説明

警告装置、警告方法および警告プログラム

【課題】画像から検出した移動体および自車両の運転状況に応じて、適切なタイミングで運転手に注意喚起すること。
【解決手段】警告装置100は、車両に搭載したカメラにより撮影された画像に基づいて、移動体検出部120が移動体を検出した場合に、出力部150が一様に警告音を出力するのではなく、警告判定部140が自車両の運転状況情報(アクセルフラグ、ブレーキフラグ、車速フラグ)に応じて警告音の種類(第1の警告音あるいは第2の警告音)を判定し、判定結果に応じて出力部150が警告音を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、警告を運転手に出力する警告装置およびその警告方法に関し、特に、運転手に不快感を与えることなく、適切なタイミングで運転手に注意喚起することができる警告装置、警告方法および警告プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の外に設けたカメラにより、運転手から見えない位置の画像を取得し、該画像を運転手に提示することで交通事故を防止すべくブラインドコーナモニタ(Blind Corner Monitor;BCM)などの製品が用いられている。
【0003】
そして、このBCMが撮影した画像等から移動体を検出して、運転者に通知する各種の技術が考案されている。例えば、特許文献1では、自車両の速度が所定速度以下となる条件下で、画像から接近する移動体を検出し、自車両の正面を移動体が通過する時間を求め、予想通過時刻に応じて警告音等により運転手へ移動体の接近を通知するという技術が公開されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−253932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術では、自車両が移動体に接近中であるか否かといった警告すべきタイミング等を一切評価せず、一様に運転者に警告を出力しているため、運転者は仮に危険な状態であったとしてもその状況を認識しづらいという問題があった。
【0006】
また、上記の従来技術では、運転手がモニタ等を通して自車両の状況を十分認知できている場合にも、警告音による通知が行われるため、運転手に不快感を与えてしまう恐れもあった。
【0007】
すなわち、画像から検出した移動体および自車両の運転状況に応じて、適切なタイミングで運転手に注意喚起することが極めて重要な課題となっている。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、画像から検出した移動体および自車両の運転状況に応じて、適切なタイミングで運転手に注意喚起することが出来る警告装置、警告方法および警告プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この警告装置は、車両に搭載したカメラにより撮影された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出手段と、前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定手段と、前記移動体検出手段が移動体を検出し、かつ、前記判定手段が停止状態ではないと判定した場合に、音または光を出力する出力手段と、を備えたことを要件とする。
【0010】
また、この警告装置は、上記警告装置において、前記判定手段は、前記車両のアクセルおよびブレーキの操作状態を判定し、前記アクセルが踏まれている場合、あるいは、前記ブレーキが踏まれていない場合に、前記車両が停止状態ではないと判定し、前記出力手段は、前記判定手段により前記アクセルが踏まれておらず、かつ、前記ブレーキが踏まれていない場合に第1の種類の音または光を出力し、前記アクセルが踏まれている場合には、第2の種類の音または光を出力すること要件とする。
【0011】
また、この警告装置は、上記警告装置において、前記判定手段は更に、ギアの操作状態を判定し、前記出力手段は、前記移動体検出手段により移動体により検出され、かつ前記アクセルが踏まれており、かつギアが走行状態になっていると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを要件とする。
【0012】
また、この警告装置は、上記警告装置において、前記判定手段は、前記カメラの方位および前記ギアの操作状態を基にして、前記車両が画像の撮影方向に移動しているか否かを判定し、前記出力手段は、前記移動体検出手段が移動体を検出し、かつ前記アクセルが踏まれており、かつ前記車両が画像の撮影方向に移動していると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを要件とする。
【0013】
また、この警告方法は、車両の運転手に対して警告を出力する警告装置の警告方法であって、前記警告装置は、前記車両に搭載したカメラにより撮影された画像を記憶装置に記憶する記憶ステップと、前記記憶装置に記憶された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出ステップと、前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定ステップと、前記移動体検出ステップが移動体を検出し、かつ、前記判定ステップが停止状態ではないと判定した場合に、出力装置から音または光を出力する出力ステップと、を含んでいることを要件とする。
【0014】
また、この警告プログラムは、コンピュータに、前記車両に搭載したカメラにより撮影された画像を記憶装置に記憶する記憶手順と、前記記憶装置に記憶された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出手順と、前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定手順と、前記移動体検出手順が移動体を検出し、かつ、前記判定手順が停止状態ではないと判定した場合に、出力装置から音または光を出力する出力手順と、を実行させることを要件とする。
【発明の効果】
【0015】
この警告装置によれば、車両に搭載したカメラにより撮影された画像に基づいて、移動体を検出した場合に、一様に音または光を出力するのではなく、自車両の運転状況情報応じて音または光の種類を判定し、判定結果に応じて音または光を出力するので、運転手に不快感を与えることなく、適切なタイミングで運転手に注意喚起することができる。
【0016】
また、この警告装置は、車両のアクセルおよびブレーキの操作状態を判定し、アクセルが踏まれている場合、あるいは、ブレーキが踏まれていない場合に、車両が停止状態ではないと判定する。そして、アクセルが踏まれておらず、かつ、ブレーキが踏まれていない場合に第1の種類の音または光を出力し、アクセルが踏まれている場合には、第2の種類の音または光を出力するので、適切なタイミングで運転手に危険を通知することが出来る。
【0017】
また、この警告装置は、ギアの操作状態を判定し、移動体が検出され、かつアクセルが踏まれており、かつギアが走行状態になっていると判定された場合に第2の種類の音または光を出力するので、適切なタイミングで運転手に危険を通知することが出来る。
【0018】
また、この警告装置は、カメラの方位およびギアの操作状態を基にして、車両が画像の撮影方向に移動しているか否かを判定する。そして、移動体を検出し、かつアクセルが踏まれており、かつ車両が画像の撮影方向に移動していると判定された場合に第2の種類の音または光を出力するので、適切なタイミングで運転手に危険を通知することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る警告装置、警告方法および警告プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
まず、本実施例1にかかる警告装置の概要および特徴について説明する。本実施例1にかかる警告装置は、車両に搭載したカメラにより撮影された画像に基づいて、移動体を検出した場合に、一様に警告音を出力するのではなく、自車両の運転状況に応じて、警告音の種類を選択して出力する。
【0021】
例えば、警告音の種類が第1の警告音と第2の警告音の2種類(例えば、第1の警告音の音量>第2の警告音の音量)の場合、本実施例1にかかる警告装置は、車両のアクセルが踏まれた場合には、第1の警告音を出力する。一方、警告装置は、車両のアクセルが踏まれていない場合であっても、ブレーキが踏まれていない場合には、第2の警告音を出力する。
【0022】
このように、本実施例1にかかる警告装置は、車両の運転状況に応じて、警告音の種類を選択して出力するので、適切なタイミングで運転者に注意を促すことが出来る。
【0023】
次に、本実施例1にかかる警告装置の構成について説明する。図1は、本実施例1にかかる警告装置100の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この警告装置100は、画像入力部110と、移動体検出部120と、車両センサ130と、警告判定部140と、出力部150とを備えて構成される。なお、この警告装置100は、車両に搭載されると共に、BCM(図示略)等のカメラに接続されているものとする。
【0024】
画像入力部110は、BCM等のカメラに接続され、このカメラから画像の情報の入力を受け付けた場合に、画像の情報を移動体検出部120に出力する手段である。
【0025】
移動体検出部120は、画像入力部110から画像の情報を取得した場合に、取得した画像に含まれる移動体を検出する手段である。この移動体検出部120が画像から移動体を検出する方式は、周知の技術を用いればよい。
【0026】
例えば、移動体検出部120は、現フレームの画像をnフレーム画像、nフレーム画像の一つ前のフレームの画像をn−1フレーム画像と定義した場合に、nフレーム画像とn−1フレーム画像との画素値の差分を取り、差分が閾値以上となる画像領域を移動体として検出することが出来る(あるいは、オプティカルフロー方式によるブロックマッチング法や勾配法を用いて移動体を検出しても良い)。
【0027】
移動体検出部120は、移動体の検出結果を警告判定部140に出力する。また、移動体検出部120は、移動体を検出した場合に、移動体の座標情報と、画像入力部110から入力された画像の情報を出力部150に出力する。
【0028】
車両センサ130は、警告装置100が搭載された車両の各種状態を検出する手段である。ここで、車両の各種状態は、車両のアクセルが踏まれているか否かの情報(アクセル情報)、ブレーキが踏まれているか否かの情報(ブレーキ情報)、車速情報等が含まれる。
【0029】
例えば、車両センサ130は、アクセルが踏まれたか否かを検出する装置、ブレーキが踏まれているか否かを検出する装置、車速を検出する装置にそれぞれ接続され、上記のアクセル情報、ブレーキ情報、車速情報を検出する。そして、車両センサ130は、検出したアクセル情報、ブレーキ情報、車速情報を警告判定部140に出力する。以下、アクセル情報、ブレーキ情報、車速情報を含めて車両状態情報と表記する。
【0030】
警告判定部140は、移動体検出部120から取得する検出結果および車両センサ130から取得する車両状態情報を基にして、警告音を出力するか否かを判定し、警告音を出力する場合には、車両状態情報に基づいて警告音の種類を判定する手段である。警告判定部140は、判定結果を出力部150に出力する。
【0031】
警告判定部140は、車両管理テーブルを保持している。図2は、車両管理テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、この車両管理テーブルは、検出フラグ、アクセスフラグ、ブレーキフラグ、車速フラグを有し、警告判定装置100は、各フラグ情報を、移動体検出部120から取得する検出結果および車両センサ130から取得する車両状態情報を基にして更新する。
【0032】
検出フラグは、移動体を検出しているか否かを示すフラグであり、検出フラグが「オン」の場合には、移動体を検出しており、移動体検出フラグが「オフ」の場合には、移動体を検出していない旨を示す。アクセルフラグは、車両のアクセルが踏まれているか否かを示すフラグであり、アクセルフラグが「オン」の場合には、アクセルが踏まれており、アクセルフラグが「オフ」の場合には、アクセルが踏まれていない旨を示す。
【0033】
ブレーキフラグは、車両のブレーキが踏まれているか否かを示すフラグであり、ブレーキフラグが「オン」の場合には、ブレーキが踏まれており、ブレーキフラグが「オフ」の場合には、ブレーキが踏まれていない旨を示す。
【0034】
車速フラグは、車両の速度が閾値以上となっているか否かを示すフラグである。警告判定部140は、車両状態情報の車速情報を取得した場合に、車速と閾値とを比較し、車速が閾値以上である場合には、車速フラグを「オン」に設定する。一方、車速が閾値未満である場合には、車速フラグを「オフ」に設定する。
【0035】
ここで、警告判定部140が、上記の車両管理テーブルを基にして警告音判定にかかる処理について具体的に説明する。なお、本実施例1にかかる警告装置100は、第1の警告音および第2の警告音の2種類の警告音を出力可能であるものとする。そして、例えば、第1の警告音の音量は、第2の警告音の音量より大きいものとする。図3は、各フラグと判定結果との対応関係を示す図である。
【0036】
(検出フラグがオフの場合)
警告判定部140は、車両管理テーブルを参照し、検出フラグが「オフ」となっている場合には、アクセスフラグ、ブレーキフラグ、車速フラグのオン・オフに関わらず、警告音を出力しないと判定する。
【0037】
(検出フラグがオンの場合)
警告判定部140は、車両管理テーブルを参照し、検出フラグが「オン」となっている場合には、アクセスフラグ、ブレーキフラグ、車速フラグに基づいて、出力する警告音の種類を判定する。詳細を下記に示す。
【0038】
警告判定部140は、車両管理テーブルを参照し、アクセルフラグが「オン」となっている場合には、ブレーキフラグ、車速フラグのオン・オフに関わらず、第1の警告音を出力すると判定する。
【0039】
警告判定部140は、車両管理テーブルを参照し、アクセルフラグが「オフ」となっており、かつブレーキフラグが「オフ」となっている場合には、車速フラグのオン・オフに関わらず、第2の警告音を出力すると判定する。
【0040】
警告判定部140は、車両管理テーブルを参照し、アクセルフラグが「オフ」となっており、かつブレーキフラグが「オン」となっており、かつ車速フラグが「オン」(車速が閾値以上)となっている場合には、第2の警告音を出力すると判定する。
【0041】
警告判定部140は、車両管理テーブルを参照し、アクセルフラグが「オフ」となっており、かつブレーキフラグが「オン」となっており、かつ車速フラグが「オフ」(車速が閾値未満)となっている場合には、警告音を出力しないと判定する。
【0042】
出力部150は、各種の情報を出力する出力手段であり、モニタ(若しくはディスプレイ、タッチパネル)やスピーカなどによって構成される。特に、本実施例1の警告装置100に密接に関連するものとしては、移動体検出部120から出力される移動体の検出結果をモニタに表示すると共に、警告判定部140の判定結果に基づいて、警告音を出力する。
【0043】
例えば、出力部150は、カメラによって撮影された画像をモニタに表示すると共に、移動体検出部120から移動体の座標情報に基づいて、移動体を矩形で囲んで表示させる。また、出力部150は、警告判定部140の判定結果に基づいて、第1の警告音または第2の警告音をスピーカから出力する。
【0044】
図4は、各フラグおよび警告音の状態を示す図である。なお、ここでは、車速フラグの代わりに、車速を示している(車速が閾値以上であることと、車速フラグがオンであることは等価である)。図4に示す状態は、車両が交差点に進入した場合を想定している。
【0045】
交差点の進入動作において、運転手が自車両を一旦停止させる又は減速させた後、前進させる一連の動作の中で、ブレーキを離すタイミングに比べアクセルを踏んでいる状態は、時系列的に後となる可能性が高いため、自車両に接近する移動値を見落としてしまった場合に、危険度がより高くなる(例えば、警告レベル2)。したがって、アクセルフラグが「オン」になる場合に、第1の警告音を出力することで、的確に運転手に注意を促すことが出来る。
【0046】
次に、本実施例1にかかる警告装置100の処理手順について説明する。図5は、本実施例1にかかる警告装置100の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、この警告装置100は、BCM(カメラ)の電源がオンとなっているか否かを判定し(ステップS101)、オフとなっている場合には(ステップS102,No)、処理を終了する。
【0047】
一方、BCMの電源がオンとなっている場合には(ステップS102,Yes)、警告装置100は、車両管理テーブルを参照して、検出フラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップS103)、検出フラグがオフとなっている場合には(ステップS104,No)、ステップS101に移行する。
【0048】
一方、検出フラグがオンとなっている場合には(ステップS104,Yes)、警告装置100は、警報の種別を判定し(ステップS105)、判定結果に基づいて警報を出力し(ステップS106)、ステップS101に移行する。
【0049】
上述してきたように、本実施例1にかかる警告装置100は、車両に搭載したカメラにより撮影された画像に基づいて、移動体検出部120が移動体を検出した場合に、出力部150が一様に警告音を出力するのではなく、警告判定部140が自車両の運転状況情報に応じて警告音の種類を判定し、判定結果に応じて出力部150が警告音を出力するので、運転手に不快感を与えることなく、適切なタイミングで運転手に注意喚起することができる。
【実施例2】
【0050】
さて、これまで本発明の実施例について説明してきたが、本発明は上述した実施例1以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では本実施例2として本発明に含まれる実施例を説明する。
【0051】
(1)警告音の判定基準となる情報について
例えば、上記の実施例1では、警告判定部140は、車両センサ130から出力される車両状態情報、すなわち、アクセル情報、ブレーキ情報、車速情報に基づいて、警告音の種類を判定していたが、これに限定されるものではなく、例えば、ギアの操作状態を更に利用して、警告音の種類を判定してもよい。
【0052】
例えば、警告判定部140は、上記移動体検出部120が移動体を検出している状態において、アクセルが踏まれており、かつギアが走行状態となっている場合に、第1の警告音を出力すると判定し、判定結果を出力部150に出力する。なお、ギアの操作状態にかかる情報は、ギアの操作状態を監視する装置から取得する。
【0053】
ところで、警告判定部140は、車両に設置されたカメラの方位(撮影方向)およびギアの操作状態を基にして、警告音の種類を判定してもよい。例えば、警告判定部140は、カメラが車両の前方の画像を撮影しており、上記移動体検出部120が移動体を検出している状態において、アクセルが踏まれており、かつギアが走行状態(前方移動)となっている場合、換言すれば、車両が移動体に向かって移動する場合に、第1の警告音を出力すると判定し、判定結果を出力部150に出力する。
【0054】
あるいは、警告判定部140は、カメラが車両の後方の画像を撮影しており、上記移動体検出部120が移動体を検出している状態において、アクセルが踏まれており、かつギアが後方移動となっている場合、換言すれば、車両が移動体に向かって移動している場合に、第1の警告音を出力すると判定し、判定結果を出力部150に出力する。
【0055】
このように、警告判定部140が、撮影方位と車両の走行状態(ギアの走行状態)を基にして、警告音の出力の有無を判定することで、運転手に適切に注意を促すことができる。例えば、車両が移動体から離れる方向に移動する場合は、かかる移動体に接触することはないため、警告音を出力する必要はない。
【0056】
(2)警告方法について
例えば、上記の実施例1では、異なる警告音の種類を用意して、車両の走行状態や移動体検出の有無に基づいて、警告音の種類を選択して出力していたが、これに限定されるものではなく、例えば、モニタによって移動体を強調表示(光によって警告を通知)しても良いし、シートやハンドル等を振動させて運転手に注意を促してもよい。
【0057】
例えば、出力部150は、警告判定部140から判定結果を取得し、第1の警告音を出力すると判定されている場合には、第1の警告音をスピーカから出力すると共に、モニタに表示する移動体を赤い矩形で囲む。一方、出力部150は、第2の警告音を出力すると判定されている場合には、第2の警告音をスピーカから出力すると共に、モニタに表示する移動体を黄色い矩形で囲む。
【0058】
(3)システムの構成など
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部あるいは一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
また、図1に示した警告装置100の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部がCPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0060】
図6は、実施例1にかかる警告装置100を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。図6に示すように、このコンピュータ(警告装置)200は、入力装置201、モニタ202、カメラ(BCM)203、RAM(Random Access Memory)204、ROM(Read Only Memory)205、記憶媒体からデータを読み取る媒体読取装置206、他の装置との間でデータの送受信を行う通信装置207、車両センサ208、CPU(Central Processing Unit)209、HDD(Hard Disk Drive)210をバス211で接続して構成される。ここで、車両センサ208は、図1に示した車両センサ130に対応する。
【0061】
そして、HDD210には、上記した警告装置100の機能と同様の機能を発揮する移動体検出プログラム210b、警告判定プログラム210cが記憶されている。CPU209が、移動体検出プログラム210b、警告判定プログラム210cを読み出して実行することにより、移動体検出プロセス209a、警告判定プロセス209bが起動される。
【0062】
ここで、移動体検出プロセス209aは、図1の移動体検出部120に対応し、警告判定プロセス209bは、図1の警告判定部140および出力部150に対応する。
【0063】
また、HDD210は、警告装置100で利用される情報(画像情報等)に対応する各種データ210aを記憶する。CPU209は、HDD210に格納された各種データ210aを読み出して、RAM204に格納し、RAM204に格納された各種データ204aを用いて、画像から移動体を検出する。
【0064】
ところで、図6に示した移動体検出プログラム210b、警告判定プログラム210cは、必ずしも最初からHDD210に記憶させておく必要はない。たとえば、コンピュータに挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータに接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに移動体検出プログラム210b、警告判定プログラム210cを記憶しておき、コンピュータがこれらから移動体検出プログラム210b、警告判定プログラム210cを読み出して実行するようにしてもよい。
【0065】
(上記の実施例1,2を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する)
【0066】
(付記1)車両に搭載したカメラにより撮影された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出手段と、
前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定手段と、
前記移動体検出手段が移動体を検出し、かつ、前記判定手段が停止状態ではないと判定した場合に、音または光を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする警告装置。
【0067】
(付記2)前記判定手段は、前記車両のアクセルおよびブレーキの操作状態を判定し、前記アクセルが踏まれている場合、あるいは、前記ブレーキが踏まれていない場合に、前記車両が停止状態ではないと判定し、前記出力手段は、前記判定手段により前記アクセルが踏まれておらず、かつ、前記ブレーキが踏まれていない場合に第1の種類の音または光を出力し、前記アクセルが踏まれている場合には、第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記1に記載の警告装置。
【0068】
(付記3)前記判定手段は更に、ギアの操作状態を判定し、前記出力手段は、前記移動体検出手段により移動体が検出され、かつ前記アクセルが踏まれており、かつギアが走行状態になっていると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記2に記載の警告装置。
【0069】
(付記4)前記判定手段は、前記カメラの方位および前記ギアの操作状態を基にして、前記車両が画像の撮影方向に移動しているか否かを判定し、前記出力手段は、前記移動体検出手段が移動体を検出し、かつ前記アクセルが踏まれており、かつ前記車両が画像の撮影方向に移動していると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記3に記載の警告装置。
【0070】
(付記5)車両の運転手に対して警告を出力する警告装置の警告方法であって、
前記警告装置は、
前記車両に搭載したカメラにより撮影された画像を記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記記憶装置に記憶された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出ステップと、
前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定ステップと、
前記移動体検出ステップが移動体を検出し、かつ、前記判定ステップが停止状態ではないと判定した場合に、出力装置から音または光を出力する出力ステップと、
を含んでいることを特徴とする警告方法。
【0071】
(付記6)前記判定ステップは、前記車両のアクセルおよびブレーキの操作状態を判定し、前記アクセルが踏まれている場合、あるいは、前記ブレーキが踏まれていない場合に、前記車両が停止状態ではないと判定し、前記出力ステップは、前記判定ステップにより前記アクセルが踏まれておらず、かつ、前記ブレーキが踏まれていない場合に第1の種類の音または光を出力し、前記アクセルが踏まれている場合には、第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記5に記載の警告方法。
【0072】
(付記7)前記判定ステップは更に、ギアの操作状態を判定し、前記出力ステップは、前記移動体検出ステップにより移動体が検出され、かつ前記アクセルが踏まれており、かつギアが走行状態になっていると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記6に記載の警告方法。
【0073】
(付記8)前記判定ステップは、前記カメラの方位および前記ギアの操作状態を基にして、前記車両が画像の撮影方向に移動しているか否かを判定し、前記出力ステップは、前記移動体検出ステップにより移動体が検出され、かつ前記アクセルが踏まれており、かつ前記車両が画像の撮影方向に移動していると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記7に記載の警告方法。
【0074】
(付記9)コンピュータに、
前記車両に搭載したカメラにより撮影された画像を記憶装置に記憶する記憶手順と、
前記記憶装置に記憶された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出手順と、
前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定手順と、
前記移動体検出手順が移動体を検出し、かつ、前記判定手順が停止状態ではないと判定した場合に、出力装置から音または光を出力する出力手順と、
を実行させることを特徴とする警告プログラム。
【0075】
(付記10)前記判定手順は、前記車両のアクセルおよびブレーキの操作状態を判定し、前記アクセルが踏まれている場合、あるいは、前記ブレーキが踏まれていない場合に、前記車両が停止状態ではないと判定し、前記出力手順は、前記判定手順により前記アクセルが踏まれておらず、かつ、前記ブレーキが踏まれていない場合に第1の種類の音または光を出力し、前記アクセルが踏まれている場合には、第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記9に記載の警告プログラム。
【0076】
(付記11)前記判定手順は更に、ギアの操作状態を判定し、前記出力手順は、前記移動体検出手順により移動体が検出され、かつ前記アクセルが踏まれており、かつギアが走行状態になっていると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記10に記載の警告プログラム。
【0077】
(付記12)前記判定手順は、前記カメラの方位および前記ギアの操作状態を基にして、前記車両が画像の撮影方向に移動しているか否かを判定し、前記出力手順は、前記移動体検出手順により移動体が検出され、かつ前記アクセルが踏まれており、かつ前記車両が画像の撮影方向に移動していると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする付記11に記載の警告プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明にかかる警告装置、警告方法および警告プログラムは、車両の運転手に警告を行う警告システムなどに有用であり、特に、画像から検出した移動体および自車両の運転状況に応じて、適切なタイミングで運転手に注意喚起する必要がある場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施例1にかかる警告装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】車両管理テーブルの一例を示す図である。
【図3】各フラグと判定結果との対応関係を示す図である。
【図4】各フラグおよび警告音の状態を示す図である。
【図5】本実施例1にかかる警告装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施例1にかかる警告装置を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
100 警告装置
110 画像入力部
120 移動体検出部
130 車両センサ
140 警告判定部
150 出力部
200 コンピュータ
201 入力装置
202 モニタ
203 カメラ
204 RAM
204a 各種データ
205 ROM
206 媒体読取装置
207 通信装置
208 車両センサ
209 CPU
209a 移動体検出プロセス
209b 警告判定プロセス
210 HDD
210a 各種データ
210b 移動体検出プログラム
210c 警告判定プログラム
211 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載したカメラにより撮影された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出手段と、
前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定手段と、
前記移動体検出手段が移動体を検出し、かつ、前記判定手段が停止状態ではないと判定した場合に、音または光を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする警告装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記車両のアクセルおよびブレーキの操作状態を判定し、前記アクセルが踏まれている場合、あるいは、前記ブレーキが踏まれていない場合に、前記車両が停止状態ではないと判定し、前記出力手段は、前記判定手段により前記アクセルが踏まれておらず、かつ、前記ブレーキが踏まれていない場合に第1の種類の音または光を出力し、前記アクセルが踏まれている場合には、第2の種類の音または光を出力することを特徴とする請求項1に記載の警告装置。
【請求項3】
前記判定手段は更に、ギアの操作状態を判定し、前記出力手段は、前記移動体検出手段により移動体が検出され、かつ前記アクセルが踏まれており、かつギアが走行状態になっていると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする請求項2に記載の警告装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記カメラの方位および前記ギアの操作状態を基にして、前記車両が画像の撮影方向に移動しているか否かを判定し、前記出力手段は、前記移動体検出手段が移動体を検出し、かつ前記アクセルが踏まれており、かつ前記車両が画像の撮影方向に移動していると判定された場合に前記第2の種類の音または光を出力することを特徴とする請求項3に記載の警告装置。
【請求項5】
車両の運転手に対して警告を出力する警告装置の警告方法であって、
前記警告装置は、
前記車両に搭載したカメラにより撮影された画像を記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記記憶装置に記憶された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出ステップと、
前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定ステップと、
前記移動体検出ステップが移動体を検出し、かつ、前記判定ステップが停止状態ではないと判定した場合に、出力装置から音または光を出力する出力ステップと、
を含んでいることを特徴とする警告方法。
【請求項6】
コンピュータに、
前記車両に搭載したカメラにより撮影された画像を記憶装置に記憶する記憶手順と、
前記記憶装置に記憶された画像に基づいて、移動体を検出する移動体検出手順と、
前記車両が停止状態にあるか否かを判定する判定手順と、
前記移動体検出手順が移動体を検出し、かつ、前記判定手順が停止状態ではないと判定した場合に、出力装置から音または光を出力する出力手順と、
を実行させることを特徴とする警告プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−143494(P2009−143494A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325069(P2007−325069)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】