説明

調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れの除去用組成物

本発明は、手動食器洗浄に使用するための組成物に関し、特に調理食物残滓汚れ、焼き付き食物残滓汚れ、及び焦げ付き食物残滓汚れを除去するのに有効である。本組成物は、汚れ膨潤剤と、汚れ改質剤と、酵素とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組成物、特に汚れ改質剤と、汚れ膨潤剤と、酵素とを含む手動食器洗浄組成物に関する。本発明の組成物は、重合され、焼き付けられた油脂汚れを、調理器具、食卓用食器、及び台所表面から除去するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れは、表面から除去するのが最も困難な汚れの一種である。調理器具及び食卓用食器から調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れを除去するには、慣習的に、機械的な作業の前に汚れた物品を水に浸すことが必要である。手動の食器洗浄方法では、調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れを除去するためには、非常に強くこする必要があるので、調理器具/食卓用食器の安全性や状態に不利益をもたらし得る。一般に、すべての調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れは除去しにくいが、本明細書で特に関連するのは油脂系汚れ、特に重合油脂汚れ及びタンパク質系汚れである。
【0003】
調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れの除去において、洗浄組成物を使用することが、当該技術分野において既知である。例えば、特許文献US−A−5102573は、調理食物残滓、焼き付き食物残滓又は乾燥した食物残滓で汚れた硬質表面の処理方法を提示しており、この方法は、汚れた物品にプレスポット用組成物を適用することを含む。適用される組成物は、界面活性剤、研磨剤、アミン、及び溶媒を含み、約10のpHを有する。特許文献US−A−5929007は、硬質化した、乾燥又は焼き付き油脂汚れの付着物を除去するための、硬質表面用水性洗浄組成物を提示している。該組成物は、非イオン性界面活性剤、キレート剤、腐食剤、グリコールエステル溶媒系、有機アミン及び再付着防止剤を含み、11.5以上の高いpHを有する。
【0004】
上述の組成物は、油脂系汚れの除去にはいくらか効力があるが、タンパク質系汚れの除去には有効ではない。さらに、記述の洗浄組成物の化学的組成は、表面処理に対して悪影響を有し得る。アルミニウムのような金属の表面は、組成物の高いpHにより酸化されやすく、表面に穴があいたり、変色が生じたりする原因となる。さらに、組成物の高いpHは、食卓用食器を装飾するのに使用される多くの塗料又はエナメル中の結合剤を加水分解し得る。加水分解は、塗装面の変色を引き起こし、表面がより少ないエナメル質の除去さえも引き起こし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れを洗浄するのに適し、油脂汚れ、特に重合油脂及びタンパク質系汚れに対し改善された効力を有し、且つ皮膚と表面同様に比較的攻撃性の少ない組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、組成物の10%溶液のpHが6〜10である調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れの洗浄に適した組成物であって、式RCOOR1(式中、R基はC1〜C6のアルキルから成る群から選択され、R1基はC4〜C40の脂肪酸から成る群から選択される)を有するアルキルエステルから成る群から選択される表面改質剤と、汚れ膨潤剤と、酵素とを含む組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の組成物は、液体、ゲル又はペーストの形態であってもよく、また均質組成物、マイクロエマルション又はエマルションとして存在してもよい。組成物がエマルションである場合には、使用する際にユーザーが組成物を含む容器を振って、分与する前にエマルションの相を混合することが好ましい。
【0008】
(汚れ膨潤剤)
汚れ膨潤剤とは、上に開示されるように、調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れを膨潤させる効果のある物質又は組成物である。本明細書で使用されるのに好ましい汚れ膨潤剤としては、有機アミン溶媒が挙げられる。汚れ膨潤剤は、界面活性剤塩の形態で存在しないことが好ましい。本出願人は、汚れ膨潤剤の界面活性剤塩は油脂の除去に良好に機能するが、その遊離又は無機塩と同じほど良好には機能しないことを見出した。「遊離(free)」とは、非プロトン化の中性型分子を意味する。「無機塩」とは、クロライド、ブロミド、ホスフェート等のような、小さな陰イオン塩を意味する。理論に束縛されることを望まないが、このことは、汚れ膨潤剤の大分子量の有機界面活性剤塩が遊離又は無機塩のように効果的に汚れに浸透しないという事実に由来すると考えられる。よって大きい塩ほど汚れに浸透するのが遅いので、その結果、汚れを膨潤させるのにあまり効果的ではない。
【0009】
最も好ましい汚れ膨潤剤は、アルカノールアミン(特にモノエタノールアミン)、β−アミノアルカノール(特に2−アミン−2メチル−プロパノール(三級炭素に付着したアミン基を有するβ−アミノアルカノールの中で最も分子量が小さいため、アミン基の反応性を最低限に抑える))及びこれらの混合物から選択される。
【0010】
汚れ膨潤指数(SSI)とは、物質又は組成物での処理前の汚れと比較して、物質又は組成物での処理後の汚れの、増大した厚さの尺度である。理論に限定されるものではないが、厚さが増すのは、少なくとも一部は、汚れの水和又は溶媒和によるものと考えられる。汚れが膨潤すると、力を加えなくても又は最低限の力(例えば、拭き取り、すすぎ、又は手動及び自動での食器洗浄)を加えるだけで、汚れをより簡単に除去することができる。この汚れの厚さの変化を測定し、SSIとする。
【0011】
汚れ膨潤機能をもたらすのに必要な物質又は組成物の量は、物質又は組成物の性質に依存し、通常の実験により決定することができる。汚れの膨潤に有効なその他の条件(例えば、pH、温度及び処理時間)も、通常の実験により決定することができる。しかし、本明細書において好ましいのは、ガラスや金属基材上の重合油脂若しくは炭水化物汚れ等の調理汚れ、焼き付き汚れ又は焦げ付き汚れを膨潤させるのに有効な物質又は組成物であり、物質又は組成物を5%水溶液及びpH9において、20℃で45分間以内、好ましくは30分間以内、より好ましくは20分間以内、汚れに接触させた後、これらの物質又は組成物は、5%水溶液及びpH9において、少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約30%、特に少なくとも約50%のSSIを有する。また、同じ処理時間及び温度条件で原液として測定された最終組成物のSSIが、少なくとも約100%、好ましくは少なくとも約200%、より好ましくは少なくとも約500%であるように汚れ膨潤剤を選択することも好ましい。本明細書において非常に好ましい汚れ膨潤剤及び最終組成物は、以下に記載する手順に従うと、重合油脂汚れに対するSSI必要条件を満たすものである。
【0012】
本明細書では、SSIは、例えばザイゴ・ニュービュー(Zygo NewView)5030走査型白色光干渉計(登録商標)を使用して、光学式形状測定により測定される。つや消しステンレス鋼試片上の重合油脂試料は、重合油脂除去指標の測定に関して、以下に記述されるように調製される。次に光学式形状測定が、油脂試料端面の厚さ約10μmの油脂小液滴にて行われる。走査型白色光干渉法による画像収集により、処理前(Si)及び処理後(Sf)の汚れの液滴の厚さを測定する。干渉計(ミラウ(Mirau)20倍対物レンズを有するザイゴ・ニュービュー(Zygo NewView)5030(登録商標))は、入射光を内部の基準面に向かう光線と試料に向かう光線に分離させる。反射後、光線は干渉計の内部で再結合され、建設的及び相殺的干渉を起こして明暗の干渉縞を作る。CCD(電荷結合素子)カメラを使用してデータを記録し、周波数領域分析を用いる干渉計のソフトウェアで、データ処理を行う。その後、得られた画像寸法(ピクセルで)を実際の寸法(μm又はmm)に変換する。試片上の汚れの厚さ(Si)を測定後、試片を周囲温度で所定の時間、本発明の組成物中に浸し、上記の手順を繰り返して、汚れの厚さ(Sf)を測定する。必要な場合には、統計的有意性を得るために、十分な部材の液滴及び試料で手順を繰り返す。
【0013】
以下の方法でSSIを計算する。
【0014】
SSI=[(Sf−Si)/Si]×100
本明細書の好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、総組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約2重量%〜約8重量%、より好ましくは約3重量%〜約7重量%、最も好ましくは約4重量%〜約6重量%の汚れ膨潤剤を含んでもよい。
【0015】
(汚れ改質剤)
また本明細書の組成物は、式RCOOR1(式中、R基は、直鎖状、分枝状、アリールを含む環状、飽和、不飽和部分及びこれらの混合物を含むC1〜C6のアルキル部分から成る群から選択される)を有するアルキルエステルから成る群から選択される汚れ改質剤を含む。より好ましくは、R基はC1〜C3のアルキル部分から選択される。R1基は、直鎖状、分枝状、アリールを含む環状、飽和、不飽和部分及びこれらの混合物を含むC4〜C40のアルキル部分から成る群から選択される。より好ましくは、前記R1基はC6〜C22のアルキル部分から選択される。最も好ましい実施形態では、アルキルエステルはC6〜C12の脂肪酸のメチルエステル若しくはエチルエステル又はこれらの混合物である。
【0016】
表面改質剤の機能は、汚れ膨潤剤と汚れとの間の界面張力を低下させることにより、汚れの濡れ、浸透及び軟化を補助し、それにより汚れ膨潤剤による汚れの湿潤性を増大させることである。汚れ膨潤剤を含有する本明細書の組成物に表面改質剤を添加すると、組成物の表面張力が低下する。表面改質剤が存在する場合、本発明による組成物の、調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れの除去能力がさらに向上することが見出された。特に有用な表面改質剤は、表面張力を約35mN/mより低く、好ましくは約30mN/mより低く、より好ましくは約28mN/mより低く、特に約27.5mN/mより低くすることができ、また蒸留水中の10%溶液にて測定されたpHを提供することができるものである。本明細書では、表面張力は25℃にて測定される。
【0017】
汚れ改質剤は、組成物中、好ましくは組成物の1重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%、最も好ましくは20重量%〜30重量%で存在する。
【0018】
汚れ膨潤剤単独、酵素単独又は表面改質剤単独では、有効な汚れ除去がもたらされない。理論に束縛されることを望まないが、汚れ膨潤剤/酵素、及び表面改質剤が、組成物の油脂及びタンパク質除去能力を相乗的に向上させるために共に作用すると考えられている。やはり理論に束縛されることを望まないが、表面改質剤は、汚れ膨潤剤又は酵素と汚れとの間の界面作用を促進し、汚れの湿潤、浸透及び軟化を補助すると考えられている。汚れ膨潤剤は、順に、汚れに浸透し、汚れを水和し、膨潤させる。汚れの浸透及び膨潤により、汚れと基材との間の結合力が弱まると考えられている。得られる組成物は、金属基材からの汚れの除去に特に有効である。
【0019】
(酵素)
本発明の組成物は酵素も含む。前記酵素としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ及びこれらの混合物から選択される酵素が挙げられる。好ましい組み合わせは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素の反応混液を有する洗剤組成物である。酵素は、組成物中に存在する場合、その洗剤組成物の約0.0001重量%〜約5重量%の活性酵素で存在する。好ましいタンパク質分解酵素は、アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)(ノボインダストリ(Novo Industri)A/S)、BPN’、プロテアーゼA及びプロテアーゼB(ジェネンコア(Genencor))並びにこれらの混合物から成る群から選択される。プロテアーゼBが最も好ましい。好ましいアミラーゼ酵素としては、ターマミル(TERMAMYL)(登録商標)、デュラミル(DURAMYL)(登録商標)、並びにPCT国際公開特許WO94/18314(ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International))及びPCT国際公開特許WO94/02597(ノボ(Novo))に記載されているアミラーゼ酵素が挙げられる。
【0020】
(pH)
このような調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れの除去に適する従来の組成物は、効果をもたらすために12.0を超える高いpHが必要であったのに対し、本発明の組成物は、効力を維持するためにこのような高いpHが必要ない点で改良されていることがわかった。従って、本発明のさらなる実施形態では、組成物の10%溶液のpHを6〜10、好ましくは8〜9.5の範囲に低下させることができる。加えて、より低いpHは、皮膚及び表面に対する組成物の攻撃がより少ないことをも意味する。
【0021】
(界面活性剤)
存在する場合は、任意成分として、本明細書の組成物は、上述のような湿潤剤として使用される界面活性剤に加えて、さらに界面活性剤を含む。陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、半極性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される界面活性剤の本発明の組成物への添加は、洗浄過程を補助し、またユーザーの皮膚のケアにも役立つ。好ましくは界面活性剤のレベルは、約0.05〜約10%、より好ましくは約0.09〜約5%、より好ましくは約0.1〜約2%である。本明細書に用いられるのに好ましい界面活性剤は、脂肪酸グルコースアミド(fatty glucose amides)と脂肪酸グルコースエステル(fatty glucose esters)とを含む糖系非イオン性物質である。
【0022】
本明細書の組成物において、界面活性剤は、直接の適用にて起泡性であることが好ましい。本明細書で好適な界面活性剤としては、アルキル、アルケニル、又はアシル部分がC5〜C20、好ましくはC10〜C18の直鎖状又は分枝状であるアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルグリセリルスルホネート、アルキル及びアルケニルスルホネート、アルキルエトキシカルボキシレート、N−アシルサルコシネート、N−アシルタウレート、並びにアルキルサクシネート及びアルキルスルホサクシネート等の陰イオン性界面活性剤;クロリンエステル(特許文献US−A−4228042、US−A−4239660及びUS−A−4260529)、及び残りのN位がメチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基で置換されているモノC6〜C16のN−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤等の陽イオン性界面活性剤;非イオン性アルコキシル化界面活性剤(特にC6〜C18の第一級アルコールから誘導されるエトキシレート)、エトキシル化−プロポキシル化アルコール(例えば、オリン社(Olin Corporation)のポリ−タージェント(Poly-Tergent)(登録商標)SLF18)、エポキシ末端処理されたポリ(オキシアルキル化)アルコール(例えば、オリン社のポリ−タージェント(登録商標)SLF18B、PCT国際公開特許WO−A−94/22800参照)、エーテル末端処理されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー化合物(例えば、ミシガン州ワイアンドットのBASF−ワイアンドット社(BASF-Wyandotte Corp.)によるプルロニック(PLURONIC)(登録商標)、リバースド・プルロニック(REVERSED PLURONIC)(登録商標)及びテトロニック(TETRONIC)(登録商標)等)及びアルキルポリグルコシドを含む、低曇点及び高曇点の非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物;C12〜C20のアルキルアミンオキシド(本明細書で使用するのに好ましいアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド及びヘキサデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる)、及びアルキル両性カルボン酸界面活性剤(alkyl amphocarboxylic surfactants)(例えば、ミラノール(Miranol)(商標)C2M)等の両性界面活性剤;並びにベタイン及びスルタイン等の双極性界面活性剤;並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書で好適な界面活性剤は、例えば、特許文献US−A−3,929,678、US−A−4,259,217、EP−A−0414549、PCT国際公開特許WO−A−93/08876、及びPCT国際公開特許WO−A−93/08874に開示されている。
【0023】
好ましいアルキルポリグリコシドは次式を有する:
2O(Cn2nO)t(グリコシル)x
式中、R2はアルキル、アルキル−フェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル及びこれらの混合物から成る群から選択され、その際、アルキル基は約10〜約18個、好ましくは約12〜約14個の炭素原子を含有し;nは2又は3、好ましくは2であり;tは0〜約10、好ましくは0であり;xは約1.3〜約10、好ましくは約1.3〜約3、最も好ましくは約1.3〜約2.7である。グリコシルは、グルコースから誘導されることが好ましい。これらの化合物を調製するには、初めにアルコール又はアルキルポリエトキシアルコールを形成し、次いでグルコース又はグルコース源と反応させて、グルコシドを形成する(1位で結合)。次に、追加のグリコシル単位を、それらの1位と先行のグリコシル単位の2、3、4及び/又は6位、好ましくは主に2位との間で、結合させることができる。
【0024】
さらに、本明細書の組成物は、低曇点非イオン性界面活性剤及び泡抑制剤を含んでもよい。
【0025】
本明細書に用いるのに好適な泡抑制剤としては、低曇点を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書で使用される「曇点」とは、温度が上昇するにつれて溶解性が低下するという、界面活性剤で生じる非イオン性界面活性剤の周知の特性であり、第2の相の出現が観察できる温度を「曇点」と呼ぶ(カーク・オスマー(Kirk Othmer)、360〜362ページ参照)。本明細書で使用される「低曇点」非イオン性界面活性剤とは、30℃未満、好ましくは約20℃未満、さらにより好ましくは約10℃未満、最も好ましくは約7.5℃未満の曇点を有する非イオン性界面活性剤系成分として定義される。典型的な低曇点非イオン性界面活性剤としては、非イオン性アルコキシル化界面活性剤、特に第一級アルコールから誘導されるエトキシレート、及びポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン(PO/EO/PO)逆ブロックポリマー(reverse block polymer)が挙げられる。また、このような低曇点非イオン性界面活性剤としては、例えば、エトキシル化−プロポキシル化アルコール(例えば、オリン社(Olin Corporation)のポリ−タージェント(POLY-TERGENT)(登録商標)SLF18)及びエポキシ末端処理されたポリ(オキシアルキル化)アルコール(例えば、特許文献US−A−5,576,281に記述されているようなオリン社のポリ−タージェント(POLY-TERGENT)(登録商標)SLF18Bシリーズの非イオン性物質)が挙げられる。
【0026】
好ましい低曇点界面活性剤は、次式を有するエーテル末端処理されたポリ(オキシアルキル化)泡抑制剤である:
【0027】
【化1】

式中、R1は平均約7〜約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、R2は約1〜約4個の炭素原子の直鎖アルキル炭化水素であり、R3は約1〜約4個の炭素原子の直鎖アルキル炭化水素であり、xは約1〜約6の整数であり、yは約4〜約15の整数であり、zは約4〜約25の整数である。
【0028】
他の低曇点非イオン性界面活性剤は、次式を有するエーテル末端処理されたポリ(オキシアルキル化)である:
IO(RIIO)nCH(CH3)ORIII
式中、RIは約7〜約12個の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和、置換又は非置換、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカルから成る群から選択され;RIIは同じでも又は異なってもよく、独立して任意の所定の分子中で分枝状又は直鎖状C2〜C7アルキレンから成る群から選択され;nは1〜約30の数であり;RIIIは以下から成る群から選択される:
(i)1〜3個のヘテロ原子を含有する、4〜8員の置換又は非置換の複素環、及び
(ii)炭素数約1〜約30個の直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカル;
(b)但しR2が(ii)である場合には、(A)R1の少なくとも1つがC2〜C3アルキレン以外であるか、又は(B)R2の炭素数が6〜30個であり、さらにR2の炭素数が8〜18個の場合には、RはC1〜C5のアルキル以外であるかのどちらかである。
【0029】
界面活性剤は、典型的には組成物の約0.2重量%から約30重量%、より好ましくは約0.5重量%から約10重量%、最も好ましくは約1重量%から約5重量%のレベルで存在する。本明細書で使用されるのに好ましい界面活性剤は低起泡性であり、低曇点非イオン性界面活性剤、及びより高い起泡性の界面活性剤と低曇点非イオン性界面活性剤との混合物が挙げられ、従ってこれらは泡抑制剤として作用する。
【0030】
(研磨剤)
別の任意成分として、本明細書の組成物は研磨剤を含んでもよい。本明細書の洗浄組成物に用いるのに好適な研磨剤としては、クエン酸塩、炭酸塩及びポリリン酸塩等の水溶性研磨剤(例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム6水和物、トリポリリン酸カリウム及びトリポリリン酸ナトリウムとカリウムとの混合塩);並びに結晶性層状ケイ酸塩(EP−A−0164514及びEP−A−0293640)及びアルミノケイ酸塩(ゼオライトA、B、P、X、HS及びMAPを含む)等の部分的水溶性又は不溶性研磨剤が挙げられる。研磨剤は、典型的には、組成物の約1重量%〜約80重量%、好ましくは約10重量%〜約70重量%、最も好ましくは約20重量%〜約60重量%のレベルで存在する。
【0031】
好ましくは、本明細書に用いられる組成物は、アルミニウム及びある種の塗面への損傷を防ぐためにケイ酸塩を含む。長期保存安定性の観点から、非常に好ましいのは、約22%未満、好ましくは約15%未満の全ケイ酸塩(非晶性及び結晶性)を含有する組成物であるが、SiO2対Na2Oの比が1.8〜3.0、好ましくは1.8〜2.4、最も好ましくは2.0である非晶性ケイ酸ナトリウムもまた、本明細書において使用することができる。
【0032】
(増粘剤)
また本発明の組成物は、好ましくは特定のレオロジーパラメータ及びその他の性能パラメータも満足させ、これらには、噴霧可能性及び表面密着性が共に含まれる。例えば、垂直なステンレス鋼面に噴霧された製品は約1cm/s未満、好ましくは約0.1cm/s未満の流速を有することが望ましい。このために、製品はずり減粘性流体の形態であり、約0〜約0.8、好ましくは約0.3〜約0.7、より好ましくは約0.4〜約0.6の剪断指数nを有する(ハーシェル−バルキー(Herschel-Bulkey)型)。非常に好ましいのは、0.5以下の剪断指数を有するずり減粘性液体である。一方、流体粘稠度指数は、約0.1〜約50Pa.snで変化することができるが、約1Pa.sn未満であることが好ましい。より好ましくは、流体粘稠度指数は、約0.20〜約0.15Pa.snである。製品は、試料10mL、S−31スピンドルを使用して、速度0.31rad/s(3rpm)においてブルックフィールドシリンダー粘度計(LVDII型)で測定する時、約0.1〜約200Pa.s、好ましくは約0.3〜約20Pa.sの粘度を有することが好ましい。レオロジーは周囲温度条件下(25℃)で測定する。
【0033】
本明細書にて使用されるのに好ましい増粘剤としては、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.25重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約3重量%のレベルの粘弾性的な揺変性増粘剤が挙げられる。好適な増粘剤としては、分子量が約500,000〜約10,000,000、より好ましくは約750,000〜約4,000,000のポリマーが挙げられる。好ましい架橋ポリカルボキシレートポリマーは、好ましくはカルボキシビニルポリマーである。このような化合物は、米国特許第2,798,053号(1957年7月2日発行、ブラウン)に開示されている。このブラウン特許には、カルボキシビニルポリマーの製造方法も開示されている。カルボキシビニルポリマーは、液体の揮発性有機炭化水素に実質的に不溶性であり、空気への露出に対して寸法的に安定している。
【0034】
カルボキシビニルポリマーの生成に使用するのに好ましい多価アルコールとしては、オリゴ糖、カルボニル基がアルコール基に転化したオリゴ糖の還元誘導体、及びペンタエリスリトールから成る部類から選択されるポリオールが挙げられ、最も好ましいのはスクロース又はペンタエリスリトールである。変性ポリオールのヒドロキシル基がアルキル基でエーテル化され、ポリオールがポリオール分子当たり少なくとも2個のアリルエーテル基を有することが好ましい。ポリオールがスクロースである場合、スクロースがスクロース分子当たり少なくとも約5個のアリルエーテル基を有することが好ましい。ポリオールのポリエーテルは、全モノマーの約0.1%〜約4%、より好ましくは約0.2%〜約2.5%含まれるのが好ましい。
【0035】
本明細書に使用するカルボキシビニルポリマーの生成に使用するのに好ましいモノマーオレフィン性不飽和カルボン酸としては、単体量の、重合可能なα−βモノオレフィン性不飽和低級脂肪族カルボン酸が挙げられ、より好ましいのは、以下の構造式のモノマーモノオレフィン性アクリル酸である:
CHCH2=C(R)−COOH
式中、Rは水素及び低アルキル基から成る群から選択される置換基であり、最も好ましくはアクリル酸である。
【0036】
様々なカルボキシビニルポリマー、ホモポリマー及びコポリマーが、ニューヨ−ク州ニューヨークのB.F.グッドリッチ社から、商標名カーボポール(登録商標)として市販されている。これらのポリマーは、カルボマー又はポリアクリル酸としても知られている。本発明の処方に有用なカルボキシビニルポリマーとしては、約750,000の分子量を有するカーボポール910、約1,250,000の分子量を有するカーボポール941、約3,000,000の分子量を有するカーボポール934、及び約4,000,000の分子量を有するカーボポール940が挙げられる。より好ましいのは、製造過程で酢酸エチル及びシクロヘキサンを使用するカーボポールシリーズであり、カーボポール981、2984、980及び1382である。
【0037】
好ましいポリカルボキシレートポリマーは、ポリアルケニルポリエーテルで架橋した非直鎖状で水分散性のポリアクリル酸であり、約750,000〜約4,000,000の分子量を有する。
【0038】
本発明で使用されるこれらのポリカルボキシレートポリマーの非常に好ましい例は、BASF社から入手可能なポリアクリル酸であるソカランPHC−25(Sokalan PHC-25)(登録商標)、B.F.グッドリッチから入手可能なカーボポール600シリーズ樹脂、より好ましくは、3−Vケミカル社(3-V Chemical Corporation)から入手可能なポリゲルDK(Polygel DK)である。本明細書にて記載されたポリカルボキシレートポリマーの混合物も、本発明にて使用してもよい。
【0039】
その他の好適な増粘剤としては、無機粘土(例えば、ラポナイト、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト、燻蒸シリカ)が挙げられる。好ましい粘土増粘剤は、天然産又は合成品のいずれかであることができる。好ましい合成粘土としては、商標ラポナイトとしてサザンクレイプロダクト社(Southern Clay Products,Inc.)から販売されている合成スメクタイト型粘土が挙げられる。特に有用なものは、ラポナイトRDのようなゲル形成グレード、及びラポナイトRDSのようなゾル形成グレードである。天然産粘土としては、ある種のスメクタイト及びアタパルジャイト粘土が挙げられる。粘土及び高分子増粘剤の混合物も、本明細書に用いるのに好適である。
【0040】
本組成物に使用可能なその他の種類の増粘剤には、キサンタンガム、イナゴマメゴム、グアーガム等の天然ゴムが挙げられる。セルロース系増粘剤:ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース(ダウ・ケミカル(Dew Chemical)から入手可能なエトセル(ETHOCEL)(登録商標)及びメトセル(METHOCEL)(登録商標))も使用できる。
【0041】
(他の任意成分)
本明細書にて好適なその他の構成成分としては、組成物の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.5重量%〜約15重量%、最も好ましくは約1重量%〜約10重量%のレベルの、臭気マスキング香料又は香料ベース、分散性、再付着防止性、汚れ放出性又はその他の洗浄特性発明を有する有機ポリマーが挙げられる。本明細書にて好ましい再付着防止ポリマーとしては、ソカランPA30(Sokalan PA30)(登録商標)、PA20(登録商標)、PA15(登録商標)、PA10(登録商標)及びソカランCP10(Sokalan CP10)(登録商標)(BASF GmbH)、アキュゾール45N(Acusol 45N)(登録商標)、480N(登録商標)、460N(登録商標)(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas))等の、アクリル酸含有ポリマー、ソカランCP5(Sokalan CP5)(登録商標)のようなアクリル酸/マレイン酸コポリマー、並びにアクリル/メタクリルコポリマーが挙げられる。本明細書に好ましい汚れ放出ポリマーとしては、アルキル及びヒドロキシアルキルセルロース(特許文献US−A−4,000,093)、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン及びこれらのコポリマー、並びにエチレングリコール、プロピレングリコール及びこれらの混合物のテレフタレートエステルをベースとする、非イオン性及び陰イオン性ポリマーが挙げられる。
【0042】
重金属イオン封鎖剤及び結晶成長阻害剤、例えばジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)、エチレンジホスホネート、ヒドロキシ−エチレン−1,1−ジホスホネート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミノテトラアセテート、エチレンジアミン−N,N’−ジサクシネートは、それらの塩及び遊離酸の形態で、一般に組成物の約0.005重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.25重量%〜約7.5重量%、及び最も好ましくは約0.5重量%〜約5重量%のレベルで本明細書にて用いられるのに好適である。
【0043】
本明細書の組成物は、腐食防止剤、例えば、組成物の約0.05重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%のレベルの有機銀コーティング剤(特に、ウィンターシャル(Wintershall)(ドイツ、ザルツベルゲン)から販売されているウィノグ(Winog)70のようなパラフィン)、窒素含有腐食防止化合物(例えば、ベンゾトリアゾール及びベンズイミダゾール、GB−A−1137741参照)、及び組成物の約0.005重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.02重量%〜約0.4重量%のレベルのマンガン(II)化合物、特に有機配位子のマンガン(II)塩を含有することができる。
【0044】
本明細書に好適なその他の構成成分としては、着色剤、約0.01%〜約5%のレベルの水溶性ビスマス化合物(例えば、酢酸ビスマス及びクエン酸ビスマス)、約0.01%〜約6%のレベルの酵素安定剤(例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール及び塩素漂白剤スカベンジャー)、石灰石鹸分散剤(PCT国際公開特許WO−A−93/08877参照)、泡抑制剤(PCT国際公開特許WO93/08876、及びEP−A−0705324参照)、ポリマー染料移行阻害剤、蛍光増白剤、香料、充填剤、及び粘土が挙げられる。
【0045】
液体洗剤組成物は、キャリアとして水及びその他の揮発性溶媒を含有することができる。本発明の液体洗剤には、少量の低分子量第一級又は第二級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールを用いることができる。少量で用いられるその他の好適なキャリア溶媒としては、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ソルビトール及びこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
(硬質表面の洗浄方法)
本発明の組成物は、調理残滓、焼き付き残滓及び焦げ付き残滓(又はその他の極めて乾燥した汚れ)で汚れた調理器具又は食卓用食器を前処理するために直接適用するのに特に有用である。好ましくは本組成物は、自動食器洗浄、手動食器洗浄、すすぎ又は拭き取りに先立ち、例えばスプレー又は泡の形態で、汚れた基材に適用される。前処理した調理器具又は食卓用食器は非常に滑りやすく、その結果、すすぎ工程中及びすすぎ工程後の取り扱いが困難であると感じることがある。これは、マグネシウム塩及びカルシウム塩のような2価の陽イオンを使用することにより解決でき、本明細書にて用いるのに特に好適なのは塩化マグネシウムである。マグネシウム塩を約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.4重量%〜約2重量%添加すると、前処理用組成物の物理的特性の安定性に悪影響を与えることなく、調理器具又は食卓用食器表面の滑りやすさを解消することができる。本発明の組成物は、自動食器洗浄用洗剤組成物又はその構成成分としても使用することができる。
【0047】
方法の態様では、本発明は、本発明の組成物での調理器具/食卓用食器の処理を含む、調理汚れ、焼き付き汚れ又は焦げ付き汚れを調理器具及び食卓用食器から除去する方法を提供する。好ましい方法は、手動又は自動で食器を洗浄する前に、本発明の組成物で調理器具/食卓用食器を前処理する工程を含む。必要であれば、本発明の洗浄組成物を適用後、汚れた基材をラップで覆って、汚れを膨潤させると、調理汚れ、焦げ付き汚れ及び焼き付き汚れの除去工程を容易にすることができる。ラップは、約1時間以上、好ましくは約6時間以上、適所に放置しておくことが好ましい。
【0048】
また、本発明の組成物とスプレーディスペンサーとを含む手動食器洗浄製品が提供される。本組成物の物理的特性及びスプレーディスペンサーの幾何学的特徴は相まって、TSIエアロサイザー(TSI Aerosizer)(登録商標)を用いて測定した時に、例えば約3μm〜約10μm、より好ましくは約4μm〜約7μmの平均等価幾何学的直径を有するスプレーの液滴を提供することが好ましく、そのような液滴直径範囲は、臭気の印象及び低減した悪臭の特徴の観点から最適である。好適なスプレーディスペンサーとしては、ハンドポンプ(「トリガー」と呼ぶこともある)装置、加圧缶装置、静電スプレー装置等が挙げられる。
【実施例】
【0049】
以下の実施例は本発明をさらに説明する。列記した成分を列記した比率(特に指示がない限り重量%)で組み合わせることにより組成物を製造する。実施例1、2、及び3は、本発明の組成物を例示することを意図するが、必ずしも本発明の範囲を限定ないしは規定するために用いるものではない。例A及びBは比較例である。組成物Aは高pHの処方であり、例Bは実施例1と比較して酵素が存在しないものである。
【0050】
【表1】

【0051】
(油脂で汚す方法)
本方法は、汚れた試片の洗浄を伴う。試片とは、大きさ7.62cm×3.8cm(3インチ×1.5インチ)の標準ステンレス鋼基材を意味する。試片は、初め蒸留水及びエタノールで洗浄し、乾燥したら当該の汚れで処理する。試片が均一且つ確実に汚れで処理されるように、好ましくは絵筆で試片上に汚れを塗布する。その後、試片は246℃(475°F)で20分間焼成される。油脂汚れは、PAMオリジナルキャノーラスプレー(PAM original canola spray)である。試片は、洗浄された時と汚れで処理された後に計量される。試片上の汚れの量は、0.008〜0.024gの範囲であるべきである。
【0052】
(タンパク質で汚す方法)
上述と同じ方法で試片を洗浄し、汚れで下処理する。しかしながら、ここでの汚れは卵黄である。
【0053】
(洗浄試験)
試験基材、すなわち上述の汚した試片を、この試験における使用前に再計量する。
【0054】
上記で詳述された洗浄組成物3mlを、汚した試片上に塗布し、15分間又は30分間放置した(家庭での使用条件を模倣した)。処理後、各試片をペーパータオルで20回拭き取り、水道水の流水下にてすすぎ、取りのけて乾燥させた(12時間)。一晩乾燥させた後(汚れ除去測定に影響する残留水を除去するため)、各試片を再計量し、汚れ除去%を計算した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の10%溶液のpHが6〜10である調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れの洗浄に適した組成物であって、式RCOOR1(式中、R基はC1〜C6のアルキルから成る群から選択され、R1基はC4〜C40の脂肪酸から成る群から選択される)を有するアルキルエステルから成る群から選択される表面改質剤と、汚れ膨潤剤と、酵素とを含む組成物。
【請求項2】
マイクロエマルションとして配合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物の10%溶液のpHが8〜9.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
表面改質剤がC4〜C40の脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
汚れ改質剤が、1%〜50%、より好ましくは10%〜30%、さらにより好ましくは20%〜30%のレベルで存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
汚れ膨潤剤がモノエタノールアミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
汚れ膨潤剤が0.1〜10%のレベルで存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
酵素がセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ又はこれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくはアミラーゼ、プロテアーゼ及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
調理器具/食卓用食器を請求項1に記載の組成物で処理することを含む、調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れ、好ましくは油脂汚れを調理器具及び食卓用食器から除去する方法。
【請求項10】
手動又は自動での食器洗浄前に、組成物で調理器具/食卓用食器を前処理する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記硬質表面洗浄組成物を、調理器具及び食卓用食器上に、好ましくは前記調理器具及び食卓用食器の部分に、より好ましくは前記調理器具及び食卓用食器の汚れ部分に噴霧する工程を含む、請求項9のどちらかに記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の組成物とそのためのスプレーディスペンサーとを含み、好ましくはスプレーの液滴の平均等価幾何学的直径が、TSIエアロサイザーを用いて測定する時、約3μm〜約10μm、より好ましく約4μm〜約7μmである手動食器洗浄製品。


【公表番号】特表2007−514863(P2007−514863A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545813(P2006−545813)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/041904
【国際公開番号】WO2005/059076
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】