説明

諸特性を改善したプルラン組成物

【課 題】簡便で経済的な方法を用いてプルランの物性を著しく改善することにより、より広い用途に使用されるプルラン組成物を提供すること。
【解決手段】ある種の塩水和物をプルラン中に共存させることにより、機械的性質の著しく改善されたプルラン組成物を得る。
【採用図面】 なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性かつ可食性物質であるプルランを含む組成物に関する。すなわち、本発明は極めて簡便で経済的な方法を用いてプルランの物性を著しく改善することにより、その用途を大幅に広げようとするものである。さらに詳しくは、ある種の塩を可塑剤としてある条件下でプルラン溶液に添加し、それを乾燥させて得られるプルラン組成物の機械的特性を著しく改善することにより、その用途を大幅に拡大しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
プルランは澱粉の水あめを原料として高収率で発酵合成される生分解性多糖類である。プルランは良好な膜形成性及び特に低い酸素透過性を有するため、食用膜及びコーティング等に多く用いられている。
【0003】
多糖類(ポリサッカライド)であるプルランは乾燥した固体状態においては、水酸基同士が水素結合して結晶を形成しているために、柔軟性等の機械的特性が著しく欠如しており、その伸びは普通10%以下である。
【0004】
このようなプルランの機械的特性の不足を改善するためには、水酸基同士からなる水素結合の形成を防ぎ、結晶部分を減少させることが必要である。例えば、エステル化(例えば、Polym. Mater. Sci. Eng.Vol.67、P. 301-302 (1992))(非特許文献1)、エーテル化(例えば、高分子学会予稿集、Vol.48、No.14、P. 4281-4282 (1999))(非特許文献2)、ウレタン化(例えば、Polymer、Vol.42、No.1、P. 59-64 (2001))(非特許文献3)等の化学処理によりプルランの機械的特性が向上することが知られている。しかしながら、プルランを化学処理する前記従来法は、化学反応を必要とすることから、コストが高くなり、不満足のものである。
【0005】
本発明の方法は、プルランに可塑剤としてある種の塩を添加するという極めて簡便で経済的な方法を用いて従来のプルランの機械的特性を大幅に向上させ、その用途を大幅に広げようとするものである。
【0006】
従来から、プルランを含む組成物に塩を添加することは数多く提案されている。例えば、特許公表2003−505565号公報(特許文献1)、特許公表2004−507581号公報(特許文献2)、特許公開2000−202003号公報(特許文献3)、WO98/008899号公報(特許文献4)、特許公表2002−512929号公報(特許文献5)等がある。これらの文献では、金属イオン封止剤、ゲル化剤、磁性体又は水分保持剤等の目的で塩を添加している。
【0007】
このように、プルランと塩を共存させる例はあるが、塩を可塑剤として用いた例すなわち、塩が結晶水を持った水溶性無機塩又は結晶水を持った水溶性有機金属塩である例はない。実施例に示すように、本発明で得られるプルラン組成物の機械的特性は従来のプルランのみの成型品と比較して機械的特性、特に柔軟性において大きく上回るものもある。
【0008】
以上の観点から、優れた機械的特性及び生分解性を有するプルラン組成物を極めて簡便、かつ経済的に提供することは当該技術分野における進歩である。
【0009】
【非特許文献1】Polym. Mater. Sci. Eng.Vol.67、P. 301-302 (1992)
【非特許文献2】高分子学会予稿集、Vol.48、No.14、P. 4281-4282 (1999)
【非特許文献3】Polymer、Vol.42、No.1、P. 59-64 (2001)
【特許文献1】特許公表2003−505565号公報
【特許文献2】特許公表2004−507581号公報
【特許文献3】特許公開2000−202003号公報
【特許文献4】WO98/008899号公報
【特許文献5】特許公表2002−512929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、極めて簡便で経済的な方法を用いて機械的特性が著しく改善されたプルラン組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記課題を解決すべく研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、水に溶けた状態又はスラリー状態にあるプルランに、ある種の塩を添加したものを乾燥、固化させることにより、機械的特性が著しく改善されたプルラン組成物が提供される。
【0012】
すなわち、本発明は以下の構成を特徴とする。
(1)プルラン及び結晶水を持った水溶性無機塩又は結晶水を持った水溶性有機金属塩からなるプルラン組成物。
(2)プルランが水に溶けた状態又は水系エマルジョンの状態にあるとき、(A)水が存在すると結晶水を持った水和物になる性質を有する無水無機塩、(B)同上の性質を有する無水有機金属塩、(C)結晶水を持った無機塩水和物又は(D)結晶水を持った有機金属塩水和物のいずれか一つ又は二つ以上を添加した後、乾燥することによって得られることを特徴とする(1)に記載のプルラン組成物。
(3)前記塩が潮解性を有する無機塩であって、MgCl2、CaCl2、AlCl3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Al(NO3)3、Na2CO3、Na2SiO3、Na2HPO4、NaH2PO4及び/又はそれらの水和物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のプルラン組成物。
(4)前記塩が、潮解性を有する有機金属塩であって、シュウ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩及びそれらの水和物から選ばれる少なくとも1成分であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のプルラン組成物。
(5)前記塩の添加量が、0.1〜300wt%(プルラン量基準)である(1)〜(4)のいずれかに記載のプルラン組成物。
(6)さらに炭酸カルシウム、ガラス繊維、セルロース粒子、セルロース繊維等の無機又は有機の粒子状及び繊維状物質から選択された物性改善剤を添加することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のプルラン組成物。
(7)前記物性改善助剤が、グルタルアルデヒド、グルオキサール、ヘキサメチレンジイソシアナート等の多官能基を有する物質から選択されるか又はホルムアルデヒド、無水リン酸、オキシ塩化リン、トリメタリン酸塩、アクロレイン、エピクロルヒドリン等の架橋剤である(1)〜(6)のいずれかに記載のプルラン組成物。
(8)前記物性改善助剤の添加量が、0.1〜100wt%(プルラン基準)である(1)〜(6)のいずれかに記載のプルラン組成物。
(9)前記プルラン組成物を含有する液をゲル化、キャスト、流延、湿式紡糸、乾式紡糸、ゲル紡糸、押し出し成形、射出成形、型成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形又はシート成形のいずれかの方法により、フィルム、シート、糸、繊維、棒状、その他任意の成形品とすることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のプルラン組成物。
(10)前記プルラン組成物を含有する液を材料表面に塗布し、乾燥させることにより、材料表面をプルラン組成物でコーティングすることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のプルラン組成物。
【0013】
本発明において添加塩は、水溶性であり、水和物であるか水の存在により水和物になる性質を有する潮解性無機塩又は有機金属塩を用いることができる。潮解性無機塩としては、MgCl2、CaCl2、AlCl3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Al(NO3)3、Na2CO3、Na2SiO3、Na2HPO4、NaH2PO4又はそれらの水和物、及びそれらの組合せを好ましく用いることができる。一方、有機金属塩としては、シュウ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩又はそれらの水和物、及びそれらの組合せを好ましく用いることができる。
【0014】
本発明のプルラン組成物を得るには、プルランが水に溶けた状態又は水系エマルジョンの状態にあるとき、水が存在すると結晶水を持った水和物になる性質を有する水溶性無水無機塩あるいは水溶性無水金属塩を添加するか、又は結晶水を持った水溶性無機塩水和物又は結晶水を持った水溶性有機金属塩を添加した後、乾燥することによって達成される。
【0015】
上記の水溶性無水無機塩又は水溶性無水有機金属塩を添加した場合にも、これらはそれぞれ結晶水を持った無機塩水和物又は結晶水をもった有機金属塩水和物に変化するため、いずれの場合にもプルラン中には結晶水を持った塩水和物として取り込まれる。
【0016】
本発明では、プルランと塩からなる組成物に必要に応じて物性改善助剤を添加することができる。物性改善助剤の添加により、さらなる物性の向上が可能となる。物性改善助剤として、炭酸カルシウム、ガラス繊維、セルロース粒子、セルロース繊維等の無機又は有機の粒子状及び繊維状物質、グルタルアルデヒド、グルオキサール、ヘキサメチレンジイソシアナート等の多官能基を有する物質等を用いることができる。また、ホルムアルデヒド、無水リン酸、オキシ塩化リン、トリメタリン酸塩、アクロレイン、エピクロルヒドリン等のいわゆる架橋剤を用いることもできる。
【0017】
これらの添加により、プルラン内に架橋が生じ、物性を著しく変化させることが可能であり、前述の塩の添加による効果と相まって、目的に応じた種々の物性を有するプルラン組成物の提供に寄与することが可能である。
【0018】
本発明におけるプルラン組成物を含有する液を調製するには、任意の濃度に調製されたプルラン水溶液又はスラリーに前記塩を、プルラン基準で0.1〜300wt%、好ましくは5〜100wt%添加し、攪拌すればよい。この液を調製するためのプルラン及び塩の添加順序はさして重要ではない。塩の水溶液にプルランを添加しても良い。また、プルラン及び塩を水に溶解させる温度は通常、常温であるが、溶解速度を高めるために、例えば、30〜50℃に加熱することもできる。さらに、物性改善助剤を添加する場合は、プルランと塩の混合物に、プルラン基準で0.1〜100wt%、好ましくは0.25〜50wt%添加し、攪拌すればよい。
【0019】
本発明では、前記プルラン組成物を含有する液をゲル化、キャスト、流延、湿式紡糸、乾式紡糸、ゲル紡糸、押し出し成形、射出成形、型成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、又はシート成形のいずれかの方法により、成形と同時に又は必要に応じて成形後にも乾燥させてフィルム、シート、糸、繊維、棒状、その他任意の成型品とする。成形又は乾燥温度は、150℃以下、好ましくは100℃以下である。
【0020】
本発明では、前記プルラン組成物を含有する液を材料表面に塗布し、乾燥させることにより、材料表面をプルラン組成物でコーティングすることもできる。乾燥温度は、150℃以下、好ましくは100℃以下である。
【0021】
本発明で得られるプルラン組成物からなる成型品は、プルラン単独と比較して、柔軟性等の機械的特性が著しく向上する。この柔軟性等の機械的特性を示す指標として、例えば、JIS K6251に規定される「伸び」によって示される。すなわち、本発明のプルラン組成物の「伸び」がプルラン単独の3倍以上であることが本発明のプルラン組成物の特徴である。
【0022】
本発明のプルラン組成物における柔軟性等の機械的特性が著しく向上する理由としては、乾燥後のプルラン組成物中に塩が水和物(結晶水を持った状態)として存在することにある。これまでの種々の試験及び分析から、(1)塩水和物はプルラン中に極めて微細に分散されている、(2)塩水和物はプルラン中で単に物理的に分散されているのではなく、ある種の化学的結合によってプルラン分子と結び付いている、(3)塩水和物に含まれる結晶水が重要な役割を果たしている、ことが明らかになっている。しかしながら、詳細なメカニズムはまだ十分に解明されていない。
【0023】
プルランは可食性物質であり、食用膜、コーティング等口腔摂取物として利用されることが多い。したがって、本発明において、塩として可食性のものを使用すれば、プルラン組成物は可食性となり、各種口腔摂取物として利用可能となる。このような可食性の塩としてはMgCl2・6H2Oが例示される。
【0024】
本発明のプルラン組成物は生分解性の材料である。これまでに、多糖類を用いた多くの生分解性材料が開発されているが、これらはかなり高度の化学的な処理を必要とするため、製造工程が複雑で高コストである。これに対し、本発明のプルラン組成物は極めて簡便に低コストで製造することが可能である。
【0025】
また、プルランと同様の傾向を示す物質として、エルシナン、イソバノース、バノース等を例示することができる。
【0026】
また、機械的性質の他に、上記塩水和物の添加により、電気的性質、誘電特性、光学的特性等が変化することはいうまでもない。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、極めて簡便な方法を用いることにより柔軟性等の機械的特性を著しく向上させたプルラン組成物が従来法より極めて低コストで提供される。このプルラン組成物は、生分解性材料として工業用途の各種成形材料はもちろんのこと、添加する塩の種類によっては可食性となるため、食品用途として利用することができる。
【0028】
[実施例]
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0029】
実施例1、比較例1
潮解性のある無機塩としてMgCl2・6H2O、CaCl2・2H2O、AlCl3・6H2O、Mg(NO3)2・6H2O、Ca(NO3)2・4H2O、Al(NO3)3・9H2Oを選び、プルランに無機塩を添加することによる機械的特性への効果を検討した。
5gのプルラン((株)林原商事、PF-20)に濃度が10%になるように水を加え、攪拌して溶解した。このプルラン溶液に無機塩1.0gを添加し、溶解するまで攪拌した後、全量を型に流し込み、50℃に保たれた乾燥機にて約48時間乾燥した。
得られたキャストフィルムを23℃、60%RHの条件で約24時間調製した後、引張最大応力及び破断伸びを測定した。
結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

また、表1には示していないが、CO3、SiO3、HPO4、H2PO4基を有するナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩においても同様の傾向を示した。
【0031】
実施例2、比較例2
有機金属塩としてシュウ酸マグネシウム2水和物、酢酸マグネシウム4水和物、クエン酸マグネシウム9水和物、酒石酸カルシウム4水和物、乳酸カルシウム5水和物、グルコン酸カルシウム1水和物を選び、プルランに有機金属塩を添加することによる機械的特性への効果を検討した。
5gのプルランに濃度が10%になるように水を加え、攪拌して溶解した。このプルラン溶液に有機金属塩1.0gを添加し、溶解するまで攪拌した後、全量を型に流し込み、50℃に保たれた乾燥機にて約48時間乾燥した。
得られたキャストフィルムを23℃、60%RHの条件で、約24時間調製した後、引張最大応力及び破断伸びを測定した。
結果を表2に示す。
【0032】
【表2】

【0033】
実施例3、比較例3
塩の添加量の効果について検討した。塩としては、塩化マグネシウム6水和物(MgCl2・6H2O)及び酢酸マグネシウム4水和物を用いた。
5gのプルランに濃度が10%になるように水を加え、攪拌して溶解した。このプルラン溶液に所定量の塩を添加し、溶解するまで攪拌した後、全量を型に流し込み、50℃に保たれた乾燥機にて約48時間乾燥した。
得られたキャストフィルムを23℃、60%RHの条件で約24時間調製した後、引張最大応力及び破断伸びを測定した。
結果を表3に示す。
【0034】
【表3】

【0035】
実施例4、比較例4
物性改善助剤の添加の効果について検討した。プルランに塩として塩化マグネシウム6水和物を添加したものに、さらに物性改善助剤として、炭酸カルシウム、セルロース微粒子、グルタルアルデヒド、グリオキサールを加えた。
5gのプルランに濃度が10%になるように水を加え、攪拌して溶解した。このプルラン溶液に塩化マグネシウム6水和物1.0gを添加し、溶解するまで攪拌した。さらに、所定量の物性改善助剤を添加し、攪拌した後、全量を型に流し込み、50℃に保たれた乾燥機にて約48時間乾燥した。
得られたキャストフィルムを23℃、60%RHの条件で約24時間調製した後、引張最大応力及び破断伸びを測定した。
結果を表4に示す。
【0036】
【表4】

【0037】
実施例及び比較例からの知見
1)潮解性を有する結晶水を持った無機塩又は有機金属塩の共存により、プルラン組成物の柔軟性(伸び)等の機械的特性が著しく向上する。
2)実施したいずれの塩においても物性改善効果は見られるが、塩の種類による効果の差は認められる。最大応力と破断伸びのバランスを考慮すると使用目的に応じた塩の選択が望ましい。
3)プルランに対する塩の添加量を増加すると、最大応力は低下し、破断伸びは増大する。その傾向は無機塩においてより顕著であった。
4)物性改善助剤の添加により、最大応力は増加し、破断伸びは低下する。グルタルアルデヒドのようなアルデヒド系の架橋剤は大きな伸びの低下なしに応力を改善することができる。
5)本発明のプルラン組成物では最大応力、破断伸びにおいて大幅にすぐれる実施例が多く見られ、従来のプルランに比べ、より広い用途に使用される可能性がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルラン及び結晶水を持った水溶性無機塩又は結晶水を持った水溶性有機金属塩からなるプルラン組成物。
【請求項2】
プルランが水に溶けた状態又は水系エマルジョンの状態にあるとき、(A)水が存在すると結晶水を持った水和物になる性質を有する無水無機塩、(B)同上の性質を有する無水有機金属塩、(C)結晶水を持った無機塩水和物又は(D)結晶水を持った有機金属塩水和物のいずれか一つ又は二つ以上を添加した後、乾燥することによって得られることを特徴とする請求項1に記載のプルラン組成物。
【請求項3】
前記塩が潮解性を有する無機塩であって、MgCl2、CaCl2、AlCl3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Al(NO3)3、Na2CO3、Na2SiO3、Na2HPO4、NaH2PO4及び/又はそれらの水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプルラン組成物。
【請求項4】
前記塩が、潮解性を有する有機金属塩であって、シュウ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩及びそれらの水和物から選ばれる少なくとも1成分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプルラン組成物。
【請求項5】
前記塩の添加量が、0.1〜300wt%(プルラン量基準)である請求項1〜4のいずれかに記載のプルラン組成物。
【請求項6】
さらに炭酸カルシウム、ガラス繊維、セルロース粒子、セルロース繊維等の無機又は有機の粒子状及び繊維状物質から選択された物性改善剤を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプルラン組成物。
【請求項7】
前記物性改善助剤が、グルタルアルデヒド、グルオキサール、ヘキサメチレンジイソシアナート等の多官能基を有する物質から選択されるか又はホルムアルデヒド、無水リン酸、オキシ塩化リン、トリメタリン酸塩、アクロレイン、エピクロルヒドリン等の架橋剤である請求項1〜6のいずれかに記載のプルラン組成物。
【請求項8】
前記物性改善助剤の添加量が、0.1〜100wt%(プルラン量基準)である請求項1〜7のいずれかに記載のプルラン組成物。
【請求項9】
前記プルラン組成物を含有する液をゲル化、キャスト、流延、湿式紡糸、乾式紡糸、ゲル紡糸、押し出し成形、射出成形、型成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形又はシート成形のいずれかの方法により、フィルム、シート、糸、繊維、棒状、その他任意の成形品とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のプルラン組成物。
【請求項10】
前記プルラン組成物を含有する液を材料表面に塗布し、乾燥させることにより、材料表面をプルラン組成物でコーティングすることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプルラン組成物。

【公開番号】特開2007−186555(P2007−186555A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4288(P2006−4288)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【出願人】(592015802)赤穂化成株式会社 (29)
【Fターム(参考)】