説明

赤外線センサーの冷却装置

【課題】内燃機関、外燃機関又はロケットエンジンを動力源とする移動体に取り付けられた赤外線センサーを、維持費をかけることなく容易に冷却することができる赤外線センサーの冷却装置を提供する。
【解決手段】内燃機関などの排気熱により加熱する加熱部7、及び内燃機関の冷却水19により冷却する第1冷却部8により挟持された第1スタック6を内部に有する第1ループ管2と、内燃機関の冷却水19により冷却する第2冷却部14、及び赤外線センサー16に密着する冷凍部15に挟持された第2スタック13を内部に有する第2ループ管3とを、共鳴管4で連結するとともに、それらのループ管2、3及び共鳴管4の内部に流体5を封入することで赤外線センサーの冷却装置1Aを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は赤外線センサーの冷却装置に関し、更に詳しくは、内燃機関、外燃機関又はロケットエンジンを動力源とする移動体に取り付けられた赤外線センサーを、維持費をかけることなく容易に冷却することができる赤外線センサーの冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱をもつ物体は、その温度に比例した赤外線を放出することが知られており、その特性を利用して夜間や暗所でも視界を確保することができる赤外線暗視装置が開発されている。この赤外線暗視装置は、従来は主に軍事目的に利用されてきたが、近年では車両に装備されて、運転者や操作者に進行方向の画像をモニターを通じて提供することで、夜間での安全走行に寄与するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この赤外線暗視装置は通常は常温下に置かれるので、自身が赤外線を発することとなる。そのため、画像に多くのノイズがのってしまい、運転者や操作者に鮮明な画像を提供することが難しいという問題がある。この問題を解決するためには、赤外線暗視装置において赤外線を検知するセンサー部分を極低温に冷却することが考えられる。しかし、このように赤外線センサーを極低温に冷却する方法は、ミサイルなどのようにコストよりも性能を重視する製品には容易に適用することができるが、一般の車両に適用する場合にはコストやスペースなどの点から限られたものとなる。
【0004】
一般の車両に適用できる赤外線センサーの冷却方法としては、液体窒素やスターリング冷凍機を利用することが考えられる。しかし、前者の液体窒素は補給の手間がかかり、後者のスターリング冷凍機は冷却のために動力を必要とするので、車両の燃費が著しく低下してしまう。つまり、一般の車両に適用した場合には、両者ともに維持費が高騰してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−308012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、内燃機関、外燃機関又はロケットエンジンを動力源とする移動体に取り付けられた赤外線センサーを、維持費をかけることなく容易に冷却することができる赤外線センサーの冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する本発明の赤外線センサーの冷却装置は、内燃機関、外燃機関又はロケットエンジンを動力源とする移動体に取り付けられた赤外線センサーを冷却する赤外線センサーの冷却装置であって、前記内燃機関の排気熱により加熱する加熱部と、前記内燃機関の冷却手段により冷却する第1冷却部とに挟持された第1スタックを内部に有する第1管体と、前記内燃機関の冷却手段により冷却する第2冷却部と、前記赤外線センサーに密着する冷凍部とに挟持された第2スタックを内部に有する第2管体と、前記第1管体と前記第2管体とを連結する共鳴管と、前記第1管体、第2管体及び共鳴管の内部に封入された流体とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
上記の赤外線センサーの冷却装置において、前記第1管体及び第2管体の少なくとも一方を、環状に延びるループ管、又は直線状に延びる直管とする。また、前記直管の一端部を閉止するとともに、他端部を開放して前記共鳴管に接続することで、冷却装置の構造の簡易化及び軽量化を図ることができる。更に、前記第1管体の直管の外径を長手方向の途中で異ならせるとともに、それら外径が異なる部分ごとに前記加熱部及び第1冷却部に挟持された第1スタックをそれぞれ配置することで、複数のスタックから効率よく音波を発生させることができるとともに、流体の流動損失を適切に調整することができる。
【0009】
上記の赤外線センサーの冷却装置において、前記第2管体が前記直管であって、その直管の一端部を絞り弁を介してバッファータンクに接続するとともに、他端部を開放して前記共鳴管に接続することで、絞り弁の開閉により直管内を流れる流体の圧力を調整して、冷却性能を向上することができる。
【0010】
上記の赤外線センサーの冷却装置において、前記第1管体及び第2管体が前記直管であって、それら直管の両端部を開放してそれぞれ前記共鳴管で連結することで、冷却性能を損なうことなく、冷却装置の構造の簡易化及び軽量化を向上することができる。
【0011】
上記の赤外線センサーの冷却装置において、前記第1管体、第2管体及び共鳴管の内部に封入された流体には、空気、ヘリウム、水素、アルゴン及び窒素の中から選ばれる少なくとも1つを用いる。
【0012】
本発明の赤外線センサーの冷却装置は、内燃機関、外燃機関又はロケットエンジンを動力源とする移動体である車両、航空機又はミサイルに好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の赤外線センサーの冷却装置によれば、内燃機関、外燃機関又はロケットエンジンの排気熱を利用して、赤外線センサーの冷却を行うことができるので、赤外線センサーを維持費をかけることなく冷却することができる。また、冷却装置の構造が簡易かつ軽量であるため、赤外線センサーの冷却を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置の構成図である。
【図3】熱音響エンジンの変形例である。
【図4】熱音響冷凍機の変形例である。
【図5】本発明の第3の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置の構成図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置の構成図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置を備えたミサイルの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置を示す。
【0017】
この赤外線センサーの冷却装置(以下、「冷却装置」という。)1Aは、内燃機関であるエンジンを動力源とする車両に装備されるものであり、第1ループ管2と第2ループ管3との間を共鳴管(音波伝達管)4で連結した構造を有している。ループ管2、3及び共鳴管4は、ステンレスや真鍮などから形成され、共鳴管4がほぼ直線状であるのに対して、ループ管2、3は略矩形の環状に延びている。これらのループ管2、3及び共鳴管4のサイズは、冷却装置への要求性能、例えば冷却温度や装置の大きさなどにより適宜設定される。
【0018】
ループ管2、3及び共鳴管4の内部には、一定の圧力を有する流体5が封入されており、その流体5としては、空気、ヘリウム、水素、アルゴン及び窒素の中から選ばれる気体又は混合気体が好ましく用いられる。特に、ヘリウムとアルゴンの混合気体を用いることが望ましい。
【0019】
第1ループ管2の内部には第1スタック6が配置され、その第1スタック6を両側から挟持するように加熱部7と第1冷却部8とがそれぞれ設置されている。第1スタック6は、複数積層された金属製のメッシュから、又はセラミックス製のハニカムから構成されている。加熱部7は、流体の流れを妨げない形状を有する伝熱性の高い物体、例えば並行に配列された複数の金属板などから構成されており、その一部が第1ループ管2の管壁内面に接触している。そして、その加熱部7を第1ループ管2の管壁を介して包絡するようにエンジンの排気管9が通過している。加熱部7が接触する部分に対応する第1ループ管2の管壁外面には、伝熱性能を向上するために多数のフィン10を設けている。また、第1冷却部8は、第1ループ管2を径方向に貫通するエンジンの冷却水配管11の途中に形成された太径部から構成されている。
【0020】
これらの第1ループ管2、第1スタック6、加熱部7及び第1冷却部8により熱音響エンジン12Aが構成される。
【0021】
第2ループ管3の内部には第2スタック13が配置され、その第2スタック13を両側から挟持するように第2冷却部14と冷凍部15とがそれぞれ設置されている。第2スタック13及び第2冷却部14は、熱音響エンジン12Aの第1スタック6及び第1冷却部8とそれぞれ同じ構造を有している。冷凍部15は、第2ループ管3を貫通する伝熱性の高い金属体などから構成され、外側に露出する端部が赤外線暗視装置の赤外線センサー16に密着している。
【0022】
これらの第2ループ管3、第2スタック13、第2冷却部14及び冷凍部15により熱音響冷凍機17Aが構成される。
【0023】
このような冷却装置1Aにおいて、エンジンを運転して排気管9を流れる排気ガス18の排気熱(例えば、ガソリンエンジンで約100〜1000℃、ディーゼルエンジンで約100〜400℃)により熱音響エンジン12Aの加熱部7を加熱するとともに、エンジンの冷却水19により第1冷却部8を冷却すると、第1スタック6に温度勾配が発生する。この第1スタック6の両端の温度差が一定値以上になると、第1ループ管2内の流体5が自励振動して音波20が発生する。発生した音波20は第1ループ管2内を循環しながらエネルギーを徐々に蓄積するとともに、その一部は共鳴管4を通じて熱音響冷凍機17Aの第2ループ管3へ伝達される。第2ループ管3へ伝達された音波20は、第2ループ管3内で循環しながら第2スタック13において流体5を圧縮・膨張させる。この流体5の圧縮・膨張が微少なサイクルで繰り返されることで、第2スタック13が発熱し流体5の流れに沿って温度勾配が生じる。このとき、第2スタック13の高温側端部に位置する第2冷却部14をエンジンの冷却水19で冷却すると、低温側端部に位置する冷凍部15が極低温になるため、赤外線センサー16を冷却することができる。
【0024】
このようにして、内燃機関であるエンジンの排気熱を利用して、赤外線センサー16の冷却を行うことができるので、赤外線センサー16を維持費をかけることなく冷却することができる。それにより、車両に積載された赤外線暗視装置の画像をクリアにすることができる。また、エンジンの動力損失がないため、車両の性能を妨げることがない。更には、冷却装置1Aの構造が簡易かつ軽量であるため、赤外線センサー16の冷却を容易に行うことができる。
【0025】
上記の冷却装置1Aにおいて、ループ管2、3の長手方向におけるスタック6、13の位置は、特に限定するものではない。また、熱音響エンジン12Aにおける第1スタック6(加熱部7及び第1冷却部8を含む)の台数も限定するものではなく、長手方向に一定の間隔をおいて複数配置するようにしてもよい。
【0026】
図2は、本発明の第2の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置を示す。
【0027】
この冷却装置1Bは、上述したループ管2、3の代わりに、一端部が閉止された直線状に延びる直管21、22を用いたものである。なお、熱音響エンジン12Bにおける加熱部7及び第1冷却部8、並びに熱音響冷凍機17Bにおける第2冷却部14及び冷凍部15は、上述した冷却装置1Aの場合と同じ構造を有している。
【0028】
このような冷却装置1Bにおいて、エンジンを運転して排気管9を流れる排気ガス18の排気熱により熱音響エンジン12Bの加熱部7を加熱するとともに、エンジンの冷却水19により第1冷却部8を冷却することで第1直管21内で発生した音波20は、そのまま共鳴管4を通じて熱音響冷凍機17Bの第2直管22へ伝達される。そして、第2直管22へ伝達された音波20により第2スタック13が発熱し、流体5の流れに沿って温度勾配が生じる。このとき、第2スタック13の高温側端部に位置する第2冷却部14をエンジンの冷却水19で冷却することで、低温側端部に位置する冷凍部15が極低温になるため、赤外線センサー16を冷却することができる。
【0029】
この冷却装置1Bは、冷却装置1Aのようにループ管2、3内での音波20の循環がないため、第2スタック13を発熱させる音波20のエネルギーが低くなって冷凍部15の冷却性能が低下することになる。しかしながら、冷却装置1Bの構造を更に簡易かつ軽量化できるという長所を有している。
【0030】
上記の冷却装置1Bにおいても、直管21、22の長手方向におけるスタック6、13の位置は、特に限定するものではない。また、熱音響エンジン12Bにおける第1スタック6(加熱部7及び第1冷却部8を含む)の台数も限定するものではなく、長手方向に一定の間隔をおいて複数配置するようにしてもよい。
【0031】
なお、熱音響エンジン12Bに第1スタック6(加熱部7及び第1冷却部8を含む)を複数設ける場合には、図3に示すように、それぞれの第1スタック6が配置される部分における第1直管21の外径を変化させるようにしてもよい。この図3に示す熱音響エンジン12bにおいては、第1直管21の閉止された側の端部を、外径の小さい直線状の細管23に連通させ、その細管23内に新たに2個目の第1スタック6(加熱部7及び第1冷却部8を含む)を配置している。このようにすることで、複数の第1スタック6から効率よく音波20を発生させることができるとともに、流体5の流動損失を適切に調整することができる。
【0032】
また、熱音響冷凍機17Bにおける構造も図2に限定されるものではない。例えば図4に示す熱音響冷凍機17bにおいては、第2直管22の閉止された側の端部を絞り弁24を介してバッファータンク25に連通させている。このようにすることで、絞り弁24の開閉により直管21、22内を流れる流体5の圧力を調整して、冷却性能を向上することができる。
【0033】
上述した冷却装置1A、1Bにおいては、熱音響エンジン12A、12Bと熱音響冷凍機17A、17Bの構成を互いに組み合わせることができる。
【0034】
例えば、図5に示す本発明の第3の実施の形態からなる冷却装置1Cは、冷却装置1Aにおける熱音響エンジン12Aと、冷却装置1Bにおける熱音響冷凍機17Bとを組み合わせたものである。このように構成することにより、冷却性能の向上と冷却装置の構造の簡易化及び軽量化とを両立させることができる。なお、この組み合わせの対象には、図3、4にそれぞれ示す熱音響エンジン12b及び熱音響冷凍機17bの構成も含まれることはいうまでもない。
【0035】
図6は、本発明の第4の実施の形態からなる赤外線センサーの冷却装置を示す。
【0036】
この冷却装置1Dは、熱音響エンジン12Dの第1スタック6(加熱部7及び第1冷却部8を含む)と、熱音響冷凍機17Dの第2スタック13(第2冷却部14及び冷凍部15を含む)とを、環状に延びる環状管26の内部に一定の距離をおいてそれぞれ配置したものである。言い換えれば、熱音響エンジン12D及び熱音響冷凍機17Dの構成部材として両端部が開放した直管21、22をそれぞれ用い、それらの直管21、22の端部同士を2本の共鳴管4で連結したものと捉えることができる。
【0037】
このような冷却装置1Dにおいては、エンジンを運転して排気管9を流れる排気ガス18の排気熱により熱音響エンジン12Dの加熱部7を加熱するとともに、エンジンの冷却水19により第1冷却部8を冷却することで環状管26内で発生した音波20は、そのまま環状管26内を伝わって熱音響冷凍機17Dへ伝達される。そして、その伝達された音波20により第2スタック13が発熱し、流体20の流れに沿って温度勾配が生じる。 このとき、第2スタック13の高温側端部に位置する第2冷却部14をエンジンの冷却水19で冷却すると、低温側端部となる冷凍部15が極低温になるため、赤外線センサー16を冷却することができる。
【0038】
なお、発生した音波20の一部は環状管26内を循環して、徐々にエネルギーが蓄積されるため、冷却装置1Aとほぼ同じ冷却性能を得ることができる。従って、このような冷却装置1Dを用いることにより、冷却性能を損なうことなく、冷却装置の構造の簡易化及び軽量化を向上することができる。
【0039】
本発明の冷却装置1A〜1Dは、上述したように内燃機関であるエンジンを動力源とする車両への装備に限るものではない。動力源は外燃機関であってもよく、また車両の他に航空機などに装備することもできる。
【0040】
更に、例えば図7に示すような、ロケットエンジンにより飛行するミサイル27に搭載された赤外線追尾装置の赤外線センサー16の冷却に用いることも可能である。
【0041】
本発明の第5の実施の形態からなる冷却装置1Eは、図7に示すように、上記の冷却装置1Aと同じく、熱音響エンジン12E及び熱音響冷凍機17Eの構成部材としてループ管2、3を用いている。熱音響エンジン12Eの加熱部7は、燃料タンク28から供給される燃料が燃焼する燃焼室29に密着している。また、熱音響エンジン12E及び熱音響冷凍機17Eの第1冷却部8及び第2冷却部14は、ミサイル27外面に突出する冷却フィン30にそれぞれ密着している。
【0042】
このような冷却装置1Eにおいて、ミサイル27の飛行中に燃料を燃焼させた排気熱(例えば、約500〜700℃)により熱音響エンジン12Eの加熱部7を加熱するとともに、外気により空冷された冷却フィン30により第1冷却部8を冷却することで発生した音波20は、第1ループ管2内を循環しながらエネルギーを徐々に蓄積するとともに、その一部は共鳴管4を通じて熱音響冷凍機17Eの第2ループ管3へ伝達される。そして、第2ループ管3へ伝達された音波20により第2スタック13が発熱し、流体5の流れに沿って温度勾配が生じる。このとき、第2スタック13の高温側端部に位置する第2冷却部14を空冷された冷却フィン30で冷却することで、低温側端部に位置する冷凍部15が極低温になるため、赤外線センサー16を冷却することができる。
【0043】
このようにして、ロケットエンジンの排気熱を利用して、赤外線センサー16の冷却を行うことができるので、赤外線センサー16を維持費をかけることなく冷却することができる。それにより、ミサイル27に積載された赤外線追尾装置の画像をクリアにすることができる。また、ロケットエンジンの動力損失がないため、ミサイル27の性能を妨げることがない。更には、冷却装置1Eの構造が簡易かつ軽量であるため、赤外線センサー16の冷却を容易に行うことができる。
【0044】
なお、巡航ミサイルのように、ジェットエンジンを用いて長時間飛行するミサイルについても、上記の冷却装置1Eを装着することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 赤外線センサーの冷却装置
2 第1ループ管
3 第2ループ管
4 共鳴管
5 流体
6 第1スタック
7 加熱部
8 第1冷却部
9 排気管
10 フィン
11 冷却水配管
12 熱音響エンジン
13 第2スタック
14 第2冷却部
15 冷凍部
16 赤外線センサー
17 熱音響冷凍機
18 排気ガス
19 冷却水
20 音波
21 第1直管
22 第2直管
23 細管
24 絞り弁
25 バッファータンク
26 環状管
27 ミサイル
28 燃料タンク
29 燃焼室
30 冷却ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関、外燃機関又はロケットエンジンを動力源とする移動体に取り付けられた赤外線センサーを冷却する赤外線センサーの冷却装置であって、
前記内燃機関の排気熱により加熱する加熱部と、前記内燃機関の冷却手段により冷却する第1冷却部とに挟持された第1スタックを内部に有する第1管体と、
前記内燃機関の冷却手段により冷却する第2冷却部と、前記赤外線センサーに密着する冷凍部とに挟持された第2スタックを内部に有する第2管体と、
前記第1管体と前記第2管体とを連結する共鳴管と、
前記第1管体、第2管体及び共鳴管の内部に封入された流体とを備えることを特徴とする赤外線センサーの冷却装置。
【請求項2】
前記第1管体及び第2管体の少なくとも一方が、環状に延びるループ管、又は直線状に延びる直管である請求項1に記載の赤外線センサーの冷却装置。
【請求項3】
前記直管の一端部を閉止するとともに、他端部を開放して前記共鳴管に接続した請求項2に記載の赤外線センサーの冷却装置。
【請求項4】
前記第1管体が前記直管であって、その直管の外径を長手方向の途中で異ならせるとともに、それら外径が異なる部分ごとに前記加熱部及び第1冷却部に挟持された第1スタックをそれぞれ配置した請求項3に記載の赤外線センサーの冷却装置。
【請求項5】
前記第2管体が前記直管であって、その直管の一端部を絞り弁を介してバッファータンクに接続するとともに、他端部を開放して前記共鳴管に接続した請求項2に記載の赤外線センサーの冷却装置。
【請求項6】
前記第1管体及び第2管体が前記直管であって、それら直管の両端部を開放してそれぞれ前記共鳴管で連結した請求項2に記載の赤外線センサーの冷却装置。
【請求項7】
前記流体が、空気、ヘリウム、水素、アルゴン及び窒素の中から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜6のいずれかに記載の赤外線センサーの冷却装置。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の赤外線センサーの冷却装置を備えた車両、航空機又はミサイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−251871(P2012−251871A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124666(P2011−124666)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】