説明

超音波トランスデューサ用の複数部分装着デバイス

【課題】超音波トランスデューサ用の複数部分装着デバイスを提供する。
【解決手段】複数部分装着デバイス1、2は、超音波試験プローブのハウジング8に装着する少なくとも第1の部分1と、超音波トランスデューサを保持し、超音波トランスデューサ5と好ましくは接着ボンドで少なくとも接触する第2の部分2とを備え、第2の部分2がプラスチックで作られ、第1の部分1にポジティブ嵌合によって接続され、第1の部分1が、第2の部分2よりも大きい硬度、具体的にはショア硬度、ヴィッカース硬度、および/またはロックウェル硬度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブハウジングの上または中の超音波トランスデューサ用装着デバイス、ならびに超音波により試験対象物を非破壊検査するための汎用超音波試験デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波検査の原理は知られている。この検査は、鋳造物瑕疵、または他の亀裂、ポケット、パイピングなどの材料欠陥を見つけるのに役立つ。棒材料を検査する目的は、特に内部瑕疵の検査および表面瑕疵の調査であるが、寸法の検査でもある。この場合、超音波試験プローブは少なくとも1つの送波機を備え、この送波機は、試験対象物の検査されるべき材料の中に導かれる短い超音波パルスを発生するために、電気パルスによって励振可能である。検査されるべき材料中の例えば亀裂、ポケットなど、いかなる瑕疵でも当該パルスのエコーが生じ、このエコーはプローブに反射されて戻り、この場合には同時に受波機としても機能する送波機で受信され、あるいは反射されたエコーをまた、送波機に隣接して配置されている試験プローブの別の受波機で受信することもできる。元のパルスと戻りのエコーとの間の時間の遅れを測定すると、瑕疵の深さについて判定結果を得ることが可能になる。この評価の可能性を少しだけ一例として挙げると、エコーの強度により瑕疵の大きさを表示することが可能になる。さらに、空間的弁別による瑕疵判定もまた可能である。特にこの空間的に弁別する瑕疵判定では、超音波を発生するトランスデューサを非常に正確に適切な位置に置くことが必要である。
【0003】
原則として、例えば、圧電セラミック素子などの1つまたは複数の圧電発振器であるこのようなトランスデューサは、適用例に応じて様々に設計されているハウジング内に配置される。このハウジングと超音波トランスデューサ(1つまたは複数)は一般に、超音波試験プローブと呼ばれる。超音波トランスデューサは、その超音波がトランスデューサの音放射面から、適切な厚さおよび音響インピーダンスを有する水などの結合媒体を一般に介して、検査されるべき試験対象物に入るようにハウジングの上または中に配置される。
【0004】
例えば水領域が、超音波トランスデューサと、例えば管または棒である検査されるべき対象物との間に設けられ、維持される。この目的のために、浸漬技法、パドル技法を使用する検査、または誘導水ジェットを用いる検査など、いくつかの技法が知られている。さらに、SPSと呼ばれることが多い試験対象物通路がある密封水チャンバもまた存在する。この密閉水チャンバに試験対象物が入った後、この試験対象物はチャンバの入口および出口を封止する。水チャンバは、試験プローブと試験対象物の間の結合を得るために水で満たされる。さらに、回転検査デバイスが知られている。試験プローブを含めて検査チャンバ全体を回転させることによって、安定した水ジャケットが生成される。封止システムを入口および出口に配置すると、ほぼ管の形をした水ジャケットが結果として生じ、この中に試験対象物を通して搬送することができる。
【0005】
しかし、超音波または超音波パルスは、所望の方向だけでなく反対方向にも放射される。この後側パルスの境界面での反射により、超音波トランスデューサは望ましくない超音波エコーを受信し、このエコーにより、画像生成超音波検査の場合には画像中に妨害またはノイズが生じる。したがって、音放射面を通って出て行かないこの音は、超音波トランスデューサから離れるように導かれなければならず、かつ/または可能な限り効率的に吸収されなければならない。
【0006】
これを実現するために、超音波トランスデューサは、音響制振材料の上に接着剤で接合される。このいわゆる裏打ち材料は、圧電素子(1つまたは複数)の裏側で放射された超音波が入ることができ、その超音波を吸収または拡散反射により分散させ、それによって妨害を防ぐ。したがって、適切な裏打ち材料は、可能な限り高い超音波吸収作用を示す一方で、例えば圧電セラミックである超音波トランスデューサ材料に適合した音響インピーダンスを有する。
【0007】
高い空間分解能の測定を実現するには、トランスデューサをハウジング内に、また該当する場合にはハウジングを検査デバイス上に、正確かつ再現可能に配置または装着することが望まれる。例えば、裏打ち材料が、処理に関連する要件を満たすこと、すなわち熱的および機械的製造処理に損傷なく耐えることが重要である。トランスデューサの適正な機能を確保するために、例えば裏打ち、圧電セラミック、回路基板、接着剤などで、接触する諸材料の化学的適合性がさらに確保されなければならず、すなわち、使用される材料は、安定性に関しても処理特性に関しても互いに悪影響を及ぼしてはならず、例えば寸法安定性を呈し(高温でも)、使用される接着剤とともに強い接着接合が得られなければならない。
【0008】
例えば、ハウジングにトランスデューサを装着するための、酸化鉛からなる単一部分装着デバイスを設けることが知られているが、この鉛材料は、ハウジングと機械的に接続させるとともに、裏打ちの音響制振特性を与えるとも考えられている。その毒性により酸化鉛の使用には問題があり、一部は法律上でも禁止されている。さらには、弱く架橋したポリマーを裏打ち材料として使用することが知られている。しかし、このような裏打ち材料は、機械的処理の際にしばしば不具合を呈する。接着剤の機械的処理、硬化および乾燥の間中に高温が発生する場合では、熱的および/または機械的に誘発される応力および変形が裏打ち材料で発生する。こうして機械的に処理する可能性が不足しているので、固定溝などの、トランスデューサをハウジング内に局部的に固定する特別な固定補助部を設けることは不可能である。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の目的は、一方では望ましくない音放射の減衰および/または分散などの必要とされる音響的要件を満たし、他方では高い機械的強度および良好な寸法安定性も有する、超音波トランスデューサ用の装着デバイスを提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1に記載の装着デバイス、ならびにこの独立請求項に記載の超音波試験プローブまたは超音波試験デバイスによって実現される。特許請求の範囲に個々に挙げられた各特徴は、技術的に意味のあるように任意に組み合わせることができ、また本発明の他の実施形態を表せることに注意されたい。本明細書は、特に図との関連で本発明をさらに特徴付け、明示する。
【0011】
本発明は、超音波トランスデューサ用の複数部分装着デバイスに関する。超音波トランスデューサという用語は広く解釈されるべきであり、例えば、単一の圧電セラミック超音波トランスデューサ(トランシーバ)だけでなく、1.5D2Dフェーズドアレイなどの相方式(フェースドアレイ)で制御できるいくつかのトランスデューサからなる構成物も含む。さらに、本発明による装着システムは、平坦な音放射面を有するようなトランスデューサ、ならびに湾曲した音放射面を有するようなトランスデューサにも適している。本発明による装着デバイスは、複数の部分、すなわち少なくとも、超音波試験プローブのハウジングに装着する第1の硬い部分と、超音波トランスデューサを保持し、少なくとも超音波トランスデューサと接触している第2の軟らかい部分とで構成されることを特徴とする。本発明によれば、第1の部分は第2の部分よりも大きい硬度、具体的にはショア硬度、ヴィッカース硬度、および/またはロックウェル硬度を有する。
【0012】
「ハウジング」という用語は広く解釈されるべきであり、トランスデューサを完全に、または部分的に取り囲む設計である必要はない。例えば、板の形をした設計もまた含まれる。
【0013】
第1の機械的に硬い部分は主として、機械的応力のもとでも高い形状安定性を特徴とするのに対して、本発明による第1のプラスチックから製作される第2の部分は主として、いわゆる裏打ちの音響的役割、つまりトランスデューサの望ましくない音放射を吸収および/または分散することを担う。
【0014】
本発明によれば、第1の部分と第2の部分はポジティブ嵌合により接続される。したがって、第2の部分の「音響的により活性」ではあるが機械的にはより不安定な材料が第1の部分によって安定化され、第1の部分は、その硬さにより、トランスデューサの正確な位置保持固定に必要とされる機械加工などの機械的処理の条件をかなえる。これら2つの部分の間のポジティブ嵌合による接続で、安定した接続部が得られる。さらに、第2の部分のプラスチック材料は、圧電セラミックを第2の部分に装着するための一般に使用される接着剤に対して、特に良好な化学的適合性をもたらす。さらに、第2の部分の熱膨張率は、使用される圧電セラミックの大きさの程度であり、そのため、相互接続部の応力が回避されることになる。一方では化学的適合性に適し、他方では音響的要件に適する第1のプラスチックを選択することは、当業者の責任である。
【0015】
好ましくは、第1の部分は実質的に金属および/またはセラミック材料から製作され、かつ/または第1のプラスチックよりも高い硬度、具体的にはショア硬度を有する第2のプラスチックから製作される。より好ましくは、第1の部分は完全に金属材料から作られる。
【0016】
さらなる好ましい一実施形態によれば、第2の部分は、ハウジングと第2の部分の間での直接の音響結合を防止するために、装着デバイスが超音波試験プローブのハウジングに装着される場合にハウジングとの接触領域を形成しないように構成される。
【0017】
第1と第2の部分の間のポジティブ嵌合による接続は、例えばさねはぎ接続によって実現することができる。好ましくは、その溝はこの場合、第2の部分上に形成される。
【0018】
第2の部分によって効果的な音響制振および/または分散作用を生じさせるために、第1の部分は、超音波トランスデューサとの接触領域がないように構成される。
【0019】
使用される第1のプラスチックは、例えば、デュロプラスチック(duroplastic)からなる成形材料である。デュロマーとも呼ばれるデュロプラスチック材料は、硬化性樹脂から製作されるプラスチックである。デュロプラスチック成形材料は、必要な寸法安定性を第2の部分に与える。
【0020】
好ましくは、第1のプラスチックは、少なくとも1つのエポキシ樹脂を含むことが好ましく、ビスフェノールAエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これは、例えば「Araldit CY 221」という商品名で販売されている樹脂であり、これに「Araldit HY 956」という商品名で販売されているエポキシ樹脂が硬化剤として加えられている。
【0021】
第2の部分の樹脂マトリクスは、ガラス転移温度が低いポリマーからなる微細に分散した相を含有することができる。このポリマー相により、第2の部分の制振特性は、良好な寸法安定性を維持しながらかなり改善される。好ましくは、室温で架橋するシリコーンゴム(RTV)が樹脂マトリクスに加えられる。制振作用は、ポリマー相またはシリコーンゴムの表面の分散作用および反射に帰することができ、その結果として、音響制振効果を厳密に調整することが可能になる。樹脂マトリクス中のポリマー相またはシリコーンゴムの比率および粒径以外に、樹脂マトリクスとポリマー相またはシリコーンゴムとの間の相互作用によっても制振作用の質が決まる。
【0022】
通常、本発明による第2の部分は、十分な音響インピーダンス、すなわちトランスデューサ材料に適合した音響インピーダンスを有する。このインピーダンスは、有利なことに適切な粒形材料によって、すなわち密度がプラスチックと比較して高く、第2の部分の材料に、その総材料に対して体積で好ましくは50%までの比率で加えられる材料によって、調整することができる。密度が好ましくは≧3.5g/cm3、特に≧5g/cm3が好ましいこの添加物は、好ましくは酸化タングステンなどの無機フィラであり、特に酸化ビスマスBi23が好ましい。使用できる他の添加物は、例えば、酸化アルミニウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛である。原則として、銅、銀およびタングステンなどの金属粉末は、その添加物が導電性であってよい場合には、音響インピーダンスを増加させるのに使用することができる。特に低粘性樹脂混合物の場合には、沈殿しないようにするために、発熱性ケイ酸など、それ自体が知られている添加物を加えてもよい。
【0023】
好ましくは、フィラの粒子分布はD50値を、約または正確に1μmから約または正確に100μmの範囲で、好ましくは約または正確に10μmから約または正確に50μmの範囲で、より好ましくは約または正確に20μmから約または正確に30μmの範囲で、例えば約または正確に25μmで有する。
【0024】
好ましくは、第2の部分は第1の部分に、この第1の部分を部分的に外側被覆することによって接続される。例えば、第1の部分は、成形型の型に挿入され、第2の部分のプラスチック材料で部分的に外側被覆される。
【0025】
好ましい一実施形態によれば、第1の部分は、第2の部分を装着するための少なくとも1つの開口を備える。特に耐久性のある接続部がこうして第1の部分と第2の部分の間に得られる。このようにして、プラスチック中に割れ目および/または亀裂が形成されるにもかかわらず、特に、第1の部分が第2の部分から分離することが起こらないことが実現される。
【0026】
好ましくは、第2の部分と第1の部分は、少なくともリングセグメントの形に構成される。例えば、第1の部分と第2の部分は、第1の部分の、その内側半径で画定された内側境界面が、第2の部分の、その外側半径で画定された外側境界面に隣接するように構成される。
【0027】
本発明はさらに、前述の有利な諸実施形態のうちの1つにおいて、少なくとも1つの超音波トランスデューサ、ハウジングおよび複数部分装着デバイスを備える超音波試験プローブに関する。上記の超音波トランスデューサという用語は、広く解釈されるべきであり、例えば、単一の圧電セラミック超音波トランスデューサ(トランシーバ)、ならびに1.5Dフェーズドアレイ、2Dフェーズドアレイなどの相方式(フェースドアレイ)で制御できるいくつかのトランスデューサからなる構成物を含む。さらに、本発明による装着システムは、平坦な音放射面を有するようなトランスデューサ、ならびに湾曲した音放射面を有するようなトランスデューサにも適する。本発明による装着デバイスは、複数の部分、すなわち少なくとも、超音波試験プローブのハウジングに装着する第1の硬い、特に好ましい金属部分と、超音波トランスデューサを保持し、少なくとも超音波トランスデューサと接触している第2の軟らかい部分とで構成されることを特徴とする。「ハウジング」という用語は広く解釈されるべきであり、トランスデューサを完全または部分的に取り囲む設計である必要はない。例えば、ハウジングの板形の設計もまた含まれる。
【0028】
装着デバイスを、したがって超音波トランスデューサを、高い信頼性で再現可能に局部的に固定するために、ハウジングと第1の部分は嵌合部、例えば締まり嵌め嵌合部を形成する。例えば、案内ピンがハウジングに設けられ、この案内ピンは、装着デバイスをハウジングに意図したように取り付けたとすると、装着デバイスの第1の部分の案内溝にポジティブ嵌合で係合する。この案内溝は、例えば、第1の部分の硬い材料の中に機械加工で入れられる。
【0029】
好ましくは、トランスデューサ(1つまたは複数)は、検査されるべき試験対象物に面する湾曲した、または平坦な音放射面を画定し、第2の部分は、音放射面に対向する1つまたは複数のトランスデューサの境界面に隣接して配置されることが好ましい。例えば、トランスデューサは、この第2の部分に接着剤で接合される。
【0030】
本発明はさらに、例えば管である試験対象物を超音波検査するための超音波試験デバイスに関し、このデバイスは、上述の諸実施形態のうちの1つにおける少なくとも1つの試験プローブと、評価ユニットと、少なくとも1つの試験プローブと試験対象物の間の相対運動を発生させる手段とを備える。超音波試験デバイスは、検査ステップの間中、および各ステップ間に試験プローブと試験対象物の間で相対運動を発生させる手段を備えることができる。本発明によれば、試験対象物と試験プローブの間を音響結合するのに様々な技法、すなわち浸漬技法、パドル技法、または誘導水ジェットを用いる技法を使用することができる。本発明によれば、下記のもの、すなわちSPSと呼ばれることが多い試験対象物通路がある密封水チャンバもまた可能である。この密閉水チャンバに試験対象物が入った後、この試験対象物はチャンバの入口および出口を封止する。水チャンバは、試験プローブと試験対象物の間の結合を得るために水で満たされる。さらに、回転検査デバイスが知られている。試験プローブを含めて検査チャンバ全体を回転させることによって、安定した水ジャケットが生成される。封止システムを入口および出口に配置すると、ほぼ管の形をした水ジャケットが結果として生じ、この中に試験対象物を通して搬送することができる。
【0031】
図を参照して本発明ならびにその技術的環境をより詳細に説明する。図は本発明の特に好ましい実施形態を描写しているが、本発明はそれに限定されないことに注意されたい。図は概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による試験プローブを管状試験対象物とともに示す概略図である。
【図2】図1の切断線AAに沿った断面図である。
【図3】図1の切断線BBに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明による試験プローブ10の一実施形態の概略図である。本発明による試験プローブ10は、試験対象物、この場合超音波による管9の非破壊検査に役立つ。半リング形超音波トランスデューサ5は、ハウジング8に二部分装着デバイス1、2を介して接続され、ハウジング8は部分的にしか示されていない。半リング形超音波トランスデューサ5は、第2の部分2に接着剤で接合され、この第2の部分2は、その湾曲した形により、接着剤で接合中に必要な径方向に作用する接触力をよく吸収する能力がある。装着デバイス1、2は、2つの同心円状に配置されポジティブ嵌合によって接続された半リング形部分1、2、すなわち外側金属部分1および内側部分2を含む。内側部分2は、Araldit CY 221と、硬化剤としてAraldit HY 956とを含むエポキシ樹脂合成物から製作される。エポキシ樹脂合成物は、フィラとして酸化ビスマス粉末(D50=25μm)と、粉砕され選別されたガラス繊維の混合物と、室温で架橋されたシリコーンゴムとを含む。その重量比は60:12:500:30である。第1の部分1と第2の部分2の間のポジティブ嵌合による接続は、第1の部分1を型の中に挿入し、固化前には流動性である樹脂を、それが固化後に第2の部分2を形成するように型の中に導入することによって実現される。この処理の際に、第2の部分2は、第1の部分1の上に形成された環状突起4を取り囲み、突起4の中に形成された開口3に貫入する。したがって、部分1と部分2は完全さねはぎ接続部を形成し、第1の部分1の突起4が第2の部分2の溝の中に埋め込まれる。機械的に処理可能な第1の部分は、この場合部分的にしか示されていないハウジング8への取付けに役立つ。ハウジング8への装着は、第1の部分1に形成された溝6bに嵌め合わせることを含み、溝6bの中にハウジング上の突起6aがラッチする。装着デバイス1、2の再現可能な局部的固定、したがってハウジング8へのトランスデューサ5の固定がこのように実現される。図2で示すように、第2の部分2は、第1の部分1をハウジング8に装着した際に、これらの間にギャップ11が形成されて、ハウジング8との接触領域が形成されないように構成される。
【符号の説明】
【0034】
1 装着デバイスの第1の部分
2 装着デバイスの第2の部分
3 開口
4 突起
5 超音波トランスデューサ
6a 突起
6b 溝
7 トランスデューサの境界面
8 ハウジング
9 試験対象物
10 超音波試験プローブ
11 ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサ(5)用の複数部分装着デバイス(1、2)であって、超音波試験プローブのハウジング(8)に装着する少なくとも第1の部分(1)と、前記超音波トランスデューサを保持し、前記超音波トランスデューサ(5)と好ましくは接着ボンドで少なくとも接触する第2の部分(2)とを備え、前記第2の部分(2)が第1のプラスチックで作られ、前記第1の部分(1)にポジティブ嵌合によって接続され、前記第1の部分(1)が、前記第2の部分(2)よりも大きい硬度、具体的にはショア硬度、ヴィッカース硬度、および/またはロックウェル硬度を有する、複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項2】
前記第1の部分が、前記第1のプラスチックよりも大きい硬度、具体的にはショア硬度を有する金属および/またはセラミック材料および/または第2のプラスチックから実質的に製作される、請求項1記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項3】
前記第2の部分(2)が、前記装着デバイス(1、2)を前記超音波試験プローブのハウジング(8)に装着したときに、これらの間に接触領域が形成されないように構成される、請求項1または2記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項4】
前記第1の部分(1)が、前記超音波トランスデューサ(5)との接触領域がないように構成される、請求項1乃至3のいずれか1項記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項5】
前記第1のプラスチックが、エポキシ樹脂、好ましくは、例えばAraldit CY 221の商品名で販売されている樹脂であるビスフェノールAエポキシ樹脂を含む、請求項1乃至4のいずれか1項記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項6】
前記第1のプラスチックが少なくとも粒形フィラを含む、請求項1乃至5のいずれか1項記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項7】
前記フィラの粒子分散がD50値を、約または正確に1μmから約または正確に100μmの範囲で、好ましくは約または正確に10μmから約または正確に50μmの範囲で、より好ましくは約または正確に20μmから約または正確に30μmの範囲で、例えば約または正確に25μmで有する、請求項6記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項8】
前記第2の部分(2)が前記第1の部分(1)に、前記第1の部分(1)を部分的に外側被覆することによって接続される、請求項1乃至7のいずれか1項記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項9】
前記第1の部分(1)が、前記第2の部分(2)を装着するための少なくとも1つの開口(3)を備える、請求項1乃至8のいずれか1項記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項10】
前記第2の部分(2)と前記第1の部分(1)が、少なくともリングセグメントの形に構成される、請求項1乃至9のいずれか1項記載の複数部分装着デバイス(1、2)。
【請求項11】
少なくとも1つの超音波トランスデューサ(5)と、ハウジング(8)と、請求項1乃至10のいずれか1項記載の複数部分装着デバイス(1、2)とを備える超音波試験プローブ(10)。
【請求項12】
前記ハウジング(8)と前記第1の部分(1)が嵌合部、例えば締まり嵌め嵌合部(6a、6b)を形成する、請求項11記載の超音波試験プローブ(10)。
【請求項13】
トランシーバ(5)またはフェーズドアレイを備える、請求項11または12記載の超音波試験プローブ(10)。
【請求項14】
前記ランスデューサ(1つまたは複数)(5)が、検査されるべき試験対象物(9)に面する湾曲した、または平坦な音放射面を画定し、前記第2の部分(2)が、前記音放射面に対向する前記1つまたは複数のトランスデューサ(5)の境界面(7)に隣接して、例えば接着剤で固定して配置される、請求項11乃至13のいずれか1項記載の超音波試験プローブ(10)。
【請求項15】
例えば管である試験対象物を超音波検査するための超音波試験デバイスであって、請求項11乃至14のいずれか1項記載の少なくとも1つの超音波試験プローブと、評価ユニットと、前記少なくとも1つの試験プローブと前記試験対象物の間の相対運動を発生させる手段とを備える、超音波試験デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−29492(P2013−29492A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−114089(P2012−114089)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【出願人】(506082124)ジーイー センシング アンド インスペクション テクノロジーズ ゲ−エムベーハー (14)
【Fターム(参考)】