの周波数バンドにおけるセルラー信号)、1575MHzのグローバル・ポジショニング・システム(GPS)通信、60GHzの信号(例えば、短距離リンク)等をサポートするアンテナ構造を含む。それぞれのアンテナは各々に異なるバンド若しくは通信バンドを処理したり、又は共有アンテナを用いてグループバンドを処理する。デバイス10の1つのアンテナは、例えば、1以上のセルラー電話バンドにおける音声及びデータ通信を処理するのに用いられるが、デバイス10の別のアンテナは、1575MHzのグローバル・ポジショニング・システム(GPS)信号を処理するための第1バンド、並びに2.4GHzのBluetooth(登録商標)及びIEEE802.11(無線ローカルエリアネットワーク)信号を処理するための第2バンドにおける受信地域を提供する。アンテナ多様性スキーム、フェーズアンテナアレイ(例えば、60GHz)、追加的バンドを実行するために追加的なアンテナを実行する。
【0018】
図1のデバイス10で用いられ得る電気部品を示す全体図が図2である。図2のとおり、デバイス10はストレージ/処理回路28を含む。ストレージ/処理回路28は、ハードディスク・ドライブストレージ、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ或いは固定状態のデバイスを形成する他の電気的にプログラム可能なリードオンリーメモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的若しくは動的ランダムアクセスメモリ)などのストレージ(記憶媒体)を含む。ストレージ/処理回路28内の処理回路は、デバイス10のオペレーションをコントロールするのに用いられる。この処理回路は1以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)に基づいている。
【0019】
インターネットブラウジングアプリケーション、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VOIP)電話呼び出しアプリケーション、eメイルアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能などの、デバイス10上のソフトウェアを実行するためにストレージ/処理回路28を用いる。外部機器で相互作用をサポートするため、インプリメンテーションすることにおいてストレージ/処理回路28通信プロトコルを使用する。ストレージ/処理回路28の通信プロトコルを用いてインプリメンテーションされる通信プロトコルには、インターネットプロトコルや、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、IEEE802.11プロトコル、これは時には、WiFi(登録商標)とも称される)や、そしてBluetooth(登録商標)プロトコル,セルラー電話プロトコル,MIMOプロトコル,アンテナ多様性プロトコルなどの他の短距離無線通信リンクのためのプロトコルを含む。オペレーションをチューニングするアンテナシステムは、デバイス10に記憶され実行する(すなわち、ストレージ/処理回路28上で記憶され実行するか、入力−出力回路30の少なくとも何れか1つ)のソフトウェアを用いて制御される。
【0020】
入力−出力回路30は入力−出力デバイス32を含む。この入力−出力デバイス32により、データがデバイス10に供給されること、そしてデータがデバイス10から外部デバイスに提供されるようになる。入力−出力デバイス32はユーザインタフェースデバイス、データポートデバイス、及び他の入力−出力部品(コンポーネント)を含む。例えば、入力−出力デバイスは、タッチスクリーン、タッチセンサ能力なしのステップ、ボタン、ジョイスティック、クリック・ホィール、スクローリング・ホィール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、カメラ、ボタン、スピーカー、状態インジケータ、光源、音声ジャック及び他のオーディオポート・部品、デジタルデータポートデバイス、光センサ、動きセンサ(アクセルメータ)、キャパシタンスセンサ、近接センサなどを含む。
【0021】
入力−出力回路30は、外部機器と無線で通信するための無線通信回路34を含む。無線通信回路34は、無線周波数(RF)トランシーバ回路を含み、1以上の集積回路、パワー増幅回路、低ノイズ入力増幅器、パッシブ方RF部品、1以上のアンテナ、伝送ライン、及びRF無線信号を処理するための他の回路から上記RFトランシーバ回路は形成される。また、光源を用いて(例えば、赤外線通信を用いて)無線信号を送信する。
【0022】
無線通信回路34は、様々な無線周波数通信バンドを処理するための無線周波数トランシーバ回路90を含む。例えば、無線通信回路34は、トランシーバ回路36、38、42を含む。トランシーバ回路36は、WiFi(IEEE802.11)通信のための2.4GHz及び5GHzバンドを処理し、2.4GHzBluetooth(登録商標)通信バンドを処理する。無線通信回路34は、セルラー式電話トランシーバ回路38を使用して、850MHz、900MHz、1800MHz、1900MHz、2100MHzデータバンド(一例であるが)のセルラー電話バンドにおける無線通信を処理する。無線通信回路34は、音声データ及び非音声データを処理する。無線通信回路34は、必要に応じて、他の短距離及び長距離無線リンクの回路を含む。例えば、無線通信回路34は、60GHzトランシーバ回路、テレビ及び無線信号を受信する回路、げージングシステムトランシーバなどを含む。
【0023】
無線通信回路34は、1575MHzでグローバル・ポジショニング・システム(GPS)信号を受信したり、又は他の衛星ポジショニングデータを処理するGPSレシーバ機器(GPSレシーバ回路42)を含む。WiFi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)リンク、並びに他の近距離無線リンクにおいて、無線信号は数10又は数百フィートを超えてデータを運ぶために使用されるのが典型的である。セルラー式電話リンク及び他の長距離リンクの場合、数千フィート又はマイルを超えてデータを運ぶために無線信号を使用システムするのが典型的である。
【0024】
無線通信回路34はアンテナ40を含む。アンテナ40は、任意の適したアンテナタイプを用いて形成される。例えば、アンテナ40は、ループアンテナ構造、パッチアンテナ構造、逆Fアンテナ構造、スロットアンテナ構造、平面逆Fアンテナ構造、ヘリカルアンテナ構造、これらの設計のハイブリッド型のもの等から形成される共振エレメントを備えたアンテナを含む。各タイプのアンテナは、それぞれのバンド及びバンドの組み合わせのために用いられる。例えば、1つのタイプのアンテナはローカル無線リンクアンテナを構築するために、そして別のタイプのアンテナは遠隔無線リンクアンテナを構築するために用いられる。
【0025】
或る適したアレンジメントによれば、デバイス10は、上部領域22及び下部領域20といったデバイス10の領域にあるアンテナを有する。デバイス10に関する1以上の上部アンテナは上部領域22で形成される。デバイス10に関する1以上の下部アンテナは下部領域20で形成される。ラップトップコンピュータ、タブレット型コンピュータ、装着型デバイス、集積部品を備えたコンポーネントモニタなどの他の形式の要因をもつデバイスの場合、他の適した領域(例えば、矩形デバイスの4つのコーナーに、前後表面に、デバイスの端に沿って、1以上のアレイの中になど)に配置される。
【0026】
図3に示すとおり、トランシーバ回路90は伝送ライン140を用いてアンテナ40と結合する。デバイス10は、固定アンテナ構造(例えば、40A)及び調整可能なアンテナ構造(40B)の両方を含むアンテナ40を有する。固定アンテナ構造及び調整可能なアンテナ構造の双方を含むコンフィグレーションは、例えば、1つのブロードバンドアンテナのみについて利用するのに充分な空間があるときに用いられる。このタイプのアレンジメントにおいて、固定アンテナ構造40Aはマルチ通信バンドをカバーするブロードバンド設計を仕様するが、調整可能なアンテナ構造40Bは、粗いアンテナシステムチューニングの使用を通じてマルチバンド通信領域を達成する狭バンドの設計を使用する。例えば、デバイス10は調整可能なアンテナ構造を専有して備える。一般的に、調整可能なアンテナの適した数がデバイス10に提供される(例えば、1つの調整可能なアンテナ、2つの調整可能なアンテナ、3つの調整可能なアンテナ、4つの調整可能なアンテナなどである)。
【0027】
デバイス10が調整可能なアンテナシステムを含むとき(すなわち、アンテナ40及びデバイス10内の関連する無線回路34が調整可能であるとき)、アンテナのパフォーマンスをリアルタイムで変更することができる。例えば、アンテナシステムの共鳴曲線は、温度変化といった環境要因を補償するやめに僅かだけ変更される。アンテナシステムの周波数応答に対する比較的小さな調整は、時として、微チューニング調整又は微チューニングとも呼ばれる。必要に応じて、アンテナシステムの周波数応答は大きな量により調整される。例えば、そのアンテナが異なる通信バンドをその通信領域とするように、アンテナシステムの周波数応答を充分に変更する。
【0028】
デバイス10における例示のアンテナシステムに関する定在波比(SWR) 対 周波数のプロットを図4に示す。例示の図4の場合、アンテナシステムは2つのモードをオペレートする。第1のモードのオペレーションにおいて、アンテナシステムは実線142により示されたタイプの周波数応答により特徴付けられる。図4に示すとおり、この周波数応答により、アンテナシステムは2つの通信バンド(即ち、周波数faを中心とする第1の通信バンドと、周波数fbを中心とする第2の通信バンド)をカバーする。第2のモードのオペレーションにおいて、アンテナシステムは点線144により示されたタイプの周波数応答により特徴付けられる。第2のモードのオペレーションにおけるオペレーティングのとき、アンテナシステムは周波数fcでの1つの通信バンドと、周波数fdでの別の通信バンドとをカバーする。周波数バンドfa及びfbは例えば850MHz及び900MHz周波数バンドであるのに対して、周波数バンドfc及びfdは例えば1900MHz及び2100MHz周波数バンドである。デバイス10のオペレーティング中、デバイス10は、どの通信バンドが用いられ、そして調整可能なアンテナシステムを調整できるかを決定する(即ち、曲線142に関連した周波数レンジをカバーしたり、曲線144に関連した周波数レンジをカバーしたりする)。
【0029】
必要に応じて、デバイス10は、低バンド(fa及びfb)及び高バンド(fc及びfd)の両方をカバーする固定アンテナ(図3の固定アンテナなど)を含む。図4に関連して述べるとおり、デバイス10は、固定アンテナによりカバーされる同一バンドを選択的にカバーし得る第1のモード及び第2のモード間で調整される調整可能なアンテナシステムを有する。
【0030】
デバイス10の調整可能なアンテナシステムを用いた微チューニング調整を図5に示す。図5に示すとおり、調整可能なアンテナシステムは、当初、固定ライン146により示されるタイプの周波数応答を示す。オペレーティング温度又は他の効果における変更により、アンテナの周波数応答は、信号を正確に送受信することを保証するよう調整される必要がある。これは、デバイス10の調整可能なアンテナシステムを調整することによって実現され、その結果、その周波数応答は、点線148が示す周波数応答に対して僅かだけだがシフトする(すなわち、周波数シフトΔf)。図5の微チューニング調整及び図4の粗いチューニング調整といったリアルタイム調整は、デバイス10が必要に応じて様々な無線トラフィック/環境シナリオに下で実行することを保証している。
【0031】
図6はデバイス10における調整可能なアンテナシステムに含まれる電気部品を例示的に示す。図6に示すとおり、無線周波数トランシーバ回路90により無線周波数信号を生成し受信する。無線周波数トランシーバ回路90は、無線周波数信号を送信するための送信機(トランスミッター)と、無線周波数信号を受信するための受信機(レシーバー)とを含む。無線周波数増幅回路及び他の部品(例えば、スイッチ)は、トランシーバー回路ブロック90に含まれる。
【0032】
調整可能なアンテナシステム150は、アンテナ40、マッチングネットワーク152,伝送ライン140を含む。
【0033】
アンテナ40は、ループアンテナ構造、パッチアンテナ構造、逆Fアンテナ構造、スロットアンテナ構造、平面逆Fアンテナ構造、ヘリカルアンテナ構造、これらの設計のハイブリッド型のもの等の、アンテナのアース端子及び共振エレメント構造を含む。
【0034】
伝送ライン140はトランシーバ回路90に結合される。伝送ライン140は、マイクロストリップ伝送ライン構造、ストリップ伝送ライン構造、マイクロストリップ伝送ライン構造に結合されたエッジ、フレキシブルプリント回路(フレックス回路)上に形成された伝送ライン構造、固定プリント回路基板上に形成された構造、同軸ケーブル、他の適した伝送ライン構造、又はこれらの構造の組み合わせに基づいている。
【0035】
マッチングネットワーク152は、伝送ライン140のインピーダンスをアンテナ40のインピーダンスにあわせることを助けるために用いられる。マッチングネットワーク152は、抵抗器、インダクター、キャパシター、導電配線、金属片、関連の抵抗器・インダクター・キャパシターをもつ他の構造といった電子部品を含む。伝送ライン140とアンテナ40との間に介在されるものとして図6に示されるのであるが、マッチングネットワーク要素は、必要であれば、伝送ライン140の中、アンテナ40の中の少なくとも何れかに置かれる。ただし、図6のアレンジメントは単に例示に過ぎない。
【0036】
正の(ポジティブ)アンテナフィード端子156及びアース端子(グランド)アンテナフィード端子158から形成されるアンテナフィードを用いてアンテナ40に動力が供給される。
【0037】
アンテナシステム150に調整機能をもたせるために、アンテナシステム150は1以上の調整可能な電子部品を備える。これらの部品はアンテナ40(アンテナ電力供給部を含む)、マッチングネットワーク152、伝送ライン140に組み入れられる。
【0038】
図7は例示のアンテナ図である。図7において、アンテナ40は逆Fコンフィグレーションを有する。しかしながら、これは単なる例示に過ぎない。アンテナ40は任意の適したアンテナ設計を用いながら形成される。
【0039】
図7に示すとおり、アンテナ40はアンテナアース端子(グランド)160、及びアンテナ共振要素162を含む。
【0040】
アンテナアース端子(グランド)160及びアンテナ共振要素162は、金属片、プリント回路基板上の金属配線、電子デバイス・ハウジングの一部、伝導性部品、及びデバイス10内の他の伝導性要素といった伝導性構造体より形成される。1つの伝導性構造体又は複数の伝導性構造体から、アンテナアース端子(グランド)160を形成する。アンテナ共振要素162は、メインの共振よす及びブランチ164と、付加的なブランチを有する。アンテナ共振要素162セグメント166は、グラウンド160に対するアーム164を短絡させる。
【0041】
トランシーバ回路90は、アンテナフィード端子156,158に結合される。重複記載を避けるために、マッチングネットワークのコンポーネント及び電送ライン構造は図7に示していない。
【0042】
アンテナ40及びアンテナシステム150の他の構造は、スイッチと、連続的及び半連続的に調整可能な電子部品といった調整可能な電子部品を備える。例えば、調整可能な電子部品はアンテナ共振要素アーム164の部分間、又は図4に示したタイプのアンテナにおけるアース端子(グランド)160の部分間に結合される。調整可能な電子部品は図6のマッチングネットワーク152又は伝送ライン140の中に組み込まれる。アンテナ40のアンテナフィードは調整可能な電子部品(例えば、フィード端子に結合された調整可能な電子部品)を用いて調整される。
【0043】
調整可能なアンテナシステム150に対する調整を施す調整可能な電子部品の使用を図8に示す。図8に示すとおり、調整可能なアンテナシステム150は、調整可能なアンテナシステム部分150A,150Bを含む。当該部分150A,150Bは、アンテナ共振要素構造、アンテナアース端子(グランド)要素構造、プラスティックアンテナ構造(例えば、他のアンテナ構造に結合された近接フィールドであるアンテナ構造)のアンテナフィード構造、他のアンテナ構造、マッチングネットワーク構造、伝送ライン構造(例えば、伝送ラインのスタブ)、他のアンテナシステム構造、又はこれら構造の任意の組み合わせであり得る。
【0044】
調整可能な電子部品168は、アンテナシステム部分150Aに接合される端子170などの第1の端子と、アンテナシステム部分150Bに接合される端子172などの第2の端子とを有する。調整可能な電子部品168は、コントロール入力174に適用されるコントロール信号を用いて調整されたり、或いはコントロール信号を端子170,172上で適用する2端子アレンジメントを用いてインプリメント(実装)される。調整可能な電子部品168を用いた調整可能な電子部品の例は、スイッチ、可変抵抗器、可変キャパシター、可変インダクター、多種の電気パラメータを制御するコンポーネントを含む。
【0045】
図9は、調整可能な電子部品がスイッチを用いてどのようにしてインプリメント(実装)されるかを示す。図9のスイッチ168はオープンな状態で配置され、この場合、アンテナシステム部分150Aはアンテナシステム部分150Bとは電気的に孤立されたり、或いはクローズな状態で配置され、この場合、端子170,172は共に短絡させられ、その結果、アンテナシステム部分150A,150Bは電気的に接続する。スイッチ168はガリウムヒ素電解効果トランジスタ(EFT)、マイクロ電気機械システム(MEM)スイッチ、金属酸化膜半導体電解効果トランジスタ即ちモス電解効果トランジスタ(MOSFET)、p−i−nダイオード、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、擬似形態HEMT(PHEMT)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)に形成されたトランジスタなどを用いてインプリメント(実装)される。
【0046】
図10に示すとおり、調整可能な電子部品168は、膨大な異なる状態に置かれたコンポーネント(例えば、連続的に変化したり半連続的に変化し、かつ、多数の各分離した状態の一つに置かれ得るコンポーネント)を用いて実行される。電子部品168は、例えば、連続的に変化するキャパシター、2〜100又はそれ以上の異なるキャパシタンス値をもつ半連続的に調整可能なキャパシター、連続的に変化する抵抗器、2〜100又はそれ以上の異なる抵抗値をもつ半連続的に調整可能な抵抗器、連続的に変化するインダクター、2〜100又はそれ以上の異なるインダクタンス値をもつ半連続的に調整可能なインダクターである。例えば、図11は、調整可能な電気部品168がどのようにして連続的に変化するキャパシターを含むかを示す。半連続的に調整可能な電気部品は、分離した部品のアレイ(配列)を用いてインプリメント(実装)され、スイッチは乗算器として機能するように構成される。
【0047】
必要に応じて、調整可能な電子部品168は、他の調整可能な電子部品から形成される。図12に示すとおり、例えば、半連続的に調整可能な電気部品168は、インダクター(L1及びL2)を含むで電気ネットワークから形成される。電気ネットワーク内の所望のパターンの電気接続を形成するのに、スイッチ(例えば、図12のスイッチSWA及びSWB)を用いる。例えば、使用する部品内外にスイッチし、異なる方法で内部接続したりする。図12において、端子170と端子172との間に示されるインダクタンスは、様々なパターンのスイッチSWA及びSWBを開閉することによって調整される。電子部本の他のパターン(キャパシター、抵抗器、インダクター、並びにキャパシタンスとインダクタンスと抵抗をもつ伝導性及び誘電性の構造体、並びにキャパシターと抵抗器とインダクターとして機能するもの)を有するネットワーク、他のパターンのスイッチ、又は連続的若しくは半連続的に調整可能な電気部品も、調整可能な電気部品168をインプリメント(実装)するために用いられる。ただし、図12の例は単に例示に過ぎない。
【0048】
図7のアンテナ40など、逆Fアンテナに基づく例示の調整可能なアンテナシステム150を図13に示す。アンテナ40のメイン共振要素アーム164は、(スイッチ176が閉じて、スイッチ178が開く場合)パス132Aなどのショート回路パスを通って、又は(スイッチ176が開いて、スイッチ178が閉じる場合)パス132Bなどのショート回路パスを通って、アース接地(グラウンド)160に接続する。フィードパス(例えば、端子158及び108参照)、及び調整可能な電気部品120(例えば、スイッチ)により形成されたパスなどの1以上のオプショナル・パス、要素122(例えば、連続的若しくは半連続的に調整可能な部品)により形成されたパス、及び調整可能な電気部品124,126(例えば、スイッチ及び連続的に調整可能な部品のそれぞれ)により形成されたパス。ブランチ130などのオプショナルアンテナ共振要素ブランチは、(例えば、ブランチ130をメインの共振要素アーム164へと調整可能な電気部品128を介して接続することによって)アンテナ40に接合される。
【0049】
アンテナ40は、トランシーバ90(すなわち、図2のトランシーバ回路90)によって動力が供給される。伝送ライン140は、正の(ポジティブ)アンテナ信号パス94,104及びアース端子(グランド)アンテナパス92,106などのパスを有し、そしてトランシーバ90とアンテナ40との間の無線周波数アンテナ信号を運ぶために用いられる。
【0050】
マッチング回路152は、トランシーバ90とアンテナ40との間のパスの間に置かれる。マッチング回路152は、シリーズで接続され且つ短絡接続された調整可能な電気部品101,100を含む。1以上の調整可能な電気部品100,102は、伝送ライン140と付加的伝送ライン部品及び他の電気部品との間で接合される。例えば、伝送ラインのスタブ140などの部品は、部品100を介して伝送ライン140に接合される。調整可能なアンテナシステム150で使用される調整可能な電気部品どれも、必要に応じて伝送ライン構造を含む。
【0051】
正の(ポジティブ)アンテナ信号パス104と、アース端子(グランド)伝送ラインパス106などの伝送ラインパスは、マッチング回路152をアンテナ40のアンテナフィードに内部接続するために用いられる。このアンテナフィードは、固定であったり、又はチューニング可能な構成を有する。図13の例の場合、アンテナ40のアンテナフィードは、第1のアンテナフィード構成と第2のアンテナフィード構成との間でチューニング可能である。第1のアンテナフィード構成において、スイッチ118(又は他の調整可能な電気部品)は第1のポジションを有し、第2のアンテナフィード構成において、スイッチ118は第2のポジションを有する。スイッチ118が上記第1のポジションにあるとき、端子108は端子156Aに接続され、端子156Aがアンテナ40の正の(ポジティブ)アンテナフィード端子として機能する。スイッチ118が上記第2のポジションにあるとき、端子108は端子156Bに接続され、端子156Bがアンテナ40の正の(ポジティブ)アンテナフィード端子として機能する。
【0052】
フィード端子156A,156Bは、メインの共振要素アーム164の長てに沿ったそれぞれの位置に配置され、インピーダンス及びアンテナ40の周波数応答は、スイッチ118を用いて調整されアンテナ40のフィードロケーションを制御する。図13のアレンジメントは単に例示に過ぎない。一般的に、デバイス10におけるアンテナ40などのアンテナは、2以上のフィードポイント、1、2、3又は3以上のスイッチに関係するチューニング可能なフィード、アース接地(グラウンド)アンテナフィードによってチューニング可能なフィード及び/又はポジティブアンテナフィードを調整することによってチューニングされるフィード、チューニング可能でないフィードなどから形成されるチューニング可能なフィードを有する。
【0053】
調整可能な電子部品をアンテナ40(例えば、アンテナ共振要素162)に組み入れることによって、アンテナ40は図4及び図5に関連して記載したように調整する。例えば、アンテナ40の共振要素162などのアンテナ構造のサイズ及び形状は、ストレージ/処理回路28によって制御される。図13のアレンジメントにおいて、調整可能な電子部品128は、例えば、2つの状態(例えば、アンテナ共振要素部164からアンテナ共振要素部130を電気的に非接続にするオープン状態と、アンテナ共振要素部164とアンテナ共振要素部130を電気的に接続にするクローズ状態)をもつスイッチであり得る。電子部品128はアンテナ共振要素のサイズ及び形状を調整し、これにより図4及び図5に関連して記載したようにアンテナの周波数応答を調整する。追加的なアンテナ共振要素構造及びアンテナ構造は、同様に、アンテナ40のアンテナ共振要素から必要に応じて接続したり非接続にしたり選択的に行なわれる。電気部品(例えば、抵抗器、インダクター、及びキャパシター)は、スイッチ128(例えば、インピーダンス・マッチング)などのスイッチで内部接続される。また、アンテナ40は、調整可能な部品120,122,124,126(例示であるが)などの部品をコントロールすることによって調整される。
【0054】
図13の調整可能な部品は、時として、他の図の調整可能な電気部品168として表示される。図14は、調整可能なアンテナシステム150がどのようにして調整可能な伝送ラインを含むかを示す。調整可能な伝送ライン140は、調整可能な電気部品168などの1以上の調整可能な電気部品を含む。調整可能な電気部品168は、伝送ライン140の属性を選択的に調整するのに用いられる。例えば、調整可能な電気部品168は、伝送ラインのスタブ140’を、伝送ライン140内のメインの伝送ラインパスに接続し、そして伝送ライン140内のメインの伝送ラインパスから伝送ラインのスタブ140’を非接続するのに用いられる。伝送ライン140の属性を調整することによって、アンテナ(即ち、調整可能なアンテナシステム150)の周波数応答は、(一例であるが)図4及び図5に関連して記載されたように制御され得る。
【0055】
図15は、図1の電子デバイス10の内部斜視図であり、調整可能な電気部品10がどのようにして周辺伝導部180などの伝導性構造体を含むかを示す図である。前方から眺めたとき(即ち、ディスプレイ14を含むデバイス10の面から眺めたとき)、デバイス10は矩形の外形(周辺部)を有する。伝導性周辺部180は、金属又は他の伝導性金属材質を用いてインプリメント(実装)される。伝導性周辺部180は、デバイス10の矩形の周辺部の実質的にすべてを囲んでいる。伝導性周辺部180は、ディスプレイ140のためのディスプレイ・ベゼル(周囲枠)、又はデバイス10のトリム(縁飾り)構造といった、即ち、デバイス10の前方にある上縁まわりを走るベゼル又はトリム片の形状を有する。或いは、(一例であるが)ハウジングの壁の実質的にすべてをカバーするハウジング横壁を形成する平面部若しくは曲線部を用いてインプリメント(実装)される。1つのギャップ又は複数のギャップ(例えば、ギャップ182など)は、伝導性周辺部180に組み込まれる。ギャップ182は、誘電体(例えば、空気、プラスチック、ガラス、セラミック、合成物、他の誘電体、又はこれら材質の組み合わせたもの)から形成される。ギャップ182は、デバイス10内のアンテナ(例えば、アンテナ40)の一部を形成する。
【0056】
トランシーバ90は、プリント回路基板194などの基盤にマウントされる1以上の集積回路及び他の電気部品などを用いてインプリメント(実装)される。プリント回路基板194何及び伝送ラインの配線(即ち、伝送ライン140A)は、トランシーバ90と無線周波数コネクタ186との間に接合される。無線周波数コネクタ186は、同軸ケーブルセグメント又は他の伝送ライン104Bに接続される。伝送ライン104Bはマッチングネットワーク(例えば、図13のマッチングネットワーク152)及びアンテナフィード(例えば、アンテナフィード端子158,156で構成されているアンテナフィード)に接合される。アンテナフィードは、例えば、ギャップ182の一つを越えて接合されたり、デバイス10の他の場所に配置される。
【0057】
調整可能な電気部品168はアンテナ40に含まれ、調整可能なアンテナシステム150が調整機能を備えることを助ける。一例として、調整可能な電気部品は(例えば、周辺伝導部180内のギャップの反対側にある端子190,192間の部品168の一つに接続することによって)ギャップ182の一つをブリッジする。また、調整可能な電気部品168は、調整可能なアンテナシステム150内の他の伝導部品間(例えば、周辺伝導部180に取り付けられる端子198などの第1の端子と、基盤194(例えば、アース接地であるグラウンド平面の配線)内の導電配線194に接続する端子188などの第2の端子との間)も接続する。
【0058】
図15のデバイス10などのデバイスは、必要に応じて、例示の平面構造体196といった平面部を有する。構造体196は、後部ハウジング面(即ち、ハウジング12の後部面にある外部はウイング壁構造体)の一部を形成したり、又は内部平面部(即ち、図15に示すデバイス10の一方又は両方の終端にある誘導物で埋められた開口部184といったスロット形状の開口部を閉じたり開けたりしながら、デバイス10の幅にわたる内部ハウジング構造物)を形成したりする。平面構造体196は、金属若しくは他の伝導性構造物から作られ、必要に応じてアンテナ40のためのアンテナグラウンド兵権を形成するのに用いられる。
【0059】
周辺伝導部180内のギャップ182のサイズに対して調整機能をもたらすため、調整可能な電気部品168を使用する。例えば、図16に示すアレンジメントを考慮するとする。デバイス10の周辺伝導部180は、マルチ隣接ギャップ182を有する。例えば、図16において、周辺伝導性ハイジング部180は2つのギャップ182をもち、その一つはG1の長さ(幅)を有し、二つめはG2の長さ(幅)を有する。調整可能な電気部品168A,168Bは、(例えば、周辺伝導部180の内部側にある)ギャップ182をブリッジする。例えば、調整可能な電気部品168Aは、周辺伝導部180の部分200に電気接続する第1の端子と、周辺伝導部180の部分202に電気接続する第2の端子とをもつ。調整可能な電気部品168は、周辺伝導部180の部分202に電気接続する第1の端子と、周辺伝導部180の部分204に電気接続する第2の端子とをもつ。デバイス10の他の調整可能な電気部品168とともに、図16の調整可能な電気部品168は、スイッチを用いて、可変キャパシター、可変抵抗器、及び可変インダクターなどの連続的又は半連続的に変化する部品、又は連続的又は半連続的に調整可能な回路ネットワークなどをインプリメント(実装)する。
【0060】
図16に示すタイプの構成(コンフィグレーション)は、ギャップ182の電気特性を調整すること、及び効果的なギャップ長さを調整すること(即ち、ギャップ幅を電気的に調整すること)のために用いられる。例えば、図16に示すとおり、具体的には例えば、182の最外部(最も離れた)間にギャップ長さ(幅)G3がある。調整可能な電気部品168は、例えばスイッチである。本タイプの構成の場合、スイッチ168Aは最左部のギャップ182を使用に切り替えるために開(オープン)にし、又は、この最左部のギャップをバイパスするために閉(クローズ)にする。スイッチ168Bは最右部のギャップ182を使用に切り替えるために開(オープン)にし、又は、この最右部のギャップをバイパスするために閉(クローズ)にする。スイッチ168A及び168Bが共に開のとき、アンテナ40は周辺伝導部180の内で連続して接続された(幅G1,G2の)2つのギャップをもち、したがって、それらギャップは効果的な幅G3を有するよう考慮される。スイッチ168Aが閉じてスイッチ168Bが開くとき、幅G2のギャップのみが存在する。スイッチ168Bが閉じてスイッチ168Aが開くとき、幅G1のギャップのみが存在する。両方のスイッチ168が閉じるとき、どんなギャップも存在しない。スイッチ168Aと168Bの状態のアレンジメントは、(例えば、ストレージ/処理回路28からスイッチ168へ制御信号を適用することによって、)周辺伝導部180内のギャップの幅を調整することができる。スイッチ以外の調整可能な電気部品が用いられる(例えば、可変キャパシターやインダクターなど)。インピーダンス調整及び効率的なギャップ幅調整の組み合わせが行なわれる。
【0061】
図16の例において、調整可能な電気部品168は、周辺伝導部180の異なる部分をそれぞれ接続させる。また、調整可能な電気部品168は、ハウジング12の他の伝導性部分とともにアンテナシステム150の他の伝導性部分を接続するために用いられる。一例として、調整可能な電気部品168は、図17の構造体196などの平面構造体のそれぞれの部分を一緒に取り付けるのに用いられる。構造体196は後部ハウジング構造体(例えば、ハウジング壁)、内部ハウジング部、他の伝導性構造体のすべて若しくは幾つかを用いて形成される。
【0062】
構造体196は、例えば、図17の開口部184’などの開口部を有する。開口部184’は、開口部184に隣接し、且つ、開口部184の外延を形成する。開口部184(及び外延長184’)は、アンテナ40の開口部(例えば、スロットアンテナ、ループアンテナ、ハイブリッドアンテナなどの開口部)を形成する。
【0063】
開口部184は内部縁Pを有する。内部縁Pの長さ及びアンテナ40の他の電気特性は、電気部品168を調整することによって調整される。例えば、電気部品168のスイッチを用いることによって、開口部184’のサイズ及びしたがって内部縁Pの長さが調整される。スイッチ168C及び168Dの両方が開であるならば、外延長184’のサイズ及び内部縁Pの長さが最大化される。スイッチ168Cが開であり、スイッチ168Dが閉であるならば、外延長184’のサイズは1/2とされる(一例であるが)。スイッチ168C(及び、必要に応じて168D)は、開口部184’のサイズを更に小さくするために閉じられる(又は開口部184’を完全にバイパスする)。内部縁Pが前記例えば、によって処理される無線周波数アンテナ信号の約1波長に等しいとき、アンテナ40は共振ピークを呈する。この内部縁Pを調整することにより、アンテナ40の周波数応答は図4及び5に関連して述べたように(即ち、スロットアンテナやループアンテナなどの中心周波数を調整することにより)調整される。
【0064】
図18は、調整可能なアンテナシステム150のアンテナ40がどのようにしてアンテナのアース端子平面部の各部分間で、1以上の調整可能な電気部品168を提供することにより調整されるかを示す。例えば、図18において、アース端子平面部160は、アース端子平面部分160A及びアース端子平面部分160Bを含む。調整可能な電気部品168は、部分160A及び部分160Bの間のギャップをブリッジする。調整可能な電気部品168をコントロールすることによって、アース端子平面部160は変更したり(例えば、部分160Bがアンテナ40から非接続にされる一方で、部分160Aを含むようにする)、部分160A及び部分160Bの両方を含む(即ち、部分160A及び部分160Bをブリッジギャップ206によってカップリングする)。調整可能な電気部品168は、例えば、部分160Aから部分160Bを非接続にするように開いたり、部分160A及び部分160Bを接続するように閉じるスイッチである。調整可能な電気部品168は、調整可能なキャパシター、調整可能なインダクター、アンテナ40をチューニングし得る他の調整可能な回路といった部品である。
【0065】
必要に応じて、図19の平面構造体196を用いてアース端子平面部160をインプリメント(実装)する。平面構造体196は、例えば、外部ハウジング構造体(例えば、ハウジング12内の平面後部ハウジング壁)、内部ハウジング構造体(例えば、内部プレート、若しくは他の平面サポート構造体)、又は他の伝導性構造物である。平面構造体196は、その部分160’及び160’’を分離する誘電ギャップ208を有する。ギャップ208は調整可能な電気部品168(例えば、スイッチ、連続的に調整可能な部品など)を用いてブリッジされ、これによりアンテナ40のパフォーマンスをチューニングする。
【0066】
図20に示すとおり、トランシーバ90はプリント回路基板などの基盤にマウントされ、そして伝送ライン140を介してフレキシブル回路基板210上のアンテナ40と接合する。伝送ライン140は、例えば、プリント回路基板内において伝導性の配線及びフレキシブル回路基板210内において伝導性の配線を含む。フレキシブル回路基板210は、ポリイミドの膜、又はプリント回路基板として機能する他のフレキシブルポリマー膜から形成される。アンテナ40の伝導配線(例えば、配線212,214などの伝導性金属アンテナ共振要素配線)は、フレキシブル回路基板210の外表面上に形成されたり、内部伝導配線から形成される。
【0067】
調整可能な電気部品168は、伝導性アンテナ構造物(例えば、構造物212,214)をブリッジする。電気部品168は、例えば、構造物212から構造物214を非接続にするよう開けたり、構造物214,212を接続するよう閉じることができるスイッチである。構造物21,214は、アース接地平面湯及び素の一部、アンテナ共振要素162の一部(例えば、図13のアーム130など)、寄生要素の部分(例えば、その存在がアンテナシステム150の周波数応答に影響を及ぼすアンテナ要素であるが、伝送ライン140により直接電力供給されるというよりもアンテナに接合された近距離であるもの)を形成する。必要に応じて、フレキシブル回路基板210は、電気部品216などの1以上の電気部品にとっての基盤として用いられる。電気部品216は、例えば、カメラモジュール、スピーカモジュール、ボタン構造物、集積回路、コネクタ、又は他の部品(例えば、配線214に接続され得る伝導性構造体を含む部品)である。これらの部品は、伝導配線212及び214の部分を用いて、若しくは各々の伝導配線を用いて、フレキシブル回路基板210にマウントされる。
【0068】
一例として、電子デバイス10がカメラモジュールを含むアレンジメントを考えるとする。カメラモジュール(例えば、図2の入力−出力デバイス32の一つ)は、フレキシブル回路基板210にマウントされる。フレキシブル回路基板210の配線は、カメラモジュールに対して電力及び制御信号を供給するために用いられ、カメラモジュールからデータ信号を集めるのに用いられる。配線212及び214は、カメラモジュールと同じフレキシブル回路基板にマウントされ、これによりデバイス10内での部品点数を減少させて空間を節約することになる。調整可能な電気部品168は、選択的なスイッチが、フレキシブル回路基板210上の伝導性材質(例えば、フレキシブル回路基板210上の配線214、カメラモジュールに関連した伝導性部品、伝導性のアース接地構造体など)を使用されるように調整する。この方法において、調整可能な電気部品168に対する調整は、アンテナ40及び調整可能なアンテナシステム150をチューニングするのに用いられる。
【0069】
図21は、電気部品218などの部品が、1以上の調整可能な電気部品168を用いて、アンテナ共振要素164及びアンテナアース接地160に接合されている調整可能なアンテナシステムの図である。電気部品218は、例えば、カメラモジュール(図20のフレキシブル回路基板210上にある部品216に関連して記載したような、フレキシブル回路基板上のカメラモジュール部品)、スピーカー、ボタン、マイクロフォン、オーディオジャック若しくはデータコネクタなどの入力−出力コネクタである。調整可能な電気部品の1つ又は両方が、調整可能なアンテナシステム150をコントロールするのに用いられる。必要に応じて、調整可能な電気部品168は、電気部品218を他の調整可能なアンテナ構造体(例えば、伝送ライン構造体、マッチング回路構造体、フィード構造体など)と選択的に接合するために用いられる。
【0070】
図22は、電子デバイスに用いられる例示的なコンフィグレーションの斜視図である。図22に示すとおり、電子デバイス10はディスプレイ14などのディスプレイを有する。ディスプレイ14は、カバーガラス層220などの透明なカバー層のすぐ下にマウントされるディスプレイモジュール222を含む。トランシーバ90などの電気部品は、ハウジング12の内部にマウントされる。アンテナ40はフレーム部224,226などの伝導性構造体を含む。アンテナ40は、アンテナ共振要素構造体(例えば、フレキシブル回路基板上の伝導配線)や、アース接地の平面要素(例えば、図15の伝導性プレート196から形成されるグラウンド平面、及びプリント回路基板、コネクタ、ボタン、スピーカー、バッテリーなどのオーバーラップしている伝導性構造体)などの伝導性構造体を含む。
【0071】
例えば図22において、スクリュー228などの留め具を用いて、フレーム部224,226をハウジング12にマウントする。必要に応じて、他のアタッチメント・メカニズムが、ハウジング12内のフレーム部(例えば、溶接部、接着部、バネ部、突起部、はめあいスロットなどの係合手段)に取り付けるために用いられる。フレーム部224,226は、金属又は他の伝導性金属から形成される。調整可能な電気部品168は、フレーム部224,226などのフレーム部がどのくらい多くアンテナ40内で電気的に接続されるかを制御(例えば、アンテナ共振要素アーム又はアース接地平面のサイズの制御)するのに用いられたり、又は他の電気アンテナ特性を制御するのに用いられる。これは、調整可能なアンテナシステム150が図4及び5に関して述べたようにチューニングされるようにすることを意味する。
【0072】
図23は、調整可能な電気部品168などの1以上の調整可能な電気部品が、どのようにして、アース接地平面196と伝導性周辺部180(周辺ハウジングの横壁又はベゼルである周囲枠)との間で結合されるかを示す図である。図23の調整可能な電気部品168は、例えば、オープン若しくはクローズの位置に配置されるスイッチである。伝導性周辺部180及び伝導性構造体196の対向部は、内周辺部により開口部184を定義する。調整可能な電気部品168は、開口延長部184’をブリッジする。開口部184(延長184’を含む)は、即ち、スロットアンテナ又はハイブリッドアンテナのためのスロットを形成する。開口部184の内周辺部の長さは、関心のあるオペレーティング周波数の1波長にほぼ等しい。内周辺部の長さを(長さPまで)減少するためにスイッチ168を閉じたり、又は、内周辺部の長さを(長さP'まで)増加するためにスイッチ168を開く。したがって、電気部品168への調整は、アンテナ40の周波数応答をコントロールするために用いられる。
【0073】
図1〜23に関して述べてきたアンテナシステム調整メカニズムは、必要に応じて、任意の組み合わせで用いられる。例えば、アンテナシステム調整は、伝送ライン調整、マッチングネットワーク調整、アンテナ調整、アンテナフィード調整、アンテナ共振要素調整、アンテナアース接地(グラウンド)調整などの任意の組み合わせを用いながら行なわれる。調整可能な電気部品168は、アンテナシステム150の部分の任意の組み合わせに組み込まれる(例えば、グラウンドギャップをブリッジするため、アンテナ共振要素の部分をブリッジするため、グラウンド平面部をデバイス・ハウジングの伝導性周辺部に接続させるため、ハウジング周辺部の部分を様々なフォーメーションで一緒に接続してこれによりハウジング周辺部の誘電性ギャップの幅を調整するため、伝導性アンテナ構造及びハウジングフレーム部間のコネクションを形成するため、これら構造の任意の組早生をブリッジするためである。)。
【0074】
図24は、図1の電子デバイスなどの調整可能なアンテナシステムにより電子デバイスをオペレーティングすることに関係したフローチャートのステップを示した図である。
【0075】
ステップ230で、どの通信バンドがデバイス10によって用いられるかを決定するためにストレージ/処理回路28(図2)を使用する。例えば、仮に、2.4GHzローカルWiFiリンク上で信号が送信されるのであれば、ストレージ/処理回路28は、調整可能なアンテナシステム150が2.4GHz通信バンドをカバーする(又はカバーすることを続けるべきである)と結論づける。様々な携帯電話バンドの無線通信がサポートされる。ステップ230のオペレーションは、デバイス10の能力、即ち、トランシーバ90の能力)、デバイス10の現在のグラフィック位置(例えば、デバイス10を配置する現在の国)、処理される現在のトラフィック(例えば、どのタイプの携帯トラフィック又はローカルエリアネットワークトラフィックが特定バンド上で最新に受信されているかを決定する)などの決定に関与する。最新アクティブバンド又は入って来るデータを受信するためにカバーされるべき必要のあるバンドに関する情報が、固定アンテナ(例えば、図3に示すタイプのシステムであって、幾つかのアンテナが固定されて、調整可能である)を通して入って来るトラフィックをモニタリングすることにより、或いは、可能性のある関心のあるすべてのバンドを通して調整可能なアンテナシステムを周期的にサイクリングすることによって、集められる。
【0076】
次回のアクティビティ(例えば、データ伝送アクティビティ)に用いられるバンド情報は、最後に使用されたバンド、グラフィク位置、試行錯誤、要求されたバンド使用に対するルックアップテーブル・マッピング・アクティビティなどの機能を基に決定される。
【0077】
ステップ232で、どの通信バンドが調整可能なアンテナシステム150によりカバーされるべきであることの決定後、これに応じて、ストレージ/処理回路28は、対応する制御信号を調整可能なアンテナシステムに発行する。例えば、ストレージ/処理回路28により、調整可能なアンテナシステム150が1900MHzバンドをカバーすべきであることを決定した場合、調整可能なアンテナシステム150内の調整可能な電気部品168に対して制御信号を発行し、1900MHzバンド(一例であるが)をカバーするよう調整可能なアンテナシステム150を構成する。
【0078】
ステップ234で、調整可能なアンテナシステム150内の調整可能な電気部品168は、発行された制御信号によりコントロールされ、これにより、調整可能なアンテナシステム150を粗く(例えば、図4の関して述べたような所望のバンドをカバーするために、及び微細に(例えば、図5の関して述べたような特定の通信バンド内でチューニング精度を向上させるためである)の少なくとも何れかにチューニングする。
【0079】
図24のオペレーション(どのバンド領域に関心があるかを決定するのにモニタリングすること、調整可能な電気部品168の調整方法を決定すること、及び電気部品168したがってシステム150を調整するコマンドを発行すること)が、(適切なトリガー基準の満足度に応じて、スケジュールにしたがって周期的に、連続的になど)リアルタイムで繰り返し実行される。
【0080】
本実施例に従えば、調整可能なアンテナシステムは、電子デバイス・ハウジング内の伝導性周辺部、伝導性周辺部の中に少なくとも1つの誘電性ギャップを含むように提供される。ここでギャップ幅は伝導性周辺部に関連し、そして少なくとも1つの調整可能な電気部品はこのギャップ幅を電気的に調整する。
【0081】
本発明の他の実施例に従えば、伝導性周辺部は電子デバイス内に金属構造体を含み、金属構造体は矩形の周辺部と当該矩形周辺部の実質的にすべてを囲む金属構造体を有する。
本発明の他の実施例に従えば、その金属構造体はディスプレイ・ベゼル(周囲枠)を含む。
本発明の他の実施例に従えば、その金属構造体は電子デバイスのためのハウジング横壁を含む。
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品はスイッチを含む。本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は複数のスイッチを含む。
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は連続的に調整可能な電気部品を含む。
本発明の他の実施例に従えば、連続的に調整可能な電気部品は、調整可能な抵抗器、調整可能なキャパシター、調整可能なインダクターの少なくとも1つを含む。
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は、伝導性周辺部に接続する第1の端子と及び第2の端子を有する。
本発明の他の実施例に従えば、誘電性ギャップは伝導性周辺部の中に複数の誘電性ギャップの少なくとも1つを含み、調整可能な電気部品は複数の調整可能な電気部品の一つを含み、そして各調整可能な電気部品は伝導性ギャップのそれぞれ1つをブリッジする。
【0082】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能なアンテナシステムはその少なくとも一部を伝導性周辺部から形成される調整可能なアンテナを含み、調整可能なアンテナシステムは電子デバイス・ハウジング内にある金属板の部分を含み、調整可能な電気部品は伝導性周辺部に接続された少なくとも1つの端子をもつスイッチを含む。
【0083】
本発明の他の実施例に従えば、矩形の周辺部をもつ矩形ハウジング、無線周波数トランシーバ、アンテナフィードをもつアンテナ、無線周波数トランシーバ及びアンテナフィードにカップリングする伝送ラインパス、矩形周辺部に沿って走る矩形の伝導性周辺部を備えた調整可能な電気部品が提供され、誘電性ギャップ及び少なくともアンテナ部分を形成する部分を有する調整可能な電気部品が提供され、伝導性周辺部に電気的に接合されるとともに、アンテナに応じて周波数を調整する制御信号を受信する制御端子をもつ少なくとも1つの端子を備えた調整可能な電気部品が提供される。
【0084】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品はスイッチを含む。本発明の他の実施例に従えば、電子デバイスは伝送ラインのスタブと伝送ラインのパスとの間に結合され、伝送ラインを使用中及び使用外に切り替える。
【0085】
本発明の他の実施例に従えば、アンテナは調整可能なアンテナであり、そして電子デバイスは無線周波数のトランシーバと接合される固定アンテナを含む。
【0086】
本発明の他の実施例に従えば、この固定アンテナは複数の通信バンドをカバーし、そして調整可能な電気部品は調整可能なアンテナが、この複数の通信バンドの一つであるそれぞれの通信バンドを選択的にカバーするように調整される。
【0087】
本発明の実施例に従えば、無線周波数トランシーバ、ストレージ/処理回路、及び無線周波数トランシーバに結合される調整可能なアンテナシステムを備えた電子デバイスが提供される。調整可能なアンテナシステムは、フレキシブル回路基板上の電気部品に結合される調整可能な電気部品を含み、調整可能な電気部品は、ストレージ/処理回路からの制御信号によって制御され、ストレージ/処理回路は、調整可能な電気部品にその制御信号を適用することによって所望の通信バンドをカバーできるようにするために調整可能なアンテナシステムをチューニングする。
【0088】
本発明の他の実施例に従えば、フレキシブル回路基板上の電気部品はカメラモジュールを含む。
【0089】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能な電気部品は、スイッチ、可変抵抗器、可変キャパシター、可変インダクターの少なくとも1つを含む。
【0090】
本発明の他の実施例に従えば、調整可能なアンテナシステムは、ストレージ/処理回路により制御される調整可能なアンテナインピーダンスマッチングネットワークを含む。
【0091】
ここに記載したのは本発明の原理を単に例示したのであって、当業者であれば本開示の範囲及び精神から逸脱することなく様々な修正が行なうことができる。上述したように実施例は単独に又は幾つかの組み合わせで実行され得るものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス・ハウジング内の伝導性周辺部と、
前記伝導性周辺部内のギャップ幅と関連する少なくとも1つの誘電性ギャップと、
前記ギャップ幅を電気的に調整する少なくとも1つの調整可能な電気部品と、
を備えた調整可能なアンテナシステム。
【請求項2】
前記伝導性周辺部は、電子デバイス内に矩形周辺部のある金属構造体を含み、
前記金属構造体は、前記矩形周辺部の実質的にすべてを取り囲んでいる、
請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項3】
前記金属構造体はディスプレイ・ベゼル(周囲枠)を含む、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項4】
前記金属構造体は前記電子デバイスのためにハウジング横壁を含む、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項5】
前記調整可能な電気部品はスイッチを含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項6】
前記調整可能な電気部品は複数のスイッチを含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項7】
前記調整可能な電気部品は、連続的に調整可能な電気部品を含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項8】
前記連続的に調整可能な電気部品は、調整可能な抵抗器、調整可能なキャパシター、調整可能なインダクターからなるグループから選択される部品を含む、請求項7に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項9】
前記調整可能な電気部品は、前記伝導性周辺部に接続される第1の端子と、前記伝導性周辺部に接続される第2の端子とを有する、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項10】
前記誘電性ギャップは、伝導性周辺部内の複数の誘電性ギャップの一つを含み、前記調整可能な電気部品は、複数の調整可能な電気部品の一つを含み、前記調整可能な各電気部品は前記誘電性ギャップのそれぞれ1つをブリッジする、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項11】
前記調整可能なアンテナシステムは、少なくとも部分が前記伝導性周辺部から形成される調整可能なアンテナを含み、前記調整可能なアンテナシステムは、前記電子デバイス・ハウジング内の金属板の部分を含み、そして前記調整可能なアンテナシステムは、前記伝導性周辺部と接続する少なくとも1つの端子を有するスイッチを含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項12】
矩形周辺部をもつ矩形ハウジングと、
無線周波数トランシーバと、
アンテナフィードを有するアンテナと、
前記無線周波数トランシーバ及び前記アンテナに結合する伝送ラインパスと、
前記矩形周辺部に沿って走る矩形の伝導性周辺部であって、誘電性ギャップ及び前記アンテナの少なくとも一部を形成する部分を含む当該伝導性周辺部と、
前記伝導性周辺部に電気的に結合される少なくとも1つの端子を有し、及び、前記アンテナの周波数応答を調整する制御信号を受信するコントロール端子を有する、調整可能な電気部品と、
を備えた電子デバイス。
【請求項13】
前記調整可能な電気部品はスイッチを含む、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
伝送ラインのスタブと、
前記伝送ラインのスタブと、前記伝送ラインのパスとの間に接合して、前記伝送ラインのスタブを使用中及び使用外に切り替えるスイッチと、
を備えた、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記アンテナは調整可能なアンテナであり、アドレス電子デバイスは、前記無線周波数トランシーバと接合する固定アンテナを含む、
請求項14に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記アドレス固定アンテナは複数の通信バンドをカバーし、
前記調整可能な電気部品は、前記調整可能なアンテナが複数の異なる通信バンドを選択的にカバーして、前記各通信バンドが前記複数の通信バンドのうちの一つに対応するように調整される、
請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
無線周波数トランシーバと、
ストレージ/処理回路と、
前記無線周波数トランシーバと接合する調整可能なアンテナシステムであって、フレキシブル回路基板上の電気部品と接合する調整可能な電気部品を含む当該アンテナシステムとを含み、
前記調整可能な電気部品は、前記ストレージ/処理回路からの制御信号によって制御され、前記ストレージ/処理回路は、前記調整可能な電気部品に対して前記制御信号を適用することによって所望の通信バンドをカバーするように前記調整可能なアンテナシステムをチューニングすることを特徴とする電子デバイス。
【請求項18】
前記フレキシブル回路基板上の電気部品はカメラモジュールを含む、請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記調整可能な電気部品は、スイッチ、可変キャパシター、可変抵抗器、可変インダクターからなるグループから選択される部品を含む、請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記調整可能なアンテナシステムは、前記ストレージ/処理回路によって制御される調整可能なアンテナインピーダンス・マッチングネットワークを含む、請求項19に記載の電子デバイス。
【請求項1】
電子デバイス・ハウジング内の伝導性周辺部と、
前記伝導性周辺部内のギャップ幅と関連する少なくとも1つの誘電性ギャップと、
前記ギャップ幅を電気的に調整する少なくとも1つの調整可能な電気部品と、
を備えた調整可能なアンテナシステム。
【請求項2】
前記伝導性周辺部は、電子デバイス内に矩形周辺部のある金属構造体を含み、
前記金属構造体は、前記矩形周辺部の実質的にすべてを取り囲んでいる、
請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項3】
前記金属構造体はディスプレイ・ベゼル(周囲枠)を含む、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項4】
前記金属構造体は前記電子デバイスのためにハウジング横壁を含む、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項5】
前記調整可能な電気部品はスイッチを含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項6】
前記調整可能な電気部品は複数のスイッチを含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項7】
前記調整可能な電気部品は、連続的に調整可能な電気部品を含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項8】
前記連続的に調整可能な電気部品は、調整可能な抵抗器、調整可能なキャパシター、調整可能なインダクターからなるグループから選択される部品を含む、請求項7に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項9】
前記調整可能な電気部品は、前記伝導性周辺部に接続される第1の端子と、前記伝導性周辺部に接続される第2の端子とを有する、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項10】
前記誘電性ギャップは、伝導性周辺部内の複数の誘電性ギャップの一つを含み、前記調整可能な電気部品は、複数の調整可能な電気部品の一つを含み、前記調整可能な各電気部品は前記誘電性ギャップのそれぞれ1つをブリッジする、請求項2に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項11】
前記調整可能なアンテナシステムは、少なくとも部分が前記伝導性周辺部から形成される調整可能なアンテナを含み、前記調整可能なアンテナシステムは、前記電子デバイス・ハウジング内の金属板の部分を含み、そして前記調整可能なアンテナシステムは、前記伝導性周辺部と接続する少なくとも1つの端子を有するスイッチを含む、請求項1に記載の調整可能なアンテナシステム。
【請求項12】
矩形周辺部をもつ矩形ハウジングと、
無線周波数トランシーバと、
アンテナフィードを有するアンテナと、
前記無線周波数トランシーバ及び前記アンテナに結合する伝送ラインパスと、
前記矩形周辺部に沿って走る矩形の伝導性周辺部であって、誘電性ギャップ及び前記アンテナの少なくとも一部を形成する部分を含む当該伝導性周辺部と、
前記伝導性周辺部に電気的に結合される少なくとも1つの端子を有し、及び、前記アンテナの周波数応答を調整する制御信号を受信するコントロール端子を有する、調整可能な電気部品と、
を備えた電子デバイス。
【請求項13】
前記調整可能な電気部品はスイッチを含む、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
伝送ラインのスタブと、
前記伝送ラインのスタブと、前記伝送ラインのパスとの間に接合して、前記伝送ラインのスタブを使用中及び使用外に切り替えるスイッチと、
を備えた、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記アンテナは調整可能なアンテナであり、アドレス電子デバイスは、前記無線周波数トランシーバと接合する固定アンテナを含む、
請求項14に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記アドレス固定アンテナは複数の通信バンドをカバーし、
前記調整可能な電気部品は、前記調整可能なアンテナが複数の異なる通信バンドを選択的にカバーして、前記各通信バンドが前記複数の通信バンドのうちの一つに対応するように調整される、
請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
無線周波数トランシーバと、
ストレージ/処理回路と、
前記無線周波数トランシーバと接合する調整可能なアンテナシステムであって、フレキシブル回路基板上の電気部品と接合する調整可能な電気部品を含む当該アンテナシステムとを含み、
前記調整可能な電気部品は、前記ストレージ/処理回路からの制御信号によって制御され、前記ストレージ/処理回路は、前記調整可能な電気部品に対して前記制御信号を適用することによって所望の通信バンドをカバーするように前記調整可能なアンテナシステムをチューニングすることを特徴とする電子デバイス。
【請求項18】
前記フレキシブル回路基板上の電気部品はカメラモジュールを含む、請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記調整可能な電気部品は、スイッチ、可変キャパシター、可変抵抗器、可変インダクターからなるグループから選択される部品を含む、請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記調整可能なアンテナシステムは、前記ストレージ/処理回路によって制御される調整可能なアンテナインピーダンス・マッチングネットワークを含む、請求項19に記載の電子デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−19526(P2012−19526A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−161308(P2011−161308)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161308(P2011−161308)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
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