説明

負荷がかかっているサンプルにおける故障事象を位置特定するためのシステムおよび方法

【課題】サンプル(12)における故障事象を位置特定するためのシステム(10)を提供すること。
【解決手段】システム(10)は、サンプル(12)における故障事象に対応する音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ(14)を含む。また、システム(10)は、サンプル(12)における故障事象に対応する熱エネルギー放出を検出するように構成された赤外線カメラ(14)も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、検査技術に関し、より具体的には、サーモグラフィを使用した非破壊試験技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複合構造が、航空宇宙の用途、およびその他の用途においてますます使用されている。様々な材料および製造技術が、用途に応じて使用されることが可能である。複合構造の利点には、重量が軽くなること、および強度が増すことが含まれる。しかし、複合材料は、層間剥離、マトリックス割れ、および繊維破断などの、いくつかの欠陥タイプを示すことが可能である。改良された複合構造を設計し、構造モデルを検証するため、故障事象のソース深度と実際の位置をともに特定することが望ましい。
【0003】
IR(赤外線)サーモグラフィは、物体の材料欠陥および表面下損傷を検出し、定量化するための技術である。この技術は、物体の熱伝導の時間的測定に依拠して、物体における欠陥または割れに関する情報をもたらす。物体を通じて伝わる熱は、物体の材料の微細構造による影響を実質的に受けないので、この技術は、微細構造が課す可能性があるいずれの制約も免れている。さらに、サーモグラフィ解析は、試験される物体のサイズ、形状、または外形によって実質的に妨げられることがない。また、この技術は、既存の従来の非破壊試験技術より、10倍乃至100倍、高速に達せられることも可能である。
【0004】
しかし、過渡的フラッシュ方法を利用し、Ringermacherらの米国特許第6,367,969号で説明されるとおり、複合物における欠陥の位置を特定することができる既存の高度なサーモグラフィイメージング方法は、欠陥を、それらの欠陥が生じた後に位置特定し、このため、それらの欠陥を生じさせた事象の因果的連鎖を特定することはできない。因果的連鎖は、動的な負荷を受けている構造における故障のコンピュータモデルを検証するために、得ることが望ましい。さらに、事象の深さ、および横方向の位置の点で正確な位置を見出すとともに、事象の順序も見出すことが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,367,969号公報
【特許文献2】米国特許第5,711,603号公報
【特許文献3】米国特許第6,367,968号公報
【特許文献4】米国特許第6,394,646号公報
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0141632号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、前述した問題に対処する改良されたサーモグラフィ技術の必要性が、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、サンプルにおける故障事象を位置特定するためのシステムが、提供される。システムは、サンプルにおける故障事象に対応する音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサを含む。また、システムは、サンプルにおける故障事象に対応する熱エネルギー放出を検出するように構成された赤外線カメラも含む。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、サンプルにおける故障事象を検出する方法が、提供される。方法は、故障事象に対応する音響信号を記録することを含む。また、方法は、それらの音響信号に基づいて、ゼロ時間を特定することも含む。方法は、或る期間にわたってサンプルの、いくつかのサーマルイメージを記録することをさらに含む。また、方法は、それらの音響信号、およびそれらのサーマルイメージから、故障事象の深さを特定することも含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、サンプルにおける故障事象を位置特定するためのマルチモーダルシステムが、提供される。システムは、サンプルにおける故障事象に対応する音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサを含む。また、システムは、サンプルにおける故障事象に対応する熱エネルギー放出を検出するように構成された赤外線カメラも含む。システムは、サンプルの少なくとも一部分に放射線を照射するように構成されたX線源をさらに含む。また、システムは、サンプルの少なくとも一部分の少なくとも1つのX線イメージをキャプチャするように構成されたデジタルX線検出器も含む。
【0009】
本発明の以上、およびその他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して読むと、よりよく理解され、すべての図面で、同様の符号は、同様の部分を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に詳細に説明するとおり、本発明の諸実施形態は、負荷のかかっているサンプルにおける故障事象を位置特定するためのシステム、およびそのような事象を位置特定するための方法を含む。本明細書で使用する、「位置」という用語は、サンプルの表面下の故障事象の位置を指す。「負荷」という用語は、負荷試験マシンに入れられた際に、試験されるサンプルが経験する応力を指す。本明細書で開示するシステムは、サンプルにおける故障事象の発生の初期時間を特定するために、赤外線イメージングとアコースティックエミッション感知の組み合わせを含む。
【0011】
図1は、サンプル12における故障事象を位置特定するためのシステム10を示す図である。システム10は、サンプル12における故障事象に対応する熱エネルギー放出を検出するように構成された赤外線カメラ14を含む。赤外線カメラの限定的ではない例には、センサの焦点面アレイが含まれる。赤外線カメラ14は、カメラ制御エレクトロニクス16によって操作されることが可能である。また、赤外線カメラ14は、サーマルイメージデータをカメラ制御エレクトロニクス16に出力するように構成されることも可能である。或る特定の実施形態では、赤外線カメラ14は、フレームメモリ18の中に記録される複数のフレーム内に熱エネルギー放出を記録する。限定的ではない実施例において、赤外線カメラ14は、毎秒約50フレーム乃至毎秒約250フレームの範囲内のフレームレートで動作するように構成される。システム10は、サンプル12における故障事象に対応する音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ20を含む。図示する実施例では、システム10は、2つのセンサを含む。或る特定の実施形態において、センサ20は、サンプル12の上面の上に乗せられることが可能である。センサ20の限定的でない例が、トランスデューサである。センサ20は、ゼロ時間事象を検出するように構成される。本明細書で使用する「ゼロ時間」という用語は、故障事象の発生に関する開始時間を指す。故障事象が、サンプル12の深部で発生すると、故障事象は、音響エネルギーおよび熱エネルギーのパルスを放出する。音響エネルギーは、熱エネルギーが、サンプルの表面に向かって伝わる速度と比べて、実質的に無限の速度で伝わる。このため、音響エネルギーの検出が、故障事象のゼロ時間を定義する。
【0012】
センサ20は、検出された音響エネルギーに対応するデータをプロセッサ22に出力する。また、プロセッサ22は、カメラ制御エレクトロニクス16およびフレームメモリ18を制御して、フレームメモリ18の中に格納される、サンプル12の所定の数の連続するサーマルイメージフレームを獲得することも行う。一実施例では、プロセッサは、マイクロプロセッサである。プロセッサ22は、サンプル12の表面温度プロファイル、またはアコースティックエミッションプロファイルなどのデータをディスプレイモニタ24に出力するように構成される。また、フレームメモリ18が、サーマルイメージフレームをディスプレイモニタ24に出力することもできる。或る特定の実施形態では、センサ20と赤外線カメラ14は、共通の時間基準で同期される。プロセッサ22は、センサ20によって検出されたアコースティックエミッション事象時間を、赤外線カメラ14によって記録されたフレームのそれぞれのフレームと同期するように構成される。或る特定の実施形態では、サンプル12は、サンプルの縦軸26に対して約0度乃至180度の範囲内の角度に向けられた複数のプライを含む。サンプルの縦軸26は、サンプル12における応力の軸と呼ぶこともできる。
【0013】
複合物に関する故障事象の例には、点事象、線事象、および面事象が含まれる。本明細書で使用する「点事象」とは、サンプル12の或る特定の深さの単一の点における瞬間的なエネルギー放出を指す。点事象の限定的ではない例には、繊維の破断が含まれる。「線事象」という用語は、サンプル12の或る特定の深さの線に沿った瞬間的なエネルギー放出を指す。線事象の限定的ではない例には、或る線に沿ったエポキシマトリックスの割れが含まれる。「面事象」という用語は、サンプル12の或る特定の深さの面に沿った瞬間的なエネルギー放出を指す。面事象の限定的ではない例には、或る面におけるエポキシマトリックスの層間剥離が含まれる。
【0014】
図2に示す本発明の別の例示される実施形態において、図1で参照されたサンプル12における故障事象を位置特定するための例示的なシステム30が、示される。システム30は、X線源32と、サンプル12のX線イメージをキャプチャするように構成されたX線検出器34とを含む。また、システム30は、サンプル12における故障事象に対応する熱エネルギー放出を検出するように構成された赤外線カメラ36も含む。赤外線カメラ36の限定的ではない例には、センサの焦点面アレイが含まれる。赤外線カメラ36は、カメラ制御エレクトロニクス38によって操作されることが可能である。また、赤外線カメラ36は、サーマルイメージデータをカメラ制御エレクトロニクス38に出力するように構成されることも可能である。或る特定の実施形態では、赤外線カメラ36は、フレームメモリ40の中に記録される複数のフレーム内に熱エネルギー放出を記録する。限定的ではない実施例において、赤外線カメラ36は、毎秒約50フレーム乃至毎秒約250フレームの範囲内のフレームレートで動作するように構成される。X線検出器34は、熱エネルギー放出が記録される際、摺動して、赤外線カメラ36の視界から外れるように構成される。システム30は、サンプル12における故障事象に対応する音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ42をさらに含む。図示する実施例では、システム30は、2つのセンサを含む。或る特定の実施形態では、センサ42は、サンプル12の上面の上に乗せられることが可能である。センサ42の限定的ではない例には、トランスデューサが含まれる。センサ42は、故障事象のゼロ時間を検出するように構成される。
【0015】
センサ42は、検出された音響エネルギーに対応するデータをプロセッサ44に出力する。また、プロセッサ44は、カメラ制御エレクトロニクス38およびフレームメモリ40を制御して、フレームメモリ40の中に格納される、サンプル12の所定の数の連続するサーマルイメージフレームを獲得することも行う。また、プロセッサ44は、X線源32の動作を制御することもできる。一実施例では、プロセッサは、マイクロプロセッサである。また、X線検出器34も、サンプルのX線イメージなどのデータをプロセッサ44に出力する。プロセッサ44は、データをディスプレイモニタ46に出力するように構成される。データのいくつかの限定的ではない例には、サンプル12の表面温度プロファイル、アコースティックエミッションプロファイル、またはX線イメージが含まれる。また、フレームメモリ40が、サーマルイメージフレームをディスプレイモニタ46に出力することもできる。或る特定の実施形態では、センサ42と赤外線カメラ36は、共通の時間基準で同期される。プロセッサ44は、センサ42によって検出されたアコースティックエミッション事象時間を、赤外線カメラ36によって記録されたフレームのそれぞれのフレームと同期するように構成される。また、プロセッサ44は、X線イメージを、センサ42を使用して獲得された複数の音響データと、赤外線カメラ36を使用して獲得された複数のサーマルデータの少なくともいずれかと互いに関係付けるようにも構成される。或る特定の実施形態では、サンプル12は、サンプル12の、図1で参照された縦軸26に対して約0度乃至180度の範囲内の角度に向けられた複数のプライを含む。サンプル12の縦軸26は、サンプル12における応力の軸と呼ぶこともできる。故障事象のいくつかの限定的ではない例には、点事象、線事象、および面事象が含まれる。前述したとおり、点事象の一例は、繊維破断である。線事象の一例は、或る線に沿ったエポキシマトリックスの割れである。面事象の一例は、或る面におけるエポキシマトリックスの層間剥離である。
【0016】
図3は、図1および図2で参照した例示的な複合サンプル12を示す図である。或る特定の実施形態において、サンプル12は、サンプル12の、図1で参照した縦軸26に沿った向きにされたプライの層50を含む。層50は、0度のプライと呼ぶこともできる。0度のプライは、サンプル12の底面を形成する。縦軸26に対して反時計方向に−45度で、つまり、時計方向に135度に向けられた層52が、0度のプライ50の上に配置される。層52は、−45度のプライと呼ぶこともできる。さらに、縦軸26に対して90度の角度に向けられた層54が、−45度のプライ52の上に配置される。層54は、90度のプライと呼ぶことができる。縦軸26に対して45度の角度に向けられた層56が、90度のプライ54の上に配置されることが可能である。層56は、45度のプライと呼ぶことができる。
【0017】
図4は、サンプルにおける故障事象の位置および深さを検出するための方法70における例示的な段階を示す流れ図である。方法70は、段階72で、故障事象に対応する複数の音響信号を検出することを含む。或る特定の実施形態では、複数の音響信号を検出することは、リアルタイムで実行される。段階74で、ゼロ時間が、それらの音響信号に基づいて特定される。ゼロ時間は、故障事象の発生の開始時間に対応する。熱エネルギーは、赤外線カメラを介してサンプルの表面で、或る時間遅れの後に検出される。段階76で、サンプルの複数のサーマルイメージが、或る期間にわたって記録される。
【0018】
限定的ではない実施例において、サーマルイメージは、サンプルの表面上の分解能領域のサーマルイメージを含む。記録された分解能領域は、ピクセルに対応する。或る特定の実施形態では、サーマルイメージを記録する段階76は、それらのサーマルイメージの各イメージの中のピクセルの各ピクセルに関する個々のピクセル輝度を算出することから始まる複数の段階を含む。また、記録することは、各サーマルイメージに関する平均ピクセル輝度を算出することも含む。記録することは、個別のピクセルの輝度から平均ピクセル輝度を引いて、それらのサーマルイメージの各イメージのピクセルの各ピクセルに関するピクセルコントラストを得ることをさらに含む。表面温度−時間ピクセルコントラスト曲線が展開され、故障事象の深さがそのコントラスト曲線に基づいて算出される。或る実施例では、故障事象の深さを算出することは、コントラスト曲線における変曲点と、熱流特性時間との間の熱流関係式に基づく算出を含む。或る特定の実施形態では、音響信号を検出する段階72と、サーマルイメージを記録する段階76とは、同時に実行される。段階78で、故障事象の位置および深さに対応する、サンプルの表面温度プロファイルやアコースティックエミッションプロファイルなどの信号が、生成されることが可能である。また、方法70は、段階80で、その生成された信号から、故障事象の深さおよび位置を算出することも含む。
[実施例]
以下の実施例は、単に例示的であり、請求される発明の範囲を何ら限定するものと解釈されてはならない。
【0019】
図5は、図3で説明した複合サンプルにおいて或る期間にわたって記録された故障事象に対応する音響信号を表すグラフ90である。X軸92は、秒単位の時間を表す。Y軸94は、任意の単位の振幅を表す。ピーク96のそれぞれは、それぞれ、74.5秒付近、76.5秒付近、および77.2秒付近で変化する振幅を有する音響エネルギーのパルスの放出を示す。このため、それらのピークは、対応する測定時刻における新たな故障事象に対応する。
【0020】
図6は、図3に示したサンプルの表面温度−時間プロファイルを表すグラフ100である。X軸102は、秒単位の時間を表す。Y軸104は、任意の単位の、サンプルの表面の温度を表す。線106は、サンプルにおける故障事象のゼロ時間に対応する5.5秒付近のアコースティックエミッションを表す。曲線108は、同時に測定された表面の熱応答を表す。故障事象は、5.5秒付近で発生し、6.1秒付近に生じる変曲点110で、赤外線カメラを介して表面で検出されることが可能であることを見て取ることができる。したがって、故障事象が、表面で検出される際に、112によって参照される、約0.6秒の時間遅れが存在する。故障事象の深さは、以下によって与えられる、tlagで表される時間遅れと、深さ「d」との間の関係式から得ることができる。
【0021】
lag=C(d/πα)
ただし、αは、サンプルの熱拡散率であり、Cは、それぞれ、点故障事象、線故障事象、および面故障事象に関して大きさが変化する定数である。
【0022】
有益なことに、サンプルにおける故障事象を位置特定するための前述したシステムおよび方法は、故障事象の位置および深さを特定することができる。さらに、前述したX線検出器によってキャプチャされるX線イメージは、それぞれ、赤外線イメージングおよびアコースティックエミッション感知によって獲得される表面温度およびアコースティックエミッションプロファイルと互いに関係付けられて、サンプルにおける故障進展の完全な記述が提供されることが可能である。さらに、アコースティックエミッション感知は、故障事象がサンプルにおいて発生すると直ちに、故障事象の検出を可能にし、時間遅れを完全に無くす。
【0023】
本発明のいくつかの特徴だけを、図示し、本明細書で説明してきたが、多くの変形および変更が、当業者には想起されよう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨の範囲に含まれる、そのようなすべての変形および変更を範囲に含むことを意図するものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の諸実施形態による、サンプルにおける故障事象を位置特定するためのシステムを示す図である。
【図2】本発明の諸実施形態による、X線イメージングを含む、サンプルにおける故障事象を位置特定するための代替のシステムを示す図である。
【図3】故障事象に関して検査されるべき複合サンプルを示す概略図である。
【図4】サンプルにおける故障事象の位置および深さを検出する方法のための例示的な段階を示す流れ図である。
【図5】複合サンプルにおいて或る期間にわたって記録された故障事象に対応するアコースティックエミッション信号を表すグラフである。
【図6】故障事象に関して試験される合成サンプルの表面温度−時間プロファイルを表すグラフである。
【符号の説明】
【0025】
10、30 システム
12 サンプル
14、36 赤外線カメラ
16、38 カメラ制御エレクトロニクス
18、40 フレームメモリ
20、42 センサ
22、44 プロセッサ
24、46 ディスプレイモニタ
32 X線源
34 X線検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルにおける故障事象を位置特定するためのシステム(10)であって、
前記サンプル(12)における前記故障事象に対応する音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ(20)と、
前記サンプル(12)における前記故障事象に対応する熱エネルギー放出を検出するように構成された赤外線カメラ(14)とを含むシステム(10)。
【請求項2】
X線源(32)と、前記サンプル(12)のX線イメージをキャプチャするように構成されたデジタルX線検出器(34)とをさらに含み、前記X線イメージは、前記センサ(20)を使用して獲得された複数の音響データと、前記赤外線カメラ(14)を使用して獲得された複数の温度データの少なくともいずれかと互いに関係付けられる請求項1記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記故障事象は、点事象、線事象、および面事象の少なくとも1つを含む請求項1記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサ(20)は、ゼロ時間事象を検出するようにさらに構成され、前記赤外線カメラ(14)は、前記サンプル(12)における前記故障事象に対応する前記熱エネルギー放出を複数のフレーム内に記録する請求項1記載のシステム(10)であって、
前記フレームの少なくとも1つを前記ゼロ時間事象と互いに関係付けるための方法をさらに含むシステム(10)。
【請求項5】
前記赤外線カメラ(14)は、前記サンプル(12)における前記故障事象に対応する前記熱エネルギー放出を複数のフレーム内に記録する請求項1記載のシステム(10)であって、
前記センサ(20)によって検出された事象時間を前記フレームのそれぞれのフレームと同期するように構成されたプロセッサ(22)をさらに含むシステム(10)。
【請求項6】
サンプル(12)における故障事象を検出する方法(70)であって、
前記故障事象に対応する複数の音響信号を検出する段階(72)と、
前記音響信号に基づいてゼロ時間を特定する段階(74)と、
或る期間にわたって前記サンプルの複数のサーマルイメージを記録する段階(76)と、
前記故障事象の位置および深さに対応する信号を生成する段階(78)と、
前記生成された信号に基づいて前記故障事象の前記深さおよび前記位置を特定する段階(80)とを含む方法(70)。
【請求項7】
前記サーマルイメージは、前記サンプル(12)の表面上の分解能領域のサーマルイメージを含み、前記記録された分解能領域のそれぞれは、ピクセルに対応し、前記サーマルイメージを前記記録する段階は、
前記サーマルイメージの各イメージの中の前記ピクセルの各ピクセルに関する個別のピクセル輝度を算出する段階と、
各サーマルイメージに関する平均ピクセル輝度を算出する段階と、
前記個別のピクセルの前記輝度から前記平均ピクセル輝度を引いて、前記サーマルイメージの各イメージの前記ピクセルの各ピクセルに関するピクセルコントラストを得る段階と、
表面温度−時間ピクセルコントラスト曲線を展開する段階と、
前記コントラスト曲線に基づいて前記故障事象の深さを算出する段階とをさらに含む請求項6記載の方法(70)。
【請求項8】
前記故障事象の前記深さを算出する段階は、前記コントラスト曲線における変曲点と、熱流特性時間との間の熱流関係式に基づく算出を含む請求項6記載の方法(70)。
【請求項9】
サンプル(12)における故障事象を位置特定するためのシステム(30)であって、
前記サンプル(12)における前記故障事象に対応する音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサ(42)と、
前記サンプル(12)における前記故障事象に対応する熱エネルギー放出を検出するように構成された赤外線カメラ(36)と、
前記サンプルの少なくとも一部分に放射線を照射するように構成されたX線源(32)と、
前記サンプル(12)の少なくとも一部分の少なくとも1つのX線イメージをキャプチャするように構成されたデジタルX線検出器(34)とを含むシステム(30)。
【請求項10】
前記故障事象は、点事象、線事象、および面事象の少なくとも1つを含む請求項9記載のシステム(30)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−116451(P2008−116451A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281099(P2007−281099)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】