説明

走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】孔を有した複数層構造の筐体において、ジッタ画像や色ずれ画像の発生を防止できる走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】周壁の内側を第1階層(61)及び第2階層(62)に区画するとともに、これら第1階層と第2階層とを連通して光路をなす孔(37)が形成された板状の仕切り部(36)を有した筐体(30)と、第1階層に取り付けられており、複数個の光源(40)からの走査光を偏向走査する回転多面鏡(42)、及びモータ軸(46)を介してこの回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニット(44)をそれぞれ有した光偏向器と、少なくとも第1階層に取り付けられており、回転多面鏡からの走査光を孔に向けて折り返す光学系(52)と、仕切り部のうち少なくとも第2階層に対峙する面(36d)に取り付けられ、筐体の強度を補強する補強部材(70)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査光を画像担持体の表面に照射する走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置では電子写真プロセスが用いられ、走査光学装置にはその筐体内にポリゴンミラーが備えられている。このミラーは複数個の光源からの走査光を所定方向に偏向走査可能に構成されており、走査光は予め帯電された画像担持体、例えば各感光体ドラムの表面に照射される。これにより、各ドラムの表面には静電潜像がそれぞれ形成され、各色に対応したトナー像が用紙に転写及び定着される。
【0003】
ここで、このポリゴンミラーはモータ軸の回転によって駆動する。一方、このポリゴンミラーの駆動によって振動が発生すると、走査光による画像の書き出し位置が不安定になる(ジッタ画像の発生)。走査光の走査(結像)位置が振動するからである。そのため、当該ジッタ画像の発生を抑える技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−33844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、画像形成装置の小型化に対するニーズが強まっている。走査光学装置は画像形成装置内で大きな空間を占有し得るので、この走査光学装置には小型化や低背化への要求が益々強まっている。この要求を実現する構造として断面視H型の筐体がある。
詳しくは、当該構造の筐体は、周壁の内側に仕切り板を設けて例えば上下2層に区画し、第1階層にポリゴンミラー及び駆動ユニットの光偏向器やミラー等の光学系を配置し、第2階層には光学系を配置する。
【0006】
仕切り板には第1階層と第2階層とを連通するスリットが形成されており、ポリゴンミラーからの走査光は、第1階層のミラーで折り返され、スリットを経由して第2階層のミラーに向かう。
ここで、筐体の強度は、その仕切り板がスリットを備えると低下するため、ポリゴンミラーの駆動によって生じた振動の影響を受け易く、やはりジッタ画像が発生する。
【0007】
この場合に、上記特許文献1の如くポリゴンミラーの周囲に筐体と同じ材質のリブを立設して筐体の強度低下を防止することも考えられるが、上記H型構造の筐体では、特にポリゴンミラーの駆動によって生じた熱に留意しなければならない。
すなわち、光偏向器を有した第1階層の雰囲気温度は第2階層よりも高く、これら第1階層と第2階層との間には温度差があるため、筐体は第1階層の光偏向器が凸をなすように変形するからである。
【0008】
より具体的には、このH型構造の筐体では、特許文献1のような制振目的のリブを仮に第1階層に設置しても、当該リブ自体も膨張して第1階層の変形量が増大するし、また、当該リブの形状に沿ってあらゆる方向に変形し、これではミラーの傾斜角度が変わり、カラー画像の色ずれが大きくなるとの問題がある(色ずれ画像の発生)。さらに、当該問題は、駆動ユニット側の線膨張係数と筐体側の線膨張係数とのミスマッチによる変形量の相違によってより顕著になる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、スリットを有した複数層構造の筐体において、ジッタ画像や色ずれ画像の発生を防止することができる走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1の発明は、周壁の内側を第1階層及び第2階層に区画するとともに、これら第1階層と第2階層とを連通して光路をなす孔が形成された板状の仕切り部を有した筐体と、第1階層に取り付けられており、複数個の光源からの走査光を偏向走査する回転多面鏡、及びモータ軸を介してこの回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニットをそれぞれ有した光偏向器と、少なくとも第1階層に取り付けられており、回転多面鏡からの走査光を孔に向けて折り返す光学系と、仕切り部のうち少なくとも第2階層に対峙する面に取り付けられ、筐体の強度を補強する補強部材とを具備する。
【0011】
第1の発明によれば、筐体は断面視H型構造であり、この走査光学装置の小型化や低背化への要求を実現できる。
そして、この筐体内は板状の仕切り部によって第1階層と第2階層とに区画され、この第1階層には、回転多面鏡や駆動ユニットである光偏向器が設置されている。回転多面鏡からの走査光は、第1階層の光学系及び当該仕切り部に形成された孔を経由して第2階層に向かう。
【0012】
ここで、筐体の強度は、その仕切り部が孔を備えると、この孔を備えない場合に比して低下する。
回転多面鏡はモータ軸の回転によって駆動するが、このモータ軸の回転に伴って振動が発生する。当該振動は孔を備えた仕切り部から光学系の支持部分に容易に伝達されるため、走査光による画像の書き出し位置が安定しないという懸念がある(ジッタ画像の発生)。
【0013】
さらに、このモータ軸の回転に伴って熱も発生する。この熱は第1階層の雰囲気温度を上昇させ、第1階層の構成部品には膨張する力が作用する。一方、第2階層には発熱源となる光偏向器が設置されておらず、その雰囲気温度は第1階層に比して低くなるので、この第2階層の構成部品には第1階層に生ずる程の力は作用しない。
【0014】
つまり、第1階層と第2階層との間には温度差があり、仕切り部のうち第1階層に対峙する面側の膨張は第2階層に対峙する面側によって拘束される。そのため、高温の第1階層には引張り力が、低温の第2階層には圧縮力がそれぞれ作用し、筐体は第1階層の光偏向器が凸をなすように変形して光学系の傾斜角度が変わり、カラー画像の色ずれが大きくなるとの懸念もある(色ずれ画像の発生)。
【0015】
しかしながら、本発明では、発熱源である光偏向器を配置しない第2階層側、具体的には、仕切り部のうち低温の第2階層に対峙する面には補強部材が取り付けられており、孔の形成に伴う筐体の強度低下を防止している。よって、単に制振目的のリブを立設した場合に比して、仕切り部の振動を抑制できるとともに、熱変形による反りも回避でき、ジッタ画像や色ずれ画像による画質低下を防止できる。
【0016】
しかも、このジッタ画像や色ずれの防止が補強部材のみの構成で達成できるので、例えば仕切り部の孔と他の孔との間に支持部位を設け、この支持部位に光学系を設置して筐体の強度を確保する場合や、送風機からの冷却風で筐体を冷やして温度差を小さくする場合等に比して簡単な構造で済み、走査光学装置の製造コストも抑えられる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明の構成において、第2階層に取り付けられており、第1階層の光学系から第2階層に到達した走査光を第1階層に向けて再び折り返す他の光学系と、これら第1階層と第2階層とを連通し、他の光学系からの走査光の光路をなす他の孔とをさらに具備し、補強部材は、第2階層に対峙する面のうち駆動ユニットを跨いだ位置、及び第2階層に対峙する面のうち孔と他の孔との間にそれぞれ取り付けられることを特徴とする。
【0018】
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、回転多面鏡からの走査光が、第1階層から第2階層を経由して再び第1階層に到達する場合には、仕切り部には2種類の孔が必要になり、筐体の強度はより低下する。しかし、補強部材は、駆動ユニットを跨いだ位置や孔と他の孔との間にそれぞれ設けられており、筐体の強度がより低下する場合にも、第1階層の光偏向器が凸をなす反りを確実に防止できる。
【0019】
第3の発明は、第2の発明の構成において、補強部材は、筐体と一体形成されている、或いは、筐体の材質よりも高剛性の別体で構成されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、補強部材を筐体と一体形成すれば、取り付け部に設置する手間を省略できる。一方、補強部材を筐体の材質よりも高剛性の別体で構成すれば、モータ軸の振動が仕切り部全体に伝わり難くなり、筐体の固有振動数とモータ軸の回転周波数との近似による共振も確実に抑制できる。
【0020】
第4の発明は、第2や第3の発明の構成において、補強部材は、駆動ユニットに近接するに連れて変形し難く構成されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第2や第3の発明の作用に加えてさらに、発熱源に近くなるに連れて第1階層と第2階層との温度差は大きくなるが、例えば同じ補強部材では発熱源に近くなるに連れて変形し難くしており、第1階層の光偏向器が凸をなす反りをより一層確実に防止できる。
【0021】
第5の発明は、第1から第4の走査光学装置を搭載した画像形成装置であって、回転多面鏡で偏向走査された走査光を画像担持体の表面に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像したトナー像が記録材に転写されていることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、ジッタ画像や色ずれ画像による画質低下を防止し、良好な画質が得られることから、画像形成装置の信頼性向上に寄与する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、温度の低い第2階層に補強部材を設けており、孔を有した複数層構造の筐体において、ジッタ画像や色ずれ画像の発生を防止できる走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施例のプリンタの構成図である。
【図2】コントローラを含めた図1のプリンタの構成図である。
【図3】図1の露光装置の平面図である。
【図4】図3のIV−IV線における矢視断面図である。
【図5】図1の露光装置の背面図である。
【図6】第2実施例の露光装置の説明図である。
【図7】第3実施例の露光装置の断面図である。
【図8】図7の露光装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施例であるカラープリンタの構成図である。同図に示された断面はプリンタ1の左側面からみたものである。このため、プリンタ1の前面は同図中の右側に、背面は左側にそれぞれ位置する。このプリンタ1は装置本体2を備え、装置本体2の上部には排紙トレイ92が設けられる。この排紙トレイ92の近傍には、使用者の各種操作に供される複数の操作キーや、各種情報を表示する画面を配置したフロントカバー81が設けられている。
【0025】
この装置本体2の下部には給紙カセット3が配置され、その収容部82には画像形成前の用紙(記録材)が積層状態で収容されており、この用紙は1枚ずつ分離されて装置本体2の内部に送出される。
詳しくは、同図でみて収容部82の右上方には給紙ローラ83が設けられ、用紙は給紙カセット3の右上方に向けて送出され、この送出された用紙は装置本体2の内部でプリンタ1の前面に沿って上方に向けて搬送される。なお、給紙カセット3は、プリンタ1の前面側、つまり、図1において右方向に向けて引き出し可能に構成されており、この引き出した状態にて、収容部82に新たな用紙を補充したり、用紙を別の種類の用紙に入れ替え可能となる。
【0026】
この装置本体2の内部には、用紙搬送方向でみて搬送ローラ84、レジストローラ5、画像形成部8及び転写部12の順に配置されている。本実施例の画像形成部8には4個のドラムユニット7が並設され、各ドラムユニット7には各対応色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(画像担持体)10がそれぞれ設けられている(図1,2)。各ドラム10は回転自在に設置され、図示しない駆動モータによって図1の時計回りにそれぞれ駆動する。
【0027】
画像形成部8の下方、つまり、感光体ドラム10と給紙カセット3との間には露光装置(走査光学装置)6が備えられており、この露光装置6からは各感光体ドラム10に向けて、例えばイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの異なる4色分のレーザ光が照射される。そして、図1に示されるように、各ドラム10の周囲の適宜位置には、帯電器85、現像器86、中間転写ローラ87やクリーニング部88がそれぞれ設けられている。
【0028】
この帯電器85は感光体ドラム10の下部にそれぞれ位置し、各ドラム10の表面を一様に帯電させる。また、図1でみると、現像器86は各ドラム10の左方にそれぞれ配置される。中間転写ベルト9は各ドラム10の上方に配置され、この転写ベルト9と排紙トレイ92との間には4個のトナーコンテナ89が配設されている。これら各コンテナ89は、プリンタ1の背面側から前面側に向けて、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、そして、ブラック用の順に配設され、このブラック用のコンテナの容量が最も大きく構成される。
【0029】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーを各感光体ドラム10の表面に静電的に付着させると、この表面には、露光装置6による静電潜像に応じたトナー像がそれぞれ現像される。
これら各ドラム10の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト9に順次転写され、1ページ分のトナー像として重ね合わされる。転写部12には転写ローラ13が備えられ、この転写ローラ13は転写ベルト9に対して斜め下方から圧接可能に構成されている。これら転写ベルト9と転写ローラ13との間を用紙が通過すると、転写ベルト9に重ね合わされたトナー像が用紙に転写される。
【0030】
また、用紙搬送方向でみて転写部12の下流側には、定着部14、排出分岐部90及び排出ローラ16の順に配置され、定着部14から送出された用紙は排紙トレイ92に排出される。
本実施例では、転写部12と手差しトレイ80との間に両面印刷用の搬送路91が形成されている。この搬送路91は、排出分岐部90から装置本体2の前面側で分岐して下方に向けて延び、レジストローラ5の上流側に連結している。
【0031】
ここで、本実施例の露光装置6には各種の光学機器が組み込まれている。具体的には、図3〜図5に示されるように、露光装置6は樹脂で形成された箱型のハウジング(筐体)30を備え、その平面視で略四角形状の仕切り板(板状の仕切り部)36を有している。この仕切り板36の各辺は正面31、背面32、側面33a,33bの4個の周壁で囲繞される。
【0032】
正面31と背面32とは主走査方向(ドラム10の回転軸線方向)で対峙し、側面33a,33bが副走査方向(用紙の搬送方向)で対峙する。
なお、図3及び図5ではハウジング30内の構造の説明を容易にするために図示を省略しているが、図4に示される如くハウジング30はカバー61u,62dを有し、これら正面31、背面32、側面33a,33bの一端は、所定位置にスリット62a,62bを有したカバー61uに、一方、正面31、背面32、側面33a,33bの他端はカバー62dにそれぞれ当接している。
【0033】
また、本実施例の露光装置6は、カバー61uを感光体ドラム10側に、カバー62dを給紙カセット3側にそれぞれ向けた姿勢にて、図示しないネジを用いて装置本体2に固定されており、仕切り板36はハウジング30の内部を例えば上下に区画する位置に設けられている。
詳しくは、本実施例の仕切り板36は、正面31、背面32、側面33a,33bの高さ方向でみた略中央位置に連なり(図4の断面視でH型構造)、カバー61u,62dに対して略平行に延びている。
【0034】
この仕切り板36は、第1階層61と第2階層62とに区画し、図4に示されるように、高温側の基準座面36uと低温側の基準座面(第2階層に対峙する面)36dとを有する。
より具体的には、第1階層61は、カバー61u、正面31、背面32、側面33a,33b及び高温側の基準座面36uで囲まれた空間である。一方、第2階層62は、低温側の基準座面36d、正面31、背面32、側面33a,33b及びカバー62dで囲まれた空間である。
【0035】
そして、本実施例のハウジング30には、2個の光源40の他(図2)、光偏向器、光学系などで構成される光学機器が配設されている。
つまり、このプリンタ1には、図1の左側に示された例えばイエロー及びマゼンタの画像に対応する露光装置6Aと、図1の右側に示された例えばシアン及びブラックの画像に対応する露光装置6Bとが別個に搭載されている。
【0036】
そこで、前者のイエロー及びマゼンタの画像に対応する露光装置6Aを例に挙げて説明する。
この露光装置6Aの2個の光源40は、正面31にてハウジング30の外側に並設されており、イエロー用のレーザダイオード(LD)と、マゼンタ用のLDとからなり、独立した各LDから可視領域の光ビームがそれぞれハウジング30の内部の光偏向器に向けて照射される。
【0037】
この光偏向器は、第1階層61に配置され、ポリゴンミラー(回転多面鏡)42と、駆動ユニット44とで構成されており(図3)、ポリゴンミラー42は正多角形の平面形状をなし、その各側面は平面鏡で形成されている。また、このポリゴンミラー42の中心部分はモータ軸46に固着される(図4)。
駆動ユニット44はモータ軸46に連結する駆動モータ45を有し、このモータ45は、集積回路や抵抗等の電装部品(図示しない)とともに矩形状の回路基板48に実装される。この例の回路基板48は、ポリゴンミラー42の下側から背面32に向けて配置され、高温側の基準座面36uに固定されている。
【0038】
上述した光学系は、このポリゴンミラー42で反射されたレーザ光の進む領域に備えられており、イエロー用及びマゼンタ用のfθレンズ50a,50b、fθレンズ51a,51bの他、本実施例では計6個の平面形状の折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bで構成される。
これらイエロー用及びマゼンタ用のfθレンズ50a,50bは、第1階層61に設けられ、ポリゴンミラー42を挟んで副走査方向に沿ってそれぞれ配置されており、例えばイエロー用のfθレンズ50aは図3,4でみてポリゴンミラー42の左側に、マゼンタ用のfθレンズ50bはポリゴンミラー42の右側に並設される。
【0039】
次に、イエロー用のfθレンズ51aは図3,4でみてfθレンズ50aの左側に、マゼンタ用のfθレンズ51bはfθレンズ50bの右側に並設され、これらfθレンズ51a,51bも第1階層61に設けられている。
また、イエロー用の折り返しミラー52a,54a,56aは、図4にも示される如く、ポリゴンミラー42を挟んで左側に設けられる。
【0040】
まず、折り返しミラー52aは、側面33aと高温側の基準座面36uとの交差付近、つまり、第1階層61に配置されており、その両端がこの基準座面36uに形成された樹脂製のミラー支持部材(図示しない)で支持され、所定角度に傾斜して主走査方向に沿って配置されている。
これに対し、折り返しミラー54a,56aは第2階層62に設けられている。
【0041】
より詳しくは、折り返しミラー54aは仕切り板36を挟んで折り返しミラー52aの下方に、折り返しミラー56aはイエロー用のfθレンズ50aの下方にそれぞれ配置されている。これら折り返しミラー54a,56aの各両端は低温側の基準座面36dに形成された樹脂製のミラー支持部材(図示しない)で支持され、所定角度に傾斜して主走査方向に沿って配置される。
【0042】
このように、本実施例では、ポリゴンミラー42やfθレンズ50a,51a、折り返しミラー52aが第1階層61に設けられるのに対し、折り返しミラー54a,56aが第2階層62に設けられており、しかも、露光装置6Aは各感光体ドラム10の下側に位置するため、仕切り板36にはスリット(孔)37aやスリット(他の孔)38aが形成されている。
【0043】
具体的には、図4に示される如く、スリット37aは、折り返しミラー52aからの走査光を折り返しミラー54aに導く位置にて、高温側の基準座面36uと低温側の基準座面36dとを貫通して穿設される。また、スリット38aは、折り返しミラー56aからの走査光を感光体ドラム10に導く位置にて、高温側の基準座面36uと低温側の基準座面36dとを貫通して穿設されている。
【0044】
このため、本実施例の仕切り板36には、図4でみてポリゴンミラー42の左側のうちfθレンズ50aとfθレンズ51aとの間に、スリット38aが形成されている。これらイエロー用の2個のスリット37a,38aは、折り返しミラー52a,54a,56aの配置方向と同様に主走査方向に沿ってそれぞれ延びる。
【0045】
なお、マゼンタ用の折り返しミラー52b,54b,56bも図3,4でみてポリゴンミラー42の右側に配置され、イエロー用の折り返しミラー52a,54a,56aと略同様の位置に設けられる。さらに、仕切り板36にも、イエロー用のスリット37a,38aと略同様の位置に、マゼンタ用の2個のスリット(孔)37bやスリット(他の孔)38bが形成されている。
【0046】
そして、装置本体2内に設けられた図2のコントローラ20からの信号に基づき、イエロー用やマゼンタ用の各光源40がレーザ光をそれぞれ照射すると、各レーザ光は、対応のコリメータレンズ、プリズムやシリンドリカルレンズ等を経てポリゴンミラー42に向かう。
同じくコントローラ20からの信号に基づいて、モータ軸46が駆動モータ45の動力を受けて高速回転すると、ポリゴンミラー42が高速回転する。
【0047】
このポリゴンミラー42には、イエローやマゼンタの各レーザ光が微小角度を持ってずれた状態で入射される。続いて、回転するポリゴンミラー42は各レーザ光を偏向しつつ、各側面33a,33bに向けて出力する。
ポリゴンミラー42で反射された各レーザ光は、対応のfθレンズ50a,50b、51a,51bでそれぞれ等速度に偏向される。
【0048】
この各fθレンズ50a,50b、51a,51bを通過したレーザ光は、折り返しミラー52a,52bにてそれぞれ下方に向けて折り返され、仕切り板36のスリット37a,37bを経由してそれぞれ第2階層62に達する。
続いて、各レーザ光は、折り返しミラー54a,54bでハウジング30の内部に向けてそれぞれ反射される。その後、各折り返しミラー56a,56bにて再び上方に向けて折り返され、仕切り板36のスリット38a,38b及びカバー61uのスリット62a,62bを経由してイエロー用のドラム10の表面や、マゼンタ用のドラム10の表面にそれぞれ到達する。
【0049】
また、シアン及びブラックの画像に対応する露光装置6Bについても同様に、コントローラ20からの信号に基づき、各光源40のレーザ光が、ポリゴンミラー42、対応のfθレンズ50a,50b、51a,51bや折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bを経由してシアン用のドラム10の表面や、ブラック用のドラム10の表面にそれぞれ到達する。
【0050】
ところで、本実施例の露光装置6A,6Bの各第2階層62には、リブ(補強部材)70が設けられている。
詳しくは、図4及び図5に示されるように、本実施例のリブ70は、内側リブ72と外側リブ74a,74bとで構成され、仕切り板36のうち低温側の基準座面36dに取り付けられている。
【0051】
より具体的には、内側リブ72及び外側リブ74a,74bは断面視略U字状をなし、内側リブ72は、この基準座面36dのうち回路基板48を副走査方向で跨いだ位置に設置される(図4,5)。
一方、外側リブ74aは、fθレンズ51aを副走査方向で跨いだ位置、換言すれば、スリット37aとスリット38aとの間に、また、外側リブ74bは、fθレンズ51bを副走査方向で跨いだ位置にて、換言すれば、スリット37bとスリット38bとの間にそれぞれ設置されている(図4)。
【0052】
さらに、この例の内側リブ72及び外側リブ74a,74bは、仕切り板36と同じ材質の樹脂製にて基準座面36dに一体形成されており、イエロー用の2個のスリット37a,38aや折り返しミラー52a,54a,56aの配置方向と同様に主走査方向に沿ってそれぞれ延びている(図5)。
再び図1に戻り、上述した露光装置6A,6Bを搭載したプリンタ1が印刷を行う際は、給紙カセット3から給紙ローラ83により用紙が1枚ずつ分離して送出され、搬送ローラ84を経てレジストローラ5に到達する。このレジストローラ5は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部8で形成されるトナー像との画像転写タイミングを計りながら、用紙を転写部12に向けて送出する。
【0053】
一方、図2の入力ポート22は、印刷の元になる画像データが外部から受信可能に構成されている。この画像データは、文字や符号、図形、記号、線図、模様等の各種の画像がデータ化されたものである。そして、このデータに基づき、コントローラ20ではレーザ光の照射などを制御する。
詳しくは、各感光体ドラム10に対しては、帯電器85がドラム10の表面をそれぞれ帯電し、露光装置6がドラム10の表面にレーザ光をそれぞれ照射すると、各ドラム10の表面には静電潜像が作られ、この静電潜像から各色のトナー像が形成される。
【0054】
各トナー画像は転写ベルト9を経由して転写部12にて用紙に転写される。なお、感光体ドラム10の表面に残留したトナーはクリーニング部88でそれぞれ除去される。
その後、この用紙は未定着トナー像を担持した状態で定着部14に向けて送られ、この定着部14にて加熱及び加圧され、トナー像が定着される。次いで、定着部14から送出された用紙は排出ローラ16で排紙トレイ92に排出される。
【0055】
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部14から排出された用紙は、排出分岐部90でその搬送方向が切り替えられる。つまり、片面に印刷された用紙は装置本体2内に引き戻され、両面印刷用の搬送路91に搬送される。続いて、この用紙はレジストローラ5の上流側に向けて送出され、転写部12に向けて再び送られる。これにより、用紙の未だ印刷がされていない方の面にトナー像が転写される。
【0056】
ところで、上記実施例における断面視略U字状の内側リブ72及び外側リブ74a,74bは仕切り板36と同じ樹脂製で構成され、そのうち例えば外側リブ74a,74bは、その側壁33a,33b寄り部分75a,75bとハウジング30の中央寄り部分76a,76bとの幅は略等しくされているが(図4,5)、発熱源である駆動ユニット44に近接するに連れて変形し難く構成されていても良い。
【0057】
詳しくは、例えば図6は外側リブ74aの周囲を拡大して示しており、ハウジング30の中央寄り部分76aの幅が側壁33a寄り部分75aの幅よりも厚くされている。
一方、これら各実施例では、内側リブ72及び外側リブ74a,74bが仕切り板36に一体形成されている。
【0058】
しかし、ハウジング30の中央寄り部分76aの材質を側壁33a寄り部分75aの材質よりも高剛性の異材質で構成しても良い。この場合にも、駆動ユニット44に近接するに連れて変形し難くなるからである。
さらに、高剛性の異材質で云えば、リブ70自体を仕切り板36とは別体で構成しても良い。
【0059】
具体的には、図7,8に示された例では、仕切り板36の中央付近から背面32に向けて開口39が形成されている点を除き、上記実施例に類似しており、上述した実施例と同じ機能を奏する構成については同じ符号を付してその説明を省略すると、当該例のリブ70は、内側リブ72a,72bと外側リブ74a,74bとで構成され、低温側の基準座面36dに取り付けられている。
【0060】
これら内側リブ72a,72b及び外側リブ74a,74bは仕切り板36の材質よりも高剛性の例えば板金やガラス製の板であり、内側リブ72a,72bは、fθレンズ50a,50bの裏側にて、基準座面36dのうち回路基板48を副走査方向で跨いだ位置に設置されている。
また、外側リブ74aはスリット37aとスリット38aとの間に、外側リブ74bはスリット37bとスリット38bとの間にそれぞれ設置され、上述した実施例の内側リブ72及び外側リブ74a,74bの配置方向と同様に主走査方向に沿ってそれぞれ延びている(図8)。
【0061】
以上のように、上記各実施例によれば、ハウジング30は断面視H型構造であり、この露光装置6の小型化や低背化への要求を実現できる。
そして、このハウジング30内は仕切り板36によって第1階層61と第2階層62とに区画され、この第1階層61には、ポリゴンミラー42や駆動ユニット44が設置されている。ポリゴンミラー42からの走査光は、第1階層61の折り返しミラー52a,52b及び仕切り板36に形成されたスリット37a,37bを経由して第2階層62に向かう。
【0062】
ここで、ハウジング30の強度は、その仕切り板36がスリット37a,37bを備えると、このスリット37a,37bを備えない場合に比して低下する。
また、本実施例の如くポリゴンミラー42からの走査光が、第1階層61から第2階層62を経由して再び第1階層61に到達する場合には、仕切り板36にはスリット38a,38bも必要になり、ハウジング30の強度はより低下する。
【0063】
ポリゴンミラー42はモータ軸46の回転によって駆動するが、このモータ軸46の回転に伴って振動が発生する。当該振動はスリット37a,37b,38a,38bを備えた仕切り板36から上記ミラー支持部材に容易に伝達されるため、走査光による画像の書き出し位置が安定しないという懸念がある(ジッタ画像の発生)。
【0064】
さらに、このモータ軸46の回転に伴って熱も発生する。この熱は第1階層61の雰囲気温度を上昇させ、第1階層61のfθレンズ50a,50b、51a,51bや折り返しミラー52a,52bには膨張する力が作用する。一方、第2階層62には発熱源となる駆動ユニット44が設置されておらず、その雰囲気温度は第1階層61に比して低くなるので、この第2階層62の折り返しミラー52a,54a,56aには第1階層61に生ずる程の力は作用しない。
【0065】
つまり、第1階層61と第2階層62との間には温度差があり、仕切り板36のうち高温側の基準座面36uに生じた膨張は低温側の基準座面36dによって拘束される。そのため、高温の第1階層61には引張り力が、低温の第2階層62には圧縮力がそれぞれ作用し、ハウジング30は、第1階層61のポリゴンミラー42が持ち上がり、図4等の姿勢で云えば、仕切り板36の中央部分が上方に向けて凸をなすように変形して折り返しミラー52a,52b等の傾斜角度が変わり、カラー画像の色ずれが大きくなるとの懸念もある(色ずれ画像の発生)。
【0066】
特に、スリット37a,37b,38a,38bを備えた仕切り板36では、このスリット37a,37b,38a,38bが折り返しミラー52a,52b等と同様に主走査方向に延びることから、この主走査方向に略直交する方向、つまり、副走査方向に反り易く、副走査方向におけるカラー画像の色ずれがより大きくなる。
【0067】
しかしながら、本実施例では、発熱源である回路基板48や駆動モータ45を配置しない第2階層62側、具体的には、仕切り板36のうち低温側の基準座面36dにはリブ70が取り付けられており、スリット37a,37b,38a,38bの形成に伴うハウジング30の強度低下を防止している。よって、単に制振目的のリブを立設した場合に比して、コンパクトな露光装置6を実現しつつ、仕切り板36の振動を抑制できるとともに、熱変形による反りも回避でき、ジッタ画像や色ずれ画像による画質低下を防止できる。
【0068】
しかも、このジッタ画像や色ずれの防止がリブ70のみの構成で達成できるので、例えば仕切り板36のスリット37aとスリット38aとの間に支持部位を設け、この支持部位に折り返しミラーを設置してハウジングの強度を確保する場合や、送風機からの冷却風でハウジングを冷やして温度差を小さくする場合等に比して簡単な構造で済み、露光装置6の製造コストも抑えられる。
【0069】
また、リブ70は、駆動ユニット44を跨いだ位置やスリット37aとスリット38aとの間などにそれぞれ設けられており、ハウジング30の強度がより低下する場合にも、第1階層61のポリゴンミラー42が凸をなす反りを確実に防止できる。
さらに、図4の例のように、リブ70をハウジング30と同じ材質で一体形成すれば、低温側の基準座面36dに設置する手間を省略できる。
【0070】
一方、図7の例の如く、リブ70をハウジング30の材質よりも高剛性の別体で構成すれば、モータ軸46の振動が仕切り板36全体に伝わり難くなり、ハウジング30の固有振動数とモータ軸46の回転周波数との近似による共振も確実に抑制できる。
さらにまた、図6の例のように、発熱源に近くなるに連れて第1階層61と第2階層62との温度差は大きくなるが、例えば外側リブ74aでは発熱源に近くなるに連れて変形し難くしており、第1階層61のポリゴンミラー42が凸をなす反りをより一層確実に防止できる。
【0071】
また、ジッタ画像や色ずれ画像による画質低下を防止し、良好な画質が得られることから、プリンタ1の信頼性向上に寄与する。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施例の露光装置6には2個の光源40が設置されているが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、1台の露光装置6に4個の光源40が設置されていても良い。
【0072】
また、上記実施例の仕切り板36は、ハウジング30を上下に区画しているが、露光装置6の姿勢によっては左右など種々の方向に区画可能である。
さらに、上記実施例では第2階層62にも折り返しミラー54a,54b,56a,56bが設置されているものの、第2階層62には光学系を設けなくても良い。
【0073】
例えば感光体ドラム10が露光装置6の下方に配置された場合には、第1階層61からの走査光は、スリット37a,37bを通過して第2階層62に達し、そのまま感光体ドラムに到達するからである。
さらにまた、本発明の補強部材は第2階層62のみに限らない。つまり、第1階層61にも補強部材を設置しても良い。より詳しくは、低温の第2階層62の補強部材が高温の第1階層61の補強部材よりも強固な構成であれば、高温の第1階層61と低温の第2階層62との温度差によるハウジング30の熱変形を抑制できるからである。
【0074】
また、上記実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、孔を有した複数層構造の筐体において、ジッタ画像や色ずれ画像の発生を防止できるとの効果を奏する。
【符号の説明】
【0075】
1 プリンタ(画像形成装置)
6 露光装置(走査光学装置)
10 感光体ドラム(画像担持体)
30 ハウジング(筐体)
31 正面(周壁)
32 背面(周壁)
33a,33b 側面(周壁)
36 仕切り板(板状の仕切り部)
36d 低温側の基準座面(第2階層に対峙する面)
37a,37b スリット(孔)
38a,38b スリット(他の孔)
40 レーザダイオード(光源)
42 ポリゴンミラー(回転多面鏡、光偏向器)
44 駆動ユニット(光偏向器)
46 モータ軸
48 回路基板
52a,52b 折り返しミラー(光学系)
54a,54b,56a,56b 折り返しミラー(他の光学系)
61 第1階層
62 第2階層
70 リブ(補強部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁の内側を第1階層及び第2階層に区画するとともに、これら第1階層と第2階層とを連通して光路をなす孔が形成された板状の仕切り部を有した筐体と、
前記第1階層に取り付けられており、複数個の光源からの走査光を偏向走査する回転多面鏡、及びモータ軸を介してこの回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニットをそれぞれ有した光偏向器と、
少なくとも前記第1階層に取り付けられており、前記回転多面鏡からの走査光を前記孔に向けて折り返す光学系と、
前記仕切り部のうち少なくとも前記第2階層に対峙する面に取り付けられ、前記筐体の強度を補強する補強部材と
を具備することを特徴とする走査光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の走査光学装置であって、
前記第2階層に取り付けられており、前記第1階層の光学系から前記第2階層に到達した走査光を前記第1階層に向けて再び折り返す他の光学系と、
これら第1階層と第2階層とを連通し、前記他の光学系からの走査光の光路をなす他の孔とをさらに具備し、
前記補強部材は、前記第2階層に対峙する面のうち前記駆動ユニットを跨いだ位置、及び前記第2階層に対峙する面のうち前記孔と前記他の孔との間にそれぞれ取り付けられることを特徴とする走査光学装置。
【請求項3】
請求項2に記載の走査光学装置であって、
前記補強部材は、前記筐体と一体形成されている、或いは、前記筐体の材質よりも高剛性の別体で構成されていることを特徴とする走査光学装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の走査光学装置であって、
前記補強部材は、前記駆動ユニットに近接するに連れて変形し難く構成されていることを特徴とする走査光学装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の走査光学装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置であって、
前記回転多面鏡で偏向走査された走査光を画像担持体の表面に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像したトナー像が記録材に転写されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−253137(P2011−253137A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128557(P2010−128557)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】