説明

警告装置及びこれを備えた警告システム

【目的】 本発明は、故障時や緊急時に報知手段を停止させることができ且つ飲酒運転を抑止できる警告装置を提供する。
【構成】 警告装置Wはアルコール検出器Dと相互通信可能である。警告装置Wは、報知部500と、運転席の人の有を検出して出力信号を出力可能な人感センサ100と、人感センサ100の出力信号に応じて報知部500を作動させることが可能な警告作動手段210と、アルコール検出器Dの解除信号に応じて報知部500の作動を停止させることが可能な警告解除手段220と、解除スイッチ400aと、解除スイッチ400aの操作入力に応じて報知部500を作動不能とすることが可能な強制解除手段230と、報知部500が作動不能にされたことを記録する記録部300とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物に搭載され、飲酒運転及び薬物運転の少なくとも一方を抑止可能な警告装置及びこれを備えた警告システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の警告装置としては、アルコール検出手段と、前記アルコール検出手段により所定値以上のアルコールが検出されたときに点灯する警告ランプとを備えたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平03−8753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記警告装置は、故障時(例えば、飲酒していないにもかかわらず、警告ランプが点灯する時等)や緊急時(例えば、けが人や病人の発生時に止むを得ず飲酒運転を行う時)であっても、警告ランプの点灯を止めることができなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、故障時や緊急時に報知手段を停止させることができ且つ飲酒運転及び薬物運転の少なくとも一方を抑止できる警告装置及びこれを備えた警告システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1警告装置は、アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能であり且つ所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったときに解除信号を出力する第1検出手段と相互通信可能な警告装置である。この第1警告装置は、報知手段と、乗り物の運転席の人の有、乗り物の運転席の着座、乗り物のドアが閉じられたこと、乗り物のシートベルトの装着又は乗り物の始動を検出して出力信号を出力可能な第2検出手段と、前記第2検出手段の出力信号に応じて前記報知手段を作動させることが可能な警告作動手段と、前記第1検出手段の解除信号に応じて、前記報知手段の作動を停止させることが可能な警告解除手段と、操作入力可能な第1入力手段と、前記第1入力手段を通じた操作入力に応じて前記報知手段を作動不能とすることが可能な強制解除手段と、前記強制解除手段により前記報知手段が作動不能にされたことを記録する記録手段とを備えている。
【0007】
このような発明の態様による場合、第2検出手段により、乗り物の運転席の人の有、乗り物の運転席の着座、乗り物のドアが閉じられたこと、乗り物のシートベルトの装着又は乗り物の始動が検出されると、警告作動手段が第2検出手段の出力信号に応じて報知手段を作動させる。第1検出手段により、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されず、解除信号が出力されたときには、警告解除手段が前記第1検出手段の解除信号に応じて前記報知手段の作動を停止させる。第1検出手段により、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたときには、警告作動手段が報知手段を作動させた状態が維持される。よって、飲酒運転及び/又は薬物運転を抑止することができる。故障時や緊急時には、第1入力手段が操作されると、強制解除手段が前記報知手段を作動不能とする。よって、故障時や緊急時に報知手段に妨げられることなく、乗り物を運転することが可能になる。しかし、記録手段が強制解除手段により前記報知手段が作動不能にされたことを記録するようになっているので、ドライバーは第1入力手段を操作入力した理由を運行管理者等に説明することになる。よって、ドライバーにより、第1入力手段が不用意に操作されることを抑制することができるので、第1入力手段及び強制解除手段の存在により、第1警告装置の飲酒運転及び/又は薬物運転の抑止効果が低減することを抑制することができる。
【0008】
前記第1警告装置は、認証情報を入力可能な第2入力手段と、前記第2入力手段を通じて入力された認証情報に基づいて認証を行い、この認証により前記認証情報が正当な権限を有していると判定した場合に、前記強制解除手段により作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させる復帰手段とを更に備えた構成とすることが可能である。
【0009】
このような発明の態様による場合、第2入力手段を通じて認証情報を入力し、復帰手段が、前記認証情報が正当な権限を有していると判定した場合に、前記強制解除手段により作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させるようになっている。よって、第1入力手段を操作したドライバーは、運行管理者等の特定者に第2入力手段を通じて認証情報を入力して貰わなければ、報知手段を作動可能な状態に復帰させることができない。よって、ドライバーにより、第1入力手段の操作が不用意になされることを更に抑制することができる。
【0010】
或いは、前記第1警告装置は、鍵を用いた開錠操作により開錠信号を出力可能な錠手段と、前記錠手段の前記開錠信号を受信すると、作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させる復帰手段とを更に備えた構成とすることが可能である。
【0011】
このような発明の態様による場合、錠手段に鍵で開錠操作がなされると、復帰手段が作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させるようになっている。よって、第1入力手段を操作したドライバーは、運行管理者等の特定者に鍵で開錠操作をして貰わなければ、報知手段を作動可能な状態に復帰させることができない。よって、ドライバーにより、第1入力手段の操作が不用意になされることを更に抑制することができる。
【0012】
本発明の第2警告装置は、アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能であり且つ所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったときに解除信号を出力する第1検出手段と相互通信可能な警告装置である。この第2警告装置は、報知手段と、乗り物の運転席の人の有、乗り物の運転席の着座、乗り物のドアが閉じられたこと、乗り物のシートベルトの装着又は乗り物の始動を検出して出力信号を出力可能な第2検出手段と、前記第2検出手段の出力信号に応じて前記報知手段を作動させることが可能な警告作動手段と、前記第1検出手段の解除信号に応じて、前記報知手段の作動を停止させることが可能な警告解除手段と、前記報知手段と前記警告作動手段との間を接続するケーブルと、前記報知手段及び前記警告作動手段の少なくとも一方に設けられ、前記ケーブルが挿脱自在に接続された接続穴を有するコネクタと、挿入防止部材を有しており且つ前記ケーブルが前記コネクタから抜かれたとき、前記挿入防止部材が前記接続穴の少なくとも一部を塞いで前記ケーブルを前記コネクタに対して再接続不能とする再接続防止手段と、前記ケーブルが前記コネクタから抜かれたことを記録する記録手段とを備えている。
【0013】
このような発明の態様による場合、第2検出手段により、乗り物の運転席の人の有、乗り物の運転席の着座、乗り物のドアが閉じられたこと、乗り物のシートベルトの装着又は乗り物の始動が検出されると、警告作動手段が第2検出手段の出力信号に応じて報知手段を作動させる。第1検出手段により、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されず、解除信号が出力されたときには、警告解除手段が前記第1検出手段の解除信号に応じて前記報知手段の作動を停止させる。第1検出手段により、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたときには、警告作動手段が報知手段を作動させた状態が維持される。よって、飲酒運転及び/又は薬物運転を抑止することができる。故障時や緊急時には、ケーブルがコネクタの接続穴から抜かれると、報知手段が作動不能となる。よって、故障時や緊急時に報知手段に妨げられることなく、乗り物を運転することが可能になる。しかし、記録手段が、ケーブルがコネクタから抜かれたことを記録するようになっているので、ドライバーはケーブルを抜いた理由を運行管理者等に説明することになる。よって、ドライバーによりケーブルが不用意に抜かれることを抑制することができるので、ケーブルがコネクタの接続穴に挿脱自在となっていることにより、第2警告装置の飲酒運転及び/又は薬物運転の抑止効果が低減することを抑制することができる。
【0014】
前記第2警告装置は、認証情報を入力可能な第2入力手段と、前記第2入力手段を通じて入力された認証情報に基づいて認証を行い、この認証により前記認証情報が正当な権限を有していると判定した場合に、前記再接続防止手段の挿入防止部材に前記接続穴を開放させる復帰手段とを更に備えた構成とすることが可能である。
【0015】
このような発明の態様による場合、第2入力手段を通じて認証情報を入力し、復帰手段が、前記認証情報が正当な権限を有していると判定した場合に、前記復帰手段が、再接続防止手段の挿入防止部材に接続穴を開放させるようになっている。よって、ケーブルを抜いたドライバーは、運行管理者等の特定者に第2入力手段を通じて認証情報を入力して貰わなければ、ケーブルを再接続し、報知手段を作動可能な状態に復帰させることができない。よって、ドライバーにより、ケーブルを抜く操作が不用意になされることを更に抑制することができる。
【0016】
或いは、前記第2警告装置は、鍵を用いた開錠操作により開錠信号を出力可能な錠手段と、前記錠手段の前記開錠信号を受信すると、前記再接続防止手段の挿入防止部材に前記接続穴を開放させる復帰手段とを更に備えた構成とすることが可能である。
【0017】
このような発明の態様による場合、錠手段に鍵で開錠操作がなされると、復帰手段が
再接続防止手段の挿入防止部材に接続穴を開放させるようになっている。よって、ケーブルを抜いたドライバーは、運行管理者等の特定者に鍵で開錠操作をして貰わなければ、ケーブルを再接続し、報知手段を作動可能な状態に復帰させることができない。よって、ドライバーにより、ケーブルを抜く操作が不用意になされることを更に抑制することができる。
【0018】
前記第2検出手段としては、人感センサ、シートセンサ、ドアセンサ、シートベルト装着検出手段、電流センサ、電圧センサ又は電力センサを用いることが可能である。前記人感センサは、乗り物の運転席の人の有を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である。前記シートセンサは、乗り物の運転席に人が着席したことを検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である。前記ドアセンサは、乗り物のドアが閉じられたことを検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である。前記シートベルト装着検出手段は、乗り物のシートベルトが装着されたことを検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である。前記電流センサは、乗り物の始動時の電流を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である。前記電圧センサは、乗り物の始動時の電圧を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である。前記電力センサは、乗り物の始動時の電力を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である。
【0019】
前記報知手段は、ランプ及びブザーの少なくとも一方を有する構成とすることが可能である。
【0020】
本発明に係る警告システムは、上記第1又は第2警告装置と、前記第1又は第2警告装置と相互通信可能な第1検出手段とを更に備えている。前記第1検出手段は、アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能であり且つ所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったときに前記警告解除手段に解除信号を送信可能である。
【0021】
前記第1検出手段は、アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能な検出部と、前記警告解除手段に解除信号を送信可能な通信部と、記録部と、前記検出部により所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたか否かの判定を行い、この判定の結果、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたと判定したときに、前記検出部により検出されたアルコール及び薬物の少なくとも一方の値及び検出日時を記録部に記録させ、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったと判定したときに、前記検出部により検出されたアルコール及び薬物の少なくとも一方の値及び検出日時を記録部に記録させ且つ前記通信部に解除信号を送信させる制御部とを有する構成とすることが可能である。
【0022】
前記第1検出手段は、カメラを更に有する構成とすることが可能である。この場合、前記制御部は、前記判定時の前後に前記カメラに使用者の顔を撮影させ、前記カメラの撮影データを前記記録部に記録させるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る警告システムのブロック図である。
【図2】図2は前記警告システムのアルコール検出器のアルコール検出プログラムのフローチャートである。
【図3】図3は前記警告システムの警告装置の警告プログラムのフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施例2に係る警告システムのブロック図である。
【図5A】図5Aは前記警告システムの警告装置の再接続防止機構の模式的断面図であって、ケーブル接続状態を示す図である。
【図5B】図5Bは前記警告システムの警告装置の再接続防止機構の模式的断面図であって、ケーブルを抜いた状態を示す図である。
【図6】前記警告システムの警告装置の警告プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例1及び2について説明する。
【実施例1】
【0025】
まず、本発明の実施例1に係る警告システムについて図1を参照しつつ説明する。図1に示す警告システムは、タクシー会社や運送会社等の飲酒運転抑止システムとして用いられる。この警告システムは、アルコール検出器D(第1検出手段)と、このアルコール検出器Dと無線通信回線Cを介して相互通信可能な警告装置Wとを備えている。以下、前記警告システムについて詳しく説明する。
【0026】
アルコール検出器Dは、半導体ガスセンサ10と、制御部20と、記録部30と、液晶ディスプレイ40と、通信部50と、操作入力部60と、カメラ70とを備えている。半導体ガスセンサ10は、所定時間(約2秒間)息が吹きつけられると、センサの内部抵抗が変化し、この内部抵抗の変化を出力信号として出力する構成となっている。記録部30としては不揮発メモリを用いている。記録部30には、アルコール検出器Dを使用するドライバー(使用者)の個人IDが予め記録されている。通信部50は、アルコール検出器Dが警告装置Wと無線通信回線Cを介して相互通信するための送受信部である。本実施例1では、無線通信回線Cとしてブルートゥース(登録商標)を用いているので、通信部50もブルートゥース用の送受信部を用いている。制御部20としてはマイコンを用いている。制御部20の入出力ポートには、半導体ガスセンサ10、記録部30、液晶ディスプレイ40、通信部50、操作入力部60及びカメラ70が接続されている。制御部20の内部メモリには、制御部20により処理される図2に示すアルコール検出プログラムと、アルコール基準値(例えば、呼気中のアルコール濃度0.14mg/L(これが所定値))とが記憶されている。
【0027】
警告装置Wは、自動車(乗り物)のダッシュボード、サンバイザーや天井面等に設置可能な装置である。この警告装置Wは、人感センサ100(第2検出手段)と、制御部200と、記録部300(記録手段)と、解除スイッチ400a(第1入力手段)と、パスワード入力部400b(第2入力手段)と、報知部500(報知手段)と、通信部600とを備えている。
【0028】
人感センサ100は、自動車の運転席に着席した人の有を検出し出力信号を出力可能な周知の赤外線センサ、超音波センサ又は可視光センサである。解除スイッチ400aは、タクトスイッチ等の押下スイッチや静電容量方式のタッチスイッチ等を用いることができる。パスワード入力部400bはテンキーとエンターキーとで構成されている。記録部300としては不揮発メモリを用いている。記録部300には、パスワード(認証情報)が予め記録されている。このパスワードは運行管理者等の特定者のみに知らされている。報知部500は、LEDランプ510と、ブザー520と、液晶ディスプレイ530とを有している。通信部600は、警告装置Wがアルコール検出器Dと無線通信回線Cを介して相互通信するための送受信部である。本実施例1では、無線通信回線Cとしてブルートゥースを用いているので、通信部600もブルートゥース用の送受信部を用いている。
【0029】
制御部200としてはマイコンを用いている。制御部200の内部メモリには、図3に示す警告プログラムが記録されている。制御部200の入出力ポートには、人感センサ100、記録部300、解除スイッチ400a、パスワード入力部400b、LEDランプ510、ブザー520、液晶ディスプレイ530及び通信部600が接続されている。後述するように制御部200が前記警告プログラムを処理することにより、警告作動手段210、警告解除手段220、強制解除手段230及び復帰手段240としての機能を発揮するようになっている。
【0030】
以下、上述した警告システムの使用方法について詳しく説明すると共に、上記アルコール検出プログラムの内容及び警告プログラムの内容について詳しく説明する。
【0031】
まず、ドライバーが自動車の運転席に着席し、アルコール検出器Dの電源をオンにする。すると、アルコール検出器Dの制御部20が図2に示すアルコール検出プログラムを処理する。すると、通信部600を通じて警告装置Wと相互通信可能であるか否かの通信テストを行う(s1)。この通信テストの結果、相互通信不能である場合、液晶ディスプレイ40にエラー表示をさせる(s2)。相互通信可能である場合に、液晶ディスプレイ40にアルコールテストの準備OKの旨の表示をさせる(s3)。その後、操作入力部60を通じてアルコールテストのスタート操作がなされると(s4)、制御部20内部のタイマ回路のカウント値を参照し、所定時間後(例えば、スタート操作から5秒後)にカメラ70に撮影させ、当該カメラ70の撮影データを記録部30上の個人IDを参照しつつ記録部30に記録させる(s5)。その後、前記タイマ回路のカウント値を参照し、スタート操作から所定時間(例えば、15秒)経過したか否かを判定する(s6)。この判定の結果、所定時間が経過したと判定したときには、液晶ディスプレイ40にNG表示させ(s7)、アルコール検出プログラムの処理を終了する。一方、所定時間経過していないと判定したときには、半導体ガスセンサ10の出力信号が入力されたか否か(即ち、半導体ガスセンサ10に息が吹きかけられたか否か)を判定する(s8)。
【0032】
この判定の結果、息が吹きかけられていないと判定したときには、ステップ5の処理に戻る。一方、息が吹きかけられたと判定したときには、半導体ガスセンサ10の出力信号に基づきドライバーの呼気に含まれるアルコール濃度を測定する。その後、この測定値とメモリ上のアルコール基準値とを比較し、測定値がアルコール基準値以上であるか否か(即ち、ドライバーの呼気中にアルコール基準値以上のアルコールが含まれているか否か)を判定する(s9)。
【0033】
この判定の結果、測定値が基準値未満であると判定したときには、解除信号を通信部50を通じて警告装置Wに送信し(s10)、液晶ディスプレイ40に運転可能である旨の表示をさせる(s11)。これと共に、前記測定値と測定日時(検出日時)を記録部30上の個人IDを参照しつつ前記撮影データに関連づけて記録部30に記録させ(s12)、アルコール検出プログラムの処理を終了する。一方、測定値がアルコール基準値以上であると判定したときには、NG信号を通信部50を通じて警告装置Wに送信し(s13)、液晶ディスプレイ40に運転不可である旨の表示をさせる(s14)。これと共に、前記測定値と測定日時を記録部30上の個人IDを参照しつつ前記撮影データに関連づけて記録部30に記録させ(s15)、アルコール検出プログラムの処理を終了する。
【0034】
一方、警告装置Wの制御部200は、電源がオンにされることにより図3に示す警告プログラムを処理する。その後、ドライバーが自動車の運転席に着席すると、人感センサ100により運転席上のドライバーが検出され、出力信号が制御部200に出力される。すると、制御部200は、内部のタイマ回路のカウント値を参照して人感センサ100の出力信号が所定時間(例えば、10秒)入力され続けたか否かを判定する(s20)。この判定の結果、人感センサ100の出力信号が所定時間入力され続けたと判定したときには、ドライバーが運転を開始するものとしてブザー520をオンにし(s21)、LEDランプ510を点灯させる(s22)。このように制御部200が報知部500を作動させる警告作動手段210として機能している。
【0035】
その後、通信部600を通じてアルコール検出器Dと相互通信可能であるか否かの通信テストを行う(s23)。この通信テストにより、相互通信不能である場合、液晶ディスプレイ530にエラー表示をさせる(s24)。相互通信可能である場合に、液晶ディスプレイ530にアルコールテストと表示をさせる(s25)。
【0036】
その後、通信部600を通じてアルコール検出器Dから解除信号が入力されると(s26)、ブザー520をオフにし(s27)、LEDランプ510を消灯させる(s28)。このように制御部200が報知部500の作動を停止させる警告解除手段220として機能している。その後、人感センサ100の出力信号が途絶えると(s29)、ドライバーが運転席から離席したとして、ステップ20の処理に戻る。
【0037】
通信部600を通じてアルコール検出器Dから解除信号が入力されず(s26)、NG信号が入力されると(s30)、LEDランプ510を点滅させ(s32)、液晶ディスプレイ600に飲酒運転である旨の警告を表示させる(s33)。なお、ブザー520はステップ21によりオンにされたままである。すなわち、ブザー520がなり、LEDランプ510が点滅し、且つ液晶ディスプレイ600が警告を表示することにより、ドライバーに飲酒運転を止めるように促すことができる。なお、液晶ディスプレイ530にエラー表示又はアルコールテストと表示をさせた後、制御部200の内部のタイマ回路のカウント値を参照して所定時間が計測され、当該所定時間内に通信部600を通じてアルコール検出器Dから解除信号及びNG信号が入力されなかったときには(s26、s30及びs31)、ステップ32の処理に移る。
【0038】
LEDランプ510が点滅し且つ液晶ディスプレイ600に警告が表示された場合であっても、ドライバーに解除スイッチ400aが操作されると(s34)、ブザー520をオフにし(s35)、LEDランプ510を消灯させ(s36)且つ液晶ディスプレイ600の警告表示を消す(s37)。このように制御部200が報知部500を作動不能とする強制解除手段230として機能している。その後、解除スイッチ400aを操作したことを操作時刻と共に記録部300に記録させる(s38)。すなわち、記録部300に、報知部500が作動不能にされたことが記録される。その後、パスワード入力部400bを通じてパスワードが入力され、認証されるまで(s39)、ステップ39をループするので、警告装置Wが機能停止し、報知部500が作動不能となる。しかも、警告装置Wとアルコール検出器Dとが相互通信不能となり、アルコール検出器Dのアルコールテストもできなくなる。
【0039】
パスワード入力部400bを通じてパスワードを入力されると、当該パスワードと記録部300上のパスワードとが一致するか否かのパスワード認証を行う(s39)。この認証の結果、パスワードが一致すると、ステップ20の処理に戻る。これにより、警告装置Wの機能が復帰し、警告装置Wとアルコール検出器Dとが相互通信可能となり、再びアルコールテストを行うことが可能になる。このように制御部200が強制解除手段230により作動不能にされた報知部500を作動可能な状態に復帰させる復帰手段240として機能している。
【0040】
解除スイッチ400aが操作されない場合であっても(s34)、パスワード入力部400bを通じてパスワードが入力され、そのパスワードが記録部300上のパスワードと一致すると(s40)、ブザー520をオフにし(s41)、LEDランプ510を消灯させ(s42)且つ液晶ディスプレイ600の警告表示を消す(s43)。その後、ステップ20の処理に戻る。
【0041】
以上の警告システムによる場合、人感センサ100により、運転席の人の有が検出されると、制御部200が報知部500のブザー520をオンにし且つLEDランプ510を点灯させる。アルコール検出器Dにより、ドライバーの呼気にアルコール基準値以上のアルコールが検出されず、解除信号が出力されたときには、制御部200の警告作動手段210が解除信号に応じてブザー520をオフにし且つLEDランプ510を消灯させる。アルコール検出器Dにより、ドライバーの呼気にアルコール基準値以上のアルコールが検出されたときには、報知部500のブザー520がなり、LEDランプ510が点滅し、液晶ディスプレイ530に警告が表示される。よって、飲酒運転を抑止することができる。
【0042】
故障時や緊急時に、解除スイッチ400aが操作入力されると、制御部200の強制解除手段230が報知部500を作動不能とする。よって、故障時や緊急時に報知部500に妨げられることなく、自動車を運転することが可能になる。しかし、制御部200が記録部300に報知部500が作動不能にされたことを記録させるようになっているので、ドライバーは解除スイッチ400aを操作入力した理由を運行管理者等に説明することになる。加えて、ドライバーは、運行管理者等の特定者にパスワード入力部400bを通じてパスワードを入力して貰わなければ、報知部500を作動可能な状態に復帰させることができない。よって、ドライバーにより、解除スイッチ400aの操作が不用意になされることを抑制することができるので、解除スイッチ400a及び強制解除手段230の存在により、前記警告システムの飲酒運転抑止効果が低減するのを抑制することができる。
【実施例2】
【0043】
次に、本発明の実施例2に係る警告システムについて図4を参照しつつ説明する。図4に示す警告システムは、アルコール検出器D(第1検出手段)と、このアルコール検出器Dと無線通信回線Cを介して相互通信可能な警告装置W’とを備えている。前記警告システムは、警告装置W’の構成が実施例1の警告装置Wと相違している。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、実施例1と重複する説明については省略する。
【0044】
警告装置W’は自動車(乗り物)のダッシュボード、サンバイザーや天井面等に設置可能な装置である。この警告装置W’は、図4に示すように、人感センサ100(第2検出手段)と、制御部200’と、記録部300(記録手段)と、パスワード入力部400b(第2入力手段)と、報知部500(報知手段)と、通信部600と、コネクタ700と、再接続防止機構800(再接続防止手段)と、ケーブル900と、第1、第2筐体とを備えている。前記第1筐体には、人感センサ100、制御部200’、記録部300、パスワード入力部400b、通信部600、コネクタ700及び再接続防止機構800が設けられている。前記第2筐体には報知部500が設けられている。すなわち、前者と後者は別体である。
【0045】
コネクタ700は、図5A及び図5Bに示すように、接続穴710を有している。この接続穴710には、ケーブル900の長さ方向の第1端部が挿脱自在に接続されている。コネクタ700は後述するように制御部200’に接続されている。報知部500にはケーブル900の長さ方向の第2端部が接続されている。報知部500は、ケーブル900を通じて制御部200から命令を受けると共に、電力供給を受けている。
【0046】
再接続防止機構800は、図5A及び図5Bに示すように、モータ810と、シャッター820(挿入防止部材)と、ラックギア830と、位置検出センサ840とを備えている。シャッター820は、コネクタ700に接続穴710を開閉自在に設けられている。ラックギア830は、シャッター820の裏面に設けられている。モータ810はラックギア830に螺合するヘッド部811を有している。モータ810が駆動することにより、シャッター820が接続穴710を開閉する。位置検出センサ840は、コネクタ700に設けられたリミットスイッチやフォトセンサ等の位置検出スイッチである。位置検出センサ840は、ケーブル900がコネクタ700の接続穴710に接続された位置を検出し、信号を制御部200’に出力するようになっている。
【0047】
制御部200’としてはマイコンを用いている。制御部200’の内部メモリには、図6に示す警告プログラムが記録されている。制御部200’の入出力ポートには、人感センサ100、記録部300、パスワード入力部400b、通信部600、コネクタ700、モータ810及び位置検出センサ840が接続されている。後述するように制御部200’が前記警告プログラムを処理することにより、警告作動手段210’、警告解除手段220’及び復帰手段240’としての機能を発揮するようになっている。
【0048】
以下、上述した警告システムの使用方法について詳しく説明すると共に、上記警告プログラムの内容について詳しく説明する。なお、アルコール検出器Dの制御部20により処理されるアルコール検出プログラムの内容は、実施例1と同じである。
【0049】
警告装置W’の制御部200’は、警告装置W’の電源がオンにされると、図6に示す警告プログラムを処理する。その後、ドライバーが自動車の運転席に着席すると、人感センサ100により運転席上のドライバーが検出され、出力信号が制御部200’に出力される。すると、制御部200’は、内部のタイマ回路のカウント値を参照して人感センサ100の出力信号が所定時間(例えば、10秒)入力され続けたか否かを判定する(s50)。この判定の結果、人感センサ100の出力信号が所定時間入力され続けたと判定したときには、ドライバーが運転を開始するものとしてブザー520をオンにし(s51)、LEDランプ510を点灯させる(s52)。このように制御部200’が報知部500を作動させる警告作動手段210’として機能している。
【0050】
その後、通信部600を通じてアルコール検出器Dと相互通信可能であるか否かの通信テストを行う(s53)。この通信テストにより、相互通信不能である場合、液晶ディスプレイ530にエラー表示をさせる(s54)。相互通信可能である場合に、液晶ディスプレイ530にアルコールテストと表示をさせる(s55)。
【0051】
その後、通信部600を通じてアルコール検出器Dから解除信号が入力されると(s56)、ブザー520をオフにし(s57)、LEDランプ510を消灯させる(s58)。このように制御部200’が報知部500の作動を停止させる警告解除手段220’として機能している。その後、人感センサ100の出力信号が途絶えると(s59)、ドライバーが運転席から離席したとして、ステップ50の処理に戻る。
【0052】
通信部600を通じてアルコール検出器Dから解除信号が入力されず(s56)、NG信号が入力されると(s60)、LEDランプ510を点滅させ(s62)、液晶ディスプレイ600に飲酒運転である旨の警告を表示させる(s63)。なお、ブザー520はステップ51によりオンにされたままである。すなわち、ブザー520がなり、LEDランプ510が点滅し、且つ液晶ディスプレイ600が警告を表示することにより、ドライバーに飲酒運転を止めるように促すことができる。なお、液晶ディスプレイ530にエラー表示又はアルコールテストと表示をさせた後、制御部200’の内部のタイマ回路のカウント値を参照して所定時間が計測され、当該所定時間内に通信部600を通じてアルコール検出器Dから解除信号及びNG信号が入力されなかったときには(s56、s60及びs61)、ステップ62の処理に移る。
【0053】
LEDランプ510が点滅し且つ液晶ディスプレイ600に警告が表示された場合であっても、ケーブル900がコネクタ700の接続穴710から抜かれ、位置検出センサ840から信号が入力されなくなると(s64)、モータ810を所定時間駆動させ、シャッター820にコネクタ700の接続穴710を閉じさせる(s65)。その後、位置検出センサ840から信号が入力されなくなったこと(すなわち、ケーブル900がコネクタ700から抜かれたこと)及びその操作時刻を記録部300に記録させる(s66)。その後、パスワード入力部400bを通じてパスワードが入力され、認証されるまで(s67)、ステップ67をループするので、警告装置Wが機能停止する。このため、警告装置W’とアルコール検出器Dとが相互通信不能となり、アルコールテストもできなくなる。
【0054】
パスワード入力部400bを通じてパスワードを入力されると、当該パスワードと記録部300上のパスワードとが一致するか否かのパスワード認証を行う(s67)。この認証の結果、パスワードが一致すると、モータ810を逆回転(ステップ65のモータ810の回転の逆)で所定時間駆動させ、シャッター820にコネクタ700の接続穴710を開放させる(s68)。これにより、コネクタ700にケーブル900が再接続可能となり、報知部500が復帰可能となる。このようにして制御部200’が再接続防止機構800のシャッター820に接続穴710を開放させる復帰手段240’として機能する。その後、ステップ50の処理に戻る。
【0055】
ケーブル900がコネクタ700から抜かれていない(すなわち、位置検出センサ840から信号が入力されている)場合であっても(s64)、パスワード入力部400bを通じてパスワードが入力され、そのパスワードが記録部300上のパスワードと一致すると(s59)、ブザー520をオフにし(s70)、LEDランプ510を消灯させ(s71)且つ液晶ディスプレイ600の警告表示を消す(s72)。その後、ステップ50の処理に戻る。
【0056】
以上の警告システムによる場合、人感センサ100により、運転席の人の有が検出されると、制御部200が報知部500のブザー520をオンにし且つLEDランプ510を点灯させる。アルコール検出器Dにより、ドライバーの呼気にアルコール基準値以上のアルコールが検出されず、解除信号が出力されたときには、制御部200の警告作動手段210が解除信号に応じてブザー520をオフにし且つLEDランプ510を消灯させる。アルコール検出器Dにより、ドライバーの呼気にアルコール基準値以上のアルコールが検出されたときには、報知部500のブザー520がなり、LEDランプ510が点滅し、液晶ディスプレイ530に警告が表示される。よって、飲酒運転を抑止することができる。
【0057】
故障時や緊急時に、ケーブル900がコネクタ700から抜かれると、報知部500が作動不能となる。よって、故障時や緊急時に報知部500に妨げられることなく、自動車を運転することが可能になる。しかし、制御部200が記録部300にケーブル900がコネクタ700から抜かれたことを記録させるようになっているので、ドライバーはケーブル900をコネクタ700から抜いた理由を運行管理者等に説明することになる。加えて、ドライバーは、運行管理者等の特定者にパスワード入力部400bを通じてパスワードを入力して貰わなければ、ケーブル900をコネクタ700に再接続することができない。よって、ドライバーにより、ケーブル900がコネクタ700から不用意に抜かれることを抑制することができるので、ケーブル900がコネクタ700に挿脱自在になっていることにより、前記警告システムの飲酒運転抑止効果が低減するのを抑制することができる。
【0058】
なお、上述した警告システム及び警告装置W、W’は、上記実施例1及び2に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0059】
上記実施例1及び2では、第1検出手段は、半導体ガスセンサ10と、制御部20と、記録部30と、液晶ディスプレイ40と、通信部50と、操作入力部60と、カメラ70とを備えているとした。しかし、第1検出手段は、アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能な検出部と、警告装置の警告解除手段に解除信号を送信可能な通信部と、前記検出部により所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたか否かの判定を行い、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったと判定したときに、前記通信部に解除信号を送信させる制御部とを有している限り任意に設計変更することが可能である。よって、第1検出手段は、液晶ディスプレイ40、記録部30及びカメラ70を省略可能である。
【0060】
また、前記第1検出手段は、液晶ディスプレイ40及びカメラ70を省略することが可能である。この場合、前記制御部は、前記判定の結果、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたと判定したときに、前記検出部により検出されたアルコール及び薬物の少なくとも一方の値及び検出日時を記録部に記録させ、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったと判定したときに、前記検出部により検出されたアルコール及び薬物の少なくとも一方の値及び検出日時を記録部に記録させ且つ前記通信部に解除信号を送信させるようになっている。また、第1検出手段は、フェリカ(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の別の通信手段を備え、前記記録部に記録されたカメラの撮影データ、前記検出部により検出されたアルコール及び薬物の少なくとも一方の値及び/又は前記検出部の検出日時を外部機器に出力可能な構成とすることが可能である。
【0061】
上記実施例1及び2では、カメラ70による使用者の撮影は、ステップ9の前に行うとしたが、その後であっても良い。
【0062】
上記実施例1及び2では、第2検出手段は、運転席の人の有を検出可能な人感センサ100であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第2検出手段としては、シートセンサ、ドアセンサ、シートベルト装着検出手段、電流センサ、電圧センサ又は電力センサを用いることができる。シートセンサは、乗り物の運転席に人が着席したことを検出して警告装置の警告作動手段に出力信号を出力することが可能なセンサである。前記ドアセンサは、乗り物のドアが閉じられたことを検出して警告装置の警告作動手段に出力信号を出力することが可能なセンサである。前記シートベルト装着検出手段は、乗り物のシートベルトが装着されたことを検出して警告装置の警告作動手段に出力信号を出力することが可能なセンサである。前記電流センサは、乗り物(例えば、乗り物のセルモーターやイグニッションスイッチ)の始動時の電流を検出して警告装置の警告作動手段に出力信号を出力することが可能なセンサである。前記電圧センサは、乗り物(例えば、乗り物のセルモーターやイグニッションスイッチ)の始動時の電圧を検出して警告装置の警告作動手段に出力信号を出力することが可能なセンサである。前記電力センサは、乗り物(例えば、乗り物のセルモーターやイグニッションスイッチ)の始動時の電力を検出して警告装置の警告作動手段に出力信号を出力することが可能なセンサである。
【0063】
上記実施例1及び2では、報知手段はLEDランプ510、ブザー520及び液晶ディスプレイ530を有する報知部500であるとしたが、外部に飲酒運転及び/又は薬物運転を報知し得るものである限り任意に設計変更することが可能である。
【0064】
上記実施例1では、第1入力手段は、タクトスイッチ等の押下スイッチや静電容量方式のタッチスイッチ等の解除スイッチ400aであるとしたが、操作入力し得るものである限り任意に設計変更することが可能である。
【0065】
上記実施例1及び2では、第2入力手段は、パスワードが入力可能なパスワード入力部400bであるとしたが、認証情報を入力可能なものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第2入力手段として、バイオメトリック手段や電子キーの認証データを読み出すリーダー等を用いることが可能である。また、第2入力手段は省略することが可能である。
【0066】
第2入力手段が省略される場合、復帰手段240は、強制解除手段230により作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させるものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、復帰手段240が、第1入力手段の操作入力に応じて、作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させるように設計変更することが可能である。
【0067】
第2入力手段が省略される場合、復帰手段240’は、後述する再接続防止手段の挿入防止部材にコネクタの接続穴を開放させ得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、復帰手段240’は、第1入力手段の操作入力に応じてモータ810を駆動させてシャッター820にコネクタ700の接続穴710を開放させるように設計変更することが可能である。
【0068】
また、前記第2入力手段は、鍵を用いた開錠操作により開錠信号を出力可能な錠手段に置換可能である。この場合、復帰手段240は、前記錠手段の開錠信号を受信すると、作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させるようになっている。復帰手段240’は、前記錠手段の開錠信号を受信すると、再接続防止手段の挿入防止部材にコネクタの接続穴を開放させるように設計変更することが可能である。
【0069】
上記実施例1では、警告装置Wは復帰手段240を、上記実施例2では、警告装置W’は復帰手段240’を備えているとした。しかし、警告装置Wは復帰手段240を、警告装置W’は復帰手段240’を備えていない構成とすることが可能である。この場合、警告装置Wは強制解除手段230により作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させることができない。報知手段が作動不能とされた場合には、警告装置W自体を新たなものに交換すれば良い。また、警告装置W’は、ケーブル900をコネクタ700から抜くと、再接続することができない。ケーブル900がコネクタ700から抜かれた場合には、警告装置W’自体を新たなものに交換すれば良い。このように設計変更した場合も、第1入力手段が不用意に操作されたり、ケーブルが不用意に抜かれたりするのを抑止することができる。
【0070】
上記実施例2では、再接続防止手段は、再接続防止機構800であるとした。しかし、これに限定されるものではない。再接続防止手段は、挿入防止部材を有しており且つケーブルがコネクタから抜かれたとき、挿入防止部材が接続穴の少なくとも一部を塞いでケーブルをコネクタに対して再接続不能とし得る限り任意に設計変更することが可能である。上記実施例2では、挿入防止部材は、シャッター820であるとしたが、コネクタ700の接続穴710の一部を塞ぐことでき得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、挿入防止部材として棒部材等を用いることが可能である。また、モータ810は、挿入防止部材を移動させる駆動手段である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、前記駆動手段としては、シャッター820又は棒部材を移動させるレノイドを用いることが可能である。前記棒部材は、接続穴710内に突出させ、当該接続穴710の一部を塞ぐように設計変更することが可能である。
【0071】
上記実施例2では、コネクタ700は、警告装置W’の第1筐体に設けられているとしたが、第2筐体に設けることが可能であり、第1、第2筐体の双方に設けることも可能である。なお、第2筐体に設けられる報知部500は、上述の通り外部に飲酒運転及び/又は薬物運転を報知し得る者である限り任意に設計変更することが可能である。
【0072】
なお、上記実施例1及び2では、警告システム及び警告装置W、W’の各部を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。また、上記実施例1及び2では、乗り物として自動車を例に挙げたが、本発明は自動車以外の乗り物にも適応可能である。勿論、本発明はタクシー会社や運送会社等の飲酒運転抑止システムとして以外にも適応可能である。上記実施例1及び2では、通信回線Cとして、ブルートゥース等の無線通信を用いるとしたが、第1検出手段と警告装置とを相互通信可能とするものである限り任意に設計変更することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
D・・・・アルコール検出器(第1検出手段)
10・・・半導体ガスセンサ
20・・・制御部
30・・・記録部
40・・・液晶ディスプレイ
50・・・通信部
60・・・操作入力部
W・・・・警告装置
100・・・・人感センサ(第2検出手段)
200・・・・制御部
210・・・警告作動手段
220・・・警告解除手段
230・・・強制解除手段
240・・・復帰手段
300・・・・記録部(記録手段)
400a・・・解除スイッチ(第1入力手段)
400b・・・パスワード入力部(第2入力手段)
500・・・・報知部(報知手段)
510・・・LEDランプ
520・・・ブザー
530・・・液晶ディスプレイ
600・・・・通信部
W’・・・警告装置
100・・・・人感センサ(第2検出手段)
200’・・・制御部
210’・・警告作動手段
220’・・警告解除手段
240’・・復帰手段
300・・・・記録部(記録手段)
400b・・・パスワード入力部(第2入力手段)
500・・・・報知部(報知手段)
510・・・LEDランプ
520・・・ブザー
530・・・液晶ディスプレイ
600・・・・通信部
700・・・・コネクタ
710・・・接続穴
800・・・・再接続防止機構(再接続防止手段)
820・・・シャッター(挿入防止部材)
900・・・・ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能であり且つ所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったときに解除信号を出力する第1検出手段と相互通信可能な警告装置において、
報知手段と、
乗り物の運転席の人の有、乗り物の運転席の着座、乗り物のドアが閉じられたこと、乗り物のシートベルトの装着又は乗り物の始動を検出して出力信号を出力可能な第2検出手段と、
前記第2検出手段の出力信号に応じて前記報知手段を作動させることが可能な警告作動手段と、
前記第1検出手段の解除信号に応じて、前記報知手段の作動を停止させることが可能な警告解除手段と、
操作入力可能な第1入力手段と、
前記第1入力手段を通じた操作入力に応じて前記報知手段を作動不能とすることが可能な強制解除手段と、
前記強制解除手段により前記報知手段が作動不能にされたことを記録する記録手段とを備えている警告装置。
【請求項2】
請求項1記載の警告装置において、
認証情報を入力可能な第2入力手段と、
前記第2入力手段を通じて入力された認証情報に基づいて認証を行い、この認証により前記認証情報が正当な権限を有していると判定した場合に、前記強制解除手段により作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させる復帰手段とを更に備えている警告装置。
【請求項3】
請求項1記載の警告装置において、
鍵を用いた開錠操作により開錠信号を出力可能な錠手段と、
前記錠手段の前記開錠信号を受信すると、作動不能にされた前記報知手段を作動可能な状態に復帰させる復帰手段とを更に備えている警告装置。
【請求項4】
アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能であり且つ所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったときに解除信号を出力する第1検出手段と相互通信可能な警告装置において、
報知手段と、
乗り物の運転席の人の有、乗り物の運転席の着座、乗り物のドアが閉じられたこと、乗り物のシートベルトの装着又は乗り物の始動を検出して出力信号を出力可能な第2検出手段と、
前記第2検出手段の出力信号に応じて前記報知手段を作動させることが可能な警告作動手段と、
前記第1検出手段の解除信号に応じて、前記報知手段の作動を停止させることが可能な警告解除手段と、
前記報知手段と前記警告作動手段との間を接続するケーブルと、
前記報知手段及び前記警告作動手段の少なくとも一方に設けられ、前記ケーブルが挿脱自在に接続された接続穴を有するコネクタと、
挿入防止部材を有しており且つ前記ケーブルが前記コネクタから抜かれたとき、前記挿入防止部材が前記接続穴の少なくとも一部を塞いで前記ケーブルを前記コネクタに対して再接続不能とする再接続防止手段と、
前記ケーブルが前記コネクタから抜かれたことを記録する記録手段とを備えている警告装置。
【請求項5】
請求項4記載の警告装置において、
認証情報を入力可能な第2入力手段と、
前記第2入力手段を通じて入力された認証情報に基づいて認証を行い、この認証により前記認証情報が正当な権限を有していると判定した場合に、前記再接続防止手段の挿入防止部材に前記接続穴を開放させる復帰手段とを更に備えている警告装置。
【請求項6】
請求項4記載の警告装置において、
鍵を用いた開錠操作により開錠信号を出力可能な錠手段と、
前記錠手段の前記開錠信号を受信すると、前記再接続防止手段の挿入防止部材に前記接続穴を開放させる復帰手段とを更に備えている警告装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の警告装置において、
前記第2検出手段は、人感センサ、シートセンサ、ドアセンサ、シートベルト装着検出手段、電流センサ、電圧センサ又は電力センサであり、
前記人感センサは、乗り物の運転席の人の有を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能であり、
前記シートセンサは、乗り物の運転席に人が着席したことを検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能であり、
前記ドアセンサは、乗り物のドアが閉じられたことを検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能であり、
前記シートベルト装着検出手段は、乗り物のシートベルトが装着されたことを検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能であり、
前記電流センサは、乗り物の始動時の電流を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能であり、
前記電圧センサは、乗り物の始動時の電圧を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能であり、
前記電力センサは、乗り物の始動時の電力を検出して前記警告作動手段に出力信号を出力することが可能である警告装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の警告装置において、
前記報知手段は、ランプ及びブザーの少なくとも一方を有している警告装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の警告装置と、
前記警告装置と相互通信可能な第1検出手段とを更に備えており、
前記第1検出手段は、アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能であり且つ所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったときに前記警告解除手段に解除信号を送信可能である警告システム。
【請求項10】
請求項9記載の警告システムにおいて、
前記第1検出手段は、アルコール及び薬物の少なくとも一方を検出することが可能な検出部と、
前記警告解除手段に解除信号を送信可能な通信部と、
記録部と、
前記検出部により所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたか否かの判定を行い、この判定の結果、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されたと判定したときに、前記検出部により検出されたアルコール及び薬物の少なくとも一方の値及び検出日時を記録部に記録させ、所定値以上のアルコール及び薬物の少なくとも一方が検出されなかったと判定したときに、前記検出部により検出されたアルコール及び薬物の少なくとも一方の値及び検出日時を記録部に記録させ且つ前記通信部に解除信号を送信させる制御部とを有している警告システム。
【請求項11】
請求項10記載の警告システムにおいて、
前記第1検出手段は、カメラを更に有しており、
前記制御部は、前記判定時の前後に前記カメラに使用者の顔を撮影させ、前記カメラの撮影データを前記記録部に記録させる警告システム。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−245864(P2012−245864A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118710(P2011−118710)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(500074925)
【Fターム(参考)】