説明

赤外線及び荷電粒子を放射する機能素子及び機能製品

【課題】 複合高分子マトリクスに半導体粒子を分散さたときに生じる不均一分布状態を利用して半導体の配合量を減らして励起時に赤外線及び荷電粒子を多量に発生する荷電粒子発生体を提供する。巨大熱起電力を利用した温度センサー等を提供する。
【解決手段】 赤外線及び荷電粒子発生体は、半導体粒子を有機複合高分子マトリクスにダブルパーコレーション効果を起こす配合率で配合し、体温程度の低温度加熱での励起で発生した粒子間の電位を積算するように配列加工して作成した。健康医療器具としては、その荷電粒子発生体を金属帯又は非金属帯の人体接触面側に配置して構成した。半導体からの荷電粒子及び赤外線の持続的な多量発生により、顕著な体温上昇効果、血行促進効果が得られる。繊維製品に応用した場合は赤外線及び荷電粒子浸透効果で血流等が増し大きな保温効果が得られる。巨大熱電能は常温付近での温度センサー及び熱発電素子として使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線及び荷電粒子を放射する機能素子及び機能製品に関する。
さらに詳しくは、非相溶性高分子マトリクス複合体の中で配合された半導体粒子が特定の高分子又は高分子の境界に偏在する機能を応用した半導体粒子高分子複合体又は繊維の赤外線及び荷電粒子放射効果を利用した機能素子及び機能製品に関する。
【0002】
また、本発明は、非相溶高分子群マトリクス中でダブルパーコレーション配置した半導体粒子から効率良く放射される荷電粒子及び赤外線を利用した巨大熱電能を有する熱電機能素子及び熱起電力赤外線を利用した機能製品に関する。
さらに詳しくは、体温又は室温程度の低い温度加熱により半導体粒子から励起された電荷による粒子間の熱起電力を積算した巨大熱起電力発生素子のセンサー応用及びその熱起電力に基づく荷電粒子と赤外線の人体浸透効果を利用した保温用又は健康医療用生体応用機能製品に関するものである。
【背景技術】
【0003】
火災報知機等の室温付近の温度センサーとしては、一般的には、サーミスター等の酸化物半導体温度センサーが使用されている。このセンサーは周囲温度を検知するため密閉された部屋又は屋根裏等に設置した場合、周囲温度が上がるため誤作動し易い。そのため、火災報知機等のセンサーとしては、周囲温度ではなく、構造物と周囲環境等の温度差を検知して作動させる熱感知素子が要求されている。
【0004】
バルク半導体熱電素子として室温付近で最も効率の良い材料として知られているBi−Te、Pb−Te系化合物半導体熱電素子等は、上記要求に合うものであるが、起電力は300μV/℃と小さいので、火災報知器等室温付近での使用には特別な低ノイズ増幅器を必要とするため、あまり使用されていない。
熱電素子1対では熱起電力が小さいので、半導体薄膜の製造法を利用した複数個の熱電素子を直列接続した複合熱電素子も一部製造され、センサー以外に時計用発電素子としても利用されているが、製造コストが高いので、室温付近で大きな熱起電力の得られる素子が要求されている。
【0005】
従来のバルク半導体熱電素子の性能を上げるため、半導体熱電素子をナノオーダーに薄膜化して、両側を電気絶縁膜で挟むことにより発生した荷電粒子の運動を2次元に限定した積層型の量子効果熱電素子が提案されている。この素子の熱起電力は、加熱により半導体から出てくる励起荷電粒子の運動が2次元に制限されるので、量子効果によりバルク半導体の5−10倍程度の熱起電力が得られ、熱発電素子又は熱センサー等への応用が検討されている(非特許文献1)。
【非特許文献1】英国科学誌「ネイチャー」 マテリアル 2007.1.21(JST研 究グループ 大田、細野,幾原)
【0006】
前記量子型熱電素子は、熱電半導体の先駆者であるア、エフ、ヨッフェ等により理論的に予想されていたフォノン格子振動による熱伝導成分を下げるのに有効であるBi,Te,Sb,Pb等の質量数の大きな有害な重金属を使用しなくても熱電変換性能が上げられる可能性を開いた画期的なものであると評価されている。使用される材料も、有害で資源的にも乏しい重金属ではなく、Ti,Sr等軽元素の酸化物等が使用でき、材料面及び使用される材料の資源面においても新しい展望を開いた。
しかしながら、その製造法は、イオンビームスパッタ法等の特別な真空薄膜製造装置を必要とするため、一般家庭の熱センサー及び荷電粒子浸透型機能製品に使用するのは、コスト的に問題があった。
また、薄膜法で作られる熱電素子は、ソリッドで柔軟性がなく、面積の大きいものは作りにくいので、人体に密着して使用する生体応用の機能素子又は機能製品に適用することは難しい場合もある。
【0007】
磁力線の人体への血行促進効果を利用するため、磁石材料をチップ状化し、これを粘着テープ等で人体に貼りつけて健康医療器具として使用することは、広く行われている。磁石には、(BH)maxが3程度のフェライト磁石、(BH)maxが5ないし10程度のアルニコ系金属磁石が用いられ、また、最近では、(BH)maxが10ないし30にもなるエネルギー積の大きな希土類磁石が使用されているが、いずれの磁石も人体に作用する磁界強度として400G以上が推奨され使用されている。
【0008】
赤外線にも、血行促進効果、神経繊維活性化効果、鎮痛効果等があることが認められ、磁石と同様にチップ状に加工され、健康医療器具として使用されてきている。赤外線放射材料としては、Ge及びトルマリンが一般的に使用されてきているが、最近では、波長4-12μmの赤外線放射能に優れた衝撃波合成ダイヤモンド半導体も提案されている(特願2006−310049)。
【0009】
トルマリン等の酸化物圧電焦電材料及び単結晶Geが、体温により活性化されて出てくる荷電粒子の人体への浸透による筋肉の疲労回復効果、鎮痛効果も認識され、利用されてきている。最近では、磁力線単体又は赤外線単体ではその作用効果が限定されるため、磁力線、赤外線及び荷電粒子の相乗効果を狙って、磁石材料と圧電焦電効果を有する赤外線放射材料からなる複合磁石が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平05−347206号公報
【0010】
しかしながら、提案されている圧電焦電材料、例えばトルマリン、単結晶バルク半導体Geを使用した健康医療器具について言えば、赤外線は人体温度による加温効果が続いている間は活性化され、材料固有の赤外線を放射し、その効果は持続する。しかし、Geは禁制帯幅が0.6eV程度と小さく、そのドナーレベル0.01eVより放射される赤外線は、主として波長100μm前後のものが多い。波長100μmの赤外線は、物体が30度K程度の極低温の物体から放射される赤外線に近く、温熱効果は少ない。トルマリンは、波長4−10μmの温熱効果の大きな赤外線波長を放射するが、絶縁体であるため、体温程度の熱励起では、赤外線を放射する励起キャリアー数が少ないので、放射量が充分確保できない。図8にトルマリン50wt%と本発明に使用されたナノダイヤ半導体10wt%配合のPP樹脂成型品の赤外線放射特性を示す。波長4−10μmでのナノ半導体の赤外線放射能が大きいことを示している。トルマリンの赤外線放射能を利用した温熱製品として靴下、肌着等の繊維製品が使用されているがその効果が充分でないため余り普及していない。
【0011】
また、トルマリン等絶縁体の圧電焦電効果により発生する荷電粒子は、トルマリンが体温により加熱されて結晶体が歪む時、又は、体温と健康医療器具の間の温度差の変化が継続して結晶が歪む時に発生するものである。従って、健康医療器具等に使用した場合は、装着後、全体の温度が定常状態になると、圧電焦電材料は電気的には絶縁体に属するため、その放出電荷量は激減し、荷電粒子の効果は期待できなくなる。すなわち、圧電焦電材料の電荷放出効果は、健康医療器具の温度が定常状態に達するまでの時間に限られ、その作用効果は時間的に限定される。また、トルマリン等圧電焦電材料は電気的には絶縁物であるため、荷電粒子の数も少なく、発生した荷電粒子が電界により加速されて物体中を動く移動度も小さいので、人体への荷電粒子浸透効果はあまり期待できない。
【0012】
Geは、半導体であるため荷電粒子放射能は大きいが、半導体バンド構造に起因する活性化エネルギーレベル0.01eVから輻射される赤外線の波長が100μmと大きいため、赤外線による温熱効果は小さい。このため、従来型の赤外線と荷電粒子を使用した複合磁石タイプでの電荷浸透効果は、殆ど期待できない。Geは、体温程度の加熱で荷電粒子を放出しても、半導体がバルク状態である場合はGe結晶が体温加熱による温度差で発生するゼーペック効果による起電力は最大でも1mV程度であるのに対し、人体インピーダンスは数百Ωと大きいので、その荷電粒子の人体への浸透効果は小さい。このため、健康医療器具としての効果は期待できない。
【0013】
バルク半導体の微小熱起電力を増大させるため、本発明者の一人は、半導体を微紛末化して、その半導体粒子を高分子マトリクス中でパーコレーション配列することにより半導体粒子を直列接続させて、発生する荷電粒子の運動方向を1次元に限定させた結果、巨大熱起電力を生じる半導体高分子複合体を特願2007−017594において提案した。
【0014】
半導体粒子のパーコレーション配列構造(直列接続構造)を有する機能材料は、混合機、射出成型機、紡糸機等通常の機械で製造することができ、量子型2次元半導体熱電素子の製造等に必要な真空薄膜製造機械は必要としないので、大量生産には適していた。しかしながら、上記半導体高分子複合体は、高分子マトリクスの中に半導体粒子が3次元に一様に分散するため、半導体粒子の配合量が10vol%程度必要となるので、コスト的な問題が残った。また、ナノダイヤ粒子等を使用した場合、ダイヤは研磨剤としても使用される材料であるため、使用される型材及び射出成型用ノズル等が消耗しやすく、生産機械のメンテナンスにも問題が残った。半導体粒子の配合量が5vol%を超すと、通常の紡糸加工は難しくなってくるので、繊維等の製造工程からも配合量の削減が求められていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、第1の目的は、半導体粒子の使用量の削減を図り、なおかつ、巨大熱起電力が得られて効率の良い赤外線及び荷電粒子放射特性を有する機能素子、機能製品を提供することにある。
【0016】
本発明は、半導体粉末高分子複合体の巨大熱起電力を利用した温度センサー等の機能素子又は人体への赤外線及び荷電粒子浸透能力の性能を損なうことなく低コストで実現する機能製品を提供することを目的とする。すなわち、本発明が解決しようとする第一の課題は、半導体粒子の少ない配合量で温度により励起されて常に荷電粒子を多量に発生する半導体熱電素子としての荷電粒子発生体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者の一人は、配合された粒子と高分子複合体との成型条件での濡れ性、表面張力、界面エネルギーで決定される濡れ係数Wa(wetting coefficient)の値により、 非相溶性高分子AとBを使用した場合、
Wa > 1 (1)
-1>Wa>1 (2)
Wa<−1 (3)
の3条件が生じ、これにより半導体粒子の分布が決定されることを報告している。
図1に半導体分布図を示すように、(1)と(3)の場合は、半導体粒子CはA又はB高分子の中にのみ優先的に分布し、(2)の場合は、高分子界面に分布する(非特許文献2参照。)。
【非特許文献2】Polymer Bulletin 25. P265-271 1991 Masao Sumita
【0018】
すなわち、非相溶高分子複合体の中では、配合された半導体粒子は構成された個々の高分子マトリクスと粒子の表面濡れ性及び表面張力、界面自由エネルギーの相互関係により特定の高分子マトリクスの中のみに分散するか又は複合高分子マトリクスの界面に優先的に分散する。本発明は、この現象を利用している。また、本発明は、高分子半導体粒子の界面に生じるダブルパーコレーション効果を積極的に利用して、巨大熱起電力を生じさせることにより、高価な半導体粉末の使用量の軽減を可能にした。
【0019】
さらに詳述すると、本発明による赤外線及び荷電粒子放射特性を有する機能素子は、半導体粒子を2種又は3種以上の非相溶性高分子に所定の割合で配合し、前記半導体粒子を前記高分子の中又は境界に分散させてなることを特徴としている(請求項1)。
【0020】
請求項2の発明は、上記機能素子を用いて作られる繊維、不織布、糸、織物、編み物などの機能製品であることを特徴としている。
【0021】
請求項3の発明は、上記機能素子の半導体粒子を加熱することにより発生する荷電粒子の量子効果に基づく巨大熱起電力を利用した低温用熱電素子であることを特徴としている。
【0022】
請求項4の発明は、上記機能素子又は機能製品の半導体粒子を生体温度により活性化させて発生する荷電粒子及び赤外線を人体に浸透させることができるようにした機能製品であることを特徴としている。
【0023】
請求項5の発明は請求項1に記載の機能素子において、請求項6の発明は請求項2に記載の機能製品において、及び請求項7の発明は請求項4に記載の機能製品において、それぞれ、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体又は禁制帯を有する半導体を半導体粒子の原料として用い、その半導体粒子を複合高分子絶縁体マトリクスに0.1−10vol%配合することにより、ダブルパーコレーション効果を起こさせて、赤外線及び荷電粒子の放射量を増大させたことを特徴としている。
【0024】
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の機能製品において、人体に放射された荷電粒子の運動に影響を及ぼす100−1200Gの磁場が付与されていることを特徴としている。
【0025】
請求項9の発明は請求項1又は5に記載の機能素子において、請求項10の発明は請求項2,4,6,7,8のいずれか1項に記載の機能製品において、請求項11の発明は請求項3に記載の低温用熱電素子において、それぞれ、半導体粉末として、単元素半導体に属する衝撃波で形成されたダイヤモンド,Ge,Si、化合物半導体に属するInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体に属するCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体に属するFeSi2,CoSi等のいずれか1種又は複数種の半導体粉末であることを特徴としている。
【0026】
請求項12の発明は、請求項1又は5に記載の機能素子において、請求項13の発明は、請求項2,4,6,7,8のいずれか1項に記載の機能製品において、請求項14の発明は、請求項3に記載の低温用熱電素子において、それぞれ、非相溶性高分子がエポキシ系、アクリル系、カーボネイト系、ナイロン、ビニル系樹脂のいずれか有機高分子であることを特徴としている。
【0027】
請求項15の発明は、請求項1又は5に記載の機能素子において、請求項16の発明は、請求項2,4,6,7,8のいずれか1項に記載の機能製品において、それぞれ、半導体粒子配合の非相溶性高分子群として、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)、ポリメタアクリレート(PMMA)を使用していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明によれば、非相溶高分子複合体に配合された半導体粒子は、個々の高分子マトリクスと半導体粒子の表面濡れ性及び表面張力、界面自由エネルギーの相互関係により特定の高分子マトリクスの中のみに分散するか又は複合高分子マトリクスの界面に優先的に分散する現象により、高分子内の半導体粒子が相互に疑似的に接続されパーコレーション効果が生じ、巨大熱起電力を生じさせる。そのため、赤外線及び荷電粒子放射特性に優れた機能素子を提供することができる。また、高価な半導体粉末の使用量の軽減が可能である。
【0029】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の機能素子を用いて作られるので、赤外線及び荷電粒子放射特性に優れた保温及び健康器具として使用できる繊維、不織布、糸、織物、編み物などの機能製品の提供が可能である。
【0030】
請求項3の発明によれば、請求項1に記載の機能素子の半導体粒子が加熱されることにより発生する荷電粒子の運動が1次元に制限される量子効果に基づく巨大熱起電力を利用するので、室温付近で大きな熱起電力の得られる、低コストの低温用熱電素子の提供が可能である。
【0031】
請求項4の発明によれば、請求項1に記載の機能素子又は請求項2に記載の機能製品の半導体粒子が生体温度により活性化されて発生する荷電粒子及び赤外線を人体に浸透させる機能製品であるから、優れた赤外線と荷電粒子放射特性による相乗効果の大きい健康医療器具の提供が可能である。すなわち、本発明の赤外線及び荷電粒子放射特性に優れた機能製品は、例えば健康医療器具として使用可能で、人体に使用した場合に荷電粒子の人体表面への浸透効果の時間的制約をなくし、装着している時には常に荷電粒子を人体に浸透させ、赤外線と荷電粒子の相乗効果を十分に発揮する。
【0032】
請求項5,6,7の発明によれば、室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体又は禁制帯を有する半導体を粉砕微粉化して半導体粒子の原料として用い、その半導体粒子を複合高分子絶縁体マトリクスに0.1−10vol%配合してあるため、半導体粉末が内部で直列接続された状態(パーコレーション)になり、電気抵抗が急激に下がり、各粒子の熱起電力が積算されるので大きな起電力を有するようになる。パーコレーション状態にある半導体粉末が温度により励起された場合は、半導体粉末から発生した荷電粒子は、周囲の結合剤が絶縁物であるため1次元運動をして直列接続された粒子間を伝わって電荷が荷電粒子発生体の表面に滲み出る。
【0033】
請求項8の発明によれば、請求項6又は7に記載の機能製品において、人体に放射された荷電粒子の運動に影響を及ぼす100−1200Gの磁場が付与されているから、優れた赤外線と荷電粒子放射特性と磁場による相乗効果の大きい健康医療器具の提供が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
続いて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る機能素子は、半導体粉末を電気絶縁性の複数の非相溶性高分子マトリクス複合材に、複合材に対する半導体粉末の混合率を0.1−10vol%として混合し所定の形状に成型してなるものである。用途により、射出成型、押出成型、紡糸成型等が使用され、温度により励起されて出てくる赤外線及び荷電粒子を利用している機能素子又は機能製品として使用される(請求項1−4)。
【0035】
半導体粉末を電気絶縁性の高分子マトリクス結合剤に混合し成型する場合、成型方法により半導体粉末の配合率を0.1−10vol%の範囲とすると、半導体粉末が内部で直列接続された状態(パーコレーション)になり、電気抵抗が急激に下がり、大きな起電力を有するようになる。パーコレーション状態にある半導体粉末が温度により励起された場合は、半導体粉末から発生した荷電粒子は、周囲の結合剤が絶縁物であるため、1次元運動をして直列接続された粒子間を伝わって電荷が荷電粒子発生体の表面に滲み出る。
【0036】
半導体粉末の粒子サイズにも依存するが、高分子マトリクスが1種類の場合は半導体粉末が3次元的に分布するため 通常、配合量が3−20vol%の範囲でパーコレーション効果が起こり、5−8vol%程度がもっとも効率が良い。半導体粒子のサイズ(平均粒径)は、3nm−1μm位の範囲が望ましい。3nmを切ると、半導体としてのバンド構造が乱れ、1μmを越すと、半導体粒子内の励起荷電粒子相互間の反発作用が強く起こるようになり、荷電粒子は1次元的な動きが出来なくなり、半導体粒子内の電位差が減少する。バルク半導体内では、熱励起荷電粒子が相互の電気的反発力で3次元で動くため、素子として発生する電位が、最大でも300μV程度であり、室温付近での使用には問題が残った。
【0037】
高分子マトリクスが1種類である場合にパ―コレーション効果を生じさせるには、半導体粉末がマトリクス中で3次元に広がるため、半導体粉末の配合量は5−10Vol%を必要とするが、複数の高分子マトリスクを使用するダブルパーコレーション状態では、配合された複数高分子マトリクスの中の1種類の高分子マトリクス又は高分子界面に粉末が優先的に分布するため、配合量が少なくても同様の効果が得られる。0.1−5Vol%位が最適配合量である。0.1vol%を切ると、粒子配列が乱れ、電気的な接続が難しくなるため、熱電能が下がる。10vol%以上では、半導体粉末のコスト高により経済的なメリットが無くなる。
【0038】
上記荷電粒子発生体を健康医療器具に用いる場合は、ペレット成型されたものでは、金属バンド等にペレットを埋込み、荷電粒子発生体が健康医療器具の人体接触面に備えられる。その健康医療器具を人体に装着して使用する場合は、その人体接触面では、体温による加熱効果と、健康医療器具を構成する金属帯又は非金属帯による冷却効果とで、粒子間に温度差が生じるので、健康医療器具として装着しているときは、赤外線放射と荷電粒子放出が持続する。本発明による機能素子から繊維状に押出成型され、布状に加工された場合は、粘着テープ等で患部に貼付けて使用される。保温繊維機能を利用する場合は、紡糸加工等により繊維化したものを衣服化して着用する。(請求項2)
【0039】
活性化エネルギー0.5eV以下のエネルギーレベルを持つ半導体は、バルク半導体の場合でも、体温加熱で半導体が励起されて荷電粒子を発生し、半導体内部に温度差に基づくキャリア濃度の差が生じて、電位が発生する。これはゼーペック効果として知られている。この場合、発生した電荷による電位勾配は、電荷相互間の反発作用のため、キャリア濃度を均一化する方向に働く。このため、バルク半導体両端の電位差は小さく、キャリア濃度10E16の高純度半導体でも、ゼーペック係数は高々数百μVである(非特許文献3)。
【非特許文献3】サーモエレメント 日刊工業新聞社 ヨッフェ著 坂田訳P58 図2.11
【0040】
本発明は、活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体を微粒子化して高分子マトリクスにダブルパーコレーション配置し、擬似的に半導体粒子を直列接続して、発生する荷電粒子の運動方向を1次元に限定することにより、数Vないし数10Vの大きな熱起電力を得ることに成功している(請求項5,6,7)。また、発生した荷電粒子の人体への浸透に際して、その作用能力をますため、100−1200G程度の磁場を加えることが望ましい。100G以下では、磁場の荷電粒子に与える効果は少なく、1200G以上の磁界は、単独でも健康器具として効果を発揮するので不必要である(請求項8)。
【0041】
半導体粉末には、CB火薬等の衝撃波で合成されたSP3及びSP2複合構造を有する半導体炭素粒子を用いることが特に好ましい。衝撃波で合成されたSP3構造を有するダイヤ複合粒子は、基本粒径が3−10nmであり、成型後の粉砕工程が不要である。また、爆発成形時に火薬等の成分である窒素がダイヤ格子に浸透して、N型半導体になる(請求項9,10,11)。また、電気絶縁性の有機樹脂なる高分子結合剤には、エポキシ系、アクリル系、カーボネイト系、ナイロン及びビニル系高分子材料が、相互の溶解性を考慮して使用される(請求項12,13,14)。
【0042】
半導体粉末として爆発衝撃波法で形成されたナノダイヤモンドを使用する場合は、ペレット成型用高分子マトリクスとしては、ポリエチレンPEーポリプロピレンPP、ポリプロピレンPPーポリメタアクリレートPMMAの組合わせが、経済的には好ましい。前者では濡れ係数Wa3程度で半導体粒子はポリエチレンPE中に、後者ではWa0.1程度で高分子界面に半導体粒子が選択配置される(請求項15,16)。
【0043】
ナノダイヤ半導体粒子混合繊維の場合も、ナイロン系繊維の場合は、所定の配合比の高分子マトリクス群とナノダイヤ粉末を溶剤と混合加熱し、ノズルより押し出し、紡糸して繊維状に加工し、織布又は不織布として使用する。繊維状に加工する場合は、延伸されるので、配合された高分子マトリクスが配向する。ナノダイヤ粉末も繊維延伸方向に配列しやすいので、射出成型法によるペレット製作よりもナノダイヤの配合比が少なくて済む。
【0044】
衝撃波で合成されたSP3及びSP2構造を有する半導体複合炭素粒子を得る方法の具体例として、次の2方法がある。(1)密閉容器の中で高性能CB爆薬を爆発させ、200万気圧と数千度の温度を瞬時に発生させ、複合構造を有する半導体炭素粒子を合成する方法。(2)カーボン微粉末及びCu粉末等を容器に入れ、上部にセットされた爆薬を点火することにより、同様の圧力温度を粉末混合品にかけて、カーボンの結晶構造をダイヤモンド半導体に変えた後、金属粉を酸で溶かして、前記構造の粒子を得る方法(非特許文献4,5)があるが、(1)の方法によるダイヤは、基本粒子が3−7nmと小さく、火薬の成分である窒素がSP3骨格に入りやすくN型半導体になるので、好ましい。
【非特許文献4】大澤映二 Japan Nanonet Bulletin 108 2006.03.0 8
【非特許文献5】住友石炭鉱業kk クラスター技術研究会 06.03.27
【0045】
絶縁体に近く、比抵抗が大きいダイヤは、不純物レベルの密度が低いため、体温程度の加熱では電荷がバンド幅を超えて励起されにくいので、荷電粒子放出効果はなく、したがって、励起される荷電粒子がバレンス帯に落ちるとき放出される放射光も少ない。これに対し,衝撃波法で得られた半導体複合炭素粒子は粒子製造工程中の不純物、特に爆薬の中に含まれる窒素を含み、N型半導体になり易く、また、爆発時の圧力により粒子内部の歪等の影響で固体バンド構造が乱れ、0.2−0.4eVの不純物レベルを持つため、4−10μmの赤外線を効率よく放射し、電気伝導性がある。また、粉末が特種なSP3及びSP2複合構造を有するため、赤外線放射能及び荷電粒子放出能が従来品のトルマリン等に比較して5-10倍大きい。通常の単結晶ダイヤモンドは、禁制帯幅5.5eVで、常 温では比抵抗10E16Ωとほぼ完全な絶縁体であるが、本発明で使用するSP3及びSP2複合炭素粒子は、製造条件により比抵抗が10Ω−10E10Ω位の値を得ることが可能である。
【0046】
半導体としては、添加剤により0.5eV以下の活性化エネルギーレベルを持つもの又は同程度の禁制帯幅をもつ半導体が、体温程度の加熱により励起されたキャリアが多く発生するので好ましい。具体例としては、単元素半導体に属する衝撃波で形成されたダイヤモンド,Ge,Si、化合物半導体に属するInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体に属するCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体に属するFeSi2,CoSi等が上げられる。半導体粉末には、これらのいずれか1種又は複数種の粒子を用いることができる(請求項9,10,11)。
【0047】
半導体粒子が絶縁物成型体の中でパーコレーション配列を起こした場合、半導体粒子は電気的には直列接続されるが、横方向には互いに絶縁された状態で配列する。半導体粒子は細かいので、個々の粒子内に発生した電荷量は少なく、バルク半導体のように内部で相互反発されることもなく、電位は粒子間で直列接続されるので、成型体として発生する積算電位は大きく、ボルト単位の電圧が発生する。上述したように,従来のバルクGe結晶が体温加熱による温度差で発生するゼーペック効果による起電力は最大でも1mV程度であるのに比較すると、本発明に係る荷電粒子発生体は数Vから数十Vの格段に大きな起電力を有することが理解される。
【0048】
本発明に係る機能素子または機能製品として使用される荷電粒子発生体の内部インピーダンスは10E2-8Ωとバルク半導体に比較して高いが、保温繊維製品及び健康器具として使用した場合は、生体のインピーダンスは数百−数千Ωと高いので、インピーダンスマッチングが取れる。このため、生体への電荷浸透効率が増す利点がある。保温繊維製品及び健康医療器具において、この荷電粒子浸透効果に加えて、赤外線及び磁力線の相乗作用を利用すれば、身体に対する保温効果及び医療効果をより向上させることができる(請求項4)。
【実施例】
【0049】
高分子材料としてポリプロピレン及びポリエチレンを、半導体粉末としてCB火薬の爆発法で製造されたのナノダイヤ半導体粉末〔基本粒子サイズ3−8nm〕を選択し、下記条件でテストした。使用したナノダイヤ粉末の電気抵抗温度特性を図7に示す。抵抗温度特性から計算される活性化エネルギーレベルは0.37eVである。
(1)ポリプロピレンPP+ナノダイヤ粉末
パーコレーション配列
(2)ポリプロピレンPP(80%)+ポリエチレンPE(20%)+ナノダイヤ粉末
ダブルパーコレーション配列
【0050】
複合高分子材料は先に190℃で15分混合された後、所定のダイヤ粉末を加え15分間混練機で混合した。単一高分子材料の場合も同様の工程で試作した。混合された材料は、所定の型にセットし、190℃で5分間加熱したのち、1分加圧し、測定用ペレット5mmφX4mmtのサンプルを得て所定の測定をした。図2に、室温でのナノダイヤ配合量に対する電気伝導度特性を示す。複合高分子材料を使用したダブルパーコレーション法では、ダイヤ粉末の使用量が大幅に低減され、生産コストが下げられることが判る。
【0051】
図3と図4にダブルパーコレーション配列された最適配合の試料(1)とダイヤ量の不足した試料(2)の電気伝導度の電界強度依存性を示す。電気伝導度は印加電界後の20−200msecの間の平均値を示す。
最適配列された試料では、電気伝導度がほぼ電界強度の2乗に比例し、ナノダイヤからの荷電粒子が近接した粒子間での印加電界により加速される空間電荷律則の伝導度特性を示しており、粒子間では電気的にほぼ接続されていることが判る。ダイヤ内での電荷の移動度は1800cm2/V.sec大きく電気伝導度の電界強度依存性には余り寄与しない。
最適配列されてない試料では、発生した電荷が高分子内に充満しており、印加電界で消滅した後は電気的な接続が不充分であるため、電気伝導度は下がる。印加電圧が低い場合は消滅までに時間がかかるので、見掛け上の電気伝導度は大きい。印加電圧が500Vになると、試料(1)ではナノダイヤからの荷電粒子の供給量が不足するので、電界強度依存性は逆の傾向を示すようになる。試料(2)では、絶縁破壊が起こり始め、同様電界強度依存性は逆になる。
【0052】
図5は金属帯1の穴2の中に荷電粒子発生体3を10個埋め込んで作成された健康医療器具Pの断面図である。荷電粒子発生体3は、上記ナノダイヤ半導体粒子(SP3及びSP2複合炭素粒子)をポリエチレンPP(1)及びPP+PE20vol%(2)に各vol%配合したものを4mmφX3mmtに成型加工して得られたものである。この健康医療器具Pを人体に装着し、10分後の体温上昇をサーモグラフで測定した。測定値を図6に示す。各素子ともパーコレーション配列が完成された配合量付近で体温の上昇が大きく、特にPP+PEでダブルパーコレーション配列したものは、少ないダイヤ配合量でほぼ同一の効果が得られ、健康医療器具として有効であることが示されている。
【0053】
ナノダイヤ半導体SP3及びSP2複合粒子を1vol%複合高分子樹脂に配合した図5の荷電粒子発生体の体温加熱での表面電位は30−60Vの値を示した。(使用した測定器は、トレック社電位計モデル344、プローブ6000B8、サンプルー表面電位計プローブ間距離は1mm。)。半導体Geバルク結晶2mm角X4mmtを埋め込んだ同様な構造の健康医療器具の場合は、体温上昇は殆ど見られず、発生した電位は80−150μVであった。ダブルパーコレーション配列を有する荷電粒子発生体を備えた本発明の機能素子及び機能製品は、発生する起電力も大きいので、温度センサー及び熱発電素子として有効なだけでなく、従来の保温繊維製品及び康医療器具に使用されているバルク半導体Ge及びトルマリン等を使用した製品に比較して赤外線輻射効果及び荷電粒子浸透効果が大きいので、生体への保温&医療効果が格段に大きい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のダブルパーコレーション法を利用した半導体粒子と複合樹脂から構成される熱電素子及び機能製品は、発生電位が大きく、半導体粒子の体温程度の低温加熱による励起荷電粒子が有効に人体に浸透し、合わせて半導体粉末からの赤外線放射能との相乗効果が得られる。このため、保温繊維製品及び健康医療器具として使用され、ネックレス、腕輪、指輪、足輪、肌着、靴下、腹巻、シーツ、枕及び寝具等の必要とされる形状に成型して使用する以外に、動物用医療器具としても応用できる。特に磁性体の使用が禁止されている電子医療器具、例えば心臓ペースメーカーの近くでも使用可能であるので、産業上有用である。本発明の荷電粒子発生体は熱電力が大きいので火災報知器等のセンサーユニット又は低温用熱発電素子としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るダブルパーコレーション法による半導体粒子の複合高分子樹脂内での分布を示す模式図。
【図2】本発明の荷電粒子発生体の1実施例におけるナノダイヤ半導体粒子量による電気伝導度依存性を示す図であり、(a)はPP単体と半導体粒子量の関係、(b)はPPと20vol%PEと半導体粒子の関係を示す。
【図3】パーコレーション配列がある場合のナノダイヤモンド半導体と樹脂配合品の電気伝導度の電界強度依存性を示す図。
【図4】ダイヤ粒子がパーコレーション配列してない場合のナノダイヤモンド半導体と樹脂配合品の電気伝導度の電界強度依存性図。
【図5】健康医療器具の1実施例の模式図。
【図6】健康医療器具装着時の体温変化を示すグラフであり、(a)はパーコレーション配列のある場合、(b)はPPと20vol%でダブルパーコレーション配列のある場合を示す。
【図7】ナノダイヤ半導体の電気抵抗温度特性図。
【図8】トルマリン及びナノダイヤ半導体の赤外線放射特性図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体粒子を2種又は3種以上の非相溶性高分子に所定の割合で配合し、前記半導体粒子を特定高分子の中又は高分子の境界に分散させてなる赤外線及び荷電粒子放射特性を有する機能素子。
【請求項2】
請求項1に記載の機能素子を用いて作られた繊維、不織布、糸、織物、編み物などの機能製品。
【請求項3】
請求項1に記載の機能素子の半導体粒子が加熱されることにより発生する荷電粒子の量子効果に基づく巨大熱起電力を利用した低温用熱電素子。
【請求項4】
請求項1に記載の機能素子又は請求項2に記載の機能製品の半導体粒子が生体温度により活性化されて発生する荷電粒子及び赤外線を人体に浸透させることを特徴とする機能製品。
【請求項5】
室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体又は禁制帯を有する半導体を半導体粒子の原料として用い、その半導体粒子を複合高分子絶縁体マトリクスに0.1−10vol%配合することにより、ダブルパーコレーション効果を起こさせて、赤外線及び荷電粒子の放射量を増大させたことを特徴とする請求項1に記載の機能素子。
【請求項6】
室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体又は禁制帯を有する半導体を半導体粒子の原料として用い、その半導体粒子を複合高分子絶縁体マトリクスに0.1−10vol%配合することにより、ダブルパーコレーション効果を起こさせて、赤外線及び荷電粒子の放射量を増大させたことを特徴とする請求項2に記載の機能製品。
【請求項7】
室温付近で荷電粒子を発生させる活性化エネルギーレベル0.1−0.5eVを有する半導体又は禁制帯を有する半導体を半導体粒子の原料として用い、その半導体粒子を複合高分子絶縁体マトリクスに0.1−10vol%配合することにより、ダブルパーコレーション効果を起こさせて、赤外線及び荷電粒子の放射量を増大させたことを特徴とする請求項4に記載の機能製品。
【請求項8】
人体に放射された荷電粒子の運動に影響を及ぼす100−1200Gの磁場が付与されている請求項6又は7に記載の機能製品。
【請求項9】
半導体粉末として、単元素半導体に属する衝撃波で形成されたダイヤモンド,Ge,Si、化合物半導体に属するInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体に属するCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体に属するFeSi2,CoSi等のいずれか1種又は複数種の半導体粉末であることを特徴とする請求項1又は5に記載の機能素子。
【請求項10】
半導体粉末として、単元素半導体に属する衝撃波で形成されたダイヤモンド,Ge,Si、化合物半導体に属するInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体に属するCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体に属するFeSi2,CoSi等のいずれか1種又は複数種の半導体粉末であることを特徴とする請求項2,4,6,7,8のいずれか1項に記載の機能製品。
【請求項11】
半導体粉末として、単元素半導体に属する衝撃波で形成されたダイヤモンド,Ge,Si、化合物半導体に属するInSb,BiTe,PbTe、酸化物半導体に属するCa−Mn,Ca−Cr,Zn,Tiの酸化物、珪化物半導体に属するFeSi2,CoSi等のいずれか1種又は複数種の半導体粉末であることを特徴とする請求項3に記載の低温用熱電素子。
【請求項12】
非相溶性高分子は、エポキシ系、アクリル系、カーボネイト系、ナイロン、ビニル系樹脂のいずれかの有機高分子である請求項1又は5に記載の機能素子。
【請求項13】
非相溶性高分子は、エポキシ系、アクリル系、カーボネイト系、ナイロン、ビニル系樹脂のいずれか有機高分子である請求項2,4,6,7,8のいずれか1項に記載の機能製品。
【請求項14】
非相溶性高分子は、エポキシ系、アクリル系、カーボネイト系、ナイロン、ビニル系樹脂のいずれかの有機高分子である請求項3に記載の低温用熱電素子。
【請求項15】
半導体粒子配合の非相溶性高分子群として、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)、ポリメタアクリレート(PMMA)を使用していることを特徴とする請求項1又は5に記載の機能素子。
【請求項16】
半導体粒子配合の非相溶性高分子群として、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)、ポリメタアクリレート(PMMA)を使用していることを特徴とする請求項2,4,6,7,8のいずれか1項に記載の機能製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−96880(P2009−96880A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269894(P2007−269894)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(507343718)
【Fターム(参考)】