説明

超音波プローブ及び超音波診断装置

【課題】超音波プローブの内部電源を無駄に消費することなく、超音波プローブと超音波診断装置本体との接続の可否を管理することができる超音波プローブを提供する。
【解決手段】この超音波プローブは、複数の超音波トランスデューサと、複数の超音波トランスデューサから出力される複数の受信信号に対して信号処理を施すことにより伝送信号を生成する信号処理部と、信号処理部によって生成される伝送信号を無線通信によって外部に送信する無線通信部と、被検者又はオペレータのID情報が記録されている記録媒体が装着可能な記録媒体装着部と、記録媒体装着部への記録媒体の装着を検出する記録媒体検出部と、バッテリを含み、電力を必要とする各部に電力を供給する電源部と、記録媒体検出部の検出結果に基づいて、少なくとも信号処理部及び無線通信部への電力供給を開始するように電源部を制御する制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を送受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波プローブ、及び、超音波プローブと超音波診断装置本体とによって構成される超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野においては、被検体の内部を観察して診断を行うために、様々な撮像技術が開発されている。特に、超音波を送受信することによって被検体の内部情報を取得する超音波撮像は、リアルタイムで画像観察を行うことができる上に、X線写真やRI(radio isotope)シンチレーションカメラ等の他の医用画像技術と異なり、放射線による被曝がない。そのため、超音波撮像は、安全性の高い撮像技術として、産科領域における胎児診断の他、婦人科系、循環器系、消化器系等を含む幅広い領域において利用されている。
【0003】
超音波撮像の原理は、次のようなものである。超音波は、被検体内における構造物の境界のように、音響インピーダンスが異なる領域の境界において反射される。そこで、超音波ビームを人体等の被検体内に送信し、被検体内において生じた超音波エコーを受信して、超音波エコーが生じた反射位置や反射強度を求めることにより、被検体内に存在する構造物(例えば、内臓や病変組織等)の輪郭を抽出することができる。
【0004】
一般に、超音波診断装置においては、超音波の送受信機能を有する複数の超音波トランスデューサ(振動子)を含む超音波プローブが用いられる。超音波プローブと超音波診断装置本体とは、ケーブルを介して接続されることが多いが、ケーブルを用いることによる煩わしさを解消するために、超音波プローブと超音波診断装置本体との間の情報通信を無線で行う無線通信式の超音波診断装置が開発されている。そのような無線通信式の超音波診断装置においては、超音波プローブの電源として、バッテリ(電池)が用いられる。
【0005】
ところで、超音波診断装置において、例えば、滅菌処理を必要とする超音波プローブを他のオペレータが安易に使用することによる無用な感染を防止するために、超音波プローブと超音波診断装置本体との接続の可否を強制的に管理することへの要望がある。
【0006】
関連する技術として、特許文献1には、超音波診断装置本体に接続されない非使用時において超音波プローブの状態を管理する技術が開示されている。この超音波プローブは、超音波を送受波するハンドル部と、超音波診断装置本体に接続されて電力の供給及び超音波診断のための信号送受信を媒介するコネクタと、前記コネクタが前記超音波診断装置本体から取り外された状態において内部に電力供給が可能な内部電源と、前記内部電源から給電されて前記超音波プローブの状態を管理する状態管理手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
特許文献1に開示された超音波プローブは、超音波プローブの非使用時の状態を管理してオペレータに通知する機能を有しているが、超音波プローブの状態を逐次検知する動作が必要となるので、内部電源の残量の低下に注意する必要がある。
【特許文献1】特開2008−61938号公報(第4、7頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、超音波プローブの内部電源を無駄に消費することなく、超音波プローブと超音波診断装置本体との接続の可否を管理することができる超音波プローブ、及び、そのような超音波プローブを用いる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る超音波プローブは、複数の駆動信号に従って超音波を送信すると共に、超音波エコーを受信して複数の受信信号を出力する複数の超音波トランスデューサと、複数の超音波トランスデューサから出力される複数の受信信号に対して信号処理を施すことにより伝送信号を生成する信号処理部と、信号処理部によって生成される伝送信号を無線通信によって外部に送信する無線通信部と、被検者又はオペレータのID情報が記録されている記録媒体が装着可能な記録媒体装着部と、記録媒体装着部への記録媒体の装着を検出する記録媒体検出部と、バッテリを含み、電力を必要とする各部に電力を供給する電源部と、記録媒体検出部の検出結果に基づいて、少なくとも信号処理部及び無線通信部への電力供給を開始するように電源部を制御する制御部とを具備する。
【0010】
また、本発明の1つの観点に係る超音波診断装置は、本発明に係る超音波プローブと、超音波プローブとの間で無線通信を行い、超音波プローブを制御する超音波診断装置本体とを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、超音波プローブの記録媒体装着部に記録媒体が装着されたことを検出した際に、少なくとも信号処理部及び無線通信部への電力供給を開始するようにしたので、超音波プローブの内部電源を無駄に消費することなく、超音波診断装置本体と接続の可否を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの構成を示すブロック図であり、図2は、本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置本体の構成を示すブロック図である。本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置は、図1に示す超音波プローブ1と、図2に示す超音波診断装置本体2とによって構成される。超音波プローブ1は、リニアスキャン方式、コンベックススキャン方式、セクタスキャン方式等の体外式プローブでも良いし、ラジアルスキャン方式等の超音波内視鏡用プローブでも良い。
【0013】
図1に示すように、超音波プローブ1は、1次元又は2次元のトランスデューサアレイを構成する複数の超音波トランスデューサ10と、送信遅延パターン記憶部11と、送信制御部12と、駆動信号発生部13と、受信制御部14と、複数チャンネルの受信信号処理部15と、パラレル/シリアル変換部16と、無線通信部17と、通信制御部18と、格納部21と、制御部22と、操作スイッチ23と、タイマ24と、表示部25と、音声発生部26と、バッテリを含む電源部27と、電源スイッチ28と、受電手段29と、少なくとも1つの記録媒体装着部(図1においては、複数の記録媒体装着部51及び52を示す)と、少なくとも1つの記録媒体検出部(図1においては、複数の記録媒体検出部61及び62を示す)とを有している。ここで、受信信号処理部15及びパラレル/シリアル変換部16は、複数の超音波トランスデューサ10から出力される複数の受信信号に対して信号処理を施すことにより伝送信号を生成する信号処理部を構成している。
【0014】
複数の超音波トランスデューサ10は、印加される複数の駆動信号に従って超音波を送信すると共に、伝搬する超音波エコーを受信して複数の受信信号を出力する。各超音波トランスデューサ10は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinylidene difluoride)に代表される高分子圧電素子等の圧電性を有する材料(圧電体)の両端に電極を形成した振動子によって構成される。
【0015】
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮する。この伸縮により、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生し、それらの超音波の合成によって超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することによって伸縮し、電気信号を発生する。それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
【0016】
送信遅延パターン記憶部11は、複数の超音波トランスデューサ10から送信される超音波によって超音波ビームを形成する際に用いられる複数の送信遅延パターンを記憶している。送信制御部12は、制御部22によって設定された送信方向に応じて、送信遅延パターン記憶部11に記憶されている複数の送信遅延パターンの中から1つの送信遅延パターンを選択し、その送信遅延パターンに基づいて、複数の超音波トランスデューサ10の駆動信号にそれぞれ与えられる遅延時間を設定する。あるいは、送信制御部12は、複数の超音波トランスデューサ10から一度に送信される超音波が被検体の撮像領域全体に届くように遅延時間を設定しても良い。
【0017】
駆動信号発生部13は、例えば、複数のパルサを含んでおり、送信制御部12によって選択された送信遅延パターンに基づいて、複数の超音波トランスデューサ10から送信される超音波が超音波ビームを形成するように複数の駆動信号の遅延量を調節して複数の超音波トランスデューサ10に供給し、あるいは、複数の超音波トランスデューサ10から一度に送信される超音波が被検体の撮像領域全体に届くように複数の駆動信号を複数の超音波トランスデューサ10に供給する。
【0018】
受信制御部14は、複数チャンネルの受信信号処理部15の動作を制御する。各チャンネルの受信信号処理部15は、対応する超音波トランスデューサ10から出力される受信信号に対して直交検波処理又は直交サンプリング処理を施すことにより複素ベースバンド信号を生成し、複素ベースバンド信号をサンプリングすることによりサンプルデータを生成して、サンプルデータをパラレル/シリアル変換部16に供給する。
【0019】
図3は、図1に示す受信信号処理部の構成例を示す図である。図3に示すように、各チャンネルの受信信号処理部15は、プリアンプ151と、ローパスフィルタ(LPF)152と、アナログ/ディジタル変換器(ADC)153と、直交検波処理部154と、サンプリング部155a及び155bと、メモリ156a及び156bとを含んでいる。
【0020】
プリアンプ151は、超音波トランスデューサ10から出力される受信信号(RF信号)を増幅し、LPF152は、プリアンプ151から出力される受信信号の帯域を制限することにより、A/D変換におけるアライアシングを防止する。ADC153は、LPF152から出力されるアナログの受信信号をディジタルの受信信号に変換する。
【0021】
RF信号のままでデータの直列化を行うと、伝送ビットレートが極めて高くなり、通信速度やメモリの動作速度がそれに追いつかない。一方、受信フォーカス処理の後でデータの直列化を行うと、伝送ビットレートを低減することができるが、受信フォーカス処理のための回路は規模が大きく、超音波プローブの中に組み込むことは困難である。そこで、本実施形態においては、受信信号に対して直交検波処理等を施して受信信号の周波数帯域をベースバンド周波数帯域に落としてからデータの直列化を行うことにより、伝送ビットレートを低減させている。
【0022】
直交検波処理部154は、受信信号に対して直交検波処理を施し、複素ベースバンド信号(I信号及びQ信号)を生成する。図3に示すように、直交検波処理部154は、ミキサ(掛算回路)154a及び154bと、ローパスフィルタ(LPF)154c及び154dとを含んでいる。ミキサ154aが、局部発振信号cosωtを受信信号に掛け合わせて、LPF154cが、ミキサ25aから出力される信号にローパスフィルタ処理を施すことにより、実数成分を表すI信号が生成される。一方、ミキサ154bが、位相をπ/2だけ回転させた局部発振信号sinωtを受信信号に掛け合わせて、LPF154dが、ミキサ25bから出力される信号にローパスフィルタ処理を施すことにより、虚数成分を表すQ信号が生成される。
【0023】
サンプリング部155a及び155bは、直交検波処理部154によって生成された複素ベースバンド信号(I信号及びQ信号)をサンプリング(再サンプリング)することにより、2チャンネルのサンプルデータをそれぞれ生成する。生成された2チャンネルのサンプルデータは、メモリ156a及び156bにそれぞれ格納される。
【0024】
再び図1を参照すると、パラレル/シリアル変換部16は、複数チャンネルの受信信号処理部15によって生成されたパラレルのサンプルデータを、シリアルのサンプルデータ(伝送信号)に変換する。例えば、パラレル/シリアル変換部16は、128チャンネルのパラレルのサンプルデータを、1〜4チャンネルのシリアルのサンプルデータに変換する。これにより、超音波トランスデューサ10の数と比較して、伝送チャンネルの数が大幅に低減される。
【0025】
無線通信部17は、伝送信号に基づいてキャリアを変調して送信信号を生成し、送信信号をアンテナに供給してアンテナから電波を送信することにより、伝送信号を送信する。変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)等が用いられる。ASK又はPSKを用いる場合には、1系統で1チャンネルのシリアルデータを伝送することが可能であり、QPSKを用いる場合には、1系統で2チャンネルのシリアルデータを伝送することが可能であり、16QAMを用いる場合には、1系統で4チャンネルのシリアルデータを伝送することが可能である。
【0026】
このように、無線通信部17は、超音波診断装置本体2との間で無線通信を行うことにより、伝送信号等を超音波診断装置本体2に送信すると共に、超音波診断装置本体2から各種の制御信号を受信して、受信された信号を通信制御部18に出力する。制御部22は、超音波診断装置本体2から送信される各種の制御信号に基づいて、超音波プローブ1の各部を制御する。
【0027】
操作スイッチ23は、超音波診断装置をライブモードやフリーズモードに設定するためのスイッチを含んでいる。ここで、ライブモードとは、超音波の送受信を行うことによって順次得られる受信信号に基づいて動画像を表示するモードのことであり、フリーズモードとは、メモリ等に格納されている受信信号又は音線信号に基づいて静止画像を表示するモードのことである。ライブモード又はフリーズモードの設定信号は、伝送信号と共に送信信号に含まれて、超音波診断装置本体2に送信される。なお、ライブモードとフリーズモードとの切換は、超音波診断装置本体2において行われるようにしても良い。
【0028】
電源部27は、電力を必要とする駆動信号発生部13、受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17、制御部22等の各部に、バッテリの電力に基づいて電力を供給する。超音波プローブ1には電源スイッチ28が設けられており、電源部27は、電源スイッチ28の状態に基づいて、各部に電力を供給するか否かを制御する。バッテリは、受電手段29を用いて充電が可能となっている。
【0029】
以上において、複数の超音波トランスデューサ10、複数チャンネルの受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17、制御部22、電源部27等は、筐体に収納されている。筐体には、操作スイッチ23の他に、警告部として、複数のLED等を含む表示部25や、音声信号源と増幅器とスピーカとを含む音声発生部26が設けられている。
【0030】
本実施形態において、超音波プローブ1には、被検者又はオペレータのID情報が記録されている記録媒体が装着可能な記録媒体装着部51及び52が設けられている。記録媒体装着部51及び52は、筐体に設けられたスロットを有しており、記録媒体がスロットに挿入自在となっている。
【0031】
記録媒体としては、被検者(患者)又はオペレータ(医師)を特定するためのID情報が記録された接触型又は非接触型のICカード又は磁気カード等が用いられる。例えば、オーダリング情報の一部である患者ID番号が記録された患者の診察カードや、患者ID番号が記録され、診療科において患者に渡される診察カードや、医師のID情報が記録され、医師が所持するIDカードが用いられる。
【0032】
電源スイッチ28がオン状態になると、電源部27は、少なくとも制御部22と記録媒体検出部61及び62とに電力を供給する。記録媒体検出部61及び62は、記録媒体装着部51及び52への記録媒体の装着をそれぞれ検出して検出信号を活性化させる。制御部22は、記録媒体検出部61及び62の検出結果に基づいて、駆動信号発生部13、受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17等への電力供給を開始するように電源部27を制御する。
【0033】
図1に示すように、複数の記録媒体装着部51及び52が設けられている場合には、制御部22は、複数の記録媒体装着部51及び52に複数の記録媒体がそれぞれ装着されていることを記録媒体検出部61及び62が検出したときに、又は、複数の記録媒体装着部51及び52の内の少なくとも1つに記録媒体が装着されていることを記録媒体検出部61又は62が検出したときに、駆動信号発生部13等への電力供給を開始するように電源部27を制御する。
【0034】
例えば、少なくとも1種類のID情報が予め格納部21に格納されており、記録媒体検出部61が、記録媒体装着部51に記録媒体が装着されていることを検出した際に、記録媒体に記録されているID情報を読み取り、制御部22が、記録媒体検出部61によって読み取られたID情報と格納部21に格納されているID情報とが一致するか否かを判定し、両者が一致すると判定した場合に、駆動信号発生部13等への電力供給を開始するように電源部27を制御する。さらに、制御部22は、超音波プローブ1側における撮像準備が完了して超音波撮像が可能になったことを示す撮像許可信号を超音波診断装置本体2に送信するように、通信制御部18を介して無線通信部17を制御する。
【0035】
一方、制御部22は、記録媒体検出部61によって読み取られたID情報と格納部21に格納されているID情報とが一致しないと判定した場合には、両者が一致しないことを外部に通知するように警告部(表示部25の第1のLED、又は、音声発生部26)を制御する。これにより、第1のLEDが点灯し、又は、スピーカから第1の警告音が発せられるので、ID情報が一致しないことをオペレータが認識することができる。
【0036】
計時部としてのタイマ24は、記録媒体検出部61が記録媒体装着部51への記録媒体の装着を検出してから経過した時間を計測する。制御部22は、タイマ24によって計測された時間が所定時間を超えたときに、記録媒体装着部51に記録媒体が装着されていることを外部に通知するように警告部(表示部25の第2のLED、又は、音声発生部26)を制御する。これにより、第2のLEDが点灯し、又は、スピーカから第2の警告音が発せられるので、記録媒体が装着されてから所定時間が経過したことをオペレータが認識することができる。
【0037】
また、制御部22は、超音波プローブ1の警告部を用いたオペレータへの通知に加えて、又は、それに替えて、通信制御部18を介して無線通信部17に警告信号を供給するようにしても良い。無線通信部17は、警告信号が供給された場合に、警告信号に基づいてキャリアを変調して送信信号を生成し、警告信号をアンテナに供給してアンテナから電波を送信することにより、超音波診断装置本体2に警告信号を送信する。
【0038】
記録媒体検出部61によって読み取られたID情報と格納部21に格納されているID情報とが一致しないことを表す警告信号を受信した超音波診断装置本体2の制御部42(図2)は、表示部36(図2)に第1の警告を表示させ、又は、音声発生部47(図2)に第1の警告音を発生させる。また、タイマ24によって計測された時間が所定時間を超えたことを表す警告信号を受信した超音波診断装置本体2の制御部42は、表示部36に第2の警告を表示させ、又は、音声発生部47に第2の警告音を発生させる。
【0039】
さらに、制御部22は、タイマ24によって計測された時間が所定時間を超えたときに、駆動信号発生部13、受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17等への電力供給を停止するように電源部27を制御する。ただし、無線通信部17が送信中である場合には、制御部22は、送信が完了した後に、駆動信号発生部13等への電力供給を停止するように電源部27を制御する。また、制御部22は、記録媒体装着部51から記録媒体が取り外されたことを記録媒体検出部61が検出した際に、駆動信号発生部13等への電力供給を停止するように電源部27を制御する。
【0040】
以上において、送信制御部12、受信制御部14、直交検波処理部154(図3)、サンプリング部155a及び155b(図3)、パラレル/シリアル変換部16、通信制御部18、及び、制御部22は、ディジタル回路によって構成しても良いし、中央演算装置(CPU)と、CPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェア(プログラム)とによって構成しても良い。上記のソフトウェア(プログラム)は、格納部21に格納される。あるいは、直交検波処理部154をアナログ回路によって構成しても良い。その場合には、ADC153が省略され、サンプリング部155a及び155bによって複素ベースバンド信号のA/D変換が行われる。
【0041】
一方、図2を参照すると、超音波診断装置本体2は、無線通信部31と、通信制御部32と、シリアル/パラレル変換部33と、画像形成部34と、表示制御部35と、表示部36と、格納部41と、制御部42と、操作部43と、電源部44と、電源スイッチ45と、給電手段46と、音声発生部47とを有している。
【0042】
無線通信部31は、超音波プローブ1との間で無線通信を行うことにより、伝送信号及び警告信号を超音波プローブ1から受信すると共に、各種の制御信号を超音波プローブ1に送信する。無線通信部31は、アンテナによって受信された信号を復調することにより、複数の超音波トランスデューサから出力される受信信号から得られる複素ベースバンド信号を表すシリアルのサンプルデータ(伝送信号)を出力すると共に、警告信号を出力する。
【0043】
通信制御部32は、無線通信部31から出力される警告信号を検出して制御部42に出力する。制御部42は、警告信号が受信されたときに、警告表示を行うように表示制御部35を介して表示部36を制御し、又は、警告音の発生を行うように音声発生部47を制御する。
【0044】
シリアル/パラレル変換部33は、無線通信部31から出力されるシリアルのサンプルデータを、複数の超音波トランスデューサに対応するパラレルのサンプルデータに変換する。画像形成部34は、シリアル/パラレル変換部33から出力されるパラレルのサンプルデータに基づいて、被検体内の組織に関する画像情報である超音波画像信号を生成する。画像形成部34は、受信遅延パターン記憶部341と、整相加算部342と、メモリ343と、画像処理部344とを含んでいる。
【0045】
受信遅延パターン記憶部341は、複数の超音波トランスデューサから出力される受信信号から得られる複素ベースバンド信号に対して受信フォーカス処理を行う際に用いられる複数の受信遅延パターンを記憶している。整相加算部342は、制御部42において設定された受信方向に基づいて、受信遅延パターン記憶部341に記憶されている複数の受信遅延パターンの中から1つの受信遅延パターンを選択し、その受信遅延パターンに基づいて、複数の複素ベースバンド信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれたベースバンド信号(音線信号)が生成される。
【0046】
メモリ343は、整相加算部342によって生成された音線信号を順次格納する。画像処理部344は、ライブモードにおいては整相加算部342によって生成される音線信号に基づいて、フリーズモードにおいてはメモリ343に格納されている音線信号に基づいて、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号等を生成する。
【0047】
本実施形態に係る超音波診断装置は、例えば、Bモード、CF(カラーフロー)モード、D(ドップラ)モード、及び、Mモードの内から選択されたモードにおいて、超音波検査を実施することができる。ここで、Bモードとは、超音波エコーの振幅を輝度に変換して2次元断層画像を表示するモードのことであり、CFモードとは、平均血流速度、フロー変動、フロー信号の強さ、又は、フローパワー等を様々な色にマッピングしてBモード画像に重ねて表示するモードのことである。また、Dモードとは、超音波エコー源の動きを超音波周波数の変化として検出してその速度を表示するモードのことであり、Mモードとは、移動する超音波エコー源を連続的に捉えてその軌跡を波形として表示するモードのことである。
【0048】
画像処理部344は、選択されたモードにおける超音波画像を表す超音波画像信号を生成する。画像処理部344は、STC(sensitivity time control)部と、DSC(digital scan converter:ディジタル・スキャン・コンバータ)とを含んでいる。STC部は、音線信号に対して、超音波の反射位置の深度に応じて、距離による減衰の補正を施す。DSCは、STC部によって補正された音線信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)し、階調処理等の必要な画像処理を施すことにより、超音波画像信号を生成する。
【0049】
表示処理部35は、画像形成部34によって生成される超音波画像信号に基づいて、表示部36に超音波診断画像を表示させる。表示部36は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示処理部35の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
【0050】
制御部42は、操作部43を用いたオペレータの操作に従って、超音波診断装置の各部を制御する。超音波診断装置本体2には電源スイッチ45が設けられており、電源部44は、電源スイッチ45の状態に基づいて、各部への電力の供給を行う。プローブホルダに設けられた給電手段46は、電磁誘導作用によって、超音波プローブ1の受電手段29(図1)に電力を供給する。音声発生部47は、音声信号源と増幅器とスピーカとを含んでおり、制御部42の制御の下で警告音等を発生する。
【0051】
以上において、通信制御部32、シリアル/パラレル変換部33、整相加算部342、画像処理部344、表示制御部35、及び、制御部42は、中央演算装置(CPU)と、CPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェア(プログラム)とによって構成されるが、それらをディジタル回路で構成しても良い。上記のソフトウェア(プログラム)は、格納部41に格納される。格納部41における記録媒体としては、内蔵のハードディスクの他に、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることができる。
【0052】
次に、本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの動作例を、図1及び図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの動作例を説明するためのフローチャートである。
【0053】
ステップS1において、記録媒体検出部61が、記録媒体装着部51への記録媒体の装着を検出する。ステップS2において、記録媒体検出部61が、記録媒体に記録されているID情報を読み取り、制御部22に出力する。ステップS3において、制御部22が、記録媒体検出部61によって読み取られたID情報と格納部21に格納されているID情報とが一致するか否かを判定する。両者が一致する場合には、処理がステップS4に移行し、両者が一致しない場合には、処理がステップS5に移行する。
【0054】
ステップS4において、制御部22が、駆動信号発生部13、受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17等への電力供給を開始するように電源部27を制御する。これにより、超音波プローブ1を用いた超音波撮像が可能となる。
【0055】
一方、ステップS5においては、制御部22が、記録媒体検出部61によって読み取られたID情報と格納部21に格納されているID情報とが一致しないことを外部に通知するように表示部25の第1のLED又は音声発生部26を制御する。これにより、第1のLEDが点灯し、又は、スピーカから第1の警告音が発せられるので、ID情報が一致しないことをオペレータが認識することができる。その後、処理がステップS1に戻る。
【0056】
ステップS6において、タイマ24が、記録媒体検出部61が記録媒体装着部51への記録媒体の装着を検出してから経過した時間を計測する。ステップS7において、制御部22が、タイマ24によって計測された時間が所定時間を超えたか否かを判定する。計測された時間が所定時間を超えた場合には、処理がステップS8に移行し、計測された時間が所定時間を超えていない場合には、処理がステップS9に移行する。
【0057】
ステップS8において、制御部22が、記録媒体が装着されてから所定時間が経過したことを外部に通知するように表示部25の第2のLED又は音声発生部26を制御する。これにより、第2のLEDが点灯し、又は、スピーカから第2の警告音が発せられるので、記録媒体が装着されてから所定時間が経過したことをオペレータが認識することができる。その後、処理がステップS10に移行する。
【0058】
ステップS9において、制御部22は、記録媒体装着部51から記録媒体が取り外されたことを記録媒体検出部61が検出したか否かを判定する。記録媒体が取り外されていない場合には、処理がステップS6に戻り、記録媒体が取り外された場合には、処理がステップS10に移行する。
【0059】
ステップS10において、制御部22が、駆動信号発生部13、受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17等への電力供給を停止するように電源部27を制御する。
【0060】
次に、本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る超音波プローブの構成を示すブロック図であり、図6は、本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置本体の構成を示すブロック図である。本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置は、図5に示す超音波プローブ1aと、図6に示す超音波診断装置本体2aとによって構成される。
【0061】
第2の実施形態においては、超音波プローブ1aの記録媒体検出部61から出力される検出信号及びID情報が超音波診断装置本体2aに送信され、超音波診断装置本体2aにおいて超音波プローブ1aの制御が行われる。その他の点に関しては、第1の実施形態と同様である。
【0062】
超音波プローブ1aの制御部22は、記録媒体検出部61から出力される検出信号及びID情報を、通信制御部18を介して無線通信部17に出力する。無線通信部17は、検出信号及びID情報を超音波診断装置本体2aに送信する。超音波診断装置本体2aの無線通信部31は、検出信号及びID情報を受信して、通信制御部32を介して制御部42に出力する。
【0063】
制御部42は、記録媒体検出部61の検出結果に基づいて、制御信号を超音波プローブ1aに送信するように通信制御部32を制御する。超音波プローブ1aの制御部22は、超音波診断装置本体2aから送信される制御信号に従って、駆動信号発生部13、受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17等への電力供給を開始するように電源部27を制御する。
【0064】
例えば、少なくとも1種類のID情報が予め格納部41に格納されており、記録媒体検出部61が、記録媒体装着部51への記録媒体の装着を検出した際に、記録媒体に記録されているID情報を読み取り、制御部42が、記録媒体検出部61によって読み取られたID情報と格納部41に格納されているID情報とが一致するか否かを判定し、両者が一致する場合に、駆動信号発生部13等への電力供給を開始させる制御信号を送信するように無線通信部31を制御する。超音波プローブ1aの無線通信部17は、その制御信号を受信して、通信制御部18を介して制御部22に出力する。制御部22は、駆動信号発生部13等への電力供給を開始するように電源部27を制御する。
【0065】
一方、制御部42は、記録媒体検出部61によって読み取られたID情報と格納部21に格納されているID情報とが一致しないと判定された場合には、両者が一致しないことを警告するための制御信号を送信するように無線通信部31を制御する。超音波プローブ1aの無線通信部17は、その制御信号を受信して、通信制御部18を介して制御部22に出力する。制御部22は、両者が一致しないことを外部に通知するように警告部(表示部25の第1のLED、又は、音声発生部26)を制御する。これにより、第1のLEDが点灯し、又は、スピーカから第1の警告音が発せられるので、ID情報が一致しないことをオペレータが認識することができる。
【0066】
超音波診断装置本体2aにおいて、計時部としてのタイマ48は、記録媒体検出部61が記録媒体装着部51への記録媒体の装着を検出してから経過した時間を計測する。制御部42は、タイマ48によって計測された時間が所定時間を超えたときに、記録媒体装着部51に記録媒体が装着されていることを警告するための制御信号を送信するように無線通信部31を制御する。超音波プローブ1aの無線通信部17は、その制御信号を受信して、通信制御部18を介して制御部22に出力する。制御部22は、記録媒体装着部51に記録媒体が装着されていることを外部に通知するように警告部(表示部25の第2のLED、又は、音声発生部26)を制御する。これにより、第2のLEDが点灯し、又は、スピーカから第2の警告音が発せられるので、記録媒体が装着されてから所定時間が経過したことをオペレータが認識することができる。
【0067】
また、制御部42は、超音波プローブ1の警告部を用いたオペレータへの通知に加えて、又は、それに替えて、警告を発するように表示部36又は音声発生部47を制御するようにしても良い。
【0068】
さらに、制御部42は、タイマ48によって計測された時間が所定時間を超えたときに、駆動信号発生部13、受信信号処理部15、パラレル/シリアル変換部16、無線通信部17等への電力供給を停止するための制御信号を送信するように無線通信部31を制御する。超音波プローブ1aの無線通信部17は、その制御信号を受信して、通信制御部18を介して制御部22に出力する。制御部22は、駆動信号発生部13等への電力供給を停止するように電源部27を制御する。ただし、無線通信部17が伝送信号を送信中である場合には、制御部22は、伝送信号の送信が完了した後に、駆動信号発生部13等への電力供給を停止するように電源部27を制御する。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、超音波を送受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波プローブ、及び、超音波プローブと超音波診断装置本体とによって構成される超音波診断装置において利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置本体の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す受信信号処理部の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの動作例を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置本体の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
1、1a 超音波プローブ
2、2a 超音波診断装置本体
10 超音波トランスデューサ
11 送信遅延パターン記憶部
12 送信制御部
13 駆動信号発生部
14 受信制御部
15 受信信号処理部
16 パラレル/シリアル変換部
17 無線通信部
18 通信制御部
21 格納部
22 制御部
23 操作スイッチ
24 タイマ
25 表示部
26 音声発生部
27 電源部
28 電源スイッチ
29 受電手段
31 無線通信部
32 通信制御部
33 シリアル/パラレル変換部
34 画像形成部
35 表示制御部
36 表示部
41 格納部
42 制御部
43 操作部
44 電源部
45 電源スイッチ
46 給電手段
47 音声発生部
48 タイマ
151 プリアンプ
152 ローパスフィルタ(LPF)
153 アナログ/ディジタル変換器(ADC)
154 直交検波処理部
154a、154b ミキサ(掛算回路)
154c、154d ローパスフィルタ(LPF)
155a、155b サンプリング部
156a、156b メモリ
341 受信遅延パターン記憶部
342 整相加算部
343 メモリ
344 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動信号に従って超音波を送信すると共に、超音波エコーを受信して複数の受信信号を出力する複数の超音波トランスデューサと、
前記複数の超音波トランスデューサから出力される複数の受信信号に対して信号処理を施すことにより伝送信号を生成する信号処理部と、
前記信号処理部によって生成される伝送信号を無線通信によって外部に送信する無線通信部と、
被検者又はオペレータのID情報が記録されている記録媒体が装着可能な記録媒体装着部と、
前記記録媒体装着部への記録媒体の装着を検出する記録媒体検出部と、
バッテリを含み、電力を必要とする各部に電力を供給する電源部と、
前記記録媒体検出部の検出結果に基づいて、少なくとも前記信号処理部及び前記無線通信部への電力供給を開始するように前記電源部を制御する制御部と、
を具備する超音波プローブ。
【請求項2】
少なくとも1種類のID情報を格納する格納部をさらに具備し、
前記記録媒体検出部が、前記記録媒体装着部への記録媒体の装着を検出した際に、前記記録媒体に記録されているID情報を読み取り、
前記制御部が、前記記録媒体検出部によって読み取られたID情報と前記格納部に格納されているID情報とが一致するか否かを判定し、両者が一致する場合に、少なくとも前記信号処理部及び前記無線通信部への電力供給を開始するように前記電源部を制御する、
請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記記録媒体検出部によって読み取られたID情報と前記格納部に格納されているID情報とが一致しないと判定された場合に、両者が一致しないことを外部に通知する警告部をさらに具備する、請求項2記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記記録媒体検出部が前記記録媒体装着部への前記記録媒体の装着を検出してから経過した時間を計測する計時部と、
前記計時部によって計測された時間が所定時間を超えたときに、前記記録媒体装着部に前記記録媒体が装着されていることを外部に通知する警告部と、
をさらに具備する、請求項1又は2記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記制御部が、前記計時部によって計測された時間が所定時間を超えたときに、少なくとも前記信号処理部及び前記無線通信部への電力供給を停止するように前記電源部を制御する、請求項4記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記制御部が、前記記録媒体装着部から前記記録媒体が取り外されたことを前記記録媒体検出部が検出した際に、少なくとも前記信号処理部及び前記無線通信部への電力供給を停止するように前記電源部を制御する、請求項1〜5のいずれか1項記載の超音波プローブ。
【請求項7】
複数の記録媒体装着部を具備し、
前記制御部が、前記複数の記録媒体装着部に複数の記録媒体がそれぞれ装着されていることを前記記録媒体検出部が検出したときに、又は、前記複数の記録媒体装着部の内の少なくとも1つに記録媒体が装着されていることを前記記録媒体検出部が検出したときに、少なくとも前記信号処理部及び前記無線通信部への電力供給を開始するように前記電源部を制御する、請求項1〜6のいずれか1項記載の超音波プローブ。
【請求項8】
少なくとも前記複数の超音波トランスデューサ、前記信号処理部、前記無線通信部、前記電源部、及び、前記制御部を収納する筐体をさらに具備し、
前記記録媒体装着部が、前記筐体に設けられたスロットを有し、
前記記録媒体が、前記スロットに挿入自在で、かつ、被検者又はオペレータを特定するためのID情報が記録されているICカード又は磁気カードを含む、
請求項1〜7のいずれか1項記載の超音波プローブ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の超音波プローブと、
前記超音波プローブとの間で無線通信を行い、前記超音波プローブを制御する超音波診断装置本体と、
を具備する超音波診断装置。
【請求項10】
請求項1記載の超音波プローブと、
前記超音波プローブとの間で無線通信を行い、前記超音波プローブを制御する超音波診断装置本体と、
を具備する超音波診断装置であって、前記超音波診断装置本体が、
少なくとも1種類のID情報を格納する格納部と、
前記超音波診断装置の各部を制御する第2の制御部と、
を具備し、
前記記録媒体検出部が、前記記録媒体装着部への記録媒体の装着を検出した際に、前記記録媒体に記録されているID情報を読み取り、
前記第2の制御部が、前記記録媒体検出部によって読み取られたID情報と前記格納部に格納されているID情報とが一致するか否かを判定し、両者が一致する場合に、少なくとも前記信号処理部及び前記無線通信部への電力供給を開始するように前記制御部を介して前記電源部を制御する、
超音波診断装置。
【請求項11】
前記超音波プローブが、前記記録媒体検出部によって読み取られたID情報と前記格納部に格納されているID情報とが一致しないと判定された場合に、両者が一致しないことを外部に通知する警告部をさらに具備する、請求項10記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−172412(P2010−172412A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16639(P2009−16639)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】