説明

資料提示システム

【課題】プレゼンテーション内容に関するデータを配布するための手間及びコストを低減できる資料提示システムを提供する。
【解決手段】資料提示システム100によれば、端末装置500は、資料提示装置110が放送情報を送信するときに用いる搬送波の周波数の情報を、スクリーン等に投影されたQRコードを撮像することにより取得することができる。これにより、端末装置500は、資料提示装置110から送信される放送情報を受信することが可能となる。そして、端末装置500は、受信した放送情報を記憶することができる。従って、例えば会議等において資料提示装置110によって提示される資料情報等のプレゼンテーション内容に関するデータを配布するための手間及びコストの低減が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば会議等において資料を提示するための資料提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プレゼンテーションや会議等においては、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)に記憶されている文字や図表等を、プロジェクタを用いてスクリーン上に拡大して投影することが行われている。スクリーンに投影された図表等のデータを含むプレゼンテーションの内容は、ハードディスク等の記憶手段に記憶される(例えば、特許文献1参照)。また、プレゼンテーション等の出席者がプレゼンテーション内容を後に参照可能なように、プレゼンテーションに用いたデータを何らかの記録メディアに記録して出席者に配布することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−229592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プレゼンテーション内容を記録した記録メディアを配布するためには、少なくとも出席者数分の記録メディアの複製をしなければならず、その作業時間が必要となる。また、記録メディアのコストが必要になると共に、記録メディアを配布するための手間も必要となる。さらに、プレゼンテーションのデータを記録メディアに記録できる形式に変換する必要が生じる場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プレゼンテーション内容に関するデータを配布するための手間及びコストを低減できる資料提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る資料提示システムは、資料情報を提示するための資料提示装置と、資料提示装置から送信される情報を受信する端末装置とを含む資料提示システムであって、資料提示装置は、資料情報を表示する表示部と、表示部に表示される資料情報を放送情報として所定の周波数の搬送波で送信する放送情報送信部と、所定の周波数の情報を含み光学的に読み取り可能なコード情報を撮像可能な媒体に出力するコード生成出力部とを備え、端末装置は、コード情報を撮像するコード取得部と、コード取得部により撮像されたコード情報から所定の周波数に関する情報を抽出する周波数情報抽出部と、周波数情報抽出部により抽出された所定の周波数に基づいて放送情報を受信する放送情報受信部と、放送情報受信部により受信された放送情報を記憶する放送情報記憶部とを備えることを特徴とする。
【0007】
この資料提示システムによれば、資料提示装置が放送情報を送信するときに用いる搬送波の周波数の情報を端末装置が取得することができるので、端末装置は、資料提示装置から送信される放送情報を受信することが可能となる。そして、端末装置は、受信した放送情報を記憶することができる。従って、資料情報の提示を含むプレゼンテーション内容に関するデータを配布するための手間及びコストが低減される。
【0008】
また、本発明の資料提示システムでは、資料提示装置は、資料を撮像する撮像部と、資料出力装置から資料情報が入力される情報入力部と、撮像部によって撮像された撮像情報及び情報入力部に入力された資料情報の少なくとも一方に所定の処理を施す画像処理部とを備え、表示部は、資料情報及び画像処理部によって処理された画像を表示し、放送情報送信部は、表示部に表示される資料情報及び画像を含む放送情報を所定の周波数の搬送波で送信することを特徴とする。この場合には、資料を撮像した撮像情報や、資料出力装置から入力された資料情報を、放送情報に含めることができる。従って、種々の情報を端末装置に提供することが可能となる。
【0009】
また、本発明の資料提示システムでは、コード生成出力部は、コード情報をスクリーンに投影することが好ましい。この場合には、端末装置は、スクリーンに投影されたコード情報を撮像することにより、搬送波の周波数の情報を取得することが可能となる。
【0010】
また、本発明の資料提示システムでは、コード生成出力部は、コード情報を印刷可能な媒体に印刷することを特徴としてもよい。この場合には、例えば紙といった印刷可能媒体に印刷されたコード情報を、端末装置により撮像することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プレゼンテーション内容に関するデータを配布するための手間及びコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る資料提示システムの構成図である。
【図2】資料提示装置のブロック構成図である。
【図3】資料提示装置の斜視図である。
【図4】資料提示装置の斜視図、側面図、及び拡大図である。
【図5】ディスプレイに対する指示を入力する様子を示した図である。
【図6】プロジェクタを接続された資料提示装置から端末装置に情報が送信される様子を示した図である。
【図7】端末装置の機能ブロック構成図である。
【図8】端末装置が資料提示装置から送信される放送情報を受信する処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る資料提示システムの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る資料提示システム100の構成図である。図1に示すように、資料提示システム100は、資料提示装置110及び端末装置500を有する。また、図2は、資料提示装置110のブロック構成図である。また、図3(a)は、資料提示装置110を使用可能にセッティングした状態を示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)とは異なる方向から見た場合の斜視図である。また、図4(a)は、資料提示装置110を収納した状態を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の収納状態において資料提示装置110と指示入力装置(例えば、パソコン)とを接続した状態における資料提示装置110の側面図であり、図4(c)は、図4(b)の収納状態における電源スイッチSW及び電源ソケットES近傍の拡大図である。また、図5は、例えば入力用ペン60を用いて、ディスプレイ3に対する指示を入力する様子を示した図である。また、図6は、資料提示装置110とプロジェクタ200とを接続し、撮像情報をスクリーン210等の被投射領域(すなわち、投射される領域)に映し出す様子を示すと共に、端末装置500に情報が送信される様子を示した図である。なお、資料提示装置110は、例えば会議等において資料を提示するための装置である。
【0015】
資料提示装置110は、機能的な構成要素として、カメラ(撮像部)1、情報入力部2、ディスプレイ(表示部)3、切替部4、タッチパネル5、重畳部6、操作部7、情報出力部8、画像処理部9、記録部10、編集部11、音声入力部12、音声出力部13、制御部16、投射部17、符号化部20、送信部(放送情報送信部)21及びコード生成出力部22を備えている。
【0016】
カメラ1は、資料を撮像することができるカメラである。カメラ1は、図3(a)及び(b)に示すように、カメラアーム1Bの一端と、回転軸(図示せず)を中心として回転可能に接続されている。このため、カメラ1をこの回転軸を中心として回転させることにより、資料提示装置110の周囲の撮影が可能となる。また、カメラアーム1Bの他端は、カメラアーム1Cの一端と、回転軸1Dを中心として回転可能に接続されている。更に、カメラアーム1Cの他端は、資料提示装置110の支持台と、回転軸1Eを中心として回転可能に接続されている。資料提示装置110の支持台は、資料提示装置110の筐体18の側壁18Aと接続されている。なお、筐体18は、ディスプレイ3やカメラ1を有している。カメラ1は、フォーカスリング1Aを有しており、このリングを回転することにより、資料を撮像する際のピントを合わせることができる。更に、カメラアーム1B及び1C各々を上記の回転軸を中心として回転させて、カメラアーム1Bと、資料提示装置110の設置面との距離を調整することにより、撮影サイズを4倍まで拡大することができる。カメラ1により撮像された撮像情報は、切替部4に送信される。
【0017】
情報入力部2は、資料出力装置から資料情報が入力される部分であり、例えば、USB端子2Aや、RGB入力端子2Bが含まれる。情報入力部2は、資料提示装置110の筐体18の側壁18Aに設けられている。情報入力部2に入力された資料情報は、切替部4に送信される。ここで、資料出力装置は、例えば画像出力可能なデジタルカメラ、プレゼンテーションを行う際に補助的に用いるパソコン等である。
【0018】
ディスプレイ3は、カメラ1によって撮像された撮像情報及び情報入力部2に入力された資料情報の少なくとも一方に所定の処理が施された画像を、静止画像又は動画像として表示する部分である。ディスプレイ3は、図3(a)及び(b)に示すように、ディスプレイ3の外枠となるディスプレイフレーム3Dの枠内に設けられている。ディスプレイフレーム3Dは、ディスプレイアーム3Aの一端と、回転軸3Bを中心として回転可能に接続されている。また、ディスプレイアーム3Aの他端は、資料提示装置110の支持台と、回転軸3Cを中心として回転可能に接続されている。資料提示装置110の支持台は、資料提示装置110の筐体18の側壁18Aと接続されている。ディスプレイアーム3Aを上記の回転軸を中心として回転させて、ディスプレイ3を見やすい位置にセッティングすることができる。ディスプレイ3の表示部には、タッチパネル5が取り付けられている。資料提示装置110の利用者は、ディスプレイ3に表示された情報を視認することができる。
【0019】
切替部4は、ディスプレイ3に表示された情報を、撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像に切り替える部分である。すなわち、切替部4により、カメラ1によって撮像された撮像情報を表示させるか、情報入力部2に入力された資料情報を表示させるかを、切り替えることができる。切替部4は、資料提示装置110が備えるリモートコントローラ(以下、リモコンという。)に入力切替ボタンとして設けられている。ディスプレイ3に撮像情報を表示させるか、資料情報を表示させるかを決定して制御する信号は、制御部16に送信される。
【0020】
タッチパネル5は、ディスプレイ3に対する指示の入力を受け付けるパネルである。すなわち、タッチパネル5とは、ディスプレイ3の表面に取り付けられる入力装置であり、感圧式や静電式のものがある。資料提示装置110の利用者は、図5に示すように、装置に付属の入力用ペン60を用いてタッチパネル5に触れたりすることによって、ディスプレイ3に対する指示を入力することができる。また、資料提示装置110の利用者は、入力用ペン60を用いずに、タッチパネル5に指で直接触れたりすることによって、この指示を入力することも可能である。タッチパネル5には、ディスプレイ3に対する指示各々に対応した機能を有する操作マーク(例えば、上記の切替マーク等)が表示されている。すなわち、タッチパネル5は、ディスプレイ3に表示された撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像に対する操作を行う操作マークを含んでいる。これにより、資料提示装置110の利用者は、この操作マークに触れて選択することにより、その操作マークに対応した機能を実行させることができる。タッチパネル5に入力された指示は、制御部16に送信される。
【0021】
重畳部6は、タッチパネル5によって受け付けられた指示を、図形としてディスプレイ3に重畳する部分である。重畳部6は、例えばソフトウェアとして構成されている。重畳部6は、この指示を、矢印や直線や曲線等の図形としてディスプレイ3に重畳する。この矢印の図形の例として、対象を指し示すための矢印型ポインタ等が挙げられる。また、直線の図形の例として、ディスプレイ3上で指定された点を通る水平ライン又は垂直ライン等が挙げられる。また、曲線の図形の例として、資料提示装置110の利用者によってフリーハンドで描画された曲線等が挙げられる。重畳部6が重畳する図形に関する情報は、制御部16に送信される。
【0022】
操作部7は、上述したように、ディスプレイ3に表示された撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像に対する操作を行う操作マークのことであり、タッチパネル5に含まれている。操作部7が、資料提示装置110の利用者から受け付けた操作に関する情報は、タッチパネル5を経由して重畳部6に送信される。
【0023】
情報出力部8は、ディスプレイ3に表示された撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像を、上記の図形と共に画像表示装置に対して出力する部分であり、例えば、RGB出力端子8Aである。情報出力部8は、資料提示装置110の筐体18の側壁18Aに設けられている。なお、画像表示装置とは、例えば、プレゼンテーションを行う際に補助的に用いるプロジェクタ等である。図6に示すように、資料提示装置110の情報出力部8とプロジェクタ200とをケーブルCによって接続し、例えばカメラ1によって資料Dを撮像し、この撮像された撮像情報を、スクリーン210に映し出すことができる。なお、スクリーン210には、ディスプレイ3に重畳されている矢印型ポインタPが表示されている。
【0024】
画像処理部9は、撮像情報及び資料情報の少なくとも一方に所定の処理を施して処理画像を作成する部分である。画像処理部9は、例えばソフトウェアとして構成されている。画像処理部9により、画像の拡大や縮小等を含む画像処理が行われる。画像処理の操作を行うための操作マークは、上述したように、タッチパネル5上に表示されている。画像処理部9によって画像処理された画像処理情報は、制御部16を介してディスプレイ3に送信され、表示される。
【0025】
記録部10は、ディスプレイ3に表示された撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像を記録する部分である。記録部10は、例えばCPU及びハードディスクを含むコンピュータを主体として構成されている。
【0026】
編集部11は、記録部10によって記録された情報を編集する部分である。編集部11は、例えばCPU及び編集用ソフトウェアを含むコンピュータを主体として構成されている。記録部10内の記録情報に対する、編集部11による編集に関する情報は、記録部10に送信される。
【0027】
音声入力部12は、撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像に対する音声の入力を受け付ける部分であり、例えばマイク入力端子12A等である。音声入力部12は、資料提示装置110の筐体18の側壁18Aに設けられている。音声入力部12によって入力が受け付けられた音声情報は、制御部16に送信される。
【0028】
音声出力部13は、撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像の音声の出力を行う部分であり、例えば音声出力端子13A等である。音声出力部13は、資料提示装置110の筐体18の側壁18Aに設けられている。音声出力部13とスピーカー(図示せず)とを接続することにより、撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像の音声の出力を行うことができる。なお、音声出力部13は、音声入力部12による音声入力処理前の撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像が有する音声を出力することも可能であり、また、音声入力部12による音声入力処理後の撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像が有する音声を出力することも可能である。
【0029】
制御部16は、上記の撮像情報や資料情報をディスプレイ3に表示させるための制御や、上記の撮像情報や資料情報の音声を出力させるための制御等を行う部分である。制御部16は、例えばCPU及びメモリを含むコンピュータを主体として構成されている。
【0030】
第一回動体17Aは、筐体18の側壁18Aから突出して設けられると共に、この突出方向(以下、突出方向Xとする。)の周りに回動自在に(すなわち、図3の黒矢印で示されるように回転自在に)設けられている筒状の回動体である。ここで、第一回動体17Aの突出方向Xとは、筒状の第一回動体17Aの軸方向を意味する。第一回動体17Aの一端は、筐体18の側壁18Aから内部に向けて挿入されている。これにより、第一回動体17Aの他端に取り付けられて設けられた物体等を、筐体18の側壁18Aに対して水平な面内で自在に回動させることができる。
【0031】
第二回動体17Bは、第一回動体17Aの他端に設けられると共に、第一回動体17Aの突出方向Xに対して垂直な方向(以下、例えば対垂直方向Z、又は対水平方向Yとする。)の回りに回動自在に(すなわち、図3の白矢印で示されるように回転自在に)投射部17を支持する筒状の回動体である。ここで、第二回動体17Bの対垂直方向Zとは、筒状の第二回動体17Bの軸方向が図3における垂直方向と平行な場合の第二回動体17Bの軸方向を意味し、第二回動体17Bの対水平方向Yとは、筒状の第二回動体17Bの軸方向が図3における水平方向と平行な場合の第二回動体17Bの軸方向を意味する。第二回動体17Bの一端において、第一回動体17Aの他端が内部に向けて挿入されている。また、第二回動体17Bの他端において、投射部17が支持されている。なお、第一回動体17Aの突出方向Xに対して垂直な方向は、突出方向Xに対して垂直であれば特に限定されない。
【0032】
これにより、第二回動体17Bの他端において支持されて設けられた投射部17を、筐体18の側壁18Aに対して垂直な面内で自在に回動させることができる。すなわち、第二回動体17Bの軸方向が図3における垂直方向と平行な場合は、投射部17を、対水平方向Y及び突出方向Xを含む面内で自在に回動可能である。また、第二回動体17Bの軸方向が図3における水平方向と平行な場合は、投射部17を、対垂直方向Z及び突出方向Xを含む面内で自在に回動可能である。
【0033】
投射部17は、ディスプレイ3に表示された撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像を、上記の図形と共に投射用のスクリーン210や白い壁面等といった被投射領域(すなわち、投射される領域)に対して投射する部分である。投射部17は、図3(a)に示すように、第二回動体17Bの他端と、例えば対垂直方向Zを中心として回転可能に接続されている。このため、投射部17をこの対垂直方向Zを中心として回転させることにより、資料提示装置110の周囲に対して投射することが可能となる。また、第二回動体17Bの一端は、第一回動体17Aの他端と、突出方向Xを中心として回転可能に接続されている。投射部17は、フォーカスリング(図示せず)を有しており、このリングを回転することにより、スクリーン210に対して投射する際のピントを合わせることができる。更に、第一回動体17Aを上記の方向Xを中心として回転させたり、第二回動体17Bを例えば上記の方向Y,Zを中心として回転させたりして、投射部17による投射の投射方向を調整することにより、様々な場所や方向に向けて投射することができる。
【0034】
また、図6に示すように、情報出力部8に接続されたプロジェクタ200は、投射部17と同様に、ディスプレイ3に表示された撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像等を投射用のスクリーン210や白い壁面等といった被投射領域に対して投射することができる。
【0035】
符号化部20は、ディスプレイ3に表示された撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像を所定の方式により符号化した情報を放送情報として生成する部分である。ここで放送情報に含まれる画像には、重畳部6によりディスプレイ3に重畳表示される図形等が含まれる。また、放送情報には、撮像情報、資料情報又はそれらの処理画像に対応した音声の情報も含ませることができる。なお、符号化の方式としては、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−4規格が用いられることが好ましいが、この規格には限定されない。
【0036】
送信部21は、所定の周波数の搬送波で端末装置500に放送情報を送信する部分である。送信部21は、例えば、放送出力端子21Aを含み、放送出力端子21Aに接続されたアンテナ400を介して放送情報を送信する。放送出力端子21Aは、筐体18の側壁18Aに設けられており、例えばUSB端子といった汎用的な規格に準拠した端子とすることができる。図6に示すように、端末装置500は、アンテナ400を介して送信される放送情報受信することができる。放送情報の送信には、いわゆるワンセグ放送の方式が用いられる。ワンセグ放送は、地上デジタル放送の規格の1つであり、分割された所定の周波数帯域のうちの1つのセグメント(チャネル)を利用して行われる放送である。なお、放送情報の送信の方式はワンセグ放送には限定されず、他の方式でもよい。
【0037】
コード生成出力部22は、送信部21が放送情報の送信に用いる搬送波の周波数の情報を含み光学的に読み取り可能なコード情報を撮像可能な媒体に出力する部分である。例えばワンセグ放送では、13〜52ch(チャネル)に所定の周波数が割り当てられているので、コード情報は、搬送波の周波数の情報としてチャネルの情報を含む。コード生成出力部22により出力されるコード情報は、例えばバーコード、QRコード(登録商標)といったものである。また、コード情報は、ワンセグ放送を受信する端末装置500において実行されるワンセグ受信設定命令を含むことができる。ワンセグ受信設定命令は、所定のチャネル(周波数)を出発点として、チャネルを順次スキャンしながら放送の有無を判定し、放送を受信可能なチャネルを当該端末装置500に設定するための命令である。
【0038】
また、コード生成出力部22は、コード情報を印刷装置(図示せず)を介して紙等の印刷可能な媒体に印刷して出力したり、情報出力部8を介して画像表示装置に対して出力したり、投射部17及びプロジェクタ200を介して投射用のスクリーン210や白い壁面等に出力したりすることができる。特に、コード情報を画像表示装置やスクリーン210に出力した場合には、紙等の媒体を要することなく、一度に多くの者に対してコード情報を提供することが可能となる。
【0039】
図7は、端末装置500のブロック構成図である。なお、端末装置500は、例えば携帯電話等の移動端末、パソコンといった装置である。端末装置500は、機能的な構成要素として、コード取得部501、デコード部(周波数情報抽出部)502、受信部(放送情報受信部)503、制御部504、復号化部505、表示部506、音声出力部507及び受信内容記憶部(放送情報記憶部)508を備えている。
【0040】
コード取得部501は、資料提示装置110より出力されたコード情報を撮像し、取得する部分であり、例えばデジタルカメラにより構成される。コード取得部501は、取得したコード情報をデコード部502に送出する。
【0041】
デコード部502は、コード取得部501から取得したコード情報から、資料提示装置110の送信部21が放送情報の送信に用いる搬送波の周波数に関する情報を抽出する部分である。本実施形態では、周波数に関する情報は、ワンセグ放送のチャネルの情報である。また、デコード部502は、ワンセグ受信設定命令をコード情報から抽出する。
【0042】
受信部503は、デコード部502により抽出された周波数に関する情報に基づいて放送情報を受信する部分である。本実施形態では、受信部503は、デコード部502により抽出されたチャネルの情報に基づきチューニングを行い、放送情報を受信する。
【0043】
制御部504は、受信部503に放送情報を受信させるための制御や、受信した放送情報を復号化部505に復号化させるための制御や、放送情報の内容を受信内容記憶部508に記憶させるための制御等と行う部分である。また、コード情報にワンセグ受信設定命令が含まれていた場合には、制御部504は、ワンセグ受信設定の処理を制御する(詳細は後述する)。
【0044】
復号化部505は、放送情報に含まれる符号化された画像等を復号化する部分である。例えば、ワンセグ放送により受信した放送情報を復号化する場合には、MPEG−4の規格に準拠した複合化処理が行われる。
【0045】
表示部506は、復号化部505により復号化された画像を表示する部分であり、例えば、ディスプレイ装置により構成される。
【0046】
音声出力部507は、復号化部により復号化された音声を出力する部分であり、例えばスピーカ装置により構成される。
【0047】
受信内容記憶部508は、復号化部505により復号化された画像及び音声、復号化されるまえの放送情報等を記憶する部分であり、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard disk drive)装置等により構成される。
【0048】
続いて、端末装置500が、資料提示装置110から送信される画像等を受信する処理手順の一例を説明する。図8は、ワンセグ受信設定命令を利用して端末装置500が資料提示装置110から送信される画像等を受信する処理手順を示したフローチャートである。ワンセグ受信設定命令は、チャネルを順次スキャンして、放送が行われているチャネルを探索するための命令である。なお、ここでは、コード情報として、QRコードが用いられるものとする。
【0049】
まず、ステップS1において、コード取得部501は、QRコードを撮像し、取得する(S1)。QRコードの撮像は、例えば端末装置500の利用者によるボタン操作等により行われる。続いて、ステップS2において、デコード部502は、取得したQRコードをデコードし、QRコードに含まれる情報を抽出する(S2)。
【0050】
ステップS3において、制御部504は、QRコードから抽出した情報にワンセグ受信設定命令が含まれているか否かを判定する。QRコードから抽出した情報にワンセグ受信設定命令が含まれていた場合には(S3)、処理手順はステップS4に進められる。なお、この場合には、QRコードにはワンセグ放送のチャネル(周波数)に関する情報も含まれている。
【0051】
ステップS4において、制御部504は、QRコードから抽出したワンセグ放送のチャネルを、ワンセグ受信設定のためのスキャンの出発点として設定する。続くステップS5において、制御部504は、受信部503に、スキャンの出発点として設定されたチャネル(周波数)にチューニングさせる。
【0052】
ステップS6において、制御部504は、資料提示装置110から送信された放送情報を受信部503により受信し、受信した放送情報を復号化部505に復号化させ、復号化された画像や音声を受信内容記憶部508に記憶させる。また、制御部504は、復号化された画像を表示部506に表示させたり、復号化された音声を音声出力部507に出力させたりする。そして、資料提示装置110から送信される放送情報が終了したことを検出したり、端末装置500の利用者によるボタン操作が行われたりしたときに、端末装置500の制御部504は、放送情報の受信の処理を終了させる。
【0053】
ワンセグ受信設定命令を実行可能な構成を端末装置500が予め備えている場合には、ワンセグ受信設定命令を利用することにより、端末装置500に対して特段の仕様変更を施すことなく、資料提示装置110からワンセグ放送により送信される放送情報を端末装置500に受信させることが可能となる。資料提示装置110が放送情報の送信に用いるワンセグ放送のチャネルに関する情報が、コード生成出力部22により出力されるコード情報に含まれているので、端末装置500は、コード情報に含まれるワンセグ放送のチャネルに関する情報に基づいて放送情報を受信することができる。
【0054】
以上説明したように、この資料提示システム100によれば、端末装置500は、資料提示装置110が放送情報を送信するときに用いる搬送波の周波数の情報を、スクリーン210等に投影されたQRコードを撮像することにより取得することができる。これにより、端末装置500は、資料提示装置110から送信される放送情報を受信することが可能となる。そして、端末装置500は、受信した放送情報を記憶することができる。従って、例えば会議等において資料提示装置110によって提示されるプレゼンテーション内容に関するデータを配布するための手間及びコストの低減が可能となる。
【符号の説明】
【0055】
1…カメラ(撮像部)、2…情報入力部、3…ディスプレイ(表示部)、9…画像処理部、10…記録部、22…コード生成出力部、100…資料提示システム、110…資料提示装置、210…スクリーン、500…端末装置、501…コード取得部、502…デコード部(周波数情報抽出部)、503…受信部(放送情報受信部)、508…受信内容記憶部(放送情報記憶部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
資料情報を提示するための資料提示装置と、前記資料提示装置から送信される情報を受信する端末装置とを含む資料提示システムであって、
前記資料提示装置は、
前記資料情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示される資料情報を放送情報として所定の周波数の搬送波で送信する放送情報送信部と、
前記所定の周波数の情報を含み光学的に読み取り可能なコード情報を撮像可能な媒体に出力するコード生成出力部とを備え、
前記端末装置は、
前記コード情報を撮像するコード取得部と、
前記コード取得部により撮像された前記コード情報から前記所定の周波数に関する情報を抽出する周波数情報抽出部と、
前記周波数情報抽出部により抽出された前記所定の周波数に関する情報に基づいて前記放送情報を受信する放送情報受信部と、
前記放送情報受信部により受信された前記放送情報を記憶する放送情報記憶部とを備える
ことを特徴とする資料提示システム。
【請求項2】
前記資料提示装置は、
資料を撮像する撮像部と、
資料出力装置から前記資料情報が入力される情報入力部と、
前記撮像部によって撮像された撮像情報及び前記情報入力部に入力された前記資料情報の少なくとも一方に所定の処理を施す画像処理部とを備え、
前記表示部は、前記資料情報及び前記画像処理部によって処理された画像を表示し、
前記放送情報送信部は、前記表示部に表示される前記資料情報及び前記画像を含む放送情報を所定の周波数の搬送波で送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の資料提示システム。
【請求項3】
前記コード生成出力部は、前記コード情報をスクリーンに投影することを特徴とする請求項1または2に記載の資料提示システム。
【請求項4】
前記コード生成出力部は、前記コード情報を印刷可能な媒体に印刷することを特徴とする請求項1または2に記載の資料提示システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−198192(P2010−198192A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40868(P2009−40868)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】