説明

買物支援プログラム、ショッピングカート、および買物支援方法

【課題】顧客の挙動に応じた適切な情報を提供する。
【解決手段】行動分析手段4により、センサ1a,1b,1cで検知された情報が取得され、行動パターン判定ルール記憶手段2から、取得した情報が満たしているセンサ条件を有する行動パターン判定ルールが検出される。そして、サービス提供手段5により、サービス処理記憶手段3から、行動分析手段4で判定された行動パターン判定ルールに対応する情報提供サービスの処理内容が取得され、取得した処理内容に従って表示装置1dを介した情報提供が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は店舗で買い物をする買い物客のための買物支援プログラム、ショッピングカート、および買物支援方法に関し、特にショッピングカートに対する操作を検知して買い物を支援する買物支援プログラム、ショッピングカート、および買物支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模なスーパーマーケットでは、顧客が欲しい商品を探すのに時間がかかることがある。そこで、一般的には、店内に商品の配置を示す案内板などを設置している。ただし、案内板では、全ての顧客に共通の情報を提供するのみであり、顧客の状況に応じた適切な情報を提供することはできない。
【0003】
そこで、最近は、ショッピングカートの位置を検出することで、顧客ごとに情報提供を行うシステムが考えられている。ショッピングカートの位置検出は、たとえば、ショッピングカートに電波を発信する装置を取り付け、それを売り場に設置したレシーバーでとらえることで可能となる。そして、ショッピングカートに情報端末を取り付けることにより、カートが移動した売り場に応じて、売り場の情報やおすすめ商品の情報などを提供することができる。さらに、ショッピングカートに距離センサや方向センサなどを取り付け、ナビゲーションシステムにより買い物客を目的の売り場に案内する技術もある(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−107183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では売り場までの経路を案内するのみであり、顧客の挙動に応じたきめ細かな情報を提供することは出来ない。
たとえば、特許文献1の技術では、売り場名などの目的地情報をあらかじめ入力する必要がある(特許文献1の段落[0015]参照)。そのため、購入すべき商品が決まっている場合にしか利用できない。ところが、スーパーマーケットで買い物をする顧客は、棚に陳列された商品を物色しながら、気に入ったものを探すことが多い。このような場合、顧客が知りたいのは売り場までの経路ではなく、現在物色している棚に陳列されている商品の詳細な情報である。また、顧客がゆっくりと移動しているときと、素早く移動しているときとでは、顧客が必要とする情報も異なってくる。たとえば、ゆっくり移動しているときは陳列された商品の情報を必要としていても、素早く移動しているときには、棚に陳列された商品種別のような概略的な情報が必要であるものと想定できる。
【0005】
このように、ショッピング中に顧客が知りたい情報は多岐に渡る。そのため、顧客の挙動を何らかの手段で判断し、顧客の心理を予想した上で適切な情報を提供できるシステムが望まれている。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、顧客の挙動に応じた適切な情報を提供可能な買物支援プログラム、ショッピングカート、および買物支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような買物支援プログラムが提供される。本発明に係る買物支援プログラムは、複数のセンサ1a,1b,1cと表示装置1dとが接続されたコンピュータを備えるショッピングカート1において顧客への情報提供を行うために、図1に示す機能をコンピュータに実行させることができる。
【0008】
行動パターン判定ルール記憶手段2は、顧客が所定の挙動を取ったときにセンサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶する。サービス処理記憶手段3には、行動パターン判定ルールに対応付けて、行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されている。行動分析手段4は、センサ1a,1b,1cで検知された情報を取得し、行動パターン判定ルール記憶手段2から、取得した情報が満たしているセンサ条件を有する行動パターン判定ルールを検出する。サービス提供手段5は、サービス処理記憶手段3から、行動分析手段4で判定された行動パターン判定ルールに対応する情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って表示装置1dを介した情報提供を実行する。
【0009】
このような買物支援プログラムをコンピュータに実行させれば、行動分析手段4により、センサ1a,1b,1cで検知された情報が取得され、行動パターン判定ルール記憶手段2から、取得した情報が満たしているセンサ条件を有する行動パターン判定ルールが検出される。そして、サービス提供手段5により、サービス処理記憶手段3から、行動分析手段4で判定された行動パターン判定ルールに対応する情報提供サービスの処理内容が取得され、取得した処理内容に従って表示装置1dを介した情報提供が実行される。
【0010】
また、上記課題を解決するために、情報提供機能を備えたショッピングカートにおいて、複数のセンサと、表示装置と、顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶する行動パターン判定ルール記憶手段と、前記行動パターン判定ルールに対応付けて、行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段と、前記センサで検知された情報を取得し、前記行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出する行動分析手段と、前記サービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行するサービス提供手段と、を有することを特徴とするショッピングカートが提供される。
【0011】
また、上記課題を解決するために、複数のセンサと表示装置とが接続されたコンピュータを備えるショッピングカートにおいて顧客への情報提供を行うための買物支援方法において、サービス処理記憶手段が、行動分析手段が、前記センサで検知された情報を取得し、顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶した行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出し、サービス提供手段が、前記行動パターン判定ルールに対応付けて行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行する、ことを特徴とする買物支援方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、ショッピングカートに取り付けられた複数のセンサで検知した情報に基づいて顧客の挙動を判定し、その挙動に対応する情報提供を実行するようにしたため、買い物客の行動状態に応じた情報提供サービスが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、発明の概要を示す図である。ショッピングカート1には、複数のセンサ1a,1b,1cが取り付けられている。たとえば、加速度センサ、位置検出センサ、タッチセンサなどである。また、ショッピングカート1には、表示装置1dが設けられている。センサ1a,1b,1cや表示装置1ではコンピュータに接続されており、コンピュータは行動パターン判定ルール記憶手段2、サービス処理記憶手段3、行動分析手段4、およびサービス提供手段5として機能する。
【0014】
行動パターン判定ルール記憶手段2は、顧客が所定の挙動を取ったときにセンサ1a,1b,1cから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶する。たとえば、行動パターン判定ルールでは、タッチセンサ(接触検出センサ)の出力ONであり、加速度センサの値から算出した速度が所定の速度閾値未満であれば、顧客が棚の商品を物色しているという挙動と判定することが定義されている。
【0015】
サービス処理記憶手段3には、行動パターン判定ルールに対応付けて、行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されている。たとえば、顧客が棚の商品を物色中であると判定された場合には、顧客の位置周辺の棚に並べられた商品の詳細情報を表示するための処理内容が定義されている。
【0016】
行動分析手段4は、センサ1a,1b,1cで検知された情報を取得し、行動パターン判定ルール記憶手段2から、取得した情報が満たしているセンサ条件を有する行動パターン判定ルールを検出する。
【0017】
サービス提供手段5は、サービス処理記憶手段3から、行動分析手段4で判定された行動パターン判定ルールに対応する情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って表示装置1dを介した情報提供を実行する。
【0018】
このような買物支援プログラムをコンピュータに実行させれば、行動分析手段4により、センサ1a,1b,1cで検知された情報が取得され、行動パターン判定ルール記憶手段2から、取得した情報が満たしているセンサ条件を有する行動パターン判定ルールが検出される。そして、サービス提供手段5により、サービス処理記憶手段3から、行動分析手段4で判定された行動パターン判定ルールに対応する情報提供サービスの処理内容が取得され、取得した処理内容に従って表示装置1dを介した情報提供が実行される。
【0019】
このように、ショッピングカート1に、ショッピングカート1の動きや顧客の接触状況を検出するセンサ1a,1b,1cを取り付けることで、現在位置(売り場)だけの情報に加え、カートの動き情報から買い物客の買い物行動状態を推測できる。そして、買い物行動状態から買い物思考状態を推測し、その買い物思考状態に応じたサービスを提供することができる。
【0020】
顧客の挙動に応じた情報提供サービスの内容としては、たとえば、以下のようなものが考えられる。
[位置と速度]ショッピングカート1に位置検出センサと速度検出センサを取り付ける。これにより、売り場間をすばやく移動する行動パターン、売り場間をゆっくり移動する行動パターンを検出する。売り場間をすばやく移動する行動パターンの場合は、移動途中の売り場に関する大まかな情報(たとえばチラシやセール広告など)を、目に留まるような表示(たとえば動画やフラッシュ、一商品表示、大きな文字など)で情報端末に提示し、売り場間をゆっくり移動する行動パターンの場合は、売り場に関する細かい情報(たとえばランキングや口コミ、レシピ、使い方、生産者・産地など)を提示する。
【0021】
[タッチセンサの出力がOFF]ショッピングカート1の持ち手部分にタッチセンサを取り付ける。これにより、両手を離して止まっている(タッチセンサがOFF)行動パターンを検出できる。この行動パターンの場合は、買い物かごをチェックしたり、商品棚に向かって商品を選んでいたりすると考えられる。そこで、現在の買い物状況(たとえばこれまでかごに入れた商品のリスト)を提示する。
【0022】
[タッチセンサの出力がOFF]ショッピングカート1の持ち手部分にタッチセンサを取り付ける。これにより、両手を離して止まっている(接触検出センサがOFF)行動パターンを検出し、この行動パターンの状態が一定期間以上続いた場合は、商品棚に向かってじっくりと商品を選んでいたり、ショッピングカートを置いて近くの売り場に商品を探しに行ったりしていると考えられるため、情報端末をOFFにする。
【0023】
[タッチセンサの出力がON]ショッピングカート1の持ち手部分にタッチセンサを取り付ける。これにより、一定期間、両手を離して止まった(タッチセンサがOFF)あと、戻ってきた(タッチセンサがON)行動パターンを検出する。この行動パターンの場合は、表示装置1dの電源をONにする。
【0024】
[速度と回転の組合せ]ショッピングカート1に速度検出センサと回転角度検出センサを取り付ける。これにより、売り場をうろうろしている行動パターン(ゆっくりの速度で、回転角度の変化が大きい)を検出する。この行動パターンの場合は、商品探しに役立つ情報(たとえば売り場地図や商品売り場検索)を提示する。
【0025】
[タッチセンサOFF、かつ速度あり]ショッピングカート1に速度検出センサとショッピングカート1の持ち手部分にタッチセンサとを取り付ける。これにより、ショッピングカート1に触れていないのにショッピングカート1が動いている(タッチセンサOFF、かつ速度あり)行動パターンを検出する。この行動の場合は、ショッピングカート1が動いていることを買い物客に通知する(たとえば画面全体をフラッシュさせる、音を出すなど)。
【0026】
[位置の履歴と左右のタッチセンサ]ショッピングカート1に位置検出センサとショッピングカートの持ち手部分に左右がわかるタッチセンサを取り付ける。これにより、位置の履歴からショッピングカート1の進行方向を同定し、さらに接触検出センサよりどちらの棚に注目しているか(左OFFかつ右ONなら右の棚、左ONかつ右OFFなら左の棚)が検出できる。そのため、より細かい位置の検出が行える。すなわち、売り場に関する情報に関して、顧客が注目している側の棚にポイントを絞った情報を提示する。
【0027】
このように、複数のセンサを用いて検出された情報に基づいて顧客の挙動を判断することで、従来では出来なかった詳細な情報提供が可能となる。すなわち、従来でも、ショッピングカートに位置検出装置と情報端末をとりつけ、カートが移動した売り場に応じて、売り場の情報やおすすめ商品の情報などを提供する仕組みが開発されている。ただし、この仕組みでは、売り場に応じた情報を提供するにとどまり、買い物客の買い物行動状態に応じた情報を提供することができない。本発明を用いれば、カートの位置情報に加えて、買い物客のショッピングカートを操作する情報を利用することで、買い物客の行動状態に応じたサービスの情報提供が可能になる。
【0028】
しかも、買い物プロセスは、最初から最後まで同じ状態ではない。すなわち、決まっている購買品を求めるときや、店舗内で情報を得ながら買うものを決めているとき、忘れ物がないかチェックしているときなどのように、さまざまな状態変化が起こっていると予想される。本発明を用いれば、顧客が迷っているときにはそれを助けるメニューを提示したり、人が混んでいて待っているようなときあるいはゆっくり買い物をしているようなときはさまざまな情報やプロモーションを提示したり、といった細かいサービスが可能になる。その結果、買い物客もスムーズな買い物ができ、店舗側も効率よく的確なプロモーションが行える。
【0029】
次に、本実施の形態の詳細を説明する。
図2は、本実施の形態のショッピングカートの外観図である。ショッピングカート10には、ショッピングカート10のフレーム11には、タイヤ12〜15やかご16が設けられている。フレーム11のハンドル部18には、情報端末装置21、2つのタッチセンサ22,23、ICカードリーダ24、およびバーコードリーダ28が取り付けられている。タイヤ14,15には、ブレーキ機構部25,26が設けられている。ブレーキ機構部25,26は、電気信号の制御によってタイヤ14,15にブレーキをかける。
【0030】
また、かご16の下には、棚17が設けられている。棚17には、制御装置100とRFID(Radio Frequency Identification)アンテナ27が設置されている。制御装置100は、情報端末装置21、タッチセンサ22,23、ICカードリーダ24、ブレーキ機構部25,26、RFIDアンテナ27、およびバーコードリーダ28に電気的に接続されている。制御装置100は、接続された機器を制御することにより、顧客に各種情報を提供する。情報端末装置21は、モニタと入力キーを備えている。
【0031】
図3は、本実施の形態に用いる制御装置のハードウェア構成例を示す図である。制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス100aを介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、サウンドカード104、入出力インタフェース106、ジャイロセンサ107、加速度センサ108、およびRFIDリーダ109が接続されている。
【0032】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0033】
サウンドカード104には、スピーカ29が接続されている。サウンドカード104は、CPUからの指示に従って音声データを電気信号に変換し、スピーカ29へ出力する。これにより、スピーカ29からは音声データに示される音声が出力される。
【0034】
入出力インタフェース106には、情報端末装置21、タッチセンサ22,23、ICカードリーダ24、ブレーキ機構部25,26、およびバーコードリーダ28が接続されている。入出力インタフェース106は、情報端末装置21、左側のタッチセンサ22、右側のタッチセンサ23、ICカードリーダ24、およびバーコードリーダ28から入力信号を受け取り、その信号で示される値をCPU101に伝える。また、入出力インタフェース106は、CPU101からの指示に従って、情報端末装置21に対して画像情報を出力したり、ブレーキのオンまたはオフを示す電気信号をブレーキ機構部25,26に対して出力したりする。
【0035】
ジャイロセンサ107は、回転の角速度(deg/sec)を検出するセンサである。ジャイロセンサ107は、角速度に応じた電圧の電気信号を出力するセンサ部と、その電気信号を角速度のデータに変換する演算部とで構成される。なお、角速度は、たとえば、回転時に発生するコリオリ力を利用して検出できる。ジャイロセンサ107は、検出した角速度を示すデータを、CPU101に伝える。
【0036】
加速度センサ108は、3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ108は、加速度に応じた電気信号を出力するセンサ部と、その電気信号を加速度のデータに変換する演算部とで構成される。加速度センサ108は、検出した加速度のデータを、CPU101に伝える。
【0037】
RFIDリーダ109には、RFIDアンテナ27が接続されている。RFIDリーダ109は、RFIDアンテナ27が受信した信号から周囲のRFIDタグに設定される識別情報を読み取る。そして、RFIDリーダ109は、読み取った識別情報をCPU101に伝える。
【0038】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
図4は、制御装置の処理機能を示すブロック図である。制御装置100は、行動パターン判定ルール記憶部110、サービス処理記憶部120、位置検出部131、ハンドル接触検出部132、方向検出部133、速度検出部134、認証部135、ログDB(データベース)136、行動パターン判定部140、サービス構築部150、表示制御部161、ブレーキ制御部162、メッセージ制御部163および売り場データ記憶部を有している。
【0039】
行動パターン判定ルール記憶部110は、各種センサなどから検出される情報に基づいて顧客の行動パターンを判定するためのルールを記憶する記憶装置である。たとえば、HDD103の記憶領域の一部が行動パターン判定ルール記憶部110として使用される。
【0040】
サービス処理記憶部120は、顧客の行動パターンに応じて、顧客に提供すべきサービスの内容を示す情報(サービスパターン)を記憶するための記憶装置である。たとえば、HDD103の記憶領域の一部がサービス処理記憶部120として使用される。
【0041】
また、サービス処理記憶部120には、サービスの提供に必要な各種データも保存されている。たとえば、スーパーマーケット内に設置された他の識別情報と、その棚に陳列された商品の商品番号とが対応付けて、サービス処理記憶部120に格納される。また、サービス処理記憶部120には、各商品の商品番号に対応付けて、商品の詳細情報(商品名、価格、特徴、宣伝文句など)が格納される。
【0042】
位置検出部131は、RFIDリーダ109から検出されたRFIDタグの識別情報(タグID)に基づいて、ショッピングカート10の所在エリアを判定する。具体的には、売り場データ記憶部170には、スーパーマーケット内の商品棚に取り付けられたRFIDタグのタグIDの組合せと、その組合せのタグIDが検出されたときの売り場のエリア番号との対応関係を示す売り場判定テーブルがあらかじめ登録されている。そして、位置検出部131は、RFIDリーダ109から、ショッピングカート10近くの複数のRFIDタグのタグIDを取得すると、売り場判定テーブルを参照し、取得したタグIDの組合せに基づいてショッピングカート10が置かれているエリアを特定する。位置検出部131は、特定したエリアの識別番号を、行動パターン判定部140に通知する。また、位置検出部131は、エリアの識別番号を特定するごとに、その識別番号と現在の時刻とを対応付けて、ログ情報としてログDB136に格納する。
【0043】
ハンドル接触検出部132は、タッチセンサ23,24からのON/OFF信号の入力を受け付ける。そして、ハンドル接触検出部132は、左右2つのタッチセンサ22,23それぞれの状態を示すデータを、行動パターン判定部140に通知する。また、ハンドル接触検出部132は、タッチセンサ22,23の状態が変化すると、変化後の状態のそのときの時刻とを対応付けて、ログDB136にログ情報を格納する。
【0044】
方向検出部133は、ジャイロセンサ107から出力される信号に基づいて、ショッピングカート10の向きを検出する。具体的には、方向検出部133は、ジャイロセンサ107から出力される信号に応じて角速度を決定する。なお、出力される信号と角速度との関係は、関数または対応表としてあらかじめ方向検出部133に登録されている。そして、方向検出部133は、算出した角速度を回転角度データとして行動パターン判定部140に通知する。また、方向検出部133は、角速度を算出するごとに、回転角度データと現在の時刻とを含むログ情報をログDB136に格納する。
【0045】
速度検出部134は、加速度センサ108からの信号に基づいて、水平方向2軸の速度を検出する。具体的には、速度検出部134は、加速度センサ108から出力される信号から加速度を求める。信号と加速度との関係は、関数または対応表としてあらかじめ速度検出部134に登録されている。次に、速度検出部134は、加速度に基づいて、各軸方向の速度を算出する。そして、速度検出部134は、算出した速度を示す速度データを、行動パターン判定部140に通知する。また、速度検出部134は、加速度を検出するごとに、加速度データと現在の時刻とを含むログ情報をログDB136に格納する。
【0046】
認証部135は、ICカードリーダ24がICカードから読み取ったデータを受け取る。そして、受け取ったデータに基づいてユーザ認証処理を行う。たとえば、認証部135は、ショッピングカート10の使用開始時に、顧客の所有するICカードから顧客コードなどの認証情報を読み取り保持する。その後、一時的に顧客がショッピングカート10から離れ、再度ショッピングカート10の使用を開始する場合に、認証部135は顧客の所有するICカードから認証情報を読み取り、同一顧客であることを判断する。そして、認証部135は、認証処理の結果を行動パターン判定部140に通知する。また、認証部135は、認証結果と現在の時刻とをログ情報としてログDB136に格納する。
【0047】
行動パターン判定部140は、位置検出部131、ハンドル接触検出部132、方向検出部133、速度検出部134、および認証部135から入力された情報を元に、現在の顧客の挙動が、あらかじめ用意された行動パターンのどれに該当するのかを判定する。具体的には、行動パターン判定部140は、入力された情報の内容と行動パターン判定ルール記憶部110内の行動パターン判定ルールとを比較し、該当する行動パターンの行動パターンIDを判定する。そして、行動パターン判定部140は、判定によって得られた行動パターンIDをサービス構築部150に渡す。
【0048】
サービス構築部150は、受け取った行動パターンIDに応じたサービスを実行する。具体的には、サービス構築部150は、サービス処理記憶部120を参照し、行動パターンIDに対応付けて定義されているサービスの内容を判断する。そして、サービス構築部150は、サービスの内容が情報端末装置への情報の表示であれば、表示内容を表示制御部161に伝える。また、サービス構築部150は、サービスの内容がショッピングカート10のブレーキ操作であれば、ブレーキ操作の指示(ブレーキ実施、またはブレーキの解除)をブレーキ制御部162に伝える。さらに、サービス構築部150は、サービスの内容が音声出力であれば、音声出力の指示をメッセージ制御部163に伝える。
【0049】
表示制御部161は、サービス構築部150からの指示に応じて、情報端末装置21にメッセージなどの情報を表示させる。
ブレーキ制御部162は、サービス構築部150からの指示に応じてブレーキ機構部25,26を制御し、ショッピングカート10のブレーキ操作を行う。
【0050】
メッセージ制御部163は、サービス構築部150からの指示に応じて、スピーカ29から音声を出力させる。
売り場データ記憶部170は、売り場内の棚や商品に関する情報を記憶する記憶装置である。たとえば、HDD103の記憶領域の一部が売り場データ記憶部170として使用される。
【0051】
このような構成の制御装置100によって、顧客の挙動に応じた適切なサービスを提供することができる。なお、顧客の挙動を示す情報のうち、ショッピングカート10の速度データについては加速度に基づく演算処理によって求められる。そこで、サービス提供の詳細を説明する前に、速度の算出方法について説明する。
【0052】
図5は、速度算出処理の手順を示すフローチャートである。以下、図5に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]速度検出部134は、加速度センサ108から加速度データを取得する。
【0053】
[ステップS12]速度検出部134は、加速度データに現在の時刻を付加して、ログDB136に書き込む。
[ステップS13]速度検出部134は、一定時間(たとえば、前回の速度測定からの経過時間)の間の平均加速度を計算する。
【0054】
[ステップS14]速度検出部134は、ステップS13で計算した平均加速度に基づいて、前回の速度計測からの経過時間分の平均加速度を時間で積分する。これにより、前回の速度計測時からの速度の変化量が求められる。
【0055】
[ステップS15]速度検出部134は、前回計測した速度に対して、ステップS14で算出した速度の変化量を加算する。
[ステップS16]速度検出部134は、速度データを行動パターン判定部140に対して送信する。
【0056】
このようにして、加速度から速度を求めることができる。
次に、顧客の高度パターンに応じたサービスの提供方法を具体的に説明する。
図6は、行動パターン判定ルール記憶部のデータ構造例を示す図である。行動パターン判定ルール記憶部110には、行動パターン名、優先順位、行動パターンID、センサ条件、センサ状態最低継続時間、およびサービス維持時間の欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報が互いに関連付けられ、行動パターン判定ルールを構成している。
【0057】
行動パターン名の欄には、行動パターンの名称(行動パターン名)が設定されている。
優先順位の欄には、判定の優先順位が設定されている。すなわち、同時に複数の行動パターン判定ルールのセンサ条件を満たした場合、優先順位の高い(値が小さい)方が適用される。なお、優先順位が設定されていない行動パターン判定ルールは、他の行動パターン判定ルールが満たされているかどうかに関係なく適用される。
【0058】
行動パターンIDの欄には、行動パターンの識別情報(行動パターンID)が設定されている。
センサ条件の欄には、該当する行動パターンと判定するためのセンサの条件が設定されている。「素早く移動」と判定するためのセンサ条件は、ショッピングカート10の速度が、あらかじめ設定された速度閾値よりも速いことである。「ゆっくり移動」と判定するためのセンサ条件は、ショッピングカート10の速度が、あらかじめ設定された速度閾値より遅いことである。「停止中」と判定するためのセンサ条件は、タッチセンサがOFFである時間が、あらかじめ設定されたタッチセンサOFF時間閾値より長いことである。「物色終了」と判定するためのセンサ条件は、パターン#4またはパターン#5の行動パターンに応じたサービス実施後にタッチセンサがONになること、あるいは顧客認証に成功することである。「売り場を探している」と判定するためのセンサ条件は、ショッピングカート10の速度が速度閾値より遅く、所定時間内の回転角度の絶対値があらかじめ設定された回転角度閾値より大きいことである。「無人で移動」と判定するためのセンサ条件は、ショッピングカート10の速度が0であり、かつタッチセンサがOFFの場合である。「横の棚物色中」と判定するためのセンサ条件は、一方のタッチセンサのみONの場合である。
【0059】
センサ状態最低継続時間の欄には、該当する行動パターンと判定するために、センサ条件を継続して満たしているべき時間(センサ状態最低継続時間)が設定されている。たとえば、センサ状態最低継続時間が2秒であれば、対応するセンサ条件が継続して2秒間満たされている必要がある。なお、センサ状態最低継続時間が0秒の場合、センサ条件を瞬間的に満たしていればよい。
【0060】
サービス維持時間の欄には、該当する行動パターンのサービスを実施したときに、そのサービスを継続して実施する最小限の時間(サービス維持時間)が設定されている。すなわち、サービスが実行されると、サービス維持時間を経過するまでは、他のサービスに移行することはない。これにより、短時間で何度もサービスが切り替わるという事態を防止できる。
【0061】
次に、サービス処理記憶部120の内容について説明する。
図7は、サービス処理記憶部のデータ構造例を示す図である。サービス処理記憶部120には、行動パターン名、行動パターンID、およびサービスの欄が設けられている。各欄の横方向に並べられた情報が互いに関連付けられ、サービス情報を構成している。
【0062】
行動パターン名の欄には、サービス情報に対応する行動パターンの名称が設定される。行動パターンIDの欄には、サービス情報に対応する行動パターンの行動パターンIDが設定される。
【0063】
サービスの欄には、行動パターンに対するサービスの内容が設定される。なお、図7では、説明のためにサービス内容が文章で示されているが、実際にはスクリプトやプログラムなどの所定の記述形式によって実施すべきサービスの内容が定義されている。
【0064】
たとえば、「素早く移動」と判定された場合、画面に注目していないと考えられるため、派手なひきつける表示をする。具体的には、売り場の商品や操作メニューを、アニメーションやフラッシュなど派手なモーションにより表示し、必要に応じて音を利用して注意を促す。また、素早く移動しているときはある目的をもって行動していることも考えられるため、一般的な情報(その売り場の商品や操作メニューなど)を提示してもよい。
【0065】
「ゆっくり移動」と判定された場合、購入しようとする意識が高く、少し詳細な情報を、ユーザが能動的に必要としていると考えられる。そのため、売り場に関する細かい情報(たとえばランキングや口コミ、レシピ、使い方、生産者・産地など)や買い物リスト、地図、チラシなどを表示する。その際、ユーザとやり取りしながら画面を切り替えるようなインタラクションを含んだ表示方法により表示する。
【0066】
「停止中」と判定された場合、買い物かごをチェックしたり、商品棚に向かって商品を選んでいたりすると考えられる。そのため、現在の買い物状況(たとえばこれまでかごに入れた商品のリスト)を提示する。
【0067】
「物色中」と判定された場合、商品棚に向かってじっくりと商品を選んでいたり、ショッピングカートをおいて近くの売り場に商品を探しに行ったりしていると考えられる。そこで、パターン#4では情報端末装置の電源をOFFにする。また、物色中の場合、ショッピングカートから離れていることも想定できる。そこで、パターン#5では、情報が盗まれるのを防ぐために情報端末装置の画面にロックをかける。ロックをかけられた情報端末装置は、解除操作が行われるまで操作入力を受け付けない。
【0068】
「物色終了」と判定された場合、情報端末装置の電源がOFFにされていれば、その電源をONにする。また、情報端末装置がロックされていれば、そのロックを解除する。
「迷走中」と判定された場合、商品や売り場を探していると考えられる。そこで、商品探しに役立つ情報(たとえば売り場地図や商品売り場検索)が表示される。
【0069】
「無人移動発生」と判定された場合、少し傾きのあるところにカートが置かれたり、子どもが持ち手以外の部分を触っていたりして、カートが動くことが考えられる。そこで、ショッピングカート10が動いていることを買い物客に通知する(たとえば画面全体をフラッシュさせる、音を出すなど)とともに、ショッピングカート10にブレーキがかけられる。
【0070】
「横の棚物色中」と判定された場合、片手を離して商品を選んでいると考えられる。そこで、手が離されている方の棚に陳列された商品に関する情報を表示する。
次に、売り場データ記憶部170にあらかじめ記憶された情報について説明する。
【0071】
図8は、売り場データ記憶部内の情報を示す図である。売り場データ記憶部170には、売り場データ判定テーブル171、棚管理テーブル172、商品情報テーブル173、および棚配置テーブル174が設けられている。売り場判定テーブル171は、棚に設置されたRFIDタグと、売り場と対応関係が登録されたデータテーブルである。棚管理テーブル172は、売り場、棚、その棚に陳列された商品種別の対応関係が登録されたデータテーブルである。商品情報テーブル173は、各商品の商品種別などの詳細情報が登録されたデータテーブルである。棚配置テーブル174は、顧客の移動方向に対する左右の棚の配置を示すデータテーブルである。
【0072】
図9は、売り場判定テーブルのデータ構造例を示す図である。売り場判定テーブル171には、売り場IDとタグIDとの欄が設けられている。
売り場IDの欄には、フロアを複数の売り場に区切ったときの各売り場の識別情報が設定される。タグIDの欄には、対応する売り場にショッピングカート10が存在するときに検出される1以上のRFIDタグの識別番号(タグID)が設定される。
【0073】
図9に示すように、タフIDの欄には、複数のタグIDが設定されている。これにより、売り場の境界付近に設置指された棚のRFIDタグの情報を、隣の売り場から読み取り可能であっても、他のRFIDの読み取り状況に基づいてショッピングカート10が置かれた売り場を正しく判定できる。
【0074】
図10は、棚管理テーブルのデータ構造例を示す図である。棚管理テーブル172には、売り場ID、棚ID、商品種別IDの欄が設けられている。
売り場IDの欄には、棚が配置された売り場の識別番号(売り場ID)が設定される。棚IDの欄には、対応する売り場に配置された棚の識別番号(棚ID)が設定される。商品種別IDの欄には、対応する棚に陳列された商品種別を示す識別番号(商品種別ID)が設定される。
【0075】
このような棚管理テーブル172により、売り場が特定できれば、その売り場に配置された棚と、その棚に陳列された商品の商品種別とが判別できる。
図11は、商品情報テーブルのデータ構造例を示す図である。商品情報テーブル173には、商品ID、商品種別ID、値段、および詳細情報の欄が設けられている。
【0076】
商品IDの欄には、商品の識別情報(商品ID)が設定される。商品種別IDの欄には、対応する商品の商品種別の識別番号(商品種別ID)が設定される。値段の欄には、商品の値段が設定される。詳細情報の欄には、商品の詳細情報を表示するためのデータ(たとえば、情報端末装置21に表示可能なHTMLデータ)の格納場所およびファイル名を示す情報が設定される。
【0077】
このような商品情報テーブル173により、たとえば、商品種別IDに基づいて、その商品種別に該当する商品を特定できる。また、商品IDに基づいて、その商品の値段や詳細情報を示すファイルを特定できる。
【0078】
図12は、棚配置テーブルのデータ構造例を示す図である。棚配置テーブル174には、移動前の売り場、移動後の売り場、左側の棚、および右側の棚の欄が設けられている。
移動前の売り場の欄には、隣接する売り場間を移動する際の移動前の売り場の売り場IDが設定される。移動後の売り場の欄には、隣接する売り場間を移動する際の移動後の売り場の売り場IDが設定される。左側の棚の欄には、移動前の売り場から移動後の売り場で移動した場合に、移動後の売り場内で左側に配置された棚の棚IDが設定される。右側の棚の欄には、移動前の売り場から移動後の売り場で移動した場合に、移動後の売り場内で右側に配置された棚の棚IDが設定される。
【0079】
このような棚配置テーブル174に基づいて、ショッピングカート10の移動経路に対応する左側の棚、または右側の棚を特定することができる。
以上のような情報に基づいて、行動パターンの判定および行動パターンに応じたサービスの提供が行われる。ここで、行動パターン情報のうち優先順位が示されているものについては、優先順に沿った順番で行動パターン判定ルールに合致するか否かの判定が行われる。
【0080】
図13は、行動パターン判定手順の概略を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が0以外であり、かつタッチセンサ22,23への接触が検出されたか否かを判断する。この条件が満たされた場合、処理がステップS22に進められる。条件が満たされていなければ、処理がステップS23に進められる。
【0081】
[ステップS22]サービス構築部150は、パターン#10の処理を開始する。すなわち、サービス構築部150は、無人でショッピングカート10が移動していることを通知する処理を行う。その後、処理が終了する。
【0082】
[ステップS23]行動パターン判定部140は、速度が0であり、かつタッチセンサ22,23への接触が検出されたか否かを判断する。この条件が満たされていれば、処理がステップS24に進められる。条件が満たされていなければ、処理がステップS25に進められる。
【0083】
[ステップS24]サービス構築部150は、パターン#3の処理を開始する。すなわち、サービス構築部150は、現在の買い物状況を表示する。なお、現在の買い物状況は、顧客がバーコードリーダ28によって読み取らせた商品の商品番号に基づいて判断される。すなわち、顧客は、バーコードリーダ28を用いて商品の商品番号を読み取らせた後、かご16に商品を入れる。サービス構築部150は、商品情報テーブル173から、顧客が入力した商品番号に対応する商品情報(商品の値段など)を取得し、取得した商品情報を情報端末装置21の画面に表示する。その後、処理が終了する。
【0084】
[ステップS25]行動パターン判定部140は、パターン#4,#5の処理後であり、かつタッチセンサ22,23への接触が検出されたか否かを判断する。この条件が満たされていれば、処理がステップS26に進められる。条件が満たされていなければ、処理がステップS27に進められる。
【0085】
[ステップS26]サービス構築部150は、パターン#6またはパターン#7の処理を開始する。なお、どちらのパターンが実行されるのかは、情報端末装置の状態に応じて決定される。パターン#4が実行されることにより情報端末装置21の電源がOFFになっていれば、パターン#6に従って情報端末装置21に電源が投入される。パターン#5が実行されることにより情報端末装置21のキー操作の入力受け付けがロックされていれば、パターン#7に従ってロックが解除される。その後、処理が終了する。
【0086】
[ステップS27]行動パターン判定部140は、タッチセンサ22,23への接触が検出されていない(タッチセンサの出力がOFF)か否かを判断する。この条件が満たされていれば、処理がステップS28に進められる。条件が満たされていなければ、処理がステップS31に進められる。
【0087】
[ステップS28]行動パターン判定部140は、タッチセンサ22,23から出力がOFFになってからの経過時間が、あらかじめ設定された非接触経過時間閾値より小さいか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS29に進められる。この条件が満たされなければ、処理がステップS30に進められる。なお、非接触の時間測定は、ログDB136にハンドル接触検出部132が登録したログ情報を参照することで判断できる。
【0088】
[ステップS29]サービス構築部150は、パターン#3の処理を開始する。すなわち、サービス構築部150は、かご16に入っている商品の情報を表示する。その後、処理が終了する。
【0089】
[ステップS30]サービス構築部150は、パターン#4またはパターン#5の処理を実行する。パターン#4を実行する場合、情報端末装置21の電源がOFFに制御される。また、パターン#5を実行する場合、情報端末装置21におけるキー操作の入力の受け付けがロックされる。なお、本実施の形態では、優先順位の高いパターンを実行するものとする。図6に示した優先順位に従えば、パターン#4が実行される。その後、処理が終了する。
【0090】
[ステップS31]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が、あらかじめ設定された速度閾値よりも大きいか否かを判断する。この条件が満たされていれば、処理がステップS32に進められる。条件が満たされていなければ、処理がステップS33に進められる。
【0091】
[ステップS32]サービス構築部150は、パターン#1の処理を開始する。すなわち、サービス構築部150は、派手な動画を情報端末装置21に表示させたり、音声による案内などを行う。その後、処理が終了する。
【0092】
[ステップS33]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が、速度閾値より小さく、かつ所定時間内の回転角度の絶対値が回転角度閾値より大きいか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS34に進められる。条件が満たされなければ、処理がステップS35に進められる。
【0093】
[ステップS34]サービス構築部150は、パターン#9の処理の実行を開始する。すなわち、サービス構築部150は、商品探しに役立つ情報を情報端末装置21に表示する。その後、処理が終了する。
【0094】
[ステップS35]行動パターン判定部140は、速度が速度閾値より小さいか否かを判断する。この条件が満たされていれば、処理がステップS36に進められる。条件が満たされていなければ、処理が終了する。
【0095】
[ステップS36]サービス構築部150は、パターン#2の処理を開始する。すなわち、サービス構築部150は、顧客からの情報端末装置21に対する操作入力に応答して、売り場に関する細かい情報を情報端末装置21に表示する。その後、処理が終了する。
【0096】
以上のようにして、優先順位が定められた各行動パターンから、サービスを実行する行動パターンが決定される。
なお、図13の処理は、優先順位に応じた行動パターン選択手順を概略的に示したものであり、詳細には、センサ状態切替時間やサービス維持時間を考慮した上で、行動パターンに応じたサービス実行の適否が判断される。そこで、以下に、提供するサービスを決定するための詳細な手順を説明する。なお、以下の処理は、所定の時間間隔(たとえば1秒間隔)で定期的に実行される。
【0097】
図14は、サービス提供手順を示す第1のフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]行動パターン判定部140は、各種センサデータを取得する。
【0098】
[ステップS42]行動パターン判定部140は、サービス経過時間を算出する。具体的には、行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を保持している。サービス開始時刻は、現在実行されているサービスを開始した時刻である。そこで、行動パターン判定部140は、現在の時刻とサービス開始時刻との差を計算することで、サービス経過時間を算出する。
【0099】
[ステップS43]行動パターン判定部140は、現在提供されているサービスのサービス経過時間(現行サービス維持時間)が、該当するサービスのサービス維持時間より長いか否かを判断する。なお、現行サービス維持時間は、現行のサービスが開始された際に、行動パターン判定部140内に保持されている。サービス経過時間の方が長ければ、処理がステップS44に進められる。サービス経過時間がサービス維持時間に達していなければ、サービスの切替は行わずに処理が終了する。
【0100】
[ステップS44]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が0ではなく、かつタッチセンサ22,23からの接触状況を示す信号がOFFであるという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS45に進められる。この条件が満たされなければ、処理がステップS61(図15参照)に進められる。
【0101】
[ステップS45]行動パターン判定部140は、前回の行動パターン判定処理の結果判定された行動パターンのパターンID(判定パターンID)を取り出し、センサ持続時間を算出する。具体的には、行動パターン判定部140は、前回の行動パターン判定処理において判定された行動パターンのパターンIDと、その行動パターンと判定したときの時刻(判定結果変更時刻)を保持している。そして、行動パターン判定部140は、取得した判定結果変更時刻から現在の時刻までの経過時間をセンサ持続時間とする。
【0102】
[ステップS46]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#10か否かを判断する。すなわち、前回の行動パターン判定処理においてもパターン#10の行動パターンと判定されたか否かが判定される。判定パターンIDがパターン#10であれば、処理がステップS49に進められる。判定パターンIDがパターン#10以外であれば、処理がステップS47に進められる。
【0103】
[ステップS47]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#10とする。
[ステップS48]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0104】
[ステップS49]行動パターン判定部140は、ステップS45で算出したセンサ持続時間が、パターン#10のセンサ状態最低継続時間よりも長いか否かを判断する。なお、センサ状態最低継続時間は、行動パターン判定ルール記憶部110から取得できる。センサ持続時間の方が長ければ、処理がステップS50に進められる。センサ持続時間がセンサ状態最低継続時間に達していなければ、処理が終了する。
【0105】
[ステップS50]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#10の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、スピーカ29から警告のメッセージを音声出力したり、情報端末装置21に警告のメッセージを表示したり、ショッピングカート10にブレーキをかけるといった処理を行う。
【0106】
[ステップS51]行動パターン判定部140は、現行サービス維持時間を更新する。具体的には、行動パターン判定部140は、行動パターン判定ルール記憶部110からパターン#10のサービス維持時間を取得し、その値を現行サービス維持時間に設定する。
【0107】
[ステップS52]行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を初期化する。具体的には、行動パターン判定部140は、現在の時刻をサービス開始時刻に設定する。ただし、今回の判定以前よりパターン#10のサービスを行っていた場合には、サービス開始時刻の初期化は行われない。その後、処理が終了する。
【0108】
図15は、サービス提供手順を示す第2のフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS61]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が0であり、かつタッチセンサ22,23からの接触状況を示す信号がONであるという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS62に進められる。この条件が満たされなければ、処理がステップS71(図16参照)に進められる。
【0109】
[ステップS62]行動パターン判定部140は、判定パターンIDを取り出し、センサ持続時間を算出する。
[ステップS63]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#3か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#3であれば、処理がステップS66に進められる。判定パターンIDがパターン#3以外であれば、処理がステップS64に進められる。
【0110】
[ステップS64]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#3とする。
[ステップS65]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0111】
[ステップS66]行動パターン判定部140は、ステップS62で算出したセンサ持続時間が、パターン#3のセンサ状態最低継続時間よりも長いか否かを判断する。センサ持続時間の方が長ければ、処理がステップS67に進められる。センサ持続時間がセンサ状態最低継続時間に達していなければ、処理が終了する。
【0112】
[ステップS67]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#3の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、現在の買い物状況を情報端末装置21に表示させる処理を行う。
【0113】
[ステップS68]行動パターン判定部140は、現行サービス維持時間を更新する。具体的には、行動パターン判定部140は、行動パターン判定ルール記憶部110からパターン#3のサービス維持時間を取得し、その値を現行サービス維持時間に設定する。
【0114】
[ステップS69]行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を初期化する。具体的には、行動パターン判定部140は、現在の時刻をサービス開始時刻に設定する。ただし、今回の判定以前よりパターン#3のサービスを行っていた場合には、サービス開始時刻の初期化は行われない。その後、処理が終了する。
【0115】
図16は、サービス提供手順を示す第3のフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS71]行動パターン判定部140は、パターン#4またはパターン#5の処理後であり、かつタッチセンサ22,23からの接触状況を示す信号がONであるという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS72に進められる。この条件が満たされなければ、処理がステップS81(図17参照)に進められる。
【0116】
[ステップS72]行動パターン判定部140は、判定パターンIDを取り出し、センサ持続時間を算出する。
[ステップS73]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#4か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#4であれば、処理がステップS74に進められる。判定パターンIDがパターン#4以外であれば、処理がステップS76に進められる。
【0117】
[ステップS74]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#6の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、情報端末装置21に電源を投入する。
【0118】
[ステップS75]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#6とする。その後、処理がステップS79に進められる。
[ステップS76]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#5か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#5であれば、処理がステップS77に進められる。判定パターンIDがパターン#5以外であれば、処理が終了する。
【0119】
[ステップS77]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#7の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、情報端末装置21のキー操作入力のロック状態を解除する。
【0120】
[ステップS78]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#7とする。
[ステップS79]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0121】
図17は、サービス提供手順を示す第4のフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS81]行動パターン判定部140は、タッチセンサ22,23からの接触状況を示す信号がOFFであるという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS82に進められる。この条件が満たされなければ、処理がステップS101(図18参照)に進められる。
【0122】
[ステップS82]行動パターン判定部140は、タッチセンサがOFFになってからの経過時間(ログDB136を参照して判定)が、タッチOFF最低経過時間(パターン#4,#5のセンサ状態最低継続時間)より長いか否かを判断する。タッチOFF最低経過時間を超えている場合、処理がステップS83に進められる。タッチOFF最低経過時間を超えていない場合、処理がステップS85に進められる。
【0123】
[ステップS83]行動パターン判定部140は、パターン#4、または#5のサービスを実行する。
[ステップS84]行動パターン判定部140は、判定パターンIDを、ステップS83で実行した処理のパターンID(パターン#4または#5)とする。その後、処理がステップS88に進められる。
【0124】
[ステップS85]行動パターン判定部140は、判定パターンIDを取り出し、センサ持続時間を算出する。
[ステップS86]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#3か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#3であれば、処理がステップS89に進められる。判定パターンIDがパターン#3以外であれば、処理がステップS87に進められる。
【0125】
[ステップS87]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#3とする。
[ステップS88]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0126】
[ステップS89]行動パターン判定部140は、ステップS85で算出したセンサ持続時間が、パターン#3のセンサ状態最低継続時間よりも長いか否かを判断する。センサ持続時間の方が長ければ、処理がステップS90に進められる。センサ持続時間がセンサ状態最低継続時間に達していなければ、処理が終了する。
【0127】
[ステップS90]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#3の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、現在の買い物状況を情報端末装置21に表示させる処理を行う。
【0128】
[ステップS91]行動パターン判定部140は、現行サービス維持時間を更新する。具体的には、行動パターン判定部140は、行動パターン判定ルール記憶部110からパターン#3のサービス維持時間を取得し、その値を現行サービス維持時間に設定する。
【0129】
[ステップS92]行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を初期化する。具体的には、行動パターン判定部140は、現在の時刻をサービス開始時刻に設定する。ただし、今回の判定以前よりパターン#3のサービスを行っていた場合には、サービス開始時刻の初期化は行われない。その後、処理が終了する。
【0130】
図18は、サービス提供手順を示す第5のフローチャートである。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が速度閾値より速いという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS102に進められる。この条件が満たされなければ、処理がステップS111(図19参照)に進められる。
【0131】
[ステップS102]行動パターン判定部140は、判定パターンIDを取り出し、センサ持続時間を算出する。
[ステップS103]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#1か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#1であれば、処理がステップS106に進められる。判定パターンIDがパターン#1以外であれば、処理がステップS104に進められる。
【0132】
[ステップS104]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#1とする。
[ステップS105]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0133】
[ステップS106]行動パターン判定部140は、ステップS102で算出したセンサ持続時間が、パターン#1のセンサ状態最低継続時間よりも長いか否かを判断する。センサ持続時間の方が長ければ、処理がステップS107に進められる。センサ持続時間がセンサ状態最低継続時間に達していなければ、処理が終了する。
【0134】
[ステップS107]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#1の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、情報端末装置21に派手な動画表示を行ったり、スピーカ29から音声で注意を促すといったサービスを実行する。
【0135】
[ステップS108]行動パターン判定部140は、現行サービス維持時間を更新する。具体的には、行動パターン判定部140は、行動パターン判定ルール記憶部110からパターン#1のサービス維持時間を取得し、その値を現行サービス維持時間に設定する。
【0136】
[ステップS109]行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を初期化する。具体的には、行動パターン判定部140は、現在の時刻をサービス開始時刻に設定する。ただし、今回の判定以前よりパターン#1のサービスを行っていた場合には、サービス開始時刻の初期化は行われない。その後、処理が終了する。
【0137】
図19は、サービス提供手順を示す第6のフローチャートである。以下、図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS111]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が速度閾値より遅く、かつ回転角度の絶対値が回転角度閾値より大きいという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS112に進められる。この条件が満たされなければ、処理がステップS121(図20参照)に進められる。
【0138】
[ステップS112]行動パターン判定部140は、判定パターンIDを取り出し、センサ持続時間を算出する。
[ステップS113]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#9か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#9であれば、処理がステップS116に進められる。判定パターンIDがパターン#9以外であれば、処理がステップS114に進められる。
【0139】
[ステップS114]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#9とする。
[ステップS115]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0140】
[ステップS116]行動パターン判定部140は、ステップS112で算出したセンサ持続時間が、パターン#9のセンサ状態最低継続時間よりも長いか否かを判断する。センサ持続時間の方が長ければ、処理がステップS117に進められる。センサ持続時間がセンサ状態最低継続時間に達していなければ、処理が終了する。
【0141】
[ステップS117]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#9の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、売り場の地図を表示するなどの商品探しに役立つ情報を情報端末装置21に表示する。
【0142】
[ステップS118]行動パターン判定部140は、現行サービス維持時間を更新する。具体的には、行動パターン判定部140は、行動パターン判定ルール記憶部110からパターン#9のサービス維持時間を取得し、その値を現行サービス維持時間に設定する。
【0143】
[ステップS119]行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を初期化する。具体的には、行動パターン判定部140は、現在の時刻をサービス開始時刻に設定する。ただし、今回の判定以前よりパターン#9のサービスを行っていた場合には、サービス開始時刻の初期化は行われない。その後、処理が終了する。
【0144】
図20は、サービス提供手順を示す第7のフローチャートである。以下、図20に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS121]行動パターン判定部140は、ショッピングカート10の速度が速度閾値より遅いという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS122に進められる。この条件が満たされなければ、処理が終了する。
【0145】
[ステップS122]行動パターン判定部140は、判定パターンIDを取り出し、センサ持続時間を算出する。
[ステップS123]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#2か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#2であれば、処理がステップS126に進められる。判定パターンIDがパターン#2以外であれば、処理がステップS124に進められる。
【0146】
[ステップS124]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#2とする。
[ステップS125]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0147】
[ステップS126]行動パターン判定部140は、ステップS122で算出したセンサ持続時間が、パターン#9のセンサ状態最低継続時間よりも長いか否かを判断する。センサ持続時間の方が長ければ、処理がステップS127に進められる。センサ持続時間がセンサ状態最低継続時間に達していなければ、処理が終了する。
【0148】
[ステップS127]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#2の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、売り場の地図を表示するなどの商品探しに役立つ情報を情報端末装置21に表示する。
【0149】
[ステップS128]行動パターン判定部140は、現行サービス維持時間を更新する。具体的には、行動パターン判定部140は、行動パターン判定ルール記憶部110からパターン#2のサービス維持時間を取得し、その値を現行サービス維持時間に設定する。
【0150】
[ステップS129]行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を初期化する。具体的には、行動パターン判定部140は、現在の時刻をサービス開始時刻に設定する。ただし、今回の判定以前よりパターン#2のサービスを行っていた場合には、サービス開始時刻の初期化は行われない。その後、処理が終了する。
【0151】
以上のようにして、行動パターンの優先順位に従って提供すべきサービスが決定される。なお、優先順位が設定されていない行動パターンについては、個別に判定処理が行われる。なお、以下の処理は、所定の時間間隔(たとえば1秒間隔)で定期的に実行される。
【0152】
図21は、パターン#11の判定処理手順を示すフローチャートである。以下、図21に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS131]行動パターン判定部140は、各種センサデータを取得する。
【0153】
[ステップS132]行動パターン判定部140は、サービス経過時間を算出する。具体的には、行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を保持している。サービス開始時刻は、現在実行されているサービスを開始した時刻である。行動パターン判定部140は、現在時刻の時刻とサービス開始時刻との差を計算することで、サービス経過時間を算出する。
【0154】
[ステップS133]行動パターン判定部140は、現在提供されているサービスのサービス経過時間が、該当するサービスのサービス維持時間より長いか否かを判断する。なお、サービス維持時間は、行動パターン判定ルール記憶部110から取得する。サービス経過時間の方が長ければ、処理がステップS134に進められる。サービス経過時間がサービス維持時間に達していなければ、サービスの切替は行わずに処理が終了する。
【0155】
[ステップS134]行動パターン判定部140は、一方のタッチセンサ22,23のみONであるという条件が満たされるか否かを判断する。この条件が満たされれば、処理がステップS135に進められる。この条件が満たされなければ、処理が終了する。
【0156】
[ステップS135]行動パターン判定部140は、前回の行動パターン判定処理の結果判定された行動パターンのパターンID(判定パターンID)を取り出し、センサ持続時間を算出する。
【0157】
[ステップS136]行動パターン判定部140は、判定パターンIDがパターン#11か否かを判断する。判定パターンIDがパターン#11であれば、処理がステップS139に進められる。判定パターンIDがパターン#11以外であれば、処理がステップS137に進められる。
【0158】
[ステップS137]行動パターン判定部140は、判定パターンIDをパターン#10とする。
[ステップS138]行動パターン判定部140は、判定結果変更時刻を現在の時刻で初期化する。その後、処理が終了する。
【0159】
[ステップS139]行動パターン判定部140は、ステップS135で算出したセンサ持続時間が、パターン#11のセンサ状態最低継続時間よりも長いか否かを判断する。なお、センサ状態最低継続時間は、行動パターン判定ルール記憶部110から取得できる。センサ持続時間の方が長ければ、処理がステップS50に進められる。センサ持続時間がセンサ状態最低継続時間に達していなければ、処理が終了する。
【0160】
[ステップS140]行動パターン判定部140は、サービス構築部150に対して、パターン#11の処理の実行を指示する。すると、サービス構築部150は、パターン#11に対応するサービスを実行する。具体的には、位置検出部131で検出された最近の位置データ(たとえば、直前10分以内の位置データ)のログ情報をログDB136から取得する。
【0161】
次に、サービス構築部150は、取得した位置データで示される位置の遷移状況からショッピングカート10の進行方向を同定する。また、サービス構築部150は、最近の位置データから、ショッピングカート10の現在地を判断する。
【0162】
さらに、サービス構築部150は、タッチセンサのON、OFFの状況から、顧客が注目している棚を特定する。具体的には、左のタッチセンサがONであり、右のタッチセンサがOFFであれば、顧客は進行方向右側の棚を注目しているものと判断される。逆に、右のタッチセンサがONであり、左のタッチセンサがOFFであれば、顧客は進行方向左側の棚を注目しているものと判断される。
【0163】
そして、サービス構築部150は、現在位置の顧客が注目している方向の棚に陳列されている商品の詳細情報を情報端末装置21の画面に表示させる。具体的には、サービス構築部150は、棚配置テーブル174を参照し、現在の売り場に移動する前にいた売り場(移動前の売り場)と現在の売り場(移動後の売り場)との関係に基づいて、顧客が注目している方向の棚の棚IDを判断する。次に、サービス構築部150は、棚管理テーブル172を参照して、棚IDに対応する商品種別IDを判断する。さらに、サービス構築部150は、商品情報テーブル173を参照し、該当する商品種別IDに対応する商品の情報を取得し、取得した情報を表示する。
【0164】
[ステップS141]行動パターン判定部140は、現行サービス維持時間を更新する。具体的には、行動パターン判定部140は、行動パターン判定ルール記憶部110からパターン#11のサービス維持時間を取得し、その値を現行サービス維持時間に設定する。
【0165】
[ステップS142]行動パターン判定部140は、サービス開始時刻を初期化する。具体的には、行動パターン判定部140は、現在の時刻をサービス開始時刻に設定する。ただし、今回の判定以前よりパターン#11のサービスを行っていた場合には、サービス開始時刻の初期化は行われない。その後、処理が終了する。
【0166】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、制御装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0167】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0168】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0169】
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
以上説明した実施の形態の主な技術的特徴は、以下の付記の通りである。
【0170】
(付記1) 複数のセンサと表示装置とが接続されたコンピュータを備えるショッピングカートにおいて顧客への情報提供を行うための買物支援プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶する行動パターン判定ルール記憶手段、
前記行動パターン判定ルールに対応付けて、行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段、
前記センサで検知された情報を取得し、前記行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出する行動分析手段、
前記サービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行するサービス提供手段、
として機能させることを特徴とする買物支援プログラム。
【0171】
(付記2) 複数の前記センサには、位置に応じた情報を出力する位置検出センサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が所定の速度閾値より速いことがセンサ条件で示された第1の行動パターン判定ルールと、速度が前記速度閾値より遅いことがセンサ条件で示された第2の行動パターン判定ルールとが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記第1の行動パターン判定ルールに対応付けて、移動途中の売り場に関する概略情報を表示することを示す第1の情報提供サービスが登録されており、前記第2の行動パターン判定ルールに対応付けて、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを示す第2の情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が前記速度閾値より速いか遅いかを比較することで、速度に対応する前記第1の行動パターン判定ルールまたは前記第2の行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記第1の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する概略情報を表示し、前記第2の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを特徴とする付記1記載の買物支援プログラム。
【0172】
(付記3) 複数の前記センサには、ハンドル部に取り付けられ人の接触の有無を検知するタッチセンサが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、前記タッチセンサが非接触を検知していることがセンサ条件で示された物色時行動パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記物色時行動パターン判定ルールに対応付けて、商品を物色中の顧客向けの情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記タッチセンサが非接触を検出した場合に前記物色時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記物色時行動パターン判定ルールが検出されると、物色中の顧客向けの情報を表示することを特徴とする付記1記載の買物支援プログラム。
【0173】
(付記4) 複数の前記センサには、回転角度を検出する回転角度検出センサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が所定の速度閾値より遅く、かつ所定時間内の回転角度の絶対値が所定の回転角度閾値より大きいことがセンサ条件で示された探索時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記探索時行動パターン判定ルールに対応付けて、売り場を探している顧客向けの情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が前記速度閾値より遅く、かつ前記回転角度検出センサで検出される所定時間内の回転角度の絶対値が前記回転角度閾値より大きいことを検出した場合に、前記探索時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記探索時行動パターン判定ルールが検出されると、売り場を探している顧客向けの情報を表示することを特徴とする付記1記載の買物支援プログラム。
【0174】
(付記5) 複数の前記センサには、ハンドル部に取り付けられ人の接触の有無を検知するタッチセンサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が0ではなく、かつ前記タッチセンサが非接触を検知していることがセンサ条件で示された無人移動時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記無人移動時行動パターン判定ルールに対応付けて、警告を促す情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が0ではなく、かつ前記タッチセンサが非接触を検知していることを検出した場合に、前記無人移動時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記無人移動時行動パターン判定ルールが検出されると、警告を促す情報を表示することを特徴とする付記1記載の買物支援プログラム。
【0175】
(付記6) 複数の前記センサには、位置に応じた情報を出力する位置検出センサと、ハンドル部の左右に取り付けられ人の接触の有無を検知する2つのタッチセンサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、前記タッチセンサの一方が接触を検知し、他方が非接触を検知していることがセンサ条件で示された棚物色時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記棚物色時行動パターン判定ルールに対応付けて、現在地の横の棚に陳列された商品の情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記タッチセンサの一方が接触を検知し、他方が非接触を検知していることを検出した場合に、前記棚物色時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記無人移動時行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて移動方向と現在の売り場とを判断し、現在の売り場で移動方向を向いて前記タッチセンサ側に配置された棚に陳列された商品を表示することを特徴とする付記1記載の買物支援プログラム。
【0176】
(付記7) 情報提供機能を備えたショッピングカートにおいて、
複数のセンサと、
表示装置と、
顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶する行動パターン判定ルール記憶手段と、
前記行動パターン判定ルールに対応付けて、行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段と、
前記センサで検知された情報を取得し、前記行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出する行動分析手段と、
前記サービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行するサービス提供手段と、
を有することを特徴とするショッピングカート。
【0177】
(付記8) 複数の前記センサには、位置に応じた情報を出力する位置検出センサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が所定の速度閾値より速いことがセンサ条件で示された第1の行動パターン判定ルールと、速度が前記速度閾値より遅いことがセンサ条件で示された第2の行動パターン判定ルールとが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記第1の行動パターン判定ルールに対応付けて、移動途中の売り場に関する概略情報を表示することを示す第1の情報提供サービスが登録されており、前記第2の行動パターン判定ルールに対応付けて、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを示す第2の情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が前記速度閾値より速いか遅いかを比較することで、速度に対応する前記第1の行動パターン判定ルールまたは前記第2の行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記第1の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する概略情報を表示し、前記第2の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを特徴とする付記7記載のショッピングカート。
【0178】
(付記9) 複数の前記センサには、ハンドル部に取り付けられ人の接触の有無を検知するタッチセンサが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、前記タッチセンサが非接触を検知していることがセンサ条件で示された物色時行動パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記物色時行動パターン判定ルールに対応付けて、商品を物色中の顧客向けの情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記タッチセンサが非接触を検出した場合に前記物色時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記物色時行動パターン判定ルールが検出されると、物色中の顧客向けの情報を表示することを特徴とする付記7記載のショッピングカート。
【0179】
(付記10) 複数の前記センサには、回転角度を検出する回転角度検出センサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が所定の速度閾値より遅く、かつ所定時間内の回転角度の絶対値が所定の回転角度閾値より大きいことがセンサ条件で示された探索時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記探索時行動パターン判定ルールに対応付けて、売り場を探している顧客向けの情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が前記速度閾値より遅く、かつ前記回転角度検出センサで検出される所定時間内の回転角度の絶対値が前記回転角度閾値より大きいことを検出した場合に、前記探索時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記探索時行動パターン判定ルールが検出されると、売り場を探している顧客向けの情報を表示することを特徴とする付記7記載のショッピングカート。
【0180】
(付記11) 複数の前記センサには、ハンドル部に取り付けられ人の接触の有無を検知するタッチセンサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が0ではなく、かつ前記タッチセンサが非接触を検知していることがセンサ条件で示された無人移動時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記無人移動時行動パターン判定ルールに対応付けて、警告を促す情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が0ではなく、かつ前記タッチセンサが非接触を検知していることを検出した場合に、前記無人移動時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記無人移動時行動パターン判定ルールが検出されると、警告を促す情報を表示することを特徴とする付記7記載のショッピングカート。
【0181】
(付記12) 複数の前記センサには、位置に応じた情報を出力する位置検出センサと、ハンドル部の左右に取り付けられ人の接触の有無を検知する2つのタッチセンサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、前記タッチセンサの一方が接触を検知し、他方が非接触を検知していることがセンサ条件で示された棚物色時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記棚物色時行動パターン判定ルールに対応付けて、現在地の横の棚に陳列された商品の情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記タッチセンサの一方が接触を検知し、他方が非接触を検知していることを検出した場合に、前記棚物色時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記無人移動時行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて移動方向と現在の売り場とを判断し、現在の売り場で移動方向を向いて前記タッチセンサ側に配置された棚に陳列された商品を表示することを特徴とする付記7記載のショッピングカート。
【0182】
(付記13) 複数のセンサと表示装置とが接続されたコンピュータを備えるショッピングカートにおいて顧客への情報提供を行うための買物支援方法において、
サービス処理記憶手段が、
行動分析手段が、前記センサで検知された情報を取得し、顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶した行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出し、
サービス提供手段が、前記行動パターン判定ルールに対応付けて行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行する、
ことを特徴とする買物支援方法。
【0183】
(付記14) 複数の前記センサには、位置に応じた情報を出力する位置検出センサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が所定の速度閾値より速いことがセンサ条件で示された第1の行動パターン判定ルールと、速度が前記速度閾値より遅いことがセンサ条件で示された第2の行動パターン判定ルールとが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記第1の行動パターン判定ルールに対応付けて、移動途中の売り場に関する概略情報を表示することを示す第1の情報提供サービスが登録されており、前記第2の行動パターン判定ルールに対応付けて、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを示す第2の情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が前記速度閾値より速いか遅いかを比較することで、速度に対応する前記第1の行動パターン判定ルールまたは前記第2の行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記第1の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する概略情報を表示し、前記第2の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを特徴とする付記13記載の買物支援方法。
【0184】
(付記15) 複数の前記センサには、ハンドル部に取り付けられ人の接触の有無を検知するタッチセンサが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、前記タッチセンサが非接触を検知していることがセンサ条件で示された物色時行動パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記物色時行動パターン判定ルールに対応付けて、商品を物色中の顧客向けの情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記タッチセンサが非接触を検出した場合に前記物色時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記物色時行動パターン判定ルールが検出されると、物色中の顧客向けの情報を表示することを特徴とする付記13記載の買物支援方法。
【0185】
(付記16) 複数の前記センサには、回転角度を検出する回転角度検出センサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が所定の速度閾値より遅く、かつ所定時間内の回転角度の絶対値が所定の回転角度閾値より大きいことがセンサ条件で示された探索時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記探索時行動パターン判定ルールに対応付けて、売り場を探している顧客向けの情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が前記速度閾値より遅く、かつ前記回転角度検出センサで検出される所定時間内の回転角度の絶対値が前記回転角度閾値より大きいことを検出した場合に、前記探索時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記探索時行動パターン判定ルールが検出されると、売り場を探している顧客向けの情報を表示することを特徴とする付記13記載の買物支援方法。
【0186】
(付記17) 複数の前記センサには、ハンドル部に取り付けられ人の接触の有無を検知するタッチセンサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が0ではなく、かつ前記タッチセンサが非接触を検知していることがセンサ条件で示された無人移動時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記無人移動時行動パターン判定ルールに対応付けて、警告を促す情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が0ではなく、かつ前記タッチセンサが非接触を検知していることを検出した場合に、前記無人移動時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記無人移動時行動パターン判定ルールが検出されると、警告を促す情報を表示することを特徴とする付記13記載の買物支援方法。
【0187】
(付記18) 複数の前記センサには、位置に応じた情報を出力する位置検出センサと、ハンドル部の左右に取り付けられ人の接触の有無を検知する2つのタッチセンサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、前記タッチセンサの一方が接触を検知し、他方が非接触を検知していることがセンサ条件で示された棚物色時パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記棚物色時行動パターン判定ルールに対応付けて、現在地の横の棚に陳列された商品の情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記タッチセンサの一方が接触を検知し、他方が非接触を検知していることを検出した場合に、前記棚物色時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記無人移動時行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて移動方向と現在の売り場とを判断し、現在の売り場で移動方向を向いて前記タッチセンサ側に配置された棚に陳列された商品を表示することを特徴とする付記13記載の買物支援方法。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】発明の概要を示す図である。
【図2】本実施の形態のショッピングカートの外観図である。
【図3】本実施の形態に用いる制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】制御装置の処理機能を示すブロック図である。
【図5】速度算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】行動パターン判定ルール記憶部のデータ構造例を示す図である。
【図7】サービス処理記憶部のデータ構造例を示す図である。
【図8】売り場データ記憶部内の情報を示す図である。
【図9】売り場判定テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図10】棚管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】商品情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図12】棚配置テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図13】行動パターン判定手順の概略を示すフローチャートである。
【図14】サービス提供手順を示す第1のフローチャートである。
【図15】サービス提供手順を示す第2のフローチャートである。
【図16】サービス提供手順を示す第3のフローチャートである。
【図17】サービス提供手順を示す第4のフローチャートである。
【図18】サービス提供手順を示す第5のフローチャートである。
【図19】サービス提供手順を示す第6のフローチャートである。
【図20】サービス提供手順を示す第7のフローチャートである。
【図21】パターン#11の判定処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0189】
1 ショッピングカート
1a、1b、1c センサ
1d 表示装置
2 行動パターン判定ルール記憶手段
3 サービス処理記憶手段
4 行動分析手段
5 サービス提供手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサと表示装置とが接続されたコンピュータを備えるショッピングカートにおいて顧客への情報提供を行うための買物支援プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶する行動パターン判定ルール記憶手段、
前記行動パターン判定ルールに対応付けて、行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段、
前記センサで検知された情報を取得し、前記行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出する行動分析手段、
前記サービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行するサービス提供手段、
として機能させることを特徴とする買物支援プログラム。
【請求項2】
複数の前記センサには、位置に応じた情報を出力する位置検出センサと、加速度を検出する加速度センサとが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、速度が所定の速度閾値より速いことがセンサ条件で示された第1の行動パターン判定ルールと、速度が前記速度閾値より遅いことがセンサ条件で示された第2の行動パターン判定ルールとが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記第1の行動パターン判定ルールに対応付けて、移動途中の売り場に関する概略情報を表示することを示す第1の情報提供サービスが登録されており、前記第2の行動パターン判定ルールに対応付けて、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを示す第2の情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記加速度センサが出力する加速度の値に基づいて速度を算出し、算出された速度が前記速度閾値より速いか遅いかを比較することで、速度に対応する前記第1の行動パターン判定ルールまたは前記第2の行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記第1の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する概略情報を表示し、前記第2の行動パターン判定ルールが検出されると、前記位置検出センサからの情報に基づいて現在の売り場を判断し、現在の売り場に関する詳細情報を表示することを特徴とする請求項1記載の買物支援プログラム。
【請求項3】
複数の前記センサには、ハンドル部に取り付けられ人の接触の有無を検知するタッチセンサが含まれており、
前記行動パターン判定ルール記憶手段には、前記タッチセンサが非接触を検知していることがセンサ条件で示された物色時行動パターン判定ルールが格納されており、
前記サービス処理記憶手段には、前記物色時行動パターン判定ルールに対応付けて、商品を物色中の顧客向けの情報を表示することを示す前記情報提供サービスが登録されており、
前記行動分析手段は、前記タッチセンサが非接触を検出した場合に前記物色時行動パターン判定ルールを検出し、
前記サービス提供手段は、前記物色時行動パターン判定ルールが検出されると、物色中の顧客向けの情報を表示することを特徴とする請求項1記載の買物支援プログラム。
【請求項4】
情報提供機能を備えたショッピングカートにおいて、
複数のセンサと、
表示装置と、
顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶する行動パターン判定ルール記憶手段と、
前記行動パターン判定ルールに対応付けて、行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段と、
前記センサで検知された情報を取得し、前記行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出する行動分析手段と、
前記サービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行するサービス提供手段と、
を有することを特徴とするショッピングカート。
【請求項5】
複数のセンサと表示装置とが接続されたコンピュータを備えるショッピングカートにおいて顧客への情報提供を行うための買物支援方法において、
サービス処理記憶手段が、
行動分析手段が、前記センサで検知された情報を取得し、顧客が所定の挙動を取ったときに前記センサから検出される情報に関するセンサ条件が設定された行動パターン判定ルールを記憶した行動パターン判定ルール記憶手段から、取得した情報が満たしている前記センサ条件を有する前記行動パターン判定ルールを検出し、
サービス提供手段が、前記行動パターン判定ルールに対応付けて行動パターンに応じた情報提供サービスの処理内容が定義されたサービス処理記憶手段から、前記行動分析手段で判定された前記行動パターン判定ルールに対応する前記情報提供サービスの処理内容を取得し、取得した処理内容に従って前記表示装置を介した情報提供を実行する、
ことを特徴とする買物支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−59334(P2008−59334A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236180(P2006−236180)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(394025924)株式会社博報堂 (14)
【Fターム(参考)】