赤外線カット、絞り一体装置
【課題】赤外線の入射及び遮断の切替えを行なう機構と光の量を調整する絞り羽根の機構を一体にし、外形寸法を小さく簡略な機構とした装置をカメラレンズ内に組み入れて昼夜を問わず鮮明な画像が得られるようにする。
【解決手段】監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部を備えた支持板３に、赤外線透過フィルタ８と赤外線遮断フィルタ９とを開口部２に切替え配置可能に対応させて撮像部への赤外線の入射と遮断とを切替える切替え部材５と、二枚の絞り羽根１１を互いに逆方向に移動可能に重ね合わせて形成された絞り孔１２を開口部２に対応させて、絞り羽根１１それぞれの相反する方向への移動により絞り孔１２を拡縮させて撮像部への光の量を調整する絞り部材４とを取り付けた。
【解決手段】監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部を備えた支持板３に、赤外線透過フィルタ８と赤外線遮断フィルタ９とを開口部２に切替え配置可能に対応させて撮像部への赤外線の入射と遮断とを切替える切替え部材５と、二枚の絞り羽根１１を互いに逆方向に移動可能に重ね合わせて形成された絞り孔１２を開口部２に対応させて、絞り羽根１１それぞれの相反する方向への移動により絞り孔１２を拡縮させて撮像部への光の量を調整する絞り部材４とを取り付けた。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどに組み入れられて、その監視カメラの撮像部側への赤外線の入射および遮断を切り替えるとともに、画像を明確に映し出すために光の量を調整する赤外線カット、絞り一体装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来から２４時間昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどにおいては夜間時や照明が落とされた場所も撮影できるようにする必要があることから、夜間時や暗部に対する撮影となるときには入射する赤外線を利用して画像を得るようにしている。そのため、このような昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどでは必要時に赤外線撮影が行なえるように赤外線の入射と遮断とを切り替える赤外線切替機構を有するものがある。また、赤外線の入射と遮断とを切り替える機構がないカメラを昼夜連続撮影用監視カメラレンズとして使用されることもあり、このような場合、赤外線を入射または遮断するどちらかの特殊フィルタをカメラレンズに固定して撮影を行なうようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昼夜連続撮影用監視カメラレンズに使用されている上記赤外線切替機構は、カメラ本体内部のＣＣＤ素子などからなる撮像部に達する光路に必要時に特殊フィルタが配置されるようにその特殊フィルタを移動可能に支持し、その移動をステッピングモーターや直流モーターを使用して制御するようにしている。しかしながら、ステッピングモーターや直流モーターを使用すると、軸の回転速度が速いため、減速するためのギヤを設けなければならない。また、特殊フィルタの切替え動作を行なうためにモーターを逆回転させなければならず、そのための機構や制御回路が複雑になりカメラレンズ全体の外形寸法が大きくなってしまう問題があり、しかも価格が高くなってしまう。さらに、上述した赤外線の入射及び遮断を切り替えるタイプのものでは、赤外線の入射と遮断とを切り替えたときに撮像部に対する光量を調整する必要があり、赤外線の入射及び遮断の機構を有する装置と、絞り部材を拡縮させる機構を有する装置とを各々カメラレンズに取り付けているが、そのため小型化が難しいという問題がある。また、特殊フィルタが無いタイプ、即ち、切替機構がない昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどでは上述したように特殊フィルタを固定して画像を撮影しているが、電気的に画像を処理しても画質が低下して昼間或いは夜間の画像が不鮮明になってしまうという問題があった。そこで、本発明は上記事情に鑑み、赤外線の入射及び遮断の切替えを行なう機構と光の量を調整する絞り機構を一体にすることを課題とし、外形寸法を小さく簡略な機構とした装置をカメラレンズ内に組み入れるようにすることで昼夜を問わず鮮明な画像が得られるようにすることを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮してなされたもので、監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部を備えた支持板に、赤外線を透過させる赤外線透過フィルタと赤外線を遮断する赤外線遮断フィルタとを前記開口部に切替え配置可能に対応させて、前記撮像部への赤外線の入射と遮断とを切替える切替え部材と、二枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動可能に重ね合わせて形成された絞り孔を前記開口部に対応させて、絞り羽根それぞれの相反する方向への移動により絞り孔を拡縮させて撮像部への光の量を調整する絞り部材とを取り付けたことを特徴とする赤外線カット、絞り一体装置を提供して、上記課題を解消するものである。
【０００５】本発明において、上記切替え部材を上記支持板に対してスライド移動させる切替え部材用駆動部と、上記絞り部材における絞り羽根を互いに逆方向に上記支持板に対してスライド移動させる絞り部材用駆動部とが、支持板の端部側に並べ設けられ、前記切替え部材用駆動部と絞り部材用駆動部とのそれぞれは、回転軸を有する永久磁石回転体と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体を回転させる一対のボビンと、前記ボビンが取り付けられる装着孔を有して、該装着孔にボビンそれぞれのコイル端子が位置するプリント配線板と、前記プリント配線板における前記コイル端子に接続されているとともに、監視カメラの制御部側に着脱可能なコネクタを備えた電線とからなるものであることが良好である。そして、上記切替え部材用駆動部は上記永久磁石回転体とボビンとを内部に配する筒状のヨークを有し、該ヨークの断面形状を楕円形にして、ボビンに通電された切替え部材用駆動部の動作により上記切替え部材がスライドし、切替え部材の赤外線透過フィルタが支持板の開口部に位置したときと赤外線遮断フィルタが支持板の開口部に位置したときに、ボビンへの非通電状態で永久磁石回転体とヨークとの間で生じる磁性吸着力により支持板の開口部に相対する前記フィルタの位置を保持するように磁気回路を構成することが良好である。
【０００６】また、本発明において、上記支持板に絞り部材と切替え部材とが積層配置されて、支持板が切替え部材と絞り部材とスライド可能に支持し、この支持板に監視カメラレンズ側への取付部が設けられていることが良好である。さらに、上記切替え部材用駆動部における一対のボビンのコイルを並列接続することが良好である。
【０００７】
【発明の実施の形態】つぎに本発明を図１から図５に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中１は監視カメラレンズの撮像部に達する光路での赤外線の入射と遮断とを切替えるとともに、光の量を調整する赤外線カット、絞り一体装置である。この赤外線カット、絞り一体装置１は、監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部２を備えた支持板３に、互いが接触することのないようにして絞り部材４と切替え部材５とを積層配置し、支持板３の長辺側で立ち上げられている側壁の間で前記絞り部材４と切替え部材５とをスライド可能に支持している。そして、支持板３の側壁それぞれにはこの赤外線カット、絞り一体装置１を監視カメラレンズ側の図示しないケーシングやプリント基板などにセットするためのビス孔からなる取付部６が一体に設けられ、この支持板３を監視カメラレンズ側のケーシングやプリント基板などに固定することで、絞り部材４と切替え部材５とがそれぞれスライド可能な状態で撮像部側に対応するようにしている。
【０００８】図３に示すように上記切替え部材５は対の開口を有した取付板７に赤外線透過フィルタ８と赤外線遮断フィルタ９とを並べて貼付したものであり、薄形に形成されている。取付板７の一端部は支持板長手方向に延長され、その先端に連結孔１０を配している。絞り部材４は、図４に示すようにそれぞれ開口を有した二枚の絞り羽根１１をそれぞれが上記支持板３の長手方向に移動可能に重ね合わせられたものであり、全体として薄形に形成されている。そして、重なり合う開口のオーバーラップ部分が絞り孔１２として形成され、二枚の絞り羽根１１を互いに逆方向に移動させることで前記絞り孔１２が定位置で拡縮するようにしている。前記絞り羽根１１それぞれは、上記切替え部材５の取付板７と同じように同一側の端部が支持板３の長手方向に向けて延長され、その先端に連結孔１３を配している。
【０００９】上記支持板３の側壁それぞれの内面側には高さが異なる複数の突起１４が設けられていて、支持板３側の低い位置にある突起１４は、切替え部材５を移動可能に支持するとともに、切替え部材５と絞り部材４との直接的な接触を防止して僅かな間隔が生じるようにこの切替え部材５と絞り部材４との間を離間させるものであり、絞り部材４の絞り羽根１１それぞれをスライド可能にしながらこの絞り羽根１１が上下に外れないようにしている。上位の突起１４は切替え部材５の取付板７をスライド可能にしながらこの取付板７が上下に外れないようにしている。
【００１０】支持板３の一端側には連結ボックス１５が一体に連接され、この連結ボックス１５に上記絞り部材４の絞り羽根１１それぞれの延長部分と切替え部材５の取付板７の延長部分が位置している。また、連結ボックス１５において、支持板３の上記絞り部材４や切替え部材５が配置されている方向とは反対側となる方向の面に、切替え部材用駆動部１６と絞り部材用駆動部１７とが並び設けられている。まず、切替え部材用駆動部１６は切替え部材５を支持板３に対してその長手方向に沿ってスライド移動させるもので、図２に示されているように、回転軸１８を有する永久磁石回転体１９と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体１９を回転させる一対のボビン２０とを、前記永久磁石回転体１９が一対のボビン２０の間になるようにして、さらにこの永久磁石回転体１９とボビン２０とを筒状のヨーク２１の内側に配置した状態とし、前記ヨーク２１に円盤状のプリント配線板２２を被せ付けて固定しているものである。
【００１１】上記ボビン２０それぞれはプリント配線板２２側に突出する二本の挿入棒２３を有していて、導電性金属線を巻いてなるコイル２４のコイル端子が前記挿入棒２３に巻き付けられ、コイル端子を巻き付けた状態の挿入棒２３が、プリント配線板２２に穿設されている装着孔２５に差し入れられて半田付けされている。プリント配線板２２の上記ボビン２０が取付けられた側とは反対側には挿入棒２３に巻き付けたコイル端子が表出する。このようにプリント配線板２２には四個の装着孔２５があって、それぞれにコイル端子が位置する。そして、この箇所に接続される四本の電線２６が他端側でまとめられて、監視カメラの制御部側に着脱可能なコネクタを備えている。なお、ボビン２０それぞれは同一の構成であるが、図において一方のボビン２０における挿入棒は見えない位置にある。
【００１２】切替え部材用駆動部１６の回転軸１８の一端は、上記プリント配線板２２のボビン２０が取付けられた側にある軸受２７で回転自由に支持されるとともに、他端が軸受として貫通孔となっている軸受孔２８を通って上記連結ボックス１５内に位置する。そして、回転軸１８の前記他端にはこの連結ボックス１５内において一本の腕を有する回転アーム２９が取り付けられており、この回転アーム２９が上記切替え部材５における取付板７の連結孔１０に連結している。以上のようにして切替え部材５と切替え部材用駆動部１６とが回転アーム２９を介して連結されており、切替え部材用駆動部１６の動作で回転アーム２９が所要角度範囲で回転し、切替え部材５が支持板３の長手方向に沿ってスライドするように設けられている。そして、電流が流されて前記駆動部１６が動作し、回転アーム２９が一方の回転限界点に達したときに、切替え部材５における一方のフィルタ８が支持板３の開口部２に対応位置するように設けられているとともに、逆方向に電流が流されて駆動部１６が動作し、回転アーム２９が逆方向に回転して他方の回転限界点に達したときに、他方のフィルタ９が支持板３の開口部２に対応位置するように設けられている
【００１３】上記絞り部材用駆動部１７は絞り部材４における絞り羽根１１を支持板３の長手方向に沿って互いに逆方向にスライド移動させるものである。この絞り部材用駆動部１７は絞り羽根１１を支持板３に対してその長手方向に沿ってスライド移動させるもので、図２に示されているように、回転軸１８を有する永久磁石回転体１９と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体１９を回転させる一対のボビン２０とを、前記永久磁石回転体１９が一対のボビン２０の間になるようにして、さらにこの永久磁石回転体１９とボビン２０とを筒状のヨーク２１の内側に配置した状態とし、前記ヨーク２１に円盤状のプリント配線板２２を被せ付けて固定しているものである。
【００１４】そして、上記切替え部材用駆動部１６と同じように、ボビン２０それぞれは二本の挿入棒２３を有し、コイル２４のコイル端子が挿入棒２３に巻き付けられ、このコイル端子は、挿入棒２３をプリント配線板２２の装着孔２５に差し入れられてから半田付けされている。また、プリント配線板２２のコイル端子が表出する箇所ごとに電線２６が接続され、その四本の電線２６の他端側でまとめられてコネクタを備えている。
【００１５】絞り部材用駆動部１７の回転軸１８の一端はプリント配線板２２の軸受２７で回転自由に支持され、他端が軸受孔２８を通って上記連結ボックス１５内に位置する。そして、回転軸１８の他端には連結ボックス１５内において二本の腕を有する回転アーム３０が取り付けられており、この回転アーム３０の二本の腕が上記絞り羽根１１における連結孔１３に連結している。以上のようにして絞り部材４と絞り部材用駆動部１７とが回転アーム３０を介して連結されており、絞り部材用駆動部１７の動作で回転アーム３０が所要角度範囲で回転し、絞り羽根１１が支持板３の長手方向に沿ってスライドするように設けられている。例えば、電流が流されて駆動部１７が動作し、回転アーム３０が一方の回転限界点に向けて回転したときには、絞り孔１２が開口部２に対応した位置で小さくなるように絞り羽根１１がそれぞれスライドし、回転アーム３０が回転限界点に達した際、開口部２の位置で絞り孔１２が最小の状態となるように設けられている。また、逆方向に電流が流されて駆動部１７が動作し、回転アーム３０が他方の回転限界点に向けて回転したときには、絞り孔１２が開口部２に対応した位置で開くように絞り羽根１１がそれぞれスライドし、回転アーム３０が他方の回転限界点に達した際、開口部２の位置で絞り孔１２が最大の状態となるように設けられている。この絞り部材４と絞り部材用駆動部１７とを連結する回転アーム３０にはバネ３１は絞り羽根１１の動作に制動を加えるものである。
【００１６】上記切替え部材用駆動部１６と絞り部材用駆動部１７とのそれぞれにおいて、一対のボビンのコイルの電気的接続形態は並列接続とされ、駆動トルクを増加させている。なお、上位例では切替え部材用駆動部１６と絞り部材用駆動部１７との両者それぞれにおいて一対のボビンのコイルを並列接続としているが、絞り部材用駆動部１７におけるコイルを並列接続する必要は必ずしもない。
【００１７】上記切替え部材用駆動部１６においては、切替え部材５の赤外線透過フィルタ８が支持板３の開口部２に位置したときと赤外線遮断フィルタ９が開口部２に位置したときに、その開口部２に相対しているフィルタ８、９の位置を連続通電することなく保持できるように磁気回路が構成されている。図５に示すように切替え部材用駆動部１６の上記ヨーク２１はその断面形状が楕円形であって、非通電時における永久磁石回転体１９の磁極の方向が、前記ヨーク２１の磁束効率のよい短軸方向に向いて変化しないようにしており、ヨーク２１の短軸方向に磁極の方向を向けて永久磁石回転体１９が止まるときに、赤外線透過フィルタ８が開口部２に位置し、また、赤外線遮断フィルタ９が開口部２に位置するように設定している。これによって、ボビン２０に通電された切替え部材用駆動部１６の動作により回転アーム２９が一方向に回転して切替え部材５がスライドするが、赤外線透過フィルタ８が開口部２に位置したときに前記ボビン２０への通電を停止すれば、ボビン２０の非通電状態が継続する限り、永久磁石回転体１９とヨーク２１との間で生じる短軸方向での磁性吸着力により永久磁石回転体２１は自由回転せずに磁極の方向が定められ、取付板７がスライドしないことから開口部２に相対する赤外線透過フィルタ８の位置を保持する。また、ボビン２０に逆方向に通電して、切替え部材用駆動部１６の動作により回転アーム２９が逆方向に回転して切替え部材５を逆方向にスライドさせ、赤外線遮断フィルタ９が開口部２に位置したときにボビン２０への通電を停止する。そして、ボビン２０の非通電状態が継続する限り、永久磁石回転体１９とヨーク２１との間で生じる短軸方向での磁性吸着力により永久磁石回転体２１は自由回転せずに磁極の方向が定められ、取付板７がスライドしないことから開口部２に相対する赤外線遮断フィルタ９の位置を保持する。このようにすることによって、連続通電することなく赤外線透過フィルタや赤外線遮断フィルタが支持板の開口部に位置した状態を保持でき、経済的である。
【００１８】
【発明の効果】以上説明した本発明の構成によれば、赤外線の入射と遮断を切替える切替え部材と光の量を調整する絞り部材とが一体となっているため、監視カメラレンズの撮像部に対する赤外線の入射及び遮断と光の量の調整とを兼ね備える装置の小型化が行なえ、機構も簡略化できるようになる。そして、赤外線の入射及び遮断と光の量の調整とを兼ね備える装置を低価格にて提供できるようになるとともに、軽量化にも寄与できる。さらにフィルタの切替えが行なえるため、本装置を監視カメラレンズの撮像部にセットすることで適切な状態で撮影が行なえ、昼夜を問わずに鮮明な画像が得られるように成るなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る赤外線カット、絞り一体装置の一例を示す説明図である。
【図２】一例を分解した状態で示す説明図である。
【図３】切替え部材を示す説明図である。
【図４】絞り部材を示す説明図である。
【図５】切替え部材用駆動部を示す説明図である。
【符号の説明】
１…赤外線カット、絞り一体装置
２…開口部
３…支持板
４…絞り部材
５…切替え部材
８…赤外線透過フィルタ
９…赤外線遮断フィルタ
１１…絞り羽根
１２…絞り孔
１６…切替え部材用駆動部
１７…絞り部材用駆動部
１９…永久磁石回転体
２０…ボビン
２１…ヨーク
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどに組み入れられて、その監視カメラの撮像部側への赤外線の入射および遮断を切り替えるとともに、画像を明確に映し出すために光の量を調整する赤外線カット、絞り一体装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来から２４時間昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどにおいては夜間時や照明が落とされた場所も撮影できるようにする必要があることから、夜間時や暗部に対する撮影となるときには入射する赤外線を利用して画像を得るようにしている。そのため、このような昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどでは必要時に赤外線撮影が行なえるように赤外線の入射と遮断とを切り替える赤外線切替機構を有するものがある。また、赤外線の入射と遮断とを切り替える機構がないカメラを昼夜連続撮影用監視カメラレンズとして使用されることもあり、このような場合、赤外線を入射または遮断するどちらかの特殊フィルタをカメラレンズに固定して撮影を行なうようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昼夜連続撮影用監視カメラレンズに使用されている上記赤外線切替機構は、カメラ本体内部のＣＣＤ素子などからなる撮像部に達する光路に必要時に特殊フィルタが配置されるようにその特殊フィルタを移動可能に支持し、その移動をステッピングモーターや直流モーターを使用して制御するようにしている。しかしながら、ステッピングモーターや直流モーターを使用すると、軸の回転速度が速いため、減速するためのギヤを設けなければならない。また、特殊フィルタの切替え動作を行なうためにモーターを逆回転させなければならず、そのための機構や制御回路が複雑になりカメラレンズ全体の外形寸法が大きくなってしまう問題があり、しかも価格が高くなってしまう。さらに、上述した赤外線の入射及び遮断を切り替えるタイプのものでは、赤外線の入射と遮断とを切り替えたときに撮像部に対する光量を調整する必要があり、赤外線の入射及び遮断の機構を有する装置と、絞り部材を拡縮させる機構を有する装置とを各々カメラレンズに取り付けているが、そのため小型化が難しいという問題がある。また、特殊フィルタが無いタイプ、即ち、切替機構がない昼夜連続撮影用監視カメラレンズなどでは上述したように特殊フィルタを固定して画像を撮影しているが、電気的に画像を処理しても画質が低下して昼間或いは夜間の画像が不鮮明になってしまうという問題があった。そこで、本発明は上記事情に鑑み、赤外線の入射及び遮断の切替えを行なう機構と光の量を調整する絞り機構を一体にすることを課題とし、外形寸法を小さく簡略な機構とした装置をカメラレンズ内に組み入れるようにすることで昼夜を問わず鮮明な画像が得られるようにすることを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮してなされたもので、監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部を備えた支持板に、赤外線を透過させる赤外線透過フィルタと赤外線を遮断する赤外線遮断フィルタとを前記開口部に切替え配置可能に対応させて、前記撮像部への赤外線の入射と遮断とを切替える切替え部材と、二枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動可能に重ね合わせて形成された絞り孔を前記開口部に対応させて、絞り羽根それぞれの相反する方向への移動により絞り孔を拡縮させて撮像部への光の量を調整する絞り部材とを取り付けたことを特徴とする赤外線カット、絞り一体装置を提供して、上記課題を解消するものである。
【０００５】本発明において、上記切替え部材を上記支持板に対してスライド移動させる切替え部材用駆動部と、上記絞り部材における絞り羽根を互いに逆方向に上記支持板に対してスライド移動させる絞り部材用駆動部とが、支持板の端部側に並べ設けられ、前記切替え部材用駆動部と絞り部材用駆動部とのそれぞれは、回転軸を有する永久磁石回転体と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体を回転させる一対のボビンと、前記ボビンが取り付けられる装着孔を有して、該装着孔にボビンそれぞれのコイル端子が位置するプリント配線板と、前記プリント配線板における前記コイル端子に接続されているとともに、監視カメラの制御部側に着脱可能なコネクタを備えた電線とからなるものであることが良好である。そして、上記切替え部材用駆動部は上記永久磁石回転体とボビンとを内部に配する筒状のヨークを有し、該ヨークの断面形状を楕円形にして、ボビンに通電された切替え部材用駆動部の動作により上記切替え部材がスライドし、切替え部材の赤外線透過フィルタが支持板の開口部に位置したときと赤外線遮断フィルタが支持板の開口部に位置したときに、ボビンへの非通電状態で永久磁石回転体とヨークとの間で生じる磁性吸着力により支持板の開口部に相対する前記フィルタの位置を保持するように磁気回路を構成することが良好である。
【０００６】また、本発明において、上記支持板に絞り部材と切替え部材とが積層配置されて、支持板が切替え部材と絞り部材とスライド可能に支持し、この支持板に監視カメラレンズ側への取付部が設けられていることが良好である。さらに、上記切替え部材用駆動部における一対のボビンのコイルを並列接続することが良好である。
【０００７】
【発明の実施の形態】つぎに本発明を図１から図５に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中１は監視カメラレンズの撮像部に達する光路での赤外線の入射と遮断とを切替えるとともに、光の量を調整する赤外線カット、絞り一体装置である。この赤外線カット、絞り一体装置１は、監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部２を備えた支持板３に、互いが接触することのないようにして絞り部材４と切替え部材５とを積層配置し、支持板３の長辺側で立ち上げられている側壁の間で前記絞り部材４と切替え部材５とをスライド可能に支持している。そして、支持板３の側壁それぞれにはこの赤外線カット、絞り一体装置１を監視カメラレンズ側の図示しないケーシングやプリント基板などにセットするためのビス孔からなる取付部６が一体に設けられ、この支持板３を監視カメラレンズ側のケーシングやプリント基板などに固定することで、絞り部材４と切替え部材５とがそれぞれスライド可能な状態で撮像部側に対応するようにしている。
【０００８】図３に示すように上記切替え部材５は対の開口を有した取付板７に赤外線透過フィルタ８と赤外線遮断フィルタ９とを並べて貼付したものであり、薄形に形成されている。取付板７の一端部は支持板長手方向に延長され、その先端に連結孔１０を配している。絞り部材４は、図４に示すようにそれぞれ開口を有した二枚の絞り羽根１１をそれぞれが上記支持板３の長手方向に移動可能に重ね合わせられたものであり、全体として薄形に形成されている。そして、重なり合う開口のオーバーラップ部分が絞り孔１２として形成され、二枚の絞り羽根１１を互いに逆方向に移動させることで前記絞り孔１２が定位置で拡縮するようにしている。前記絞り羽根１１それぞれは、上記切替え部材５の取付板７と同じように同一側の端部が支持板３の長手方向に向けて延長され、その先端に連結孔１３を配している。
【０００９】上記支持板３の側壁それぞれの内面側には高さが異なる複数の突起１４が設けられていて、支持板３側の低い位置にある突起１４は、切替え部材５を移動可能に支持するとともに、切替え部材５と絞り部材４との直接的な接触を防止して僅かな間隔が生じるようにこの切替え部材５と絞り部材４との間を離間させるものであり、絞り部材４の絞り羽根１１それぞれをスライド可能にしながらこの絞り羽根１１が上下に外れないようにしている。上位の突起１４は切替え部材５の取付板７をスライド可能にしながらこの取付板７が上下に外れないようにしている。
【００１０】支持板３の一端側には連結ボックス１５が一体に連接され、この連結ボックス１５に上記絞り部材４の絞り羽根１１それぞれの延長部分と切替え部材５の取付板７の延長部分が位置している。また、連結ボックス１５において、支持板３の上記絞り部材４や切替え部材５が配置されている方向とは反対側となる方向の面に、切替え部材用駆動部１６と絞り部材用駆動部１７とが並び設けられている。まず、切替え部材用駆動部１６は切替え部材５を支持板３に対してその長手方向に沿ってスライド移動させるもので、図２に示されているように、回転軸１８を有する永久磁石回転体１９と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体１９を回転させる一対のボビン２０とを、前記永久磁石回転体１９が一対のボビン２０の間になるようにして、さらにこの永久磁石回転体１９とボビン２０とを筒状のヨーク２１の内側に配置した状態とし、前記ヨーク２１に円盤状のプリント配線板２２を被せ付けて固定しているものである。
【００１１】上記ボビン２０それぞれはプリント配線板２２側に突出する二本の挿入棒２３を有していて、導電性金属線を巻いてなるコイル２４のコイル端子が前記挿入棒２３に巻き付けられ、コイル端子を巻き付けた状態の挿入棒２３が、プリント配線板２２に穿設されている装着孔２５に差し入れられて半田付けされている。プリント配線板２２の上記ボビン２０が取付けられた側とは反対側には挿入棒２３に巻き付けたコイル端子が表出する。このようにプリント配線板２２には四個の装着孔２５があって、それぞれにコイル端子が位置する。そして、この箇所に接続される四本の電線２６が他端側でまとめられて、監視カメラの制御部側に着脱可能なコネクタを備えている。なお、ボビン２０それぞれは同一の構成であるが、図において一方のボビン２０における挿入棒は見えない位置にある。
【００１２】切替え部材用駆動部１６の回転軸１８の一端は、上記プリント配線板２２のボビン２０が取付けられた側にある軸受２７で回転自由に支持されるとともに、他端が軸受として貫通孔となっている軸受孔２８を通って上記連結ボックス１５内に位置する。そして、回転軸１８の前記他端にはこの連結ボックス１５内において一本の腕を有する回転アーム２９が取り付けられており、この回転アーム２９が上記切替え部材５における取付板７の連結孔１０に連結している。以上のようにして切替え部材５と切替え部材用駆動部１６とが回転アーム２９を介して連結されており、切替え部材用駆動部１６の動作で回転アーム２９が所要角度範囲で回転し、切替え部材５が支持板３の長手方向に沿ってスライドするように設けられている。そして、電流が流されて前記駆動部１６が動作し、回転アーム２９が一方の回転限界点に達したときに、切替え部材５における一方のフィルタ８が支持板３の開口部２に対応位置するように設けられているとともに、逆方向に電流が流されて駆動部１６が動作し、回転アーム２９が逆方向に回転して他方の回転限界点に達したときに、他方のフィルタ９が支持板３の開口部２に対応位置するように設けられている
【００１３】上記絞り部材用駆動部１７は絞り部材４における絞り羽根１１を支持板３の長手方向に沿って互いに逆方向にスライド移動させるものである。この絞り部材用駆動部１７は絞り羽根１１を支持板３に対してその長手方向に沿ってスライド移動させるもので、図２に示されているように、回転軸１８を有する永久磁石回転体１９と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体１９を回転させる一対のボビン２０とを、前記永久磁石回転体１９が一対のボビン２０の間になるようにして、さらにこの永久磁石回転体１９とボビン２０とを筒状のヨーク２１の内側に配置した状態とし、前記ヨーク２１に円盤状のプリント配線板２２を被せ付けて固定しているものである。
【００１４】そして、上記切替え部材用駆動部１６と同じように、ボビン２０それぞれは二本の挿入棒２３を有し、コイル２４のコイル端子が挿入棒２３に巻き付けられ、このコイル端子は、挿入棒２３をプリント配線板２２の装着孔２５に差し入れられてから半田付けされている。また、プリント配線板２２のコイル端子が表出する箇所ごとに電線２６が接続され、その四本の電線２６の他端側でまとめられてコネクタを備えている。
【００１５】絞り部材用駆動部１７の回転軸１８の一端はプリント配線板２２の軸受２７で回転自由に支持され、他端が軸受孔２８を通って上記連結ボックス１５内に位置する。そして、回転軸１８の他端には連結ボックス１５内において二本の腕を有する回転アーム３０が取り付けられており、この回転アーム３０の二本の腕が上記絞り羽根１１における連結孔１３に連結している。以上のようにして絞り部材４と絞り部材用駆動部１７とが回転アーム３０を介して連結されており、絞り部材用駆動部１７の動作で回転アーム３０が所要角度範囲で回転し、絞り羽根１１が支持板３の長手方向に沿ってスライドするように設けられている。例えば、電流が流されて駆動部１７が動作し、回転アーム３０が一方の回転限界点に向けて回転したときには、絞り孔１２が開口部２に対応した位置で小さくなるように絞り羽根１１がそれぞれスライドし、回転アーム３０が回転限界点に達した際、開口部２の位置で絞り孔１２が最小の状態となるように設けられている。また、逆方向に電流が流されて駆動部１７が動作し、回転アーム３０が他方の回転限界点に向けて回転したときには、絞り孔１２が開口部２に対応した位置で開くように絞り羽根１１がそれぞれスライドし、回転アーム３０が他方の回転限界点に達した際、開口部２の位置で絞り孔１２が最大の状態となるように設けられている。この絞り部材４と絞り部材用駆動部１７とを連結する回転アーム３０にはバネ３１は絞り羽根１１の動作に制動を加えるものである。
【００１６】上記切替え部材用駆動部１６と絞り部材用駆動部１７とのそれぞれにおいて、一対のボビンのコイルの電気的接続形態は並列接続とされ、駆動トルクを増加させている。なお、上位例では切替え部材用駆動部１６と絞り部材用駆動部１７との両者それぞれにおいて一対のボビンのコイルを並列接続としているが、絞り部材用駆動部１７におけるコイルを並列接続する必要は必ずしもない。
【００１７】上記切替え部材用駆動部１６においては、切替え部材５の赤外線透過フィルタ８が支持板３の開口部２に位置したときと赤外線遮断フィルタ９が開口部２に位置したときに、その開口部２に相対しているフィルタ８、９の位置を連続通電することなく保持できるように磁気回路が構成されている。図５に示すように切替え部材用駆動部１６の上記ヨーク２１はその断面形状が楕円形であって、非通電時における永久磁石回転体１９の磁極の方向が、前記ヨーク２１の磁束効率のよい短軸方向に向いて変化しないようにしており、ヨーク２１の短軸方向に磁極の方向を向けて永久磁石回転体１９が止まるときに、赤外線透過フィルタ８が開口部２に位置し、また、赤外線遮断フィルタ９が開口部２に位置するように設定している。これによって、ボビン２０に通電された切替え部材用駆動部１６の動作により回転アーム２９が一方向に回転して切替え部材５がスライドするが、赤外線透過フィルタ８が開口部２に位置したときに前記ボビン２０への通電を停止すれば、ボビン２０の非通電状態が継続する限り、永久磁石回転体１９とヨーク２１との間で生じる短軸方向での磁性吸着力により永久磁石回転体２１は自由回転せずに磁極の方向が定められ、取付板７がスライドしないことから開口部２に相対する赤外線透過フィルタ８の位置を保持する。また、ボビン２０に逆方向に通電して、切替え部材用駆動部１６の動作により回転アーム２９が逆方向に回転して切替え部材５を逆方向にスライドさせ、赤外線遮断フィルタ９が開口部２に位置したときにボビン２０への通電を停止する。そして、ボビン２０の非通電状態が継続する限り、永久磁石回転体１９とヨーク２１との間で生じる短軸方向での磁性吸着力により永久磁石回転体２１は自由回転せずに磁極の方向が定められ、取付板７がスライドしないことから開口部２に相対する赤外線遮断フィルタ９の位置を保持する。このようにすることによって、連続通電することなく赤外線透過フィルタや赤外線遮断フィルタが支持板の開口部に位置した状態を保持でき、経済的である。
【００１８】
【発明の効果】以上説明した本発明の構成によれば、赤外線の入射と遮断を切替える切替え部材と光の量を調整する絞り部材とが一体となっているため、監視カメラレンズの撮像部に対する赤外線の入射及び遮断と光の量の調整とを兼ね備える装置の小型化が行なえ、機構も簡略化できるようになる。そして、赤外線の入射及び遮断と光の量の調整とを兼ね備える装置を低価格にて提供できるようになるとともに、軽量化にも寄与できる。さらにフィルタの切替えが行なえるため、本装置を監視カメラレンズの撮像部にセットすることで適切な状態で撮影が行なえ、昼夜を問わずに鮮明な画像が得られるように成るなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る赤外線カット、絞り一体装置の一例を示す説明図である。
【図２】一例を分解した状態で示す説明図である。
【図３】切替え部材を示す説明図である。
【図４】絞り部材を示す説明図である。
【図５】切替え部材用駆動部を示す説明図である。
【符号の説明】
１…赤外線カット、絞り一体装置
２…開口部
３…支持板
４…絞り部材
５…切替え部材
８…赤外線透過フィルタ
９…赤外線遮断フィルタ
１１…絞り羽根
１２…絞り孔
１６…切替え部材用駆動部
１７…絞り部材用駆動部
１９…永久磁石回転体
２０…ボビン
２１…ヨーク
【特許請求の範囲】
【請求項１】監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部を備えた支持板に、赤外線を透過させる赤外線透過フィルタと赤外線を遮断する赤外線遮断フィルタとを前記開口部に切替え配置可能に対応させて、前記撮像部への赤外線の入射と遮断とを切替える切替え部材と、二枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動可能に重ね合わせて形成された絞り孔を前記開口部に対応させて、絞り羽根それぞれの相反する方向への移動により絞り孔を拡縮させて撮像部への光の量を調整する絞り部材とを取り付けたことを特徴とする赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項２】上記切替え部材を上記支持板に対してスライド移動させる切替え部材用駆動部と、上記絞り部材における絞り羽根を互いに逆方向に上記支持板に対してスライド移動させる絞り部材用駆動部とが、支持板の端部側に並べ設けられ、前記切替え部材用駆動部と絞り部材用駆動部とのそれぞれは、回転軸を有する永久磁石回転体と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体を回転させる一対のボビンと、前記ボビンが取り付けられる装着孔を有して、該装着孔にボビンそれぞれのコイル端子が位置するプリント配線板と、前記プリント配線板における前記コイル端子に接続されているとともに、監視カメラの制御部側に着脱可能なコネクタを備えた電線とからなるものである請求項１に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項３】上記切替え部材用駆動部は上記永久磁石回転体とボビンとを内部に配する筒状のヨークを有し、該ヨークの断面形状を楕円形にして、ボビンに通電された切替え部材用駆動部の動作により上記切替え部材がスライドし、切替え部材の赤外線透過フィルタが支持板の開口部に位置したときと赤外線遮断フィルタが支持板の開口部に位置したときに、ボビンへの非通電状態で永久磁石回転体とヨークとの間で生じる磁性吸着力により支持板の開口部に相対する前記フィルタの位置を保持するように磁気回路を構成した請求項２に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項４】上記支持板に切替え部材と絞り部材とが積層配置されて、支持板が切替え部材と絞り部材とスライド可能に支持し、この支持板に監視カメラ側への取付部が設けられている請求項１から３の何れか一項に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項５】上記切替え部材用駆動部における一対のボビンのコイルを並列接続した請求項１から４の何れか一項に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項１】監視カメラレンズの撮像部に対応する開口部を備えた支持板に、赤外線を透過させる赤外線透過フィルタと赤外線を遮断する赤外線遮断フィルタとを前記開口部に切替え配置可能に対応させて、前記撮像部への赤外線の入射と遮断とを切替える切替え部材と、二枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動可能に重ね合わせて形成された絞り孔を前記開口部に対応させて、絞り羽根それぞれの相反する方向への移動により絞り孔を拡縮させて撮像部への光の量を調整する絞り部材とを取り付けたことを特徴とする赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項２】上記切替え部材を上記支持板に対してスライド移動させる切替え部材用駆動部と、上記絞り部材における絞り羽根を互いに逆方向に上記支持板に対してスライド移動させる絞り部材用駆動部とが、支持板の端部側に並べ設けられ、前記切替え部材用駆動部と絞り部材用駆動部とのそれぞれは、回転軸を有する永久磁石回転体と、巻き付けたコイルへの通電により磁界を生じさせて前記永久磁石回転体を回転させる一対のボビンと、前記ボビンが取り付けられる装着孔を有して、該装着孔にボビンそれぞれのコイル端子が位置するプリント配線板と、前記プリント配線板における前記コイル端子に接続されているとともに、監視カメラの制御部側に着脱可能なコネクタを備えた電線とからなるものである請求項１に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項３】上記切替え部材用駆動部は上記永久磁石回転体とボビンとを内部に配する筒状のヨークを有し、該ヨークの断面形状を楕円形にして、ボビンに通電された切替え部材用駆動部の動作により上記切替え部材がスライドし、切替え部材の赤外線透過フィルタが支持板の開口部に位置したときと赤外線遮断フィルタが支持板の開口部に位置したときに、ボビンへの非通電状態で永久磁石回転体とヨークとの間で生じる磁性吸着力により支持板の開口部に相対する前記フィルタの位置を保持するように磁気回路を構成した請求項２に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項４】上記支持板に切替え部材と絞り部材とが積層配置されて、支持板が切替え部材と絞り部材とスライド可能に支持し、この支持板に監視カメラ側への取付部が設けられている請求項１から３の何れか一項に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【請求項５】上記切替え部材用駆動部における一対のボビンのコイルを並列接続した請求項１から４の何れか一項に記載の赤外線カット、絞り一体装置。
【図１】
【図３】
【図４】
【図２】
【図５】
【図３】
【図４】
【図２】
【図５】
【公開番号】特開２００３−３４８３９８（Ｐ２００３−３４８３９８Ａ）
【公開日】平成１５年１２月５日（２００３．１２．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００２−１５６１０８（Ｐ２００２−１５６１０８）
【出願日】平成１４年５月２９日（２００２．５．２９）
【出願人】（３０１０３２６２１）株式会社藤田電機製作所 (10)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１５年１２月５日（２００３．１２．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１４年５月２９日（２００２．５．２９）
【出願人】（３０１０３２６２１）株式会社藤田電機製作所 (10)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]