説明

警報器

【課題】本発明は、本発明は、装置本体又は装置内に搭載される駆動用の回路部品や電力供給部品の長寿命化及び動作保証が可能となる警報器を提案することを目的とする。
【解決手段】環境値検出部1と別に設けられた感温部4によって、警報器内部又は外部周辺近傍の温度が測定される。そして、音量設定部5において、感温部4で測定された温度に応じた音量設定がなされ、制御部2により異常発生による警報の発報が発報部3に指示されると、音量設定部5で設定された音量の音声による警報が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境の変化を表す環境値が許容範囲を超えたときに警報を発報する警報器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋内環境の異常を検出したときに警報を発報する警報器が、ビル、地下街、又は、一般家屋などにおいて広く普及されている。このような警報器として、環境の変化を表す環境値となる煙、熱、ガスなどの検出により、火災感知又はガス感知を行う警報器が、一般に普及されている。そして、煙量の検出により火災感知を行う警報器においては、煙量を検出するためのセンサとして、特許文献1に示す微粒子検出センサのような光学式の煙検知センサが用いられる。
【0003】
この特許文献1による微粒子検出センサにおいては、光源となるLD(Laser
Diode)の超寿命化を図るために、LD自身の自己加熱による破壊を防ぐ構成となっている。即ち、LDの温度を測定する温度測定手段が設けられ、この温度測定手段により検出された温度に基づいて、LDに与える駆動電流量を調整して、光源となるLDの超寿命化を図っている。又、本出願人は、特許文献2に示す住宅用火災警報器を提案し、当該住宅用火災警報器においては、人体検知部や照度感知部を設けることで、家人の在宅や就寝などの状態を検出し、音声メッセージの音量をその状態に適応した大きさに設定している。
【0004】
更に、これらの火災感知又はガス感知を行う警報器以外のものとして、人体の発する遠赤外線を感知する赤外線感知器などの人感センサを備えることで、不審者の有無を検知する人体検知用の警報器も提供されている。この人体検知用の警報器において使用される赤外線感知器として、特許文献3に示す赤外線検知装置が提案されている。この特許文献3の赤外線検知装置においては、監視領域の異なる複数の受光器の出力差に基づいて、装置の設置状態を確認する。そして、その設置状態が適当でない場合は、設置角度に応じた音量の警報音を出力し、装置の設置作業を行っている作業者に対して、最適な設置状態から外れた設置角度を報知している。
【特許文献1】特開平08−261931号公報
【特許文献2】特開2006−235780号公報
【特許文献3】特開2006−112910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高温時において大音量で音声出力を行った場合など、熱により回路部品が劣化し、その信頼性が低下するなどの問題があるが、上述の特許文献1〜3のものを含め、従来の警報器においては、装置内部の温度に基づく装置本体及び回路部品の信頼性低下や異常動作に対する対策がなされていない。又、特許文献3に記載の赤外線感知器は、遠赤外線感知に基づく温度計測がなされるものの、遠方の人体を検出するために利用されるものであり、警報器自体を測定するものではなく、各部における異常を予防するために利用されるものでもない。
【0006】
この温度環境に基づく各回路への影響については、例えば、交流電源で動作する警報器などにおいては、直流動作部における消費電流が増加するほど、AC/DCコンバータ部分における発熱が大きくなり、装置内に搭載される各回路部品の劣化に影響を与えることがある。一方、電池による電力供給がなされる警報器については、低温時において電池における内部抵抗が増加するため、その電力消費が大きくなり、電池寿命が短くなる。又、電池により供給される電源電圧が低下するために、大音量による音声出力が設定されている場合は、音声出力を行う回路部品の動作電圧を下回るため、正常に駆動しないことがあった。
【0007】
このような問題に鑑みて、本発明は、装置本体又は装置内に搭載される駆動用の回路部品や電力供給部品の長寿命化及び動作保証が可能となる警報器を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の警報器は、環境変化を示す環境値を検出する環境値検出部と、該環境値検出部により検出された環境値に基づいて周辺環境における異常の判定を行う制御部と、を備え、該制御部による異常判定に基づく音声を出力する警報器において、該警報器の内部又は該警報器の外部近傍における温度を測定する感温部と、該感温部で測定した温度によって、前記制御部による異常判定に基づく音声の音量を設定する音量設定部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このように構成することで、前記感温部に測定した温度によって、主警報に限らず装置保護のための警報などといった各音声を出力する際に、その出力する音声の音量を変更することができる。これにより、温度環境によって、装置自身又は装置を構成する各回路部品にかかる負担が大きい場合は、音量を低くすることでその負担を低減させ、その信頼性の向上及び動作保証を図ることができる。
【0010】
このような警報器において、出力する前記音声に対応した音量の異なる2以上の音声データを予め記憶し、前記制御部による異常判定を受けたとき、前記2以上の音声データの内から前記音量設定部で設定された音量となる音声データを選択して出力する音声データ出力部と、前記音声データ出力部から出力される前記音声データを受けて、前記制御部による異常判定に基づく音声を出力する発報部と、を更に備えるものとしてもよい。即ち、前記感温部によって測定された温度によって、その温度に応じた音声データを前記音声データ出力部が選択して出力することによって、その環境温度において負荷の少ない音量の音声を出力することができる。
【0011】
この警報器において、前記発報部が、前記音声データ出力部からの音声データによる信号を増幅するアンプと、前記アンプで増幅した信号を音声に変換して出力するスピーカと、を有するものとしてもよい。又、前記2以上の音声データのそれぞれが、同一の周波数であり且つ振幅の異なる振幅信号であり、前記発報部が、前記音声データ出力部から出力される前記振幅信号に共振する共振回路と、前記共振回路と接続され、前記共振回路における前記振幅信号に対する共振動作により音声を出力するブザーと、を有するものとしてもよい。
【0012】
又、出力する前記音声に対応した音声データを予め記憶し、前記制御部による異常判定を受けたとき、前記音声データを出力する音声データ出力部と、前記音声データ出力部から出力される前記音声データを受けた後、当該音声データを前記音量設定部で設定された音量に対応した増幅率で増幅して、前記制御部による異常判定に基づく音声を出力する発報部と、を更に備えるものとしてもよい。即ち、前記感温部によって測定された温度によって、前記発報部での増幅率を切り換えることで、その環境温度において負荷の少ない音量の音声を出力することができる。
【0013】
この警報器において、前記発報部が、前記音声データ出力部からの音声データによる信号を増幅するアンプと、前記アンプで増幅した信号を音声に変換して出力するスピーカと、を有するものとしてもよい。
【0014】
更に、上述のいずれかの警報器において、前記音声データ出力部が前記制御部を構成する回路装置に含まれるものとし、部品点数を削減するとともに、その装置構成を簡単化することで消費電力を抑制したものとしてもよい。
【0015】
そして、前記音量設定部が前記制御部を構成する回路装置に含まれるとともに、前記感温部による測定結果が前記制御部に与えられるものとしてもよいし、更に、前記感温部が更に前記制御部を構成する回路装置に含まれるものとしてもよい。
【0016】
又、上述のいずれかの警報器において、前記環境値検出部が検出する環境値が熱であるとともに、前記環境値検出部が前記感温部として動作するものとしてもよい。即ち、前記環境値検出部が熱を検出する火災用警報器や人体検知用警報器などにおいて、当該環境値検出部によって装置内部又は近傍の温度測定を行う前記感温部としても動作させることで、その部品点数を低減させることができる。
【0017】
更に、前記音量設定部において、前記感温部で測定した温度が所定の閾値以下となるときに、前記発報部から出力される音声の音量を低下させるものとしてもよい。これにより、電池により電源供給が成される警報器において、出力する音声の音量を低下して、音声出力時の電流量を低減することができるため、低温時における電池の内部抵抗の増加に基づく、消費電力の増加及び回路動作の不安定化を防ぐことができる。
【0018】
又、前記音量設定部において、前記感温部で測定した温度が所定の閾値以上となるときに、前記発報部から出力される音声の音量を低下させるものとしてもよい。これにより、加熱された回路部品における消費電流量を抑制することができ、各回路部品における長寿命か及び動作保証を実現することができる。特に、交流電源により電源供給が成される警報器においては、AC/DCコンバータにおける熱量を抑制して、装置内部の温度上昇を抑制し、各回路部品の信頼性低下を抑止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、感温部で測定した温度に基づいて出力する音声の音量を変更することができるため、装置本体及び装置内の回路部品に与える負荷が大きくなるような温度環境にある場合に、音量の小さい音声を出力させて、音声出力時の負荷を低下させることができる。これにより、装置本体及び装置内の回路部品における信頼性低下や動作異常を防ぐことができ、結果、装置本体及び装置内の回路部品における長寿命化及び動作保証が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<基本構成>
以下に、本発明の警報器における基本となる構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の警報器における基本構成を示す図であり、(a)は、その機械的な構成を示す概略構成図であり、(b)は、その電気的な構成を示すブロック図である。尚、図1(a)に示す構成のように、光電式の煙検知器を備えた煙感知による警報器により、以下の各実施形態の基本構成を説明するが、煙感知による警報器に限らず、熱感知やガス感知による警報器や、不審者を検知したときに警報を発報する人体検知用の警報器に対しても同様に適用することができる。
【0021】
本発明の警報器は、図1(a)に示すように、警報発報の判定動作や制御動作などの装置における各動作を行う各回路部品を搭載した回路基板101と、この回路基板101を内蔵する筐体100と、回路基板101と電気的に接続されるとともに警報の発報を行う発音体102とを備える。又、この警報器が、煙感知による警報器であり、筐体100の設置部分と逆側が突起した形状とされ、この突起部分の内部に煙が流入可能な構造の光学室が設けられることで、煙検知器となる環境値検出部1が形成される。
【0022】
筐体100の突起部分に構成される環境値検出部1の先端側に、スピーカ又はブザーによって構成される発音体102が設置されることで、発音体102からの警報が聞き取りやすい配置とされる。又、回路基板101に電気的に接続するとともに筐体100内部に設けられる感温部4を備える。この感温部4は、サーミスタや熱電対などの熱感知素子で構成され、警報器内部の温度又は警報器外部近傍の温度が測定される。尚、警報器外部近傍の温度を測定する場合は、感温部4における熱感知素子の温度測定部分を、筐体100より外部に突出するように設置されるものとしてもよい。
【0023】
この図1(a)のような構成の警報器を動作させる電気的な構成は、図1(b)のブロック図で示されるような構成となる。図1(b)に示すように、本発明の警報器は、環境値として現れる物理量を電気信号に変換して出力する環境値検出部1と、環境値検出部1から出力された電気信号が入力されて警報発報の要否を判定する制御部2と、制御部2による警報発報の要求を受けて音声を出力して警報を発報する発報部3と、警報器内部又は外部近傍の温度を測定する感温部4と、感温部4で測定された温度に基づいて発報部3で出力する音声の音量を設定する音量設定部5とを、備える。
【0024】
このように構成される警報器は、光電式の煙検知器となる環境値検出部1を備える場合は、環境値検出部1において、発光素子が発光することで、光学室内に流入した煙による散乱光が生じ、この散乱光の光を受光素子が受光する。よって、受光素子が受光量に応じた電気信号に変換することで、煙量を表す電気信号が環境値検出部1より制御部2に出力される。
【0025】
制御部2では、環境値検出部1から与えられた電気信号の信号値に基づいて煙量を確認することで、火災発生の有無を判定し、火災発生を報知する警報の発報について、その要否を決定する。そして、煙量が多く火災発生の恐れがあるものと判定したとき、火災発生を示す警報を発報させるために、制御部2が発報部3に対して火災発生を報知する。
【0026】
このとき、感温部4は、そのセンサ部分となるサーミスタ又は熱電対によって、警報器内部の温度、又は、警報器外部周辺における近傍位置の温度を測定し、電気信号に変換して音量設定部5に入力されている。そして、音量設定部5では、感温部4で測定された温度を示す電気信号が入力され、この電気信号の信号値に基づいて、警報器内部又は外部近傍の温度が確認され、確認した温度に対応した音量を設定する。
【0027】
発報部3では、制御部2から火災発生が報知されると、音量設定部5によって設定された音量による警報を、その一部として備える発音体102から音声出力する。これにより、発報時の警報器内における温度環境で動作保証がなされる範囲の出力電力に応じた音量の音声によって、警報の発報がなされることとなる。尚、音量設定部5で設定される音量については、感温部4での測定温度に対して連続的に変化されるものとしてもよいし、感温部4での測定温度に対して段階的に変化されるものとしてもよい。
【0028】
このようにして、警報器内部又は外部近傍の温度に基づいて、発報する警報の音声の音量が設定されるとき、例えば、電池により電源供給が成される警報器の場合、低温になるほど音量が小さくなるように、音量設定部5が設定するものとすることで、低温時における電池の内部抵抗の増大による消耗を抑制することができる。即ち、低温時において、警報発報時に音量の小さい音声を出力することにより、その出力電流を小さくすることができるため、電池内で増大した内部抵抗による電力消費を抑制するだけでなく、電池による供給電圧の低下を抑制することができ、その動作を保証することができる。
【0029】
又、交流電源によって電源供給が成される警報器の場合、AC/DCコンバータを備え、当該AC/DCコンバータによって直流電圧に変換して、各ブロックを構成する回路に電源供給が成される。そのため、各ブロックでの消費電流が増加すると、AC/DCコンバータにおける2次回路側への電流供給が大きくなり、AC/DCコンバータの1次回路側での発振させるデューティ比が大きくなることなどが原因となり、AC/DCコンバータでの発熱が大きくなる。よって、警報器内部又は外部近傍が高温になった場合に音量が小さくなるように、音量設定部5が設定するものとすることで、AC/DCコンバータでの発熱量を抑制し、装置にかかる負荷を低減させ、各回路部品の長寿命化を図ることができる。
【0030】
尚、上述のように、環境値検出部1に光電式の煙検知器を用いた煙感知式による火災用の警報器として、本発明の基本構成を説明したが、環境値検出部1として熱感知素子を備えた熱感知式による警報器や、環境値検出部1としてガス感知センサを備えたガス感知用の警報器や、環境値検出部1として赤外センサなどの人感センサを備えた人体検知用の警報器においても、本発明の特徴部分について同様の構成とすることができる。
【0031】
又、熱感知素子を備えた警報器については、この熱感知素子を感温部4としても機能させて、警報器内部又は警報器周辺近傍の温度を測定できるものとしてもよい。又、赤外線センサを備えた警報器についても、警報器内部又は警報器周辺近傍の温度を測定する熱感知用として利用し、感温部4として機能させるものとしてもよい。このようにすることで、環境値検出部1と感温部4とを一体とすることができるため、装置の部品点数を低減することができるとともに、装置の小型化を図ることができる。
【0032】
このような基本構成を備える本発明の実施の形態について、その特徴部分を中心に詳細に説明する。尚、上述しているが、以下の各実施形態における警報器については、上述の基本構成で例示した光電式の煙検知器だけでなく、煙検知器以外の複数のセンサをも環境値検出部1として有するマルチ方式による警報器として説明する。
【0033】
<第1の実施形態>
本発明における第1の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。図2は、本実施形態における警報器の内部構成を示すブロック図である。尚、図2に示す警報器の構成において、図1に示す警報器の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0034】
図2に示すように、本実施形態の警報器は、上述の基本構成(図1(b)参照)に対して、音量の異なる音声データを記憶した音声用IC(Integrated Circuit)として構成される音声データ出力部6を備えたことを特徴とし、発報部3(図1(b)参照)として、アンプ31とスピーカ32とによって構成される発報部3aを備える。その他の構成については、図1(b)に示す基本構成と同一となるため、その詳細な説明については省略し、本実施形態における特徴部分を以下に説明する。
【0035】
音声データ出力部6は、音量の大きい音声データを記憶するメモリ61と、音量の小さい音声データを記憶するメモリ62と、メモリ61,62それぞれに記憶された音声データを選択して読み出して発報部3aに出力する音量選択部63とを備える。又、発報部3aは、音声データ出力部6の音量選択部63の出力側に一端が接続されるとともに他端が接地された抵抗Rと、音声データ出力部6の音量選択部63の出力側に一端が接続されるとともに他端がアンプ31の入力側に接続されたコンデンサCと、コンデンサC及び抵抗Rで構成されるフィルタを介して入力される信号の増幅を行うアンプ31と、アンプ31で増幅された信号が与えられて音声を出力するスピーカ32とを備える。
【0036】
このように構成されるとき、環境値検出部1として複数種類のセンサを備えるため、それぞれのセンサにより検出された物理量(煙、ガス、熱、遠赤外線など)に基づく複数種類の異常を、制御部2で判定して、その判定結果を音声データ出力部6に出力する。又、この制御部2は、警報器が電池による電源供給がなされる場合は、その電池容量の低下なども確認するなど、装置自身の異常も判定できるものとし、これらの異常判定についても音声データ出力部6に出力される。
【0037】
このように、制御部2で複数種類の異常判定が成されるため、この複数種類の異常判定それぞれに対応した複数種類の音声パターンによる音声データが、メモリ61,62それぞれに記憶される。即ち、制御部2で成される異常判定数がNとなる場合、N種類の音声パターンが準備され、この音声パターンそれぞれに対して大小の音量となる音声データが記憶される。このとき、メモリ61には、N個の音量の大きな音声パターンによる音声データが記憶され、メモリ62には、N個の音量の小さな音声パターンによる音声データが記憶されることとなる。
【0038】
このように複数の音声パターンそれぞれについて、音量の異なる2つの音声データがメモリ61,62に記憶されるとき、メモリ61,62それぞれに記憶される同一の音声パターンに対する音声データは、メモリ61,62それぞれにおいて同一アドレス位置に記憶される。これにより、制御部2からアドレス位置が指定するだけで、判定した異常に対応した音声パターンを音声データ出力部6に対して報知することができる。
【0039】
又、音量設定部5において、感温部4で測定された温度により音量が設定されると、設定された音量が音量選択部63に報知されるため、音声データ出力部6内において、音量選択部63が、報知された音量に対応するメモリがメモリ61,62のいずれであるかを確認し、音声データの読み出しを行うメモリを指定することができる。即ち、音量設定部5が、音量を大きくすることを設定して音量選択部63に報知すると、音量選択部63では、メモリ61に対して音声データの読み出しを指示する。一方、音量設定部5が、音量を小さくすることを設定して音量選択部63に報知すると、音量選択部63では、メモリ62に対して音声データの読み出しを指示する。
【0040】
そして、音量選択部63によって読み出しが指示されたメモリ61,62に対して、制御部2からは、読み出しを行う音声パターンに応じた音声データの記憶される領域に対応するアドレス位置が指定される。よって、音量設定部5で音量を大きくすることが指定されると、制御部2によって指定されたアドレス位置に記憶された音声データが、メモリ61より読み出されて音量選択部63に与えられる。一方、音量設定部5で音量を小さくすることが指定されると、制御部2によって指定されたアドレス位置に記憶された音声データが、メモリ62より読み出されて音量選択部63に与えられる。
【0041】
そして、音量選択部63では、メモリ61,62のいずれかから与えられた音声データに基づいて、発報部3aに与える音声信号を生成して出力する。よって、メモリ61から読み出された音声データが与えられた場合は、その振幅が大きくなる音声信号が生成されて音量選択部63より発報部3aに出力される。一方、メモリ62から読み出された音声データが与えられた場合は、その振幅が小さくなる音声信号が生成されて音量選択部63より発報部3aに出力される。
【0042】
このように音量選択部63から出力される音声信号が発報部3aに与えられると、抵抗RとコンデンサCとによるフィルタで直流成分及びノイズ成分が除かれて、アンプ31に入力される。そして、アンプ31で増幅して、ダイナミックスピーカ又は圧電スピーカによって構成されるスピーカ32に与えることで、スピーカ32による警報の音声出力が成される。このとき、音量選択部63より振幅の大きい音声信号が与えられると、音量の大きい音声による警報がスピーカ32より出力され、又、音量選択部63より振幅の小さい音声信号が与えられると、音量の小さい音声による警報がスピーカ32より出力される。
【0043】
尚、図2の構成においては、メモリ61,62を分割した構成としているが、1つのメモリにおいて、音量の大きい音声データと音量の小さい音声データとを記憶する領域を分割した構成としてもよい。このとき、音量設定部5で設定された音量を音量選択部63が認識すると、音量選択部63は、このメモリに対して、認識した音量に応じたメモリ領域における、制御部2で判定された異常に対応した音声データを記憶したアドレスを指定することで、目的とする音量の音声データを読み出すことができる。
【0044】
又、音声データを、1つの音声パターンに対して大小2パターンの音声データとして記憶するものとしたが、1つの音声パターンに対して3パターン以上の音量による音声データを記憶し、音量選択部63で3パターン以上の音量の音声データから1つの音声データを選択して出力するものとしてもよい。このとき、音量設定部5において、感温部4で計測された温度に応じて、音声データ出力部6で記憶されたパターン数に応じた3段階以上の段階による音量の設定を行うことができる。更に、この場合においても、3パターン以上の音量による音声データそれぞれを記憶するために、3つ以上のメモリを備えるものとしてもよいし、1つのメモリを、3以上の領域に分割して記憶するものとしてもよい。
【0045】
尚、1つのメモリを複数領域に分割して、3パターン以上の音量による音声データを記憶する場合は、音量設定部5で設定された音量を示す信号として、そのメモリ領域を示す上位アドレスが決定され、制御部2からは、判定した異常内容を示す信号として、その異常内容に応じた音声パターンの音声データが記憶される下位アドレスが決定されるものとしてもよい。これにより、複数の異常内容に応じた音声パターンに対する音声データを記憶する場合においても、音声パターンが同一となる音量の異なる音声データについて下位アドレスを一致させて記憶することによって、記憶されたメモリアドレスの指定を簡単化することができ、その演算負荷を低減することができる。
【0046】
本実施形態における、図2に示す構成のもののように音量の異なる2つの音声データから一方を選択して出力する警報器について、音量設定部としてコンパレータを用いた構成例を、図3のブロック図に示す。又、図3のブロック図に示す警報器が、電池による電源供給が成されるものとし、低温時に音量の小さい音声を発報部3aより出力するものとする。
【0047】
図3に示す警報器においては、音量設定部5として、反転入力端子に閾値電圧Vthが印加されるとともに非反転入力端子に感温部4からの出力電圧が入力されるコンパレータ51を備える。そして、制御部2により3つの異常判定が行われて、それぞれの判定結果に応じた判定結果信号SEL1〜SEL3と、その異常判定の開始を示す開始信号STARTとが、音声データ出力部6に出力される。
【0048】
コンパレータ51からの出力信号及び制御部2からの判定結果信号SEL1〜SEL3がそれぞれ、Hi/Loによる二値の信号として音声データ出力部6に出力されるとともに、開始信号STARTが、開始パルス信号として音声データ出力部6に出力される。よって、音声データ出力部6では、開始信号STARTによる開始パルスが与えられると、判定結果信号SEL1〜SEL3のうち、その値がHiとなっている信号を認識し、その信号に応じた音声パターンの読み出すことを確認する。このとき、コンパレータ51からの出力も同時に確認し、このコンパレータ51の出力により指定された音量に対する音声データの読み出しを行う。
【0049】
即ち、判定結果信号SEL1〜SEL3それぞれに応じた3つの音声パターンP1〜P3に対して、その音量が大小2パターンとなる合計6つの音声データDL1〜DL3,DS1〜DS3を、音声データ出力部6が記憶している。そして、開始信号STARTによる開始パルスが与えられたとき、Hiとなる判定結果信号SELx(xは、1≦x≦3の整数)に対応する音声パターンPxに対する音声データDLx,DSxのいずれかを読み出すことを確認する。
【0050】
そして、感温部4で測定した警報器内部又は警報器外部近傍の温度が高く、感温部4からの出力電圧が閾値電圧Vthよりも高くなる場合は、コンパレータ51からHiとなる出力が音声データ出力部6に入力されるため、音量の大きい音声パターンPxに対する音声データDLxが読み出されて、発報部3aに出力される。一方、感温部4で測定した警報器内部又は警報器外部近傍の温度が低く、感温部4からの出力電圧が閾値電圧Vth以下となる場合は、コンパレータ51からLoとなる出力が音声データ出力部6に入力されるため、音量の小さい音声パターンPxに対する音声データDSxが読み出されて、発報部3aに出力される。
【0051】
尚、本実施形態において、上述したように、音量設定部5が制御部2の外部に設けられるものとしたが、図4(a)に示すように、制御部2aに感温部4からの出力が与えられ、制御部2aにおいて音量設定部5による機能動作を行うものとしてもよい。このとき、例えば、制御部2aが、感温部5からの出力に基づいて設定した音量を示す信号COMPを出力することにより、この信号COMPの値によって、音声データ出力部6が指定される音量を認識することができる。
【0052】
更に、図4(b)に示す構成のように、感温部4を組み込んだ制御部2bとすることで、感温部4と音量設定部5とを備えた制御部2bが1チップの半導体集積回路装置として構成されるものとしてもよい。そして、図4(a)及び図4(b)の構成においては、図3の構成例のように、大小2パターンの音量の切換に基づくものとするため、信号COMPを、Hi/Loの2値の信号としたが、この信号COMPを複数ビットの信号とすることにより、3パターン以上の音量の切換を実現することができる。
【0053】
この図4(a)又は図4(b)のような構成とすることで、各回路間を電気的に接続する回路基板102(図1(a)参照)上の電極パターンが不要となり、電気的な損失を抑えることができる。又、図3のように構成した場合、感温部4や音量設定部5を同期駆動させるために、感温部4や音量設定部5にクロックを制御部2から供給する必要がある。それに対して、図4(a)又は図4(b)では、制御部2a,2b内で処理が行われるため、この制御部によるクロック供給が不要となり、この制御部からのクロック出力による電力量だけ、その電力消費量を低減することができる。尚、図3のように構成した場合においても、感温部4や音量設定部5における同期駆動タイミングを、他の回路部分に比べて長い時間間隔によるタイミングとすることで、その消費電力を抑制することができる。
【0054】
更に、図3の構成例においても、コンパレータ51と同様、非反転入力端子に感温部4からの出力が入力され、反転入力端子にコンパレータ51と異なる閾値電圧が印加されるコンパレータを複数設けて、このコンパレータからの出力をコンパレータ51と並列となるようにして音声データ出力部6に与えることで、音声データ出力部6において、3パターン以上の音量の切換を実現することができる。
【0055】
<第2の実施形態>
本発明における第2の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態における警報器の内部構成を示す概略図である。尚、図5に示す警報器の構成において、図2に示す警報器の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
図5に示すように、本実施形態の警報器は、第1の実施形態の警報器(図2参照)に対して、音声データ出力装置6の代わりに、1つのメモリ60を備えた音声データ出力部6aを備えるとともに、発報部3aの代わりに音量設定部5からの出力に応じて増幅率を変更するアンプ33を備えた発報部3bを備えた構成となる。この音声データ出力部6aと発報部3b以外の構成については、第1の実施形態と同様とするため、その詳細な説明を省略する。
【0057】
図5に示す警報器における音声データ出力部6aの備えるメモリ60は、メモリ61,62(図2参照)と同様、複数種類の異常判定それぞれに対応した複数種類の音声パターンによる音声データが記憶される。そして、制御部2からは、その異常判定に応じた音声パターンの読み出しを指示するために、メモリ60に記憶されたアドレス位置を指定するための信号が、音声データ出力部6aに出力される。
【0058】
又、発報部3bに設けられるアンプ33は、例えば、可変抵抗が接続されたオペアンプによって構成され、この可変抵抗の抵抗値が変更されることにより、その増幅率が変更されるものとしてもよい。このようなアンプ33に対して、音量設定部5によって音量を指定する信号が与えられると、アンプ33を構成する可変抵抗の抵抗値が切り換えられて、その増幅率が変更される。
【0059】
これにより、音声データ出力部6aより出力される音声データに基づく音声信号が、抵抗R及びコンデンサCによるフィルタを介してアンプ33に入力されると、音量設定部5で設定された音量に応じた増幅率で増幅されてスピーカ32に与えられる。よって、音量設定部5で音量を大きくなるように設定されると、アンプ33の増幅率が大きくなり、音声データ出力部6aより出力される音声データに基づく音声信号の振幅が大きくなるように増幅され、スピーカ32より音量の大きな音声による警報が出力される。一方、音量設定部5で音量を小さくなるように設定されると、アンプ33の増幅率が小さくなり、音声データ出力部6aより出力される音声データに基づく音声信号の振幅が小さくなるように増幅され、スピーカ32より音量の小さな音声による警報が出力される。
【0060】
このように構成することで、音声データ出力部6aにおいて、制御部2による異常判定に応じた音声パターンの音声データがメモリ60より読み出され、音声信号として発報部3bに出力される。そして、発報部3bのアンプ33で、音量設定部5により指定される増幅率で音声信号が増幅されることで、感温部4で測定された警報器内部又は周辺近傍の温度に応じた音量の音声による警報が、スピーカ32より出力される。又、本実施形態においては、アンプ33の切り換える可能な増幅率の数を、音量設定部5で設定される音量と同数とすることにより、第1の実施形態と同様、2パターン以上の音量の異なる音声信号がスピーカ32に与えられることとなる。
【0061】
このように構成される本実施形態の警報器について、第1の実施形態と同様、制御部2を図3に示すような開始信号START及び判定結果信号SEL1〜SEL3を出力する構成とするとともに、音量設定部5がコンパレータ51で構成されるものとしてもよい。このとき、コンパレータ51から出力される信号がアンプ33に入力されることで、アンプ33を構成する可変抵抗の抵抗値が切り換えられて、その増幅率が切り換えられるものとしてもよい。
【0062】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態と同様、図4(a)のように、音量設定部5による機能動作を制御部2aが行い、設定した音量を示す信号COMPを出力するものとしてもよいし、図4(b)のように、更に、感温部5が制御部2bに組み込まれた1チップの半導体集積回路装置により構成するものとしてもよい。このとき、制御部2a,2bそれぞれから出力される信号COMPが、発報部3bのアンプ33に入力されることとなる。
【0063】
<第3の実施形態>
本発明における第3の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態における警報器の内部構成を示す概略図である。尚、図6に示す警報器の構成において、図2に示す警報器の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0064】
図6に示すように、本実施形態の警報器は、第1の実施形態の警報器(図2参照)に対して、制御部2の代わりに、音声データ出力装置6bが設けられた制御部2cを備えるとともに、発報部3aの代わりに、共振回路34と圧電素子によるブザー35とによって構成される発報部3cを備えた構成となる。これにより、音量設定部5からの出力が制御部2cに与えられて、音声データ出力部6bに対して音量の指定が行われる。この制御部2cと発報部3c以外の構成については、第1の実施形態と同様とするため、その詳細な説明を省略する。
【0065】
図6に示す警報器における制御部2cは、第1の実施形態と異なり、その内部に音声データ出力部6bが設けられるとともに、更に、音声データ出力部6bが、複数の周波数毎に振幅の異なる振幅信号となる音声データをメモリ61a,61bに記憶する。即ち、第1の実施形態と同様、環境値検出部1となる複数種類のセンサにより検出された物理量(煙、ガス、熱、遠赤外線など)に基づく複数種類の異常に対応させるため、各種類の異常に対応させた複数の周波数による振幅信号を備える。
【0066】
よって、N種類の異常に対して警報の発報が成される場合、メモリ61a,61bそれぞれにおいて、周波数がf1〜fNとなるN個の振幅信号を音声データとして記憶する。そして、メモリ61aでは、その振幅をA1とした周波数f1〜fNのN個の振幅信号を記憶し、メモリ61bでは、その振幅をA2(A2<A1)とした周波数f1〜fNのN個の振幅信号を記憶する。即ち、上述の各周波数の振幅信号に対して、メモリ61aには、音量の大きな音声データとなる振幅の大きな振幅信号が記憶され、メモリ61bには、音量の小さな音声データとなる振幅の小さな振幅信号が記憶される。
【0067】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態と同様、3パターン以上の音量で切り換えるものとしたとき、その音量のパターン数と同数となるメモリを備え、各メモリに記憶する振幅信号の振幅を、その音量の大きさに応じて異なるものとしてもよい。又、複数のメモリによって構成されるものではなく、1つのメモリで構成し、音量のパターン数に応じた領域数に分割して記憶させるものとしてもよい。
【0068】
又、発報部3cでは、制御部2cの出力側に一端が接続された抵抗Raと、抵抗Raの他端に一端が接続されるとともに他端が接地されたコンデンサCaとによって、フィルタが構成される。そして、抵抗RaとコンデンサCaとの接続ノードに一端が接続された抵抗Rbと、抵抗Rbの両端にベース及びエミッタが接続されたエミッタ接地のNPN型のトランジスタTrと、トランジスタTrのコレクタに一端が接続されるとともに他端に電源電位が印加されるコイルLとによって、共振回路34が構成される。又、この共振回路34におけるコイルLの両端にその両端が接続されてコイルLと並列に接続された圧電素子を有するブザー35が、発報部3cに設けられる。
【0069】
このように構成される発報部3cは、制御部2cより出力される振幅信号となる音声データが、抵抗RaとコンデンサCaとによるフィルタを通過することで、そのノイズ成分が除去される。そして、抵抗RaとコンデンサCaとの接続ノードに現れる振幅信号が、共振回路34のトランジスタTrのベースに入力されることで、入力される振幅信号により共振回路34が共振動作を行い、ブザー35を構成する圧電素子を振動させて、警報となるブザー音を出力させる。
【0070】
このとき、制御部2cが、環境値検出部1からの物理量により異常発生を検知した場合に、音量設定部5により大きな音量が指定されると、音声データ出力部6bのメモリ61aより振幅の大きい振幅信号による音声データが読み出されて、発報部3cに出力されるため、ブザー35から音量の大きいブザー音による警報が出力される。一方、音量設定部5により小さな音量が指定された場合は、音声データ出力部6bのメモリ61bより振幅の小さい振幅信号による音声データが読み出されて、発報部3cに出力されるため、ブザー35から音量の小さいブザー音による警報が出力される。
【0071】
尚、本実施形態においても、第1及び第2の実施形態と同様、図4(a)のように、音量設定部5による機能動作を制御部2cが行い、設定した音量に応じた振幅信号の音声データを発報部3cに出力するものとしてもよいし、図4(b)のように、更に、感温部5が制御部2cに組み込まれた1チップの半導体集積回路装置により構成するものとしてもよい。
【0072】
又、図7(a)に示すように、第1の実施形態に示すアンプ31及びスピーカ32によって発報部3aを構成する場合においても、本実施形態と同様、その内部に音声データ出力部6が設けられた制御部2cを用いた構成とし、制御部2cが、第1の実施形態における音声データ出力部6による機能を備えた構成としてもよい。同様に、図7(b)に示すように、第2の実施形態に示すアンプ33及びスピーカ32によって発報部3bを構成する場合についても、その内部に音声データ出力部6aが設けられた制御部2cを用いた構成とし、制御部2cが、第2の実施形態における音声データ出力部6aによる機能を備えた構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、音声出力による警報の発報を行う警報器であれば、煙感知用の警報器に限らず、サーミスタなどの熱感知素子を備えた警報器に対しても適用することができる。又、煙感知用の警報器などのような火災用の警報器以外にも、ガス警報の発報を行うガス感知用の警報器や、人体の検知を行う人体検知用の警報器にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】は、本発明の警報器における基本構成を示す図であり、(a)は、その機械的な構成を示す概略構成図であり、(b)は、その電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】は、本発明の第1の実施形態における警報器の構成を示すブロック図である。
【図3】は、図2に示す警報器の構成例を示すブロック図である。
【図4】(a)、(b)はいずれも、本発明の第1の実施形態における警報器の別の構成を示すブロック図である。
【図5】は、本発明の第2の実施形態における警報器の構成を示すブロック図である。
【図6】は、本発明の第3の実施形態における警報器の構成を示すブロック図である。
【図7】(a)、(b)はいずれも、本発明の第3の実施形態における警報器の別の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
1 環境値検出部
2,2a〜2c 制御部
3,3a〜3c 発報部
4 感温部
5 音量設定部
6,6a,6b 音声データ出力部
31,33 アンプ
32 スピーカ
34 共振回路
35 ブザー
51 コンパレータ
60〜62 メモリ
61a,61b メモリ
63 音量選択部
100 筐体
101 回路基板
102 発音体
C,Ca コンデンサ
L コイル
R,Ra,Rb 抵抗
Tr トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境変化を示す環境値を検出する環境値検出部と、該環境値検出部により検出された環境値に基づいて周辺環境における異常の判定を行う制御部と、を備え、該制御部による異常判定に基づく音声を出力する警報器において、
該警報器の内部又は該警報器の外部近傍における温度を測定する感温部と、
該感温部で測定した温度によって、前記制御部による異常判定に基づく音声の音量を設定する音量設定部と、
を備えることを特徴とする警報器。
【請求項2】
請求項1において、
出力する前記音声に対応した音量の異なる2以上の音声データを予め記憶し、前記制御部による異常判定を受けたとき、前記2以上の音声データの内から前記音量設定部で設定された音量となる音声データを選択して出力する音声データ出力部と、
前記音声データ出力部から出力される前記音声データを受けて、前記制御部による異常判定に基づく音声を出力する発報部と、
を更に備えることを特徴とする警報器。
【請求項3】
請求項1において、
出力する前記音声に対応した音声データを予め記憶し、前記制御部による異常判定を受けたとき、前記音声データを出力する音声データ出力部と、
前記音声データ出力部から出力される前記音声データを受けた後、当該音声データを前記音量設定部で設定された音量に対応した増幅率で増幅して、前記制御部による異常判定に基づく音声を出力する発報部と、
を更に備えることを特徴とする警報器。
【請求項4】
請求項2又は請求項3において、
前記発報部が、
前記音声データ出力部からの音声データによる信号を増幅するアンプと、
前記アンプで増幅した信号を音声に変換して出力するスピーカと、
を有することを特徴とする警報器。
【請求項5】
請求項2において、
前記2以上の音声データのそれぞれが、同一の周波数であり且つ振幅の異なる振幅信号であり、
前記発報部が、
前記音声データ出力部から出力される前記振幅信号に共振する共振回路と、
前記共振回路と接続され、前記共振回路における前記振幅信号に対する共振動作により音声を出力するブザーと、
を有することを特徴とする警報器。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか一項において、
前記音声データ出力部が前記制御部を構成する回路装置に含まれることを特徴とする警報器。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記音量設定部が前記制御部を構成する回路装置に含まれるとともに、前記感温部による測定結果が前記制御部に与えられることを特徴とする警報器。
【請求項8】
請求項7において、
前記感温部が更に前記制御部を構成する回路装置に含まれることを特徴とする警報器。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
前記環境値検出部が検出する環境値が熱であるとともに、前記環境値検出部が前記感温部として動作することを特徴とする警報器。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、
前記音量設定部において、前記感温部で測定した温度が所定の閾値以下となるときに、前記発報部から出力される音声の音量を低下させることを特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−205593(P2009−205593A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49408(P2008−49408)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】