説明

資源活用システム

【課題】 未利用の樹木類、及び汚泥、不純物を有機的に組み合わせて処理することにより、ランニングコストが少なくかつ資源が有効に活用できる資源活用システムを得る。
【解決手段】間伐あるいは伐採された樹木類(1)を粉砕処理して樹木類粉砕物(2)を生成し、該樹木類粉砕物(2)から蒸留装置(30)で成分液(3)を抽出し、汚泥、不純物等の被処理物(10)から濾過装置(70)で泥(11)、肥料養分(12)、有機物(13)を分別採取し、前記成分液(3)の抽出された樹木類粉砕物(2)の残渣(4)及び前記泥(11)をロータリーキルン(50)で焼成してセラミック炭(15)を生成し、前記有機物(13)、肥料養分(12)及びセラミック炭(15)を農業工場(110)に供給して植物(S2)の育成材料とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間伐あるいは伐採された未利用の樹木類、及び湖沼、下水処理場等で採集された汚泥、不純物等を処理して植物の育成材料に活用できるようした資源活用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、地主の高齢化、輸入される木材、竹、プラスチックの台頭等より、国内産の檜、杉、竹等の活用が低下し、国内の山林、竹林が荒廃している。また、湖沼、海等においては、汚水、化学合成洗剤を含む排水等の流入により水が富栄養化してヘドロが異常発生している。
【0003】
ところで、木屑、生木等を使用して有機物汚泥、動植物性残渣、濃厚廃液等を処理するものとして特許文献1が、また、河川や湖沼等の水質浄化を行うものとして特許文献2があった。
【0004】
特許文献1に記載されているものは、有機物汚泥・動植物性残渣・家畜糞尿及び工場濃厚廃液などに、木屑、生木、葉、雑草などをチップにして混入し、これを蒸発乾燥機で加温して乾燥させ、乾燥した乾燥物をペレット化して乾溜炉でガス化、炭化させ、得られたガスは蒸発乾燥機及び乾溜炉での熱源として利用し、炭化物は燃料、土壌改質剤、水処理剤、脱臭処理剤として利用するものであった。
【0005】
また、特許文献2に記載されているものは、水質浄化処理装置を河川や湖沼等に浮かべ、槽体内に流入口から放流口向かう蛇行水路を形成し、水が流れる過程で水平浸透と鉛直浸透を反復させることで汚濁水を浄化し、槽体内の一部を二重底構造にして汚泥貯留部を設け、該汚泥貯留部に堆積した汚泥をポンプ等で外部に排出するものであった。
【0006】
前記特許文献1は、チップにした木屑、生木等を、そのまま有機物汚泥・動植物性残渣・家畜糞尿及び工場濃厚廃液等に混入して乾燥させるようにしていたので、生木に含有した有益な成分液が逸脱し、これを有効に利用することができないものであった。また、特許文献2は、汚泥貯留部に堆積した汚泥を別途処理する必要があり、これの処理に多大の費用を要したり、また、処理手段によっては2次公害を引き起こしたりするものであった。
【特許文献1】特開2003−55666号公報
【特許文献2】特開2004−276011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、間伐あるいは伐採された未利用の樹木類と、湖沼、下水処理場等で採集された汚泥、不純物等の被処理物とを有機的に組み合わせて処理することにより、ランニングコストが少なくかつ資源が有効に活用できる新規な資源活用システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、請求項1に係る発明は、山林等で間伐あるいは伐採された檜、杉、竹等の樹木類を粉砕処理して樹木類粉砕物を生成し、該樹木類粉砕物から蒸留装置で成分液を抽出し、また、湖沼、海、下水処理場等の湖類から汚泥、不純物等の被処理物を採集し、該被処理物を濾過装置に供給し、該濾過装置で前記被処理物から泥、有機物、肥料養分を分別採取し、前記成分液の抽出された樹木類粉砕物の残渣及び前記泥を混合させてロータリーキルンに供給し、該ロータリーキルンで前記残渣を炭化させるとともに該炭化した残渣が泥の焼成物と混合したセラミック炭を生成し、前記有機物、肥料養分及びセラミック炭を農業工場に供給して植物の育成材料としたものである。
この場合、前記濾過装置は、比重の重い汚泥、不純物を沈下させる沈澱槽、比重の軽い塵埃を回収するフィルター槽、有害な病原菌を死滅させる殺菌槽、及び窒素、燐酸等の肥料養分を吸着する養分吸着槽を有する構成としたものである。
また、前記農業工場は、風力発電機、太陽光発電機、太陽熱温水器等の自然エネルギー採取装置を設け、該自然エネルギー採取装置により植物育成室の温度及び光を調節するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る発明は、檜、杉、竹等の樹木類から成分液を抽出し、該成分液を抽出した樹木類の残渣と、湖沼、海、下水処理場等の湖類から得た泥とを混合させてセラミック炭を生成するようにしたので、樹木類が有している有益な成分液及び炭化物を有効に生かすことができる。さらに、前記セラミック炭、及び前記湖類から得た有機物、肥料養分を農業工場に供給して植物の育成材料としたので、湖類で発生する汚泥、不純物等(ヘドロ)を有効に活用しながら、湖類の水質浄化が行えることになる。
また、前記農業工場は、風力発電機、太陽光発電機、太陽熱温水器等の自然エネルギーで植物育成室の環境(温度及び光)を調節するようにしたので、前記セラミック炭、有機物、及び肥料養分の活用と相まって、ランニングコストの少ない植物の早期栽培が行えることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図において、図1は本発明による資源活用システムの工程図、図2は本発明による濾過装置の平面図、図3は図2のIII-III断面図、図4は図2のVI-VI断面図、図5は図2のV-V断面図、図6は本発明による濾過装置の被処理物吸込み部の拡大断面図、図7は本発明による蒸留装置及びロータリーキルンを示す断面図、図8は本発明による農業工場の断面図である。
【0011】
図1は資源活用システムの工程図であり、山林、竹林等に樹勢する樹木類を処理する樹木類処理工程A、湖沼、海、下水処理場等で発生した汚泥、不純物等の被処理物を処理する汚泥類処理工程B、前記樹木類処理工程A及び汚泥類処理工程Bで処理した処理物で植物を生産する植物生産工程Cを主要部としてなる。
【0012】
前記樹木類処理工程Aは、山林、竹林等の樹勢地A1で樹勢している檜、杉、竹等の樹木類1を、間伐・粉砕工程A2で間伐あるいは伐採し、これらを現地にて粉砕装置21により品種別に粉砕して樹木類粉砕物2を形成し、これをトラック等で処理工場A3に搬送する。処理工場A3は、蒸留装置30、混合装置40、及びロータリーキルン50(回転窯)を有し、前記搬入された樹木類粉砕物2を蒸留装置30で蒸留して成分液(精油)3を抽出する。該成分液3が抽出された樹木類粉砕物2の残渣4は、混合装置40により後述する泥11と混合される。
【0013】
混合装置40は、例えば、図7に示すように、内周に攪拌羽根42を有するドラム41を傾斜させ、該ドラム41内に前記残渣4と泥11を規定された混合比で投入し、モーターM2で回転させる。これにより、残渣4の表面に泥が付着した粒状の混合物14を形成し、該混合物14をロータリーキルン50に供給する。
【0014】
前記蒸留装置30及びロータリーキルン50は図7に示すようになっている。図7において、50はロータリーキルンであり、内面に螺旋状の送り羽根52を有する円筒状の炉体51を傾斜させてローラー53により回転自在に支持し、該炉体51の低部側(左部)の投入口51aにバーナー54及びホッパー55を取り付け、炉体51の高部側(右部)の排出口51bに可搬式の収容箱56を配置する。
【0015】
そして、バーナー54を作動させるとともに、前記炉体51を、送り羽根52が右方(炉体51の排出口51b側)に送り傾向となる方向に回転させ、この状態で混合装置40から前記残渣4と泥11との混合物14をホッパー55に投入し、送り羽根52で攪拌しつつ、炉体51の高部側の排出口51bに向けて送り、残渣4を炭化させるとともに、泥11を焼成して炭化物の混入した粒状のセラミック炭15を形成し、該セラミック炭15を排出口51bから落下させて収容箱56に収容する。
【0016】
蒸留装置30は、容器31内を底部側に設けた多孔製の排出ベルト32で上下に仕切り、上部に樹木類粉砕物2が収容される収容室33を、下部に噴出管収容室34を形成する。収容室33は、その上部に開閉蓋35を取り付け、該開閉蓋35を開けて前記樹木類粉砕物2を収容室33内に収容する。また、前記排出ベルト32の搬出側に位置する収容室33の下側部に排出口36を形成する。
【0017】
また、前記噴出管収容室34に蒸気発生装置37の噴出管37bを配管する。蒸気発生装置37の加熱管37aは前述した炉体51内に配管し、該加熱管37a側に水を供給し、噴出管37bから収容室33に向けて蒸気を噴出することより、収容室33内に収容された樹木類粉砕物2を蒸気加熱し、該樹木類粉砕物2内に含まれている成分液3を滲出させる。噴出管収容室34の底壁は傾斜させ、該底壁の最下部に前記成分液3及び凝結した復水が流出する流出口38を形成する。該流出口38から流出した成分液3及び復水は精油タンク39に貯留され、ここで上層部に比重の小さい精油3aが、下層部に成分液の混合した水溶性混合液3bが生成される。そして、前記精油3a、水溶性混合液3bは図1の工程A4で益用処理され、入浴剤、香料、農業用害虫忌避剤等の益用剤S1となる。
【0018】
前記成分液3が滲出した後の樹木類粉砕物2、即ち残渣4は排出ベルト32によって排出口36から外部に排出され、該排出された残渣4は前述した泥11と共に混合装置40に供給され、混合物14となってロータリーキルン50のホッパー55に供給される。なお、前記樹木類処理工程Aにおいて、粉砕装置21は処理工場A3に設置し、樹木類1の粉砕を処理工場A3で粉砕するようにしてもよい。
【0019】
前述した汚泥類処理工程Bは、湖沼、海、下水処理場等の湖類B1で発生した汚泥、不純物等の被処理物(ヘドロ)10を採集・濾過工程B2で採集し、該採集した被処理物10を濾過・殺菌処理するとともに、泥11、肥料養分12、有機物13に分別する。分別された泥11は混合装置40を介して前記残渣4とともロータリーキルン50の炉体51に投入され、焼成されてセラミック炭15となる。
【0020】
前記工程B2による被処理物10の採集、濾過・殺菌処理及び分別は、図2に示すように、湖類B1の水面に浮かべた浮体71に採集装置60、及び濾過装置70を設置して行われる。即ち、長方形状の浮体71の左角部の前部(図2において左下)に採集装置60を設置し、残余の部に14個の槽72〜85を有する濾過装置70を設置する。
【0021】
採集装置60は、図6に示すように、スクリューコンベア形の揚水ポンプ61及び攪拌ポンプ65を組み合わせてなる。前記揚水ポンプ61は、上下に起立配置した筒状のケーシング62内にモーターM1によって揚上方向に回転されるスクリュー63を収容し、ケーシング62の下端に吸込み口62aを、上端部に吐出管62bを有する。前記揚水ポンプ61は昇降機構64により浮体71上で上下動調節可能に支持され、該昇降機構64により、揚水ポンプ61の吸込み口62aを湖類B1の底部に接近させる。
【0022】
前記攪拌ポンプ65は、浮体71の下面部でネット66によって仕切られた取水口67に吸引管65aの吸込み口を配置し、吐出管65bを前記ケーシング62の吸込み口62aの周囲に形成したノズルケース68に接続し、前記取水口67で吸引した湖類B1の水を前記ノズルケース68に形成した多数のノズルから吐出させ、前記ケーシング62の吸込み口62a部位に堆積している湖類B1の被処理物10を攪拌し、該被処理物10が前記吸込み口62aから効率よく吸引されるようにする。
【0023】
濾過装置70は、14個の箱型の槽72〜85を前後左右に隣接させて配列し、前記採集装置60で採集した被処理物10を順次流通させて殺菌処理するとともに、被処理物10に混在している泥11、肥料養分12、有機物13を分別して回収する。
【0024】
即ち、前記濾過装置70は、前列(図2おいて下部)に、図2、図3に示すように、左部から右部に向かって第1沈澱槽72、第2沈澱槽73、第1フィルター槽74、第2フィルター槽75を配置し、中列に、図2、図4に示すように、右部から左部に向かって第3フィルター槽76、第4フィルター槽77、第5フィルター槽78、第1殺菌槽79、第2殺菌槽80を配置し、後列に、図2、図5に示すように、左部から右部に向かって第3殺菌槽81、第4殺菌槽82、第5殺菌槽83、第6殺菌槽84、及び処理水検査槽85を配置する。
【0025】
前記第1沈澱槽72の上部に前述した揚水ポンプ61の吐出管62bを配置し、該吐出管62bから第1沈澱槽72に向けて被処理物10を吐出し、該第1沈澱槽72で比重の重い一次泥11aを回収する。前記第1沈澱槽72の上面には粗目のネット72aを張り、該ネット72aで吐出管62bから吐出される被処理物10に混在している大粒の塵埃を捕捉する。
【0026】
前記第1沈澱槽72で処理された被処理物は第2沈澱槽73に流れ、該第2沈澱槽73で比重の重い二次泥11bを回収した後、第1フィルター槽74に流れる。該第1フィルター槽74は、上層部に袋状のフィルター74aを、下層部に紫外線殺菌灯74bを取り付け、フィルター74aでより細かい塵埃、不純物を回収し、紫外線殺菌灯74bで照射される紫外線により主として被処理物内の植物プランクトン、動物プランクトンを死滅させる。
【0027】
前記第1フィルター槽74で処理された被処理物は第2フィルター槽75、次いで第3フィルター槽76に向かって流れる。該第2、第3フィルター槽75,76内にはセラミック炭15が収容されており、該セラミック炭15により被処理物に含まれている窒素、燐、等の肥料養分12、有機物となる微細な塵埃等を吸着する。
【0028】
前記第3フィルター槽76で処理された被処理物は、第4、第5フィルター槽(養分吸着槽)77,78に向かって流れる。該第4、第5フィルター槽77,78にはケナフフィルター77a,78aが取り付けられており、該ケナフフィルター77a,78aにより主として被処理物内の燐(養分)を吸着する。
【0029】
前記第5フィルター槽78で処理された被処理物は、第1殺菌槽79〜第6殺菌槽84に向かって流れる。第1殺菌槽79〜第4殺菌槽82には、それぞれ紫外線殺菌灯79a〜82a、及びオゾン注入ノズル79b〜82bが取り付けられ、第5殺菌槽83〜第6殺菌槽84には、それぞれオゾン注入ノズル83b〜84bのみが取り付けられ、前記紫外線殺菌灯79a〜82aによる紫外線の照射、及びオゾン注入ノズル79b〜84bから注入されるオゾンにより、被処理物内の植物プランクトン、動物プランクトン、雑菌等を死滅させる。前記オゾン注入ノズル79b〜84bには、浮体71の左部後部に設置したオゾン発生装置86から分配管87を介して供給される。
【0030】
第6殺菌槽84で処理された被処理物は処理水検査槽85に流れ、該処理水検査槽85で水質検査され、規定値以下(COD値5ppm以下)となった清浄水S3は排出管85から湖類B1に還元、又は後述の農業工場110に供給され、植物の育成用として使用される。
【0031】
そして、前記濾過装置70で分別捕捉された泥11(11a,11b)、肥料養分12、有機物13を回収し、泥11は前述したように、ロータリーキルン50で残渣4と混合、焼成してセラミック炭15に生成し、該セラミック炭15、前記肥料養分12及び有機物13は後述する農業工場110に供給して植物の育成材料とする。この場合、ケナフフィルター74aに付着している肥料養分12は、有機物13となるケナフフィルター74aを裁断し、該ケナフフィルター74aとともに農業工場110に供給される。
【0032】
植物生産工程Cは、自然エネルギー採取工程C1で風力発電機、太陽光発電機、太陽熱温水器等の自然エネルギー採取装置90により電気及び熱を採取し、植物育成工程C2で環境調節装置100により前記電気及び熱を調節して農業工場110の植物育成室の温度、光等を制御し、該農業工場110で野菜類、根菜類、果物類、穀物類等の植物S2を早期栽培する。
【0033】
前記農業工場110は図8に示すようになっている。即ち、略密閉された建物111内に複数の植物育成室112、即ち、発芽室112a、苗育成室112b、成熟室112cを形成し、苗育成室112b、成熟室112cの天井部に多数の発光ダイオード114(114a,114b)を取り付ける。前記植物育成室112の床部に多数のパレット113を配置し、また、植物育成室112の温度及び湿度を調節する温水パイプ、クーラー等の温湿度調節機(図示省略)を設置する。そして、前記各パレット113に前述したセラミック炭15、肥料養分12、有機物13等の育成材料を収容し、発芽室112aのパレット113に所定の植物の種子S2aを蒔き、芽が出てきた後は苗育成室112bに移動又は移植し、ここで苗S2bを成長させる。苗が成長した成長植物S2cは成熟室112cに移動又は移植し、ここで成熟させる。
【0034】
前記発芽室112a、苗育成室112b及び成熟室112cの温度、湿度、及び光量等は温湿度調節機を含む環境調節装置100で調節する。この場合、発光ダイオード114にあっては、例えば、苗育成室112bの発光ダイオード114aの発光色は主として青色にして苗の育成を促し、成熟室112cの発光ダイオード114bの発光色は主として赤色にして果実の熟成を促す。あるいは、前記発光ダイオード114a、114bの光量、発光時間等を調節して植物育成室112内の環境を希望する季節の状態に設定し、異なった季節の植物を任意に育成するようにする。また、使用済みのセラミック炭及び有機物16(図1)は前述したロータリーキルン50に供給し、セラミック炭は再生され、有機物は炭化物となる。
【0035】
前記建物111の屋根には、自然エネルギーを採取する風力発電機91、ソーラーパネル(太陽光発電機)92、太陽熱温水器93等を取り付け、これらで得た電気、熱を前記環境調節装置100で出力制御する。
【0036】
以上説明したように、本願発明は、間伐あるいは伐採された未利用の樹木類、及び湖沼、下水処理場等の湖類で発生した汚泥、不純物等の被処理物から、植物の育成材料、及び入浴剤、光量、農業用害虫忌避剤等の有益剤に転換するようにしたので、前記樹木類、被処理物の処理が公害を発生しない産業活動に寄与することになり、山林等、樹勢地の復元、湖類の浄化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による資源活用システムの工程図である。
【図2】本発明による濾過装置の平面図である。
【図3】図2のIII-III断面図である。
【図4】図2のVI-VI断面図である。
【図5】図2のV-V断面図である。
【図6】本発明による濾過装置の被処理物吸込み部の拡大断面図である。
【図7】本発明による蒸留装置及びロータリーキルンを示す断面図である。
【図8】本発明による農業工場の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
A 樹木類処理工程
A1 樹勢地
A2 間伐・粉砕工程
A3 処理工場
B 汚泥類処理工程
B1 湖類
B2 採集・濾過工程
C 植物生産工程
C1 自然エネルギー採取工程
C2 植物育成工程
1 樹木類
2 樹木類粉砕物
3 成分液
3a 精油
3b 水溶性混合液
4 残渣
10 被処理物
11 泥
12 肥料養分
13 有機物
15 セラミック炭
21 粉砕装置
30 蒸留装置
31 容器
32 排出ベルト
33 収容室
34 噴出管収容室
35 開閉蓋
36 排出口
37 蒸気発生装置
37a 加熱管
37b 噴出管
38 流出口
39 精油タンク
40 混合装置
41 ドラム
42 攪拌羽根
M2 モーター
50 ロータリーキルン
51 炉体
52 送り羽根
53 ローラー
54 バーナー
55 ホッパー
56 収容箱
60 採集装置
61 揚水ポンプ
62 ケーシング
63 スクリュー
M1 モーター
64 昇降機構
65 攪拌ポンプ
66 ネット
67 取水口
68 ノズルケース
70 濾過装置
71 浮体
72−73 第1、第2沈澱槽
74−78 第1〜第5フィルター槽
79−84 第1〜第6殺菌槽
85 処理水検査槽
85a 排出管
86 オゾン発生装置
87 分配管
90 自然エネルギー採取装置
91 風力発電機
92 ソーラーパネル(太陽光発電機)
93 太陽熱温水器
100 環境調節装置
110 農業工場
111 建物
112(112a〜112c) 植物育成室
113 パレット
114(114a,114b) 発光ダイオード
S1 益用剤
S2 植物
S3 清浄水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
山林等で間伐あるいは伐採された檜、杉、竹等の樹木類を粉砕処理して樹木類粉砕物を生成し、該樹木類粉砕物から蒸留装置で成分液を抽出し、湖沼、海、下水処理場等の湖類から汚泥、不純物等の被処理物を採集し、該被処理物を濾過装置に供給し、該濾過装置で前記被処理物から泥、有機物、肥料養分を分別採取し、前記成分液の抽出された樹木類粉砕物の残渣及び前記泥をロータリーキルンに供給し、該ロータリーキルンで前記残渣を炭化させるとともに該炭化した残渣が泥の焼成物と混合したセラミック炭を生成し、前記有機物、肥料養分及びセラミック炭を農業工場に供給して植物の育成材料としたことを特徴とする資源活用システム。
【請求項2】
濾過装置は、比重の重い汚泥、不純物を沈下させる沈澱槽、比重の軽い塵埃を回収するフィルター槽、有害な病原菌を死滅させる殺菌槽、及び窒素、燐酸等の肥料養分を吸着する養分吸着槽を有してなることを特徴とする請求項1記載の資源活用システム。
【請求項3】
農業工場は、風力発電機、太陽光発電機、太陽熱温水器等の自然エネルギー採取装置を設け、該自然エネルギー採取装置により植物育成室の温度及び光を調節してなることを特徴とする請求項1又は2記載の資源活用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−216163(P2007−216163A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40607(P2006−40607)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(394000482)
【Fターム(参考)】