説明

調湿内装パネル及びその取付け構造

【課題】シンプルな構造で、調湿性能を十分に生かすことのできる調湿内装パネルとその取付け構造を提供する。
【解決手段】内装下地材8との間に空隙を介して固定される調湿内装パネルである。調湿内装パネル1は、その意匠面11と反対側の裏面12に、上下方向に連通するよう形成された複数の溝部13を有する。複数の調湿内装パネル1の裏面12に取付金具2を設け、各調湿内装パネル1の溝部13が上下方向に向く姿勢で、上下左右に隣接した状態で複数の調湿内装パネル1を固定する。調湿内装パネル1の裏面12と内装下地材8との間には空隙を設ける。上下左右に隣接する調湿内装パネル1の間には間隔を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調湿性を有する基材からなる調湿内装パネル及びその取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住居等の建築物は、エネルギーの効率活用を目的とし、高気密・高断熱化が進んでいる。そのため、住居内に空気が留まりやすく外気温との差も大きくなることにより、住居内が高湿度又は乾燥状態になりやすい。したがって、湿度調節の必要性が高まっている。湿度調整の方法としては、調湿性能を有する基材からなる調湿内装パネルを配置する方法が知られている。
【0003】
また、上記調湿内装パネルは、意匠性を高めるために、その前面に種々の凹凸形状を設けると共に、化粧シートや塗装を施した意匠面を設ける場合が多い。この場合、上記化粧シートや上記塗装により、上記調湿内装パネルの意匠面における調湿性能が低下することから、その対策として以下のような方法が知られている。
第1の方法としては、その裏面の調湿性能を生かすために、上記調湿内装パネルの裏面と内装下地材との間に空隙を設けた上記調湿内装パネルの取付け構造が知られている(特許文献1参照)。
また、第2の方法としては、前述した第1の方法と同様に調湿内装パネルの裏面と内装下地材との間に空隙を設けると共に、上記調湿内装パネルに設けたファンにより空気の循環を行う方法も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−265918号公報
【特許文献2】特開2050−31494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の第1及び第2の方法には、以下の問題がある。
第1の方法においては、上記調湿内装パネルと上記内装下地材との間の空隙が狭い場合、空気の粘性による抵抗のため、空気の対流が起こりにくい。そのため、調湿内装パネルの裏面においても調湿性能を十分に発揮することができない場合がある。
一方、調湿内装パネルの裏面と内装下地材との間の空隙が広い場合には、空気の対流が起こりやすい。しかし、上記空隙を広くするということは、上記調湿内装パネルが上記内装下地材よりも室内側へ突出する量を大きくするということになる。このような突出量の増大化は、上記調湿内装パネルを上記内装下地材からなる壁面の一部に用いた場合には、上記調湿内装パネルと上記内装下地材との間の段差が目立ち、意匠性を損なうおそれがある。また、上記調湿内装パネルを上記内装下地材からなる壁面の全面に用いた場合には、室内空間が狭くなるという問題点がある。
【0006】
また、第2の方法においては、ファンを用いて強制的に空気の循環を行うことにより、上記調湿内装パネルの裏面における調湿性能を生かすことができる。しかし、上記調湿内装パネルにファンユニットを設ける必要があるため、構造が複雑となり、板厚、重量も大きくなる傾向にある。そのため、施工性、搬送性等が悪化する場合がある。また、これらの要因により、調湿内装パネルの価格は、高くなる傾向にある。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、シンプルな構造で、調湿性能を十分に生かすことのできる調湿内装パネルとその取付け構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、内装下地材との間に空隙を介して固定される調湿内装パネルにおいて、
該調湿内装パネルは、その意匠面と反対側の裏面に、上下方向に連通するよう形成された複数の溝部を有することを特徴とする調湿内装パネルにある(請求項1)。
【0009】
第2の発明は、第1の発明にかかる調湿内装パネルの取付け構造であって、
複数の上記調湿内装パネルの上記裏面に取付金具を設け、上記各調湿内装パネルの上記溝部が上下方向に向く姿勢で、上下左右に隣接した状態で複数の上記調湿内装パネルを固定し、
上記調湿内装パネルの裏面と上記内装下地材との間には空隙を設け、上下左右に隣接する上記調湿内装パネルの間には間隔を設けたことを特徴とする調湿内装パネルの取付け構造にある(請求項6)。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明においては、その意匠面と反対側の裏面に、上下方向に連通するよう形成された複数の溝部を有している。
該溝部においては、上記内装下地材との間の空隙を、溝部がない部位よりも大きくすることができる。そのため、上記溝部と上記内装下地材との間においては、空気の粘性による抵抗の影響を受けにくい。それゆえ、室内において気温差や気圧差により上下方向に発生する空気の対流によって、上記溝部と内装下地材の間に気流を形成しやすい。
また、上記溝部に形成される気流により、上記溝部の周囲の空気が引き込まれるため、上記裏面全体の空気を循環させやすくなる。それゆえ、上記調湿内装パネルの裏面における調湿性能を十分に生かすことができる。
【0011】
第2の発明においては、調湿内装パネルの裏面に設けた取付金具により、上下左右に隣接した状態で複数の調湿内装パネルを固定すると共に、調湿内装パネルの裏面と内装下地材との間には空隙を設けてある。
そのため、上記調湿内装パネルの裏面に設けた溝部と上記内装下地材との間に、気流を形成するために必要な空隙を確実に確保することができる。
【0012】
また、上下左右に隣接する調湿内装パネルの間、即ち調湿内装パネル同士の端部間に間隔を設けてある。そのため、上記間隔を通って表面側から裏面側に空気を取り入れることができる。それゆえ、上記取付構造によれば、複数の調湿内装パネルを配設した場合においても、第1の発明の調湿内装パネルの優れた調湿性能を発揮することができる。
【0013】
このように、本発明によればシンプルな構造で、調湿性能を十分に生かすことのできる調湿内装パネルとその取付け構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1における、調湿内装パネルとその取付け構造を示す斜視図。
【図2】実施例1における、調湿内装パネルとその取付け構造を示す正面視図。
【図3】実施例1における、調湿内装パネルの裏面を示す斜視図。
【図4】実施例1における、調湿内装パネルの上面視図。
【図5】実施例2における、調湿内装パネルとその取付け構造を示す斜視図。
【図6】図5のA−A矢視断面を示す部分拡大図。
【図7】実施例2における、調湿内装パネルの裏面を示す説明図。
【図8】実験例1における、実験装置を示す説明図。
【図9】図8のB−B矢視断面を示す部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明において、上記調湿内装パネルの板厚t(mm)は、6≦t≦50mmであり、上記溝部の深さH(mm)及び幅W(mm)は、それぞれ3mm以上であることが好ましい(請求項2)。
上記溝部の深さH(mm)及び幅W(mm)を、それぞれ3mm以上とすることにより、上記溝部と上記内装下地材の間に形成される空隙において、より気流が発生しやすくなる。
【0016】
上記調湿内装パネルの板厚t(mm)がt<6mmの場合には、上記溝部を設けることにより、溝部における上記調湿内装パネルの板厚が薄くなるため、上記調湿内装パネルの剛性が低下する。また、t>50mmの場合には、上記調湿内装パネルの重量が増大し、該調湿内装パネルを上記内装下地材へ固定する取付金具を強固なものとする必要がある。そのため、取付金具のコストが増加する。また、室内への突出量が大きくなるため、上記調湿内装パネルを上記内装下地材からなる壁面の一部に用いた場合には、上記調湿内装パネルと上記内装下地材との間の段差が目立ち、意匠性を損なうおそれがある。また、上記調湿内装パネルを上記内装下地材からなる壁面の全面に用いた場合には、室内空間が狭くなるという問題点が生じるおそれがある。
尚、上記調湿内装パネルの意匠面に凹凸形状を形成した場合、板厚t(mm)は、上記凹凸形状の底部と上記裏面との間の距離を指すものとする。
【0017】
また上記溝部の深さH(mm)及び幅W(mm)が3mm未満の場合には、上記溝部と上記内装下地材の間に形成される空隙が小さく、気流が形成されにくい。尚、上記溝部の深さH(mm)の上限値は、調湿内装パネルの板厚t(mm)によって制約され、剛性低下を防ぐために、H≦t/2mmとすることが好ましい。また、上記溝部W(mm)の上限値は、W≦100とすることが好ましい。
【0018】
また、上記調湿内装パネルにおいて、上記調湿内装パネルに設けた上記複数の溝部の断面形状は、半円形状からなることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記溝部に空気の粘性による抵抗が大きくなる角部が形成されず、かつ溝部の内面における表面積を小さくすることができる。そのため、抵抗の影響をより抑えることができ、溝部に気流を形成しやすい。
【0019】
また、上記調湿内装パネルにおいて、上記調湿内装パネルの意匠面には、化粧シートを貼付けることができる(請求項4)。
上記化粧シートは、透湿性が低いため上記調湿内装パネルの意匠面における調湿性能が十分に得られない。このような場合には特に、上述した上記調湿内装パネルの裏面に上記溝部を設けることにより、上記裏面における調湿性能を向上させることが効果的である。そして、上記裏面の調湿効果を確保した上で化粧シートによる意匠性や防汚性等、種々の特性の向上効果が得られるので、上記調湿内装パネルの総合的な製品価値をより高めることができる。
【0020】
また、上記調湿内装パネルにおいて、上記調湿内装パネルの意匠面には、塗料を塗布することもできる(請求項5)。
上記塗料においても、透湿性が低いため上記調湿内装パネルの意匠面における調湿性能が十分に得られない。したがって、このような場合においても、上述した上記調湿内装パネルの裏面に上記溝部を設けることにより、上記裏面における調湿性能を向上させることが効果的である。そして、上記裏面の調湿効果を確保した上で塗装による意匠性や防汚性等、種々の特性の向上効果が得られるので、上記調湿内装パネルの総合的な製品価値をより高めることができる。
【0021】
第2の発明において、上記内装下地材には、支持フレームを設け、複数の上記各調湿内装パネルの上記裏面に設けた上記取付金具と上記内装下地材に設けた上記支持フレームにより、上下左右に隣接した状態で複数の上記調湿内装パネルを着脱可能に配設することができる(請求項7)。
この場合には、上記内装下地材に上記支持フレームを事前に配設し、その後、上記調湿内装パネルを上記支持フレームに配設するため、配設作業を容易に行うことができる。また、上記フレームと上記取付金具の結合を解除することで、上記調湿内装パネルの取付け、取り外しを容易に行うことができる。そのため、上記内装下地材に穴などが残らず、デザインの変更や、破損、汚れ等による上記調湿内装パネルの交換を容易に行うことができる。
【0022】
また、調湿内装パネルの取付け構造において、上記各調湿内装パネルには、上記裏面の上方と下方とに取付金具を設け、上段に配設する上記調湿内装パネルの下方に設けた上記取付金具を、下段に配設する上記調湿内装パネルの裏面と、上記内装下地面との間に挿入し、配設することが好ましい(請求項8)
この場合には、下段に配設した調湿内装パネルにより上記調湿内装パネルの裏面の下方に設けた上記取付金具の前後方向への動きが抑制される。そのため、上記裏面の上方に設けた上記取付金具を固定することにより、上記調湿内装パネルの固定を行うことができる。それゆえ、上記調湿内装パネルの配設作業の効率を向上させることができる。
【0023】
また、上記調湿内装パネルの取付け構造において、上下左右に隣接する上記調湿内装パネルの間に設けた間隔Sは、5mm≦S≦10mmであることが好ましい(請求項9)。 この場合には、隣接する上記調湿内装パネルの間に設けた間隔Sを通じて、上記調湿内装パネルの表面から裏面へと空気を供給することができる。そのため、上記調湿内装パネルの裏面において空気の気流が起こりやすい。
間隔Sが5mm以下の場合には、間隔Sが狭いため、上記調湿内装パネルの表面から裏面へと供給される空気の量が不十分となり、裏面における気流が起こりにくくなるおそれがある。また、間隔Sが10mm以上の場合には、隣接する上記調湿内装パネルの間の上記内装下地材が見えやすく、意匠性を損なうおそれがある。
【0024】
また、上記調湿内装パネルの取付け構造において、上記調湿内装パネルの裏面と上記内装下地材との間の間隔Pは、5mm≦P≦20mmであり、上記調湿内装パネルに設けた上記溝部の深さH(mm)と上記間隔Pとは、20mm≦H+P≦45mmの関係にあることが好ましい(請求項10)。
この場合には、上記溝部と上記内装下地材の間の空隙を広くすることができるため、上記溝部に気流を形成しやすい。
【0025】
間隔Pが5mm以下の場合には、上記裏面に気流が形成されにくい。また、間隔Pが20mm以上の場合には、上記調湿内装パネルが上記内装下地材よりも室内側へ突出する量を大きくするということになる。このような突出量の増大化は、上記調湿内装パネルを上記内装下地材からなる壁面の一部に用いた場合には、上記調湿内装パネルと上記内装下地材との間の段差が目立ち、意匠性を損なうおそれがある。また、上記調湿内装パネルを上記内装下地材からなる壁面の全面に用いた場合には、室内空間が狭くなるという問題が生じるおそれがある。また、取付金具を大型化する必要があり、コストの上昇につながるおそれがある。
また、H+P<20mmの場合には、上記溝部と上記内装下地材の間に形成される空隙が小さいため、気流が起こりにくい。また、H+P>45mmの場合には、上記溝部の深さH(mm)又は上記間隔Pのいずれか一方又は両方が上限値を超えるため、剛性低下、意匠性悪化といった問題が発生するおそれがある。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
第1の発明の実施例にかかる調湿内装パネル1について、図1〜図4を用いて説明する。
本例の調湿内装パネル1は、図1に示すごとく、内装下地材8との間に空隙を介して固定されている。また調湿内装パネル1は、その意匠面と反対側の裏面に、上下方向に連通するよう形成された8本の溝部を有している。
【0027】
以下詳説する。
調湿内装パネル1は、図1に示すごとく、四角錐状の凹凸部を設けた意匠面11を有し、該意匠面11と反対側に位置する裏面12には、上下方向に連通するよう形成された8本の溝部13を形成してある。調湿内装パネル1には、1m×1mの正方形形状を有するケイ酸カルシウムからなる平面状の元板を切削加工することにより、意匠面11の凹凸部及び裏面12の溝部13を形成してある。意匠面11の上記凹凸形状の底部から、裏面12の間の距離を板厚t(mm)としたとき、本例の調湿内装パネル1においては、t=20mmとした。また、意匠面11には、デザインを施した塩化ビニール製の化粧シートを張り付けてある。また、上述したごとく、調湿内装パネル1の板厚t(mm)は20mmであり、6mm≦t≦50mmの範囲内にある。
【0028】
尚、本例においては、ケイ酸カルシウム製の調湿内装パネルを用いたが、調湿性能を有するものであれば、同様の効果を得ることができる。
また、本例においては塩化ビニール製の化粧シートを用いたが、これに限定するものではなく、種々の化粧シートを用いることができる。
【0029】
裏面12に設けた8本の溝部13は、図4に示すごとく、意匠面11に形成された四角錐状の凹凸部における頂点の裏側の位置に、互いの距離が等しくなるよう形成されている。また、溝部13は、上下方向に挿通するよう形成され、その断面形状は、半径が5mmの半円形状からなる。したがって、溝部13の深さH(mm)は、5mmであり、幅Wは10mmである。
【0030】
図3に示すごとく、裏面12には、調湿内装パネル1を内装下地材8に固定するための取付金具2を配設してある。取付金具2は、矩形形状の閉断面からなる角パイプ形状を有しており、調湿内装パネル1の裏面12と対向する面である内装側面21と、該内装側面21と反対側に位置し、内装下地材8に対向する面である下地側面22とを有する。尚、本例において、内装側面21と下地側面22との間の距離Lは20mmとした。本例の取付け構造では、距離Lがそのまま調湿内装パネル1の裏面12と内装下地材8との間隔Pと同一となるため、L=P=20mmである。
【0031】
図4に示すごとく、取付金具2の内装側面21及び下地側面22にはそれぞれ1つの取付穴23と、該取付け穴29より直径が大きい作業穴24とを設けてある。また、取付穴23と作業穴24の位置は、内装側面21の取付穴23と下地側面22の作業穴24とが対向し、内装側面21の作業穴24と下地側面22の固定穴29とが対向する位置に設けられている。
【0032】
取付金具2は、図4に示すごとく、裏面12に形成した溝部13と隣接する平面部14において、調湿内装パネル1の上方及び下方にそれぞれ2つずつ左右対称の位置に配設する。また、取付金具2は、上面視において、上方の2つの取付金具2と下方の2つの取付金具2とが重複しないように配設する。即ち、4つの取付金具2は、2本の溝部13によって区画された複数の平面部14のうち、同じ平面部14上には配設されず、1つの平面部14上には1つの取付金具2が配設される。本例においては、横方向の両側において、それぞれ最も外側に配された溝部13の内側に隣接する平面部14上に、上方に位置する2つの取付金具2を配設し、さらに内側に溝部13を介して隣接する平面部14上に、上方に位置する2つの取付金具2を配設してある。
【0033】
取付金具2は、下地側面22に設けた作業穴24から金具取付ビス41及び工具を挿通し、内装側面21に設けた取付穴23へ金具取付ビス41を挿入し締め付けることにより、調湿内装パネル1へ配設される。このとき、上方の2つの取付金具2は、内装側面21に設けた取付穴23が作業穴24の上方に位置するように、かつ調湿内装パネル1の上側端部から、その全長の略半分が突出するように配設する。また、下方の2つの取付金具2は、内装側面21に設けた作業穴24が取付穴23の上方に位置するように、かつ調湿内装パネル1の下側端部から、その全長の略半分が突出するように配設する。
【0034】
また、取付金具2は、本例に示すごとく、調湿内装パネル1の左右方向(横方向)において、対称の位置に配されることが好ましい。この場合には、取付金具2により調湿内装パネル1を固定した際に、調湿内装パネル1の重量を取付金具2に等しく分配することができる。
【0035】
次に本例の調湿内装パネル1の取付方法について説明する。
本例の内装パネル1の取付け構造においては、図1に示すごとく、下段に位置する調湿内装パネル1から取付けを行い、順次上段の取付けを行う。最下段に位置する調湿内装パネル1においては、調湿内装パネル1の裏面12に設けた4つの取付金具2の全てをパネル取付ビス42により締め付け、取付を行う。また、図4に示すごとく、最下段よりも上段に取付ける調湿内装パネル1においては、下段に取付けた調湿内装パネル1の上方に配設した2つの取付金具2が対向する内側面25と裏面12と内装下地材8により形成される開口部50に、上段に取付ける調湿内装パネル1の下方に配設した2つの取付金具2を挿入する。そして、上段に取付ける調湿内装パネル1の上方に配設した2つの取付金具2においては、パネル取付ビス42を用いて締め付け、取付を行う。
【0036】
また、横方向に隣接する調湿内装パネル1に関しても、上述の方法と同様の最下段から取付ける方法により取付けを行った。このとき、図2に示すごとく、上下左右に隣接する調湿内装パネル1の間には間隔Sを設けてあり、本例においては、S=10mmとした。したがって、5mm≦S≦10mmを満たしている。
また、調湿内装パネル1に設けた溝部13の深さH(mm)と、調湿内装パネル1の裏面12と内装下地材8との間の間隔Pとは、H+P=25mmである。したがって、20mm≦H+P≦45mmを満たしている。
【0037】
また、取付金具2には、上下に隣接する調湿内装パネル1の互いの位置を定める位置決め部を設けることもできる。この場合には、上下に隣接する調湿内装パネル1の間に設ける間隔Sの管理が容易となる。それゆえ、調湿内装パネル1の取付作業効率を向上することができる。
【0038】
本例の作用効果について説明する。
本例の調湿内装パネル1においては、その意匠面11と反対側の裏面12に、上下方向に連通するよう形成された8本の溝部13を有している。
該溝部13においては、内装下地材8との間の空隙を、溝部13がない部位よりも大きくすることができる。そのため、溝部13と内装下地材8との間においては、空気の粘性による抵抗の影響を受けにくい。それゆえ、室内において気温差や気圧差により上下方向に発生する空気の対流によって、溝部13と内装下地材8の間に気流を形成しやすい。
また、溝部13に形成される気流により、溝部13の周囲の空気が引き込まれるため、裏面12全体の空気を循環させやすくなる。それゆえ、調湿内装パネル1の裏面12における調湿性能を十分に生かすことができる。
【0039】
また、調湿内装パネル1の板厚t(mm)は、20mmであり、溝部13の深さH(mm)及び幅W(mm)は、H=5mm、W=10mmであり、それぞれ3mm以上である。
そのため、確実に溝部13と内装下地材8の間に空隙を形成することができ、溝部13により気流が発生しやすくなる。
【0040】
また、調湿内装パネル1に設けた8本の溝部13の断面形状は、半円形状からなる。
そのため、溝部13に空気の粘性による抵抗が大きくなる角部が形成されず、かつ溝部13の内面における表面積を小さくすることができる。それゆえ、抵抗の影響をより抑えることができ、溝部13に気流を形成しやすい。
【0041】
また、調湿内装パネル1の意匠面11には、化粧シートを貼付けてある。
上記化粧シートは、透湿性が低いため調湿内装パネル1の意匠面11における調湿性能が十分に得られない。このような場合には特に、調湿内装パネル1の裏面12に溝部13を設けることにより、裏面12における調湿性能を向上させることが効果的である。そして、裏面12の調湿効果を確保した上で上記化粧シートによる意匠性や防汚性等、種々の特性の向上効果が得られるので、調湿内装パネル1の総合的な製品価値をより高めることができる。
【0042】
また、調湿内装パネル1の裏面12に設けた取付金具2により、上下左右に隣接した状態で複数の調湿内装パネル1を固定すると共に、調湿内装パネル1の裏面12と内装下地材8との間には空隙を設けてある。
そのため、調湿内装パネル1の裏面12に設けた溝部13と内装下地材8との間に、気流を形成するために必要な空隙を確実に確保することができる。
【0043】
また、上下左右に隣接する調湿内装パネル1の間、即ち調湿内装パネル1同士の端部間に間隔Sを設けてある。そのため、間隔Sを通って表面側から裏面側に空気を取り入れることができる。それゆえ、本例の取付構造によれば、複数の調湿内装パネルを配設した場合においても、本例に示す調湿内装パネル1の優れた調湿性能を発揮することができる。
【0044】
また、各調湿内装パネル1には、裏面12の上方と下方とに取付金具2を設け、上段に配設する調湿内装パネル1の下方に設けた取付金具2を、下段に配設する調湿内装パネル1の裏面12と、内装下地面8との間に挿入し、配設してある。
そのため、下段に配設した調湿内装パネル1により調湿内装パネル1の裏面12の下方に設けた取付金具2の前後方向への動きが抑制される。そのため、裏面12の上方に設けた取付金具2を固定することにより、調湿内装パネル1の固定を行うことができる。それゆえ、調湿内装パネル1の配設作業の効率を向上させることができる。
【0045】
また、上下左右に隣接する調湿内装パネル1の間に設けた間隔Sは、S=10mmとした。
そのため、隣接する調湿内装パネル1の間に設けた間隔Sを通じて、調湿内装パネル1の表面から裏面へと空気を供給することができる。そのため、調湿内装パネル1の裏面12において空気の気流が起こりやすい。
【0046】
また、調湿内装パネル1の裏面12と内装下地材8との間の間隔Pは、20mmであり、調湿内装パネル1に設けた溝部13の深さH(mm)と間隔Pとは、H+P=25mmである。
そのため、溝部13と内装下地材8の間の空隙を広くすることができ、溝部13に気流を形成しやすい。
【0047】
このように、本例によればシンプルな構造で、調湿性能を十分に生かすことのできる調湿内装パネルとその取付け構造を提供することができる。
【0048】
(実施例2)
本例は、図5に示すごとく、支持フレームを用いた調湿内装パネル1の取付構造を示す例である。
本例の調湿内装パネル1の意匠面11には、塩化ビニ−ル樹脂塗料を塗布してある。
また、調湿内装パネル1の裏面12の平面部14には、4つの取付金具202を配設してある。該取付金具202は、図2及び図3に示すごとく、金属製の平板に曲げ加工を施すことにより形成されている。平板状の本体部203の一端には、略コの字の断面形状からなる接合部204を形成してある。また、本体部203の他端と接合部204の端部には、折返し形状を有する係合部205を形成してある。
本例においては、意匠面11に塩化ビニール樹脂塗料を塗布したが、これに限定するものではない。
【0049】
取付金具202は、図6に示すごとく、平面部14に設けられた凹部に、取付金具202の接合部204を挿入し、接着材を注入することにより、調湿内装パネル1に接着固定されている。取付金具202は、平面部14において、調湿内装パネル1の上方及び下方にそれぞれ2つずつ配設してあり、上面視において、上方及び下方に2つずつ配設した取付金具202が重複するように配設してある。即ち、上方に配設した2つの取付金具202のうちの1方と、下方に配設した2つの取付金具202のうちの1方とは、同じ平面部141上に配設される。また、上方に配設した2つの取付金具202の他方と、下方に配設した2つの取付金具202のもう1方とは、同じ平面部142上に配設される。本例においては、横方向の両側において、それぞれ最も外側に配された溝部13の内側に隣接する平面部141、142上に取付金具202を配設してある。
【0050】
内装下地材8には、図5に示すごとく、支持フレーム31〜34が所定の間隔を介して設けてある。支持フレーム31と支持フレーム32との間隔及び支持フレーム33と支持フレーム34との間隔は、調湿内装パネル1の裏面12に設けた4つの取付金具202の横方向の距離と同一としてある。また、支持フレーム32と支持フレーム33との間隔は、左右に隣接する調湿内装パネル1の間隔Sが10mmとなる位置に配設してある。
該支持フレーム31〜34は、縦長形状を有しており、その断面形状は略コの字をなす矩形形状を有している。また、支持フレーム31〜34の前面には、複数の係合穴35と、配設穴36がそれぞれ所定間隔毎に設けてある。支持フレーム31〜34は、該配設穴32にフレーム固定ビス43を挿通し、締め付けることにより内装下地材8に固定される。
【0051】
調湿内装パネル1は、図2に示すごとく、その裏面12に設けた4つの取付金具202が有する係合部205を、支持フレーム31〜34に設けた係合穴31に係合することにより固定される。このとき、調湿内装パネル1の裏面12と、内装下地材8との間には、間隔Pが形成される。該間隔Pは、調湿内装パネル1の裏面12と取付金具202の係合部205との間の距離と、支持フレーム31〜34の突出高さとにより決まり、本例においては、間隔P=20mmとなるように構成してある。その他、実施例1と同様の構成を有している。
【0052】
本例の調湿内装パネル1の意匠面11には、塗料を塗布してある。
塗料においては、透湿性が低いため調湿内装パネル1の意匠面11における調湿性能が十分に得られない。このような場合においては、上述した調湿内装パネル1の裏面12に溝部13を設けることにより、裏面13における調湿性能を向上させることが効果的である。そして、裏面12の調湿効果を確保した上で塗装による意匠性や防汚性等、種々の特性の向上効果が得られるので、調湿内装パネル1の総合的な製品価値をより高めることができる。
【0053】
また、内装下地材8には、支持フレーム31〜34を設け、複数の各調湿内装パネル1の裏面12に設けた取付金具202と内装下地材8に設けた支持フレーム31〜34により、上下左右に隣接した状態で複数の調湿内装パネル1を着脱可能に配設してある。
そのため、内装下地材8に支持フレーム31〜34を事前に配設し、その後、調湿内装パネル1を支持フレーム31〜34に配設するため、配設作業を容易に行うことができる。
【0054】
また、支持フレーム31〜34と取付金具202の結合を解除することで、調湿内装パネル1の取付け、取り外しを容易に行うことができる。そのため、内装下地材8に穴などが残らず、デザインの変更や、破損、汚れ等による調湿内装パネル1の交換を容易に行うことができる。そのため、内装下地材8に支持フレーム31〜34を事前に配設し、その後、調湿内装パネル1を支持フレーム31〜34配設することができ、調湿内装パネル1の配設作業を容易に行うことができる。
また、支持フレーム31〜34と取付金具202の係合を解除することで、調湿内装パネル1の取付け、取り外しを容易に行うことができる。そのため、デザインの変更や、破損、汚れ等による調湿内装パネル1の交換を容易に行うことができる。
【0055】
(実験例1)
本発明の効果を定量的に評価するため、図8に示す実験装置9により、調湿内装パネル101の裏面における気流の流量評価を行った。
実験装置9は、図8及び図9に示すごとく、幅900mm×奥行き900mm×高さ1800mmの直方体形状をなしている。実験装置9の側面をなす4つの壁面のうち一面を壁面911とし、その内側には、3枚の調湿内装パネル101を上下方向に隣接して配設した。このとき、隣接する調湿内装パネル101同士の間隔Stは、10mmとし、調湿内装パネル101の裏面102と壁面911との間隔Ptは、5mmとした。尚、間隔Ptは、後述するごとく、調湿内装パネル101を壁面911に固定する取付板20の板厚により決まる。
【0056】
図9に示すごとく、調湿内装パネル101の壁面911における横方向の配設位置は、調湿内装パネル101の横方向の中央位置と、壁面911の横方向の中央位置が一致するように配設してある。また、調湿内装パネル101の横方向には、幅125mm×高さ1700mm、板厚35mmの塞ぎパネル99を配してあり、調湿内装パネル101の横方向の空間を塞いである。
【0057】
図8に示すごとく、実験装置9の内側には、上方仕切り板94及び下方仕切り板95を設け、実験装置9の上方及び下方に空隙を形成してある。上方仕切り板94の下面と、最上段の調湿内装パネル101の上端とが当接し、下方仕切り板95の上面と、最下段の調湿内装パネル101の下端とが当接している。また、図8及び図9に示すごとく、壁面911に対向する上方仕切り板94及び下方仕切り板95の端部941、951は、裏面102の気流に影響を与えないように、調湿内装パネル101に設けた溝部103の底部よりも意匠面105側に位置している。また、上方仕切り板94及び下方仕切り板95の端部941、951と反対側に配される端部942、952は、図8に一点鎖線で示す実験装置9の中央部に位置している。
【0058】
また、図8に示すごとく、上方仕切り板94と装置上面92の間に形成される空隙には、送風機96を設けてある。該送風機96により、装置上面92側に形成される空隙と底面93側に形成される空隙との間に差圧を発生させることができる。また、装置上面92及び装置下面93に形成される空隙には、上記差圧を計測するための微差圧計97をそれぞれ設けてある。また、最上段に配した調湿内装パネル101の上方で、かつ横方向の中央位置を風速測定点とし、裏面から流出する気流の流速を計測するための熱球式風速計98を設けた。
【0059】
本例において評価に用いた調湿内装パネル101は、図8に示すごとく、幅=550mm、高さ=500mm、板厚=30mmのケイ酸カルシウム製の平板からなり、その裏面102には、上下方向に連通する7本の溝部103を形成してある。該溝部103は、図9に示すごとく、幅50mmの平面部104を介して横並びに形成されており、その断面形状は、半径15mmの半円形状からなる。
【0060】
図8及び図9に示すごとく、調湿内装パネル101は取付板20を介して壁面911に固定してある。取付板20は、幅50mm、高さ500mm、板厚5mmの外形を有し、調湿内装パネルの裏面102における横方向の両側において、最も外側に配された溝部103の内側に隣接する平面部104上にそれぞれ配設してある。
【0061】
本例においては、上述した実験装置9を用いて、上記風速測定点の風速を計測することにより、調湿内装パネル101の裏面における気流の流量を評価した。比較のため、調湿内装パネル101と同じサイズのパネルであって、裏面に溝部を設けていない平板を用いて、上記と同様に気流の流速を計測した。尚、平板の配設方法及び条件は、裏面と壁面911の間隔P=5mm、隣接する平板との間隔S=10mmとして、調湿内装パネル101の場合と同一とした。
また、上方と下方とに設けた空隙における差圧は、住居室内において温度差により発生する気流を想定し、2Paとした。
【0062】
上述した風速測定点における気流の流速を計測した結果、調湿内装パネル101においては、0.7m/sであり、平板においては、0.3m/sであった。したがって、調湿内装パネル101における気流の流速は、平板における気流の流速の2.3倍となった。これにより、溝部を設けることで、調湿内装パネルの裏面において空気の流量が増大し、気流が形成されやすくなることが明らかとなった。
【符号の説明】
【0063】
1、101 調湿内装パネル
11、105 意匠面
12、102 裏面
13、103 溝部
14、104 平面部
2、202 取付金具
203 本体部
204 接合部
205 係合部
21 内装側面
22 下地側面
23 取付穴
24 作業穴
25 内側面
31〜34 支持フレーム
41 金具取付ビス
42 パネル取付ビス
43 フレーム固定ビス
8 内装下地材
9 実験装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装下地材との間に空隙を介して固定される調湿内装パネルにおいて、
該調湿内装パネルは、その意匠面と反対側の裏面に、上下方向に連通するよう形成された複数の溝部を有することを特徴とする調湿内装パネル。
【請求項2】
請求項1に記載の調湿内装パネルにおいて、上記調湿内装パネルの板厚t(mm)は、6mm≦t≦50mmであり、上記溝部の深さH(mm)及び幅W(mm)は、それぞれ3mm以上であることを特徴とする調湿内装パネル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の調湿内装パネルにおいて、上記調湿内装パネルに設けた上記複数の溝部の断面形状は、半円形状からなることを特徴とする調湿内装パネル。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の調湿内装パネルにおいて、上記調湿内装パネルの意匠面には、化粧シートを貼付けてあることを特徴とする調湿内装パネル。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の調湿内装パネルにおいて、上記調湿内装パネルの意匠面には、塗料を塗布してあることを特徴とする調湿内装パネル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の調湿内装パネルの取付け構造であって、
複数の上記調湿内装パネルの上記裏面に取付金具を設け、上記各調湿内装パネルの上記溝部が上下方向に向く姿勢で、上下左右に隣接した状態で複数の上記調湿内装パネルを固定し、
上記調湿内装パネルの裏面と上記内装下地材との間には空隙を設け、上下左右に隣接する上記調湿内装パネルの間には間隔を設けたことを特徴とする調湿内装パネルの取付け構造。
【請求項7】
請求項6に記載の調湿内装パネルの取付け構造において、上記内装下地材には、支持フレームを設け、
複数の上記各調湿内装パネルの上記裏面に設けた上記取付金具と上記内装下地材に設けた上記支持フレームにより、上下左右に隣接した状態で複数の上記調湿内装パネルを着脱可能に配設したことを特徴とする調湿内装パネルの取付け構造。
【請求項8】
請求項6に記載の調湿内装パネルの取付け構造において、上記各調湿内装パネルには、上記裏面の上方と下方とに取付金具を設け、
上段に配設する上記調湿内装パネルの下方に設けた上記取付金具を、下段に配設する上記調湿内装パネルの裏面と、上記内装下地面との間に挿入し、配設したことを特徴とする調湿内装パネルの取付け構造。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の調湿内装パネルの取付け構造において、上下左右に隣接する上記調湿内装パネルの間に設けた間隔Sは、5mm≦S≦10mmであることを特徴とする調湿内装パネルの取付け構造。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか1項に記載の調湿内装パネルの取付け構造において、上記調湿内装パネルの裏面と上記内装下地材との間の間隔Pは、5mm≦P≦20mmであり、上記調湿内装パネルに設けた上記溝部の深さH(mm)と上記間隔Pとは、20mm≦H+P≦45mmの関係にあることを特徴とする調湿内装パネルの取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−67510(P2012−67510A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213167(P2010−213167)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(591196751)旭中部資材株式会社 (13)
【Fターム(参考)】