説明

警報器

【課題】居室内の家電製品等からの発生音と警報器からの電池切れ警報音等とを識別しやすくした警報器を提供する。
【解決手段】火災警報器100は、煙検知部20若しくは熱検知部30が異常と判断した場合、又は電池電圧監視回路60が電圧低下と判断したときに、制御部10が発音部品と表示灯を駆動開始させ、かつ、前記表示灯の駆動回数を前記発音部品の駆動回数より多くしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器に関し、特に警報器から発せられる電池切れ警報に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、例えば「電圧監視部17Bは、バッテリーBの消耗を示す電圧まで低下するとその検出信号を制御部15Bに入力するようになっている。制御部15Bは、制御部15と同じ制御機能を有すると共に、電圧監視部17BからのバッテリーBの消耗検出信号の入力により、表示ランプ13の点滅、警報ブザー12による警告音の鳴動或いはこれら双方を実行させる制御を行う」警報器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−226586号公報(第9頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1の警報器は、警報器が発する警告音と、居室内の家電製品等からの発生音とが類似しており、その識別が困難であり、また、警報ブザーの警告音と表示ランプの点滅が数分毎に1回だけ同期して制御されるため、複数の警報器が設置されている場合にどの警報器がバッテリー消耗を示す警報出力しているか特定できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、居室内の家電製品等からの発生音と警報器からの電池切れ警報音とを識別しやすくするとともに、電池切れ警報を出力している警報器を特定しやすくした警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る警報器は、電源部と、状態検出部と、前記電源部からの供給電圧を監視する電圧監視部と、前記状態検出部の出力信号に基づいて状態を判断する状態判別部と、前記状態判別部の判断結果に基づいて警報を出力させる制御部と、前記制御部の制御信号により駆動される発音部品及び表示灯とを備える警報器において、前記状態判別部が異常と判断したとき又は前記電圧監視部が電圧低下と判断したときに、前記制御部は、前記発音部品と前記表示灯をほぼ同時に駆動開始させ、かつ、前記表示灯の駆動回数を前記発音部品の駆動回数より多くしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、警報器の電池切れ等の異常警報は、警報音の鳴動と表示灯の点灯とがほぼ同時に出力された後は、表示灯点灯の駆動回数を発音部品鳴動の駆動回数より多くしたという出力形態を所定のタイミングで繰り返すため、警報器が異常警報を出力したことを把握しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係る火災警報器100の回路構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る制御部10の内部構成を示すブロック図である。
【図3】(a) 従来の火災警報器の電池切れ警報動作のタイムチャートである。(b) 本発明の実施の形態1に係る火災警報器100の電池切れ警報動作のタイムチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る火災警報器100の電池切れ警報処理のフローチャートの一例である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る火災警報器100の電池切れ警報処理のフローチャートの他の例である。
【図6】図5の電池切れ警報処理における警報動作のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本実施の形態1では、電池で駆動される火災警報器に本発明を適用した場合を例に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る火災警報器100の回路構成を示す機能ブロック図である。
図1において、火災警報器100は、状態判別部が含まれる制御部10と、電池1と、定電圧回路2と、点検スイッチ3と、EEP−ROM4と、状態検出部として機能する煙検知部20及び熱検知部30と、警報音制御回路40と、表示灯回路50と、電圧監視部として機能する電池電圧監視回路60とを備える。
【0010】
制御部10は、ワンチップマイコン等で構成されており、火災警報器100の全体的な制御を行う。制御部10は、各内部回路からの信号を定期的に取り込み、その信号に応じた処理を行っている。例えば、制御部10が煙検知部20の受光アンプ23からの信号(火災検出信号)を取り込んだ場合、この火災検出信号に基づいて警報鳴動が必要か否かを判断する。制御部10が火災検出信号を取り込み、警報鳴動が必要であると判断した場合には、制御部10は警報鳴動の音声データを警報音制御回路40に出力する。
【0011】
制御部10の内部構成については図2を用いて後述するが、制御部10は、異常監視動作や火災監視動作の待機時はメインクロック発振部16からのクロック信号の供給を停止して、サブクロック発振部17からのクロック信号の供給のみで動作するスリープモードで動作している。しかし、定期的なタイマ割り込みや点検スイッチ割り込み等があったときには、制御部10はスリープモードを停止してメインクロック発振部16のクロック信号を供給させて、必要な動作を行う。
【0012】
定電圧回路2は、電池1の電源電圧を所定の定電圧電源(例えば、約2.3Vの電圧)として制御部10等に供給する。点検スイッチ3は、居住者等のユーザによる押下操作を受け付けるものである。点検スイッチ3が押下されると、制御部10は点検スイッチ3の押下信号を取り込み、そして点検スイッチ3の入力が確定したか否かを判断する。制御部10が、点検スイッチ3の入力が確定したと判断した場合、制御部10から警報音や表示灯などの動作に関する点検を開始させる信号が送信される。EEP−ROM4は、制御部10の演算部11が実行するプログラムや各種データを格納している。
【0013】
煙検知部20は、発光素子である赤外LED24と、制御部10からの発光制御パルスを受けたときに、赤外LED24に電流パルスを供給する赤外LEDドライブ回路21とを備えている。さらに煙検知部20は、赤外LED24から検煙部(図示せず)に照射された光が煙粒子によって生じさせる散乱光を受光するフォトダイオード(PD)等の受光素子を備えており、赤外LED24の発光による散乱光を受光する。そして、フォトダイオード電流電圧変換回路22において、フォトダイオードで受光した散乱光の量に基づいて得られた電流を電圧に変換する。その電圧の出力レベルを、受光アンプ23において所定のゲインで増幅し、制御部10に送信する。
【0014】
熱検知部30は、固定抵抗31と、サーミスタ32による温度センサで構成されている。固定抵抗31とサーミスタ32との間の中間電位が熱検知部30の出力端子であり、その出力端子を介して温度検出信号を制御部10に送信している。サーミスタ32は、環境温度に応じてその抵抗値が変動する温度特性を有する。補償用の固定抵抗31によりサーミスタ32の温度特性がリニア化されるため、出力端子には環境温度に応じた検出電圧(温度情報)が入力される。なお、本実施の形態においては、煙検知部20及び熱検知部30の双方を設けた例について示したが、本発明においてはその何れか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0015】
警報音制御回路40は、ローパスフィルタを備えた音声用D/A変換器41と、発音部品としての音声アンプ42及びスピーカ43とで構成される。ローパスフィルタは、制御部10から送信された音声データを、予めユーザが聴き取りやすい周波数帯域に調整する役割を果たす。
【0016】
警報音制御回路40において、制御部10から入力された音声データ(ディジタル信号)は、音声用D/A変換器41で音声信号(アナログ信号)に変換され、ローパスフィルタを介して出力される。そして、制御部10から音量制御信号が音声アンプ42に送信され、音声アンプ42で音声信号(アナログ信号)の増幅度が調整される。スピーカ43では、音声アンプ42で増幅された音声信号が出力される。
【0017】
表示灯回路50は、火災警報器100の状態を、確認灯ドライブ回路51に接続されている赤色LED52に表示させるものである。なお、火災警報器100の状態として、正常に火災検出動作している場合(火災を検出しておらず、電池残量やセンサ機器等にも異常が無い状態)の他、電池残量の低下による異常や、センサの故障等の機器による異常が発生している場合、そして火災を検出して警報出力している場合等がある。赤色LED52は、火災警報器100の筐体に設けられている。なお、表示灯として赤色LED52を用いているが、その種類や個数を特に限定するものではない。
【0018】
電池電圧監視回路60は、制御部10に印加される電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御部10に出力する。電池電圧監視回路60は、電池残量が低下したこと又は電池切れの閾値よりも低下したことを検出すると、制御部10に電池電圧検出信号を出力し、制御部10は警報音制御回路40に「ピポ」という警報音を鳴動させる制御信号を送信するとともに、表示灯回路50に表示灯を点滅させる制御信号を送信する。
【0019】
図2は、制御部10の内部構成を示すブロック図である。
図2に基づいて、制御部10の主要な内部構成について説明する。制御部10は、火災警報器100の動作を統括制御する演算部11と、ROM12と、RAM13などを主要な回路として備えている。
【0020】
演算部11は、上述した各回路から送信される各種データに基づいて、異常の発生や火災の発生を判断する異常監視動作や火災監視動作を実行する。すなわち、演算部11は状態判別部としての役割を果たす。演算部11は、CPU(中央演算装置)やMPU(超小型演算処理装置)等で構成されている。ROM12は、演算部11が実行するプログラムや各種データを記憶している。RAM13は、演算部11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリやページメモリ等のメモリとして機能する。
【0021】
演算部11には、バス(数個の電源又は供給回路が接続される導線)を介してタイマ部14と、A/D変換器15と、メインクロック発振部16と、サブクロック発振部17と、インターフェース部18と、カウンタ19とが接続されている。
【0022】
タイマ部14は、時間を計測するものである。例えば、タイマ部14は、制御部10が定期的に行う異常監視動作や火災監視動作の開始タイミングを計時するようになっている。つまり、タイマ部14の計時するタイミングで定期的に割り込みが発生し、その割り込みによって演算部11が動作するようになっている。また、タイマ部14は、警報音の鳴動を停止したときからの時間を計時したり、赤色LED52の点滅状態の周期を計時したりする。
【0023】
A/D変換器15は、煙検知部20や熱検知部30から送信されるアナログ信号を入力し、その情報を検出レベルに変換して演算部11に供給する。演算部11は、この検出レベルに基づいて、火災警報器100に異常や火災が発生しているかどうか判断する。
【0024】
メインクロック発振部16は、定期的なタイマ割り込みや点検スイッチ3の操作があった場合に、異常監視動作や火災監視動作を実行する際のクロック信号を演算部11に供給する役目を果たす。
メインクロック発振部16からのクロック信号が供給されている演算部11は、各回路からのデータ、例えば火災検出データや、電池電圧データ等を収集し、それらのデータに基づいて、異常の発生の有無や火災の発生の有無を判断する異常監視動作や火災監視動作を実行する。そして、演算部11は、異常監視動作や火災監視動作を終了すると、メインクロック発振部16からのクロック信号の供給をサブクロック発振部17からのクロック信号の供給に切り替えてスリープモードで動作する。
【0025】
サブクロック発振部17は、メインクロック発振部16が供給するクロック信号よりも周波数の低いクロック信号を演算部11に供給するものである。つまり、サブクロック発振部17は、演算部11を低速動作(スリープモード)にするクロック信号を供給する。
【0026】
インターフェース部18は、火災警報器100を構成している各回路と制御部10とを接続する機能を有している。つまり、火災警報器100を構成している各回路は、インターフェース部18を介して制御部10と接続され、各種データの入出力を行う。
【0027】
カウンタ19は、後述の電池切れ警報処理を行う際のタイミングを取るためのカウンタであり、例えば1秒ごとにカウントする(後述の図4及び図5参照)。
【0028】
次に、火災警報器100の動作について説明する。ここでは、煙を検出して火災発生の有無を判断する場合を例に説明する。
火災警報器100は、電池1から供給される電源電圧を定電圧回路2によって安定した所定の定電圧(例えば、約2.3Vの電圧)にし、制御部10等に定電圧電源が供給される。火災警報器100は、制御部10が有するタイマ部14が計時している所定の周期で火災監視動作及び異常監視動作を実行する。次に、制御部10は、赤外LEDドライブ回路21に発光制御パルスを供給し、所定のパルス幅及び所定の周期で赤外LED24を発光させる。
【0029】
煙検知部20におけるフォトダイオードは、赤外LED24の光路上には配置されておらず、赤外LED24の光が直接フォトダイオードに到達することはない。しかし、火災等により発生した煙が、フォトダイオードと赤外LED24との間に介在すると、煙の粒子により赤外LED24の光が散乱され、その散乱された光をフォトダイオードが受光することになる。
【0030】
上記の理由により、煙が発生していない場合は、フォトダイオードには赤外LED24が発光した光がほとんど到達しない。つまり、受光アンプ23で増幅された信号は、所定の基準値(火災発生レベル)以下になっているため、制御部10からは、警報音制御回路40及び表示灯回路50を動作させる信号が出力されない。したがって、警報音制御回路40では警報音が鳴動せず、表示灯回路50では赤色LED52に火災が発生していることを表示させることはない。
【0031】
煙が発生している場合には、赤外LED24により発光された光が、煙の粒子により散乱され、その散乱した光がフォトダイオードに到達する。つまり、受光アンプ23で増幅された信号は、所定の基準値以上になっているため、制御部10は火災が発生していると判断し、警報音制御回路40及び表示灯回路50を動作させる信号を出力する。すると、警報音制御回路40は警報音を鳴動させ、表示灯回路50は赤色LED52に火災表示させる。
【0032】
制御部10内では、受光アンプ23で増幅されたアナログ電気信号がA/D変換器15で検出レベルに変換されて演算部11に入力される。この検出レベルが入力された演算部11は、この検出レベルを火災検出データとしてRAM13に格納する。そして演算部11は、RAM13に格納した火災検出データが、あらかじめ設定されている所定の基準値以上であるか否かによって火災発生の有無を判断する。したがって、演算部11とRAM13が状態判別部としての機能を有している。
【0033】
演算部11が、火災の発生ではないと判断したときは、スリープモードの動作状態に復帰する。一方、演算部11が、火災の発生であると判断したときは、演算部11は警報音制御回路40に警報音を鳴動させ、表示灯回路50には赤色LED52に火災表示させる。
【0034】
ここで、制御部10から制御信号が送信された場合における警報音制御回路40の動作について説明する。
制御部10は、出力させたい音声データを音声用D/A変換器41に送信する。制御部10から送信された音声データは、音声用D/A変換器41において音声信号に変換され、音声信号が音声アンプ42に入力される。次に、制御部10は、音声信号の出力音量を調整するための音量制御信号を音声アンプ42に送信し、音声アンプ42で音声信号の増幅度を調整させる。そして、増幅度が調整された音声信号が、スピーカ43において警報音として出力される仕組みとなっている。
【0035】
次に、図3を用いて本発明の実施の形態1に係る警報器の電池切れ警報動作について説明する。
図3(a)は従来の警報器の電池切れ警報のタイムチャートを、図3(b)は本実施の形態1に係る警報器の電池切れ警報のタイムチャートを示している。それぞれ、電池切れ警報時の警報音の出力と赤色LEDの出力をパルス信号として示している。
【0036】
図3(a)に示すように、従来の警報器の電池切れ警報では、「ピ」という電池切れ警報
音の1回の鳴動とほぼ同時に、赤色LED52を1回点灯させていた。そして、最初の警報音の鳴動から1分経過後に、再び「ピ」という電池切れ警報音の鳴動と赤色LED52の点灯をほぼ同時に1回行っていた。
【0037】
本実施の形態1に係る警報器の電池切れ警報では、図3(b)に示すように、「ピポ」と
いう電池切れ警報音の1回の鳴動とほぼ同時に、赤色LED52を1回点灯し、その後は赤色LED52のみを1秒間隔で点灯及び消灯を繰り返させる。警報音は「ピポ」という2音構成であり、電池切れ警報の音量は、火災警報の音量よりも小さく設定される。例えば、火災警報の音量をレベル5とすると、電池切れ警報の音量はレベル3〜4に設定される。また、警報音の鳴動時間及び赤色LED52の点灯時間は例えば約250msである。
【0038】
最初の警報音の鳴動から1分経過するまで、所定回数(例えば、5回)だけ赤色LED52を点滅させる。最初の警報音の鳴動から1分経過後に、再び「ピポ」という電池切れ警報音の鳴動と赤色LED52の点滅をほぼ同時に行い、その後は赤色LED52のみを1秒ごとに点滅させる動作を所定回数だけ繰り返させる。
【0039】
図3(b)では、警報音の鳴動周期を1分、赤色LED52の点滅周期を1秒としている
が、本発明はこれらの数値に限定されるものではない。また、2回目以降の警報音の鳴動に伴う赤色LED52の点滅周期は、経過時間とともに変化させてもよい。なお、上記では赤色LED52の点灯に関して、経過時間(例えば、1秒)により表現しているが、警報音鳴動の駆動回数及び赤色LED52点灯の駆動回数により表現することもできる。すなわち、本実施の形態1では、いずれの場合においても、警報音鳴動の駆動回数よりも赤色LED52点灯の駆動回数のほうが多くなるように設定される。
【0040】
次に、上記の電池切れ警報処理について説明する。
図4は、本実施の形態1に係る警報器の電池切れ警報処理の一例のフローチャートである(図3(b)はその動作を示したタイムチャートである)。なお、図4の電池切れ警報処理はタイマ部14で計時される基本周期(例えば1秒)毎に行われる。
【0041】
(A1)まず、制御部10は電池電圧監視回路60に監視開始信号を送信する。この監視開始信号の送信は、基本周期(例えば1秒)毎に行われる。電池電圧監視回路60は、監視開始信号を受信すると、制御部10に印加されている電圧を検出し、その検出電圧に応じた電池電圧検出信号を制御部10に送信する。そして、制御部10が、電池電圧検出信号を受信するとそれに基づいて電池切れであるかどうか判断する(ステップS11)。制御部10は、電池電圧が電池切れが確定でないと判断すると(ステップS11:No)、電池切れ警報処理の動作フローを終了する。
【0042】
(A2)制御部10は、電池電圧が電池切れが確定であると判断すると(ステップS11:Yes)、次に、電池切れ警報の警報タイミングであるかどうかを判断する(ステップS12)。ここで、警報タイミングは、電池電圧が電池切れの最初の確定判断の時点から例えば、0〜4秒後の間、或いは最初の確定判断の時点から1分(若しくは1分の整数倍)経過した時点から0〜4秒後である。例えばカウンタ19が1秒ごとに0から60までカウントするものとし、そのカウンタ値が0〜4となったときを警報タイミングとする。制御部10が、警報タイミングではないと判断すると(ステップS12:No)、電池切れ警報処理の動作フローを終了する。
【0043】
制御部10が、警報タイミングであると判断すると(ステップS12:Yes)、次に、1回目の警報タイミングであるかどうかを判断する(ステップS13)。なお、1回目の警報タイミングとは、周期的なタイミング(例えば1分)を指し、カウンタ19のカウント値が60となったらクリアして警報タイミングとする。
【0044】
(A3)制御部10は、1回目の警報タイミングであると判断すると(ステップS13:Yes)、次に、例えば250msだけ警報音の「ピポ」を鳴動させるとともに赤色LED52を点灯させて(ステップS14)、電池切れ警報処理フローを終了する。この警報音の「ピポ」は、制御部10が音声用D/A変換器41及び音声アンプ42を制御し、スピーカ43から発生させる。また、赤色LED52の点灯は、制御部10が確認灯ドライブ回路51を駆動することによりなされる。このことは後述の場合においても同様である。
【0045】
(A4)制御部10は、1回目の警報タイミングではないと判断すると(ステップS13:No)、次に2〜5回目の警報タイミングであるかどうかを判断する(ステップS15)。ここで、2〜5回目の警報タイミングとは、カウンタ19が1回目の警報タイミングから基本周期(例えば1秒ごと)をカウントし、そのカウンタ値が1〜4になったタイミングである。
【0046】
(A5)制御部10は、2〜5回目の警報タイミングであると判断すると(ステップS15:Yes)、次に、例えば250msだけ赤色LED52のみを点灯させて(警報音の「ピポ」を鳴動させない)(ステップS16)、電池切れ警報処理フローを終了する。
【0047】
(A6)制御部10は、2〜5回目の警報タイミングではないと判断すると(ステップS15:No)、電池切れ警報処理フローを終了する。なお、カウンタ19のカウンタ値が4を超えたら警報タイミングの判断処理をしないで電池切れ警報処理フローを終了するようにしてもよい。
【0048】
ところで、図4の例では電池切れ警報の作動回数に基づいて警報出力するようにした例について説明したが、後述の図5に示されるように、電池切れ警報の作動時間に基づいて警報出力するようにしてもよい。
【0049】
図5は、本実施の形態1に係る警報器の電池切れ警報処理の他の例を示すフローチャートである。図6はその動作を示したタイムチャートであり、ここでは、赤色LED52の点滅周期が10秒の例について記載されている。なお、図5の警報処理においてもタイマ部14で計時される基本周期(例えば1秒)毎に行われる。
【0050】
(B1)制御部10は、図4の場合と同様にして電池切れ警報処理を開始し、制御部10が、電池電圧検出信号に基づいて電池切れであるかどうかを判断する(ステップS21)。一方、制御部10は、電池電圧が電池切れが確定でないと判断すると(ステップS21:No)、電池切れ警報処理の動作フローを終了する。
【0051】
制御部10は、電池電圧が電池切れが確定であると判断すると(ステップS21:Yes)、次に、1分タイミングであるかどうかを判断する(ステップS22)。ここで、この1分タイミングは、電池電圧の電池切れの確定判断を最初に行った時点或いはその確定判断の時点から例えば1分(若しくは1分の整数倍)経過した時点であり、例えば基本周期(例えば1秒ごと)をカウントするカウンタ19のカウンタ値が60になったらクリアして1分タイミングとする。
【0052】
(B2)制御部10は、1分タイミングであると判断すると(ステップS22;Yes)、
次に、例えば250msだけ警報音の「ピポ」を鳴動させるとともに赤色LED52を点灯させて(ステップS23)、電池切れ警報処理フローを終了する。
【0053】
(B3)制御部10は、1分タイミングではないと判断すると(ステップS22:No)、次に、10秒タイミングであるかどうかを判断する(ステップS24)。この10秒タイミングとは、1分タイミングの後の10秒単位の経過時間というものであり、例えば1秒ごとにカウントするカウンタ19のカウント値が10,20,30,40及び50のときがそれぞれ該当する。
【0054】
(B4)制御部10は、10秒タイミングであると判断すると(ステップS24:Yes)、次に、250msだけ赤色LED52のみを点灯し(警報音の「ピポ」を鳴動させない)(ステップS25)、電池切れ警報処理フローを終了する。また、10秒タイミングではない場合(ステップS24:No)にも電池切れ警報処理フローを終了する。
【0055】
なお、図5の例では、警報音の鳴動周期を1分、赤色LED52の点灯周期を10秒としているが、本発明はこれらの数値に限定されるものではない。また、上記説明では、電池で駆動される火災警報器に本発明を適用した場合を例に説明したが、電源の供給方法はこれに限定されるものではない。さらに、上記説明では火災警報器を例に説明したが、ガス漏れなどその他の監視領域の異常を検出する警報器に本発明を適用することもできる。
【0056】
以上のように本実施の形態1においては、警報器100の電池切れ等の異常警報は、警報音の鳴動と赤色LED52の点灯とがほぼ同時に出力された後、赤色LED52の点滅だけが所定時間又は所定回数継続されるという出力形態を所定のタイミングで繰り返すため、警報器が異常警報を出力したことが把握しやすいものとなっている。また、最初のタイミングの警報音「ピポ」は居室内の家電製品等からの発生音と識別でき、かつ確実に聞き取れる最短時間とすることで、警報器が異常警報を出力したことが把握し易くなっている。さらに、異常警報時の省電力化を実現させることもできる。
【0057】
ところで、上記の実施の形態1においては、表示灯として赤色LED52の例について説明したが、同様な機能を備えたものであれば他の構成を採用してもよい。また、警報音「ピポ」についても、家電製品等の発生音(電子音)と識別できるものであれば他の音声を採用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 電池、2 定電圧回路、3 点検スイッチ、4 EEP−ROM、10 制御部、11 演算部、12 ROM、13 RAM、14 タイマ部、15 A/D変換器、16 メインクロック発振部、17 サブクロック発振部、18 インターフェース部、19 カウンタ、20 煙検知部、21 赤外LEDドライブ回路、22 フォトダイオード電流電圧変換回路、23 受光アンプ、24 赤外LED、30 熱検知部、31 固定抵抗、32 サーミスタ、40 警報音制御回路、41 音声用D/A変換器、42 音声アンプ、43 スピーカ、50 表示灯回路、51 確認灯ドライブ回路、52 赤色LED、60 電池電圧監視回路、100 火災警報器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部と、
状態検出部と、
前記電源部からの供給電圧を監視する電圧監視部と、
前記状態検出部の出力信号に基づいて状態を判断する状態判別部と、
前記状態判別部の判断結果に基づいて警報を出力させる制御部と、
前記制御部の制御信号により駆動される発音部品及び表示灯と
を備える警報器において、
前記状態判別部が異常と判断したとき又は前記電圧監視部が電圧低下と判断したときに、前記制御部は、前記発音部品と前記表示灯を駆動開始させ、かつ、前記表示灯の駆動回数を前記発音部品の駆動回数より多くしたこと
を特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−65332(P2013−65332A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252859(P2012−252859)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2009−251647(P2009−251647)の分割
【原出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】