説明

超電導マグネット装置

【課題】冷却時の熱応力によって鞍形コイルのコイル端部が破損することなく、安定したコイル支持を維持することのできる超電導マグネット装置を提供する。
【解決手段】超電導導体が長円形の渦巻き状に巻線され鞍形に形成されてボア7の周囲に配置された複数の超電導コイル1a,1bと、筒状をなし超電導コイル1a,1bを収容するシェル4とボア7に対応する中心孔を有する盤状をなしシェル4の端部に取り付けられ超電導コイル1a,1bのコイル端部10をコイル長手方向外側より押圧するエンドプレート5とを備え、エンドプレート5は、前記中心孔に近い部分が外周部より薄く形成されている構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍形の超電導コイルを備えて構成され粒子加速器等に用いられる超電導マグネット装置に係り、鞍形コイルのコイル端部が確実に押圧固定され、コイルの電磁力や冷却時の熱応力などにより固定構造が破損しもしくは機能しなくなること、および超電導状態が破れるクエンチ現象を防ぐことのできる超電導マグネット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば粒子加速器には、図6に示すような鞍形の超電導コイル1を備えた超電導マグネット装置が設けられる。鞍形の超電導コイル1にはコイル長手方向両端にコイル端部10が形成されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
図7,8,9はこの種の超電導マグネット装置の端部の構成例を示す図である。これらの図に示すように、鞍形の超電導コイル1a,1bは、多層の断面構造を有している。図には2層の構造が示されており、1層目の超電導コイル1aと2層目の超電導コイル1bが重ねられた状態で配置されている。コイル1a,1bは4セット組み合わされ、交互にN極、S極を構成する4極電磁石配置となっている。
【0004】
コイルの内径側の円筒空間はボア7であり、荷電粒子ビームの通過する空間である。ボア7においては、超電導コイル1a,1bが発生した磁場により荷電粒子ビームが力を受けることにより、ビームの収束、偏向などの作用が生じる。コイル1a,1bの外径側には非磁性の金属からなるカラー2が設けられ、カラー2によってコイル1a,1bが固定されている。さらにカラー2の外側には磁場を効率良く形成するためのリターンヨーク3が配置され、リターンヨーク3の外側に円筒状にシェル4が配置されている。シェル4がヘリウム容器となって内側に超電導コイル冷却用の液体ヘリウムが充填される。
【0005】
さらにシェル4の端部にはボア7に対応する中心孔を有する円盤状のエンドプレート5が溶接により取り付けられ、エンドプレート5に取り付けられた押しネジ6によりコイル端部10が押圧され、コイルの長手方向の位置決め及び、コイル長手方向外側へ向かうコイル端部10の電磁力の支えとして機能している。
【0006】
このような構成を有する超電導マグネット装置では、冷却過程における過渡的な部品温度のアンバランスもしくは、材質特有の熱収縮特性により、エンドプレート5及びコイル端部10に大きな応力が生じるという問題がある。また、逆の現象で、コイル端部10からのコイル押圧力が失われ、コイルの自由な動きを許してしまう可能性もある。
【0007】
具体的には上記のような構成においては以下のような問題が生じる。すなわち、超電導マグネット装置の外殻となっているシェル4がコイル1a,1bより熱収縮率の大きい材料で構成されている場合には、冷却によりコイル1a,1bよりシェル4が大きく収縮することにより、シェル4に取り付けられたエンドプレート5がコイル1a,1bのコイル端部10に接近するため、コイル端部10に過大な力が加わることになる。この冷却により生じる力は、冷却過程における各部材温度のアンバランス、即ち、シェル4がコイル1a,1bより早く冷えてしまうという状況が生じた場合にも発生する。一般的に各部材を均一に冷却するためには長い時間を要するため、冷却過程で部品毎に温度差が生じるのが普通である。また逆の現象でシェル4よりコイル1a,1bが冷却により多く収縮した場合は、コイル1a,1bのコイル端部10における支持が失われる結果となり、コイル1a,1bの長手方向への自由な動きを許してしまう結果となる。
【0008】
さらに、超電導コイルに直接接する部品はFRPなどの絶縁物を使う必要がある。しかしながら、絶縁物は過大な圧縮応力に耐えることができない。このため、コイル端部に大きな力が加わった場合は、コイル端部構造物であるFRPが破壊されてしまう可能性がある。また、超電導コイル自身にも過大な歪みが加わることになり、クエンチし易いなど超電導特性を劣化させる要因にもなる。さらに超電導コイルの支持が失われた場合には、コイルが自由に動くことが可能となり、超電導マグネット装置としての安定した性能を発揮することが出来なくなる。
【特許文献1】特開平10−154615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のように、鞍形コイルを備えシェルに結合されたエンドプレートからコイル端部を長手方向外側より押圧支持する構造とした従来の超電導マグネット装置においては、冷却時に生じる熱応力により構造的な欠陥が生じる可能性が大きく、品質上問題がある。
【0010】
本発明は、冷却時の熱応力によって鞍形コイルのコイル端部が破損することなく、安定したコイルの支持を維持できる超電導マグネット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、超電導導体が長円形の渦巻き状に巻線され鞍形に形成されてボアの周囲に配置された複数の超電導コイルと、筒状をなし前記超電導コイルを収容するシェルと、前記ボアに対応する中心孔を有する盤状をなし前記シェルの端部に取り付けられ前記超電導コイルのコイル端部をコイル長手方向外側より押圧するエンドプレートとを備え、前記エンドプレートは、前記中心孔に近い部分が外周部より薄く形成されている構成とする。
【0012】
請求項2の発明は、前記エンドプレートは、前記中心孔に近い部分においてコイル長手方向外側に向かい板厚が薄く形成されている構成とする。
【0013】
請求項3の発明は、超電導導体が長円形の渦巻き状に巻線され鞍形に形成されてボアの周囲に配置された複数の超電導コイルと、筒状をなし前記超電導コイルを収容するシェルと、前記ボアに対応する中心孔を有する盤状をなし前記シェルの端部に取り付けられ前記超電導コイルのコイル端部をコイル長手方向外側より押圧するエンドプレートとを備え、前記エンドプレートは、前記中心孔から外周方向へ延びる周分割スリットが形成されている構成とする。
【0014】
請求項4の発明は、前記周分割スリットによって前記エンドプレートの前記中心孔に近い部分に形成される押圧部は前記超電導コイルのコイル端部に対向しマグネットの極数と同数である構成とする。
【0015】
請求項5の発明は、超電導導体が長円形の渦巻き状に巻線され鞍形に形成されてボアの周囲に配置された複数層の超電導コイルと、筒状をなし前記超電導コイルを収容するシェルと、前記ボアに対応する中心孔を有する盤状をなし前記シェルの端部に取り付けられ前記超電導コイルのコイル端部をコイル長手方向外側より押圧するエンドプレートとを備え、前記エンドプレートは、前記複数層の超電導コイルのコイル端部に対応して分割する層分割スリットが形成されている構成とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、冷却時の熱応力によって鞍形コイルのコイル端部が破損することなく、安定したコイルの支持を維持できる超電導マグネット装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明の第1および第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本実施の形態の超電導マグネット装置の端部の構造を示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の超電導マグネット装置は1層目の超電導コイル1aおよび2層目の超電導コイル1bを備えており、これらのコイル1a,1bは、超電導導体が鞍形に巻回されてなり、粒子ビームが通過する空間であるボア7を取巻くように配置されている。図1のVIII−VIII線に沿う断面図である図8に示すように、これらのコイル1a,1bは四極コイルで、ボア7を取り囲む形で、90度毎に4つの別々のコイルが配置され、N極とS極が交互に並ぶようにコイルに電流を流すことにより四極磁場を形成する構造となっている。
【0018】
コイル1a,1bの外径側には非磁性鋼により製作され電磁力をサポートするカラー2が配置されている。カラー2の外側には、磁気回路を構成するリターンヨーク3が配置され、外径方向に働く電磁力支持構造メンバーとしても機能している。リターンヨーク3の外側には円筒状の容器であるシェル4が覆っており、シェル4の内側には液体Heなどの冷媒が充填され、超電導コイル1a,1bが超電導状態となる温度に冷却される。
【0019】
またコイル1a,1bの長手方向位置固定のため、ボア7に対応する中心孔を有しシェル4と溶接などで結合された円盤状のエンドプレート5から押しネジ6,6aによりコイル端部10を押圧することにより、コイル1a,1bを長手方向外側より押圧固定する構造をとっている。これによりコイル1a,1bの長手方向の位置固定及び、長手方向外側へ働く電磁力のサポートとして機能している。
【0020】
またエンドプレート5は、コイル1a,1bに対する押しネジ6a,6bが配置される内周部に向かって先端が薄くなっている。即ち、エンドプレート5の板厚方向の剛性を内周部で小さくし、板ばね状に働く加圧構造部品としてのばね定数を小さくするような構造としている。これにより冷却過程においてコイル1a,1bに比べシェル4が早く冷えてしまった場合にコイル1a,1bに加わる押圧力を低減することができる。
【0021】
また本実施の形態では、シェル4の材質をSUS304とし、コイル1a,1bは銅を安定化材としたNbTiとしており、各部材の常温(300K)から超電導マグネット装置の運転温度である4.2Kまでの熱収縮率は図2の表のようになる。この場合、部品材料の熱収縮率の差により、コイル1a,1bがシェル4より大きく収縮してしまうことになる。そのため予めコイル10に与えた押圧支持力が低下し最悪の場合はコイル1a,1bに対する支持力が失われてしまうことになる。この現象は冷却過程における各部品の温度差即ち、コイル1a,1bがシェル4より早く冷却されてしまうことによっても同様の現象となる。
【0022】
エンドプレート5から押しネジ6a,6bでコイル端部10を押圧した場合、エンドプレート5の加圧構造部の板バネ構造としてのばね定数を小さくすることにより、部品の収縮量の差に対してのエンドプレート5の追従性が良くなり、押圧支持力の増加及び低減の比率を少なくすることができる。つまり、エンドプレート5の押圧構造部のばね定数を小さくすることにより、冷却過程や材料の熱収縮差に起因するコイル端部10の押圧支持力の増加及び低下率の変化を緩和し、構造的に安定した品質の高い超電導マグネット装置とすることができる。
【0023】
図3は実際の冷却過程において部品温度を測定した例である。横軸が時間で、縦軸が温度を示している。時間と共に部品温度は下がってゆくが、シェル4がコイル1a,1bより先に冷却が進み、最終的には超電導状態となる4.2K温度に冷却されている。
【0024】
また図4は図3に示した冷却が行われた際のエンドプレート5よりコイル端部10への押圧支持力の変化を示した図である。縦軸はコイル端部の押圧支持力を圧力に換算した値である。従来の構造の場合は冷却過程においてシェル4とコイル1a,1bに温度差が生じるため、コイル端部10への圧力が上昇し一般的なFRP部品の圧縮限界を超える最大400MPaに達している。そして冷却が終了した状態では、シェル4及びコイル1a,1bの熱収縮量の差により最終的にコイルの支持力を消失している。即ちコイルが支持されていない状態となっている。しかしながら本実施の形態の構造を用いた場合は冷却過程においてコイル端部10の押圧支持力の変化が小さく、最大でも150MPa程度の圧力上昇に抑えられており、最終的に冷却が終了した場合でも押圧支持力が維持されている。
【0025】
本実施の形態の超電導マグネット装置においては、上述のエンドプレート5の板厚が変化する部分は変化が滑らかになるようにしている。即ち、板厚変化部の応力集中を緩和する構造としている。つまり、板ばね状に働く部品としてエンドプレート5の外径側が片持ち梁の支持点となり最も応力が大きくなるが、その支持点に近く板厚の変化する部分が過大な応力となることを防いでいる。
【0026】
さらにエンドプレート5の厚さが薄くなる方向は、マグネットの内側へ向け薄くなるような構造としている。こうすることによって、エンドプレート5が薄くなった空間をコイル1a,1bの端部が配置される空間として利用可能となり、超電導マグネット装置の全長を短くすることができる。
【0027】
本実施の形態の超電導マグネット装置においては、次のような種々の効果が得られる。すなわち、エンドプレート5の厚さをボア7に対応する中心孔付近、即ちコイル端部10の近傍で薄くなる構造としているので、板バネ状押圧構造としてのエンドプレート5のばね定数が小さくなり、そのため各部品の熱収縮により生じる熱変形に対しコイル端部10の押圧支持力の変化を小さくすることができ、構造的に安定した品質の高い超電導マグネット装置を提供することができる。
【0028】
また、エンドプレート5の厚さが薄くなる方向をコイル長手方向外側に向かい薄くする構造としていることにより、エンドプレート5が存在した空間をコイル端部10を収容する空間として利用することにより、超電導マグネット装置の全長を短くし小型化することができる。
【0029】
また、エンドプレート5の厚さを中心孔付近で薄くし、板厚変化を緩やかにすることにより、エンドプレート5の押圧構造部の応力集中を低減する構造としている。従ってエンドプレート5からコイル端部10を押圧支持する場合、応力がエンドプレート5の板厚変化部で集中することがなく、構造品質的に安定した超電導マグネット装置が得られる。
【0030】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の超電導マグネット装置は図5に示すように、エンドプレート5の内周部に周分割スリットである十字スリット8を入れ、エンドプレート5から押しネジ6a,6bにより長手方向に押圧する板バネ構造の部分を4分割し、90°扇形の押圧部5aを形成した構造としている。なお、図5は図1の右側側面図に相当する。
【0031】
即ち、エンドプレート5の板厚方向の剛性を内周部で小さくし、板ばね状に働く部品としてのばね定数を小さくした構造とすると共に、内周部を4分割し、各極のコイル1a,1b毎に独立した動きをすることができる押圧部5aとしている。これにより、四極のコイル1a,1bが同様に冷却されない場合や、製造中のバラツキなどによりコイル間で収縮量が異なった場合などに生じる押圧支持力の極間のアンバランスを緩和させることができる。
【0032】
また十字スリット8によりエンドプレート5の板バネ状となる押圧部5aをテーパ形状としている。これにより板バネ構造根元部に生じる応力の高い部分に対し、板幅を広くすることができ、応力の低減を図ることができる。
【0033】
本実施の形態は、図5に示すように上記の十字スリット8の代りに、あるいは十字スリット8とともに各層のコイル1a,1bに対応する層分割スリット9を設けた構造としてもよい。即ち、エンドプレート5の板厚方向の剛性を先端部で小さくし、板ばね状に働く部品としてのばね定数を小さくした構造とすると共に、押圧部5aをコイル1a,1bに対応するよう2分割し、コイル各層毎に独立した動きをすることができる押圧構造としている。これにより、各極に対応させた十字スリット8の場合と同様、各層間に発生する加圧支持力のアンバランスを解消させることができる。
【0034】
本実施の形態によれば、エンドプレート5に十字スリット8および層分割スリット9の少なくともいずれかを設けることにより、コイル端部10を押圧する押圧部5aのばね定数を小さくする構造とし、また各極で独立したコイル押圧支持構造とすることにより、各極のコイル間に生じる熱変形のアンバランスによる押圧支持力の変化を小さくすることができ、構造的に安定した品質の高い超電導マグネット装置を提供することができる。
【0035】
本実施の形態においては、十字スリット8および層分割スリット9の形状を、押圧部5aの先端即ちコイル1a,1bに近づくほど幅が狭くなるような構造としている。従ってエンドプレート5の押圧構造物としてのばね定数が小さくなるような構造となっているが、押圧部5aの応力が最大となる片持ち梁の根元付近に近づく程、太さを太くすることにより、応力が大きくなることを防止している。そのため、シェル4とコイル1a,1bの熱収縮差により生じる熱変形力に対し高応力となることを防ぎ、コイル端部10の破壊を起さない品質の高い超電導マグネット装置を提供することができる。
【0036】
また本実施の形態は、エンドプレート5からのコイル端部押圧部をコイルの層数に合わせ、各極に対し2組の押圧構造としている。従って各層のコイル間に生じる熱変形のアンバランスによる押圧支持力の変化を小さくすることができ、構造的に安定した品質の高い超電導マグネット装置を提供することができる。
【0037】
以上により、エンドプレート5からコイル端部10への押圧支持を各部品の熱変形による影響が少ない構造で理想的に行うことができ、マグネットの構造を破壊することなく品質の安定した超電導マグネット装置を得ることができる。
【0038】
なお、上記実施の形態では四極で2層の超電導コイルを備えた超電導マグネット装置について説明したが、これに限らず2極、6極など異なった極数や、コイル層数が1層、3層、などの超電導マグネット装置についても上記実施の形態を同様に適用して、前述の場合と同様の作用効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超電導マグネット装置の端部を示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の超電導マグネット装置を構成する部品を常温から極低温まで冷却したときの熱収縮率を示す表。
【図3】本発明の第1の実施の形態の超電導マグネット装置の冷却過程における部品温度の経時変化を示すグラフ。
【図4】図3に示した冷却時においてコイル端部に生じる圧力を従来の構造と本発明の第1の実施の形態の構造で比較して示すグラフ。
【図5】本発明の第2の実施の形態の超電導マグネット装置の端部を示す側面図。
【図6】従来の超電導マグネット装置に備えられる鞍形の超電導コイルを示す斜視図。
【図7】従来の超電導マグネット装置の端部を示す断面図。
【図8】図1および図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【図9】図7のIX矢視図。
【符号の説明】
【0040】
1,1a,1b…超電導コイル、4…シェル、2…カラー、3…リターンヨーク、5…エンドプレート、5a…押圧部、6,6a,6b…押しネジ、7…ボア、8…十字スリット、9…層分割スリット、10…コイル端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超電導導体が長円形の渦巻き状に巻線され鞍形に形成されてボアの周囲に配置された複数の超電導コイルと、筒状をなし前記超電導コイルを収容するシェルと、前記ボアに対応する中心孔を有する盤状をなし前記シェルの端部に取り付けられ前記超電導コイルのコイル端部をコイル長手方向外側より押圧するエンドプレートとを備え、前記エンドプレートは、前記中心孔に近い部分が外周部より薄く形成されていることを特徴とする超電導マグネット装置。
【請求項2】
前記エンドプレートは、前記中心孔に近い部分においてコイル長手方向外側に向かい板厚が薄く形成されていることを特徴とする請求項1記載の超電導マグネット装置。
【請求項3】
超電導導体が長円形の渦巻き状に巻線され鞍形に形成されてボアの周囲に配置された複数の超電導コイルと、筒状をなし前記超電導コイルを収容するシェルと、前記ボアに対応する中心孔を有する盤状をなし前記シェルの端部に取り付けられ前記超電導コイルのコイル端部をコイル長手方向外側より押圧するエンドプレートとを備え、前記エンドプレートは、前記中心孔から外周方向へ延びる周分割スリットが形成されていることを特徴とする超電導マグネット装置。
【請求項4】
前記周分割スリットによって前記エンドプレートの前記中心孔に近い部分に形成される押圧部は前記超電導コイルのコイル端部に対向しマグネットの極数と同数であることを特徴とする請求項3記載の超電導マグネット装置。
【請求項5】
超電導導体が長円形の渦巻き状に巻線され鞍形に形成されてボアの周囲に配置された複数層の超電導コイルと、筒状をなし前記超電導コイルを収容するシェルと、前記ボアに対応する中心孔を有する盤状をなし前記シェルの端部に取り付けられ前記超電導コイルのコイル端部をコイル長手方向外側より押圧するエンドプレートとを備え、前記エンドプレートは、前記複数層の超電導コイルのコイル端部に対応して分割する層分割スリットが形成されていることを特徴とする超電導マグネット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−21262(P2010−21262A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179079(P2008−179079)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】