説明

超音波プローブ・アセンブリ及び製造の方法

【課題】画像分解能を高める又は画像視野を拡大する目的で画像アレイの寸法を増大させつつ、同時に電気接続構造の寸法、複雑さ及び構成要素の数をさらに削減する。
【解決手段】回路構造(10、20、30、40)が、各々主表面(1a)を含み、主表面は回路構造のもう一つのものの主表面に関して共面配向に配置されて、積層状構成を成す構造(10−40)の系列を提供する。電気接続(34、47)が、この系列の隣り合った回路構造の間に形成される。各々の回路構造のコネクタ領域(1b又は1b′)が、主表面(1a)から離隔しつつ延在する末梢部(1c又は1c′)を含んでおり、隣り合った構造のコネクタ領域の末梢部(1c、1c′)は互いから隔設されている。第一の結線パターン(41、45、46)が、主表面からコネクタ領域の末梢部まで延在している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波撮像に関し、さらに具体的には、音響センサ用の電気的アセンブリの構造及び該アセンブリを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの超音波イメージング・システムでは、トランスデューサ素子信号がハンド・ヘルド型プローブ・ユニットにおいて発生されて、多チャネルのケーブル系統を介してシステム・コンソールへ送られる。これらのシステムの幾つかでは、プローブは、各々がケーブル系統を介してコンソールに接続されている128個又は256個のトランスデューサ素子から成る比較的小さいアレイを用いる場合がある。実時間3D超音波イメージング・システムは、トランスデューサの比較的大きい2Dアレイを用いる場合もある。大きい超音波アレイが数千個又は数万個のトランスデューサ素子を含んでいることが望ましいような応用が存在する。このように多数の素子を用いると、ハンド・ヘルド型プローブ・ユニットの素子とシステム・コンソールの電子回路との間で個別の接続を配線することが困難になる。
【0003】
医用撮像応用では、この問題点は、処理サーキットリの限定された部分をコンソールではなくプローブ・ユニットに配置することにより、部分的に対処されている。幾つかの設計は、トランスデューサ素子の大きいアレイを、各々が場合によって10個〜40個の素子を含む小アレイ(サブ・アレイ)として形成し、各々の小アレイがビーム形成作用の一部を提供する専用の回路ユニットを有するようにしている。各々の小アレイ回路ユニットは、例えばアナログ・ビーム形成によって小アレイのトランスデューサ素子の全てから単一のチャネル又はワイヤへ信号を転送することができるため、小アレイの素子全ての信号を単一のケーブル線を介してコンソールの処理サーキットリへ転送することができる。このようにして、何千もの信号を、より制限された本数の線に流すことができ、管理し易いケーブル寸法とすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超音波システムのトランスデューサ・アレイの寸法は大型化し続けているため、アセンブリ筐体にさらに多くの処理電子回路を配置することが望ましい。しかしながら、比較的小さい軽量のハンド・ヘルド型プローブ・ユニットを要求する医療応用では、寸法及び重量についての制約を満たしながらさらに高分解能の能力を備えたシステムを提供することは次第に困難になりつつある。
【0005】
さらに多くの回路作用をハンド・ヘルド型プローブ・ユニットへ移動させることにより、プローブ・ユニットとケーブル・アセンブリとの間のインタフェイスでのワイヤ本数を削減することができる。このことは、トランスデューサ素子、及び多数の回路基板に配置され得る回路素子の間で膨大な数の付加的な接続及び配線を必要とする。トランスデューサ・アレイを主平面に沿って形成する場合には、多数の軟質回路基板が、トランスデューサ・アレイを形成した主平面に対して当該基板の主表面を直交する配向にした状態で各々配置される。かかる構成では、例えば64列の素子を有するトランスデューサ・アレイは、64個の個別のフレックス回路(軟質回路)による接続を必要とし得る。パルス発生及びビーム形成のような回路作用を提供する付加的な電子部品が、これら個別のフレックス回路の各々に接続されて、相対的に大型で複雑なアセンブリを生じ得る。このように、例えば画像分解能を高める又は画像視野を拡大する目的で画像アレイの寸法を増大させつつ、同時に電気接続構造の寸法、複雑さ及び構成要素の数をさらに削減する必要が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、超音波イメージング・システムが、トランスデューサ素子のアレイ及び複数の回路構造を含んでいる。トランスデューサ素子は、第一の平面に沿って横列及び縦列を成して配列されており、信号を送受する。各回路構造は、主表面と、該主表面から離隔しつつ延在するコネクタ領域とを各々含んでいる。主表面は、互いに関して共面配向に配置されており、積層状構成を成す構造の系列を提供している。電気接続が、この系列の隣り合った回路構造の間に形成される。各々の回路構造に沿って、第一の結線パターンが、各々の主表面からコネクタ領域の末梢部まで延在している。これら複数の回路構造は、第一の結線パターンの1又は複数からトランスデューサ素子の多数まで延在する第二の結線パターンを設けるように構成されている。
【0007】
本発明のもう一つの実施形態によれば、超音波プローブが、第一の領域と、各々の第一の領域から離隔しつつ延在する1又は複数のコネクタ領域とを各々含む複数の軟質回路を含んでいる。異なる各回路の第一の領域は互いに成層されている。各々の第一の領域は、複数の貫通バイアを含んでいる。異なる各第一の領域の貫通バイアが、各軟質回路の間で電気的相互接続を設けるように接続される。アレイのトランスデューサ素子は、軟質回路の少なくとも1個への電気接続を各々有する。回路基板が、軟質回路の1又は複数に形成された電気トレースを介してトランスデューサ素子の1又は複数から信号を受け取るように接続されている。ケーブルが、回路基板と付設されているシステム・コンソールのビーム形成サーキットリとの間に電気接続を設けている。
【0008】
また、超音波プローブの軟質多層相互接続アセンブリを製造する方法が提供される。一実施形態では、複数の軟質回路に、内部に形成された貫通バイアと、表面に形成された電気トレースとが設けられる。各回路の各部分は共に結合されており、結合部分同士の間に電気接続が形成される。各々の回路はさらに、結合部分から離隔しつつ延在する少なくとも一つの非結合部分を含んでいる。トランスデューサ素子のアレイが第一の平面に沿って設けられる。トランスデューサ素子のアレイは回路に取り付けられて、各回路は第一の平面に平行な平面に配向されるようになっている。電気トレースが、軟質回路の非結合部分に沿って形成されており、個々の軟質回路の電気トレースの何本かが、アレイの素子によって受信された信号を処理するプリント回路基板に接続される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、以下の詳細な説明からさらに明確に理解されよう。詳細な説明では、例示のみのために実施形態が添付図面に関して説明されている。
【0010】
各図面を通して、類似の特徴を示すために類似の参照番号が用いられている。図面の個別の特徴は縮尺通りに描画されていない場合もある。
【0011】
本発明の実施形態に従って、相互接続アセンブリを含むシステム及び相互接続アセンブリを形成する方法を本書に記載する。以下の詳細な説明では、本発明を実施し得る環境の完全な理解を可能にするために、多くの特定的な詳細が示されている。しかしながら、当業者は、本発明の実施形態が、これらの特定的な詳細を有さずとも実施され得ること、及び本発明は開示された実施形態に限定されないことを理解されよう。
【0012】
図面について説明する。図1は、超音波イメージング・システム200における多層軟質回路アセンブリ1及びトランスデューサ・アレイ2を含むトランスデューサ回路アセンブリ100の一部の遠近図を掲げる。アレイ2は図2の断面図に示すもののような多数のトランスデューサ素子50を含んで平面P1の周りに形成されており、素子50が横列x及び縦列yを成して配列されている。アレイ2の上面は平面P1と共面であるように図示されているが、アレイ2は平面P1の周りで局面形状となっていてもよい。素子50の横列xは、本書ではx方向と称する平面P1に平行な第一の方向に沿って延在し、縦列yは、平面P1に平行であり且つx方向に直交する第二の方向に沿って延在する。実施形態の各例の特徴を説明する目的で、平面P1を含めた幾つかの平面及び特徴は水平配向を有すると称され、水平特徴に対して直交する配向を有する他の平面及び特徴は垂直配向を有すると記載される。
【0013】
軟質回路アセンブリ1は、本書では「軟質部材(flex)」と称する多数の軟質回路基板を含んでいるが、説明を単純化するために、図1には4個のみの軟質部材から成る系列を示す。第一の軟質部材10は一連の第一の軟質部材ボンド・パッド11を含み、第二の軟質部材20は一連の第二の軟質部材ボンド・パッド21を含み、第三の軟質部材30は一連の第三の軟質部材ボンド・パッド31を含み、第四の軟質部材40は一連の第四の軟質部材ボンド・パッド41を含む。軟質部材の全てが、半硬質であって平面P1に沿って配置されている中央の主表面領域1aに沿って互いに対して成層されている。第一及び第二の非成層領域1b及び1b′を本書ではコネクタ領域と称し、領域1b及び1b′は各々、領域1aから離隔しつつ延在している。コネクタ領域1b及び1b′の各々が、末梢部1c及び1c′をそれぞれ含んでいる。各々の軟質部材の末梢部1c及び1c′は、x方向に平行であり中央の主表面領域1aから外向きに延びる相異なる方向D1及びD2にそれぞれ延在している。ボンド・パッド11、21、31及び41の各々の系列は、軟質部材の一つの両末梢部の対の端辺に沿って形成されている。例えば、軟質部材10は第一のコネクタ領域1bの第一の末梢部1cのボンド・パッド11と、第二のコネクタ領域1b′の第二の末梢部1c′のボンド・パッド11とを含んでいる。末梢部1c′のボンド・パッドは軟質部材の下面に形成されているので点線で描かれている。図1には示していないが、各々のボンド・パッドは、図2、図3及び図4に示すような伝導トレースによって中央の主表面領域に接続されている。図示していないが、第二のコネクタ領域1b及び1b′は、成層表面領域1aから離隔しつつ他の方向、例えばy方向に延在していてもよい。
【0014】
さらに他の実施形態では、非成層領域が各々の半硬質の成層表面領域1aから全ての方向に延在するようにして、2よりも多いコネクタ領域を形成してもよい。軟質部材の各主表面領域1aが平面P1に平行な水平配向を各々有する状態で、一連の実質的に垂直な電気接続路が各成層主表面領域1aを貫通して延在し、トランスデューサ素子50の各々と、一連の第一の軟質部材ボンド・パッド11の1個のパッドのように軟質部材の1個に設けられた1個のボンド・パッドとの間で信号を導く。図1には示していないが、1個の軟質部材の異なる各端辺に沿って設けられている複数のボンド・パッドは、図6及び図7に示すもののようなプリント回路基板(PCB)に接続可能となっている。PCBに装着されているプローブ電子部品(図5及び図6に関して説明する)が、トランスデューサ・アレイ2の関係する各素子50に関連してパルス発生作用及びビーム形成作用を提供する。他の実施形態では、一連の軟質部材ボンド・パッド11、21、31及び41の各々を、軟質部材の上面又は上下両面に形成することができる。
【0015】
図2は、軟質部材ボンド・パッドを軟質部材の下面に形成した超音波イメージング・システム200の多層軟質部材アセンブリ100の部分断面図であり、ここでも、さらに大きい系列を成す軟質部材における例示的な4個の軟質部材10、20、30及び40を図示している。図2の像は、トランスデューサ素子50の横列xの1列に沿って見たものであり、トランスデューサ素子50と軟質部材10、20、30及び40の電気トレースとの間の例示的な接続構成を図示している。
【0016】
トランスデューサ・アレイ2は、接着剤70によって回路アセンブリ1に取り付けられている。回路アセンブリ1とトランスデューサ・アレイ2との間の電気伝導を成立させるために、接着剤は異方伝導形式のものでなければならず、或いは塗工された後に熱及び圧力を加えられて、金のような貴金属で形成された電気的表面が互いに接触するのに伴って接着剤が置き換えられるようにした非伝導性接着剤であってもよい。代替的には、回路アセンブリ1とトランスデューサ・アレイ2との間の電気接続は、はんだボール又は「軟質回路直装型チップ(chip on flex)」によって設けられてもよい。
【0017】
上面51及び下面52を各々有するトランスデューサ素子50は、上面51に沿った第一のマッチング層53、第一のマッチング層53に隣接した第二のマッチング層54、マッチング層54と圧電材料層56との間に配置されている前面接地電極55、層56と導電性マッチング解除(デマッチング)層58との間に配置されている背面電極又は信号電極57を含んでいる。信号電極57は、圧電材料層56に金属を堆積させた後に圧電材料層56をマッチング解除層58に積層することにより形成され得る。間隙又は切り溝を形成して、隣り合った横列及び縦列の圧電素子50を互いから電気的に切り離す。例えば、切り溝61が、層56、57及び58を通した鋸切断によって水平面P1に対する垂直面に形成され得る。続いて、電極55を素子50の上に連続的な伝導性層として形成し、共通接地を設ける。電極55は、電気めっき手法によって第二のマッチング層54に形成され圧電層56に積層される薄い金属層(例えば0.25ミクロン〜4ミクロン)であってもよい。第一のマッチング層53は第二のマッチング層54に積層されることができ、圧電層が鋸切断されるときに両層53及び54が同じ垂直面に沿って鋸切断され、これにより切り溝61に垂直に整列した切り溝62を形成するようにする。マッチング層54の鋸切断は、接地金属化部55に達しない所で停止する。このようにして、各トランスデューサ素子50は、互いから音響的には分離されるが、接地金属化部を介して電気的には接続される。
【0018】
多層フレックス回路アセンブリ1は、隣り合った軟質部材、例えば軟質部材10、20、30及び40の中央の主表面領域1aを、主表面領域1aの長さ寸法及び幅寸法(x方向及びy方向に沿った寸法)に近似的に合わせて切断した非伝導性接着シート80に対して共面配向として互いに積層することにより形成される。各々のシート(例えば80a、80b、80c)は、2個の隣り合った軟質部材の間に配置され、隣り合った軟質部材の対を成す接点パッドが互いに対して整列されるようにする。各々の接点パッドは金のような貴金属で形成された接触表面を有する。接着シート80の厚みは一般的には、0.010mm〜0.100mmの範囲にあり、対を成す接点パッドの対に損傷を与えることなく電気的接触を形成するのに十分なものとする。接着シート80の平面P1の各方向に沿った寸法は、トランスデューサ・アレイの寸法と同じか又は僅かに小さくする。個別のフレックス回路において対を成す軟質部材接点パッドは、熱及び圧力が領域1aに沿って垂直方向に加えられると、過剰なエポキシがこれらの区域から圧搾されるのに伴って互いに電気的に接続される。これにより、積層状構成を成す軟質部材の系列が生成され、系列において隣り合った軟質部材の間に電気接続が設けられる。2006年11月17日に出願された米国特許出願第11/560867号“Electronic System With Lead Free Interconnections and Method of Fabrication”を参照されたい。尚、この特許は本発明の出願と共通の譲受人に譲渡されており、参照により本出願に援用される。
【0019】
上面12及び下面13を有する第一の軟質部材10は、4個の上部接点パッド14(本書では第一の軟質部材上部接点パッド14と称する)と、主表面領域1aに形成されている4個の貫通軟質部材伝導バイア15(本書では第一の軟質部材バイア15と称する)と、下面13に形成されている4本の電気トレース16(本書では第一の軟質部材トレース16と称する)と、4個の第一の軟質部材ボンド・パッド11とを含んでいる。4個のボンド・パッド11の2個ずつが末梢領域1c及び1c′の各々に形成される。各々の第一の軟質部材トレース16が、第一の軟質部材バイア15と第一の軟質部材ボンド・パッド11の対応する1個とを接続する。上面22及び下面23を有する第二の軟質部材20は、8個の上部接点パッド24(本書では第二の軟質部材上部接点パッド24と称する)と、8個の貫通軟質部材伝導バイア25(本書では第二の軟質部材バイア25と称する)と、下面23に形成されている4本の電気トレース26(本書では第二の軟質部材トレース26と称する)と、4個の第二の軟質部材ボンド・パッド21(ボンド・パッド21の2個ずつが各々の末梢領域1c及び1c′に形成されている)と、本書では第二の軟質部材下部接点パッド27と称する4個の下部接点パッド27とを含んでいる。各々の第二の軟質部材トレース26が、第二の軟質部材バイア25と、対応する第二の軟質部材ボンド・パッド21とを接続する。
【0020】
上面32及び下面33を有する第三の軟質部材30は、12個の上部接点パッド34(本書では第三の軟質部材上部接点パッド34と称する)と、12個の貫通軟質部材伝導バイア35(本書では第三の軟質部材バイア35と称する)と、下面33に形成された4本の電気トレース36(本書では第三の軟質部材トレース36と称する)と、4個の第三の軟質部材ボンド・パッド31(ボンド・パッド31の2個ずつが各々の末梢領域1c及び1c′に形成される)と、本書では第三の軟質部材下部接点パッド37と称する8個の下部接点パッド37とを含んでいる。各々の第三の軟質部材トレース36が、第三の軟質部材バイア35と、対応する第三の軟質部材ボンド・パッド31とを接続する。上面42及び下面43を有する第四の軟質部材40は、16個の上部接点パッド44(本書では第四の軟質部材上部接点パッド44と称する)と、16個の貫通軟質部材バイア45(本書では第四の軟質部材バイア45と称する)と、下面43に形成された4本の電気トレース46(本書では第四の軟質部材トレース46と称する)、4個の第四の軟質部材ボンド・パッド41(ボンド・パッド41の2個ずつが各々の末梢領域1c及び1c′に形成される)と、12個の第四の軟質部材下部接点パッド47とを含んでいる。各々の第四の軟質部材トレース46が、第四の軟質部材バイア45と、対応する第四の軟質部材ボンド・パッド41とを接続する。
【0021】
接着剤層80aは、第一の軟質部材10と第二の軟質部材20との間に接着結合を設ける。接着剤層80bは、第二の軟質部材20と第三の軟質部材30との間に接着結合を設ける。接着剤層80cは、第三の軟質部材30と第四の軟質部材40との間に接着結合を設ける。他の実施形態では、軟質部材同士の間の電気接点は、異方伝導性接着剤を、熱及び圧縮、はんだ、バンプ形成、又は他の一般的な方法と共に用いて形成され得る。
【0022】
図2の説明をさらに続けると、各々の横列xの各々のトランスデューサ素子が層59(図2に存在しない)を介して第四の軟質部材バイア45に接続される。代替的には、マッチング解除層58が最上のフレックス回路40に直接結合されて、最上の層40のボンド・パッド及び上部の第四の軟質部材接点パッド44への接続を設ける。第一の末梢部1cに最も近接した2列の縦列yにおいて素子50に接続されている2個の軟質部材バイア45及び第二の末梢部1c′に最も近接した2列の縦列yにおいて素子50に接続されている2個の軟質部材バイア45は、第四の軟質部材トレース46を介して末梢領域1cの第四の軟質部材40の下面43に沿って形成されている第四の軟質部材ボンド・パッド41に接続される。4列の素子50の縦列に関しては、関連する第四の軟質部材バイア45の縦列及び関連する第四の軟質部材トレース46が、第一の末梢部1cに対する2列の素子50の縦列の接続を成立させると共に第二の末梢部1c′に対する2列の素子50の縦列の接続を成立させて、第一の結線パターンを形成する。第四の軟質部材バイア45の他の縦列y(すなわち第四の軟質部材ボンド・パッド41に接触するバイア以外のもの)は、第四の軟質部材下部接点パッド47を介して第三の軟質部材上部接点パッド34に接続される。第三の軟質部材上部接点パッド34は、第四の軟質部材バイア45のうちトレース46を介して部分1c及び1c′に接続されていないものと、軟質部材30の第三の軟質部材バイア35との間に電気接続を設けて、第二の結線パターンを形成する。
【0023】
軟質部材30に関して述べると、第一の末梢部1cに最も近接した2列の縦列yの素子50に接続されている第三の軟質部材バイア35は、第三の軟質部材トレース36を介して、軟質部材30の末梢部1cの下面33に沿って形成されている第三の軟質部材ボンド・パッド31に接続される。同様に、軟質部材30の第二の末梢部1c′に最も近接した2列の縦列yの素子50に接続されている第三の軟質部材バイア35は、第三の軟質部材トレース36を介して、軟質部材30の第二の末梢部1c′の下面33に沿って形成されている第三の軟質部材ボンド・パッド31に接続される。4列の素子50の縦列に関して述べると、第三の軟質部材バイア35の関連する縦列及び関連する第三の軟質部材トレース36が、軟質部材30の第一の末梢部1cのボンド・パッド31に対する2列の素子50の縦列の接続を成立させると共に軟質部材30の第二の末梢部1c′のボンド・パッド31に対する2列の素子50の縦列の接続を成立させる。軟質部材20の上面22に形成されている第二の軟質部材上部接点パッド24は、第三の軟質部材バイア35のうちトレース36を介して軟質部材30のボンド・パッド31に接続されていないもののための電気接続を設ける。これらの接続は、第三の軟質部材下部接点パッド37、軟質部材20の第二の軟質部材上部接点パッド24及び第二の軟質部材バイア25を介して、第二の軟質部材ボンド・パッド21及び第一の軟質部材ボンド・パッド11まで形成される。
【0024】
軟質部材20に関して述べると、第一の末梢部1cに最も近接した2列の縦列yの素子50に接続されている第二の軟質部材バイア25は、第二の軟質部材トレース26を介して、軟質部材20の末梢部1cの下面23に沿って形成されている第二の軟質部材ボンド・パッド21に接続される。軟質部材20の第二の末梢部1c′に最も近接した2列の縦列yの素子50に接続されている第二の軟質部材バイア25も同様に、第二の軟質部材トレース26を介して、軟質部材20の第二の末梢部1c′の第二の軟質部材ボンド・パッド21に接続される。4列の素子50の縦列に関して述べると、第二の軟質部材バイア25の関連する縦列及び関連する第二の軟質部材トレース26は、軟質部材20の第一の末梢部1cのボンド・パッド21に対する2列の素子50の縦列の接続を成立させると共に軟質部材20の第二の末梢部1c′のボンド・パッド21に対する2列の素子50の縦列の接続を成立させる。第一の軟質部材上部接点パッド14は、第二の軟質部材バイア25のうちトレース26を介して軟質部材20の部分1c及び1c′に接続されていないもののための電気接続を設ける。これらの接続は、第二の軟質部材下部接点パッド27、及び軟質部材10の第一の軟質部材バイア15を介して、第一の軟質部材ボンド・パッド11まで形成される。
【0025】
軟質部材10に関して述べると、第一の末梢部1cに最も近接した2列の縦列yの素子50に接続されている第一の軟質部材バイア15は、第一の軟質部材トレース16を介して、軟質部材10の末梢部1cの上面12に沿って形成されている第一の軟質部材ボンド・パッド11に接続される。同様に、第二の末梢部1c′に最も近接した2列の縦列yの素子50に接続される第一の軟質部材バイア15は、第一の軟質部材トレース16を介して、軟質部材10の第二の末梢部1c′の下面13に沿って形成される第一の軟質部材ボンド・パッド11に接続される。4列の素子50の縦列に関して述べると、第一の軟質部材バイア15の関連する縦列及び関連する第一の軟質部材トレース16は、軟質部材10の第一の末梢部1cのボンド・パッド11に対する2列の素子50の縦列の接続を成立させると共に軟質部材10の第二の末梢部1c′のボンド・パッド11に対する2列の素子50の縦列の接続を成立させる。
【0026】
アセンブリ100が図示の4個の軟質部材よりも多数の軟質部材を含むことを理解すれば、軟質部材10は、付加的な第一の軟質部材上部接点パッド(図示されていない)を含んで、ボンド・パッド11に接続されていない付加的な軟質部材バイア15(図示されていない)のための電気接続を設けることができる。これらの接続は、軟質部材10の下面13に形成された付加的な接点パッド(図示されていない)、軟質部材40、30、20及び10を含む系列に配置されているもう1個の軟質部材(図示されていない)の軟質部材バイアを介して、軟質部材10に続いて形成される。上述の相互接続構成は、系列の他の軟質部材の末梢部1c及び1c′に沿ったボンド・パッドに対する縦列yの全てにおける接続を配線するために系列の付加的な軟質部材に継続していき、プリント回路基板のような他の回路構成要素へのさらなる接続を設ける。
【0027】
各々の主表面領域1aに形成される積み重ね型バイア、及び同じ軟質部材の末梢部へ延在する関連する電気トレースは、個別のトランスデューサ素子50と軟質部材の対応するボンド・パッドとの間に電気接続を設ける。個別のトランスデューサ素子50と対応する第四の軟質部材ボンド・パッド41との間の電気接続は、第四の軟質部材バイア45及び第四の軟質部材トレース46によって設けられる。個別のトランスデューサ素子50と対応する第三の軟質部材ボンド・パッド31との間の電気接続は、第三の軟質部材バイア35、第四の軟質部材バイア45、及び第三の軟質部材トレース36の間の垂直な整列及び相互接続によって設けられる。個別のトランスデューサ素子50と対応する第二の軟質部材ボンド・パッド21との間の電気接続は、第二の軟質部材バイア25、第三の軟質部材バイア35、第四の軟質部材バイア45、及び第二の軟質部材トレース26の間の垂直な整列及び相互接続によって設けられる。個別のトランスデューサ素子50と対応する第一の軟質部材ボンド・パッド11との間の電気接続は、第一の軟質部材バイア15、第二の軟質部材バイア25、第三の軟質部材バイア35、第四の軟質部材バイア45、及び第一の軟質部材トレース16の間の垂直な整列及び相互接続によって設けられる。
【0028】
図3及び図4では、第一の軟質部材10及び第二の軟質部材20における個別の軟質部材バイアと対応するボンド・パッドとの間の電気接続を平面図として描いている。図3は、第一の平面P1に平行な第二の平面P2(図2に示す)に沿って第一の軟質部材上部接点パッド14の全体にわたって見た第一の軟質部材10の部分平面図である。点線で示す構成要素は平面P2の上又は下に位置する。図3は、かかるバイアの第一の横列(x方向に沿った)の数個の軟質部材バイア15を15−11、15−12、15−13、15−14として示しており、各々が16−11、16−12、16−13及び16−14として示す第一の軟質部材トレース16の1本1本に接続されて、第一の末梢領域1cでは11−11及び11−12として、また第二の末梢領域1c′では11−13及び11−14として示す対応するボンド・パッド11との接続を成立させている。例として述べると、上部の第一の軟質部材接点パッド14−11と対応する第一の軟質部材ボンド・パッド11−11との間の接続は、第一の軟質部材バイア15−11に接続されたパッド14−11を含み、第一の軟質部材トレース16−11に接続されて、第一の軟質部材ボンド・パッド11−11に接続される。
【0029】
図4は、平面P1及びP2に平行な平面P3(図2に示す)に沿って第二の軟質部材上部接点パッド24を通して見た第二の軟質部材20の部分平面図である。点線で示す構成要素は平面P3の上又は下に位置する。図4では、第二の軟質部材バイア25−11及び25−12が、それぞれ第二の軟質部材トレース26−11及び26−12によって第一の末梢領域1bの対応する第二の軟質部材ボンド・パッド21−11及び21−12に接続されている。第二の軟質部材バイア25−17及び25−18は、それぞれ第一の軟質部材トレース26−17及び26−18によって第二の末梢領域1b′の対応する第二の軟質部材ボンド・パッド21−17及び21−18に接続されている。さらに詳細に例示するために述べると、上部の第二の軟質部材接点パッド24−11と対応する第二の軟質部材ボンド・パッド21−11との間の接続は、第一の軟質部材バイア25−11に接続されたパッド24−11を含み、第二の軟質部材トレース26−11に接続されて、第二の軟質部材ボンド・パッド21−11に接続される。4個の第二の軟質部材バイア25−13、25−14、25−15及び25−16は、図3における上部の第一の軟質部材接点パッド14−11、14−12、14−13及び14−14に接続されている対応する下部の第二の軟質部材接点パッド27−13、27−14、27−15及び27−16に接続されており、図3に関して既に述べたように、第一の軟質部材トレース16−11、16−12、16−13及び16−14を介して第一の軟質部材ボンド・パッド11−11、11−12、11−13及び11−14への接続を設けている。
【0030】
図5は、ケーブル・バンドル250によってプローブ・ユニット220に接続されているシステム・コンソール210、及び表示器260を含む超音波イメージング・システム200の単純化したブロック図である。プローブ・ユニット220は、図1〜図4に示す例に従って構成されている多層軟質部材トランスデューサ・アセンブリ100を含んでいる。アセンブリ100の部分図が示されており、アセンブリ100は、図2に示す軟質部材10、20、30及び40のような軟質部材224の積層体222、並びに図2に示すもののようなトランスデューサ素子50のアレイ2を有している。この単純化された模式図には1個の例示的な軟質部材224及び4列のトランスデューサ素子50の縦列が示されており、図は横列xの方向に沿って見たものである。尚、図1〜図4の実施形態については、積層体222は、素子50の多数の縦列yに各々接続された多数の軟質部材224を含むことを理解されたい。各々の軟質部材224は、入力信号及び出力信号を何列かの縦列y(図2〜図4を参照)の素子50とプローブ電子回路ユニット235の多数ののものとの間で転送する。各々のユニット235が、信号処理作用及び制御作用をトランスデューサ素子50の1列の縦列yに提供し、また送信器/受信器スイッチ236、送信器サーキットリ237、及び受信器サーキットリ238を含んでいる。最初の2列のトランスデューサ縦列yに接続された例示的な軟質部材224からの信号は、第一のプリント回路基板230−1に装着されている2台のプローブ電子回路ユニット235に転送され、最後の2列の縦列yに接続された例示的な軟質部材224からの信号は、第二のプリント回路基板230−2に装着されている2台のプローブ電子回路ユニットに転送される。多重化/多重化分解アルゴリズムをプローブ・ビーム形成サーキットリにおいて用いると、プローブ・ビーム形成と呼ばれるプローブ電子回路ユニット235において実行される信号処理によって、ケーブル・バンドル250に必要とされるケーブルの本数を削減することができる。
【0031】
システム・コンソール210は、システム制御器212、主ビーム形成サーキットリ214、画像プロセッサ216、及びスキャン・コンバータ218を含んでいる。システム制御器212は、主ビームフォーマ214、画像プロセッサ216、及びPCB230に設けられているプローブ電子回路235の複数の送信器237に結合されて、所要のタイミング信号を様々な装置の各々に供給する。システム200の動作について述べると、各々の送信器237が電子送信信号をトランスデューサ素子50へ供給し、素子50は電気信号を同図では超音波線242によって示されている超音波圧力波へ変換する。送信されたエネルギの一部は音響インピーダンスの急激な移行を有する特徴246の境界において相互作用した後に、反射244としてアレイへ戻ることができる。
【0032】
図6は、図1〜図5に示す実施形態の適用例をさらに詳細に示す。超音波イメージング・システム200のプローブ・ユニット310が多層軟質部材トランスデューサ・アセンブリ100を収容していることが示されており、プローブ・ユニット310は、複数の軟質部材320と、複数のプローブ電子回路ユニット340を各々含む複数のプリント回路基板(PCB)330とを有している。軟質コネクタ361が、PCB330とケーブル・コネクタ355との間で信号を運ぶ。コネクタ355は対を成すコネクタ356を受け入れ、対を成すコネクタ356においてはケーブル・バンドル250の個別のワイヤが終端して、システム・コンソール210のサーキットリ(図5に示す主ビームフォーマ214等)への接続を成立させている。
【0033】
例示的なフレックス回路アセンブリ1は、主表面領域1a、並びに第一のコネクタ領域1b及び第二のコネクタ領域1b′を含んでいる。回路アセンブリ1の個別の軟質部材320のコネクタ領域1b及び1b′は、対応するプリント回路基板(PCB)330に各々接続されている。他の実施形態では、軟質部材320は半硬質の軟質回路基板(FCB)に取り付けられていてもよい。コネクタ領域1b及び1b′は、図6に示すようなクランプ325によってPCB330と接合され得る。電子部品340はフレックス回路に直接装着されることができ、回路の配線が軟質部材トレースを介して個別の電子部品まで設けられるようにしている。
【0034】
図7は、プローブ・ユニット310用のもう一つの結線構成を示す。軟質部材320及びPCB330が、異方伝導性フィルム(ACF)370によって共に結合されており、複数の軟質部材320及び複数のプリント回路基板(PCB)330を有する多層軟質部材トランスデューサ・アセンブリを提供している。上面321及び下面322を有する軟質部材320は、下面322に沿って形成される複数の軟質部材ボンド・パッド323を含んでいる。PCB330は上部誘電層335を含み、上部誘電層335はレベル内誘電層337の上に形成され、レベル内誘電層337は下部誘電層338の上に形成されている。上部誘電層は上面331及び下面332を含んでおり、上面331に形成された複数のPCB接点パッド333を含んでいる。上レベル・バイア334が、上レベル誘電層335に形成されている。下層内部導体336が、レベル内誘電層337に形成されている。熱及び圧力が異方伝導性フィルム370に加えられると、電気導体372が、軟質部材ボンド・パッド323とPCB接点パッド333との間に形成される。他の実施形態では、軟質部材とPCBとの間の電気接点が、はんだによって又は他の一般的な方法によって形成され得る。
【0035】
電子部品をトランスデューサ素子のアレイに接続する構造について説明すると共に、この構造を製造する低経費の方法について説明した。従来は、トランスデューサ素子のアレイの接続は、単一の軟質部材を介してアレイの横列又は縦列の1列全体へ及び1列全体から信号を供給していた。軟質部材の経費はトレース・ピッチが小さくなるにつれて高くなり、軟質部材当たりの全体経費は1個の軟質部材に接続される素子の数が増大するほど高くなる。しかしながら、アレイ全体に関連する信号を処理するのに必要とされる軟質部材の本数の正味の削減に基づいて、全体経費の大幅な節減を実現することができる。
【0036】
本発明の様々な実施形態を図示して説明したが、本発明を限定するものではない。当業者には、多数の改変、変形、置換及び均等構成が特許請求の範囲に記載された本発明の要旨及び範囲から逸脱することなく想到されよう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】多層軟質部材アセンブリの遠近図である。
【図2】図1の多層軟質部材アセンブリの部分概略断面図である。
【図3】図1のアセンブリの軟質部材の部分概略平面図である。
【図4】図1のアセンブリのもう1個の軟質部材の部分概略平面図である。
【図5】本発明の実施形態を組み入れた例示的なイメージング・システムを示す図である。
【図6】図5に示すプローブ・ハンドルの断面図である。
【図7】軟質部材とプリント回路基板との間の接続を示す部分概略断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 多層軟質回路アセンブリ
2 トランスデューサ・アレイ
10 第一の軟質部材
11 第一の軟質部材ボンド・パッド
12 上面
13 下面
14 4個の上部接点パッド
15 4個の貫通軟質部材伝導バイア
16 4本の電気トレース
20 第二の軟質部材
21 第二の軟質部材ボンド・パッド
22 上面
23 下面
24 8個の上部接点パッド
25 8個の貫通軟質部材伝導バイア
26 4本の電気トレース
27 4個の下部接点パッド
30 第三の軟質部材
31 第三の軟質部材ボンド・パッド
32 上面
33 下面
34 12個の上部接点パッド
35 12個の貫通軟質部材伝導バイア
36 4本の電気トレース
37 8個の下部接点パッド
40 第四の軟質部材
41 第四の軟質部材ボンド・パッド
42 上面
43 下面
44 16個の上部接点パッド
45 16個の貫通軟質部材バイア
46 4本の電気トレース
47 12個の第四の軟質部材下部接点パッド
50 トランスデューサ素子
51 上面
52 下面
53 第一のマッチング層
54 第二のマッチング層
55 前面接地電極
56 圧電材料層
57 背面電極又は信号電極
58 導電性マッチング解除層
59 層
61 切り溝
62 切り溝
70 接着剤
80 非伝導性接着シート
100 トランスデューサ回路アセンブリ
200 超音波イメージング・システム
210 システム・コンソール
212 システム制御器
214 主ビーム形成サーキットリ
216 画像プロセッサ
218 スキャン・コンバータ
220 プローブ・ユニット
222 積層体
224 軟質部材
230 PCB
235 プローブ電子回路ユニット
236 送信器/受信器スイッチ
237 送信器サーキットリ
238 受信器サーキットリ
242 超音波線
244 反射
246 特徴
250 ケーブル・バンドル
260 表示器
310 プローブ・ユニット
320 複数の軟質部材
321 上面
322 下面
323 軟質部材ボンド・パッド
325 クランプ
330 複数のプリント回路基板(PCB)
331 上面
332 下面
333 PCB接点パッド
334 上レベル・バイア
335 上部誘電層
336 下層内部導体
337 レベル内誘電層
338 下部誘電層
340 複数のプローブ電子回路ユニット
355 ケーブル・コネクタ
356 対を成すコネクタ
361 軟質コネクタ
370 異方伝導性フィルム(ACF)
372 電気導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の平面(P1)に沿って横列及び縦列を成して配列されており、画像処理のために最初の信号を送信すると共に反射した信号を受け取るトランスデューサ素子(50)のアレイ(2)と、
複数の回路構造(10、20、30、40)と
を備えた超音波イメージング・システム(200)であって、前記複数の回路構造(10、20、30、40)は各々、
(a)当該回路構造(10、20、30、40)のもう一つのものの主表面に関して共面配向に配置されており積層状構成を成す当該構造の系列を提供する主表面(1a)であって、電気接続(34、47)が前記系列の隣り合った回路構造の間に形成される、主表面(1a)と、
(b)該主表面(1a)から離隔しつつ延在する末梢部(1c又は1c′)を有するコネクタ領域(1b又は1b′)であって、隣り合った構造のコネクタ領域の各末梢部(1c、1c′)は互いから隔設されている、コネクタ領域(1b又は1b′)と、
(c)前記主表面から前記コネクタ領域の前記末梢部まで延在する第一の結線パターン(41、45、46)と
を有し、
前記複数の回路構造は、当該回路構造同士の間に形成されている前記電気接続(34、47)の少なくとも幾つかを含み前記第一の結線パターンの1又は複数から前記トランスデューサ素子(50)の多数まで延在する第二の結線パターン(34、35、37、45、47)を設けるように構成されている、
超音波イメージング・システム(200)。
【請求項2】
前記回路構造(10、20、30、40)の各々が軟質回路基板であり、隣り合った構造の各主表面が互いに結合されており、前記隔設されている末梢部(1c,1c′)に対して相対的に硬質の部分(1a)を前記系列において形成する、請求項1に記載のイメージング・システム(200)。
【請求項3】
前記隣り合った回路構造(10、20、30、40)の二つの間の前記電気接続(34、47)は、前記構造の各々に形成されている伝導バイア(15、25、35、45)と、互いに対面している前記二つの構造の表面(32、43)に沿って形成されている接点パッド(34、47)とを含んでおり、前記対面している表面のパッドは互いに接続され、これにより前記異なる各構造に形成されたバイア(15、25、35、45)同士の間の接続を成立させている、請求項1に記載のイメージング・システム(200)。
【請求項4】
回路構造(10)の各々の主表面(1a)は、当該回路構造の中央部に沿って設けられており、各々の回路構造は、少なくとも2箇所のコネクタ領域(1b、1b′)を含んでおり、該コネクタ領域(1b、1b′)は各々、前記主表面から離隔しつつ延在する末梢部(1c又は1c′)を有し、該末梢部の第一のものは前記主表面から離隔しつつ第一の方向(D1)に沿って延在し、該末梢部の第二のものは前記主表面から離隔しつつ前記第一の方向とは異なる方向(D2)に延在し、
隣り合ったコネクタ領域(1b、1b′)の各末梢部(1c、1c′)は、前記主表面(1a)から離隔しつつ前記第一の方向(D1)に延在すると共に互いから隔設されており、隣り合ったコネクタ領域(1b、1b′)の各末梢部は、前記主表面から離隔しつつ前記第二の方向(D2)に延在すると共に互いから隔設されている、請求項1に記載の超音波イメージング・システム(200)。
【請求項5】
前記構造(10、20、30、40)の第一のものは、前記構造の第二のものに対して前記アレイ(2)に最も近接して配置されており、
前記アレイの前記縦列(y)の全てのトランスデューサ素子(50)から電気信号を受け取り、
前記アレイの第一の複数の前記縦列のトランスデューサ素子(50)から当該第一の構造の前記第一のコネクタ領域末梢部へ電気信号を供給し、
前記アレイの第二の複数の前記縦列のトランスデューサ素子(50)から当該第一の構造の前記第二のコネクタ領域末梢部へ電気信号を供給し、
前記アレイの第三の複数の前記縦列のトランスデューサ素子(50)から前記構造の前記第二のものへ電気信号を供給する
ように構成されている、請求項4に記載のシステム(200)。
【請求項6】
前記構造の前記第二のものは、
前記第三の複数の縦列の前記トランスデューサ素子(50)から電気信号を受け取り、
前記第三の複数の縦列の1又は複数の第一の縦列の前記トランスデューサ素子(50)から当該第二の構造の少なくとも前記第一及び第二の末梢部へ電気信号を供給し、
前記第三の複数の縦列の1又は複数の第二の縦列の前記トランスデューサ素子(50)から前記構造の第三のものへ電気信号を供給する
ように構成されている、請求項5に記載のシステム(200)。
【請求項7】
前記構造(10、20、30、40)の第一のものは、前記構造の第二のものに対して前記アレイ(2)に最も近接して配置されており、
前記アレイの前記縦列の全てのトランスデューサ素子(50)から電気信号を受け取り、
第一の複数の前記縦列のトランスデューサ素子(50)から当該第一の構造の前記コネクタ領域の前記末梢部(1c又は1c′)へ電気信号を供給し、
第二の複数の前記縦列のトランスデューサ素子(50)から前記構造の前記第二のものへ電気信号を供給する
ように構成されている、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項8】
前記構造(10、20、30、40)の前記第二のものは、
前記第二の複数の縦列のトランスデューサ素子(50)から電気信号を受け取り、
前記第三の複数の縦列の1又は複数の第一の縦列のトランスデューサ素子(50)から当該第二の構造の前記コネクタ領域の前記末梢部へ電気信号を供給し、
前記第三の複数の縦列の1又は複数の第二の縦列のトランスデューサ素子(50)から前記構造の第三のものへ電気信号を供給する
ように構成されている、請求項7に記載のシステム(200)。
【請求項9】
当該システム(200)は、ビーム形成サーキットリ(214)を収容したシステム・コンソール(210)をさらに含んでおり、トランスデューサ素子(50)の前記アレイ(2)及び前記複数の回路構造(10、20、30、40)はプローブ・ユニット(310)に収容されており、該プローブ・ユニット(310)はさらに、
プローブ電子回路ユニット(340)と、
前記回路構造の一つと前記プローブ電子回路ユニットとの間に電気接続を設ける回路基板(330)と、
該回路基板(330)とリモートのシステム・コンソール(210)の電子部品(214)との間に電気接続を設ける結線ケーブル(250)と
を含んでいる、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項10】
当該システム(200)は、ビーム形成サーキットリ(214)を収容したシステム・コンソール(210)をさらに含んでおり、トランスデューサ素子(50)の前記アレイ(2)及び前記複数の回路構造(10、20、30、40)はプローブ・ユニット(310)に収容されており、該プローブ・ユニット(310)はさらに、
回路構造を介して信号を受け取るように各々電気的に結合されている複数のプローブ電子回路ユニット(340)と、
該プローブ電子回路ユニット(340)と前記システム・コンソール(210)の1又は複数の電子部品(212、214)との間に電気接続を設ける結線ケーブル(250)と
を含んでいる、請求項1に記載のシステム(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−183402(P2008−183402A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14687(P2008−14687)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】