説明

超伝導磁石用の受動性クエンチ保護回路

【課題】超伝導磁石におけるクエンチ事象の際の損傷を防止するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】超伝導磁石装置は、超伝導コイル(C1−)と、前記コイル(C1−)に並列に電気結合された受動性クエンチ保護回路(130)とを有する。前記回路(130)は、直列に接続されたヒータ(210)及び電流制限器(220)を含む。前記ヒータ(210)は前記コイル(C1−)に熱結合されており、且つ前記電流制限器(220)は、前記回路(130)を通る電流を、前記ヒータ(210)の電流定格よりも低い電流値で阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書で開示する内容は、磁気共鳴イメージング(MRI)超伝導磁石などのような超伝導磁石のための受動性クエンチ保護回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超伝導磁石は、それが適切に低い温度に維持されている限り、実効的にゼロの抵抗で電気を導くことができる。しかしながら、熱擾乱がある場合、磁石は常伝導状態になり(もはや超伝導状態ではなくなり)、抵抗を生じて電流を減少させ、もって蓄積された磁気エネルギをIR熱損失により熱へ急速に変換する。これはクエンチとして知られている非可逆的動作であり、これは磁石を損傷することのある望ましくない熱及び電圧を惹起する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6147844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、クエンチ事象の際に損傷を防止する新規な装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はその実施形態として、受動性クエンチ保護システム及び該システムを取り入れた超伝導磁石装置を提供する。
【0006】
一実施形態では、受動性クエンチ保護システムは、少なくとも1つの超伝導コイルに電気接続するように構成される。その回路は、直列に接続されたヒータ及び電流制限器を有する。ヒータは前記超伝導コイルの少なくとも1つに熱結合するように構成される。電流制限器は、回路を通る電流を、ヒータの電流定格よりも低い電流で阻止する。
【0007】
別の実施形態では、超伝導磁石装置は、少なくとも1つの超伝導コイルと、前記コイルの少なくとも1つに並列に電気結合された受動性クエンチ保護回路とを有する。該回路は、直列に接続されたヒータ及び電流制限器を含む。前記ヒータは前記コイルの少なくとも1つに熱結合され、また前記電流制限器は、回路を通る電流を、ヒータの電流定格よりも低い電流で阻止する。
【0008】
従って、クエンチ保護回路は、ヒータに対する損傷を防止しながら、超伝導コイルの最適なクエンチ保護を行うことができる。
【0009】
本発明の様々な実施形態(これらは限定するものではなく、また全てを表したものでもない)を添付の図面を参照して以下に説明する。図面では、特に明記していない限り、同様な部品は同様な参照符号で表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従った超伝導磁石装置を例示する回路図である。
【図2】図2は、図1のクエンチ保護回路の回路図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に従ったクエンチ保護回路の回路図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に従ったクエンチ保護回路の回路図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に従ったクエンチ保護回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明は当業者が本発明を実施することができるように記述し、且つ特定の用途及びその必要条件に関連して述べる。本発明の様々な実施形態は当業者には直ぐに明きらかであろう。また本書で開示した原理は、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに他の実施形態及び用途に適用することができる。従って、本発明は、図示の実施形態に制限されるものではなく、本書で開示した原理、特徴及び教示と矛盾しない最も広い範囲を有するものとする。
【0012】
超伝導磁石装置の様々な実施形態では、少なくとも1つの電気ヒータ及び少なくとも1つの電流制限器を有するクエンチ保護回路を設ける。一実施形態では、クエンチ保護回路はまた、少なくとも1つの電圧阻止器/フィルタを含む。これらの3つの要素は直列に接続され、次いで適切にグループ分けされた超伝導コイル又は超伝導コイル群と並列に接続される。ヒータが、これらの超伝導コイルの内の1つ以上と熱結合される。一旦クエンチ事象が生じると、超伝導コイル両端間のクエンチ電圧が増大してヒータに電力を供給し、これによりヒータが発熱して、ヒータ領域において超伝導コイルを常伝導状態にし、その結果、磁石の周りのエネルギを分散させて、磁石に対する損傷を防止する。電流制限器は過電流保護を行って、最大ヒータ電流を制限する。すなわち、電流制限器は、ヒータの電流定格よりも低い電流定格を持つ。電圧阻止器は、コイル電圧が予め設定された閾値電圧よりも低いとき、不所望の電流がクエンチ保護回路を通って流れるのを防止する。閾値電圧は、ランプ(ramp)電圧及び磁石の正常動作中の超伝導コイル両端間の最大電圧よりも大きく、クエンチ保護回路に流れる不所望な電流を低減又は除去する。
【0013】
一実施形態では、電流制限器は、高速作動温度ヒューズ及び/又は正温度係数(PTC)抵抗を含むことができる。ヒューズは、ヒータの電流定格よりも低い或る特定の電流レベルで溶断することができる。PTCヒータの電気抵抗値はその温度に依存する。抵抗値は、一旦その温度がその保護温度を越えて上昇すると、急激に増大する。ヒータ回路の電流はコイル・クエンチ電圧が増大していると増大するので、PTC抵抗の温度を上昇させ、これにより、PTC抵抗の抵抗値が、ヒータ電流を制限するように増大する。ヒューズ又はPTC抵抗は、クエンチ後に必要なら点検し且つ交換し易いように、磁石の外部に配置することができる。
【0014】
一実施形態では、磁石のランプ中や磁石の正常動作中にヒータ回路内の不所望な電流を除くために、電圧阻止器がヒータと直列に接続される。電圧阻止器は、一対の背中合わせに直列接続されたツェナーダイオード、又は金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)を含むことができる。ツェナーダイオードの逆方向降伏電圧は、磁石の正常動作中の最大電圧よりも高く、且つまた磁石のクエンチの際にヒータが動作するのに充分な低さであるように選択又は制御される。ダイオード又はMOSFETは磁石の内部又は外部のいずれかに配置することができる。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に従った超伝導磁石装置100を例示する回路図である。装置100は2組の超伝導コイルを有する。第1の組102は、直列に接続されたコイルC1−、C1+、C2−、C2+、C3−及びC3+を含む。第2の組104は直列に超伝導コイルC4−及びC4+を有する。別の実施形態では、装置100は超伝導コイルの追加の組を含むことができる。更に、超伝導コイルの各組102,104は、それぞれより多くの又はより少ない数のコイルを含むことができる。
【0016】
コイルの組102及び104には並列にランプ・スイッチ110が接続されており、該スイッチは、最初は或る抵抗値を維持し、従って電源装置(図示せず)から電流をコイル102及び104に供給させ、その後、コイルの組が完全に付勢されたとき、コイルの組との閉回路を維持する。装置100はまた磁石ランダウン(rundown) 装置(MRU)120を含み、これは、一実施形態では、クエンチ保護回路130のクエンチ・ヒータ210(図2)に結合される。一実施形態では、MRU120は他のクエンチ・ヒータ(図示せず)に結合される。MRU120は、或る特定の緊急事態ではコイルの組102及び104を手動でクエンチすることができる。MRU120はクエンチ・ヒータ210に電流を印加して、強制的にコイルの組をクエンチさせて、磁気エネルギを失わせる。
【0017】
コイルの組102及び104に並列に受動性クエンチ保護回路130が接続される。コイルの各組102,104は、端子AとBとの間に接続された少なくとも1つのクエンチ保護回路130、並びに端子BとCとの間に接続された少なくとも1つのクエンチ保護回路130として図示するように、並列に接続された1つ以上のクエンチ保護回路130を持つことができる。前に述べたように、追加の超伝導コイルの組(図示せず)を対応するクエンチ保護回路と共に設けることができる。更に、必ずしもコイルの各組がクエンチ保護回路130を持つ必要はない。クエンチ保護回路130は、(後で図2、3、4及び5を参照して更に詳しく説明するが)、クエンチ事象の際にエネルギをより均一に分散させるようにコイル一組の中の複数のコイルの間で及び/又はコイルの複数の組の間で常伝導領域を拡大させ、これにより、局部領域を過熱することによっていずれかのコイルに損傷を与えることを防止する。
【0018】
図1及び2について説明すると、装置100の動作中、ランプ・スイッチ110は、或る抵抗値を維持して、これにより電源装置(図示せず)から電流をコイル102,104に供給させ、その後、一旦コイルの組が完全に付勢されると、閉回路を維持する。コイル102及び104が超伝導状態にあるとき、電流は連続的にコイルに流れ続け、これによってイメージングのために用いられる磁界を維持する。磁石コイルの摩擦を生じる動きなどからクエンチが生じる場合又は生じるとき、コイル・ワイヤの加熱された部分が常伝導状態の抵抗値により加熱される。或る1つの超伝導コイルがクエンチした後、クエンチ保護回路130はそれぞれの超伝導コイルの組の両端間の電圧を監視する。この電圧は2つの成分、すなわち、コイルの常伝導域抵抗値Rに起因した抵抗電圧(I*R)と、電流減少(di/dt)に起因した誘導電圧(Ldi/dt)とで構成される。その合計電圧が電圧阻止器230(図2)の閾値を超えた場合、クエンチ・ヒータ210が加熱を開始して、クエンチを拡大させる。次いで、ヒータ210はコイル(1つ又は複数)の他の部分又はコイルの組へ熱によりエネルギをより均一に分布させ、これによって、コイルを損傷する可能性のある局部的な熱の蓄積を防止する。これは、従来の回路に比べて望ましい改善である。クエンチ・ヒータ210は、典型的には、コイル(1つ又は複数)を約50〜約200ミリ秒以内にクエンチする。
【0019】
再び、図1のクエンチ保護回路130の回路図を例示する図2について説明する。回路130は、1つ以上の電流制限器220と直列に結合された1つ以上のクエンチ・ヒータ210と、随意選択により1つ以上の電圧フィルタ/阻止器230とを有する。クエンチ・ヒータ210は、超伝導コイルに熱結合されるか又は超伝導コイルに物理的に組み込まれる。電流制限器220は、回路130を通って流れることのできる電流の量を制限する非線形抵抗を持ち、これによって過剰な電流/過熱によるヒータ210の損傷を防止する。電流制限器220は、超伝導磁石装置100の磁石真空容器の内部又は外部の位置に配置することができる。電流制限器220は、回路130を通る電流を、ヒータ210の電流定格よりも低い電流で阻止する。本書で述べる実施形態では、電流制限器220は、1つ以上の正温度係数(PTC)抵抗310(図3)、ヒューズ410(図4)、自動トリガ型回路遮断器又は他の装置、或いはそれら組合せを含むことができる。電流制限器220は、典型的には、高価でなく、使用し易く、且つ装置100の外部に配置したとき交換し易い。
【0020】
電圧阻止器/フィルタ230は、超伝導磁石装置100の磁石真空容器の内部又は外部の位置に配置することができる。電圧阻止器/フィルタ230は電圧の逆方向保護を提供し、且つ超伝導コイルの勾配誘起電圧ノイズを除去する。本書で述べる実施形態では、電圧阻止器/フィルタ230は、逆並列接続の電力ダイオード、直列に結合された1つ以上の背中合わせのツェナーダイオード320(図3)、比較回路520(図5)を備えた金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)510(図5)、又はそれらの組合せを含むことができる。
【0021】
装置100のクエンチ動作中、クエンチ・ヒータ210は前に述べたように熱を分布させる。電流制限器220は、ヒータ210を通って流れることのできる電流を制限し、その結果として、ヒータが過熱すること及び過電流により故障することを防止する。電圧阻止器230は、電流制限器220を介してヒータ210へ流れる電流を阻止し及び/又は濾波する。
【0022】
図3は、別の実施形態に従ったクエンチ保護回路300の回路図である。クエンチ保護回路300は、1つ以上のPTC抵抗310と直列に結合された1つ以上のクエンチ・ヒータ210、及び直列に結合された1つ以上の背中合わせのツェナーダイオード320を含む。PTC抵抗310は電流制限器として作用し、ヒータ210の最大電流を制限する。PTC抵抗310の抵抗値は、その温度が過負荷電流に起因してそのキュリー温度Tcよりも高くなったときに、指数的に増大する。結果として、PTC抵抗310を通る最大電流が制限される。一例によれば、抵抗値は、Tcより低いときの約10オームからTcより高いときの10オームまで変化し、約20℃から約100℃までに抵抗値は指数関数的に増大する。実例として、4オームのPTC抵抗が、直流50Vの電圧下で約0.15〜約0.2秒以内に過電流に反応して、クエンチ・ヒータ210を保護する。ツェナーダイオード320は、コイル内の勾配誘起電圧ノイズを濾波除去して、一実施形態では約10Vから約50Vまでの範囲にわたって逆方向電圧保護を行う。
【0023】
クエンチ事象の際、PTC抵抗310は、電流がクエンチ・ヒータ210を介して該抵抗に流れるにつれて発熱し、この結果、PTC抵抗310の温度が増大する。クエンチ・ヒータ210もまた、PTC抵抗310の温度を増大させることができる。温度が上昇したとき、PTC抵抗310は高い抵抗値により電流の通過を阻止して、クエンチ・ヒータ210に損傷が生じるのを防止する。
【0024】
図4は、また別の実施形態に従ったクエンチ保護回路400の回路図である。クエンチ保護回路400は、1つ以上のヒューズ410及び1つ以上の背中合わせのツェナーダイオード320と直列に結合された1つ以上のクエンチ・ヒータ210を含む。ヒューズ410は過電流による損傷からヒータ210を保護する。一面では、過電流状態の際、ヒューズ410は約0.1〜0.3秒で溶断する。ヒューズ410は、溶断した場合に容易に交換することができるように、装置100の外部に配置することができる。一例では、ヒューズ410としては、4アンペアの正常電流を持つリテルヒューズ(LITTELFUSE)0216.004高速作動ヒューズが挙げられる。
【0025】
クエンチ事象の際、電流がクエンチ・ヒータ210を通ってヒューズ410へ流れる。一旦電流がヒューズ410の許容値を超えると、ヒューズ410は溶断し、これによって電流がクエンチ回路400に入るのを阻止して、クエンチ・ヒータ210に対する損傷を防止する。
【0026】
図5は、更に別の実施形態に従ったクエンチ保護回路500の回路図である。クエンチ保護回路500は、1つ以上の電流制限器220及び1つ以上のMOSFET510と直列に結合された1つ以上のクエンチ・ヒータ210を含む。更に、抵抗R1及びR2がMOSFET510と並列の枝路に沿って配置されて、MOSFETのゲートに結合される抵抗分圧器回路網を形成する。R1/R2抵抗分圧器とMOSFET510との間には比較回路520が結合される。MOSFET510は不必要な導通電流を濾波除去し且つバイポーラ方向のヒータ電流を遮断する。R1及びR2は分圧器の抵抗であり、この分圧器は、MOSFET510の動作点を調節するために用いられる。
【0027】
クエンチ電圧は正又は負のいずれかであり得るので、MOSFET510はバイポーラ方向のヒータ電流を導通し又は遮断する。分圧器とMOSFET510との間に追加の詳細な比較回路が必要とされる。分圧器のインピーダンスは、この枝路における不必要な電流を抑制するために非常に高く(メガ・オーム以上に)すべきである。
【0028】
本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施することができるようにするために、幾つかの例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの記載から実質的に差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0029】
100 超伝導磁石装置
110 ランプ・スイッチ
120 磁石ランダウン装置(MRU)
130 クエンチ保護回路
C1−、C1+、C2−、C2+、C3−、C3+ 第1の組の超伝導コイル
C4−、C4 第2の組の超伝導コイル
210 クエンチ・ヒータ
220 電流制限器
230 電圧阻止器
300 クエンチ保護回路
310 PTC抵抗
320 背中合わせのツェナーダイオード
400 クエンチ保護回路
410 ヒューズ
500 クエンチ保護回路
510 MOSFET
520 比較回路
R1 抵抗
R2 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)と、
前記少なくとも1つのコイル(C1−,C1+,...,C4+)に並列に電気結合された受動性クエンチ保護回路(130)であって、直列に接続された少なくとも1つのヒータ(210)及び少なくとも1つの電流制限器(220)を含む受動性クエンチ保護回路(130)とを有し、
前記ヒータ(210)が前記少なくとも1つのコイル(C1−,C1+,...,C4+)に熱結合されており、且つ前記電流制限器(220)が、前記回路(130)を通る電流を、前記ヒータ(210)の電流定格よりも低い電流で阻止すること、
を特徴とする超伝導磁石装置(100)。
【請求項2】
少なくとも1つの超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)に電気接続するのに適合した受動性クエンチ保護回路(130)であって、
当該回路は、直列に接続された少なくとも1つのヒータ(210)及び少なくとも1つの電流制限器(220)を有しており、
前記ヒータ(210)は前記少なくとも1つの超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)に熱結合されるように構成されており、
前記電流制限器(220)は、当該回路(130)を通る電流を、前記ヒータ(210)の電流定格よりも低い電流で阻止し、また
当該回路(130)が少なくとも1つの超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)に並列に電気結合されること、
を特徴とする受動性クエンチ保護回路(130)。
【請求項3】
超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)をクエンチする方法であって、
少なくとも1つのヒータ(210)及び少なくとも1つの電流制限器(220)を含むクエンチ保護回路(130)を、少なくとも一群の超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)に並列に結合する段階であって、各群が1つ以上の超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)を持っている、前記段階と、
前記超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)の両端間の増大するクエンチ電圧によって引き起こされるクエンチ事象をトリガする段階と、
クエンチ事象時に前記ヒータ(210)に給電して、ヒータ(210)領域において前記超伝導コイル(C1−,C1+,...,C4+)を常伝導状態にする段階と、
前記ヒータ(210)の電流を、前記ヒータの電流定格よりも低い電流値に制限する段階と、
を有する方法。
【請求項4】
前記電流制限器(220)は前記装置(100)の外部に配置されている、請求項1記載の装置(100)。
【請求項5】
更に、前記電流制限器(220)に直列に接続された少なくとも1つの電圧阻止器(230)を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置(100)、回路(130)又は方法。
【請求項6】
前記電圧阻止器(230)は背中合わせのツェナーダイオード(320)を含んでいる、請求項4記載の装置(100)、回路(130)又は方法。
【請求項7】
前記電圧阻止器(230)は、MOSFET(510)と、分圧器と、それらの間の比較回路(520)とを含んでいる、請求項4記載の装置(100)、回路(130)又は方法。
【請求項8】
前記電流制限器(220)は正温度係数(PTC)抵抗(310)を含んでいる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置(100)、回路(130)又は方法。
【請求項9】
前記電流制限器(220)はヒューズ(410)を含んでいる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置(100)、回路(130)又は方法。
【請求項10】
前記電流制限器(220)は自動トリガ型回路遮断器を含んでいる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置(100)、回路(130)又は方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−71515(P2011−71515A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211476(P2010−211476)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】