説明

超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺りおよび超微霧発生装置

【課題】建物の外観デザインを損なうことなく安全性が考慮され、且つ使い勝手のよい超微霧(所謂ドライミスト)噴霧機能を備えたバルコニ手摺りを提供する。
【解決手段】超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺りであって、タンク1の水を送るポンプ2に配管5を介して接続され、タンク1からの水を超微霧として噴霧するノズル10と、バルコニの腰壁100bに取り付けられた中空円筒状に形成され、その筒内にノズル10を収納し保持するノズル保持部を有する手摺り110とを備える。手摺り110のノズル保持部は、外周面に開口が形成され且つ手摺り110の軸心を中心に周方向を回転可能になされている。また、ノズル10は、ノズル保持部の筒内に、ノズル10の吹出口を、ノズル保持部の開口から突出させた状態で固定される。配管5は、手摺り110の筒内を通って、手摺り110に収納されたノズル10に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物や建築物に設けられた空間を冷却するための超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺りおよび超微霧発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、噴霧ノズルで超微霧(所謂ドライミスト)を発生させ、水が液体から気体に変わる際に周囲から熱を奪う気化熱を利用して建物等の温度を下げる冷却システムが知られている。
例えば、特許文献1には、建築物の側壁面を冷却する冷却システムの構成が開示されている。
具体的には、特許文献1の冷却システムは、建築物(建物)の側壁面に適宜数備えられた噴霧口と、前記噴霧口へ供給する水を溜めておく貯水槽と、該貯水槽内に設置されて前記噴霧口に水を送る送水ポンプと、前記噴霧口と送水ポンプとを接続する配管とを備えている。
そして、特許文献1の冷却システムは、前記噴霧口から霧を発生させることにより、建築物全体の温度上昇を抑えるようになされている。
【0003】
また、最近では、超微霧を利用した冷却システムを住宅用に適用した家庭用の超微霧発生装置も提案されている。
ここで、従来から知られている家庭用の超微霧発生装置の構成を図8および図9を用いて説明する。
図8は、従来技術による超微霧発生装置の構成を示したブロック図である。
また、図9は、従来技術による超微霧発生装置を構成するノズルを住宅のバルコニに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0004】
図8に示すように、家庭用の超微霧発生装置は、水道水を貯水する貯水タンク1と、家庭用の100V電源で駆動するポンプユニット2と、バルコニの手摺りに取り付けられた噴霧吹き出しノズル200を備えた配管210と、ポンプユニット2と配管210とを接続するホース5とを備えている。
なお、噴霧吹き出しノズル200を備えた配管210は、図9に示すように、バルコニ100の腰壁部の手摺300の上部に、噴霧吹き出しノズル200の吹き出し方向が固定された状態で、固定金具310により取り付けられていることが一般的である。
【0005】
そして、前記超微霧発生装置は、ポンプユニット2が、噴霧吹き出しノズル200に、貯水タンク1に貯められ水を送ることにより、噴霧吹き出しノズル200からバルコニ内に超微霧が噴霧されるようになされている。
このように超微霧を噴霧することにより、超微霧の気化熱効果でバルコニや建物周囲の空気が冷却され、より自然に近い形で快適な環境に近付けることができる。
【特許文献1】特開2006−138589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術の家庭用の超微霧発生装置は、以下に示す技術的課題を有している。
具体的には、前記超微霧発生装置は、バルコニの手摺りに固定された噴霧吹き出しノズルからバルコニの上方に向けて超微霧を噴霧しているため、バルコニに洗濯物を干している最中に、超微霧を噴霧することができないという技術的課題を有している。すなわち、前記超微霧発生装置は、バルコニの使用状況によっては、利用することができないため、使い勝手が悪かった。
また、上述した従来技術の家庭用の超微霧発生装置は、噴霧吹き出しノズルを備えた配管が、バルコニの手摺り上部に、ムキ出し状態の固定金具により取り付けられているため、ユーザの体が固定金具にぶつかってしまう虞があった。また、固定金具がムキ出し状態になされているため、建物の外観デザインを損ねていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、建物の外観デザインを損なうことなく安全性が考慮され、且つ使い勝手のよい超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺りおよび超微霧発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明は、超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺りに適用される。
そして、前記バルコニ手摺りは、タンクに貯水された水を送るポンプに配管を介して接続され、該タンクからの水を超微霧として噴霧するノズルと、建物のバルコニの腰壁に取り付けられた中空円筒状に形成され、その筒内に前記ノズルを収納して保持するノズル保持部を有する手摺りとを備え、前記手摺りのノズル保持部は、その外周面に開口が形成されていると共に、手摺りの軸心を中心にして周方向を回転可能になされ、前記ノズルは、前記手摺りのノズル保持部の筒内に、該ノズルの吹出口を、該ノズル保持部の外周側面に形成された開口から突出させた状態で固定されており、前記ポンプと前記ノズルとを接続する配管は、前記手摺りの筒内を挿通され、該手摺りに収納されたノズルに接続されていることを特徴としている。
【0009】
このように本発明によれば、手摺りに、ノズルを収納して保持するノズル保持部を設けている。また、ノズル保持部が手摺りの軸心を中心にして周方向を回転可能に形成されている。また、ノズルは、前記手摺りのノズル保持部の筒内に、該ノズルの吹出口を、該ノズル保持部の外周側面に形成された開口から突出させた状態で固定されている。
そのため、ユーザは、手摺りのノズル保持部を周方向に回転させることにより(ノズル保持部の回転に伴いノズルの吹出口が周方向に回転する)、ノズルの吹出口の向きを任意の位置に設定することができる。その結果、ユーザが所望する方向に超微霧を噴霧することができる。
例えば、手摺りのノズル保持部を周方向に回転させ、ノズルの吹出口の向きをバルコニの外側の領域(例えば庭先)に向けておいて、ポンプを駆動させることにより、バルコニの外側の領域(例えば庭先)に超微霧を噴霧させることができる。このようにすれば、バルコニに洗濯物を干している最中に、超微霧を噴霧しても、洗濯物に影響を与えることが少ない。
このように、本発明によれば、バルコニの使用状況に応じて、ノズルの吹出口の向きを設定することができるため、上述した従来技術のものと比べて、使い勝手が向上する。
【0010】
また、本発明では、超微霧を噴霧するノズルと、ノズルに水を供給する配管とを手摺りの内部に収納しているため、上述した従来技術(図9参照)のように、固定金具等を手摺りに取り付ける必要がない。
そのため、本発明によれば、手摺りに、固定金具等の突起物が設けられていないため、上述した従来技術のものと比べて安全性が向上する。また、本発明によれば、住宅の外観デザインを損ねることがない。
【0011】
また、前記ノズルは、先端に前記吹出口が形成されたノズル本体と、前記配管に接続されると共に、前記ノズル本体の後端側を回動自在に固定する継ぎ手部とを有し、前記ノズル本体は、前記継ぎ手部に固定された部位を支点にして、前記手摺りの左右方向に揺動できるようになされていることが望ましい。
上記構成により、手摺りの左右方向(軸心と平行する方向)に吹出口の向きを変更できるため、超微霧を広範囲にムラなく散布することができる。
また、上記の構成により、少ないノズルの数で広範囲の領域に超微霧を噴霧できるため、装置コストの軽減を図ることができる。
【0012】
また、上記課題を解決するためになされた本発明は、水を貯水するタンクと、前記タンクに貯水された水を送るポンプと、前記ポンプに配管を介して接続され、該タンクからの水を超微霧として噴霧するノズルとを備えた超微霧発生装置に適用される。
そして、前記超微霧発生装置は、建物のバルコニの腰壁に取り付けられた中空円筒状に形成され、その筒内に前記ノズルを収納して保持するノズル保持部を有する手摺りを備え、前記手摺りのノズル保持部は、その外周面に開口が形成されていると共に、手摺りの軸心を中心にして周方向を回転可能になされ、前記ノズルは、前記手摺りのノズル保持部の筒内に、該ノズルの吹出口を、該ノズル保持部の外周側面に形成された開口から突出させた状態で固定されており、前記ポンプと前記ノズルとを接続する配管は、前記手摺りの筒内を挿通されて、該手摺りに収納されたノズルに接続されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明によれば、建物の外観デザインを損なうことなく安全性が考慮され、且つ使い勝手のよい超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺りを提供することができる。また、建物の外観デザインを損なうことなく安全性が考慮され、且つ使い勝手のよい超微霧発生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
先ず、本実施形態の超微霧発生装置の構成について図1および図2を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態の超微霧発生装置の構成を示したブロック図である。
また、図2は、本発明の実施形態の超微霧発生装置を取り付けた建物を示した模式図である。
なお、本実施形態の説明において、上述した図8に示したものと同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0015】
具体的には、図1に示すように、超微霧発生装置は、建物のバルコニ100の腰壁100bの上端に取り付けられた中空円筒棒状の手摺り110と、手摺り110の筒内に収納された(内蔵された)ノズル10と、ノズル10に供給する水を貯水するタンク1と、タンク1内に設置されてノズル10に水を送るポンプユニット2と、ノズル10とポンプユニット2とを接続するホース(配管)5とを備えている。
また、ノズル10は、先端に吹出口12aが形成され、ホース5を介して、供給される水を超微霧(所謂ドライミスト)として吹出口12aから噴霧する。
なお、ポンプユニット2は、電源供給部3に電気的に接続されており、電源供給部3から受ける電力により駆動するようになされている。
また、本実施形態では、ノズル10に水を接続するための配管としてホース5(例えば、ゴムや樹脂製のホース)を用いるが、あくまでもこれは例示である。
【0016】
そして、ポンプユニット2が、ホース5を介して、貯水タンク1に貯められた水をノズル10に送ることにより、ノズル10から超微霧が噴霧されるようになされている。
なお、貯水タンク1およびポンプユニット2は、図8に示した従来技術のものと同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0017】
また、本実施形態は、図1および図2に示すように、手摺り110の内部に収納された(内蔵された)ノズル10の吹出口12aから噴霧する超微霧の噴霧方向を変更できるようになされている。
具体的には、ノズル10の吹出口12aが、手摺り110の外周側面に形成された長孔状の開口112a(図3参照)から突出しており、手摺り110の周方向(Z方向)に動かせるようになされている。
また、ノズル10の吹出口12aは、手摺り110の外周側面に形成された開口112a(図3参照)において、左右方向(手摺り110の軸心と平行する方向)に吹出口12aの向きを変更できるようになされている。
【0018】
そのため、本実施形態によれば、ユーザが所望する方向に超微霧を噴霧させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、バルコニ100を冷却するだけでなく、例えば、バルコニ100の下方の庭先を冷却したり、バルコニ100の上方の軒先120を冷却したりすることができる。
【0019】
つぎに、本実施形態における、手摺り110および手摺り110に内蔵されたノズル10の具体的な構成について図3〜図6を用いて説明する。
図3は、本実施形態のバルコニの腰壁の手摺りと、手摺りに内蔵された配管およびノズルとを模式的に示した斜視図である。また、図4は、本実施形態のノズルを内蔵した手摺りの断面図である。
また、図5は、本発明の実施形態の手摺りの内部の配管と、ノズルとの接続関係を示した模式図である。
また、図6は、本発明の実施形態のノズルを上方から見た模式図である。
【0020】
先ず、手摺り110の構造を説明する。
図3に示すように、手摺り110は、バルコニ100の腰壁100bの上端部に立設された(取り付けられた)複数の脚部113と、脚部113の先端に固定されて支持される中空円筒状(両端が開口している)の複数の固定部111とを備えている。なお、複数の固定部111は、所定の間隔を開けて、脚部113を介して、腰壁100bの上端に固定されている。
さらに、手摺り110は、隣接する固定部111との間に、固定部111と同心に配置され、且つ隣接する固定部111同士を連結する中空円筒状(両端が開口している)の回転部(ノズル保持部)112を備えている。
【0021】
そして、図3および図4に示すように、回転部112は、両端に連結された(取り付けられた)固定部111に対して、軸心Sを中心にして周方向(Z方向)に回転できるようになされている(固定部111は、脚部113により固定されているため回転しない)。
なお、本実施形態は、固定部111と回転部112との連結方法について特に限定されるものではない。回転部112が固定部111に対して回転自在に連結されていればどのような方法で連結されていてもよい。
例えば、回転部112の両端にネジ溝(メスネジ)を形成し、固定部111の両端部に、回転部112のネジ溝に螺合するネジ溝(オスネジ)を形成し、回転部112と固定部111とを螺合して連結するようにしてもよい(なお、回転部112が周方向に回転できるように連結される)。
また、図3に示すように、手摺り110の回転部112の外周側面には、長孔状の開口112aが貫通している(軸心S方向に長径の長孔状の開口112aが貫通している)。
なお、手摺り110は、例えば、ステンレス等の金属により形成されている。
【0022】
つぎに、ノズル10の構造を説明する。
図4に示すように、ノズル10は、両端が開口された略筒状の継ぎ手部11と、継ぎ手部11に取り付けられたノズル本体12とを有している(ノズル本体12の後端が継ぎ手部11の側面を貫通している)。
そして、ノズル10は、ノズル本体12の先端の吹出口12aが回転部112の開口112aから突出するように、回転部112の筒内に収納される。
また、継ぎ手部11は、その外周部が、回転部112の内筒面に固定された継ぎ手受け部材13に支持されることにより、回転部112の筒内に固定される。
なお、本実施形態の超微霧を噴霧する機能を備えたノズル本体12は、既存の技術により実現されるものを用いる。また、継ぎ手部11および継ぎ手受け部材13は、例えば、ステンレス等の金属により形成されている。
【0023】
このように、本実施形態では、ノズル10は、ノズル本体12の先端の吹出口12aが回転部112の開口112aから突出した状態で、回転部112の筒内に固定される。
ユーザが、回転部112を周方向(図示するZ方向)の回転させることにより、それに伴いノズル10も回転するため、ノズル本体12の先端の吹出口12aの向きを任意の位置に設定することができる。
【0024】
また、本実施形態の超微霧発生装置を構成するノズル10は、図6に示すように、手摺り110の左右方向(図示するX方向)に吹出口12aの向きを変更できるようになされている。
具体的には、図6に示すように、ノズルを構成する継ぎ手部11は、ノズル本体12の基端部(後端)12b側を、前記左右方向に回転自在に固定している。
そのため、ノズル本体12は、継ぎ手部11に回転可能に固定された部位を支点にして、前記左右方向(X方向)に揺動できるようになされる。すなわち、ノズル本体12は、前記左右方向に首振り動作ができる。
これにより、回転部112の開口112aから突出したノズル本体12の先端の吹出口12aの向きを左右方向(X方向)の任意の位置に向けることができる。
なお、図6に示すように、継ぎ手部11の両端の開口には、それぞれ、ホース5が接続されている(ホース5は、例えば、連結金具(図示しない)により、継ぎ手部11に固定される)。
【0025】
つぎに、手摺り110の回転部112に内蔵されたノズル10の配管系統について図5を用いて説明する。
図5に示すように、手摺り110を構成する回転部112の内部に収納され固定されたノズル10には、ホース5が接続されて、このホース5により貯水タンク1からの水がポンプユニット2によって供給される。
【0026】
具体的には、一端部がポンプ2に接続されたホース5aは、他端部が手摺り110の固定部111aの筒内を通って(挿通して)、固定部111aに連結された回転部112aに収納された継ぎ手部11aの一端の開口に接続される。
また、継ぎ手部11aの他端の開口には、ホース5bの一端が接続され、ホース5bの他端が、回転部112aに連結された固定部111bの筒内を通って(挿通して)、固定部111bに連結された回転部112bに収納された継ぎ手部11bの一端の開口に接続される。
【0027】
このように、ホース5を配管することで、ポンプユニット2を介して、複数のノズル10に、貯水タンク1の水を供給することができる。
そして、バルコニ100の手摺り110に内蔵された複数のノズル10から超微霧が噴霧される。
【0028】
つぎに、本実施形態の超微霧発生装置による超微霧の噴霧機能について説明する。
最初に、バルコニ100を冷却する場合について説明する。
この場合、ユーザは、手摺り110の回転部112を回転させて(図3に示すZ1方向に回転させて)、ノズル10のノズル本体12の先端の吹出口12aをバルコニ100の床下部100aに向ける(この場合、複数の回転部112に収納されているノズル10を、全て同じ方向に向ける)。
そして、バルコニ100の床下部100aにノズル10の吹出口12aを向けた状態でポンプユニット2を駆動させることで、図2に示すように、バルコニ100の床下部100aに超微霧を噴霧できる。これにより、バルコニ100を冷却することができる。
【0029】
また、バルコニ100の上方の建物の軒先120を冷却する場合、ユーザは、手摺り110の回転部112を回転させて(図3に示すZ2方向に回転させて)、ノズル10のノズル本体12の先端の吹出口12aをバルコニ100の上方の軒先120に向ける(この場合、複数の回転部112に収納されているノズル10を、全て同じ方向に向ける)。
そして、バルコニ100の上方の軒先120に、ノズル10の吹出口12aを向けた状態でポンプユニット2を駆動させることで、図2に示すように、軒先120に向けて超微霧を噴霧できる。これにより、建物上部を冷却することができる。
【0030】
また、建物の外の庭を冷却する場合、ユーザは、手摺り110の回転部112を回転させて(図3に示すZ2方向(又はZ1方向)に回転させて)、ノズル10のノズル本体12の先端の吹出口12aをバルコニ100の下側にある庭に向ける(この場合、複数の回転部112に収納されているノズル10を、全て同じ方向に向ける)。
そして、バルコニ100の下側にある庭に、ノズル10の吹出口12aを向けた状態でポンプユニット2を駆動させることで、図2に示すように、バルコニ100(この例では、上階のバルコニ)から庭に向けて超微霧を噴霧することができる(図2参照)。
この場合には、バルコニ100に洗濯物を干していても、洗濯物に影響を与える影響は少ない。すなわち、本実施形態の超微霧発生装置は、バルコニ100に洗濯物を干していても、庭の冷却に利用することができる。
【0031】
また、本実施形態では、ノズル10の吹出口12aは、左右方向(図3に示すX方向)に吹出口12aの向きを変更できるようになされている。
そのため、図7に示すように、1つのノズル10が広範囲の領域に、超微霧を噴霧することができるようになる。
そのため、本実施形態によれば、少ないノズル10の数で広範囲の領域に超微霧を噴霧できるため、装置コストの軽減を図ることができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、手摺り110に、ノズル10を収納して保持する回転部(ノズル保持部)112を設けている。また、回転部112が手摺り110の軸心S(図3参照)を中心にして周方向(Z方向)を回転できるように形成されている。また、ノズル10は、回転部112の筒内に、ノズル10の吹出口12aを、回転部112の外周側面に形成された開口112aから突出させた状態で固定されている。
そのため、本実施形態によれば、手摺り110の回転部112を動かすことにより、ノズル10の吹出口12aの向きを変更することができる。
例えば、ノズル10を動かして、ノズル本体12の先端の向きを庭先に向けることにより、バルコニ100に洗濯物を干している最中にも、超微霧発生装置を利用することができ、超微霧発生装置の使い勝手が向上する。
【0033】
また、本実施形態では、手摺り110の左右方向に吹出口12aの向きを変更できるようになされているため、超微霧を広範囲にムラなく散布することができる。そのため、本実施形態によれば、効率的に外気温を下げることができ、省エネで快適な住空間が実現される。
【0034】
また、本実施形態では、超微霧を噴霧するノズル10と、ノズル10に水を供給するホース5とを手摺り110の内部に収納するようになされているため、上述した従来技術(図9参照)のように、固定金具や配管を手摺り110に取り付ける必要がない。
すなわち、本実施形態によれば、手摺り110に、固定金具等の突起物が設けられていないため、安全性が向上すると共に、住宅の外観デザインを損なうことがない。
【0035】
また、本実施形態では、手摺り110に、固定部111と回転部112とを設けて、回転部112にノズル10を収納するようにしている。そして、手摺り110の回転部112を回転させるという簡単な操作により、ノズル10の向きを変更できるようになされている。
すなわち、本実施形態によれば、ユーザにとり、操作性の良い、使い勝手のよい超微霧発生装置を提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0036】
例えば、本実施形態では、バルコニ100の手摺り110にノズル10が内蔵されているが、特にこれに限定されるものではない。バルコニ100以外の手摺り110であっても本実施形態を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態の超微霧発生装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の超微霧発生装置を取り付けた建物を示した模式図である。
【図3】本発明の実施形態のバルコニの腰壁の手摺りと、手摺りに内蔵された配管およびノズルとを模式的に示した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態のノズルを内蔵した手摺りの断面図である。
【図5】本発明の実施形態の手摺りの内部の配管と、ノズルとの接続関係を示した模式図である。
【図6】本発明の実施形態のノズル10を上方から見た模式図である。
【図7】本発明の実施形態のノズル10からの超微霧の噴霧範囲を示した模式図である。
【図8】従来技術による超微霧発生装置の構成を示したブロック図である。
【図9】従来技術による超微霧発生装置を構成するノズルを住宅のバルコニに取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 タンク
2 ポンプユニット
3 電源供給部
5 ホース(配管)
10 ノズル
11 継ぎ手部(ノズル)
12 ノズル本体(ノズル)
12a 吹出口(ノズル)
13 継ぎ手受け部材
100 バルコニ
100a 床下部(バルコニ)
100b 腰壁(バルコニ)
110 手摺り
111 固定部(手摺り)
112 回転部(手摺り)
112a 開口(手摺り)
113 脚部(手摺り)
120 軒先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺りであって、
タンクに貯水された水を送るポンプに配管を介して接続され、該タンクからの水を超微霧として噴霧するノズルと、
建物のバルコニの腰壁に取り付けられた中空円筒状に形成され、その筒内に前記ノズルを収納して保持するノズル保持部を有する手摺りとを備え、
前記手摺りのノズル保持部は、その外周面に開口が形成されていると共に、手摺りの軸心を中心にして周方向を回転可能になされ、
前記ノズルは、前記手摺りのノズル保持部の筒内に、該ノズルの吹出口を、該ノズル保持部の外周側面に形成された開口から突出させた状態で固定されており、
前記ポンプと前記ノズルとを接続する配管は、前記手摺りの筒内を挿通され、該手摺りに収納されたノズルに接続されていることを特徴とする超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺り。
【請求項2】
前記ノズルは、先端に前記吹出口が形成されたノズル本体と、前記配管に接続されると共に、前記ノズル本体の後端側を回動自在に固定する継ぎ手部とを有し、
前記ノズル本体は、前記継ぎ手部に固定された部位を支点にして、前記手摺りの左右方向に揺動できるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の超微霧噴霧機能を備えたバルコニ手摺り。
【請求項3】
水を貯水するタンクと、前記タンクに貯水された水を送るポンプと、前記ポンプに配管を介して接続され、該タンクからの水を超微霧として噴霧するノズルとを備えた超微霧発生装置であって、
建物のバルコニの腰壁に取り付けられた中空円筒状に形成され、その筒内に前記ノズルを収納して保持するノズル保持部を有する手摺りを備え、
前記手摺りのノズル保持部は、その外周面に開口が形成されていると共に、手摺りの軸心を中心にして周方向を回転可能になされ、
前記ノズルは、前記手摺りのノズル保持部の筒内に、該ノズルの吹出口を、該ノズル保持部の外周側面に形成された開口から突出させた状態で固定されており、
前記ポンプと前記ノズルとを接続する配管は、前記手摺りの筒内を挿通されて、該手摺りに収納されたノズルに接続されていることを特徴とする超微霧発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−138566(P2010−138566A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313916(P2008−313916)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】